JPH069458B2 - 離型油 - Google Patents
離型油Info
- Publication number
- JPH069458B2 JPH069458B2 JP60276910A JP27691085A JPH069458B2 JP H069458 B2 JPH069458 B2 JP H069458B2 JP 60276910 A JP60276910 A JP 60276910A JP 27691085 A JP27691085 A JP 27691085A JP H069458 B2 JPH069458 B2 JP H069458B2
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- JP
- Japan
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- oil
- powder
- release
- oils
- mold
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は製菓、製パン用の離型油に関する。
従来、製菓、製パン用に使用されている離型油は固型
状、液状またはO/Wエマルジョン型等があり、製品の
配合、および天板や焼型の材質等、それぞれの特徴に応
じて使用されている。
状、液状またはO/Wエマルジョン型等があり、製品の
配合、および天板や焼型の材質等、それぞれの特徴に応
じて使用されている。
一般の液状離型油は、例えば特公昭51−16935号
公報に記載されているように、大豆油、ナタネ油、コー
ン油、綿実油等の液状油にワックスを溶解し、さらに分
散剤としてレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル等を使用している。また
固型状離型油は、豚脂、牛脂、パーム油、食用硬化油を
使用しており、使用する分散剤等も液状離型油と同様で
ある。他に上記の配合系中にデンプンやガム質等の固型
物粉体を油脂中に分散させ離型力を向上させたものもあ
る(特公昭49−21074号公報)。
公報に記載されているように、大豆油、ナタネ油、コー
ン油、綿実油等の液状油にワックスを溶解し、さらに分
散剤としてレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル等を使用している。また
固型状離型油は、豚脂、牛脂、パーム油、食用硬化油を
使用しており、使用する分散剤等も液状離型油と同様で
ある。他に上記の配合系中にデンプンやガム質等の固型
物粉体を油脂中に分散させ離型力を向上させたものもあ
る(特公昭49−21074号公報)。
最近洋菓子が高級化し、糖分や卵の使用が多くなり、高
い離型性が要求されるようになり、従来の離型油では十
分満足できる性能が得られなかった。例えば油脂中に不
溶性のデンプンやガム質のような固型物を分散させた離
型油は、繰り返しオーブン中にて焼かれるために上記の
固型物粉体が炭化し、製品に付着するという悪い影響を
与える。また工程中のスプレー装置の周囲にはこれらが
堆積して細菌的な面からも衛生上好ましくない。
い離型性が要求されるようになり、従来の離型油では十
分満足できる性能が得られなかった。例えば油脂中に不
溶性のデンプンやガム質のような固型物を分散させた離
型油は、繰り返しオーブン中にて焼かれるために上記の
固型物粉体が炭化し、製品に付着するという悪い影響を
与える。また工程中のスプレー装置の周囲にはこれらが
堆積して細菌的な面からも衛生上好ましくない。
本発明は、食用油脂に5〜50重量%の植物性ワックス
粉末および蜜ロウ粉末から選ばれる1種以上を溶解せず
に分散させてなる離型油を提供するものである。
粉末および蜜ロウ粉末から選ばれる1種以上を溶解せず
に分散させてなる離型油を提供するものである。
本発明に用いる食用油脂としては常温にて液状の食用油
脂、たとえば大豆油,ナタネ油、コーン油、綿実油、ヌ
カ油、サフラワー油、ヒマワリ油等、また、常温では固
形状の食用油脂、たとえば前述の液状の食用油脂を常法
によって水素添加して得られる硬化油、パーム油、豚
脂、牛脂等を挙げることができる。また、本発明では前
述の食用油脂の2種若しくはそれ以上の混合物を用いて
もよい。
脂、たとえば大豆油,ナタネ油、コーン油、綿実油、ヌ
カ油、サフラワー油、ヒマワリ油等、また、常温では固
形状の食用油脂、たとえば前述の液状の食用油脂を常法
によって水素添加して得られる硬化油、パーム油、豚
脂、牛脂等を挙げることができる。また、本発明では前
述の食用油脂の2種若しくはそれ以上の混合物を用いて
もよい。
本発明に用いる植物性ワックス粉末としては、米ヌカ
油、ナタネ油、ヒマワリ油などの植物油脂中に含まれる
ロウ分であり、高級アルコールの脂肪酸エステルからな
り、例えばライスワックス、カルナバワックス、キャン
デリラワックスなどがある。また蜜ロウ粉末としては蜜
蜂の巣に含まれるロウ分である。
油、ナタネ油、ヒマワリ油などの植物油脂中に含まれる
ロウ分であり、高級アルコールの脂肪酸エステルからな
り、例えばライスワックス、カルナバワックス、キャン
デリラワックスなどがある。また蜜ロウ粉末としては蜜
蜂の巣に含まれるロウ分である。
植物性ワックス粉末および蜜ロウ粉末から選ばれる1種
以上の配合量は、スプレー塗布をする液状離型油の場合
は5〜30重量%が好ましく、この量が5重量%未満で
は離型効果が少なく、また30重量%を越えるとスプレ
ー性が悪くなる。またグリーサー方式や手ぬり方式を対
象とする固型または液状の離型油の場合は5〜50重量
%が好ましく、この量が5重量%未満では離型効果が少
なく、また50重量%を越えると粉末が多すぎて食用油
脂への分散が困難となるし天板や焼型は良くなじまなく
なる。
以上の配合量は、スプレー塗布をする液状離型油の場合
は5〜30重量%が好ましく、この量が5重量%未満で
は離型効果が少なく、また30重量%を越えるとスプレ
ー性が悪くなる。またグリーサー方式や手ぬり方式を対
象とする固型または液状の離型油の場合は5〜50重量
%が好ましく、この量が5重量%未満では離型効果が少
なく、また50重量%を越えると粉末が多すぎて食用油
脂への分散が困難となるし天板や焼型は良くなじまなく
なる。
植物性ワックス粉末および蜜ロウ粉末の粒径は最大径で
も100μm以下が好ましく、特に好ましくは80μm
以下である。この粒径が100μmを越えたり不均一に
なると天板や焼型に良くなじまず離型性が低下する。さ
らに液状離型油をスプレー使用する際、スプレーノズル
の閉塞がおこりやすくなる。
も100μm以下が好ましく、特に好ましくは80μm
以下である。この粒径が100μmを越えたり不均一に
なると天板や焼型に良くなじまず離型性が低下する。さ
らに液状離型油をスプレー使用する際、スプレーノズル
の閉塞がおこりやすくなる。
本発明の離型油を調製するにあたっては、食用油脂を均
一に溶解して植物性ワックス粉末および蜜ロウ粉末が溶
解しない温度(55℃以下)に保ち、これに植物性ワッ
クス粉末および蜜ロウ粉末の所定量を添加してミキサー
で撹拌混合して良く分散させる。この際、分散を良好に
するために、更に分散剤としてグリセリン脂肪酸エステ
ル(モノグリセリド)、ソルビタン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テルなどを添加してもよく、この場合離型性を更に高め
ることができる。分散剤の添加量は合計で0.1〜10重
量%の範囲が好ましい。
一に溶解して植物性ワックス粉末および蜜ロウ粉末が溶
解しない温度(55℃以下)に保ち、これに植物性ワッ
クス粉末および蜜ロウ粉末の所定量を添加してミキサー
で撹拌混合して良く分散させる。この際、分散を良好に
するために、更に分散剤としてグリセリン脂肪酸エステ
ル(モノグリセリド)、ソルビタン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テルなどを添加してもよく、この場合離型性を更に高め
ることができる。分散剤の添加量は合計で0.1〜10重
量%の範囲が好ましい。
分散終了後は、そのまま使用してもよく、また必要なら
ば常法により急冷捏和して流動性を賦与することもでき
る。
ば常法により急冷捏和して流動性を賦与することもでき
る。
本発明の離型油は、粉末状の植物性ワックス等を溶解せ
ずに分散させることにより、天板や焼型に粉末状固型物
と食用油脂とが相乗的に良くなじみ、従来離型性の悪い
とされていた型物にも使用でき、特に離型性の悪い焼型
の側面にも良く付着することにより優れた離型性を発揮
する。また、本発明の離型油は焼成後に植物性ワックス
粉末が熱溶解するために、デンプン質やガム質等のよう
に天板や焼型を汚すことなく使用できる。
ずに分散させることにより、天板や焼型に粉末状固型物
と食用油脂とが相乗的に良くなじみ、従来離型性の悪い
とされていた型物にも使用でき、特に離型性の悪い焼型
の側面にも良く付着することにより優れた離型性を発揮
する。また、本発明の離型油は焼成後に植物性ワックス
粉末が熱溶解するために、デンプン質やガム質等のよう
に天板や焼型を汚すことなく使用できる。
さらに植物性ワックス粉末はデンプン質やガム質のよう
にカビや細菌による汚染を生ずることがなく、生産ライ
ンが常に衛生的に保たれる。
にカビや細菌による汚染を生ずることがなく、生産ライ
ンが常に衛生的に保たれる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明する。な
お例中の%は重量%を示す。
お例中の%は重量%を示す。
実施例1〜6 表1に示す配合組成の離型油を調製した。なお使用した
ワックス粉末の平均粒径は60μmで最大径100μm
であり、分散は50℃で30分間撹拌混合した。
ワックス粉末の平均粒径は60μmで最大径100μm
であり、分散は50℃で30分間撹拌混合した。
上記のようにして得た離型油を用いて、ケーキを焼成
し、離型状態を観察した。結果を表1に示す。
し、離型状態を観察した。結果を表1に示す。
ケーキは下記の配合でオールインミックス法によりホイ
ッパーを用いて高速6分間撹拌して生地を調整した。
ッパーを用いて高速6分間撹拌して生地を調整した。
(ケーキの配合) (焼成条件) 製菓改良脂 20重量部 生地比重 0.32 マーガリン 20 〃 焼型 8×6×4.5(cm) 卵 白 135 〃 温度 160〜170℃ 液 卵 130 〃 時間 15分 薄 力 粉 86 〃 砂 糖 145 〃 食 塩 1.5 〃 比較例1〜5 表2に示す配合組成の離型油を調製した。なお、RWP
は実施例と同じものを用いたが、比較例1、3、4は食
用油脂を80℃に加温し、RWPを溶解状態で添加し
た。得られた離型油について実施例と同様に試験を行な
った。その結果を表2に示す。
は実施例と同じものを用いたが、比較例1、3、4は食
用油脂を80℃に加温し、RWPを溶解状態で添加し
た。得られた離型油について実施例と同様に試験を行な
った。その結果を表2に示す。
表1および表2の結果から明らかなように、実施例のも
のは比較例のものより離型性が優れていることが認めら
れる。
のは比較例のものより離型性が優れていることが認めら
れる。
Claims (1)
- 【請求項1】食用油脂に5〜50重量%の植物性ワック
ス粉末および蜜ロウ粉末から選ばれる1種以上を溶解せ
ず分散させてなる離型油。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60276910A JPH069458B2 (ja) | 1985-12-11 | 1985-12-11 | 離型油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60276910A JPH069458B2 (ja) | 1985-12-11 | 1985-12-11 | 離型油 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62138130A JPS62138130A (ja) | 1987-06-20 |
JPH069458B2 true JPH069458B2 (ja) | 1994-02-09 |
Family
ID=17576089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60276910A Expired - Fee Related JPH069458B2 (ja) | 1985-12-11 | 1985-12-11 | 離型油 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069458B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6375153B2 (ja) * | 2014-06-19 | 2018-08-15 | ミヨシ油脂株式会社 | 離型油 |
EP3159165B1 (en) * | 2014-06-20 | 2020-10-07 | Toyo Seikan Co., Ltd. | Structure provided with liquid film formed on surface thereof and coating solution for forming liquid film |
CA2982912C (en) * | 2015-04-24 | 2020-06-09 | Toyo Seikan Co., Ltd. | Structure having externally added regions on the surface thereof |
JP6587823B2 (ja) | 2015-04-24 | 2019-10-09 | 東洋製罐株式会社 | 表面に固体粒子が分布している容器 |
JP6588737B2 (ja) * | 2015-05-20 | 2019-10-09 | ミヨシ油脂株式会社 | 離型油とその製造方法 |
-
1985
- 1985-12-11 JP JP60276910A patent/JPH069458B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62138130A (ja) | 1987-06-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |