JPH074162B2 - 離型油 - Google Patents

離型油

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JPH074162B2
JPH074162B2 JP62114024A JP11402487A JPH074162B2 JP H074162 B2 JPH074162 B2 JP H074162B2 JP 62114024 A JP62114024 A JP 62114024A JP 11402487 A JP11402487 A JP 11402487A JP H074162 B2 JPH074162 B2 JP H074162B2
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JP
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lecithin
fatty acid
acid ester
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Inventor
照夫 清水
Original Assignee
日本油脂株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は離型油に関し、さらに詳細には菓子類、パン類
などの製造に際して、焼型に塗布することによって型抜
きを容易に行なうための離型油に関する。
〔従来の技術〕
従来より、製菓、製パン用に使用されている離型油は液
状、固型状またはO/Wエマルジヨン型等があり、製品の
配合組成および天板や焼型の材質等の特徴に応じて適宜
使用されている。
一般の液状離型油は、例えば特公昭51-16935号公報に開
示されているように、大豆油、ナタネ油、コーン油、綿
実油等の液状油にワツクスを溶解し、さらにこのとき分
散剤として、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル(モ
ノグリセライド)、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル
等を使用している。
また固型状離油には豚脂、牛脂、パーム油、食用硬化油
を使用しており、このとき液状離型油に使用した分散剤
等が使用されている。
また、上記の配合系中においてデンプンやガム質等の固
型物粉体を油脂中に分散させ離型力を向上させたものも
開示されている(特公昭49-21074号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、近年洋菓子が高級化するに伴い糖分や卵の使用
量が多くなり、しかもソフト化指向となって、高い離型
性が強く要求されるようになり、従来の離型油では十分
満足できる性能が得られなくなつてきた。
例えば油脂中に不溶性のデンプンやガム質のような固型
物を分散させた離型油は、繰り返えしオーブン中にて焼
かれるために上記の固型物粉体が炭化し、製品に付着し
て悪い影響を与える。
また工程中のスプレー装置の周囲にはこれらが堆積して
細菌的な面からも衛生上からも好ましくない。
そこで本発明は、卵、糖分が多く配合された洋菓子類の
焼成時にも焼型への生地の付着がなく、極めて高い離型
性が発揮され、かつ衛生面にも優れた離型油を提供する
ことを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、上記問題点を解決するため鋭意研究を重ね
た結果、レシチンをホスホリパーゼで酵素処理してなる
酵素処理レシチンとレシチンとを食用油脂に配合すれば
高い離型性を持つ離型油が得られるとの知見を得て本発
明を完成した。
本発明に用いる食用油脂は、常温にて液状の食用油脂と
して、例えば大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、ヌ
カ油、サフラワー油、ヒマワリ油等が挙げられる。
、また常温では固型状の食用油脂としては例えば前述の
液状の食用油脂を常法によつて水素添加して得られる硬
化油、パーム油、豚脂、牛脂等が挙げられる。
また使用に当ってはこれらの液状、あるいは固形状の食
用油脂の1種あるいは2種以上の混合物を用いることが
できる。
酵素処理レシチンはレシチンをホスホリパーゼで酵素処
理することによって得られ、ホスホリパーゼで酵素処理
することによって、レシチンのジアシルグリセロリン脂
質のβ位のエステル結合が加水分解され、α−モノアシ
ルグリセロリン脂質(リゾリン脂質)が生成する。
生成したリゾリン脂質はもとのリン脂質に比べかなり親
水性が増し性質が変化するため、これを食用油脂および
とレシチンと組合せることにより、これらの相乗効果で
高い離型力を発揮できる。
酵素処理レシチンの反応の進行度は、機能面より考える
と、全リン脂質に対するリゾリン脂質のモル比で40%以
上が望ましい。
本発明において食用油脂へのこれらの配合量は、ホスホ
リパーゼによる酵素処理レシチンとレシチンとの合計量
が1〜30重量%、好ましくは3〜30重量%である。
合計量が1重量%未満では離型効果が充分発揮出来ず、
また30重量%を超えて使用してもさほど効果は向上しな
い。
またホスホリパーゼによる酵素処理レシチンの合計量に
対する使用比率は、50〜90重量%、好ましくは50〜85重
量%であることが望ましい。
これは酵素処理によつて、レシチン中の脂質が加水分解
されるので、脂質は親水性が高くなり食用油脂に均一に
分散しなくなる。
そこで、酵素処理レシチンに対してレシチンを合計量に
対して10〜50重量%、好ましくは15〜50重量%併用する
ことにより、これが解決される。
本発明に使用するレシチンとは大豆レシチン、卵黄レシ
チン等であり市販の物を利用できる。
また、本発明においては分散剤を添加することによつて
更に離型効果を高めることが出来る。
分散剤の添加量は食用油脂に対して0.1〜10重量%が好
ましい。
分散剤としてはグリセリン脂肪酸エステル(モノグリセ
リド)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレング
リコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
シヨ糖脂肪酸エステル等が好ましいが特に限定されな
い。
本発明の離型油を調製するにあたつては、食用油脂に対
し酵素処理レシチンおよびレシチン更に要すれば分散剤
を配合し、70〜80℃の温度に加熱し、完全に溶解する。
その後、結晶化する配合の離型油の場合は10〜30℃の温
度に急冷練り合わせを行なつて結晶を微細化することに
より伸展性、つや、分離防止能を賦与することも出来
る。
〔発明の効果〕
本発明の離型油は、酵素処理レシチンとレシチンの相乗
効果が優れた離型性を発揮し、パンはもとより、従来よ
り離型性の悪い卵、糖分が多く配合された洋菓子類の焼
成時にも焼型への生地の付着がなく、きわめて高い離型
性が発揮できる。
また焼型への親和性、塗布性も良好であり、スプレー使
用を目的としている液状離型油に利用しても、デンプン
等の固型物を含んでいないため、繰り返えしオーブン中
にて焼かれてもデンプン等の粉体が炭化し、製品に付着
して悪い影響を与えることがなく、作業中における周囲
も固型物か堆積することなく清潔に保たれ、衛生面にも
優れている。
〔実施例および比較例〕
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
なお例中の%は、特記しない限り重量%を示す。
実施例1 第1表に示す配合組成に示すように、食用油脂として大
豆油100重量部に対して、ホスホリパーゼによる酵素処
理レシチンとして、協和発酵株式会社製のエルコイザー
A〔α−モノアシルグリセロリン脂質(リゾリン脂質)
81モル%〕を5重量部、レシチンとして大豆レシチン3
重量部、さらに分散剤として、グリセリン脂肪酸エステ
ル(モノグリセリド)2重量部を配合し、75℃に加熱溶
解し離型油を調製した。
次に下記に示す配合のケーキを焼成し離型状態を観察し
た。
(ケーキの配合および調製法) 卵 1800g 砂糖 1200g マーガリン 200g 水 100g 上記の配合したものをミキサーボールに入れ、ホイツパ
ーにて高速で7分間撹拌し、生地比重を0.35〜0.40にし
た。
その後あらかじめ計量篩別後の薄力粉1000gとベーキン
グパウダー20gを加え低速にて1分間混合し、生地を調
製した。
次にこの生地を、前記にて調製した離型油を塗布した直
径10cm、深さ8cmの焼型に入れて160〜170℃のオーブン
にて15〜18分間焼成し、離型状態を観察しその結果を第
1表に示す。
実施例2〜11、比較例1〜6 実施例1に準じて、第1表に示す配合割合で離型油を調
製し、実施例1に準じて離型状態を観察し、その結果を
第1表に示す。
なお、実施例11に用いた、酵素処理レシチンは、大豆レ
シチンの15%を含む水分散液1000mlに塩化カルシウムの
20ミリモルを添加した後、ホスホリパーゼAを300mg(1
260U)添加しpH9.0,55℃で1.5時間処理して得た、反応
の進行度が40モル%のリゾリン脂質である。
第1表の結果より、本発明の離型油は離型性が優れてい
ることが明らかである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レシチンをホスホリパーゼで酵素処理して
    なる酵素処理レシチンとレシチンとの使用合計量が食用
    油脂に対して1〜30重量%になるように食用油脂に配合
    し、かつ使用合計量に対する酵素処理レシチンの使用比
    率を50〜90重量%に調整してなる離型油。
  2. 【請求項2】分散剤としてグリセリン脂肪酸エステル
    (モノグリセリド)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
    プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
    酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステルを食用油脂に対して
    0.1〜10重量%配合してなる特許請求の範囲第1項に記
    載の離型油。
JP62114024A 1987-05-11 1987-05-11 離型油 Expired - Lifetime JPH074162B2 (ja)

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JP62114024A JPH074162B2 (ja) 1987-05-11 1987-05-11 離型油

Applications Claiming Priority (1)

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JP62114024A JPH074162B2 (ja) 1987-05-11 1987-05-11 離型油

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63279751A JPS63279751A (ja) 1988-11-16
JPH074162B2 true JPH074162B2 (ja) 1995-01-25

Family

ID=14627133

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