JP6936901B1 - フィリング用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、複合菓子のフィリング用に使用される油脂において、ブルームの発生を抑制できるものを提供することにある。【解決手段】ラウリン系油脂を含む、ラウリン酸を35〜54質量%含有する油脂原料をランダムエステル交換したものが、フィリングに求められる口溶けを有しつつ、チョコレートを外層とする複合菓子においてブルームの発生を抑制する効果を有することを見いだし、本発明を完成させた。ラウリン系油脂を含む油脂原料としては、パーム核油やヤシ油を単一原料として使用することで、調製が容易で望ましかった。【選択図】なし

Description

本発明は、チョコレートを外層とする複合菓子における、フィリング用油脂組成物に関するものである。
チョコレートを外層とする複合菓子においては、チョコレート部分のブルーム現象が問題となる場合があり、その対策に関する出願が存在する。例えば特許文献1では、焼き菓子部分に所定の油脂を使用する事で、油性食品の軟化及びブルーム現象を抑制できる旨記載されている。また特許文献2では、所定の油脂を使用することで、ブルームを効果的に抑制できる旨記載されている。
特許文献3には、チョコレートバー等のフィリングに使用する菓子製造用バターに関し、75部のパーム核オレインと25部のパームステアリンとを混合しランダムエステル化した油脂について記載されている。
特許文献4には、ヤシ油又はパーム核油を含む混合油脂にランダムエステル交換を施した油脂(油脂A〜D)を使用することが記載されている。
引用文献5には「70%パーム核オレインとパーム油とのエステル交換混合物」との記載がある(実施例4)。
特開2019−170304号公報 特開2015−202099号公報 英国特許出願公告第1382573号 特開2008−301731号公報 特開平5−192081号公報
本発明の課題は、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリングに使用される油脂組成物において、チョコレート表面におけるブルームの発生を抑制できるものを提供することにある。特に、調製が比較的容易な油脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、課題の解決に向け鋭意検討を行った。特許文献1は焼き菓子用の油脂組成物に関するものであり、油脂自体の直接的な口溶けが重視されるフィリングに適用することは難しいものであった。
特許文献2もフィリングへの適用を示した実施例はなかった。また、融点が60.7℃程度あるハイエルシン菜種極度硬化油をエステル交換原料として大量に使用していることから、口溶けの点でフィリングへの使用は困難であった。
特許文献3に記載のエステル交換油は、その原料に、融点が44℃以上であるパームステアリンを25部以上含むもので、口溶けが悪いものであった。
特許文献4に記載のエステル交換油は、ハイエルシン菜種極度硬化油(融点は約60℃)が使用されるか、ハイエルシン菜種を使用してエステル交換をした後に極度硬化を行っており、口溶けが悪いことが想定された。
特許文献5に記載のエステル交換混合物は、そのエステル交換反応前の組成が不明確ではあるが、パーム核オレインの配合量が70%であれば、パーム核オレインに含まれるラウリン酸は42.5%程度であり、エステル交換油中のラウリン酸の量は29.8%程度にすぎない。また、フィリング中の油分における当該「エステル混合物」の割合は20%程度にすぎないものであった。
本発明者は更に検討を行ったところ、ラウリン系油脂を含む油脂原料がランダムエステル交換され、ラウリン酸を35〜54質量%含有する油脂組成物は、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用として用いた場合に、口溶けが良好で、かつ、チョコレートのブルーム発生を抑制する効果があることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)ラウリン系油脂を含む油脂原料がランダムエステル交換され、ラウリン酸を35〜54質量%含有する、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物、
(2)該油脂原料が、パーム核油、ヤシ油から選ばれる1以上を含むものである、前記(1)記載の、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物、
(3)該チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物が、該チョコレートのブルーム防止用である、前記(1)又は(2)に記載のチョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物、
(4)該原料油脂において使用する各油脂パーツの融点が20〜40℃である、前記(1)〜(3)いずれか1項に記載の、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物、
(5)該フィリングが、油脂を30質量%以上含むものである、前記(1)〜(4)いずれか1項に記載のチョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物、
(6)ラウリン系油脂を含み、ラウリン酸を35〜54質量%含有する油脂原料をランダムエステル交換する、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物の製造法、
(7)該油脂原料に使用する各油脂パーツの融点が20〜40℃である、前記(6)記載の製造法、
(8)ラウリン酸を35〜54質量%含有する原料油脂がランダムエステル交換された油脂組成物をフィリングに使用する、チョコレートを外層とする該フィリングを包含する複合菓子における、外層チョコレートのブルームの発生を防止する方法、
(9)該原料油脂において使用する各油脂パーツの融点が20〜40℃である、前記(8)記載の方法、
(10)前記(1)〜(5)いずれか1項に記載の、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物を、フィリングに含まれる油脂のうち25〜100質量%含有する、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング、
に関するものである。
本発明によれば、本発明に係る油脂組成物をチョコレートを外層とする複合菓子のフィリングに使用した場合に、口溶け良好なフィリングが得られ、かつチョコレート表面のブルームの発生を抑制することができる。
本発明でいう「ラウリン系油脂」とは、ラウリン酸を主要な構成脂肪酸として含む油脂である。具体的にはパーム核油、ヤシ油の他、このうち1以上に対し、分別、硬化、エステル交換の1以上の加工を経た油脂を挙げることができる。この際、ラウリン酸を主要な構成脂肪酸とする限りにおいて、他の油脂が混合される場合もある。なお、「主要な」とは、脂肪酸組成として35質量%以上をいう。
本発明でいう、「ラウリン系油脂を含む油脂原料」とは、上記ラウリン系油脂を必須の構成要件として含み、上記ラウリン系油脂単独の場合の他、ラウリン系油脂以外の油脂として、たとえば大豆油、菜種油、パーム油、綿実油、ごま油、米油、コーン油、魚油、及びこれらを分別、硬化、エステル交換から選ばれる1以上の加工を経た油脂から選ばれる1以上を含むものである。より望ましくは、ラウリン系油脂のみであり、更に望ましくはパーム核油、ヤシ油から選ばれる1以上のみである。そして、パーム核油、ヤシ油も分別等の加工がされていない物が、調製が単純で望ましい。望ましいとされる油脂を使用することで、複合菓子のフィリングに用いた場合に、口溶け良好なフィリングが得られ、かつチョコレート表面のブルーム抑制効果を得る事ができる。
本発明でいう、ランダムエステル交換とは、油脂に結合した脂肪酸を、触媒を用いてランダムにエステル交換する加工法をいう。
本発明で用いる触媒は、化学触媒の他、ランダムエステル交換活性を有するリパーゼを用いることができる。より望ましくは化学触媒である。用いる触媒としてはナトリウムメチラートを挙げる事ができる。化学触媒が望ましいのは、価格が安く、短時間で反応が終了する為である。
なお、リパーゼを用いてランダムエステル交換を行う場合は、リパーゼは市販品を使用することができる。ランダムエステル交換活性を有するリパーゼであれば、その種類は問わない。リパーゼの性能の違いは、反応温度や反応時間で調整することができる。
本発明で言うチョコレートを外層とする複合菓子とは、複数の菓子素材が組み合わされた菓子のうち、フィリング、チョコレートの2つを必須の構成要件とする複合菓子を指す。そして、チョコレートが外層に存在するものである。ここで外層とは、複合菓子の表面であり、消費者の目に触れる部分である。複合菓子において、チョコレートはその外層全てを覆う必要はなく、その外層の一部であってもよい。
該複合菓子においては、更に焼成菓子を使用することができる。ここで焼成菓子とは、小麦粉等の澱粉素材を主体とする生地を焼成した菓子であり、具体的には、クッキー、ビスケット、パイ、クラッカー、ウエハースを挙げることができる。想定される複合菓子としては、複数の焼成菓子の間にフィリングを挟んだ状態で、全体乃至一部の外層をチョコレートで覆うような形状が挙げられる。このような状態において、フィリングが外層のチョコレートと接触し、チョコレートにおけるブルーム発生に影響を与えるが、本願発明に係るフィリング用油脂組成物をフィリングに用いることで、そのブルームの発生を抑制することができる。
本発明に係るフィリング用油脂組成物は、ラウリン酸を35〜54質量%含有する必要がある。この量は、より望ましくは40〜53質量%であり、更に望ましくは43〜53質量%である。ラウリン酸の量が適当であることで、口溶けが良好でかつ、複合菓子におけるブルーム発生が抑制されたフィリング用油脂組成物を得ることができる。なお、本発明に係るフィリング用油脂組成物は、ランダムエステル交換により製造されるものであるので、ランダムエステル交換に供される油脂原料段階においても、同様に、ラウリン酸を35〜54質量%含有する必要が有ることは言うまでもない。
該油脂原料においては、使用する油脂パーツの融点は20〜40℃であることが望ましく、より望ましくは21〜38℃であり、更に望ましくは22〜36℃である。融点の高い油脂、たとえばハイエルシン菜種極度硬化油(融点60℃)を使用すると、フィリング用油脂として、口溶けが悪くなり、好ましくない。すなわち、本発明では特に、ハイエルシン酸菜種極度硬化油を使用する態様を除くことが望ましい。なお、油脂パーツの融点として20〜40℃の油脂であっても、当該油脂がエステル交換油脂であって、その油脂パーツの1つとしてハイエルシン菜種極度硬化油を使用したものは、本発明ではフィリングの口溶けの点で、使用しないことが望ましい。
なお、本発明に係る油脂組成物中の、ベヘン酸の含有量としては、0.7質量%以下であることが望ましく、より望ましくは0.3質量%以下であり、更に望ましくは0.1質量%以下である。ベヘン酸の量が適当であることで、フィリングとしたときに口溶け良好なフィリングとなる油脂組成物が得られる。
ハイエルシン酸菜種極度硬化油は、ブルームの発生を抑制する等の働きにより、ランダムエステル交換における原料油脂として用いられる場合も多いが、フィリング用の油脂組成物に用いた場合は、口溶けが問題となる場合が有る。本発明は、ハイエルシン酸菜種極度硬化油を用いない態様においても、チョコレートを外層とする複合菓子において、ブルームの発生を防止する効果がある点で特徴を有するものである。これは、ハイエルシン菜種油をランダムエステル交換における油脂原料として用い、その後に極度硬化処理を行う態様も同様である。
なお、本発明における融点は、上昇融点のことであり、具体的な方法は、日本油化学会制定 基準油脂分析試験法の記載に従った。
本発明に係るチョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物の融点は、20〜37℃であることが望ましく、より望ましくは22〜35℃であり、更に望ましくは23〜34℃である。融点が適当であることで、口溶け良好なフィリングを得る事ができる。
本発明に係るフィリングは、チョコレートを外層とする複合菓子において、チョコレートと接触した状態で存在するものである。存在の態様としては、焼成菓子にサンドされた状態の他、空洞のチョコレート中に充填したものをあげることができる。
このような態様においても、通常、フィリングの油脂がチョコレートにおけるブルームの発生に影響を与えるが、本発明に係るフィリング用油脂組成物を使用することで、チョコレート表面におけるブルームの発生を抑制する事ができる。
なお、本発明に係るフィリング用油脂組成物は、チョコレートを外層とする複合菓子に用いられるフィリングにおいて、その含まれる油分のうち25〜100質量%であることが望ましい。この量は、より望ましくは30〜95質量%であり、更に望ましくは40〜90質量%である.該フィリングにおいて、本発明に係るフィリング用油脂組成物が適当な量含まれる事で、外層のチョコレートにおけるブルーム抑制効果を発現することができる。
また、該フィリングにおける油脂の含有量は、25〜60質量%であることが望ましく、より望ましくは30〜55質量%であり、更に望ましくは38〜50質量%である。該フィリングにおける油脂の含有量が適当であることで、外層のチョコレートにおけるブルーム抑制効果を発現することができる。
なお、ここで言う油脂の含有量は、フィリングの原材料に由来する油脂全てを含むものであり、例えばフィリングに全脂粉乳を使用した場合には、その油分も含めたものである。
本発明において、「チョコレートを外層とする複合菓子のフィリング用油脂組成物」とは、チョコレートを外層とする複合菓子において、該複合菓子のフィリングに使用した場合に、ブルームの発生を抑制する効果を有することを特徴とするものである。ここで、抑制とは、類似する油脂を使用した場合よりも、より長期間、ブルームが発生しない状態を維持できることを指す。本発明に係る油脂は、ラウリン系油脂を含む油脂原料がランダムエステル交換された油脂であるが、類似する油脂として、ランダムエステル交換されていない、当該「ラウリン系油脂を含む油脂原料」が該当する。
本発明に係るフィリング用油脂組成物は、口溶けのよいフィリングを調製できるものであって、複合菓子のフィリング用として使用した場合に、チョコレート表面のブルームを抑制する効果を発揮するという、従来知られていない効果を有するものであり、本発明に係るフィリング用油脂組成物は、新たな用途に基づく用途発明である。
本発明はまた、チョコレートを外層とする複合菓子のフィリングに用いる、チョコレート表面のブルームを抑制する効果を有するフィリング用油脂組成物の製造法に関するものでもある。具体的には、ラウリン酸を35〜54質量%含有する油脂原料をランダムエステル交換するものである。そして、該油脂原料の油脂パーツとしては、融点が20〜40℃の油脂を用いることが望ましい。
ランダムエステル交換は、リパーゼによるエステル交換であっても、化学触媒によるエステル交換でもあっても、適用可能である。化学触媒を用いる場合はナトリウムメチラートを使用することが望ましく、その量は、油脂原料に対して0.1〜0.5質量%であることが望ましい。
リパーゼを用いたエステル交換にあっては、例えば、各種微生物由来のリパーゼを、油脂原料に対して1〜5質量%添加し、50〜70℃、16〜32時間反応させることで行う事ができる。ここで使用するリパーゼは、ランダムエステル交換活性を示すものであれば、あらゆるリパーゼを使用することができる。
本発明は又、チョコレートを外層とし、フィリングを包含する複合菓子における、外層チョコレートのブルームの発生を防止する方法ととらえることもできる。具体的には、ラウリン酸を35〜54質量%含有する原料油脂をランダムエステル交換する事を特徴とするものである。このような油脂組成物を複合菓子のフィリングに使用することで、チョコレートを外層とする複合菓子におけるチョコレート表面のブルームを抑制する事ができる。
以下、実施例により、より詳細に発明の実施態様を説明する。
検討1 エステル交換油脂組成物の調製
パーム核油(不二製油株式会社製「精製パーム核油」 融点27.4℃、ラウリン酸含量47.4質量%)を用いて、ランダムエステル交換油脂組成物を調製した。
実施例1は、化学触媒を用いた。実施例2は酵素を用いた。調製法は、以下の記載に従った。
なお、いずれのランダムエステル交換油脂組成物も、単一の油脂原料のみを使用したもので、調製が容易であった。
○化学触媒によるランダムエステル交換法
1.使用する油脂を50〜65℃で融解、混合した。
2.油脂100重量%に対し、ナトリウムメチラートを触媒として0.2質量%添加し、ランダムエステル交換した。
3.常法通り、脱色、脱臭を行った。
○酵素によるランダムエステル交換法
1.基質油脂を予備脱色した。(条件:白土 対油1質量%、温度110℃、保持時間10分)
2.脱色油脂を60℃以下に冷却後、濾過し、市販されているリパーゼ製剤と反応容器内で調合した。リパーゼ製剤の濃度は対油2質量%とした。
3.ガラス器具の口をラップで覆い、外気の侵入を防いだ。
4.反応温度60℃で24時間スターラーで攪拌し、反応させた。
5.酵素と反応油脂を吸引濾過にてろ別した。
検討2 複合菓子におけるブルーム発生試験
検討1で得られた油脂組成物を用い、複合菓子におけるブルーム発生試験を行った。試験は、複合菓子を想定した単純系で行った。
表2−1の配合に従い、フィリングを調製した。フィリングの調製法は「○フィリングの調製法」に従った。
チョコレートは、表2−2の配合に従い調製した。調製法は、「○チョコレートの調製法」に従った。
フィリングおよびチョコレートを用いて、ブルーム発生試験を行った。方法は「○ブルーム発生試験法」に従った。
結果を表2−3に示した。
表2−1 フィリングの配合
Figure 0006936901

・全脂粉乳には、よつ葉乳業株式会社製全脂粉乳を使用した。本品は、油分を26質量%含有するものであった。
・粉糖には、グラニュー糖を粉末化した物を使用した。
・パーム核油には、不二製油株式会社製「精製パーム核油」(融点27.4℃、ラウリン酸含量47.4質量%)を使用した。
・実施例1で得られた油脂組成物の融点は26.2℃、実施例2で得られた油脂組成物の融点は27℃であった。
・実施例1,2で得られた油脂組成物において、ラウリン酸の含有量は47.4質量%であった。
○フィリングの調製法
1.各油脂部を60〜70℃で完全融解し、他の原料を添加した。
2.ヘラで混合し、全体をなじませ、品温が35℃以下となったらプラスチック製容器(開口部φ6cm、高さ3cm)に30〜32g充填した。
3.充填後10℃、15分冷却固化した。
4. 20℃で1日静置後、ブルーム発生試験へ供した。
表2−2 チョコレートの配合
Figure 0006936901

・植物油脂には、不二製油株式会社製のカカオバター類似脂であるメラノSS40を使用した。
・全脂粉乳には、よつ葉乳業株式会社製全脂粉乳を使用した。
・粉糖には、グラニュー糖を粉末化した物を使用した。
○チョコレートの調製法
1.配合表に従い、カカオマス、ココアバター、全脂粉乳、粉糖、植物油脂の一部(概ね3/4)を温水ジャケット付きミキサーを使用して混合し、50℃で適度な硬さの生地とした。
2.該生地をロールリファイナーによって微粒化処理し、マイクロメーターで17〜23μ前後の粒子径に調整した。
3.コンチェにて練り上げながら、残りの油脂原料融解混合物と混合した。
4.作成したチョコレート生地をチョコシードA(不二製油株式会社製)でテンパリングし、33℃湯煎で温調した。
○ブルーム発生試験法
1.「○フィリングの調製法」で調製した各フィリングの上部へ、「○チョコレートの調製法」で調製したチョコレートを10gずつ添加し、タッピングして均一に延展した。
2.5℃で5分冷却した。
3.20℃で1日静置後、25℃に設定したインキュベータ内へ保管した。
4.経時的な、チョコレート表面のブルーム発生状況を確認した。
42日目において、ブルームが発生していないものを合格と判断した。
なお、ブルームの発生は、チョコレートに関する開発業務を行うパネラー3名により、合議にて判断した。
表2−3 ブルーム発生試験結果
Figure 0006936901

・ブルームの発生が確認されないものには「-」、ブルームの発生が確認されたものには「+」と記載した。
・ブルームの発生が確認された段階で、以降の評価は中止した。
考察
・本発明に係る油脂組成物が少ない比較例2−1,2−2、2−3では、遅くとも42日目までにブルームの発生が確認された。一方、本発明に係る油脂組成物を所定量含む場合は、42日目でもブルームの発生が抑制されていることが確認された。
・調製されたフィリングは、パネラーが食したところ、全て口溶けが良好であった。
検討3 エステル交換油脂組成物の調製2
実施例3−1では、精製ヤシ油(融点24.5℃、ラウリン酸含有量48.3質量%)を用い、また、実施例3−2では硬化ヤシ油(融点32.1℃ 、ラウリン酸含有量47.5質量%)を用い、上記「○化学触媒によるランダムエステル交換法」に従い、エステル交換油脂組成物を調製した。
なお、実施例3−1で得られた油脂組成物は、融点26.6℃、ラウリン酸含有量48.3質量%、実施例3−2で得られた油脂組成物は、融点30℃、ラウリン酸含有量47.5質量%であった。
いずれのランダムエステル交換油脂組成物も、単一の油脂原料のみを使用したもので、調製が容易であった。
検討4 複合菓子におけるブルーム発生試験
検討3で得られた油脂組成物を用い、複合菓子におけるブルーム発生試験を行った。試験は、複合菓子を想定した単純系で行った。
表4−1の配合に従い、フィリングを調製した。フィリングの調製法は「○フィリングの調製法」に従った。
チョコレートは、表2−2の配合に従い調製した。調製法は、「○チョコレートの調製法」に従った。
フィリングおよびチョコレートを用いて、ブルーム発生試験を行った。方法は「○ブルーム発生試験法」に従った。
結果を表4−2に示した。
表4−1 フィリングの配合
Figure 0006936901

・精製ヤシ油には、不二製油株式会社製「精製ヤシ油」(融点24.5℃、ラウリン酸含有量48.3質量%)を使用した。
・硬化ヤシ油には、不二製油株式会社製「硬化ヤシ油」(融点32.1℃ 、ラウリン酸含有量47.5質量%)を使用した。
・全脂粉乳には、よつ葉乳業株式会社製全脂粉乳を使用した。本品は、油分を26質量%含有するものであった。
・粉糖には、グラニュー糖を粉末化した物を使用した。
表4−2 結果
Figure 0006936901
考察
・比較例4−1,4−2は、19日目までの段階でブルームの発生が確認された一方、それぞれのランダムエステル交換油脂組成物を用いた実施例4−1,4−2では、46日目でも、ブルームの発生は確認されなかった。このから、本発明に係る要件を満たした、フィリング用油脂組成物を用いることで、チョコレートを外層とする複合菓子において、チョコレートにおけるブルーム発生を抑制できることが確認された。
・調製されたフィリングは、パネラーが食したところ、全て口溶けが良好であった。

Claims (1)

  1. ラウリン酸を35〜54質量%含有する原料油脂がランダムエステル交換された油脂をフィリングに含まれる油分のうち40〜100質量%使用する、チョコレートを外層とする該フィリングを包含する複合菓子における、外層チョコレートのブルームの発生を防止する方法。但し、該油脂原料において使用する各油脂パーツの融点は20〜40℃である。
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