JPH07112134A - ジアルキルカーボネートとグリコールの同時製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとグリコールの同時製造方法

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JPH07112134A
JPH07112134A JP5262035A JP26203593A JPH07112134A JP H07112134 A JPH07112134 A JP H07112134A JP 5262035 A JP5262035 A JP 5262035A JP 26203593 A JP26203593 A JP 26203593A JP H07112134 A JPH07112134 A JP H07112134A
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JP
Japan
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glycol
reaction
carbonate
catalyst
group
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JP5262035A
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Kaoru Inoue
薫 井上
Hidekazu Ookubo
英主 大久保
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に非常に重要であるジアルキルカーボ
ネート類とグリコールを工業的に有利な不均一触媒を用
いてアルキレンカーボネートとアルコール類から高転化
率、高選択率で同時に製造する方法を提供する。 【構成】 グリコールの炭酸エステルとアルコールとの
反応において、触媒としてカルボン酸官能基を有するイ
オン交換樹脂のカルボン酸基のプロトンをテトラアルキ
ルアンモニウムカチオンに交換したイオン交換樹脂を用
い、ジアルキルカーボネートとグリコールを同時に製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジアルキルカーボネー
トとグリコールの同時製造方法に関するものである。更
に詳しくは、グリコールの炭酸エステルとアルコール類
を陽イオン交換樹脂触媒の存在下に反応させジアルキル
カーボネートとグリコールを同時に製造する方法に関す
る。メタノールの炭酸エステルであるジメチルカーボネ
ートはアルキル化剤、ホスゲン代替物質として工業的に
極めて重要な中間体であり、加えて将来的にはガソリン
添加剤としても期待される物質である。一方、エチレン
グリコール、プロピレングリコールといったアルキレン
グリコールはウレタン原料、添加剤等として工業的に極
めて重要な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来、ジアルキルカーボネートの製造方
法としては以下の3つの方法が広く知られている。第一
の方法としてはアルコール類とホスゲンとの反応によっ
てジアルキルカーボネートを製造する方法であり、特開
昭61-118349号、特開昭60-197639号、特公昭62-853500
号等が知られている。これらの方法では原料として極め
て毒性の高いホスゲンを使用し、更に反応副生物として
塩化水素が発生する事から非常に危険性の高い方法であ
り、製造装置の腐蝕もあり経済的な方法とはいえず種々
の欠点がある。
【0003】第二の方法としては一酸化炭素とアルコー
ル類を酸素の存在下に触媒を用いて反応させる事により
ジアルキルカーボネートを製造する方法であり、特公昭
60-58739号、特公昭60-23662号、特公昭61-8816号等が
ある。この方法においては毒性の高い一酸化炭素を使用
する、酸素を使用する等の危険性を有しており更に副生
物として水が生成する事から一旦生成したジアルキルカ
ーボネートが加水分解される等の様々な欠点を有してい
る。
【0004】ここにおいて第三の方法としてグリコール
の炭酸エステルとアルコール類からエステル交換反応に
よってジアルキルカーボネートを製造する方法が多く提
案されてきている。この方法の利点はホスゲンや一酸化
炭素を用いず、更に酸素等の使用もない事から極めて安
全性の高い製造方法である。加えて同時にグリコールを
併産する事から極めて経済性の高い方法となり得る。こ
の製造方法としては例えば、第四級アンモニウム基又は
第三級アミン基を有する固体塩基性アニオン交換樹脂触
媒を用いる方法として特開平3-109358号、特公昭59-285
42号、特開昭63-238043号、特開昭64-31737号等が知ら
れている。又、酸性イオン交換樹脂を触媒として使用す
る方法として特開昭64-31737号が知られている。特開昭
64-31737号ではカルボン酸型陽イオン交換樹脂もしくは
これらのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩触媒が記載
されている。しかしながら実施例中にはカルボン酸型の
みが記載されているに過ぎず、加えてその触媒活性も低
い。
【0005】更に、均一触媒としては特開昭51-118763
号、特公昭51-141871号等に記載のアミン類、ホスフィ
ン類、及びこれらの4級塩、Chem. Lett.,p.1261(1979)
等に記載の有機銅化合物、有機錫化合物、遷移金属化合
物等が知られている。これらの触媒を用いた反応では例
えば均一触媒反応では生成物と触媒との分離が複雑とな
る等の欠点がある。ここにおいてイオン交換樹脂等の不
均一触媒を用いる方法は、反応生成物との分離に関して
は有利な方法といえるが、従来のイオン交換樹脂は触媒
活性が充分とは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにジアル
キルカーボネートの製造方法としてグリコールの炭酸エ
ステルとアルコール類とのエステル交換反応による製造
方法は極めて経済性の高い方法であるが、均一触媒を用
いれば触媒分離等に難点があり、不均一触媒においては
活性が低い等の難点があった。本発明においてはこれら
の難点を解決すべく鋭意検討を行った結果、カルボン酸
型陽イオン交換樹脂のカルボン酸基の有するプロトンを
テトラアルキルアンモニウムカチオンと交換したイオン
交換樹脂が熱的に安定に且つ極めて高活性な不均一触媒
となる事を見いだし、これまで極めて活性の低かったカ
ルボン酸型陽イオン交換樹脂の欠点を克服し、本発明を
完成するに到った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はグリ
コールの炭酸エステルとアルコール類との反応により、
グリコールとジアルキルカーボネートを製造する方法に
おいて、カルボン酸官能基を有するイオン交換樹脂のカ
ルボン酸基のプロトンをテトラアルキルアンモニウムカ
チオンに交換したイオン交換樹脂の存在下に反応させる
ことを特徴とするグリコールとジアルキルカーボネート
の製造方法である。本発明において反応に供せられるグ
リコールの炭酸エステルとは、一般式(1)[化1]
【0008】
【化1】 (上式中、R1、R2、R3 および R4はそれぞれ同一の
基でも異なる基でもよく、水素または置換基を有するか
もしくは無置換の炭素数15以下のアルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアル
キル基を表す。またここで言う置換基とはハロゲン原
子、アミノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル
基、アルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、メルカプト
基、スルホン基等である。)で表されるグリコールの環
状炭酸エステルである。
【0009】具体的に例示すれば、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート類
等のアルキレンカーボネート類、及びこれらの置換基を
有する環状カーボネート類、シクロヘキシレンカーボネ
ート、置換基を有するシクロヘキシレンカーボネート類
等の脂環式グリコールの炭酸エステル類、スチレンカー
ボネート、置換基を有するスチレンカーボネート類等の
アリールアルキルカーボネート類等が挙げられるが、本
発明においてはこれらのグリコールの炭酸エステル類の
みに限定されるものではない。本発明では、これらの1
種以上を反応に供する。従って、本発明において生成す
るグリコールとは該グリコールの炭酸エステルから生成
するグリコールであり一般式(2)[化2]
【0010】
【化2】 (上式中、R1、R2、R3および R4 はそれぞれ同一の
基でも異なる基でもよく、水素または置換基を有するか
もしくは無置換の炭素数15以下のアルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアル
キル基を表す。またここで言う置換基とはハロゲン原
子、アミノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル
基、アルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、メルカプト
基、スルホン基等である。)で表されるグリコールであ
る。
【0011】具体的にはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−
ブチレングリコール、ビニルエチレングリコール、クロ
ロメチルエチレングリコール、1,2−シクロヘキサン
グリコール、1,2−シクロペンタングリコール、スチ
レングリコール等が例示される。
【0012】本発明において使用するアルコール類とし
ては通常、炭素数1〜15の飽和もしくは不飽和の脂肪
族アルコールまたは脂環式アルコールであり、好ましく
は炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコー
ル、または炭素数6〜12の脂環式アルコールである。
モノアルコールである事が好ましい。またこれらのアル
コールはアミノ基、ニトロ基等の含窒素置換基、カルボ
ニル基、カルボキシル基、アセトキシ基、アルコキシ基
等の含酸素置換基、スルホン基、メルカプト基等の含硫
黄置換基、ハロゲン原子等の置換基を有していても差し
支えない。具体的に例示すれば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、アミノメタノール、2−アミノエ
タノール、メトキシメタノール、2−メトキシエタノー
ル、クロロメタノール、ジクロロメタノール、2−クロ
ロエタノール、ビニルアルコール、アリルアルコール、
シクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、
ベンジルアルコール等が挙げられる。本発明はこれらの
アルコール類のみに限定されないのは無論である。本発
明においてはこれらの1種以上を反応に供する。
【0013】本発明において使用されるカルボン酸官能
基を有するイオン交換樹脂とは有機高分子母体若しくは
マトリックスにカルボン酸基(カルボキシル基)を有す
る弱酸性陽イオン交換樹脂である。弱酸性陽イオン交換
樹脂の高分子基剤は、アクリル酸、メタクリル酸及びス
チレンモノマー等を含有する物が一般的に入手し易いも
のとして推奨される。具体的にはバイエル社のレバチッ
トCNP−80、ロームアンドハース社のアンバーライ
トIRR−64、IRC−84、IRC−72が好適な
例として挙げられる。本発明においてはこれらのカルボ
ン酸基を有する弱酸性陽イオン交換樹脂中のカルボン酸
基の有するプロトンをテトラアルキルアンモニウムカチ
オンの少なくとも1種で交換した弱酸性陽イオン交換樹
脂を触媒として反応に使用する。
【0014】次に、本発明における触媒の調製方法につ
いて述べる。本発明で言う触媒は前記した如く、カルボ
ン酸基を有する弱酸性陽イオン交換樹脂(以後カルボン
酸型弱酸性陽イオン交換樹脂と略称する。)中のカルボ
ン酸基の有するプロトンをテトラアルキルアンモニウム
カチオンで交換したものである。このアンモニウム塩型
樹脂はカルボン酸型樹脂として市販されている物から通
常イオン交換の手段等により容易に交換することができ
る。本発明においてこれらカルボン酸基のプロトンのテ
トラアルキルアンモニウムカチオンへの交換手段につい
ては如何なる手段で実施しても差し支えない。例えば実
施し易い交換方法としては、カルボン酸型弱酸性陽イオ
ン交換樹脂を水酸化ナトリウム水溶液中で接触処理(中
和反応)によりナトリウム型に交換した後、テトラアル
キルアンモニウム塩化物水溶液中で接触処理する等の方
法が挙げられる。この方法は殆ど定量的に交換すること
が可能である。このことはカルボン酸型樹脂を上記の処
理を行った後、この交換された樹脂を繰り返し洗浄を行
っても、実質的な重量減少を示さないことからも確認す
ることができる。
【0015】本発明に使用するテトラアルキルアンモニ
ウムカチオンは一般式R5678+で示されるもの
である。R5、R6、R7、R8 は炭素数20以下のアル
キル基であり、それぞれ同一であっても異なるアルキル
基であっても差し支えない。また、置換に際して、アン
モニウム塩(R5678+-)として使用する際に
は対アニオンであるX-がハロゲンイオン、炭酸イオ
ン、水酸イオン等が入手し易いアンモニウム塩として挙
げられ、ハロゲンイオンは更に好ましいアンモニウム塩
である。
【0016】次に、カルボン酸型弱酸性陽イオン交換樹
脂のプロトンのテトラアルキルアンモニウムカチオンに
よる交換率について述べる。プロトンのテトラアルキル
アンモニウムカチオンによる交換率は本発明においては
特に限定はされなく、プロトンの一部をテトラアルキル
アンモニウムカチオンと交換したものも本発明に使用す
ることが可能であるが、殆ど全てをテトラアルキルアン
モニウムカチオンと交換したものが好ましい。余りに交
換率が低い場合には、触媒活性上好ましい結果はもたら
されないからである。カルボン酸型弱酸性陽イオン交換
樹脂のプロトンの、ナトリウム塩(好ましくは水酸化
物)、さらにそのナトリウム型のアンモニウム塩(好ま
しくは塩化物)による交換に使用する塩量は、樹脂の等
量から必要な交換等量分の化合物を溶液(一般的には水
溶液)中に添加し樹脂と中和反応等を行うことによって
達成されるが、好ましい触媒としては殆ど全てのプロト
ンがテトラアルキルアンモニウムカチオンに交換された
ものであり、この触媒を調製するには、樹脂の全交換等
量より過剰量のアルカリ金属塩、テトラアルキルアンモ
ニウム塩と溶液中で接触させることが推奨される。ま
た、反応は通常極めて短時間でイオン交換される。した
がって、数分ないし数十分の接触処理で充分であり、室
温で実施しても差し支えない。更に、カチオン交換され
た弱酸性陽イオン交換樹脂(触媒)は、そのまま使用し
ても差し支えないが好ましくは脱水操作を行った後、本
発明の反応に使用する事が推奨される。
【0017】次に本発明の実施態様について述べる。本
発明を実施するに際しその反応方法はバッチ式、セミバ
ッチ式または連続流通式の何れの方法においても実施さ
れる。反応形態は、触媒を固体状態として液相、気相、
液−気混合相の何れの形態で実施する事もできる。更に
常圧、加圧、減圧の何れの状態で実施する事も可能であ
る。好ましくは反応効率的な観点から液相反応で実施す
る事が推奨されるが本発明はこれに限定されない。液相
状態で本発明を実施するにあたり、用いた原料または生
成物の沸点以上の反応温度で実施する際には、反応原料
および反応生成物に対して不活性な気体(例えばアルゴ
ン、窒素またはヘリウムなど)により加圧状態として反
応行う事もできる。
【0018】反応温度は特に限定はされないが好ましく
は0゜〜200℃、更に好ましくは50゜〜150℃の
範囲である。反応温度があまりに低温であれば反応速度
は極端に低下し効率の良い製造方法とはならず又、極端
に高温であれば好ましくない副生物の生成が生じ、望ま
しい生成物の選択率を低下させ経済的な方法とはならな
い。更に本発明を実施するにあたり、例えばバッチ反応
を実施する際には、その反応時間は特に限定される事は
ないが好ましくは数分から30時間程度であり、更に好
ましくは1〜15時間程度である。又、連続流通反応に
おいて実施する場合には固定床、流動床等の方法により
実施されるが、接触処理された陽イオン交換樹脂(触
媒)との接触時間は特に限定はされないが好ましくは
0.1秒から10時間程度であり、更に好ましくは1秒
から1時間の範囲である。余りに接触時間が短時間であ
れば反応は充分進行しないし、また余りに長時間であれ
ば不必要な滞留となり生成物、原料等を分解する恐れが
ある。
【0019】反応を実施するに際し原料であるグリコー
ルの炭酸エステルとアルコール類の仕込み組成は特に限
定はされないが、例えばグリコールの炭酸エステルの高
い転化率を達成するにはグリコールの炭酸エステルに対
するアルコール類のモル比を高くする(理論当量はグリ
コールの炭酸エステルに対しアルコール類は2倍当
量)。また、アルコール類の転化率を高くするにはグリ
コールの炭酸エステルを理論当量よりも過剰に仕込んで
反応を実施する。本発明においてはグリコールの炭酸エ
ステルに対するアルコール類のモル比は0.05〜50
の範囲で実施されることが好ましく0.5〜25の範囲
が更に好ましい。無論、本発明においてはこれらの範囲
のみに限定されるものではない。ここにおいて、これら
のグリコールの炭酸エステル及びアルコール類を仕込む
際に、グリコールの炭酸エステル及びアルコール類、生
成物であるグリコール及びジアルキルカーボネートに対
して不活性な媒体(溶媒等、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン等)により希釈して仕込んでも
差し支えない。
【0020】また本発明では、グリコールの炭酸エステ
ルがエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネー
トであることが好ましく、またアルコール類がメタノー
ルである場合が好ましい。さらに好ましくは、グリコー
ルの炭酸エステルがエチレンカーボネートまたはプロピ
レンカーボネートであり、且つ、アルコール類がメタノ
ールである場合である。
【0021】本発明における、カチオン交換処理された
弱酸性陽イオン交換樹脂(触媒)の使用量は特に限定さ
れないが、例えばバッチ反応にて実施する場合には好ま
しくは原料であるグリコールの炭酸エステルとアルコー
ル類の総重量にたいして重量%で0.1〜200%であ
り、更に好ましくは、1.0〜50%である。本発明を
実施した後、生成物であるジアルキルカーボネート及び
グリコールは原料と通常の蒸留、抽出、晶出等の分離生
成方法により単離精製される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。しかしながら本実施例は本発明を具体的に説明し
たものであり、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。 触媒の調製方法 (a)ナトリウム型へのイオン交換処理 カルボン酸型弱酸性陽イオン交換樹脂6gと水酸化ナト
リウムの3mol/l溶液100mlを200mlビー
カーに入れ室温で1時間攪拌した後、樹脂をろ過分離
し、更に水で充分洗浄した。交換を充分に行うため更に
この操作を2回繰り返した。 (b)テトラアルキルアンモニウム型へのイオン交換処
理 ナトリウム型へイオン交換処理した表1に掲げたカルボ
ン酸型陽イオン交換樹脂、それぞれ6g、表1に掲げた
それぞれのテトラアルキルアンモニウム塩化物の3mo
l/l溶液100mlを200mlビーカーに入れ室温
で1時間攪拌した後、樹脂をろ過分離し、更に水で充分
洗浄した。交換を充分に行うため更にこの操作を2回繰
り返した。
【0023】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 触媒 カルボン酸型イオン交換樹脂 交換に使用したアンモニウム塩化物 ──────────────────────────────────── 触媒1 レバチットCNP80 テトラメチルアンモニウム塩 触媒2 レバチットCNP80 テトラエチルアンモニウム塩 触媒3 レバチットCNP80 テトラブチルアンモニウム塩 触媒4 アンバーライトIRC72 テトラメチルアンモニウム塩 触媒5 アンバーライトIRC72 テトラエチルアンモニウム塩 触媒6 アンバーライトIRC72 テトラブチルアンモニウム塩 触媒7 レバチットCNP80 無交換(プロトン型) 触媒8 レバチットCNP80 無交換(ナトリウム型) ──────────────────────────────────── (c)触媒の乾燥処理 テトラアルキルアンモニウム型にカチオン交換された樹
脂をエタノールに浸し攪拌した後デカンテーションを行
った。これを3回繰り返した後、ろ過分離した。エタノ
ールで洗浄後トルエンを加え、更に洗浄を行い水分を取
り除いた。最後に室温で3時間減圧乾燥を行った。
【0024】実施例1〜6 70mlの磁気攪拌器を取り付けた耐圧反応器中に、プ
ロピレンカーボネート10.21g、メタノール16.
02g及び表1に記載している触媒1〜6を2.00g
仕込み、更に窒素で5kg/cm2ゲージ圧に加圧した
後、100℃で3時間加熱撹拌反応を行った。反応終了
後、反応液を室温にまで冷却した。反応器を放圧後、反
応液を取り出しガスクロマトグラフ法によって分析し
た。プロピレングリコール及びジメチルカーボネートは
表2に示した様にそれぞれの触媒で収率良く生成した。
【0025】比較例1 触媒として、カルボン酸型弱酸性陽イオン交換樹脂であ
るレバチットCNP80を前記した方法でカチオン交換
しないで脱水処理のみを行ったもの(触媒7)2.00
gを用いた以外は全て実施例1と同一の条件で反応を行
った。結果は表2に示したようにプロピレングリコール
及びジメチルカーボネートの生成は認められなかった。
【0026】比較例2 触媒として、カルボン酸型弱酸性陽イオン交換樹脂であ
るレバチットCNP80を前記した方法でナトリウム型
に後、脱水処理のみを行ったもの(触媒8)2.00g
を用いた以外は全て実施例1と同一の条件で反応を行っ
た。結果は表2に示したようにプロピレングリコール及
びジメチルカーボネートの生成はほとんど認められなか
った。
【0027】実施例7 反応温度を120℃に変えた以外は全て実施例1と同一
の条件で反応を行った。結果は表2に示したようにプロ
ピレングリコール及びジメチルカーボネートが収率良く
生成した。
【0028】実施例8 反応温度を140℃に変えた以外は全て実施例1と同一
の条件で反応を行った。結果は表2に示したようにプロ
ピレングリコール及びジメチルカーボネートが収率良く
生成した。
【0029】実施例9 反応時間を5時間に変えた以外は全て実施例1と同一の
条件で反応を行った。結果は表2に示したようにプロピ
レングリコール及びジメチルカーボネートが収率良く生
成した。
【0030】実施例10 アルコール類をメタノールからエタノールに代え、50
0mmol使用した以外は全て実施例1と同一の条件で
反応を行った。結果は表2に示したようにアルコール類
を代えてもプロピレングリコール及びジメチルカーボネ
ートが収率良く生成した。
【0031】実施例11 アルコール類をメタノールからシクロヘキサノールに代
え、500mmol使用した以外は全て実施例1と同一
の条件で反応を行った。結果は表2に示したようにアル
コール類を代えてもプロピレングリコール及びジメチル
カーボネートが収率良く生成した。
【0032】実施例12 プロピレンカーボネートを1,2−ブチレンカーボネー
トに代え、100mmol使用した以外は全て実施例1
と同一の条件で反応を行った。結果は表2に示した。
【0033】実施例13 プロピレンカーボネートをエチレンカーボネートに代
え、100mmol使用した以外は全て実施例1と同一
の条件で反応を行った。結果は表2に示した。
【0034】実施例14 メタノールの仕込み量を2倍とした以外は全て実施例1
と同一の条件で反応を行った。結果は表2に示したよう
にプロピレングリコール及びジメチルカーボネートの収
率が極めて高い値となった。このことは、原料カーボネ
ートに対するメタノール比を上昇させることで原料カー
ボネートの転化率が増大することを示している。
【0035】実施例15 プロピレンカーボネートの仕込み量を2倍とした以外は
全て実施例1と同一の条件で反応を行った。結果は表2
に示したようにプロピレングリコール及びジメチルカー
ボネートの生成が認められた。
【0036】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 生成物組成(%/仕込カーボネート) ─────────────────────────── 実施例 グリコール カーボネート ──────────────────────────────────── 実施例1 41.3 42.5 実施例2 42.0 42.8 実施例3 41.7 41.1 実施例4 42.1 42.8 実施例5 41.0 41.4 実施例6 40.6 40.1 比較例1 0.0 0.0 比較例2 3.2 3.2 実施例7 52.5 52.3 実施例8 61.7 61.8 実施例9 60.1 60.5 実施例10 42.0 42.3 実施例11 43.0 43.0 実施例12 42.5 42.7 実施例13 45.3 45.1 実施例14 51.7 51.0 実施例15 37.9 37.2 ────────────────────────────────────
【0037】
【発明の効果】本発明によればグリコールの炭酸エステ
ルとアルコール類を原料として、グリコールとジアルキ
ルカーボネートを穏和な反応条件下で高収率でかつ高選
択率で製造することができる。加えて触媒の劣化がほと
んど無いために長時間安定して製造する事ができる等工
業的利点は極めて大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコールの炭酸エステルとアルコール
    類との反応により、グリコールとジアルキルカーボネー
    トを製造する方法において、カルボン酸官能基を有する
    イオン交換樹脂のカルボン酸基のプロトンをテトラアル
    キルアンモニウムカチオンに交換したイオン交換樹脂の
    存在下に反応させることを特徴とするグリコールとジア
    ルキルカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 グリコールの炭酸エステルがエチレンカ
    ーボネートである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 グリコールの炭酸エステルがプロピレン
    カーボネートである請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコール類がメタノールである請求項
    1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103073429A (zh) * 2013-02-04 2013-05-01 福州大学 一种酯交换合成碳酸二乙酯的方法

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