JPH06343870A - ジアルキルカーボネートとグリコールの同時製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとグリコールの同時製造方法

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JPH06343870A
JPH06343870A JP5131848A JP13184893A JPH06343870A JP H06343870 A JPH06343870 A JP H06343870A JP 5131848 A JP5131848 A JP 5131848A JP 13184893 A JP13184893 A JP 13184893A JP H06343870 A JPH06343870 A JP H06343870A
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JP
Japan
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glycol
group
catalyst
carbonate
reaction
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JP5131848A
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Kaoru Inoue
薫 井上
Hidekazu Ookubo
英主 大久保
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的に非常に重要であるジアルキルカーボ
ネート類とグリコールを不均一触媒を用いてアルキレン
カーボネートとアルコール類から高転化率、高選択率で
同時に製造する方法を提供する。 【構成】 グリコールの炭酸エステルとアルコール類と
の反応において、触媒として第3級アミン基を官能基と
し、OH-、AlO2 -、SiO3 2-、HCOO-、SH-、MoO4 2-、TeO3 2-、P3O10
5-、BO2 -、H2PO4 -、S2O4 2-、CNO-、PO4 3-、SiF6 2-よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の陰イオン種を含有する
陰イオン交換樹脂を用いることによりジアルキルカーボ
ネートとグリコールを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジアルキルカーボネー
トとグリコールの同時製造方法に関するものである。更
に詳しくは、グリコールの炭酸エステルとアルコール類
とを陰イオン交換樹脂の存在下に反応させジアルキルカ
ーボネートとグリコールを同時に製造する方法に関す
る。アルコール類の炭酸エステルであるジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネ
ートはアルキル化剤、ホスゲン代替物質として工業的に
極めて重要な中間体であり、加えて将来的にはジメチル
カーボネートはガソリン添加剤としても期待される物質
である。一方、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール等のアルキレングリコールはウレタン原料、添加剤
等として工業的に極めて重要な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来、ジアルキルカーボネートの製造方
法としては以下の3つの方法が広く知られている。第一
の方法としてはアルコールとホスゲンとの反応によって
ジアルキルカーボネートを製造する方法であり、特開昭
61-118349号、特開昭60-197639号、特公昭62-853500号
等が知られている。これらの方法では原料として極めて
毒性の高いホスゲンを使用し、更に反応副生物として塩
化水素が発生する事から非常に危険性の高い方法であ
り、製造装置の腐蝕もあり経済的な方法とはいえず種々
の欠点がある。
【0003】第二の方法としては一酸化炭素とアルコー
ルを酸素の存在下に触媒を用いて反応させる事によりジ
アルキルカーボネートを製造する方法であり、特公昭60
-58739号、特公昭60-23662号、特公昭61-8816号等があ
る。この方法においては毒性の高い一酸化炭素を使用す
る、酸素を使用する等の危険性を有しており更に副生物
として水が生成する事から一旦生成したジアルキルカー
ボネートが加水分解される等の様々な欠点を有してい
る。ここにおいて第三の方法としてグリコールの炭酸エ
ステルとアルコールからエステル交換反応によってジア
ルキルカーボネートを製造する方法が多く提案されてき
ている。この方法の利点はホスゲンや一酸化炭素を用い
ず、更に酸素等の使用もない事から極めて安全性の高い
製造方法である。加えて同時にグリコールを併産する事
から極めて経済性の高い方法となり得る。この製造方法
としては例えば、第四級アンモニウム基又は第三級アミ
ン基を有する固体塩基性アニオン交換樹脂触媒を用いる
方法として特開平3-109358号、特公昭59-28542号、特開
昭63-238043号、特開昭64-31737号等が知られている。
又、酸性イオン交換樹脂を触媒として使用する方法とし
て特開昭64-31737号が知られている。
【0004】また、特開昭63-238043 号、特開平3-1093
58号には第4級アンモニウム基又は第3級アミン基を有
する陰イオン交換樹脂の対陰イオンをCl-,Br-,HCO3 -,CO
3 2-とした陰イオン交換樹脂を触媒として実施している
が、この触媒は実質的には対陰イオンが炭酸根若しくは
炭酸水素根の場合に活性が認められており、加えて、特
開平3-109358号で認められるように反応系内の水分を15
0ppm以下に調節する等の極めて煩雑若しくは系内水に極
めて影響を受ける触媒であるため工業的実施は極めて困
難な触媒であるといえる。更に、均一触媒としては特開
昭51-118763号、特公昭51-141871号等に記載のアミン
類、ホスフィン類、及びこれらの4級塩、Chem. Lett.,
p.1261(1979)等に記載の有機銅化合物、有機錫化合物、
遷移金属化合物等が知られている。これらの触媒を用い
た反応では例えば均一触媒反応では生成物と触媒との分
離が複雑となる等の欠点がある。ここにおいてイオン交
換樹脂等の不均一触媒を用いる方法は、反応生成物との
分離に関しては有利な方法といえるが、触媒活性は充分
とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したようにジアル
キルカーボネートの製造方法としてグリコールの炭酸エ
ステルとアルコールとのエステル交換反応による製造方
法は極めて経済性の高い方法であるが、均一触媒を用い
れば触媒分離等に難点があり、不均一触媒においては活
性が低い等の難点があった。本発明においてはこれらの
難点を解決すべく鋭意検討を行った結果、第3級アミノ
基を官能基とし、陰イオンとしてOH-、AlO2 -、SiO3 2-、HCO
O-、SH-、MoO4 2-、TeO3 2-、P3O10 5-、BO2 -、H2PO4 -、S2O4 2-、CN
O- 、PO4 3-、SiF6 2- よりなる群から選ばれた少なくとも
1種を含有する陰イオン交換樹脂が、反応系内の水分量
が通常の工業的な製造法による化合物中の水分量以上に
存在しても極めて高活性な触媒となる事を見いだし本発
明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、グ
リコールの炭酸エステルとアルコールとの反応により、
グリコールとジアルキルカーボネートを製造する方法に
おいて、第3級アミン基を官能基とし、OH-、AlO2 -、SiO3
2-、HCOO-、SH-、MoO4 2-、TeO3 2-、P3O10 5-、BO2 -、H2PO4 -、S2O
4 2-、CNO- 、PO4 3- 、SiF6 2-よりなる群から選ばれた少な
くとも1種の陰イオン種を含有する陰イオン交換樹脂の
存在下に反応させることを特徴とする製造方法である。
以下、本発明によるジアルキルカーボネートとグリコー
ルの製造方法について詳細に説明する。本発明において
反応に供せられるグリコールの炭酸エステルとは、一般
式(1)[化1]
【0007】
【化1】 (上式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一の基でも
異なる基でもよく、水素または置換基を有するかもしく
は無置換の炭素数15以下のアルキル基、アリール基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基
を表す。またここで言う置換基とはハロゲン原子、アミ
ノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル基、アル
コキシ基、アセトキシ基、水酸基、メルカプト基、スル
ホン基等である。)で表されるグリコールの環状炭酸エ
ステルである。好ましくは、グリコールの炭酸エステル
が炭素数2以上15以下のグリコールの炭酸エステルで
ある。
【0008】具体的に例示すれば、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート類
等のアルキレンカーボネート類及びこれらの置換基を有
する環状カーボネート類や、シクロヘキシレンカーボネ
ート、置換基を有するシクロヘキシレンカーボネート類
等の脂環式グリコールの炭酸エステル類、スチレンカー
ボネート、置換基を有するスチレンカーボネート類等の
アリールアルキルカーボネート類等が挙げられるが、本
発明においてはこれらのグリコール炭酸エステル類のみ
に限定されるものではない。本発明では、これらの1種
以上を反応に供する。従って、本発明において製造され
るグリコールとは前記グリコールの炭酸エステルからエ
ステル分解により生成するグリコールであり一般式
(2)[化2]
【0009】
【化2】 (上式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ同一の基でも
異なる基でもよく、水素または置換基を有するかもしく
は無置換の炭素数15以下のアルキル基、アリール基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基
を表す。またここで言う置換基とはハロゲン原子、アミ
ノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル基、アル
コキシ基、アセトキシ基、水酸基、メルカプト基、スル
ホン基等である。)で表されるグリコールである。具体
的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、
2,3−ブチレングリコール、1,2ブチレングリコー
ル、ビニルエチレングリコール、クロロメチルエチレン
グリコール、1,2−シクロヘキサングリコール、スチ
レングリコール等が例示される。
【0010】本発明において使用するアルコールとして
は通常、炭素数15以下のの飽和もしくは不飽和の脂肪
族または脂環式アルコール及びアリールアルキルアルコ
ールよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、好
ましくは炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和の脂肪族ア
ルコール、または炭素数6〜15の脂環式アルコールで
ある。モノアルコールである事が好ましい。またこれら
のアルコール類はアミノ基、ニトロ基等の含窒素置換
基、カルボニル基、カルボキシル基、アセトキシ基、ア
ルコキシ基等の含酸素置換基、スルホン基、メルカプト
基等の含硫黄置換基、ハロゲン原子等の置換基を有して
いても差し支えない。具体的に例示すれば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、アミノメタノール、2
−アミノエタノール、メトキシメタノール、2−メトキ
シエタノール、クロロメタノール、ジクロロメタノー
ル、2−クロロエタノール、ビニルアルコール、アリル
アルコール、シクロヘキサノール、4−メチルシクロヘ
キサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。本発
明においてはこれらの1種以上を反応に供する。
【0011】本発明を実施するに際し、第3級アミン基
を官能基とし、陰イオンがOH-、AlO2 -、SiO3 2-、HCOO-、S
H-、MoO4 2-、TeO3 2-、P3O10 5-、BO2 -、H2PO4 -、S2O4 2-、CNO-
PO4 3-、SiF6 2- よりなる群から選ばれた少なくとも1種
を含有する陰イオン交換樹脂を固体触媒として使用す
る。 好ましくは、陰イオンがSiO3 2-、AlO2 -、Te
O3 2-、SH-、OH- 及びP3O10 5-よりなる群から選ばれた少
なくとも1種である。これらの陰イオンを含有する陰イ
オン交換樹脂(以後、触媒と略称する。)は通常以下の
方法により調製する事が可能であるが、本発明は触媒の
調製方法は如何なる方法を採用しても差し支えない。
【0012】実施し易い方法として例えば、必要なら
ば、水酸化ナトリウム水溶液で処理洗浄した市販の第3
級アミン基を官能基とする陰イオン交換樹脂を、前記陰
イオンを有したアルカリ金属塩の水溶液と接触させる事
で容易にこれらの陰イオンを第3級アミン基を官能基と
する陰イオン交換樹脂に含有させる事が出来る。ここに
おいて前記陰イオンを樹脂に充分含有させるために樹脂
中に存在するアミン基の等量より過剰量の前記陰イオン
を有するアルカリ金属塩と接触させる事が好ましい。
【0013】本発明に触媒として使用する第3級アミン
官能基を有し、且つ前記陰イオンを含有する陰イオン交
換樹脂の陰イオン量は特に限定される事はないが、好ま
しくは樹脂の有するアミン官能基の等量と等量程度含有
させることが推奨される。本発明に使用する3級アミン
基を官能基とする陰イオン交換樹脂としては、ポリマー
マトリックス中に第3級アミン基を有する素構造を持つ
イオン交換樹脂であるならば如何なる樹脂でも差し支え
ないが、例えば、ロームアンドハース社のアンバーリス
トA21、アンバーライトIRA−68、アンバーライ
トIRA−35、アンバーライトIRA−93zu、ア
ンバーライトIRA−94s、アンバーライトIRA−
99、バイエル社のレヴァチットMP−62、レヴァチ
ットMP−64、レヴァチットAP−49、レヴァチッ
トCA−9222、レヴァチットMP−35A等が入手
し易いものとして挙げられる。本発明においてはこれら
の陰イオン交換樹脂に前記した方法等によりOH-、AlO2 -
SiO3 2-、HCOO-、SH-、MoO4 2-、TeO3 2-、P3O10 5-、BO2 -、H2P
O4 -、S2O4 2-、CNO- 、PO4 3-、SiF6 2-イオンを含有させる。
【0014】次に本発明の実施態様について述べる。本
発明を実施するに際しその反応方法はバッチ式、セミバ
ッチ式または連続流通式の何れの方法においても実施さ
れる。反応形態は触媒を固体状態として液相、気相、液
−気混合相の何れの形態で実施する事もできる。更に常
圧、加圧、減圧の何れの状態で実施する事も可能であ
る。好ましくは反応効率的な観点から液相反応で実施す
る事が推奨されるが本発明はこれに限定されない。液相
状態で本発明を実施するにあたり、用いた原料または生
成物の沸点以上の反応温度で実施する際には、反応原料
および反応生成物に対して不活性な気体(例えばアルゴ
ン、窒素またはヘリウムなど)により加圧状態として反
応行う事もできる。
【0015】反応温度は特に限定はされないが好ましく
は0゜〜250℃、更に好ましくは50゜〜200℃の
範囲である。反応温度があまりに低温であれば反応速度
は極端に低下し効率の良い製造方法とはならず又、極端
に高温であれば好ましくない副生物の生成が生じ、望ま
しい生成物の選択率を低下させ経済的な方法とはならな
い。更に本発明を実施するにあたり、例えばバッチ反応
を実施する際には、その反応時間は特に限定される事は
ないが好ましくは数分から30時間程度であり、更に好
ましくは1〜15時間程度である。又、連続流通反応に
おいて実施する場合には固定床、流動床等の方法により
実施されるが触媒との接触時間は特に限定はされないが
好ましくは0.1秒から10時間程度であり、更に好ま
しくは1秒から1時間の範囲である。余りに接触時間が
短時間であれば反応は充分進行しないし、また余りに長
時間であれば不必要な滞留となり生成物、原料等を分解
する恐れがある。
【0016】反応を実施するに際し原料であるグリコー
ルの炭酸エステルとアルコールの仕込み組成は特に限定
はされないが、例えばグリコールの炭酸エステルの高い
転化率を達成するにはグリコールの炭酸エステルに対す
るアルコールのモル比を高くする(理論当量はグリコー
ルの炭酸エステルに対しアルコールは2倍当量)。ま
た、アルコールの転化率を高くするにはグリコールの炭
酸エステルを理論当量よりも過剰に仕込んで反応を実施
する。しかしながら余りに極端にグリコールの炭酸エス
テル又はアルコールを過剰に仕込んで実施すれば加熱等
に過大なエネルギーを必要とし経済的ではない。従っ
て、本発明においてはグリコールの炭酸エステルに対す
るアルコールのモル比は0.05〜50の範囲が好まし
く0.5〜25の範囲が更に好ましい。無論、本発明に
おいてはこれらの範囲のみに限定されるものではない。
【0017】ここにおいて、これらのグリコールの炭酸
エステル及びアルコールを仕込む際に、グリコールの炭
酸エステル及びアルコール、生成物であるグリコール及
びジアルキルカーボネートに対して不活性な媒体(溶媒
等、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン
等)により希釈して仕込んでも差し支えない。また本発
明では、グリコールの炭酸エステルがエチレンカーボネ
ートまたはプロピレンカーボネートであり、且つ、アル
コールがメタノールである場合が好ましい。本発明にお
ける触媒の使用量は特に限定されないが、例えばバッチ
反応にて実施する場合には好ましくは原料であるグリコ
ールの炭酸エステルとアルコールの総重量にたいして重
量%で0.1〜200%であり、更に好ましくは、1.
0〜50%である。本発明を実施した後、生成物である
ジアルキルカーボネート及びグリコールは原料と通常の
蒸留、抽出、晶出等の分離生成方法により単離精製され
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。しかしながら本実施例は本発明を具体的に説明し
たものであり、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。 触媒の調製方法 市販の第3級アミン基を官能基とする陰イオン交換樹脂
のそれぞれ20gを表1に掲げた化合物の3mol/l 水溶
液中(500ml)にいれ室温で5時間放置した。その後、樹
脂を濾過し純水で充分洗浄した後取り出し、これをエタ
ノール100ml 中にいれ、10分間ゆっくり撹拌した後、
エタノールをデカンテーションにより除去した。エタノ
ールでの撹拌、デカンテーションを更に2回行った後、
減圧乾燥により樹脂を乾燥し反応触媒として使用した。
この触媒には樹脂の有するアミン官能基の等量とほぼ同
一等量の陰イオンが含有されでいた。
【0019】
【表1】 ──────────────────────────────────── 触媒 イオン交換樹脂 処理使用化合物 含有陰イオン ──────────────────────────────────── 触媒1 アンバーリストA21 Na2SiO3 SiO3 2- 触媒2 アンバーリストA21 NaAlO2 AlO2 - 触媒3 アンバーリストA21 HCOONa HCOO- 触媒4 アンバーリストA21 Na2TeO3 TeO3 2- 触媒5 アンバーリストA21 NaOH OH- 触媒6 アンバーリストA21 NaSH SH- 触媒7 アンバーリストA21 Na5310310 5- 触媒8 アンバーリストA21 Na2SiF6 SiF6 2- 触媒9 アンバーリストA21 Na2MoO4 MoO4 2- 触媒10レヴァチットMP600 Na2SiO3 SiO3 2- 触媒11アンバーライトIRA−68 Na2SiO3 SiO3 2- ────────────────────────────────────
【0020】実施例1〜11 70mlの耐圧反応器に市販のプロピレンカーボネート10.2
1g(100.0mmol)、市販の1級メタノール16.02g(500.0mmo
l)及び前記触媒をそれぞれ2.00g仕込んだ。この時反応
液の水分量を250ppmに調節した。更に反応器内が5kg/cm
2Gとなるように窒素を加圧圧入した後、100℃で3時
間加熱撹拌反応を行った。反応終了後、反応液を室温に
まで冷却し、窒素を放圧後反応器から反応液を取り出
し、ガスクロマトグラフ法によって分析した。結果は表
2に示したようにそれぞれ良い収率でプロピレングリコ
ール及びジメチルカーボネートの生成が認められた。
【0021】比較例1 触媒を特開平3-109358に掲げられたアンバーリストA2
1の炭酸根を有する樹脂(触媒12)2.00g に代えた以
外は総て実施例1と同一の条件として反応を行った。結
果は表2に示したようにこの反応系内水分量では比較例
の触媒活性が極めて低い事が分かる。
【0022】比較例2 触媒を、乾燥したアンバーリストA21(触媒13)、
2.00g とした以外は総て実施例1と同一の条件で反応を
行った。結果は表2に示したように触媒活性は極めて低
い事が判明した。以上の結果から、本発明の触媒が良い
触媒活性を実質的に工業化条件で発現する事が分かる。
【0023】
【表2】 ──────────────────────────────────── 収率(%) ─────────────────── 触媒 PG DMC ──────────────────────────────────── 実施例1 触媒1 29.6 29.4 実施例2 触媒2 22.7 22.8 実施例3 触媒3 18.7 18.4 実施例4 触媒4 23.2 22.9 実施例5 触媒5 26.3 26.6 実施例6 触媒6 23.1 23.3 実施例7 触媒7 23.9 24.0 実施例8 触媒8 19.6 19.3 実施例9 触媒9 28.3 28.0 実施例10 触媒10 21.9 22.0 実施例11 触媒11 30.4 30.3 比較例1 触媒12 9.8 9.5 比較例2 触媒13 3.2 3.2 ──────────────────────────────────── 但し、表中のPGはプロピレングリコール、DMCはジ
メチルカーボネートを表す。収率は仕込んだプロピレン
カーボネートを基準として算定した。
【0024】実施例12〜15 反応系内の水分量をそれぞれ100、200、500及
び750ppmに代えた以外は総て実施例1と同一の条
件で反応を行った。結果は表3に示したように各水分濃
度においても高い触媒活性を示した。
【0025】
【表3】 ──────────────────────────────────── 収率(%) ─────────────────── 水分量ppm PG DMC ──────────────────────────────────── 実施例12 100 32.9 33.1 実施例13 200 31.0 30.8 実施例14 500 27.4 27.1 実施例15 750 24.3 23.7 ──────────────────────────────────── 但し、表中のPGはプロピレングリコール、DMCはジ
メチルカーボネートを表す。収率は仕込んだプロピレン
カーボネートを基準として算定した。
【0026】実施例16〜18 反応時間をそれぞれ1、5及び7時間とした以外は総て
実施例1と同一の条件で反応を行った。結果は表4に示
したように、経時的に反応が進行していることが分か
る。
【0027】
【表4】 ──────────────────────────────────── 収率(%) ─────────────────── 反応時間(Hr) PG DMC ──────────────────────────────────── 実施例16 1.0 14.2 14.1 実施例17 5.0 36.0 35.8 実施例18 7.0 39.1 39.3 ──────────────────────────────────── 但し、表中のPGはプロピレングリコール、DMCはジ
メチルカーボネートを表す。収率は仕込んだプロピレン
カーボネートを基準として算定した。
【0028】実施例19、20 反応温度をそれぞれ80゜及び120℃とした以外は総
て実施例1と同一の条件で実施した。結果は表5に示し
た。
【0029】
【表5】 ──────────────────────────────────── 収率(%) ─────────────────── 反応温度℃ PG DMC ──────────────────────────────────── 実施例19 80 16.4 16.3 実施例20 120 38.9 38.8 ──────────────────────────────────── 但し、表中のPGはプロピレングリコール、DMCはジ
メチルカーボネートを表す。収率は仕込んだプロピレン
カーボネートを基準として算定した。
【0030】実施例21、22 原料カーボネートをプロピレンカーボネートからそれぞ
れエチレンカーボネート及びブチレンカーボネート、10
0mmolとした以外は総て実施例1と同一の条件で反応を
行った。結果は表6に示したようにそれぞれのカーボネ
ートを原料としても収率良くグリコール及びジメチルカ
ーボネートが生成した。
【0031】
【表6】 ──────────────────────────────────── 収率(%) ─────────────────── 原料カーボネート グリコール DMC ──────────────────────────────────── 実施例21 EC 35.5 35.6 実施例22 BC 27.2 26.9 ──────────────────────────────────── 実施例23 原料アルコールをメタノールからエタノール(500mmol)
に代えた以外は総て実施例1と同一の条件で反応を実施
した。この結果、プロピレングリコールの収率、29.
9%、ジエチルカーボネートの収率30.1%であっ
た。(収率は仕込みPC基準)
【0032】
【発明の効果】本発明によればグリコールの炭酸エステ
ルとアルコールを原料として、グリコールとジアルキル
カーボネートを穏和な反応条件下で、反応系内に水分が
数百ppm存在しても高収率でかつ高選択率で得ること
ができる。 加えて触媒の劣化がほとんど無いために長
時間安定して製造する事ができる等工業的利点は極めて
大である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコールの炭酸エステルとアルコール
    との反応により、グリコールとジアルキルカーボネート
    を製造する方法において、第3級アミン基を官能基と
    し、OH-、AlO2 -、SiO3 2-、HCOO-、SH-、MoO4 2-、TeO3 2-、P3O10
    5-、BO2 -、H2PO4 -、S2O4 2-、CNO- 、PO4 3- 、SiF6 2-よりなる
    群から選ばれた少なくとも1種の陰イオン種を含有する
    陰イオン交換樹脂の存在下に反応させることを特徴とす
    る製造方法。
  2. 【請求項2】 陰イオンがSiO3 2-、AlO2 -、TeO3 2-、S
    H-、OH- 及びP3O10 5-よりなる群から選ばれた少なくと
    も1種である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 グリコールの炭酸エステルが炭素数2以
    上15以下のグリコールの炭酸エステルである請求項1
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコールが炭素数15以下の飽和若し
    くは不飽和の脂肪族又は脂環式アルコール及びアリール
    アルキルアルコールよりなる群から選ばれた少なくとも
    1種である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 グリコールの炭酸エステルがエチレンカ
    ーボネートであり、且つ、アルコールがメタノールであ
    る請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 グリコールの炭酸エステルがプロピレン
    カーボネートであり、且つ、アルコールがメタノールで
    ある請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103073429A (zh) * 2013-02-04 2013-05-01 福州大学 一种酯交换合成碳酸二乙酯的方法

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