JP4759710B2 - ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に製造する方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に製造する方法 Download PDF

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    • C07C68/065Preparation of esters of carbonic or haloformic acids from organic carbonates from alkylene carbonates

Description

【0001】
背景
本発明は、ジアルキルカーボネート(カルボナート又は炭酸エステル、carbonate)及びアルカンジオールを共に製造(又は生産、co-produce)する方法に関し、特に、錯塩化合物である触媒を使用することによって、ジアルキルカーボネート及びアルカンジオールを共に製造する方法に関する。
【0002】
種々の均一触媒が、カーボネートのエステル交換反応(又はトランスエステル化反応、transesterification)に提案されている。例えば、米国特許第3,642,858号及び第4,181,676号は、担体材料を用いることなく、アルカリ金属又はアルカリ金属化合物の存在下、アルコールとアルキレンカーボネートのエステル交換反応をすることによって、ジアルキルカーボネートを製造する方法を開示する。米国特許第4,661,609号は、ジルコニウム、チタン及びスズの酸化物、塩又はそれらの錯体から成る群から選択される触媒を使用することを教示する。
【0003】
未転化反応物と有機生成物から触媒を分離することが困難で有り得るので、均一触媒の商業的使用は限られている。エステル交換反応は平衡反応なので、触媒を事前に分離することなく、反応液の蒸留によって、目的のジアルキルカーボネートを分離することを試みると、蒸留の間に平衡が乱れ、逆反応が誘起される。従って、一旦生成したジアルキルカーボネートは、アルキレンカーボネートに戻る。更に、均一触媒の存在のために、例えば、分解、重合等の副反応が蒸留中に同時に生じ、これは、効率を低下させる。
【0004】
種々の不均一触媒も、カーボネートのエステル交換反応に提案されている。ハロゲン化アルカリ土類金属を使用することが、米国特許第5,498,743号に開示されている。クニフトン(Knifton)他による”エチレングリコール−ジメチルカーボネートの同時生成(Ethylene Glycol-Dimethyl Carbonate Cogeneration)”(J. Molec. Catal. 第67巻:第389〜399頁(1991年))は、部分的に架橋(cross-link)されたポリスチレンに担持された有機ホスフィン又はフリー(もしくは遊離)のホスフィンを用いることを開示する。米国特許第4,691,041号は、有機イオン交換樹脂、シリカに含浸されたアルカリ金属及びアルカリ土類金属シリケート(ケイ酸塩もしくはケイ酸エステル)、並びにあるアンモニウム交換ゼオライトを使用することを開示する。米国特許第5,430,170号は、触媒活性成分として、希土類金属酸化物を含んで成る触媒を使用することを開示する。酸化マグネシウムを使用することが、日本国未審査特許出願特開平6(1994)−107,601号公報に開示されている。MgO/Alハイドロタルサイト(MgO/Al2O3 hydrotalcite)の使用が、日本国未審査特許出願特開平3(1991)−44,354号公報に開示されている。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属でイオン交換されたゼオライト、それによって化学量論量の金属を含むゼオライトが、米国特許第5,436,362号に開示されている。
【0005】
欧州特許出願第0478073号A2は、混合金属酸化物、即ち、二以上の金属酸化物を含む触媒の存在下、アルキレンカーボネートをアルカノールと接触させることによって、ジアルキルカーボネートを製造する方法を開示する。この欧州特許出願に開示された方法と異なり、本発明の製造方法は、混合金属酸化物触媒を用いない。むしろ、本発明の製造方法は、単一の錯塩化合物である触媒を用いる。
【0006】
無機不均一触媒は、通常、熱安定性を有し、再生容易である。しかし、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を化学量論量含んで成るゼオライトを含め、これらの触媒は、通常、低活性及び/又は低選択性を示し、商業的応用には不十分である。ポリマー担持有機ホスフィンとイオン交換樹脂は、アルキレンカーボネートとアルカノールとの間のエステル交換反応において、高い活性と良(good)〜秀(excellent)の選択性を示す。しかし、これらのポリマー材料は、十分に安定ではなく、特に、相当高い温度で、徐々に触媒活性を失う。
【0007】
従って、広い温度範囲にわたり、より高いフィード(反応物又は原料)の転化率と生成物の選択性を提供する、アルキレンカーボネートをアルカノールとエステル交換反応させて、ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に製造する方法に対するニーズが有る。
【0008】
発明の要約
式:A(M)で示される錯塩触媒の存在下、アルキレンカーボネートをアルカノールと反応させることによって、ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に製造する方法が提供される。Aは、第1族のアルカリ金属又は第2族のアルカリ土類金属、Mは、第5族又は第6族の遷移金属、Oは、酸素、xは、1又は2、yは、1又は2、並びにzは、3〜6の整数である。
【0009】
Mが、第5族の遷移金属であり、Aが、アルカリ金属である場合、触媒の好ましい式は、A(MO)又はA(MO)である。Mが、第5族の遷移金属であり、Aが、アルカリ土類金属である場合、触媒の好ましい式は、A(M)である。
【0010】
Mが、第6族の遷移金属であり、Aが、アルカリ金属である場合、触媒の好ましい式は、A(MO)である。二つの好ましい触媒は、NaWO及びNaMoOである。Mが、第6族の金属であり、Aが、アルカリ土類金属である場合、触媒の好ましい式は、A(MO)である。
【0011】
触媒のために好ましいアルカリ金属は、カリウム、ナトリウム、セシウム又はそれらの組み合わせである。好ましい第5族の遷移金属は、バナジウム、ニオブ及びタンタルである。好ましい第6群の金属は、モリブデン及びタングステンである。
【0012】
別の好ましい態様において、触媒は、無機質支持体(又は担体)に担持されている。好ましい支持体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、並びに例えばMCM−41及びMCM−48等の中間孔(もしくはメソポア、mesopore)材料又はそれらの支持体の組み合わせである。シリカが最も好ましい。
【0013】
本発明の方法のプロセス条件(又は製造条件)は、約20℃(68°F)〜約300℃(572°F)の反応温度、約14〜約4000psigの反応圧力、約0.1〜約40hr−1の液空間速度、及び約1〜20のアルキレンカーボネートに対するアルカノールのモル比を含む。
【0014】
イオン交換樹脂等のポリマー触媒と異なり、本発明の製造方法で使用される錯塩触媒は、熱的に安定であり、再生可能である。広い温度範囲にわたり、高い触媒活性及び選択性の組み合わせ、並びに触媒の優れた熱安定性及び再生可能性は、エステル交換反応によって、有機カーボネートとアルカンジオールを共に製造するにあたり、それらを商業的に利用するのに適したものとする。触媒の一般的有用性及び低価格も製造方法の経済性を向上し得る。
【0015】
本発明の製造方法によって製造される有機カーボネート、特にジメチルカーボネートは、ポリウレタン及びポリカーボネート樹脂の製造に主に使用されるホスゲンに対する”新しい(green)”代替物として、潜在的適用性を有する。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明に従って、錯塩触媒を用い、アルキレンカーボネートをアルカノールとエステル交換反応することを通じて、ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に(又は同時に)製造する(又は生産する)方法が提供される。本発明の方法は、錯塩触媒の存在下、プロセス(又は製造)条件下において、アルキレンカーボネートをアルカノールと反応させることを含む。
【0017】
本発明の製造方法に使用される錯塩触媒は、式:A(M)で示される。Aは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、Mは、第5族又は第6族の遷移金属、Oは、酸素、xは、1又は2、yは、1又は2、並びにzは、3〜6の整数である。
【0018】
本発明の製造方法で利用される錯塩触媒は、イオン化したアニオン(又は陰イオン)を含む単一化合物である。例えば、NaCl等の簡単な塩と異なり、触媒の遷移金属は、酸素アニオンに配位されているので、アニオンは、複雑なアニオンである。
【0019】
第5族の金属は、元素の周期表の第5族(CAS version VB)として記載されているものである。好ましい第5族の金属は、バナジウム、ニオブ及びタンタルを含む。第6族の金属は、元素の周期表の第6族(CAS version VIB)として記載されているものである。好ましい第6族の金属は、モリブデン及びタングステンを含む。
【0020】
アルカリ金属は、元素の周期表の第1族(IA)に記載されているもの、又はそれらの組み合わせとして定義される。アルカリ土類金属は、元素の周期表の第2族(IIA)に記載されているもの、又はそれらの組み合わせとして定義される。好ましいアルカリ金属は、カリウム、ナトリウム、セシウム、又はそれらの組み合わせを含む。反応機構は完全に理解されていないが、そのようなアルカリ金属は、弱く配位するカチオンとして機能し、強い求核性を有するアニオン性配位錯体を形成し、このことが、触媒の活性の増加と関連しているであろう。
【0021】
触媒化合物の化学量論(又はストイキオメトリー、stoichiometry)は、触媒が安定であるようなものであることが好ましい。例えば、Aが、アルカリ金属であり、Mが、第5族の遷移金属である場合、錯塩触媒の好ましい式は、A(MO)及びA(MO)である。そのような触媒として、例えば、KVO、NaNbO、NaTaO、及びNaVOを例示できる。Aが、アルカリ土類金属であり、Mが、第5族の遷移金属である場合、好ましい式は、A(M)である。そのような触媒として、例えば、MgV及びMgNbを例示できる。
【0022】
Aが、アルカリ金属であり、Mが、第6族の遷移金属である場合、触媒の好ましい式は、A(MO)である。そのような触媒として、後述する実施例で説明するように、NaWO及びNaMoOを例示できる。Aが、アルカリ土類金属であり、Mが、第6族の遷移金属である場合、触媒の好ましい式は、A(MO)である。そのような触媒として、例えば、MgMoO及びCaWO(灰重石、Scheelite)を例示できる。
【0023】
触媒は、多孔質の無機質支持体(又は担体)に担持することができる。好ましい多孔質無機質支持体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、例えば、MCM−41及びMCM−48等の中間孔(もしくはメソポーラス、mesoporous)材料又はそれらの支持体の組み合わせを含む。シリカが最も好ましい。触媒を支持体に結合する(又は担持する)ことは、一般的に知られているいずれかの方法を用いて行うことができ、支持体を触媒の水溶液と混合後、過剰量の水を蒸発し/除去し、その結果得られる担持触媒を温和な温度(50〜150℃)で乾燥し、高温(>400℃)で焼成することによるのが好ましい。この手順(又はプロシジャー)の間、ポリオキシメタレート(polyoxymetallate)種のありえる生成を最小にするため、用いられる触媒溶液のpHを、>7に維持する。
【0024】
前述にもかかわらず、ポリオキシメタレート種は、市販の触媒物質中にありえる不純物のため、及び/又は含浸工程の間の副反応のため、触媒中に既に存在し得る。ポリオキシメタレート種は、存在するとしても、10重量%未満の量で存在するのが好ましく、0.5重量%未満の量で存在するのがより好ましい。そのような量のポリオキシメタレート種の存在は、触媒の性能に穏やかに影響するのみであろう。
【0025】
本発明において、通常、全てのアルキレンカーボネートを、反応物として用いることができる。しかし、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のより低級アルキレンカーボネートが好ましく、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが最も好ましい。
【0026】
アルカノールがシクロカーボネートと反応して、ジアルキルカーボネートとアルカンジオール生成物を生成するとすれば、通常、全てのアルカノール反応物を用いることができる。しかし、1〜10個の炭素原子を有する脂肪族又は芳香族アルカノールを使用するのが好ましい。脂肪族又は芳香族アルカノールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アリルアルコール、ペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、2−メトキシエタノール等を使用することができる。メタノール又はエタノール等のより低級脂肪族アルコールを用いるのが、その反応性の高さと低価格のため、最も好ましい。
【0027】
更に、ヒドロキシル(OH)基を有し、シクロカーボネートと反応してカーボネートを生成する化合物として、アルコール性化合物の代わりに、フェノール性(phenolic)化合物を用いることができる。
【0028】
本発明の反応器の形式は、例えば、連続流動床、固定床又は攪拌タンク(stirred tank)等の一般的に知られているいずれの形式でもよい。本発明の製造方法で使用される触媒は不均一なので、反応物から触媒を回収しなければならない費用の発生を防ぐために、固定床を用いるのが好ましい。
【0029】
本発明の反応条件は、約20℃〜約300℃の反応温度、好ましくは約60℃〜約175℃の反応温度、約14〜約4000psigの反応圧力、好ましくは約50〜約400psigの反応圧力、約0.1〜約40hr−1の液空間速度、好ましくは約0.5〜約10hr−1の液空間速度、及び約1〜20のアルキレンカーボネートに対するアルカノールのモル比、好ましくは約2〜8のアルキレンカーボネートに対するアルカノールのモル比を含む。
以下に本発明の主な態様を記載する。
1.式:A (M )[ここで、
Aは、第1族のアルカリ金属又は第2族のアルカリ土類金属、
Mは、第5族又は第6族の遷移金属、
Oは、酸素、
xは、1又は2、
yは、1又は2、並びに
zは、3〜6の整数である。]
で示される錯塩触媒の存在下、アルキレンカーボネートをアルカノールとプロセス条件で反応させることを含む、ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に製造する方法。
2.Aは、アルカリ金属であり、Mは、第5族の遷移金属であり、該触媒は、式:A(MO )又はA (MO )で示される上記1記載の製造方法。
3.Aは、アルカリ土類金属であり、Mは、第5族の遷移金属であり、該触媒は、式:A(M )で示される上記1記載の製造方法。
4.Aは、アルカリ金属であり、Mは、第6族の金属であり、該触媒は、式:A (MO )で示される上記1記載の製造方法。
5.Aは、アルカリ土類金属であり、Mは、第6族の金属であり、該触媒は、式:A(MO )で示される上記1記載の製造方法。
6.該触媒は、Na WO 又はNa MoO である上記1記載の製造方法。
7.該アルカリ金属は、カリウム、ナトリウム、セシウム又はそれらの組み合わせから成る群から選択され、該第5族の金属は、バナジウム、ニオブ及びタンタルから成る群から選択され、並びに該第6族の金属は、モリブデン及びタングステンから成る群から選択される上記1記載の製造方法。
8.該触媒は、多孔質の無機質支持体に担持されている上記1記載の製造方法。
9.該支持体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、中間孔材料又はそれらの組み合わせから成る群から選択される上記8記載の製造方法。
10.該プロセス条件は、約20℃〜約300℃の反応温度、約14〜約4000psigの反応圧力、約0.1〜約40hr −1 の液空間速度、及び約1〜20のアルキレンカーボネートに対するアルカノールのモル比を含む上記1記載の製造方法。
【0030】
後述する比較例は、更に本発明の理解を助けるために提供される。用いられている特定の物質及び条件は更に本発明を例示することを意図するものであり、それらの合理的な範囲を制限するものではない。
【0031】
実施例1
この実施例は、本発明の製造方法で用いられる触媒、即ち、シリカ担持NaWO(NaWO/SiO)を製造する方法を記載する。
【0032】
市販のタングステン酸ナトリウム二水和物(30.4g)を500ccの脱イオン水に溶解し、得られた溶液を攪拌し、200gのシリカゲル(Davisil、grade 643、200〜425 mesh)と2時間混合した。この期間の終了時、ロータリーエバポレーターを用いて60℃で、混合物を蒸発させ乾燥した。残っている固体触媒を120℃のオーブン中で一夜間乾燥後、空気中で550℃で焼成した。焼成した触媒は、116m/gのBET表面積(BET surface area)を有し、1.9重量%のナトリウムと6.6重量%のタングステンを含んでいた。
【0033】
実施例2
この実施例は、本発明の製造方法で用いられる他の触媒、即ち、シリカ担持NaMoO(NaMoO/SiO)を製造する方法を記載する。
【0034】
市販のモリブデン酸ナトリウム二水和物(31.8g)を500ccの脱イオン水に溶解し、得られた溶液を攪拌し、200gのシリカゲル(Davisil、grade 643、200〜425 mesh)と2時間混合した。この期間の終了時、ロータリーエバポレーターを用いて60℃で、混合物を蒸発させ乾燥した。残っている固体触媒を120℃のオーブン中で一夜間乾燥後、空気中で550℃で焼成した。焼成した触媒は、145m/gのBET表面積を有し、2.6重量%のナトリウムと5.8重量%のモリブデンを含んでいた。
【0035】
実施例3
実施例1及び2に記載した各々の触媒を用いて、エステル交換反応の評価を行った。
【0036】
エステル交換反応は、3つのゾーンを有する炉(three-zone furnace)と下降流かん液充填塔式反応器(down-flow trickle-bed tubuler reactor)(内径は1/2インチ)を備えた、固定床マイクロ装置(micro unit)で行った。触媒粉は、小球状にして、60〜80メッシュに分粒した。上述の分粒した触媒10ccと80〜120メッシュの砂3ccとの混合物を、反応器に充填した。
【0037】
装置の圧力試験後、1気圧、170cc/minの窒素気流下、2時間400°Fの温度で触媒を乾燥した。この期間の終了時に、反応器を150°Fにさまし、窒素気流を停止した。反応器の圧力は、圧力調節器によって制御するが、その際100psiにセットし、エチレンカーボネート(EC)/メタノール混合フィードをポンプで送り、反応器の塔頂に、1.0h−1のLHSVで加えた。反応器を8時間調整した後、反応器の温度を、操作開始温度に昇温した。液体の生成物が、−10℃のステンレス鋼製ドロップアウト・ポット(dropout pot)に凝縮した。液体生成物及びオフガス生成物の両者を、GCで分析した。触媒反応は、EC転化率を種々変えるために、様々の温度及びLHSVで検討した。
【0038】
2つの触媒を、上述の手順に従って、評価した。詳細な操作条件、並びにNaWO/SiO及びNaMoO/SiOに対するEC転化率及びジメチルカーボネート(DMC)/エチレングリコール(EG)選択率を、各々表1及び2に纏めている。
【0039】
全ての反応に対し、(ECに関して)過剰量のメタノールを用いたので、フィードの転化率を、エステル交換反応の間に転化したECに基づいて計算している。EC/MeOH反応の間に、2−ヒドロキシエチルメチルカーボネート(2-hydroxyethyl methyl carbonate、HEMC)中間体も、DMC及びEGに加えて生成した。HEMCの濃度は、反応条件に応じて、種々変化する。
【0040】
未反応ECと共に再利用可能なので、中間体カーボネートを、副生成物として考慮しない。フィード転化率と生成物選択率を、下記のように定義する:
EC転化率=(HEMC以外の生成物に転化したEC)/(フィード中の全EC);
DMC選択率=(生成したDMCのモル数)/(HEMC以外の生成物に転化したECのモル数);及び
EG選択率=(生成したEGのモル数)/(HEMC以外の生成物に転化したECのモル数)。
【0041】
【表1】
Figure 0004759710
a)HEMC:2−ヒドロキシエチルメチルカーボネートであって、メタノールとエチレンカーボネートの反応の間に生成する中間体のカーボネートである。
【0042】
【表2】
Figure 0004759710
a)HEMC:2−ヒドロキシエチルメチルカーボネートであって、メタノールとエチレンカーボネートの反応の間に生成する中間体のカーボネートである。
【0043】
実施例は、本発明のエステル交換反応触媒が、アルカノールとアルキレンカーボネートの反応において、良好な活性と極めて高い選択性を示すことを明らかにしている。
【0044】
より詳細には、NaWO/SiOは、300〜350°Fの操作温度範囲内で、ほぼ36〜47%のEC転化率を示した。温度上昇とともに平衡定数がより小さくなるので、転化率は、より高い操作温度(350°F)では、より低かった。DMC選択率は、検討した操作温度の全範囲、即ち、300〜350°Fに対して、ほぼ94〜98%の間であった。EG選択率は、いっそう大きく、操作温度全範囲に対して、約100%であった。
【0045】
同様に、Na Mo/SiOは、300〜325°Fのプロセス温度で、良好なEC転化率、即ち、ほぼ39〜42%を示した。DMC選択率は、ほぼ91〜93%の間であった。EG選択率は、再びより大きく、ほぼ96〜98%であった。
【0046】
従って、本発明の方法は、良好な活性のレベル、広い温度範囲にわたる極めて高い選択性、並びに使用する遷移金属化合物触媒の安定性及び相対的な低コストのため、商業的利用に適用できる。
【0047】
本発明の好ましい態様であると現在考えられているものを上述したが、当業者であれば、本発明の精神(又は真意)から離れることなく、それに対して変更及び変形を為すことができることが理解される。また、本発明の真の要旨の範囲内に入るような変更及び変形の全てをクレームすることを意図している。

Claims (8)

  1. 式:A(M)[ここで、
    Aは、第1族のアルカリ金属又は第2族のアルカリ土類金属、
    Mは、モリブデン及びタングステンから成る群から選択される遷移金属、
    Oは、酸素、
    xは、1又は2、
    yは、1又は2、並びに
    zは、3〜6の整数である。]
    で示される錯塩触媒の存在下、アルキレンカーボネートをアルカノールとプロセス条件で反応させることを含む、ジアルキルカーボネートとアルカンジオールを共に製造する方法。
  2. Aは、アルカリ金属であり、該触媒は、式:A (MO )で示される請求項1記載の製造方法。
  3. Aは、アルカリ土類金属であり、該触媒は、式:A(MO )で示される請求項1記載の製造方法。
  4. 該触媒は、Na WO 又はNa MoO である請求項1記載の製造方法。
  5. 該アルカリ金属は、カリウム、ナトリウム、セシウム又はそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項1記載の製造方法。
  6. 該触媒は、多孔質の無機質支持体に担持されている請求項1記載の製造方法。
  7. 該支持体は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、中間孔材料又はそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項6記載の製造方法。
  8. 該プロセス条件は、20℃〜300℃の反応温度、14〜4000psigの反応圧力、0.1〜40hr −1 の液空間速度、及び1〜20のアルキレンカーボネートに対するアルカノールのモル比を含む請求項1記載の製造方法。
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