JPH071103Y2 - 立方体物品における外皮のミシン縫合用治具 - Google Patents

立方体物品における外皮のミシン縫合用治具

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JPH071103Y2
JPH071103Y2 JP9923290U JP9923290U JPH071103Y2 JP H071103 Y2 JPH071103 Y2 JP H071103Y2 JP 9923290 U JP9923290 U JP 9923290U JP 9923290 U JP9923290 U JP 9923290U JP H071103 Y2 JPH071103 Y2 JP H071103Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えば体操用の嵩高マット、簡易とび箱、
等の大型立方体物品における外皮の主としてとじ込み縫
合作業用に用いられるミシン縫合用治具に関する。
従来の技術 近時、児童らの安全な体操用具として、第4図に示すよ
うに、あるいは実開昭63−29555号公報に示されるよう
に、内部に直方体形状の発泡合成樹脂等からなるブロッ
ク状の詰め物(2)を収納し、その外面を帆布、樹脂ク
ロス等の丈夫な外皮(3)で全面的に被覆して大型の立
方体物品(1)としたものが提供されている。この立方
体物品は、例えば体操用のとび箱、ジャンプ台、前転練
習台等の多目的台として使用されている。
上記のような立方体物品の製作は、第5図に示すよう
に、外皮材をもって一面の三辺を未縫合のまゝ蓋片(3
b)として残存せしめた一面開放の袋体(3a)をミシン
縫製したのち、上記開口面から袋体内部に所定の詰め物
(2)を緊密に装填し、そして最後に上記蓋片(3b)を
袋体(3a)の開口周縁に縫合しとじ込むことによって行
われている。
而して、従来、上記とじ込み縫合作業は、これをミシン
を用いて行うことが実際上ほとんど不可能であった。即
ち、立方体物品そのものが例えば縦×横×奥行において
700〜900mm×500〜700mm×450〜550mm程度の相当に大型
のものであり、しかも上記とじ込み縫合個所は、第6図
に示すように内部の発泡合成樹脂ブロック等よりなる詰
め物(2)の稜角部が位置した角張り部分であって、そ
の隣接する両側の平面に対し斜めの状態に縫合しなけれ
ばならないものであるため、通常の平面縫い用のミシン
によってはその縫合作業を行うことが困難なものであっ
た。
このため、従来、上記のとじ込み縫合作業は、全くの手
作業によって行われていた。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、このような手作業で行う外皮のとじ込み
縫いは、多くの時間と労力を要し、製品の生産能率を該
作業のために著しく低下させてしまうのみならず、手縫
いによる縫製部は、その縫合部が強度において劣り、前
記のような体操用多目的台等の過酷な条件下に使用され
るものである場合、そのとじ込み縫合部分が早期に破錠
し易いというような問題点があった。
この考案は、このような問題点に対し、上記のとじ込み
縫合作業を通常の縫合用ミシンを用いて簡易に行うこと
を可能とする大型立方体物品における外皮のミシン縫合
用治具を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的において、この考案は、ミシンヘッドに臨んで
上方に傾斜した傾斜架台が、ミシンフレームに付設して
設けられ、該傾斜架台上に、外皮を縫合すべき立方体物
品の下面を左右移動自在に支承する下面支承用ローラコ
ンベアと、該コンベアの支承面に対して直角に立上り、
前記立方体物品の後面を左右移動自在に支承する後面支
承用ローラコンベアとが設けられると共に、少なくとも
上記後面支承用ローラコンベアがミシンヘッドに対して
進退移動調節自在に構成されてなることを特徴とする立
方体物品における外皮のミシン縫合用治具を要旨とす
る。
作用 外皮のとじ込み縫合を施すべき大型立方体物品を傾斜架
台上に載せ、両ローラコンベア上に支承せしめること
で、その稜角部をミシンヘッドに対して縫合可能な所定
の傾斜状態に臨ませつゝ、左右に自在に移動可能なもの
とすることができる。従って、ミシンを駆動し、その縫
合速度に対応させて立方体物品をコンベア上で移動させ
ることにより、稜部に沿う外皮のとじ込み縫合を半自動
的に行うことが可能となる。後面支承用ローラコンベア
は、それを前進あるいは後退させてその位置調節を行う
ことにより、立方体物品の大きさ、寸法の変化に応じて
そのとじ込み縫合個所を確実にミシンヘッドの縫合針部
に位置せしめることを可能にする。
実施例 第1図ないし第3図に示す実施例において、(4)は通
常の平面縫い用のミシン、(5)はそのミシンヘッド、
(6)はミシンを支持するミシンフレーム、(7)はミ
シンテーブルである。
この考案に係る縫合用治具は、上記ミシンフレーム
(6)に付設されたもので、ミシンヘッド(5)に臨ん
で上方に傾斜した傾斜架台(10)を有する。該傾斜架台
(10)は平面視において略方形の枠状に形成されたもの
であり、ミシンヘッド(5)に近い側の前端部と中間部
とにそれぞれ左右各1対の下方にのびた取付用の前部ス
テー(14)と後部ステー(15)とを有する。そしてこれ
らの下部が長孔(14a)(15a)を通じて固定用ボルト
(16)(17)で前記ミシンフレーム(6)の対応個所に
締結固定されることにより、所定の傾斜角度をもってミ
シンフレーム(6)に取付けられている。上記長孔(14
a)(15a)は、固定用ボルト(16)(17)を緩めること
で架台(10)の設置高さを変更調節し、また設定傾斜角
度を変更調節することを可能にするものである。外皮の
縫合を行うべき立方体物品(1)の稜線に沿った外皮の
とじ込み縫合を行うためには、架台(10)の傾斜角度
は、一般的に水平面に対して30〜40度程度に設定するの
が好適である。40度をこえる角度に設定すると、立方体
物品(1)がミシンヘッド(5)の前面に当接して円滑
な縫合作業に困難を来たすことがある。また、上記のよ
うな架台(10)の傾斜角度調節を、簡単かつ安全に行い
うるものとするために、ねじ棒(18)による角度調節装
置が具備されている。即ち該ねじ棒(18)は、一端にハ
ンドル(19)を有し、中間部が前記後部ステー(15)
(15)間に回転自在に横架された横杆(20)の中央部に
回転自在で軸線方向には相対移動を阻止された状態のも
とに貫通され、そして先端部が、ミシンフレーム(6)
の対応部分に上記横杆(20)と平行状に設けられた回転
可能な横杆(21)の中央部にねじ通されたものとなされ
ており、ハンドル(19)をもってねじ棒(18)を回転す
ることにより、ステー(15)に揺動を生じさせて架台
(10)の設定角度を変更しうるものとなされている。
上記傾斜架台(10)上には、縫合すべき立方体物品
(1)の下面を左右移動自在に支承する第1及び第2の
2つの下面支承用ローラコンベア(22)(23)と、当該
コンベア(22)(23)の支承面に対して直角状に立ち上
って、立方体物品(1)の後面を左右移動自在に支承す
る1つの後面支承用ローラコンベア(24)とが設けられ
ている。前者の第1コンベア(22)は、傾斜架台(10)
の前端部上面に固定設置された左右方向に長い長方形状
のコンベアフレーム(25)に多数個のローラを並列状に
軸着することによって構成されている。また、前者の第
2コンベア(23)と後者、即ち後面支承用ローラコンベ
ア(24)は、側面視L字状に形成されたコンベアフレー
ム(26)の横杆部と縦縦枠部とにそれぞれローラを並列
状に軸着することによって構成されたものである。また
このL字状のコンベアフレーム(26)は、下面に固着さ
れたスライド板(27)(第2図)を傾斜架台(10)上に
摺動可能に載置することによって、前後方向、即ちミシ
ンヘッド(5)に対して接近・離間する方向に移動自在
なものとなされている。
そして、この移動自在なコンベアフレーム(26)を移動
してその位置調節を行うための進退移動調節機構(30)
が、上記フレーム(26)の下面側において架台(10)に
組込み装備されている。該調節機構(30)は、架台(1
0)の左右両側外面に沿って平行状に配置された左右1
対の回転自在なねじ棒(31)と、コンベアフレーム(2
6)の下面に固着され上記ねじ棒(31)の中間部が貫通
状に螺挿された雌ねじ片(32)と、傾斜架台(10)の後
面中央部に設けられた調節操作用の回転ハンドル(33)
と、その回転軸(33a)を第3図に示すように上記ねじ
棒(31)(31)の後端に連動連結したチェン・スプロケ
ット機構(34)(第3図)とよりなるものである。而し
て、上記ハンドル(33)の回転操作によって両ねじ棒
(31)(31)を同期同速に回転させ、該ねじ棒(31)
(31)に沿って雌ねじ片(32)を移動させることによっ
てコンベアフレーム(26)を架台(10)上でスライドさ
せて進退移動せしめ得るものとなされている。
上記において、第4図に示されるような立方体物品
(1)の外皮のとじ込みのための縫合作業に際しては、
外皮材による袋体(3a)内に所定の詰め物(2)を蓋片
(3b)を開いた開口部から装填したのち、これを上記架
台(10)上に載置する。この際、袋体(3a)の開口周縁
と蓋片(3b)との互いに縫合すべき稜部の一端をミシン
ヘッド(5)の直下に位置せしめるものとする。この位
置調節は、ハンドル(33)の回転により前述のように後
面支承用ローラコンベア(24)の位置を、立方体物品
(1)の寸法に応じて進退移動することによって行う。
そして、然るのちミシン(4)を起動し、その縫合速度
に応じてローラコンベア(22)(23)(24)上で被縫合
物たる立方体物品(1)を左右いずれか一方向に移動し
ながら、第4図に示すとじ込み縫合ライン(イ)に沿っ
て袋体(3a)の開口部周縁と蓋片(3b)の対応縁辺とを
縫合する。一辺の縫合が終了すれば、コンベア(22)
(23)(24)上で立方体物品(1)を転回することで他
の残りの辺を順次縫合するものとする。
上記のような使用態様から理解しうるように、立方体物
品(1)の下面を支承する下面支承用コンベア(22)
(23)は、これを架台(10)上に一連のみ設けるものと
しても良い。また、コンベア(22)(23)(24)の長
さ、幅等は、外皮を縫合すべき立方体物品(1)の大き
さに応じて任意に設定されるものであり、要すれば、実
施例のような縫合治具に対して別途これに延長用のコン
ベアをアタッチメントとして連結することにより、任意
の長さに構成しうるものとしても良い。
考案の効果 この考案によれば上述のように、内部に詰め物を収納し
て外皮で被覆される大型の立方体物品における外皮の稜
線に沿うとじ込み縫合を、通常のミシンを利用して楽
に、しかも能率的に行うことを可能とし、上記立方体物
品の生産性の向上に大きく寄与しうる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面はこの考案の一実施例を示すもので、第1図はミシ
ン縫合用治具の全体斜視図、第2図は側面図、第3図は
平面図、第4図は縫合製品である立方体物品の一例を示
す一部破砕斜視図、第5図はその製作過程における外皮
と詰め物とを分離して示した斜視図、第6図はとじ込み
縫合部の断面図である。 (1)…立方体物品、(イ)…縫合線、(10)…傾斜架
台、(4)…ミシン、(5)…ミシンヘッド、(6)…
ミシンフレーム、(22)(23)…下面支承用ローラコン
ベア、(24)…後面支承用ローラコンベア、(30)…進
退移動調節機構、(31)…ねじ棒、(32)…雌ねじ片、
(33)…回転ハンドル。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミシンヘッドに臨んで上方に傾斜した傾斜
    架台が、ミシンフレームに付設して設けられ、該傾斜架
    台上に、外皮を縫合すべき立方体物品の下面を左右移動
    自在に支承する下面支承用ローラコンベアと、該コンベ
    アの支承面に対して直角に立上り、前記立方体物品の後
    面を左右移動自在に支承する後面支承用ローラコンベア
    とが設けられると共に、少なくとも上記後面支承用ロー
    ラコンベアがミシンヘッドに対して進退移動調節自在に
    構成されてなることを特徴とする立方体物品における外
    皮のミシン縫合用治具。
JP9923290U 1990-09-20 1990-09-20 立方体物品における外皮のミシン縫合用治具 Expired - Lifetime JPH071103Y2 (ja)

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