JPH0710932Y2 - 自動変速機のシフトレバーの操作位置表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は自動変速機のシフトレバ
ーの操作位置表示装置に係り、特に、シフトレバーの操
作位置を光学的に表示するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の自動変速機のシフトレバーの操
作位置表示装置は、例えば、実開昭５７ー１５９５２６
号公報または実開昭６２ー１３５６４５号公報に記載さ
れている。この構造は、図４および図５に示すように、
アウターケース１の上面にシフトレバーが通過する通過
孔２を形成し、この通過孔２の内側にアウターケース１
の内面に沿って前後方向に摺動されるスライドプレート
３を配設し、このスライドプレート３にシフトレバーを
挿通させる貫通孔４を形成し、シフトレバーの前後方向
の動きに合わせてスライドプレート３を前後方向に移動
させるようにし、表示部５の透光性プレート６の表示透
光部７の内側にランプ８を配設し、この表示透光部７に
てシフトレバーの操作位置を表示するとともにこの表示
透光部７に隣接した指示透光部９をスライドプレート３
に突設した指示部10にてシフトレバーのシフト位置を指
示するようにしている。そして、図５に矢指で示すよう
に表示部５の指示透光部９は表示透光部７の内面にて反
射した光を指示部10で反射させて照光させるようにした
もので、この指示部10はランプ８側から基端側に向って
指示透光部９に接近するように傾斜面とした構造が採ら
れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来のシフトレバ
ーの操作位置表示装置の構造では、指示部10はランプ８
側から基端側に向って指示透光部９に接近するように傾
斜面となっているが、指示透光部９の基端側に反射する
光量が少なく、表示部５の指示透光部９は先端側の表示
透光部７側が明るく基端側の通過孔２側が暗くなる問題
があった。

【０００４】本考案は上記問題点に鑑みなされたもの
で、導光部材などを用いることなく指示部を略均等に照
光でき、コンパクトに構成できる自動変速機のシフトレ
バーの操作位置表示装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の自動変速機のシ
フトレバーの操作位置表示装置は、シフトレバーの通過
孔とこの通過孔に対応する表示部を有するアウターケー
スと、前記シフトレバーの通過孔の内側に摺動自在に配
設されかつ前記シフトレバーの貫通孔を形成するととも
に前記表示部の内側に対向して指示部を突設したスライ
ドプレートと、前記表示部の内側に配設されたランプと
を具備したシフトレバーの操作位置表示装置において、
前記表示部は前記通過孔側に沿って形成した指示透光部
とこの指示透光部に隣接して平行状に前記通過孔と反対
側位置に形成された表示透光部とを有し、前記ランプは
前記表示部の表示透光部の内側に対向して配設し、前記
スライドプレートの指示部は、前記表示部の指示透光部
の内側に突設され、この指示部の前記指示透光部に対向
する面を、この指示透光部との間に導光間隙を保持した
先端側から、この先端側の反対側の基端側に向って前記
指示透光部側に接近する、凹状の灣曲面としたものであ
る。

【０００６】

【作用】本考案の自動変速機のシフトレバーの操作位置
表示装置では、アウターケースの表示部の表示透光部は
内側に配設されたランプにて照光される。また、シフト
レバーの設定位置の指示透光部は、ランプからの光が表
示透光部の内面で反射してこの反射光が指示部にてさら
に反射して照光され、操作位置が指示される。そして、
この指示部は指示透光部に対向する面を先端側から基端
側に向ってこの指示透光部側に接近する凹状の灣曲面と
したため、指示部で反射する光が指示透光部に集光さ
れ、指示部から指示透光部に入射される光は略均一とな
り、表示部の指示透光部は導光部材などを用いることな
く、全体に略均等に照光される。

【０００７】

【実施例】本考案の一実施例の構成を図１ないし図３に
基いて説明する。

【０００８】11は合成樹脂などにて成形されたアウター
ケースで、このアウターケース11の上面には自動変速機
のシフトレバーの通過孔12が前後方向に向って形成され
ている。そして、この通過孔12は図３に示すように、パ
ーキング操作位置、後進操作位置、ニュートラル操作位
置、ドライブ操作位置および２速（Ｓ）操作位置が直線
位置に形成されている。

【０００９】また、前記アウターケース11は上面一側
（図３右側）には、通過孔12に沿って表示部13が形成さ
れている。この表示部13はアウターケース11の上面に開
口した窓孔14に嵌着した透光性プレート15にて形成され
ている。そして、このプレート15には前記通過孔12のパ
ーキング操作位置、後進操作位置、ニュートラル操作位
置、ドライブ操作位置、２速操作位置に対応してそれぞ
れ操作位置を指示する窓孔状の指示透光部16が前記通過
孔12側に形成されている。また、このパーキング操作位
置、後進操作位置、ニュートラル操作位置、ドライブ操
作位置、２速操作位置の各指示透光部16の一側（図３右
側）に隣接対応して操作位置を表示する表示透光部17が
前記通過孔12側と反対側にそれぞれ形成されている。そ
して、このパーキング操作位置、後進操作位置、ニュー
トラル操作位置、ドライブ操作位置、２速操作位置の指
示透光部16および表示透光部17はプレート15に印刷など
により白抜き孔、文字、図形などで形成されている。

【００１０】次に、20は前記アウターケース11の通過孔
12の内面に沿って前後方向に摺動されるスライドプレー
トで、前記シフトレバーを挿通する貫通孔21が形成され
ている。このスライドプレート20の貫通孔21の一側（図
１右側）には指示部22が突出形成され、この指示部22に
は、例えば赤色の蛍光部材などのテープ23が貼着され、
この指示部22はスライドプレート20の摺動により前記ア
ウターケース11のパーキング操作位置、後進操作位置、
ニュートラル操作位置、ドライブ操作位置、２速操作位
置の指示透光部16の内方に選択的に対向されるようにな
っている。

【００１１】そして、このスライドプレート20の指示部
22は前記表示部13の指示透光部16の内側すなわち下方に
突設されている。また、この指示部22の前記指示透光部
16に対向する面は、指示透光部16との間に導光間隙24を
保持した先端側から、貫通孔21側の基端側に向って、こ
の指示透光部16側に接近する下方に向かって凹設された
凹状の灣曲面25に形成されている。

【００１２】また、30はインナーケースで、上面が開口
されたケース状に形成され、前記表示透光部17の内側に
対応したランプハウジング部31と前記スライドプレート
20の指示部22の案内部32とが形成されている。そして、
このインナーケース30の案内部33と前記アウターケース
11の通過孔12の左右両側周縁に形成した案内部34との間
に前記スライドプレート20を摺動自在に保持するように
なっている。なお、このインナーケース30はアウターケ
ース11にねじなどにて止着されている。

【００１３】また、35はランプで、前記ランプハウジン
グ部31に前記表示透光部17を直射光で照光するようにな
っており、この表示透光部17の内面で反射した光が指示
部22のテープ23で反射して前記指示透光部16を照光する
ようになっている。

【００１４】次にこの実施例の作用について説明する。

【００１５】インナーケース30のランプハウジング部31
に支持されたランプ35の光は、アウターケース11の表示
部13の表示透光部17に直接入射して表示透光部17は照光
され、シフトレバーの操作位置を表示する。また、図２
に矢指で示すように、シフトレバーの設定位置の指示透
光部16は、ランプ35からの光が表示透光部17の内面で反
射してこの反射光が指示部22にてさらに反射して照光さ
れ、操作位置が指示される。そして、この指示部22は、
指示透光部16に対向する面を先端側から基端側に向って
この指示透光部側に接近する凹状の灣曲面25としたた
め、指示部22で反射する光が指示透光部16に集光され、
指示部22から指示透光部16に入射される光量が多くな
り、略均一に照光される。そして、表示部13の表示透光
部17に合わせて自動変速機のシフトレバーをアウターケ
ース11の通過孔12に沿って操作すると、シフトレバーの
動きに応じてスライドプレート20がアウターケース11と
インナーケース30との間を移動する。このスライドプレ
ート20の移動により一側の指示部22が移動し、この指示
部22はシフトレバーの操作位置に対応する指示透光部16
に対向され、ランプ35の光は指示透光部16を赤色に照光
し、シフトレバーの操作位置を指示する。

【００１６】なお、テープ23はあらかじめ指示部22の湾
曲面25の湾曲に合わせた形状とすることにより熱などで
変形しにくくなり、剥離されることがない。

【００１７】また、前記ランプ35の発光色が赤色である
場合には、指示部22に赤色の蛍光部材のテープ23を貼着
する必要はなく、反射面とすることもできる。また、指
示透光部16の照光色は赤色に限られるものではない。

【００１８】

【考案の効果】本考案によれば、スライドプレートの指
示部を、表示部の指示透光部の内側に突設し、この指示
部の指示透光部に対向する面を、この指示透光部との間
に導光間隙を保持した先端側から、この先端側の反対側
の基端側に向って、この指示透光部側に接近する凹状の
灣曲面としたので、シフトレバーの設定位置の指示透光
部は、ランプからの光が表示透光部の内面で反射してこ
の反射光が指示部の凹状の灣曲面にてさらに反射して照
光される。そこで、操作位置を指示するときに、指示部
で反射する光が指示透光部に集光され、指示部から指示
透光部に入射される光は略均一となり、暗くなるところ
がなく、表示部の指示透光部を、導光部材などを用いる
ことなく、全体に略均等に照光することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す自動変速機のシフトレ
バーの操作位置表示装置の縦断面図である。

【図２】同上一部の拡大断面図である。

【図３】同上斜視図である。

【図４】従来の自動変速機のシフトレバーの操作位置表
示装置の縦断面図である。

【図５】同上一部の拡大断面図である。

【符号の説明】

11 アウターケース 12 通過孔 13 表示部 16 指示透光部 17 表示透光部 20 スライドプレート 21 貫通孔 22 指示部 24 導光間隙 25 湾曲面 35 ランプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフトレバーの通過孔とこの通過孔に対
   応する表示部を有するアウターケースと、前記シフトレ
   バーの通過孔の内側に摺動自在に配設されかつ前記シフ
   トレバーの貫通孔を形成するとともに前記表示部の内側
   に対向して指示部を突設したスライドプレートと、前記
   表示部の内側に配設されたランプとを具備したシフトレ
   バーの操作位置表示装置において、前記表示部は前記通
   過孔側に沿って形成した指示透光部とこの指示透光部に
   隣接して平行状に前記通過孔と反対側位置に形成された
   表示透光部とを有し、前記ランプは前記表示部の表示透
   光部の内側に対向して配設し、前記スライドプレートの
   指示部は、前記表示部の指示透光部の内側に突設され、
   この指示部の前記指示透光部に対向する面を、この指示
   透光部との間に導光間隙を保持した先端側から、この先
   端側の反対側の基端側に向って前記指示透光部側に接近
   する、凹状の灣曲面としたことを特徴とする自動変速機
   のシフトレバーの操作位置表示装置。