JP2643729B2 - 自動変速機のシフトレバーの操作位置表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動変速機のシフトレバ
ーの操作位置表示装置に係り、特に、通過孔に沿ったシ
フトレバーの操作位置を光学的に表示するものに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】自動車の自動変速機のシフトレバーの操
作位置表示装置は、近時、例えば、実開平２ー５４６３
８号公報に記載されているように、アウターケースの上
面にシフトレバーが通過する通過孔を形成し、この通過
孔の内側真下においてアウターケースの内面に沿って前
後方向に摺動されるスライドプレートを配設し、このス
ライドプレートにシフトレバーを挿通させる貫通孔を形
成し、シフトレバーの前後方向の動きに合わせてスライ
ドプレートを前後方向に移動させ、このスライドプレー
トに形成した指針部にてシフトレバーのシフト位置を指
示するようにしている。そして、アウターケースには通
過孔に沿って指示窓孔と表示窓孔が形成され、この表示
窓孔と指示窓孔とをインナーケース内に配設した一個の
ランプから放射される光にて照光する構造が採られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の一個のラン
プにて表示部を全面的に照光するシフトレバーの操作位
置表示装置の構造では、アウターケースに導光部材を設
け、光源からの光が表示面全体を均等に照光させる必要
があり、特に近時、汎く採用されているシフトレバー装
置は、シフトレバーを前後方向への操作と前後方向と直
交する横方向への操作とを組み合わせて略クランク状に
屈曲した軌跡を描くようにして手動操作感を良好とした
構造が採用されており、このような構造では、中央部に
形成した指示窓孔に沿って両側に表示窓孔が形成されて
いるため、照光面積が広く、光源のランプに近い部位と
遠い部位とでは光量が異なり、ランプから遠い部位では
暗く、均一に照光することができず、表示窓孔の表示の
確認が簡単にできない問題を有している。

【０００４】また、例えば、実公平２ー２１３００号公
報に記載されているように、ランプから最も離間した位
置に移動した指示部に光が導入されるように光出射凹凸
面を形成した構造の自動車の自動変速機のシフトレバー
の操作位置表示装置が知られている。しかしながら、こ
のような構造では、光出射凹凸面を形成した位置では光
量を増すことができるが、全体を均一に照光することが
できない問題を有している。

【０００５】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、一つのランプにより照光される各表示窓孔の光量が
増すとともに表示窓孔を均一に照光できる自動変速機の
シフトレバーの操作位置表示装置を提供するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の自動変速機のシ
フトレバーの操作位置表示装置は、シフトレバーの通過
孔とこの通過孔に対応する表示部を有するアウターケー
スと、前記シフトレバーの通過孔の内側に摺動自在に配
設され前記シフトレバーの貫通孔を有するスライドプレ
ートとを具備したシフトレバーの操作位置表示装置にお
いて、前記表示部は指示窓孔とこの指示窓孔の側方にそ
れぞれ区分形成された表示窓孔とを有し、この指示窓孔
の内側に配設され前記スライドプレートと共動して移動
する指示部と、前記表示窓孔の内側に配設され一端側か
ら他端側に向って漸次厚さを薄くした導光板と、この導
光板の光導入部に対向して配設されたランプとを備え、
前記導光板は肉厚側の一端部に凹曲面の光導入部を形成
するとともに前記表示窓孔に対向して凹部によって形成
される反射粗面をそれぞれ設け、この各反射粗面は前記
一端側の光導入部側より他端側に向って漸次粗さを大き
くしたものである。

【０００７】

【作用】本発明の自動変速機のシフトレバーの操作位置
表示装置は、ランプから出射された光は導光板の光導入
部から入射され、この導光板に入射された光は反射粗面
にて反射されてアウターケースの表示部の表示窓孔は照
光される。そして、導光板の光導入部は凹曲面に形成さ
れているため、ランプからの光の透過量が増し表示窓孔
に照光される光量が増し、しかも、表示窓孔を照光する
導光板の反射粗面にて反射される照光する光が増し、さ
らに、一端側の光導入部側より他端側に向って漸次粗さ
を大きくしたため、各表示窓孔はランプに近い部位から
遠い部位までも均等な光量で照光されている。

【０００８】

【実施例】本発明の一実施例の構成を図１ないし図７に
ついて説明する。

【０００９】図１において、10は合成樹脂などにて成形
されたアウターケースで、このアウターケース10の上面
には自動変速機の図示しないシフトレバーの通過孔12が
前後方向に向って略クランク状に屈曲して形成されてい
る。そして、この通過孔12は図１に示すように、パーキ
ング操作位置、後進操作位置、ニュートラル操作位置、
ドライブ操作位置が前後方向に向う直線上位置に配置さ
れ、このドライブ操作位置から側方（図示左側）に位置
して４速操作位置が形成され、この４速操作位置から３
速操作位置が前後方向に向う直線上位置に配置され、こ
の３速操作位置から略Ｌ字状に屈曲されて２速操作位置
が形成され、この２速操作位置の側方（図示右側）に１
速操作位置が形成されている。

【００１０】また、前記アウターケース10の上面一側
（図示左側）には、表示部13が形成され、この表示部13
には前記通過孔12のパーキング操作位置、後進操作位
置、ニュートラル操作位置、ドライブ操作位置（４速操
作位置）、３速操作位置、２速操作位置（１速操作位
置）に対応してそれぞれ操作位置を指示する指示窓孔14
が形成されている。また、前記４速操作位置、３速操作
位置および２速操作位置の各指示窓孔14の一側（図示左
側）に対応して操作位置を表示する表示窓孔15がそれぞ
れ形成され、さらに、前記パーキング操作位置、後進操
作位置、ニュートラル操作位置、ドライブ操作位置、１
速操作位置の指示窓孔14の他側（図示右側）に対応して
パーキング操作位置、後進操作位置、ニュートラル操作
位置、ドライブ操作位置、１速操作位置の操作位置を表
示する表示窓孔15がそれぞれ形成され、中央の指示窓孔
14の両側に表示窓孔15がそれぞれ区分け形成されてい
る。

【００１１】次に、16は前記アウターケース10の内面に
沿って前後方向に摺動されるスライドプレートで、前記
シフトレバーを挿通する貫通孔17が左右方向に延びる横
長矩形孔にて形成されている。このスライドプレート16
の貫通孔17の一側（図示左側）には指示部18が一体に形
成され、この指示部18には、図３に示すように例えば赤
色テープからなる指示板19が接着され、この指示部18は
前記アウターケース10のパーキング操作位置、後進操作
位置、ニュートラル操作位置、ドライブ操作位置および
１速操作位置の指示窓孔14の内側に選択的に対向される
ようになっている。

【００１２】また、22は可撓性を有する軟質材質にて形
成された板状の遮蔽プレートで、前記シフトレバーを挿
通する挿通孔23を有し、この遮蔽プレート22は図４に示
すように前記スライドプレート16の貫通孔17の前後側縁
に形成した係合縁24に摺動自在に係合保持され、この遮
蔽プレート22の一端側（図３右側）は内側に向けて屈曲
されている。そして、この遮蔽プレート22は前記スライ
ドプレート16の内側に沿って前記シフトレバーの横方向
の動きに合せて左右方向に摺動自在とされている。

【００１３】さらに、30は透光性樹脂にて成型された表
示板で、前記アウターケース10の内面に熱かしめなどに
より当接固定され、この表示板30は前記各指示窓孔14お
よび表示窓孔15にそれぞれ嵌挿されるレンズ部31，32が
形成され、この表示窓孔15に嵌着されるレンズ部32の裏
面には表示記号、文字などの表示33が印刷などにて形成
されている。

【００１４】また、34は導光板で、前記表示板30の内側
に当接されてこの表示板30とともに前記アウターケース
10の内面に熱かしめなどにより固着されている。この導
光板34は一端側から他端側に向ってテーパ状に漸次厚さ
を薄く形成され、この導光板34には表示透過窓孔35が溝
状に略全長に亘って形成され、この表示透過窓孔35は、
前記アウターケース10のパーキング操作位置、後進操作
位置、ニュートラル操作位置、ドライブ操作位置および
１速操作位置の指示窓孔14の内側に対向されるようにな
っている。

【００１５】この導光板34は、図５ないし図６に示すよ
うに、一端部には凹曲面の光導入部36が形成され、さら
に、この導光板34の内側面には前記パーキング操作位置
の表示窓孔15を除いて各表示窓孔15に対向してセレーシ
ョン状の幅方向の断面三角形状の凹部37によって形成さ
れる反射粗面38がそれぞれ形成され、この各反射粗面38
は前記一端側の光導入部36側より他端側に向って漸次粗
さが大きく形成されている。そして、例えば、後進操作
位置の表示窓孔15に対向する反射粗面38の凹部37は0.1m
m の深さに、ニュートラル操作位置の表示窓孔15に対向
する反射粗面38の凹部37は0.2mm の深さに、ドライブ操
作位置および４速操作位置の表示窓孔15に対向する反射
粗面38の凹部37は0.3mm の深さとなるように形成されて
いる。なお、各反射粗面38の凹部37は同一ピッチで形成
されている。

【００１６】また、前記導光板34の表示透過窓孔35に前
記スライドプレート16に設けた指示部18が配設され、こ
の指示部18の指示板19は前記表示板30のレンズ部31に対
向されるようになっている。

【００１７】また、前記アウターケース10とこのアウタ
ーケース10の内側に設けられたインナーケース40には前
記スライドプレート16を挟着案内するガイドレール部4
1，42がそれぞれ設けられ、このガイドレール41，42に
はそれぞれスライドプレート16が一定のクリアランスを
保持して円滑に摺動されるように円弧状の突起43，44が
設けられている。

【００１８】さらに、前記インナーケース40の一端部に
は図２に示すように前記導光板34の光導入部36に対向し
たランプ45を装着するランプソケット46が設けられてい
る。なお、この導光板34の光導入部36の両側位置には前
記ランプ45を包囲する凹弧状の覆い部48が形成されてい
る。

【００１９】次にこの実施例の作用について説明する。

【００２０】ランプ45の点灯により出射された光は導光
板34の光導入部36から導光板34に入射され、アウターケ
ース10の表示部13の表示窓孔15は透光性表示板30のレン
ズ部32を透過して照光され、シフトレバーの操作位置を
表示する。また、導光板34の表示透過窓孔35に漏れた光
は導光板34の表示透過窓孔35に嵌合した指示部18の赤色
の指示板19を照光し、指示窓孔14のレンズ部31を透過し
て操作位置に対応する表示部13の指示窓孔14を赤色光で
指示する。そして、表示部13の表示窓孔15の表示33に合
わせて自動変速機のシフトレバーをアウターケース10の
通過孔12に沿って操作すると、シフトレバーの動きに応
じてスライドプレート16がアウターケース10とインナー
ケース40との間を移動する。このスライドプレート16の
移動により表示透過窓孔35に配設した赤色の指示板19が
移動し、シフトレバーのシフト位置に対応する指示窓孔
14の内側に対向され、レンズ部31を透過して指示窓孔14
を赤色に照光し、シフトレバーの操作位置を指示する。

【００２１】そして、ランプ45から出射された光は導光
板34の光導入部36から入射され、この導光板34に入射さ
れた光は反射粗面38にて反射されてアウターケース10の
表示部13の表示窓孔15は照光される。そして、導光板34
の光導入部36は凹曲面に形成されているため、ランプ45
からの光の透過量が増され、表示窓孔15に照光される光
量が増加される。しかも、表示窓孔15を照光する導光板
34の反射粗面38にて反射される照光する光が増し、さら
に、一端側の光導入部36側より他端側に向って漸次粗さ
を大きくしたため、各表示窓孔15はランプ45に近い部位
から遠い部位までも均等な光量で照光される。

【００２２】なお、シフトレバーの動きによってもシフ
トレバーを貫通孔17に挿通したスライドプレート16にて
通過孔12は遮蔽され、矩形孔状の貫通孔17はシフトレバ
ーを挿通孔23に挿通した遮蔽プレート22にて遮蔽されて
いる。そして、シフトレバーをドライブ操作位置と４速
操作位置との間の切換え、および３速操作位置、２速操
作位置および１速操作位置との間の切換え操作時にはシ
フトレバーは側方向への動きとなり、このときには、遮
蔽プレート22は側方に摺動し、スライドプレート16の貫
通孔17が開口されることがない。

【００２３】また、この実施例では、導光板34の表示窓
孔15に対向して形成した反射粗面38を導光板34の内面に
形成したが、内面に限られるものではなく、外面に形成
することもできる。

【００２４】次に他の実施例の構成を図９および図10に
ついて説明する。

【００２５】前記実施例では、導光板34の表示窓孔15に
対向して形成した反射粗面38はセレーション状の幅方向
の断面三角形状の凹部37によって形成したが、この実施
例では、反射粗面38は多数の円錐孔形状の凹部37にて形
成することもできる。この円錐孔形状の凹部37にて形成
される各反射粗面38は前記一端側の光導入部36側より他
端側に向って漸次粗さが大きく形成されている。

【００２６】この実施例の構造でも、表示窓孔15を照光
する導光板34の反射粗面38にて反射される照光する光が
増し、さらに、一端側の光導入部36側より他端側に向っ
て漸次粗さを大きくしたため、各表示窓孔15はランプ45
に近い部位から遠い部位までも均等な光量で照光され
る。

【００２７】さらに、前記実施例では、アウターケース
10の上面に形成したシフトレバーの通過孔12は略クラン
ク状に屈曲して形成したが、シフトレバーの通過孔12を
直線状に形成した構造にも適用でき、また、アウターケ
ース10の上面に形成した表示部13の表示窓孔15は指示窓
孔14の両側に形成したが、一側のみの構造にも適用でき
る。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、一つのランプから出射
された光を導光板の光導入部から入射させ、この導光板
に入射された光を反射粗面にて反射させてアウターケー
スの表示部の表示窓孔を照光するに際して、導光板の光
導入部は凹曲面に形成されているため、ランプからの光
の透過量が増し表示窓孔に照光される光量が増し、表示
窓孔を照光する導光板の反射粗面にて反射して照光する
光が増し、一端側の光導入部側より他端側に向って漸次
粗さを大きくしたため、各表示窓孔はランプに近い部位
から遠い部位までも均等な光量で照光される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す自動変速機のシフトレ
バーの操作位置表示装置の分解斜視図である。

【図２】同上導光板部の縦断側面図である。

【図３】同上縦断正面図である。

【図４】同上スライドプレート部の縦断側面図である。

【図５】同上導光板の斜視図である。

【図６】同上導光板の底面図である。

【図７】同上導光板の平面図である。

【図８】同上操作位置表示装置の斜視図である。

【図９】本発明の他の実施例を示す自動変速機のシフト
レバーの操作位置表示装置の導光板の斜視図である。

【図１０】同上導光板部の一部の縦断側面図である。

【符号の説明】

10 アウターケース 12 通過孔 13 表示部 14 指示窓孔 15 表示窓孔 16 スライドプレート 17 貫通孔 18 指示部 23 挿通孔 34 導光板 36 光導入部 37 凹部 38 反射粗面 45 ランプ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シフトレバーの通過孔とこの通過孔に対
   応する表示部を有するアウターケースと、前記シフトレ
   バーの通過孔の内側に摺動自在に配設され前記シフトレ
   バーの貫通孔を有するスライドプレートとを具備したシ
   フトレバーの操作位置表示装置において、 前記表示部は指示窓孔とこの指示窓孔の側方にそれぞれ
   区分形成された表示窓孔とを有し、 この指示窓孔の内側に配設され前記スライドプレートと
   共動して移動する指示部と、前記表示窓孔の内側に配設
   され一端側から他端側に向って漸次厚さを薄くした導光
   板と、この導光板の光導入部に対向して配設されたラン
   プとを備え、 前記導光板は肉厚側の一端部に凹曲面の光導入部を形成
   するとともに前記表示窓孔に対向して凹部によって形成
   される反射粗面をそれぞれ設け、 この各反射粗面は前記一端側の光導入部側より他端側に
   向って漸次粗さを大きくしたことを特徴とする自動変速
   機のシフトレバーの操作位置表示装置。