JPH071015Y2 - 電動昇降ベッドの上限停止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、不使用時に天井部に収納することができる電
動昇降ベツドの上限停止構造に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 一般に、この種の電動昇降ベツドのなかには、ベツド架
台の四隅を、躯体天井部に設けた巻取り駆動装置から繰
り出されるワイヤ、ベルト等の吊体で吊持し、巻取り駆
動装置による吊り体の巻取り、巻戻しによつてベツド架
台を電動昇降し、不使用時には天井部に接近せしめて収
納できるようにしたものがある。

ところで、この様な電動ベツドにあつては、当然ながら
ベツド架台の上限、下限位置において自動停止をせしめ
ることが要求される。そのうち、下限については、ベツ
ド架台が床付近のストツパに接した時の吊体の弛みを検
知して停止する等の機構を採用することができる。これ
に対し、上限については、吊体の弛みが発生しないので
この様な機構を採用することができない。

そこで従来、躯体天井部側に駆動装置の回転数検知をす
るように構成した上限検知スイツチを設け、該上限検知
スイツチで上昇するベツド架台の検知をして上昇停止さ
せる構成にすることが提唱されるが、このものでは、上
限検知スイツチが躯体天井側の高所に取付けられること
になつて、検知位置調整をするのが難しい許りでなく、
ベツドの上に品物が置かれたり、季節によつて寝具の厚
さが変化したり、あるいは寝具を折り畳んでおくような
時、これに対応させた迅速な上限停止位置調整ができ
ず、これを怠ると、寝具や品物を押しつぶしてしまうこ
ととなり、このためベツド架台の上限停止位置を低く設
定せざるを得ないという実状にある。

［問題を解決する手段］ 本考案は上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃する
ことができる電動昇降ベツドの上限停止構造を提供する
ことを目的として創案されたものであつて、ベツド架台
の隅部に、躯体側天井部に設けた巻取り駆動装置から案
内レールに案内されるようにして繰り出されるベルト等
の吊体の下端部を連結し、該吊体の巻取り駆動装置によ
る巻取り、巻戻しによりベツド架台の昇降をするように
構成した電動昇降ベツドにおいて、前記吊体の案内レー
ルに案内される部位に上限位置決め部材を位置調整自在
に設ける一方、該上限位置決め部材が吊り体の巻取りに
基づき当接することで巻取り駆動装置の駆動停止をする
ための位置決め部材検知具を、前記巻取り駆動装置が収
納されるケーシング下部の案内レール接続部位となるベ
ルト呑込み部に設けたことを特徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、ベツド架台の上限
位置を無段階にかつ簡単に調整できるようにしたもので
ある。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、Ｂは四辺の側板と底板とで長方形状に形成
された電動昇降ベツドのベツド架台であつて、該ベツド
架台Ｂの四隅にはアーム１が突設されている。２は部屋
に立設された断面略コ字状をした四本の案内レールであ
つて、その内二本の案内レール２は同一壁面に沿つて設
けられており、各案内レール２の開口部側には前記ベツ
ド架台Ｂのアーム１が上下摺動自在に挿入されるように
なつている。また壁側案内レール２の上部には、駆動装
置３が設けられている。前記アーム１の先端には、ベツ
ド架台Ｂを吊持する合成樹脂等の部材で表面をコーテイ
ングされたベルト（吊体）４の一端側が固定されてい
る。そして各案内レール２の上端には、それぞれベルト
４を案内するローラ５が設けられており、ベルト４の他
端側は駆動装置３の巻胴31に巻装されている。そして駆
動装置３の駆動でベルト４が巻胴31に巻取り、巻戻され
ることによりベツド架台Ｂは昇降するようになつてい
る。

前記駆動装置３は、外板61、内板62、該内外板61、62が
一体的に設けられる左右のブラケツト64等の部材で構成
されるケーシング６に内装されているが、ケーシング内
板62の下部には案内レール２の上端部が取付けられ、そ
して案内レール２に案内されるベルト４がケーシング６
に呑込まれるベルト呑込み部に上限検知スイツチ７が設
置されており、該上限検知スイツチ７のON−OFF切換え
作動で駆動装置３の駆動回路の切換えが成されるように
なつている。71は前記外板61に基端部72が枢支された検
知ロツドであつて、該検知ロツド71と前記上限検知スイ
ツチ７とで本考案の位置決め部材検知具を構成してい
る。検知ロツド71は、対向して設けた内板62に穿設され
た縦長孔63に遊嵌し、先端部73が前記上限検知スイツチ
７に対向する位置まで伸びている。そして検知ロツド71
は、後述するように下方からの押上げで前記縦長孔63内
を上方に揺動し、これによつて先端部73が上限検知スイ
ツチ７に接当して上限検知スイツチ７をOFF作動せし
め、駆動装置３の駆動回路を開成することにより、ベツ
ド架台Ｂの上昇は停止されるようになつている。

８と81は、ベツド架台Ｂの上限位置決め部材を構成する
樹脂性の当て金具と金属製の固定具であつて、該固定具
81には、ベルト４の表面両側から裏面側へ屈曲する取付
け部82と、該取付け部82とは反対方向に屈曲されて上辺
が平状の折り曲げ辺83とが形成されており、当て金具８
は楔状をしており、ベルト４の表面側から取付け部82で
両縁を挟むように仮止される固定具81とベルト４表面と
の隙間に押し込むことで固定されるものである。そして
この当て金具８は、ベツド架台Ｂを上昇させるべくベル
ト４を巻き上げていくと、検知ロツド71に下側から接当
して押上げ、これによつて上限検知スイツチ７をOFFに
切換えして駆動装置３を停止せしめることとなり、これ
により決められた上限位置での上昇停止が成されるもの
である。しかも、この当て金具８の検知ロツト71への接
当は、緊締方向への加力であるので、当て金具８が弛ん
で落下する惧れはない。そして、位置変更する場合は当
て金具８を下方から突き上げる等すれば容易に外れ、こ
れによつて無段階的な上限の位置調整ができる構成にな
つている。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、ベツド
架台Ｂを躯体天井部に収納する場合に、図示しない操作
スイツチを操作して駆動装置３を、ベルト４を巻取るべ
く駆動させることで、ベツド架台Ｂは上昇することにな
る。そしてベルト４が巻き上げられることに伴いベルト
４と共に上昇する当て金具８が検知ロツド71に下側から
接当してこれを押上げ、これによつて上限検知スイツチ
７がOFFに切換わつて駆動装置の上昇駆動が停止するこ
とになる。

この様に、本考案が実施されたものでは、ベツド架台Ｂ
の上昇を、躯体天井部側に設けた上限検知スイツチ７の
OFF切換えで停止させることができるが、該上限検知ス
イツチ７をOFF切換えを、ベルト４に位置調整自在に設
けた当て金具８によつて行われることになり、この結
果、ベツド架台Ｂの上限位置調整は、ベツド架台Ｂを吊
持するために必要なベルト４に設けた当て金具８の位置
調整によつて無段階的に行われることになつて、当て金
具８を位置調節自在に取付けるための部材が別途必要に
なることもない。

しかも、ベツド架台Ｂの上限位置調整は、上限検知スイ
ツチ７が設けられる高所の躯体天井側で行う必要がな
く、ベルト４のベツド架台連結側で行えば良く、そうし
て、ベツド架台Ｂを高く収納しようとするほど、当て金
具８のセツト位置は低いベツド架台連結側となつて、ベ
ツド架台Ｂが寝台としてセツトされる下限位置において
の上限調整が簡単にできることになつて、高所での調整
作業が強いられることがない。

そのうえ、検知スイツチ７と検知ロツド72とは、ベルト
４を巻装するための駆動装置３を収納するケーシング６
のベルト呑込み部に設けられるから、ベルト４の案内レ
ール２に案内される部位に設けた当て金具８は、上限位
置の調整をしているときにおいて、試しにベツド架台Ｂ
を上限位置に上昇させたとき、当て金具８は、ベツド架
台Ｂがケーシング６に当たる以前の段階で必ず検知ロツ
ド72に当接して上限検知がなされ、この結果、ベツド架
台Ｂがケーシング６に当つてこれら部材装置を損傷する
ようなことを未然に回避できる。

しかも、上記上限位置の調整に際し、調整取付けされる
当て金具８が、ケーシング６のベルト呑込み部において
検知されるこの位置で停止することになり、この結果、
調整されるベツド架台の上限位置を、ベツド架台Ｂを下
に降ろして当て金具８が検知ロツド72に全く干渉しない
自由な状態で、当て金具８を上下位置調整をすることで
そのままベルト呑込み部からベツド架台Ｂまでの距離に
置き換えることができ、このため、ベツド架台Ｂの上限
位置調整を、ベツド架台Ｂを下に降ろした状態で凡そ推
測しながら行えることになつて、ベツド架台Ｂの上限位
置調整作業を、ベツド架台Ｂを下に降ろした作業しやす
い状態で簡単かつ容易にできることになる。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成したものである
から、躯体天井部に設けた巻取り駆動装置によるベツド
架台の上昇を、躯体天井部側に設けた位置決め部材検知
具による上限位置決め部材の検知に基づいて無段階的に
できる。

しかも、ベツド架台の上限位置調整は、位置決め部材検
知具が設けられる高所の躯体天井側で行う必要がなく、
吊体のベツド架台連結側で行えば良く、そうして、ベツ
ド架台を高く収納しようとするほど、位置決め部材の吊
体セツト位置は低いベツド架台連結側となつて、高所で
の調整作業が強いられることがない。

そのうえ、上限位置決め部材は案内レールに案内される
部位の吊体に設けられ、一方、これを検知する位置決め
部材検知具は、ケーシングの案内レール接続部位である
吊体呑込み部に設けられるので、ベツド架台がケーシン
グに当たる以前の段階で必ず上限検知がなされて停止す
ることになり、上限位置調整を行う場合に、ベツド架台
が上がりすぎてケーシングに当つてしまうことを確実に
回避できる。

しかも、上記上限位置調整に際し、調整取付けされる上
限位置決め部材は、ケーシングの吊体呑込み部において
検知され該検知位置で停止するので、ベツド架台の上限
位置調整をする場合に、ベツド架台を下に降ろし、上限
位置決め部材が位置決め部材検知具に何ら干渉しない自
由な状態で行うことができ、しかもベツド架台から上限
位置決め部材までの距離を、そのまま吊体呑込み部から
ベツド架台までの距離に置き換えることができることに
なつて、ベツド架台の上限位置調整作業が作業しやすい
状態で簡単かつ容易にできることになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る電動昇降ベツド架台の上限停止構造
の一実施例を示したものであつて、第１図はベツド架台
の概略側面図、第２図は駆動装置要部の正面図、第３図
は同側面図、第４図は上限停止作動斜視図、第５図は当
て金具の斜視図、第６図（イ）、（ロ）、（ハ）は固定
具の正面図、縦側面図、横側面図である。 図中、２は案内レール、３は駆動装置、４はベルト、６
はケーシング、63縦長孔、７は上限検知スイツチ、71は
検知ロツド、８は当て金具、81は固定具、Ｂはベツド架
台である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベツド架台の隅部に、躯体側天井部に設け
   た巻取り駆動装置から案内レールに案内されるようにし
   て繰り出されるベルト等の吊体の下端部を連結し、該吊
   体の巻取り駆動装置による巻取り、巻戻しによりベツド
   架台の昇降をするように構成した電動昇降ベツドにおい
   て、前記吊体の案内レールに案内される部位に上限位置
   決め部材を位置調整自在に設ける一方、該上限位置決め
   部材が吊り体の巻取りに基づき当接することで巻取り駆
   動装置の駆動停止をするための位置決め部材検知具を、
   前記巻取り駆動装置が収納されるケーシング下部の案内
   レール接続部位となるベルト呑込み部に設けたことを特
   徴とする電動昇降ベツドの上限停止構造。