JPH0699937B2 - 鉄骨柱脚部構造 - Google Patents

鉄骨柱脚部構造

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JPH0699937B2
JPH0699937B2 JP30818486A JP30818486A JPH0699937B2 JP H0699937 B2 JPH0699937 B2 JP H0699937B2 JP 30818486 A JP30818486 A JP 30818486A JP 30818486 A JP30818486 A JP 30818486A JP H0699937 B2 JPH0699937 B2 JP H0699937B2
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弘道 松村
久哉 加村
章夫 荒木
仁 佐久間
栄治 小林
英雄 舟木
靖男 林
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ビル等の鉄骨柱脚部において、鉄骨柱に作
用するモーメントを基礎梁に伝達できるようにするた
め、鉄骨柱脚部の耐力を向上させる箱抜き型埋込み柱脚
部の構造に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、箱抜き型埋込み柱脚部の構造は、第6図に示すよ
うに紙等からなる箱抜き部分11のような型枠によつて基
礎梁に箱型の中空部1を設け、ここにシアコネクタとし
てのスタツド2を植設した鉄骨柱3を建て、その後に後
打ちコンクリートを充填していた。このような柱脚部の
補強方法は、フープ状の鉄筋4を箱型、すなわち箱抜き
部分11の周囲またはその内側に配筋する方法が一般的で
ある。
この柱脚部の耐力機構は、第7図に示すように鉄骨柱3
に作用する力QによるモーメントMの一部を鉄骨柱3に
植設されたスタツド2に分担させるようにしたもので、
こうすると柱脚の固定度は適当な補強を施せば露出柱脚
よりも大きくすることができる。また、基礎梁完成後に
鉄骨柱3を建込むため、一般工法による埋込み柱脚より
も工期を短縮することが可能となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のように構成された従来の箱抜き型埋込み柱脚は、
固定度の向上および工期の短縮を図れるが、箱抜き穴で
ある箱型の中空部を大きくとらなければならないのでア
ンカー取付板が大きくなり、基礎梁幅を広くとらなけれ
ばならなかった。
さらに、基礎梁のコンクリートに打継部が存在するの
で、従来の一体打ちに比べて耐力、固定度、水平剛性な
どが低下し、また後打ちコンクリートの充填性に不安が
あるため打継部を補強しなければならず、補強部分が大
きくなつていた。さらにまた、従来型の耐力機構は第7
図に示すように、鉄骨柱に作用するモーメントMに対
し、スタツドをスタッドを鉄骨柱に植設することによ
り、鉄骨柱にモーメントMが作用したときにコンクリー
トと鉄骨柱の間に発生する剪断力を前記スタッドで伝達
するものであるが、このスタッドは剛性上昇には寄与し
ない。剛性は鉄骨柱の軸に対し直角方向に働く支圧耐力
に依存している。したがつて、特に隅柱の場合は柱の外
側のコンクリートも剛性向上に期待しているため、この
部分の端あき長さを大きく、例えば柱せいDの2倍以上
とらなければならず、またこの部分の補強も必要になる
という問題があつた。
この発明は、上記のような従来工法の問題点を解消する
ためになされたもので、基礎梁の幅を小さくでき、しか
もコンクリートの打継部を特に補強することなく、柱脚
部の耐力、固定度および水平剛性などの向上を図り、さ
らに施工性を大幅に改善できるようにすることを目的と
する。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る鉄骨柱脚部構造は、柱抜き型枠として型
枠鋼管を用い、この型枠鋼管を介して鉄骨柱に作用する
モーメントを基礎梁に直接伝えるように上記基礎梁の主
筋またはアンカー筋と上記型枠鋼管とを溶接等によつて
連結するようにしたものである。
〔作用〕
上記のように構成された鉄骨柱脚部構成は、基礎梁の主
筋又はアンカー筋に溶接等により連結された角型鋼管に
よつて柱脚部分が囲まれているので、この角型鋼管から
なる箱抜き型枠内にコンクリートを充填すると、鉄骨柱
のモーメントは、充填されたコンクリートにかかる圧縮
力を介して型枠鋼管に伝えられる。そして、型枠鋼管に
かかる力は、主筋又はアンカー筋を引っ張る方向の力に
ついては主筋又はアンカー筋を介して基礎梁に伝達さ
れ、主筋又はアンカー筋を圧縮する方向の力については
基礎梁中のコンクリートの圧縮力を介して基礎梁に伝達
される。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を図によつて説明する。第1
図は本発明の第1の実施例で、鉄骨柱としてH形ビーム
を用いた柱脚部構造を示す平面図および側断面図であ
る。第2図は本発明の耐力機構を示す説明図、第3図は
鉄骨柱として角形鋼管を用いた第2の実施例の平面図、
第4図は鉄骨柱の埋込み深さを深くした第3の実施例の
側断面図、第5図は充填コンクリートの代りに高強度グ
ラウトモルタルを用いて箱抜き穴である箱型の中空部を
小さく、したがつて端あき長さを小さくした第4の実施
例を示す平面図である。
第1の実施例を示す第1図において、1は箱抜き穴であ
る箱型の中空部に充填する後打ちコンクリート、3はH
型鋼からなる鉄骨柱、5はアンカー取付板(建て方用プ
レート)で、鉄骨柱3を建てるときに仮止めする。6は
建て方用アンカーで、アンカー取付板5を基礎梁に固定
する。7は箱抜き用型枠として用いる型枠鋼管、8は基
礎梁内に配筋される主筋、9は基礎梁内に配筋されるア
ンカー筋である。
次に、上記構成に基づく工法について説明する。基礎梁
内に主筋8、アンカー筋9および帯筋を配筋するととも
に、柱脚を埋込む位置に角型鋼管からなる型枠鋼管を配
置し、これに主筋8を溶接によつて連結するか、あるい
は型枠鋼管7の外周を取り巻くようにU字型に配筋して
コンクリートを打設し、基礎梁を完成する。次に、基礎
梁完成後、鉄骨柱3を建て方用アンカー6によつてアン
カー取付板(建て方用プレート)5に仮止めし、建て方
後、型枠鋼管7の空間部に基礎梁用コンクリートよりも
高強度の後打ちコンクリートを打設する。この実施例
は、鉄骨柱3の埋込みが浅い場合で、その補強をアンカ
ー取付板5を介してアンカー6によって行つているが、
このアンカー6の有無あるいはその断面積は、柱モーメ
ントの保有耐力接合に必要な構造計算によつて決定す
る。
このようにすると、第2図に示すような耐力機構とな
り、鉄骨柱3に作用するモーメントMは、圧縮応力によ
つてのみ基礎梁に伝達されるので、端あき部のコンクリ
ートの支圧耐力を期待する必要はなくなり、したがつて
端あき長さを小さく、例えば柱せいDに対して端あき長
さを0.5D(従来は2D以上)としても十分な耐力が得ら
れ、敷地境界線に近接して鉄骨柱3の建て方を行う場合
にも、施行性が大幅に向上する。
第2の実施例を示す第3図においては、鉄骨柱3として
角型鋼管を用い、第1図に示す第1の実施例と同様にし
て建て方を行うが、この場合、鉄骨柱3を中空管または
コンクリート充填鋼管柱とし、中空管の場合はその端部
を鋼板で塞ぐかまたはあけておくなどして使用しても、
第1の実施例と同様な効果が得られる。なお、中空管の
場合、柱3の横にコンクリートを注入できる穴をあけて
おき、後打ちコンクリート1を打設するときに、高流動
化コンクリートを鉄骨柱3の内に充填するとより有効と
なる。
さらに、第3の実施例を示す第4図は埋込み深さが深い
例で、この場合は、基礎梁の主筋8の上端筋および下端
筋とを、型枠鋼管7に溶接によつて連結するか、もしく
はU字型に配筋する。
さらにまた、第4の実施例として、後打ちコンクリート
の代りに高強度グラウトモルタル10を使用すると、第5
図に示すように、箱抜き型枠用の型枠鋼管7を小さくす
ることができる。この場合、高強度グラウトモルタル
(あるいは高流動化コンクリート)10の骨材を細径なも
のとすると、鉄骨柱3と型枠鋼管1との間のクリアラン
スを10mm程度とすることができるので、端あきをより小
さくできる。
以上、いずれの実施例においても、この発明による耐力
機構は、第2図に示すように端あき部のコンクリートの
支圧耐力を期待していないので、端あき長さを小さくで
きてこの部分の補強が不要となり、またコンクリート打
継部を別の手段で補強する必要がなく、さらに鉄骨柱囲
いの帯筋を減らすかあるいはなくすことができる。ま
た、建て方用アンカーボルト6が型枠鋼管7にセツトさ
れているので、その寸法精度が高く、しかも基礎梁の上
面に突出しているため鉄骨柱3の建て方を容易に行うこ
とが可能となる。
なお、これらの実施例においては、主筋を型枠鋼管に溶
接する等の例を説明したが、アンカー筋を型枠鋼管に溶
接しても同じ作用効果が得られる。
〔発明の効果〕 以上述べたように、この発明によれば基礎梁の主筋に溶
接された箱抜き型枠としての型枠鋼管で柱脚部を囲んで
いるので、端あき部のコンクリートの支圧耐力を期待す
る必要はなく、端あき長さを小さくしかもこの部分の補
強を行うことなく露出柱脚に比べて耐力、固定度および
剛性などを大幅に向上させることができる。また、箱抜
き穴が小さくなるため基礎梁の幅を狭くでき、ハンチが
不要となり、しかも補強構造を簡略化できるので、工期
の短縮およびコストダウンを図れるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明の第1の実施例を示す平面図、
(b)はその側断面図、第2図はこの発明の耐力機構を
示す説明図、第3図は第2の実施例を示す平面図、第4
図は第3の実施例を示す側断面図、第5図は第4の実施
例を示す平面図、第6図(a)は従来例を示す平面図、
(b)はその側断面図、第7図は従来の耐力機構を示す
説明図である。 図において、3は鉄骨柱、5はアンカー取付板、6は建
て方用アンカー、7は型枠鋼管、8は基礎梁主筋、9は
アンカー筋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 仁 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小林 栄治 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 舟木 英雄 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 林 靖男 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 審査官 青山 敏

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】箱抜き型埋込み柱脚において、箱抜き型枠
    として型枠鋼管を用い、この型枠鋼管を介して鉄骨柱に
    作用するモーメントを基礎梁に直接伝えるように基礎梁
    の主筋またはアンカ筋と上記型枠鋼管とを溶接等によっ
    て連結したことを特徴とする鉄骨柱脚部構造。
JP30818486A 1986-12-26 1986-12-26 鉄骨柱脚部構造 Expired - Lifetime JPH0699937B2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP30818486A JPH0699937B2 (ja) 1986-12-26 1986-12-26 鉄骨柱脚部構造

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JPS63165626A JPS63165626A (ja) 1988-07-08
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