JPH06996B2 - 鉄筋コンクリ−ト構造とその施工方法 - Google Patents

鉄筋コンクリ−ト構造とその施工方法

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JPH06996B2
JPH06996B2 JP19795287A JP19795287A JPH06996B2 JP H06996 B2 JPH06996 B2 JP H06996B2 JP 19795287 A JP19795287 A JP 19795287A JP 19795287 A JP19795287 A JP 19795287A JP H06996 B2 JPH06996 B2 JP H06996B2
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、たとえば建築物の構造体に使用されて好適
な鉄筋コンクリート構造とその施工方法に関する。
「従来の技術」 通常、建築物の構造体は地面に立設する複数の柱と、こ
の柱間に水平に架け渡される複数の梁とを主体として構
成されているが、鉄筋コンクリート(RC)造において
は、前記柱、梁はともに長手方向に平行な主筋を主体と
し、これに帯筋、助筋、腹筋などの補助筋を組み合わせ
て構成されている。そして、従来の鉄筋コンクリート造
り建築物のコンクリート打設工程は、通常、柱部打設工
程と梁打設工程の2段階による工程で行われている。す
なわち、柱打設工程は、柱主筋と柱補助筋の周囲に型枠
を設け、その内部にコンクリートを打設して柱部を立設
する工程である。また、梁打設工程は、柱部間に配筋さ
れた梁主筋と梁補強筋の周囲に型枠を設け、その内部に
コンクリートを打設して梁部を組み立てる工程である。
ところで、たとえばチューブ架構形式の建築構造物など
において、短スパンの梁を必要とする場合がある。しか
しながら、短スパン梁に上記のような平行主筋を主体と
した構成を適用させたものは、長スパン梁の場合に比較
して脆性的な剪断破壊を生じやすく、これは過去の地震
時の被害状況や実験などから裏付けられており、その対
策が望まれていた。
その結果、上記問題点を解消する鉄筋コンクリート梁と
して第11図ないし第13図に示すものが提供されてい
る。この鉄筋コンクリート梁は、いわゆるX型配筋を施
したもので、主筋の一部を互いにX字状に交差させるこ
とによって、梁の靱性を向上させ、これを短スパン梁に
応用したものである。
第11図において2点鎖線で示すものは短スパンの鉄筋
コンクリート梁1の形状である。また、実線で示すもの
は各種の鉄筋であり、符号2は平行主筋、符号3はX型
主筋、符号4は平行主筋2に巻回された肋(あばら)筋
である。前記平行主筋2は鉄筋コンクリート梁1の横断
面において四隅にかつ鉄筋コンクリート梁1の長手方向
に平行に配されている。一方、前記X型主筋3は、第1
3図に示すように、鉄筋コンクリート梁1の長手方向に
平行な仮想垂直面Aを挾んで、互いにX字状に交差して
(第12図参照)二対、配されている。
「発明が解決しようとする問題点」 ところが、X型配筋を施した上記従来の鉄筋コンクリー
ト梁1は靱性が通常の鉄筋コンクリート梁に比較して格
段に向上する結果、これを短スパン梁として応用できる
利点がある反面、以下のような施工上の問題点がある。
すなわち、上記鉄筋コンクリート梁1は、仕口部(RC
梁1とRC柱5の接合部)6において、前記X型主筋3
が水平方向に屈曲し、その先端が上下に屈曲してL字型
アンカ7を形成している。そして、この仕口部6を施工
する場合、L型アンカ7、7どうしを互いに接合してR
C梁1、1を直列につなぎ、さらにL型アンカ7と柱主
筋8を互いに直交するように接合してRC梁1とRC柱
5をつなぐように施工している。このように、仕口部6
における配筋が複雑であり、現場での配筋およびコンク
リート打設作業に手間がかかるとともに、主筋の配置間
隔等の精度確保が難しく、良好な梁および柱の構築が難
しいという問題点があった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、梁が少
なくとも短スパン梁として応用できるだけの強度を有
し、かつ梁および柱の主筋の配置間隔等の精度を十分確
保しながら、良好な梁および柱の構築を容易に行なうこ
とのできる鉄筋コンクリート構造とその施工方法を提供
することを目的としている。
「問題点を解決するための手段」 そこで、第1発明の鉄筋コンクリート構造では、柱と梁
の接合部である仕口部からその仕口部に接合される梁の
長さ方向中央部にかけて、その梁の上端主筋および下端
主筋から構成される梁主筋部材を配設するとともに、 互いに隣合う仕口部からそれぞれ延出している前記梁主
筋部材の先端部どうしが梁の中央部において互いに連結
した構成とし、 前記梁主筋部材を、前記上端主筋および下端主筋の前記
仕口部からの延出部がそれぞれ斜め下方および斜め上方
に屈曲していてそれらの先端は一体に連続する形状とし
たものであって、 これら梁主筋部材の先端部どうしを梁の中央部において
互いに連結することによって、一方の梁主筋部材の上端
主筋と下端主筋および他方の梁主筋部材の下端主筋と上
端主筋とを梁の中央部において略X字状に連結するよう
にしたものである。
また、第2発明である施工方法では、柱主筋を先組みす
る工程と、梁の上端主筋および下端主筋の両端部をそれ
ぞれ斜め下方および斜め上方に屈曲してそれらの先端を
一体に連続させた形状の梁主筋部材の両端部をそれぞれ
仕口部から延出させた形態で配して柱・梁部材を形成す
る工程と、この柱・梁部材を施工位置に立設する工程
と、前記梁主筋部材の互いに隣り合う先端部どうしを梁
のほぼ中央で互いに連結する工程と、前記柱・梁部材の
周囲に型枠を設けコンクリートを打設することによって
柱および梁を形成する工程とを具備したものである。
また、第3発明である施工方法では、柱主筋を先組みす
る工程と、梁の上端主筋および下端主筋の両端部をそれ
ぞれ斜め下方および斜め上方に屈曲してそれらの先端部
を一体に連続させた形状の梁主筋部材の両端部をそれぞ
れ仕口部から延出させた形態で配して柱・梁部材を形成
する工程と、前記梁主筋部材の両端部の連結する部分を
残して、前記柱・梁部材の周囲に型枠を設けコンクリー
トを打設することによってプレキャスト部材をつくる工
程と、このプレキャスト部材を施工位置に立設する工程
と、前記梁主筋部材の互いに隣り合う先端部どうしを梁
のほぼ中央で互いに連結する工程と、この梁主筋部材の
先端部の連結する部分の周囲に型枠を設けコンクリート
を打設する工程とを具備したものである。
「作用」 この発明によれば、互いに隣合う仕口部からそれぞれ延
出する梁主筋部材の先端部どうしを梁の中央部において
略X字状に互いに連係する構成としたので、梁に、短ス
パン梁として応用できるだけの強度および靱性を付与す
ることができる。
また、柱と梁の接合部である仕口部に予め製作した梁主
筋部材を配する単純作業で、梁の上端主筋および下端主
筋を位置決めすることができるので、現場での配筋等の
施工性を向上させることができ、工期の短縮化を図るこ
とができる。
「実施例」 以下、この発明の鉄筋コンクリート構造の実施例につい
て図面を参照しながら説明する。
第1図ないし第4図はこの発明の第1実施例であって、
これらの図において、符号10は柱、符号11は短スパ
ン梁をそれぞれ示すものである前記柱10の内部には柱
10の長手方向に沿って平行な柱主筋12、12…が配
され、これらの柱主筋12、12…の周囲には剪断補強
筋である帯筋13、13…が巻回されている。
また、前記梁11の内部には梁11と柱10の接合部で
ある仕口部14からその仕口部14両側に接合されてい
る梁11の長さ方向中央部にかけて、梁11の上端主筋
15および下端主筋16から構成される梁主筋部材17
が配設されている。この梁主筋部材17は、前記仕口部
14を貫通する上端主筋15および下端主筋16のそれ
ぞれの仕口部14からの延出部15a、16aがそれぞ
れ斜め下方および斜め上方に屈曲していてそれらの先端
部が一体に連続する形状とされているものであり、略横
長六角形のリング状に形成されている。
このように構成された梁主筋部材17は第2図および第
3図に示すように、梁11の中央に2列に亙って設けら
れており、これらの梁主筋部材17、17の外側に位置
して梁11の四隅には、平行主筋18、18…が配され
ている。そして、平行主筋18、18…には剪断補強筋
である肋(あばら)筋19、19…が巻回されている。
そして、前記梁主筋部材17は、互いに隣合う仕口部1
4、14からそれぞれ延出している前記梁主筋部材1
7、17の先端部どうしが梁11の中央部において互い
に連結された構成となっている。このように、これら梁
主筋部材17、17の先端部どうしが梁11の中央部に
おいて互いに連結されることによって、一方の梁主筋部
材17の上端主筋15と下端主筋16および他方の梁主
筋部材17の下端主筋16と上端主筋15とが梁11の
中央部において略X字状に配筋され、いわゆるX型配筋
が施されている。
この実施例の構造によれば、互いに隣合う仕口部14か
らそれぞれ延出している梁主筋部材17、17によって
梁11内にX型配筋を構成するので、従来の梁1と同様
に、梁11を少なくとも短スパン梁として応用すること
ができるだけの強度および靱性を梁11に持たせること
ができる。
また、従来構成のX型配筋のRC梁1においては、梁主
筋3、3を互いに交差させてX型を形成するようにして
いるので、仕口部6ではそれらX型を構成する1組の梁
主筋3、3の幅が2本分であるのに対し、この実施例で
はX型を形成する梁主筋部材17、17の1組の幅が第
3図にしめすように1本分ですむ。これにより、(この
実施例では梁主筋部材17が2組配されているので)梁
主筋2本分の直径寸法を縮めることができ、梁幅寸法を
小さくすることができる。また、仕口部14における梁
主筋部材17の柱主筋12との接合性や梁主筋部材17
の収まり具合が良くなり、配筋作業を容易にしかつコン
クリート打設を容易にする。
また、前記梁主筋部材17は予め工場等において所定の
形状に形成して製作することができるので、現場での配
筋作業が大幅に低減される。このように、事前に十分な
管理のもとで同じ寸法精度の梁主筋部材17を大量に一
括して低コストかつ短期間で製作することができる。
なお、この梁主筋部材17は、第4図(A)に示すよう
に、2本平行に並べた主筋の両端部を互いに仕口部14
の長さ寸法だけ残して、内方に曲げてその先端部どうし
を溶接等によって接合し、リング状に形成して製作すれ
ばよい。また、(B)図に示すように、1本の主筋を所定
の形状に折り曲げて両端部を接合し、リング状に形成し
て製作してもよい。また、(A)図構造のものの接合部を
(C)図に示すようにラップさせてもよい。さらに、以上
に限定されるものではなく、機械継手による接合でも良
い。
第5図はこの発明の第2実施例であって、四隅の平行主
筋18、18…の替わりにこの部分に前記構成の梁主筋
部材17、17を配して、梁11に梁主筋部材17を4
列に亙って配するようにしたものである。
この実施例によると、梁主筋部材17を2倍に増やして
配したので、梁11の強度および靱性をより向上させる
ことができる。
第6図および第7図はこの発明の第3実施例であって、
第1実施例で構成した梁主筋部材17の垂直方向に沿っ
てその内側に同様な梁主筋部材17′を設け、互いに隣
合う仕口部14、14からそれぞれ延出する梁主筋部材
17、17の先端部どうしを第1実施例と同様に連結し
たものである。この実施例によると、梁主筋部材17′
を配した分、梁11の強度および靱性をより向上させる
ことができる。
なお、四隅の平行主筋18、18…は第1実施例の第2
図に示すように、仕口部14で接合するかまたは梁11
の中央部で接合してもよい。また、第2実施例のよう
に、四隅に梁主筋部材17を配する場合には、平行主筋
18を補助筋として肋筋19を巻回するために入れても
よい。これらの接合は機械継手や圧接、ラップ継手等で
行う。
次に、上記鉄筋コンクリート構造の施工方法について説
明する。
第8図および第9図は第2発明の一実施例であって、柱
10と梁11を3層分ずつ組み立てていくものである。
図中、第1図と同一部材には同一符号を付して説明を省
略する。なお、第8図における2点鎖線は柱10および
梁11をそれぞれ示すものである。
この実施例の施工方法は、まず、柱主筋12、12…を
先組みする。この場合、前記複数本の柱主筋12、12
…は柱10の寸法に合わせて並べられ、これらの柱主筋
12、12…の外側周囲に、剪断補強筋である帯筋1
3、13…が所定間隔置きに柱主筋12と直交する方向
に巻回状態で設けられる。
次に、梁11の上端主筋15および下端主筋16をそれ
ぞれ斜め下方および斜め上方に屈曲してそれらの先端部
を一体に連続させた形状の梁主筋部材17をその両端部
を前記仕口部14から延出させた形態で配し、これによ
り、柱・梁部材(鉄筋集合体)20を構築する。前記梁
主筋部材17は、予め工場等において指定された寸法、
形状に必要数成形しておいてもよい。そして、平行主筋
18、18…も梁主筋部材17、17の外側の所定位置
に配し、その周囲に助筋19、19…を所定間隔置きに
平行主筋18と直交する方向に巻回状態で設ける。
次に、このようにして先組みした柱・梁部材20、20
…をスラブ上の所定の施工位置に立設する。
次に、前記梁主筋部材17の互いに隣合う先端部どうし
を梁11のほぼ中央で互いに連結する。この連結手段と
しては、第9図(A)ないし(C)に示すように、両者をボル
ト22等でボルト締めする機械的手段や、スパイラルフ
ープ23等で両者を巻いてジョイントさせる手段や、鉄
板24を間に介して両者を溶接する溶接手段等がある。
なお、この連結手段としては、以上に限定されるもので
はなく、ラップ接合等でもよい。
最後に、上記のようにして複数層分あるいは1層分の鉄
筋構造物の建方を完了したならば、柱・梁部材20、2
0…の周囲に型枠(図示せず)をセットする。そして、
この型枠内にコンクリートを打設して、柱10および梁
11を一体に打設成形する。
後はこのようにして、鉄筋コンクリート構造物を、順次
複数層あるいは1層ずつ組み立てて形成していく。
この実施例によると、予め工場等において製作した梁主
筋部材17…を柱主筋12と組み合わせて柱・梁部材2
0を構築し、この柱・梁部材20…を現場に立設して梁
主筋部材17、17の先端部どうしを連結する単純作業
で、梁11に短スパン梁として有効ないわゆるX型配筋
を施すことができ、その作業が非常に簡単でありかつ高
い精度で行なうことができる。
なお、柱10と梁11の組み合わせとしては、上記実施
例の他に、柱2本と梁1本の組み合わせ(1層)、柱2
本と梁2本の組み合わせ(2層)などがある。
次に、前記鉄筋コンクリート構造の他の施工方法につい
て説明する。
第10図はこの発明の一実施例であって前記施工方法と
同様に柱10と梁11を3層構造に組み立て、さらにこ
れをPC化したものである。図中、第1図と同一部材に
は同一符号を付して説明を省略する。
この実施例の施工方法は、まず、柱主筋12、12…を
先組みする。この場合、前記複数本の柱主筋12、12
…は柱10の寸法に合わせて並べられ、これらの柱主筋
12、12…の外側周囲に、剪断補強筋である帯筋1
3、13…が所定間隔置きに柱主筋12と直交する方向
に巻回状態で設けられる。
次に、梁11の上端主筋15および下端主筋16をそれ
ぞれ斜め下方および斜め上方に屈曲してそれらの先端部
を一体に連続させた梁主筋部材17を、その両端部を前
記仕口部14から延出させた形態で仕口部14に配し、
これにより柱・梁主筋部材(鉄筋集合体)20を構築す
る。なお、前記梁主筋部材17は、前記施工方法と同様
に予め工場等において指定された寸法、形状に必要数成
形すればよい。そして、平行主筋18、18…も梁主筋
部材17、17の外側の所定位置に配し、その周囲に助
筋19、19…を所定間隔置きに平行主筋17と直交す
る方向に巻回状態で設ける。
次に、このようにして構築した柱・梁部材20の周囲
に、前記梁主筋部材17の両端部の連結する部分を残し
て、柱10および梁11の型枠をセットする。そして、
型枠内にコンクリートを打設して柱10および梁11の
一部を形成し、複数層分あるいは1層分のプレキャスト
部材21をつくる。
次に、このようにしてできたプレキャスト部材21、2
1…をスラブ上の目的とする施工位置に立設する。
次に、前記梁主筋部材17の互いに隣合う先端部どうし
を梁11のほぼ中央で互いに連結する。この連結手段と
しては、前記第2発明と同様の手段を用いればよい。
最後に、梁11のほぼ中央部における梁主筋部材17、
17の先端部の連結する部分の周囲に型枠をセットして
コンクリートを打設し、梁を一体に連続して形成する。
後はこのようにして、複数層あるいは1層分のプレキャ
スト部材21、21…を順次組み立てて鉄筋コンクリー
ト構造物を構築していく。
この実施例の施工方法によれば、柱10および梁11の
一部を一体にPC化して、これをプレキャスト部材21
としたので、プレキャスト部材21、21…のそれぞれ
の各部の寸法精度を同じように高い水準に保持すること
ができる。
また、現場作業においては、プレキャスト部材21、2
1から露出する梁主筋部材17、17の先端部どうしを
連結するだけで、梁11に短スパン梁として十分必要と
されるだけの強度および靱性を付与させることができ
る。そして、現場での配筋作業やコンクリート打設作業
が格段に減ることによって、その分、工期の短縮化やコ
ストの低減化を実現することができ、また納期に対する
フレキシビリティ性を上げることができる。さらに、プ
レキャスト部材21、21…を組み立てる単純作業で鉄
筋コンクリート構造物を順次構築するので、作業の安全
性の点でも好ましい。
なお、柱10および梁11をPC化するにあたっては、
この実施例のようにフルPC化する他に、梁11の上端
主筋15の一部を残すハーフPCとしてもよい。
「発明の効果」 以上詳細に説明したように、第1発明の鉄筋コンクリー
ト構造によると、梁と柱の仕口部からその仕口部に接合
される梁の長さ方向にかけて、梁の上端主筋および下端
主筋で構成されているとともに、仕口部からの延出部が
それぞれ斜め下方および上方に屈曲し、かつその先端部
が長さ方向の中央部で一体に連続する形状とした梁主筋
部材が配設されている。そして、互いに隣合う仕口部に
配設されて対向する梁主筋部材が、それぞれの延出部の
先端部どうしを梁の中央部で連結することにより略X字
状に一体化した構成とされているので、簡単に梁にいわ
ゆるX型配筋を施すことが可能となる。
したがって、第1発明は、従来技術のようなX型配筋を
施すために複数種類の主筋を接合して仕口部の複雑な配
筋を行わずに、施工が容易で簡単な合理的構造とし、短
スパンとして応用することができる十分な強度および靱
性をX型配筋によって梁に付与することができ、チュー
ブ架構形式の鉄筋コンクリート構造物に容易に適用採用
することができる。
また、第2発明の施工方法によると、柱と梁との仕口部
の配筋作業を、予め製作しておいた柱・梁部材を施工位
置に立設することで完了させることができ、しかも柱・
梁部材を構成する梁主筋部材の互いに隣り合う先端部を
梁のほぼ中央で互いに連結した後、柱・梁部材の周囲に
型枠を設けてコンクリートを打設することにより、柱お
よび梁を一体に打設形成する施工方法なので、従来技術
による柱部打設工程および梁打設工程の2段階に分けら
れたコンクリート打設工程と比較して、現場での配筋作
業およびコンクリート打設作業が容易になるだけでな
く、それら現場作業の工数および時間を短縮化するとと
もに、コストを低減化させることができる。
また、梁主筋部材を前記仕口部に配するだけで梁の上端
主筋および下端主筋を簡単かつ確実に位置決めすること
ができ、しかも各主筋の間隔精度を十分確保することが
でき、さらに、仕口部における梁主筋部材および柱主筋
の接合性や梁主筋部材の収まり具合がよくなるので、施
工精度がよくなり、品質管理上も一層好ましくなる。
また、第3発明の施工方法によると、予め柱および梁の
各主筋を組み立てて、これらをPC化するようにしたの
で、前記施工方法よりも現場での配筋作業およびコンク
リート打設作業を短縮化することができ、より一層なコ
ストダウンを図ることができる。
さらに、前記梁主筋部材は予め工場等において所定の形
状に形成して製作すればよいので、事前に十分な管理の
もとで同じ寸法精度の梁主筋部材を一括して製作するこ
とができる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は第1発明の第1実施例であって、
第1図は鉄筋コンクリート構造物の要部側面図、第2図
は鉄筋コンクリート構造物の要部平面図、第3図は鉄筋
コンクリート梁の第2図におけるA−A矢視図、第4図
は梁主筋部材の説明図、第5図は第1発明の第2実施例
であって、鉄筋コンクリート梁の断面図、第6図および
第7図は第1発明の第3実施例であって、第6図は鉄筋
コンクリート構造物の要部側面図、第7図は鉄筋コンク
リート梁の断面図、第8図および第9図は第2発明の一
実施例であって、第8図は鉄筋コンクリート構造物の施
工状態を示す説明図、第9図は梁主筋部材の先端部どう
しの連結手段を説明するために示した図、第10図は第
3発明の一実施例であって、鉄筋コンクリート構造物の
施工状態を示す説明図である。第11図ないし第13図
はこの発明の従来例であって、第11図は鉄筋コンクリ
ート梁の構成図、第12図は鉄筋コンクリート構造物の
側面図、第13図は鉄筋コンクリート梁の第11図にお
けるA−A矢視図である。 10……柱、11……梁、 12……柱主筋、14……仕口部、 15……上端主筋、16……下端主筋、 17……梁主筋部材、20……、柱・ 梁部材、21……プレキャスト部材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柱と梁を主体として構成される鉄筋コンク
    リート構造において、 前記柱と前記梁の接合部である仕口部からその仕口部に
    接合される梁の長さ方向中央部にかけて、その梁の上端
    主筋および下端主筋から構成される梁主筋部材が配設さ
    れているとともに、 互いに隣合う仕口部からそれぞれ延出している前記梁主
    筋部材の先端部どうしが梁の中央部において互いに連結
    された構成とされ、 前記梁主筋部材は、前記上端主筋および下端主筋の前記
    仕口部からの延出部がそれぞれ斜め下方および斜め上方
    に屈曲していてそれらの先端は一体に連続する形状とさ
    れたものであって、 これら梁主筋部材の先端部どうしが梁の中央部において
    互いに連結されることによって、一方の梁主筋部材の上
    端主筋と下端主筋および他方の梁主筋部材の下端主筋と
    上端主筋とが梁の中央部において略X字状に連結される
    ようにしたことを特徴とする鉄筋コンクリート構造。
  2. 【請求項2】柱主筋を先組みする工程と、梁の上端主筋
    および下端主筋の両端部をそれぞれ斜め下方および斜め
    上方に屈曲してそれらの先端を一体に連続させた形状の
    梁主筋部材の両端部をそれぞれ仕口部から延出させた形
    態で配して柱・梁部材を形成する工程と、この柱・梁部
    材を施工位置に立設する工程と、前記梁主筋部材の互い
    に隣り合う先端部どうしを梁のほぼ中央で互いに連結す
    る工程と、前記柱・梁部材の周囲に型枠を設けコンクリ
    ートを打設することによって柱および梁を形成する工程
    とを具備した鉄筋コンクリート構造の施工方法。
  3. 【請求項3】柱主筋を先組みする工程と、梁の上端主筋
    および下端主筋の両端部をそれぞれ斜め下方および斜め
    上方に屈曲してそれらの先端部を一体に連続させた形状
    の梁主筋部材の両端部をそれぞれ仕口部から延出させた
    形態で配して柱・梁部材を形成する工程と、前記梁主筋
    部材の両端部の連結する部分を残して、前記柱・梁部材
    の周囲に型枠を設けコンクリートを打設することによっ
    てプレキャスト部材をつくる工程と、このプレキャスト
    部材を施工位置に立設する工程と、前記梁主筋部材の互
    いに隣り合う先端部どうしを梁のほぼ中央で互いに連結
    する工程と、この梁主筋部材の先端部の連結する部分の
    周囲に型枠を設けコンクリートを打設する工程とを具備
    した鉄筋コンクリート構造の施工方法。
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