JPH0699590A - インクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動方法 - Google Patents

インクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動方法

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JPH0699590A
JPH0699590A JP4273421A JP27342192A JPH0699590A JP H0699590 A JPH0699590 A JP H0699590A JP 4273421 A JP4273421 A JP 4273421A JP 27342192 A JP27342192 A JP 27342192A JP H0699590 A JPH0699590 A JP H0699590A
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nozzles
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16517Cleaning of print head nozzles

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期放置された場合や、低温環境下において
も、ノズルの目詰まりの回復などのヘッドの予備駆動制
御を、高速に、しかもインクの無駄な消費を抑えて行な
うことができるインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 CPU1は、まず、現在のヘッドの温度を検
出し、必要昇温値△Tを算出する。次に、放置時間をチ
ェックし、目詰まり回復に必要な1本のノズル当たりの
インク吐出回数nをプログラムROM6から求める。次
に、1℃だけヘッドの温度を上昇する間の1ノズル当た
りの吐出回数(n/△T)を算出する。この値をもと
に、インクを吐出させるノズル、不吐出とするノズルの
駆動構成を、プログラムROM6内のテーブルから検索
する。この検索結果により、予備駆動モードが決定さ
れ、予備駆動モードに従った予備駆動を、予備駆動回数
nだけ行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体に向けてイン
クを吐出させて記録を行なうインクジェット記録装置に
関し、特にヘッドの予備駆動制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ヒーターによりインクに熱を
加え、気泡を発生させ、気泡が膨張する圧力によってヘ
ッドの吐出口から記録媒体に向けてインクを吐出させ、
記録を行なうインクジェット記録装置が開発されてい
る。
【0003】インクジェット記録装置では、ノズル部の
先端までインクが常に供給されているため、非印字時に
ノズル部のインクが乾燥してしまう。この乾燥を防止す
るため、ヘッドのノズル部を外気から遮断するように、
この部分を覆うキャップ機構を有している。しかし、キ
ャップ機構を有していても、キャップ内の気密性を、長
時間にわたり一定に保つのは非常に困難である。そのた
め、長期にわたり放置されると、ノズルの吐出口付近の
インクから、水分、揮発成分が徐々に外気中へ蒸発して
しまい、インクの物性、特に粘性が高くなり、インクが
吐出しにくい状態となる。このような状態で通常の印字
動作を行なうと、通常のノズル駆動条件では、ノズルの
吐出口付近のインクは、吐出しなかったり、吐出したと
しても、その方向性が不安定となり、そのため印字不
良、画質不良を発生するという問題があった。
【0004】また、このような問題は、長期にわたり放
置された場合に限らず、低温環境下に置かれた場合に
も、同様な問題が発生する。印字動作中では、ヘッドの
温度は最適温度に制御されるため、安定した印字記録を
行なうことができる。しかし、非印字動作期間が長い場
合、ヘッドの温度が次第に低下してしまう。ヘッド温度
の低下、つまり、インク温度の低下により、インクの粘
性は高くなる。そのため、低温環境下に置かれた場合に
も、長期放置の場合と同様の印字不良、画質不良を発生
したり、また、吐出されるインクのドロップ量が減少
し、十分な画像濃度を得られない等の問題が発生する。
【0005】このように、インクジェット記録装置にお
いては、温度変化や、長期放置に対しても安定したイン
クの物性を維持できることが理想となる。そのため、ヘ
ッドの駆動方法を工夫し、前記印字不良を回避する方法
が従来より開発されている。その一つの方法として、ヘ
ッドを印字記録動作前に予備的に駆動し、インクを吐出
しやすい状態にしてから印字動作を行なう方法が提案さ
れている。
【0006】例えば、特開昭64−38246号公報に
は、その実施例の説明において、ノズルに粘度の高いイ
ンクがあると判断されたり、ヘッドの温度が所定温度よ
り低い場合には、インクの吐出しない程度にノズルを駆
動するか、または、インクを吐出させる駆動のどちらか
一方を行ない、あるいは、インクが吐出しない程度にノ
ズルを駆動し、引き続きインクを吐出させるように駆動
する制御方法が記載されている。これらの判断および動
作は、常に後続の印字動作に先立って行なわれ、印字不
良を回避するものである。
【0007】このような駆動方法では、インクの吐出し
ない程度にノズルを駆動する方法のみを用いると、長期
放置または低温環境下によりインクの粘度が高くなって
いるが、このようにヘッドを昇温制御することにより、
ノズル吐出口付近の粘性を低くでき、インクを吐出しや
すい状態にできる。しかし、この駆動を行なう以前にノ
ズル吐出口付近のインクの水分、揮発成分が蒸発してし
まっているため、印字の最初におけるインクの濃度が高
くなってしまうという欠点がある。また、インクを吐出
させるように駆動する方法のみでは、ノズルごとの水分
や、揮発成分の蒸発が不均一なため、ノズル中のインク
の粘度にばらつきを生じ、この駆動方法によれば、最初
からインクを吐出できるノズルもあれば、なかなかイン
クを吐出しないノズルもあるという状態となってしま
う。吐出しにくいノズル群を回復させるよう、予備吐出
回数を決定するのであれば、最初から吐出できるノズル
群からのインクは無駄に消費されることになる。また、
これら予備吐出回数を減らせば、インクの無駄な消費を
低減できるが、目詰まりを十分に回復できず、印字記録
で吐出しないノズル群が生じ、印字不良を招く。このよ
うに、この予備駆動方法では、インクを無駄に消費して
しまう欠点がある。さらに、インクの吐出しない程度に
ノズルを駆動し、引き続きインクを吐出させるように駆
動制御する方法では、それぞれの欠点が補われてはいる
が、この場合、2回の一連の制御動作が連続的に行なわ
れるため、特に低温環境下でヘッドの予備駆動を行なう
ときには、インクの吐出しないパルス幅でのヘッドの予
備駆動では発熱量が少ないため、ヘッドを所定温度まで
昇温させ、印字可能状態になるまでのウォームアップ時
間が比較的長くなってしまう欠点がある。
【0008】さらに、ヘッドの熱容量が大きくなると、
インクが吐出する程度にノズルを駆動したとしても、イ
ンクの物性が安定する所定温度になるまで、かなりの時
間を要することから、特開平4−44856号公報に記
載された予備駆動方法では、ヘッドの予備駆動時間を短
縮させるため、ノズルの駆動周波数を、通常の印字時の
周波数よりも高い駆動周波数で予備駆動を行なってい
る。
【0009】この予備駆動方法によれば、ウォームアッ
プ時間を短縮することができる。しかし、ヘッドの単位
時間あたりに消費するヒータ電流が増加するため、場合
によっては電源容量を増やす必要があり、コストアップ
を招く。複数個のヘッドを同時に予備駆動する場合は、
特にこの問題が発生しやすい。また、電源容量を増やさ
ない場合でも、ヒータ電圧の低下を招き、結果としてヘ
ッドの昇温時間をそれほど短縮できない場合もある。こ
の場合、複数個のヘッドを搭載しているシステムであれ
ば、ヘッドを1個ずつ予備駆動することも考えられる
が、ヘッドの数だけの時間がかかり、予備駆動時間の短
縮はできない。さらに、低温環境下では、インクを吐出
させながらヘッドを予備駆動してヘッド温度を昇温させ
るため、インクを吐出する回数も多くなり、インクが無
駄に消費されてしまうという欠点があった。
【0010】放置時間が比較的短く、低温環境下での印
字記録の場合では、上述のように、ヘッド温度を昇温さ
せ、また、適宜インクの吐出を行なうという比較的簡単
な予備駆動を行なうだけで、印字不良を回避することが
できる。しかし、長期にわたり放置された場合、ノズル
の吐出口付近のインクの粘度が次第に高くなり、その目
詰まり回復が難しくなる。このような状態において、ヘ
ッドの目詰まりを回復させる方法として、従来では、予
備駆動時のインク吐出回数を増加させる方法のほか、キ
ャップをして、ポンプ等によりこの粘度の高いインクを
吸い出す方法が用いられていた。しかし、この方法も、
インクを著しく無駄に消費することになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたものであり、長期にわたり放置され
た場合や、低温環境下においても、インクの無駄な消費
を抑え、ノズルの目詰まりの回復や、ヘッドの昇温な
ど、ヘッドの予備駆動制御を高速に行なうことができる
インクジェット記録装置を提供することを目的とするも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、複数のノズルを有するヘッドを搭
載したインクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動
方法において、ノズルからインクを吐出するように駆動
する吐出予備駆動動作と、ノズルからインクを吐出しな
いように駆動する加熱予備駆動動作を交互に行なうこと
を特徴とするものである。
【0013】また、請求項2に記載の発明においては、
複数のノズルを有するヘッドを搭載し、前記複数のノズ
ルを所定数ずつに分割して複数のノズル群を構成し、所
定の時間ずつ遅延させて、ノズル群ごとに順次インクを
吐出させるように制御されるインクジェット記録装置に
おけるヘッド予備駆動方法において、1回の全ノズルの
予備駆動の動作は、各ノズル群毎に、インクを吐出可能
なように駆動する吐出予備駆動動作と、インクを吐出し
ないように駆動する加熱予備駆動動作とにより構成され
ることを特徴とするものである。
【0014】請求項3に記載の発明においては、請求項
1または2に記載のインクジェット記録装置におけるヘ
ッド予備駆動方法において、各ノズルにおける吐出予備
駆動動作から次の吐出予備駆動動作までの時間間隔が、
通常のヘッド駆動時の駆動動作の時間間隔よりも長く、
かつ、各ノズルにおける吐出予備駆動動作から加熱予備
駆動動作までの時間間隔が、通常のヘッド駆動時の駆動
動作の時間間隔よりも短いことを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項4に記載の発明においては、インク
ジェット記録装置におけるヘッド予備駆動方法におい
て、ヘッド予備駆動時にヘッド温度を検出し、ヘッド温
度がt(℃)のとき、ヘッド温度が、 T=a×t+b (℃) で示される設定温度T(℃)に達するまで予備駆動動作
を行なうことを特徴とするものである。
【0016】請求項5に記載の発明においては、請求項
4に記載のインクジェット記録装置におけるヘッド予備
駆動方法において、設定温度T(℃)が、 T=0.5t+23 (℃) であることを特徴とするものである。
【0017】さらに、請求項6に記載の発明において
は、請求項4または5に記載のインクジェット記録装置
におけるヘッド予備駆動方法において、用いられる予備
駆動動作として、請求項1または2あるいは3に記載の
ヘッド予備駆動方法を用いることを特徴とするものであ
る。
【0018】
【作用】本発明によれば、請求項1に記載の発明におい
て、インクは消費するが発熱量の大きい吐出予備駆動動
作と、発熱量は小さいがインクを消費しない加熱予備駆
動動作を交互に行なうことにより、インクの無駄な消費
を抑え、しかも高速にヘッドの昇温を行なうことができ
る。
【0019】また、請求項2に記載の発明において、1
回の全ノズルの予備駆動の動作中に、各ノズル群毎に、
インクは消費するが発熱量の大きい吐出予備駆動動作
と、発熱量は小さいがインクを消費しない加熱予備駆動
動作とを行なうことにより、インクの無駄な消費を抑
え、しかも高速にヘッドの昇温を行うことができる。
【0020】請求項3に記載の発明において、各ノズル
における吐出予備駆動動作から次の吐出予備駆動動作ま
での時間間隔が、通常のヘッド駆動時の駆動動作の時間
間隔よりも長くしたので、単位時間あたりのインクの消
費量を抑えることができる。さらに、各ノズルにおける
吐出予備駆動動作から加熱予備駆動動作までの時間間隔
が、通常のヘッド駆動時の駆動動作の時間間隔よりも短
くしたことにより、ヘッドの発熱量を増加させ、高速な
ヘッドの昇温を行なうことができる。
【0021】請求項4に記載の発明において、ヘッド予
備駆動時にヘッド温度を検出し、ヘッド温度がt(℃)
のとき、ヘッド温度が、 T=a×t+b (℃) で示される設定温度T(℃)に達するまで予備駆動動作
を行なうことにより、インクの粘度を低下させて目詰ま
り回復の動作を行なうことができるから、インクの無駄
な消費を抑えた、効率のよい目詰まり回復動作を行なう
ことができる。
【0022】さらに、請求項5に記載の発明において、
設定温度T(℃)を、 T=0.5t+23 (℃) とし、この温度までヘッドを昇温させることにより、さ
らに効率のよい目詰まり回復動作を行なうことができ
る。
【0023】請求項6に記載の発明において、ヘッド温
度を設定温度T(℃)まで昇温させるための予備駆動動
作として、請求項1または2あるいは3に記載のヘッド
予備駆動方法を用いることにより、ヘッドの発熱量を増
加させ、高速なヘッドの昇温を行なうとともに、効率の
よい目詰まり回復を行なうことができる。
【0024】
【実施例】図1は、本発明の適用されるインクジェット
記録装置の一実施例を示すシステム構成図である。図
中、1はインクジェット記録装置、2はホストコンピュ
ータ、3はCPU、4はワークRAM、5はフォントR
OM、6はプログラムROM、7はEEPROM、8は
インタフェース、9は制御パネル、10はメモリ制御
部、11はイメージRAM、12はヘッド制御部、13
は記録ヘッド、14はモータ制御部、15はモータ、1
6はI/O制御部、17はセンサ、18は共通バスであ
る。
【0025】インクジェット記録装置1は、ホストコン
ピュータ2と接続され、両者の間でデータのやりとりを
行なう。CPU3は、ワークRAM4、フォントROM
5、プログラムROM6およびEEPROM7と接続さ
れており、プログラムROM6に格納されたプログラム
に従い、EEPROM7に格納されている設定値、例え
ば、高画質化のための補正データ等を参照しながら動作
する。また、共通バス18にも接続されており、共通バ
ス18を通じてインクジェット記録装置1内の各部を制
御する。ワークRAM4は、CPU3の作業用の記憶領
域として用いられ、種々のシステム内の情報等の記憶に
も使用される。フォントROM5には、印字すべき文字
のイメージ形式のデータが格納されている。プログラム
ROM6には、CPU3の動作を指示するプログラムが
格納されている。EEPROM7は、不揮発性のメモリ
であって、電源を遮断しても内容は保持されるので、高
画質化のための補正データや、システムの動作モードな
どの各種の設定値等が格納される。これらのデータは、
制御パネル9を用いて設定される場合もある。
【0026】インタフェース8は、共通バス18とホス
トコンピュータ2に接続され、ホストコンピュータ2と
のデータの送受を直接行なう。制御パネル9は、共通バ
ス18に接続され、ユーザからの各種の入力を受け付け
たり、ユーザに対して各種状態やメッセージを表示す
る。
【0027】メモリ制御部10は、イメージRAM1
1、共通バス18およびヘッド制御部12に接続され、
イメージRAM11を制御する。イメージRAM11に
は、記録すべきデータがイメージの形式で蓄積される。
このイメージRAM11内は、各記録ヘッドに対応する
領域に分けておくことができる。
【0028】ヘッド制御部12は、記録ヘッド13、共
通バス18およびメモリ制御部10に接続され、記録ヘ
ッド13の制御を行なう。記録ヘッド13の制御は、少
なくとも各記録ヘッドの各ノズルからのインクの吐出タ
イミングやインクの温度等の制御を含むものである。ま
た、後述するような、ノズルの選択情報に基づく使用ノ
ズルの制御など、CPU3の制御の一部を代わりに行な
うものであってもよい。記録ヘッド13は、N本のノズ
ルを有する複数のヘッドからなっている。例えば、カラ
ー印字の場合であれば、ブラックK、シアンC、マゼン
タM、イエローYの4個の記録ヘッドから構成される。
【0029】モータ制御部14は、モータ15および共
通バス18に接続され、モータ15の制御を行なう。モ
ータ15は、記録ヘッド13の載置されたキャリッジ
と、記録媒体、例えば、記録用紙との相対移動を行な
う。I/O制御部16は、各種のセンサ17および共通
バス18に接続され、各種のセンサ17の制御並びにセ
ンスデータの取得を行なう。センサ17には、例えば、
用紙端検出や、用紙幅検出、インク量検出などがある。
【0030】共通バス18は、CPU3、インタフェー
ス8、制御パネル9、メモリ制御部10、ヘッド制御部
12、モータ制御部14およびI/O制御部16を接続
し、各種のデータやコントロール信号を伝送する。
【0031】これら上述した構成は、機能的に分けてい
るが、イメージRAM11とワークRAM4を同じRA
Mとするなどの変形も可能である。
【0032】本発明の予備駆動動作を含むシステムの動
作の一例を図1および図3を用いて説明する。図3は、
本発明の適用されるインクジェット記録装置の一実施例
の概略の動作を示すフローチャートである。システムの
電源の投入とともに、CPU3は、プログラムROM6
に格納されているプログラムに従って、EEPROM7
に格納されている設定値などを参照しながら動作する。
その際、必要に応じてワークRAM4を用いる。EEP
ROM7に格納されている設定値等は、制御パネル9を
用いて設定される。
【0033】システムの電源が投入されると、まず、S
31において、ヘッドの予備駆動動作が行なわれる。後
述するように、この予備駆動は、インクを吐出すること
ができる程度にヘッドを駆動する吐出予備駆動と、イン
クが吐出されない程度にヘッドを駆動する加熱予備駆動
を用いて行なう。また、この予備駆動動作は、電源投入
時のヘッドの温度、すなわち環境温度に従って設定され
た設定温度T(℃)になるまで行なわれる。そのため、
CPU3は、I/O制御部16を介してセンサ17から
ヘッドの温度情報を得ておく。そして、予備駆動動作時
には、ヘッドの温度を監視し、ヘッドの温度がT(℃)
になるまで、予備駆動動作が行なわれる。S32におい
て、ヘッドの温度がT(℃)に達したことを検出して、
予備駆動動作を終了し、S33で、システムは待機状態
となる。待機状態の間も、システムは常時ヘッドの温度
がほぼ20℃以上となるように、S34において、ヘッ
ドの予備加熱を行なう。そして、記録すべきデータが送
られてくると、S35に移り、記録モードとなる。
【0034】ホストコンピュータ2から、記録すべきデ
ータ、例えば、画像情報や、文字コード等が送られてく
ると、インタフェース8でその情報を受信し、受信デー
タをCPU3へ転送する。CPU3では、印字フォーマ
ットに従い、受信データを記録できるイメージデータ、
例えば、ビットマップに変換する。例えば、受信したデ
ータが文字コードであれば、フォントROM5を用い
て、当該文字のイメージデータに変換する。変換された
イメージデータは、メモリ制御部10を介してイメージ
RAM11に格納される。それとともに、CPU3は、
I/O制御部16を介してセンサ17からの情報を得
て、記録可能か否かのチェックをしたり、モータ制御部
14に対してキャリッジの移動や記録用紙の搬送などを
指示して、記録位置合わせ等を行なう。
【0035】イメージデータが格納されると、プリンタ
本体と、各ヘッドにそれぞれ内蔵された温度検出素子に
より検出された温度をもとに、ヘッド駆動パルス幅と駆
動動作モードを決定し、各種の設定値をヘッド制御部1
2へ設定する。特に、印字直前で、ヘッド温度が低い場
合や、長期放置された場合には、インク吐出特性に悪影
響を及ぼすため、インク吐出特性が比較的安定している
最適温度域までヘッドを昇温させ、また目詰まりを回復
するように、予備駆動動作を行なう。次に、CPU3
は、モータ制御部14に対してキャリッジの移動を要求
し、走査を行なう。記録ヘッド13を搭載するキャリッ
ジには、印字タイミングを生成するエンコーダーが取り
付けられており、キャリッジの走査速度に応じた印字タ
イミングが、CPU3およびヘッド制御部12に入力さ
れる。CPU3は、このタイミングにより印字開始位置
を決定し、ヘッド制御部12に印字許可のゲート信号を
供給する。この印字許可のゲート信号と印字タイミング
信号により、ヘッド制御部12はヘッド駆動信号を記録
ヘッド13へ出力する。この動作を連続的に行ない、1
スキャンの印字が終了すると、メモリ制御部10から、
割り込みが発生し、CPU3に入力される。この割り込
み信号を受け、CPU3はモータ制御部14に対して、
印字記録幅分の記録媒体の搬送、キャリッジの再走査を
要求する。このようにして、記録媒体の搬送方向の印字
記録動作が終了するまで、1スキャンの印字を複数回行
なうことになる。このようにして、1枚の記録媒体への
印字動作が終了すると、CPU3はモータ制御部14に
対して、印字の終了した記録媒体の排出を要求し、さら
に印字記録すべきデータがあるならば、続いて新たな記
録媒体の搬送を要求し、印字記録動作を続行する。
【0036】このような記録モードにおいても、1スキ
ャンの印字の開始前ごとに、ヘッドの温度等を検出し、
温度の監視を行ない、温度低下や極端な温度上昇が発生
しないように、加熱パルスの挿入や、パルス幅の短縮な
どを行ない、ヘッドの温度が常に20℃から40℃程度
の温度範囲にあるように制御する。
【0037】印字動作が終了すると、CPU3は、モー
タ制御部14に対して記録媒体の排出を要求するととも
に、インクの乾きを防止するための、ノズル部を覆うキ
ャップ機構の位置するところまでキャリッジを移動さ
せ、さらにキャップ動作を行ない、S33に戻って、次
の印字動作まで待機する。待機中、必要な場合にはS3
4の予備加熱を行なって、次の記録すべきデータが送ら
れてくるのを待つことになる。
【0038】図2は、本発明のインクジェット記録装置
の一実施例におけるキャリッジ周辺の概略構成図であ
る。図中、21は記録ヘッドユニット、22はキャリッ
ジ、23は記録媒体、24はトランスポートローラ、2
5はキャップ機構部である。キャリッジ22には、1個
または複数個の記録ヘッドユニット21が搭載されてい
る。記録ヘッドユニット21は、それぞれが、または、
複数個が一体となってキャリッジ22に着脱可能に構成
されている。また、記録ヘッドユニット21には、複数
本のノズルが設けられている。印字を行なっていないと
きは、記録ヘッドユニット21は、キャップ機構部25
の位置に配置され、キャップ機構により、インクの乾き
を防止する。また、キャップ機構部25の位置では、記
録ヘッドの予備駆動動作によってインクが吐出されるの
で、吐出されるインクを受ける機構をキャップ機構部2
5に設けておくこともできる。印字時は、キャリッジ2
2を左右にスキャン動作させながら、ノズルからインク
を吐出させ、印字を行なう。この印字は、キャリッジ2
2に複数個の記録ヘッドユニット21が搭載されている
場合は、各記録ヘッドユニット21からインクを吐出さ
せ、インクのドットを重ね合わせて、画像を形成して行
くことになる。複数の記録ヘッドユニット21として、
例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4個
の記録ヘッドを用いることにより、カラー画像を形成す
ることができる。また、同色の記録ヘッドを用いて、階
調印字を行なったり、各記録ヘッドの印字領域をずらし
ておくことにより、広幅の印字を行なうこともできる。
【0039】キャリッジ22の1回のスキャン動作が終
了すると、トランスポートローラ24により、所定量だ
け記録媒体23が搬送される。この動作を繰り返し、1
枚の記録紙への印字を終了する。1枚の記録媒体23へ
の印字が終了すると、キャリッジ22は、再びキャップ
機構部25の位置に移動し、記録ヘッドユニット21を
キャップし、次の印字動作まで待機する。
【0040】この実施例では、記録媒体の上下方向の移
動は、記録媒体の側を移動したが、キャリッジ22を移
動させて構成することも可能である。また、この移動量
は、1回の印字幅や、所定の改行幅の分だけ行なった
り、また空白のみのスキャンの分も一括して送ることも
できる。さらに、例えば、記録媒体のフィード時や、あ
らかじめ決まったフォーマットに従って記録する際の記
録媒体の位置決め時などは、CPU3からの指示に従っ
た記録媒体の移送が可能であるし、ホストコンピュータ
2からの指示によって移動量を変えることも可能であ
る。
【0041】図4は、本発明のインクジェット記録装置
のヘッド駆動制御動作部の一実施例を示す構成図であ
る。図中、41は隣接ノズル群印字周期値記憶手段、4
2は隣接ノズル群印字周期設定カウンタ、43は印字タ
イミング制御部、44は印字駆動パルス発生部、45は
印字ドット数カウンタ制御部、46は印字駆動パルス幅
設定カウンタ、47は駆動パルス幅データ加工部、48
は記憶手段、49は印字データ加工処理部である。この
ヘッド駆動制御動作部は、図1のヘッド制御部12の一
部を構成するものである。ここでは、1個のヘッドの制
御について説明するが、複数個のヘッドを制御する場合
も、それぞれのヘッドに対して同様の制御が行なわれ
る。ヘッドに設けられている複数のノズルの駆動は、複
数のノズルを数個ずつのノズル群に分割し、それぞれの
ノズル群内の各ノズルは同時に駆動し、各ノズル群は順
次駆動する方式を採用している。以下の説明では、この
ノズル群を、分割同時駆動ノズル群と呼ぶことにする。
【0042】隣接ノズル群印字周期値記憶手段41は、
分割同時駆動ノズル群間を駆動する時間に対応する隣接
ノズル群印字周期値を保持する。この値は、CPU3等
からデータが送られ、信号WRにより設定される。隣接
ノズル群印字周期設定カウンタ42は、隣接ノズル群印
字周期値記憶手段41に保持されている隣接ノズル群印
字周期値に基づき、印字タイミング制御部43の指示に
従い、隣接ノズル群間の周期時間信号を生成し、印字タ
イミング制御部43および印字ドット数カウンタ制御部
45に入力する。印字ドット数カウンタ制御部45は、
隣接ノズル群印字周期設定カウンタ42からの周期時間
信号を受けて、ノズル群の数をカウントし、全ノズル数
に達すると、印字タイミング制御部43に対し、その旨
を通知する。また、印字ドット数カウンタ制御部45内
には、記憶手段が設けられており、ヘッドの予備駆動時
に駆動パルス幅データ加工部47において行なわれる、
各ノズル群に与える駆動パルス幅データの加工に関する
データが格納されている。このデータは、図1のCPU
3等から送られ、信号WRにより設定される。
【0043】印字タイミング制御部43は、さまざまな
タイミング信号を生成する。他の制御部からのクロック
信号およびゲート信号、隣接ノズル群印字周期設定カウ
ンタ42からの周期時間信号、印字ドット数カウンタ制
御部45からの印字ノズル群数の信号を受け、隣接ノズ
ル群印字周期設定カウンタ42および印字駆動パルス幅
設定カウンタ46に対して、カウント値の取り込み指示
とカウントクロックの供給を行ない、印字駆動パルス発
生部44に対して、駆動開始を指示し、さらに、印字デ
ータ加工処理部49に対して、印字データ転送クロック
を供給するとともに、同じ信号を印字ヘッドおよび図1
のメモリ制御部10に対して出力する。また、ヘッドの
予備駆動のため、CPU3等から直接、印字駆動動作を
要求するためのデータ線および信号WRが入力されてい
る。
【0044】印字駆動パルス発生部44は、印字タイミ
ング制御部43からの駆動開始の指示と、印字駆動パル
ス幅設定カウンタ46のカウント終了信号を受けて、印
字ヘッドに対する駆動パルスのオンオフ制御を行なう。
印字駆動パルス幅設定カウンタ46は、印字タイミング
制御部43からの指示に従って、駆動パルス幅データ加
工部47で加工された駆動パルス幅データを取り込み、
印字タイミング制御部43から供給されるカウントクロ
ックに基づき、駆動パルス幅データに達するまでカウン
トを行なって、終了信号を印字駆動パルス発生部44に
供給する。駆動パルス幅データ加工部47は、印字ドッ
ト数カウンタ制御部45からの情報により、記憶手段4
8に記憶されている駆動パルス幅データに対して加工を
加え、例えば記憶手段48に、インクを吐出する最適な
駆動パルス幅データが設定される場合には、印字ドット
数カウンタ制御部45からの指示により、インクを不吐
出とする駆動パルス幅データに加工する。記憶手段48
には、印字駆動パルス幅設定カウンタ46に設定される
駆動パルス幅データを記憶する。このデータは、図1の
CPU3等から送られ、信号WRにより記憶される。
【0045】外部より送られてくる画像データは、印字
タイミング制御部43から供給される画像データリード
クロックに従って、図1のイメージRAM11から読み
出され、印字データ加工処理部49を介して、印字タイ
ミング制御部43から供給される、画像データリードク
ロックと同じ印字データ転送クロックに従い、ヘッドに
対して印字データを転送する。印字データ加工処理部4
9では、予備駆動動作時の印字データの作成を行なう。
この印字データ加工処理部49により作成される印字デ
ータは、画像データに無関係に、任意のノズルへの印字
データを選択的に設定することができる。ノズル数およ
びノズル位置のデータは、図1のCPU3等から送ら
れ、信号WRにより取り込まれる。
【0046】印字時のヘッドの駆動制御動作について説
明する。印字時には、予備駆動によって、ヘッドの温度
は最適温度範囲内になるように制御されている。現在の
温度が、最適温度域であるため、印字データ加工処理部
49における印字データの作成の動作は禁止されてい
る。
【0047】印字すべきデータが、図1のイメージRA
M11に設定されると、温度検出手段によって現在のヘ
ッド温度が検出され、その温度に最適な印字駆動パルス
幅データSが、記憶手段48に設定される。
【0048】外部より印字ゲート信号と印字タイミング
信号(クロック信号)が供給されると、印字タイミング
制御部43は、隣接ノズル群印字周期値記憶手段41に
格納されている隣接ノズル群印字周期値Sp(秒)を隣
接ノズル群周期設定カウンタ42へ設定する信号を発す
る。この信号は、印字駆動パルス幅設定カウンタ46
へ、駆動パルス幅データを設定するのにも使用される。
【0049】印字タイミング制御部43から、隣接ノズ
ル群印字周期設定カウンタ42と印字駆動パルス幅設定
カウンタ46へカウントクロックが入力されると同時
に、印字駆動パルス発生部44より出力される印字駆動
パルスが”Hレベル”となり、ヘッドのヒータに電流が
流れ始める。次に、印字駆動パルス幅設定カウンタ46
が、設定された駆動パルス幅データの分だけのカウント
を終了後、印字駆動パルス発生部44に対し、終了信号
を与え、印字駆動パルスが”Lレベル”となり、ヘッド
のヒータへの通電が終了する。このような動作を行なう
ことにより、S秒の印字駆動パルスが生成される。この
S秒内にヒータが発熱し、ノズル内にバブルを形成し、
インクを吐出する。次に、隣接ノズル群印字周期設定カ
ウンタ42が、設定された隣接ノズル群印字周期値Sp
(秒)だけのカウントを終了後、分割同時駆動される1
つのノズル群の印字制御が終了したものとして、印字ド
ット数カウンタ制御部45へ1クロックだけ発し、現在
の印字ドット数を管理する。さらには、印字タイミング
制御部43にも終了信号を発する。
【0050】印字タイミング制御部43は、隣接ノズル
群印字周期設定カウンタ42からの終了信号に基づき、
次の印字起動をかけ、上述の動作を繰り返し、印字ドッ
ト数カウンタ制御部45の値が全ノズル数分のカウント
値を示したときに、印字タイミング制御部43に対して
印字起動を禁止させる。以上の一連の動作で、全ノズル
を駆動することになる。このような一連の動作で出力さ
れる印字駆動パルスは、S秒のパルス幅がSp秒間隔
に、駆動するノズル群の数分だけ出力され、インクの吐
出動作が行なわれ、画像を形成する。この一連の動作
は、記録媒体のスキャン印字幅分連続して行なわれ、さ
らに、ノズル幅分の記録媒体の搬送を行ない、上述の動
作がさらに繰り返し行なわれ、1枚の記録媒体への印字
動作が終了する。
【0051】図11は、ヘッド温度が最適温度域のとき
のヘッド駆動制御部出力タイミング図である。ゲート信
号が”Hレベル”となり、さらに印字トリガが与えられ
ると、印字タイミング制御部43は、画像データリード
クロックをメモリ制御部10に対し出力する。ここで、
メモリ制御部10は、画像データリードクロックに同期
して、画像データを出力する。この画像データは、印字
データ加工処理部49を介して、ヘッドに送られ、画像
データリードクロックと同じ印字データ転送クロックに
同期して、その立ち下がりエッジで、ヘッド内のレジス
タに取り込んで保持し、印字駆動パルス発生部44から
出力される駆動パルスに従い、印字すべきノズルのヒー
タに電流を流す。分割同時駆動ノズル数は、この実施例
では4とした。したがって、駆動パルスを印加するタイ
ミングは、4ビットの印字データがヘッド内のレジスタ
内に転送された後に行なわれる。全ノズル数が128本
の場合には、このような4ビットごとの制御が32回繰
り返されることになる。
【0052】例えば、第1のノズル群については、ステ
ートで印字データ加工処理部49を介して、印字デー
タがヘッドに転送され、ステートでインクの吐出によ
る実際の印字が行なわれることとなる。
【0053】ところで、前述したように、このような印
字動作を実行する前に、印字不良や、インク不吐出を防
止するため、ヘッドの予備駆動が行なわれる。以下、ヘ
ッドの予備駆動の動作について説明するが、動作を説明
する前に、駆動制御に用いる制御因子について述べる。
【0054】前述した通り、インクジェット記録装置
は、低温環境下または長期放置により、インクの物性、
特にその粘性が著しく高くなり、インクが吐出しにくい
状態になる。この粘性が高くなったインクによる、ノズ
ルの目詰まりを回復するため、いくつかの制御因子を選
択し、実験を行なった。
【0055】本実験は、実験計画法をもとに行なった。
実験計画法は、さまざまな制御因子の効果を能率的に求
めるための実験の割り付けと解析の手法である。ここで
は、ヘッド目詰まり回復制御のための制御因子として、
印字周波数、ヒータ印加電圧、ノズル駆動パルス幅、ヘ
ッド昇温の有無、そして、ヘッドばらつきを選んだ。こ
れらの制御因子の組合わせによる実験は、L8の直交表
により繰り返し実験を行ない、正常印字までに要するイ
ンク吐出回数を、それぞれの組合わせ実験ごとに調べ
た。この回数が少ないほど、効果のある制御因子が含ま
れている組み合わせであるといえる。なお、この実験で
は、各組合わせの駆動前に目詰まりを発生させるため、
ノズル部を完全開放し、放置した。この放置時間が長過
ぎると、温度、湿度、風量など、環境の変動により、繰
り返し実験間の誤差が大きくなり、制御因子のそれぞれ
の効果に誤差を含むようになってしまう。そこで、繰り
返し実験間で、再現性のある最大放置時間を調査し、そ
の最大放置時間Ft(時)を放置時間とした。
【0056】次に、この実験結果から全体の効果に対す
る、各制御因子の効果の程度を示す要因効果図を作成し
た。これらの結果に基づいて、数値解析を行なったとこ
ろ、前記5つの制御因子は、有意であることが確認さ
れ、目詰まり回復に何らかの形で作用していることがわ
かった。しかし、ヘッドばらつきについては、有意では
あるが、その寄与率は非常に小さいため、ヘッドごとに
目詰まり回復のためのインク吐出回数にばらつきは発生
するものの、その数は無視できる程度であった。
【0057】本実験では、ブラック,シアン,マゼン
タ,イエローの各インクで行なったが、これら全てのイ
ンクに共通して、特に有効に作用する制御因子は、目詰
まり回復制御前のヘッド昇温および駆動周波数の2つの
制御因子であることが確認できた。ノズル駆動パルス幅
の増加、または、ヒータ印加電圧の増加による効果もあ
る程度は期待できる。しかし、駆動パルス幅の増加は、
インク吐出性能の低下を招く。また、ヒータ印加電圧の
増加は、ヒータ印加電圧を可変とする手段を設ける必要
があり、電源装置のコストアップを招く。そのため、こ
れら2つの制御因子は、通常の印字記録条件に設定して
駆動した方が良い。
【0058】次に、目詰まり回復制御前のヘッド昇温お
よび駆動周波数の2つの制御因子の組合わせで、目詰ま
り回復に効果的に作用する特性値の調査を行なった。そ
の結果、ヘッド昇温値が、ある程度以上超えると、駆動
周波数にかかわらず、インクの予備吐出回数は0回とす
ることができるが、比較的昇温値が小さいときは、駆動
周波数の値により、予備吐出の必要回数が変化する。こ
の場合、ヘッド駆動周波数は、通常印字の駆動周波数よ
り、ある程度低い周波数の方が目詰まり回復までの予備
吐出回数を減らすことができることを確認できた。これ
らの実験結果から、インク予備吐出時の駆動周波数は通
常印字の駆動周波数F(kHz)より低い駆動周波数
F’(kHz)の方が良いといえる。
【0059】次に、インクを吐出しやすくするための必
要最小限のヘッドの昇温値を調べた。図5は、環境温度
と最適ヘッド昇温値の関係図、図6は、環境温度とヘッ
ド設定温度の関係図である。図5では、ヘッドを放置時
間Ft(時)だけ放置した場合に、ある環境温度におい
て、ヘッドを何度昇温させればよいかを実線で示してい
る。環境温度の高いところに放置される程、必要ヘッド
昇温値は小さくなる傾向を示す。このグラフから、ヘッ
ド昇温値△T(℃)は、 △T=−a’×t+b’ (℃) (式1) の一次近似式(点線で示す)で得られることがわかる。
【0060】このヘッド昇温値△Tにより、設定される
ヘッド温度T(℃)は、tを環境温度とすれば、 T=t+△T=a×t+b (℃) (式2) となる。ここで、環境温度tは、インクジェット記録装
置の許容環境温度範囲内の値である。この関係を図6に
示す。このように、環境温度とヘッド設定温度とは、一
次近似式にて表現できる。
【0061】上述のように、放置時間Ft(時)の間、
ノズル吐出口を完全に開放して放置した状態での実験で
は、式2に従ってヘッド昇温を行なうことにより、ノズ
ル吐出口付近のインク粘度を低くでき、インク吐出の最
初から、インクを正常に吐出させることが可能になる。
実際には、インク中の水分、揮発成分の蒸発のため、印
字最初のインク色濃度が高くなってしまうため、数十回
程度のインク吐出制御が必要である。式2に従ったヘッ
ド昇温制御を行なわず、通常の印字駆動条件でインク吐
出動作を行なった場合、環境温度により変動はあるが、
全ノズルの目詰まり回復に、数百回程度の予備吐出制御
が必要であり、式2に従ったヘッド昇温制御のインク消
費量を抑える効果が非常に大きいことが確認できた。
【0062】次に、ノズル部をキャップで覆い、外気と
遮断した状態での長期放置ヘッドの目詰まり回復の実験
を行なった。完全開放放置時間Ft(時)は、この実験
では、キャップ放置日数Ct1(日)に相当することが
確認された。つまり、実際の記録装置においては、この
キャップ放置日数Ct1(日)以内の非印字の放置まで
は、式2に従ったヘッド昇温により、最初からインクを
吐出することが可能である。しかし、キャップ放置日数
Ct1(日)を大きく超える放置日数Ct(日)だけ放
置された場合には、式2に従ったヘッド昇温のみでは不
十分であった。しかし、数百回程度のインク吐出のみ
で、目詰まりを回復することができた。この放置日数C
t(日)の場合に、式2に従ったヘッド昇温を採用せ
ず、インク吐出のみにより目詰まりの回復を行なった場
合には、数千回の予備吐出が必要であり、式2に従った
ヘッド昇温の有意性がキャップ放置の場合においても確
認できた。
【0063】これらの実験結果から、インク吐出回数を
低減させた、目詰まり回復の駆動手順は以下の通りであ
る。ステップ1として、ヘッドの昇温をおこなう。すな
わち、インクの吐出しないパルス幅t’(秒)で印字周
波数と同じ駆動周波数F(kHz)でヘッドを駆動し、
ヘッド設定温度を式2に従い、 T=a×t+b (℃) で求め、この温度までヘッドを昇温し、ノズル吐出口付
近のインク粘度を低下させる。ステップ2として、イン
ク吐出制御を行なう。すなわち、放置日数に対応する必
要インク吐出回数に従い、駆動周波数F’(kHz)で
駆動し、全ノズルからインクを吐出させながらのヘッド
予備駆動を繰り返す。このインク吐出回数は、インク吐
出することのみで目詰まり回復させる場合の回数に比較
して、非常に小さくなる。
【0064】しかし、上述のステップ1において、記録
装置が低温環境下にあった場合、駆動パルス幅t’
(秒)でそのままヘッドを駆動すると、ヘッドの昇温に
非常に時間がかかるという欠点がある。これは、ステッ
プ1で使用する駆動パルス幅は小さいので、発熱量が少
なく、ヘッド温度が上昇しにくいためである。短時間に
ヘッド温度を上昇させるためには、駆動周波数を高く
し、消費電流のデューティ比を高くすることにより可能
であるが、電源の電流供給能力を高める必要があり、コ
ストアップを招いてしまう。そこで、本発明は、実験に
より確認されたこれらの有効な制御因子を使用し、低温
環境下での急速なヘッド昇温を行ない、目詰まり回復制
御で使用されるインクの消費量を低減させる予備駆動制
御を行なった。
【0065】以下、予備駆動の動作について説明する。
まず、図1のCPU3は、予備駆動モードを設定する。
図7は、本発明のインクジェット記録装置における目詰
まり回復のヘッド予備駆動条件設定処理の一例を示すフ
ローチャートである。S51において、現在のヘッドの
温度を検出し、上述の式1により、必要昇温値△T
(℃)を算出する。次に、S52において、放置時間が
チェックされ、この放置時間で、目詰まり回復に必要な
1本のノズル当たりのインク吐出回数nを図1のプログ
ラムROM6から求める。なお、このインク吐出回数
は、上述のインク消費量を低減させる駆動手順(ステッ
プ1,2)を行なう場合の回数であるが、以下に説明す
る方法では、昇温させながらインクの吐出を行なう方法
なので、多少多めの値が設定されている。また、放置時
間のチェックは、図示しないタイマや、カレンダー機能
など、周知の計時機能により実現することができる。こ
の場合、最終使用日時等を図1のEEPROM7等に記
憶しておくとよい。
【0066】次に、S53において、昇温値△T(℃)
だけヘッドの温度を上昇させる過程で、全ノズルがそれ
ぞれn回の吐出を行なうことから、1℃だけヘッドの温
度を上昇する間の1ノズル当たりの吐出回数(n/△
T)を算出する。S54において、S53で求めた吐出
回数をもとに、インクを吐出させるノズル、不吐出とす
るノズルの駆動構成を、プログラムROM6内のデータ
テーブルから検索する。この検索結果により、予備駆動
モードが決定され、予備駆動モードに従った予備駆動
が、S52で得られた予備駆動回数だけ行なわれること
になる。
【0067】ここで、S54で検索したノズルの駆動構
成について説明する。図8は、各予備駆動モードにおけ
るノズルの駆動構成図である。図8では、例として12
8本のノズルを仮定し、上から1番目,2番目,・・
・,128番目としている。また、4本のノズルを1つ
のノズル群とし、上から第1のノズル群、第2のノズル
群、・・・,第32のノズル群としている。各ノズルの
記号は、●はインクを吐出するノズルを、○は駆動され
ないノズルを、○に×印はインクが吐出されない程度に
駆動され、加熱を行なうノズルをそれぞれ示している。
【0068】構成番号(1)では、1本のノズルからイ
ンクを吐出させ、124本のノズルをインクが吐出され
ない程度に駆動する。上述のように、印字ヘッドはノズ
ル群ごとに駆動制御される。図12、図13は、構成番
号(1)のときの予備駆動時のヘッド駆動制御部出力タ
イミング図である。図12は、1番目のノズルにインク
を吐出させるように制御したときのタイミング図であ
る。図12では、のタイミングで、1番目のノズルだ
け駆動されるような印字データが、図4の印字データ加
工処理部49から、転送クロックによりヘッドに転送さ
れ、のタイミングで、駆動パルス幅S(秒)の駆動パ
ルスにより、第1ノズル群が駆動される。ヘッドでは、
駆動されたノズル群内のノズルのうち、印字データのあ
るノズルにのみ、駆動パルス幅の時間だけ電流が流れ、
ヒーターが加熱される。第1ノズル群では、1番目のノ
ズルにのみ、S秒間だけ電流が流れ、ヒーターが加熱さ
れる。このため、1番目のノズルのみインクが吐出さ
れ、残りの3本のノズルは駆動されないので、ヘッドに
おいて消費されるエネルギーは、ノズル1本を吐出させ
るだけのエネルギーである。
【0069】第2ノズル群では、のタイミングで4本
のノズルが駆動されるような印字データをヘッドに転送
し、のタイミングで、インクを吐出しない駆動パルス
幅S’(秒)の駆動パルスにより、駆動される。すなわ
ち、4本のノズルに、S’秒間だけ電流が流れ、ヒータ
ーが加熱される。しかし、S’秒間の加熱では、ヒータ
ー上に気泡が発生せず、インクは吐出しない。このとき
は、4本のノズルとも印字データが存在し、駆動パルス
幅S’(秒)で駆動されるので、ノズル4本分のインク
が吐出されない程度のエネルギーが消費されることにな
る。以下、第32ノズル群まで同様に駆動される。この
ようにして、1回の全ノズル群の駆動によって、ノズル
1本分のインクを吐出するエネルギーと、ノズル124
本分のインクを吐出されない程度のエネルギーが消費さ
れることになる。
【0070】このような全ノズル群の駆動が、インクを
吐出するノズルを替えながら、繰り返し行なわれる。例
えば、2回目の全ノズル群の駆動では、2番目のノズル
を吐出させるように駆動し、さらに3回目の全ノズル群
の駆動では、3番目のノズルを吐出させるように駆動し
てゆき、128回目の全ノズル群の駆動では、128番
目のノズルを吐出させるように駆動する。図13は、1
28番目のノズルにインクを吐出させるように制御した
ときのタイミング図である。第1ノズル群は、のタイ
ミングで4本のノズルが駆動されるような印字データを
ヘッドに転送し、のタイミングでインクを吐出しない
駆動パルス幅S’(秒)の駆動パルスにより駆動され
る。これにより、ノズル4本分のインクを吐出しない程
度のエネルギーが消費されることになる。以下同様に第
31ノズル群まで、インクを吐出しない駆動が行なわれ
る。第32ノズル群は、のタイミングで第32ノズル
群内の4本目のノズル、すなわち128番目のノズルの
みが駆動されるような印字データがヘッドに送られ、
のタイミングでインクを吐出する駆動パルス幅S(秒)
の駆動パルスにより駆動され、128番目のノズルから
インクが吐出される。第32ノズル群内の他のノズルは
印字データがないので、駆動されない。このときには、
128番目のノズル1本分のインクを吐出するエネルギ
ーが消費される。すなわち、この128回目の全ノズル
群の駆動により、ノズル1本分のインクを吐出するエネ
ルギーと、124本分のインクを吐出しない程度のエネ
ルギーが消費されることになる。このようにして、12
8回の全ノズル群の駆動によって、各ノズルが1回ずつ
吐出動作を行なうことになる。この動作をヘッドが設定
温度T(℃)になるまで繰り返す。1本のノズルが吐出
駆動される周波数は、予備駆動時の全ノズル群の駆動周
波数の1/128となる。
【0071】上述の説明では、1番目のノズルから順に
128番目のノズルまで、吐出駆動するノズルを替えな
がら全ノズル群の駆動を繰り返し行なったが、どのノズ
ルを吐出駆動させ、どのノズルを不吐出駆動加熱させる
かは任意である。例えば、1回目の全ノズル群の駆動時
には1番目のノズルを吐出駆動させ、2回目の全ノズル
群の駆動時には、5番目のノズルを吐出駆動させ、32
回目には125番目のノズル、33回目には2番目のノ
ズルという順序で全ノズル群の駆動を繰り返し行なうこ
とができる。さらに、1番目のノズル側と、128番目
のノズル側から交互に駆動したり、1番目のノズルと、
65番目のノズルから交互に順に駆動することもでき
る。飛び飛びに駆動を行なった方が、ヘッドの昇温が均
一に行なえるので、良好な予備駆動を行なうことができ
る。また、インク吐出ノズルと不吐出加熱ノズルの選択
は、ソフトウェアにより実行させてもよいし、この選択
機能をハードウェア化し、ソフトウェアの負荷を軽減す
ることももちろん可能である。
【0072】構成番号(2)では、4本のノズルからイ
ンクを吐出させ、124本のノズルをインクが吐出され
ない程度に駆動する。この場合、インクを吐出させる4
本のノズルは、1つのノズル群のノズルである。そのた
め、ヘッドに与える印字データはすべてのノズルが駆動
されるようなデータとなる。この構成では、駆動されな
いノズルはない。駆動パルスは、構成番号(1)で説明
した図12の駆動パルスと同様のものを印加する。例え
ば、図8の構成番号(2)のように、1回目の全ノズル
群の駆動で、1番目乃至4番目のノズルを吐出駆動した
とする。この場合、1回の全ノズル群の駆動によって消
費されるエネルギーは、ノズル4本分のインクを吐出す
るエネルギーと、他の124本分のインクを吐出しない
程度のエネルギーである。
【0073】2回目の全ノズル群の駆動では、別のノズ
ル群の4本のノズルを吐出駆動させる。そのためには、
インクを吐出させたいノズル群の駆動パルスを、インク
を吐出させる駆動パルス幅に替えて駆動すればよい。例
えば、2回目の全ノズル群の駆動で5番目乃至8番目の
ノズルを吐出駆動させる場合には、第2ノズル群の駆動
パルスを、インクを吐出させる駆動パルス幅とすればよ
い。どのノズル群をどの順で駆動してゆくかは任意であ
り、例えば、65番目乃至68番目のノズル、すなわち
第17ノズル群を吐出駆動させたり、125番目乃至1
28番目のノズル、すなわち第32ノズル群を吐出駆動
させることもできる。ノズル群の数、すなわち32回の
全ノズル群の駆動により、全てのノズルが1回ずつ吐出
駆動されるように制御される。この動作をヘッドが設定
温度T(℃)になるまで繰り返す。1本のノズルが吐出
駆動される周波数は、予備駆動時の全ノズル群の駆動周
波数の1/32となる。この構成では、構成番号(1)
と比べ、インクを吐出するノズルが多いので、発熱量も
多くなる。
【0074】構成番号(3)では、1本のノズルからイ
ンクを吐出させるように駆動するノズル群と、インクを
吐出させないように駆動するノズル群を交互に設定して
駆動する。すなわち、1本のノズルに対して吐出駆動す
るノズル群が16であるから、16本のノズルからイン
クを吐出させ、他の16のノズル群はノズルからインク
を吐出させない程度に駆動するので、ノズル64本が加
熱駆動される。まず1回目の全ノズル群の駆動では、奇
数番のノズル群に対して、1本のノズルが吐出駆動され
るように、印字データをセットする。駆動されるノズル
は、例えばそのノズル群内で最も小さい番号のノズル、
すなわち、1番目,9番目,・・・,121番目のノズ
ルとする。また、偶数番目のノズル群に対しては、4本
のノズル全てが駆動される印字データをセットする。そ
して、第1ノズル群から順に駆動してゆく。第1ノズル
群では、1番目のノズルのみインクを吐出するように駆
動され、2、3、4番目のノズルは駆動されない。その
ため、ノズル1本分のインクを吐出するエネルギーが消
費される。第2ノズル群は、4本のノズルがインクを吐
出しないように駆動される。そのため、ノズル4本分の
インクを吐出しない程度のエネルギーが消費されること
になる。第3ノズル群では、第1ノズル群と同様に、9
番目のノズルのみ、インクを吐出するように駆動され、
他の3本のノズルは駆動されない。そのため、ノズル1
本分のインクを吐出するのエネルギーが消費される。こ
のようにして、順に駆動され、第31ノズル群では、1
21番目のノズル1本がインクと吐出するように駆動さ
れ、ノズル1本分のインクを吐出するエネルギーを消費
し、第32ノズル群では、4本のノズルがインクを吐出
しないように駆動されて、ノズル4本分のインクを吐出
しない程度のエネルギーが消費される。このように、1
回目の全ノズル群の駆動では、奇数番のノズル群では、
ノズル1本分のインクを吐出するエネルギーが消費さ
れ、偶数番目のノズル群では、ノズル4本分のインクを
吐出しない程度のエネルギーが消費されることになり、
1回の全ノズル群の駆動で消費されるエネルギーは、ノ
ズル16本分のインクを吐出するエネルギーと、ノズル
64本分のインクを吐出しない程度のエネルギーであ
る。
【0075】2回目の全ノズル群の駆動では、奇数番の
ノズル群において、インクを吐出しない程度に駆動さ
れ、偶数番のノズル群において、1本のノズルからイン
クを吐出するように駆動される。すなわち、5番目,1
3番目,・・・,125番目のノズルが吐出駆動される
ことになる。この2回目の動作は、1回目の時と比べ、
奇数番のノズル群と偶数番のノズル群の動作が入れ替わ
っただけであるので、説明を省略する。さらに、3回目
の全ノズル群の駆動では、奇数番のノズル群において、
1本のノズルからインクを吐出させるように駆動し、偶
数番のノズル群では、インクを吐出しないように駆動す
る。インクを吐出させるノズルは、1回目の全ノズル群
の駆動の時とは違うノズルを吐出駆動する。例えば、2
番目,10番目,・・・,122番目のノズルを吐出さ
せるように駆動することができる。このように、奇数番
のノズル群と、偶数番のノズル群とを交互に吐出駆動、
加熱駆動し、さらに、吐出させるノズルを替えながら、
繰り返し全ノズル群の駆動を行なうことになる。全ての
ノズルが駆動されるまでに繰り返される全ノズル群の駆
動回数は、8回である。この動作をヘッドが設定温度T
(℃)になるまで繰り返す。1本のノズルが吐出駆動さ
れる周波数は、予備駆動時の全ノズル群の駆動周波数の
1/8となる。
【0076】この構成では、構成番号(2)に比べ、イ
ンクを吐出させるノズルが増えているが、インクを吐出
しない程度に駆動されるノズルが減っているので、発熱
量が多くなる。しかし、図8の構成番号(3)に示した
ように、1つおきのノズル群にインクを吐出するノズル
を配置することにより、ヘッド全体の均一な昇温を図る
ことができる。
【0077】構成番号(4)では、インクを吐出するよ
うに駆動するノズル群と、インクを吐出しないように駆
動するノズル群とを交互に設定して駆動する。構成番号
(3)と違い、インクを吐出するように駆動するノズル
群では、4本全てがインクを吐出するように駆動され
る。まず、1回目の全ノズル駆動においては、例えば、
奇数番のノズル群が吐出駆動され、偶数番のノズル群が
加熱駆動される。すなわち、64本のノズルからインク
を吐出させ、残り64本のノズルをインクが吐出されな
い程度に駆動する。このとき、奇数番の16個のノズル
群では、ノズル4本分のインクを吐出するエネルギーが
消費され、偶数番の16個のノズル群では、ノズル4本
分のインクを吐出しない程度のエネルギーが消費され
る。すなわち、1回の全ノズル群の駆動により、ノズル
64本分のインクを吐出するエネルギーと、ノズル64
本分のインクを吐出しない程度のエネルギーが消費され
ることになる。2回目の全ノズル群の駆動では、奇数番
のノズル群では、インクを吐出しない程度に駆動し、偶
数番目のノズル群では、インクを吐出するように駆動す
る。この2回の全ノズル群の駆動により、全てのノズル
が1回ずつ駆動されることになる。この動作をヘッドが
設定温度T(℃)になるまで繰り返す。1本のノズルが
吐出駆動される周波数は、予備駆動時の全ノズル群の駆
動周波数の1/2となる。この構成では、構成番号
(1)乃至(3)に比べて、インクを吐出するノズル数
が多く、急速なヘッドの昇温を行なうことができる。
【0078】構成番号(5)は、全ノズルからインクを
吐出させる構成である。この場合、1回の全ノズル群の
駆動により、全てのノズルからインクを吐出させること
になる。1回の全ノズル群の駆動により消費されるエネ
ルギーは、ノズル128本分のインクを吐出するエネル
ギーである。この構成では、発熱量も多く、急速なヘッ
ドの昇温を行なうことができるが、インクの吐出量が多
く、また、消費電力も大きくなるので、数回程度のイン
クの吐出により目詰まり回復が図れる場合や、他の構成
と組み合わせて用いることができる。この構成を用いず
にヘッドの予備駆動を行なえば、予備駆動時の最大消費
電流を抑えることもでき、特に複数個のヘッドを同時に
駆動する場合には、有利な駆動方法となる。
【0079】構成番号(6)は、全ノズルをインクが吐
出されない程度に駆動する構成である。この場合、イン
クが吐出されるノズルはない。1回の善のする群の駆動
により消費されるエネルギーは、ノズル128本分のイ
ンクを吐出しない程度のエネルギーである。この場合に
は、ノズルからインクが吐出されないので、目詰まり回
復はヘッドの昇温でのみ行なうことになる。また、この
構成では、すべてのノズルがインクを吐出しないよう
に、低い発熱量で駆動されるので、構成番号(1)より
も、さらにヘッドの昇温の効果が小さい。
【0080】図9は、各予備駆動モードにおける温度上
昇傾向図である。図9では、全ノズルの駆動回数Nと、
ヘッド昇温値△T(℃)の関係を示している。図9にお
ける各直線(1)乃至(6)は、図8における構成番号
(1)乃至(6)に対応している。図9から分かるよう
に、全ノズルの駆動を同じ回数だけ行なった場合のヘッ
ドの昇温は、構成番号(6)でヘッドを駆動した時が最
も低く、以下順に構成番号(1),構成番号(2),・
・・と続き、構成番号(5)が最も高くなる。この昇温
傾向と、構成番号をテーブルなどにより、例えば、図1
のプログラムROM6内に記憶させておく。図7のS5
4では、S53で求められた、1℃だけヘッドの温度を
上昇する間の1ノズル当たりの吐出回数(n/△T)と
同じ、または近い構成を持つ構成番号を、プログラムR
OM6内のテーブルから検索すればよい。
【0081】例えば、環境温度が低く、長期にわたり放
置された場合、構成番号(4)に示すようなノズル駆動
構成が選択され、速やかな温度上昇ができるため、ヘッ
ド予備駆動時間を短縮できる。逆に、環境温度が動作温
度に比較的近く、放置時間が長くない場合などは、構成
番号(1)に示すようなノズル駆動構成が選択され、緩
やかな温度上昇を行なうとともに、無駄に使用されるイ
ンク量を抑えることができるので、効率良くインクを使
用することができる。このように、種々のプリンタシス
テムの要求する予備駆動制御に柔軟に対応することがで
きる。
【0082】図10は、本発明のインクジェット記録装
置におけるヘッド予備駆動動作の一例を示すフローチャ
ートである。図7に示した処理により、予備駆動モード
と予備駆動回数が決定されると、S61において、図4
の印字タイミング制御部43に対して予備駆動開始コマ
ンドが送出され、ヘッド制御部における予備駆動が開始
される。予備駆動が行なわれている間、CPUはS62
において、待機状態となる。待機状態の回復は、所定時
間終了後に回復する方法、ヘッド制御部からの終了信号
を常時監視している方法や、ヘッド制御部からCPUに
対して割り込みをかける方法など、公知の方法を用いる
ことができる。待機状態回復後、S63において、ヘッ
ド制御部の動作が正常に終了したかを判断し、正常に動
作が終了していれば、S64において、予備駆動モード
に従って、インクの吐出、不吐出を行なうノズルの変更
や、印字データの変更などを必要に応じて行なう。そし
て、S65において、予備駆動を行なうべき回数だけ行
なったか否か、および、ヘッドの温度が設定温度に達し
たか否かが判断され、繰り返し予備駆動を行なう場合
は、S61に戻り、予備駆動が行なわれる。この予備駆
動は、通常の駆動周波数F(kHz)よりも高い周波数
F”(kHz)により駆動されるが、1本のノズルにつ
いて、インクが吐出されるように駆動する駆動周波数
F’(kHz)は、通常の駆動周波数F(kHz)より
も低い周波数である。この予備駆動周波数については後
述する。設定された回数の予備駆動動作が終了したり、
ヘッド温度が所定温度に達した場合は、予備駆動動作を
終了し、通常の印字動作に移行する。予備駆動を行な
い、所定の昇温値△T℃だけヘッドの昇温を行なった後
は、どのノズルについても、目詰まり回復するのに必要
な1本のノズル当たりのインク吐出回数であるn回の吐
出を行なわれており、前述したステップ2の手順が必要
なくなるとともに、予備駆動時間の短縮ができ、さら
に、インクの無駄な消費を大幅に抑えることができる。
【0083】S63において、予備駆動を行なったヘッ
ド制御部が正常終了しなかった場合には、S66におい
て、システム動作のチェックを行ない、S67におい
て、チェックの結果を判断して、異常が検出された場合
には、S68において、使用者へ異常を報知し、電源を
遮断する。システム動作のチェックの結果、異常が検出
されない場合は、S69において、ヘッド制御部などの
リセット動作を行い、図7へ戻って予備駆動の条件設定
からやり直す。以上のCPUの動作により、ヘッド温
度、予備駆動回数を管理しながら、ヘッドの予備駆動を
制御、実行して行くことができる。
【0084】上述の予備駆動における駆動周波数につい
て述べる。図14、図15は、駆動周波数の説明図であ
る。図中、●はインクを吐出するように駆動されるノズ
ルまたはノズル群を示し、○に×印はインクを吐出しな
い程度に駆動されるノズルまたはノズル群を示してい
る。図14は構成番号(5)、すなわち、全ノズルから
インクを吐出させるように駆動したときの各ノズル群の
駆動のタイミングチャートを示している。通常の印字状
態では、この図14のような駆動周波数F(kHz)で
駆動される。全ノズルからインクを吐出させる場合、ノ
ズルへのインクの供給量が多く、このインクのリフィル
のために第1ないし第32ノズル群を駆動する時間より
も長い時間間隔でヘッドを駆動する必要がある。また、
通常の印字時には、このような全ノズルからインクを吐
出させる場合が連続して発生することも予想されるの
で、駆動周波数F(kHz)に抑えてヘッドを駆動する
必要がある。この場合、1本のノズルが吐出駆動される
周波数F’(kHz)は、通常の駆動周波数F(kH
z)と同じである。
【0085】しかし、全てのノズルを吐出駆動しない、
構成番号(1)乃至(4)や、(6)の場合には、ヘッ
ドへのインク供給量は構成番号(5)の場合の半分以下
であり、インクのリフィルに時間を取る必要はない。そ
のため、構成番号(5)以外の構成により予備駆動を行
なう場合には、予備駆動周波数F”(kHz)を通常の
駆動周波数F(kHz)よりも高く設定することができ
る。図15は、構成番号(4)を用いて予備駆動した場
合の各ノズル群の駆動のタイミングチャートである。図
15のように、予備駆動周波数F”(kHz)を通常印
字時の駆動周波数F(kHz)よりも高くして駆動する
ことができる。図15では、予備駆動周波数F”(kH
z)を駆動周波数F(kHz)の2倍程度としている。
上述したように、構成番号(4)における1本のノズル
が吐出駆動される周波数F’(kHz)は、予備駆動時
の全ノズル群の駆動周波数の1/2であるから、1本の
ノズルが吐出駆動される周波数F’(kHz)は、ほぼ
F(kHz)となる。このとき、1周期内で全てのノズ
ルからインクが吐出されるので、周波数F(kHz)の
1周期内に吐出されるインクの量は、ノズル128本
分、すなわち、全ノズルを駆動したときと同様となる。
しかし、吐出しない程度に駆動されたノズルも128本
分あり、消費されるエネルギーは、図14のように、駆
動周波数F(kHz)により全ノズルからインクを吐出
させるように駆動したときに比べて多くなり、ヘッドの
昇温をより効果的に行なうことができる。
【0086】さらに、構成番号(1)乃至(3)では、
1本のノズルが吐出駆動される周波数F’(kHz)
は、通常の駆動周波数F(kHz)よりも低くなり、単
位時間あたりのインクの吐出量を抑えることができる。
しかし、1回の全ノズル駆動による発熱量が少ないの
で、なるべく予備駆動周波数F”(kHz)は高くする
ように構成した方がよい。これらの構成では、F’<F
<F”の関係になるように構成することが望ましい。
【0087】ヘッドの予備駆動の具体的な動作例につい
て述べる。ここでは、全ノズル数を128本とし、4本
のノズルごとにノズル群として、分割同時駆動を行なう
場合を例にして、インクの無駄な消費を最も抑えるヘッ
ド予備駆動方法を説明する。記録装置が放置日数Ct
(日)の間、長期にわたり放置され、環境温度Tc
(℃)の低温環境下で印字動作を行なおうとしたとき、
まず、図7に示すフローチャートに従い、予備駆動モー
ドおよび駆動回数等の予備駆動の条件を設定する。
【0088】まず、S51でヘッドの昇温値△T(℃)
を算出する。低温環境下のため、ここでは、 △T=−a’×Tc+b’=20 (℃) とする。次に、S52で放置日数Ct(日)の間、放置
した場合に、目詰まり回復に必要な1本のノズル当たり
の吐出回数n回がプログラムROM6から読み出され
る。ここでは、仮に600回とする。次に、S53にお
いて、ヘッドの温度を20℃だけ昇温させたとき、その
ヘッド予備駆動完了時点までで、ノズル吐出回数が60
0回吐出されるためには、 (n/△T)=600/20=30 (回/℃) より、1℃上昇させる過程において、1ノズル当たり3
0回の吐出を行なう必要があることがわかる。
【0089】一方、プログラムROM6内には、全ノズ
ル数である128本のノズルを駆動する過程で、インク
吐出ノズル数Xと、インク不吐出とし駆動するノズル数
Y、それぞれの構成での1℃上昇させるのに必要な全ノ
ズル駆動回数Zは、(X,Y,Z)というデータの組と
してテーブルが作成され、記憶されている。例えば、
(1,124,3800)は、1回の予備駆動におい
て、インクを吐出駆動するのは、1本のノズルであり、
インクを不吐出とし、加熱駆動するのは124本のノズ
ルで、この構成で1℃上昇させるのに3800回の予備
駆動回数が必要であることを示すものである。この構成
は、図8で構成番号(1)で示している。この構成で
は、全ノズルが1回ずつインク吐出を行なうためには、
1回ごとに吐出ノズルを変えて128回行なう必要があ
るので、全体として3800回の予備駆動を行なう場
合、それぞれのノズルは、 3800÷128=約30回 の吐出を行なうことになる。S54では、このように、 (Z×X)÷128 を算出し、S53で求めた、1本のノズルあたり30回
の予備駆動回数値に近いデータをテーブルから検索す
る。ここでは、(X,Y,Z)のデータの組をテーブル
として作成したが、(X,Y,(Z×X)÷128)の
データを組としてテーブルを作成し、算出の手間を省く
ように構成しても良い。このようにして、放置日数Ct
(日)だけ放置され、環境温度Tc(℃)での、ヘッド
予備駆動モードおよび予備駆動回数が決定された。
【0090】次に、ヘッドの予備駆動動作に移る。上述
のように、予備駆動を行なう駆動モードは、図8の構成
番号(1)のような構成が選択されたものとして説明す
る。CPU3は、上述のようにして決定された駆動パラ
メータに従い、図4に示すようなヘッド駆動制御部をコ
ントロールし、予備駆動を行なう。
【0091】まず、第1ノズル群については、記憶手段
48に格納されている、インクを吐出する駆動パルス幅
S(秒)が印字駆動パルス発生部44からヘッドに印加
され、第2ノズル群から第32ノズル群までは、駆動パ
ルス幅データ加工部47により生成される、インクを吐
出しない程度の駆動パルス幅S’(秒)がヘッドに印加
されるように、印字ドット数カウンタ制御部45内の記
憶手段に設定する。また、印字データ加工処理部49に
は、第1ノズル群の1ノズル目と、第2ノズル群から第
32ノズル群のすべてのノズルが駆動されるように、印
字データの設定を行なう。この状態で、CPU3は、デ
ータバスを介し、印字タイミング制御部43に予備駆動
開始のコマンドを発行する。この動作をノズル群の数だ
け繰り返し行ない、1回目の全ノズル群の駆動が行なわ
れる。
【0092】2回目の全ノズル群の駆動では、128番
目のノズルからインクを吐出させるように制御する。第
1ノズル群から第31ノズル群には、インクを吐出しな
い程度のS’(秒)の駆動パルス幅が印加され、第32
ノズル群に、インクを吐出する駆動パルス幅S(秒)が
印加されるように、印字ドット数カウンタ制御部45内
の記憶手段に設定する。また、印字データ加工処理部4
9では、第1乃至第31ノズル群と、第32ノズル群の
4ノズル目が駆動されるように、印字データを設定す
る。この後、1回目と同様に予備駆動が起動される。以
下、3回目の全ノズル群の駆動時には、2番目のノズル
が吐出駆動され、4回目の全ノズル群の駆動時には、1
27番目のノズルが吐出駆動されるように制御され、こ
のようにヘッドの両端から順次インクを吐出させるノズ
ルを替えて全ノズル群の駆動を行なう。このようにして
行なわれる全ノズル群の駆動は、 3800(回/℃)×20(℃)=76000回 の予備駆動が行なわれる。
【0093】全ノズル群の駆動は、通常の駆動周波数F
(kHz)よりも高い周波数の予備駆動周波数F”(k
Hz)により行なわれる。1本のノズルが吐出駆動され
る周波数F’(kHz)は、上述の構成番号(1)の説
明のように、予備駆動周波数の1/128であるから、
F”(kHz)を通常の駆動周波数F(kHz)の2倍
程度とした場合、1本のノズルが吐出駆動される周波数
F’(kHz)は、通常の駆動周波数の1/64であ
り、F’<F<F”の関係がある。
【0094】ヘッドの温度は、予備駆動動作中、何回か
検出され、上述の式2に示す設定温度になっているかが
チェックされる。この設定温度に到達していない場合
は、設定回数の予備駆動動作を行なった後も、予備駆動
動作を引き続き行ない、インク吐出ノズルを変えなが
ら、予備駆動制御が行なわれる。
【0095】上述の説明では、インクジェット記録装置
について述べたが、本発明は、インクジェットヘッドを
使用するファクシミリ、複写機などの印字装置に適用す
ることも可能である。
【0096】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インクを不吐出としてヘッドを駆動し、ヘッ
ドを昇温する予備駆動方法と、インクを吐出するように
駆動してノズルの目詰まりを回復する予備駆動方法と
を、同一の予備駆動制御により同時に実行できるため、
速やかにヘッド予備駆動を行なうことができる。
【0097】また、ノズルの目詰まり回復に効率良く作
用するヘッド昇温条件、駆動周波数を適用することによ
り、従来の予備駆動方法よりもインクの吐出回数を抑え
ることが可能になったため、インクの無駄な消費を抑
え、インクを有効に使用することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の適用されるインクジェット記録装置
の一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置の一実施例
におけるキャリッジ周辺の概略構成図である。
【図3】 本発明の適用されるインクジェット記録装置
の一実施例の概略の動作を示すフローチャートである。
【図4】 本発明のインクジェット記録装置のヘッド駆
動制御動作部の一実施例を示す構成図である。
【図5】 環境温度と最適ヘッド昇温値の関係図であ
る。
【図6】 環境温度とヘッド設定温度の関係図である。
【図7】 本発明のインクジェット記録装置における目
詰まり回復のヘッド予備駆動条件設定処理の一例を示す
フローチャートである。
【図8】 各予備駆動モードにおけるノズルの駆動構成
図である。
【図9】 各予備駆動モードにおける温度上昇傾向図で
ある。
【図10】 本発明のインクジェット記録装置における
ヘッド予備駆動動作の一例を示すフローチャートであ
る。
【図11】 本発明のインクジェット記録装置における
通常印字時のヘッド駆動制御部出力タイミング図であ
る。
【図12】〜
【図13】 本発明のインクジェット記録装置における
予備駆動時のヘッド駆動制御部出力タイミング図であ
る。
【図14】〜
【図15】 駆動周波数の説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置、2 ホストコンピュー
タ、3 CPU、4 ワークRAM、5 フォントRO
M、6 プログラムROM、7 EEPROM、8 イ
ンタフェース、9 制御パネル、10 メモリ制御部、
11 イメージRAM、12 ヘッド制御部、13 記
録ヘッド、14 モータ制御部、15 モータ、16
I/O制御部、17 センサ、18 共通バス、21
記録ヘッドユニット、22 キャリッジ、23 記録媒
体、24 トランスポートローラ、25 キャップ機構
部、41 隣接ノズル群印字周期値記憶手段、42 隣
接ノズル群印字周期設定カウンタ、43 印字タイミン
グ制御部、44 印字駆動パルス発生部、45 印字ド
ット数カウンタ制御部、46 印字駆動パルス幅設定カ
ウンタ、47 駆動パルス幅データ加工部、48 記憶
手段、49 印字データ加工処理部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルを有するヘッドを搭載した
    インクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動方法に
    おいて、ノズルからインクを吐出するように駆動する吐
    出予備駆動動作と、ノズルからインクを吐出しないよう
    に駆動する加熱予備駆動動作を交互に行なうことを特徴
    とするインクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動
    方法。
  2. 【請求項2】 複数のノズルを有するヘッドを搭載し、
    前記複数のノズルを所定数ずつに分割して複数のノズル
    群を構成し、所定の時間ずつ遅延させて、ノズル群ごと
    に順次インクを吐出させるように制御されるインクジェ
    ット記録装置におけるヘッド予備駆動方法において、1
    回の全ノズルの予備駆動の動作は、各ノズル群毎に、イ
    ンクを吐出可能なように駆動する吐出予備駆動動作と、
    インクを吐出しないように駆動する加熱予備駆動動作と
    により構成されることを特徴とするインクジェット記録
    装置におけるヘッド予備駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録装置におけるヘッド予備駆動方法において、各ノ
    ズルにおける吐出予備駆動動作から次の吐出予備駆動動
    作までの時間間隔が、通常のヘッド駆動時の駆動動作の
    時間間隔よりも長く、かつ、各ノズルにおける吐出予備
    駆動動作から加熱予備駆動動作までの時間間隔が、通常
    のヘッド駆動時の駆動動作の時間間隔よりも短いことを
    特徴とするインクジェット記録装置におけるヘッド予備
    駆動方法。
  4. 【請求項4】 インクジェット記録装置におけるヘッド
    予備駆動方法において、ヘッド予備駆動時にヘッド温度
    を検出し、ヘッド温度がt(℃)のとき、ヘッド温度
    が、 T=a×t+b (℃) で示される設定温度T(℃)に達するまで予備駆動動作
    を行なうことを特徴とするインクジェット記録装置にお
    けるヘッド予備駆動方法。
  5. 【請求項5】 設定温度T(℃)が、 T=0.5t+23 (℃) であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェッ
    ト記録装置におけるヘッド予備駆動方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のヘッド予備駆
    動方法に用いられる予備駆動動作として、請求項1また
    は2あるいは3に記載のヘッド予備駆動方法を用いるこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェッ
    ト記録装置におけるヘッド予備駆動方法。
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