JP3721585B2 - インクジェット記録装置の予備吐出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、特に、記録ヘッドから記録媒体に対してインク液を吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、インクの予備吐出をするようにしたインクジェット記録装置に関する。さらに、本発明は、記録媒体と相対的に移動するキャリッジ上に複数のノズルを有するインクジェットヘッドを搭載して印字記録を行うマルチノズルインクジェット記録装置およびそのヘッド予備吐出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置では、非印字時にノズル部に存在するインクが乾燥することを防止する目的で、ヘッドノズル部を覆うキャップ機構を設けて外気から遮断している。しかし、このようなキャップ機構を設けても、キャップ内の機密性を長期間一定に保つのは非常に難しく、長期間放置されるにつれてノズル吐出口付近にあるインクは、その水分や揮発成分が徐々に外気中へ蒸発していってしまい、インクの物性、特にその粘性が高くなってインクが吐出しにくい状態となる。
【0003】
このような状態で通常の印字動作を行うと、通常のノズル駆動条件ではノズル吐出口付近の粘度が高くなったインクは吐出しなかったり、吐出したとしてもその方向性が不安定となって、結果として印字不良や画質不良を発生するという問題があった。このような印字不良の問題を解決することを目的として、印字記録動作前にヘッドを予備的に駆動して、インクを吐出しやすい状態にしてから印字動作を行う方法が提案されている。すなわち、インクジェット記録装置の記録ヘッドの予備駆動について、印刷状態を速やかにかつ簡便に最適化できるようにするために、ヘッドの駆動パルス周期および駆動パルス幅をクロックの周期に換算して設定するとともに、駆動パルスの数を設定することによってヘッドを予備駆動する方法が、特開昭62−179945号公報に記載されている。これは、予備駆動するための制御回路を提供し、ソフトウェアの負荷を減らして高速に予備駆動できるハードウェア構成を提案するものである。
【0004】
また、ノズルに粘度の高いインクがあると判断されたり、ヘッド温度が所定温度より低い場合に、記録ヘッドの温度を検知してプリンタ制御部へフィードバックして記録ヘッドの温度をほぼ所定値に保つ方法が、特開昭64−38246号公報に記載されている。この方法は、検知した記録ヘッドの温度やヘッド内のインクの色彩および記録ヘッドの使用プロファイルに関する情報などを用いて、噴射されるインク滴の均一性を保つように、インク滴の噴射を誘発するしきい値以下のパルスを印加して記録ヘッドを加熱し、あるいはノズルからインク滴のいくつかを噴射させている。すなわち、インクが吐出しない程度にノズルを駆動したり、インクを吐出させる予備的駆動を行っており、これらの判断および動作は、常に後続の印字動作に先立って行われ、印字不良を回避している。
【0005】
また、電源投入後の記録ヘッドの温度が記録可能な所定温度に達するまでの待ち時間を短縮するため、記録周波数よりも高い周波数の電気信号を印加する方法が、特開平4−44856号公報に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開昭62−179945号公報に記載された手法は以下の問題がある。すなわち、この手法は、ハードウェア構成や予備吐出動作フリーからすると、予備吐出動作時に予備吐出データの取り込み動作を行っておらず、印字起動信号が入力された構成であったり、1ノズルおきにインクを吐出するようなデータに変換するハードウェア構成であるといえる。つまり、ハードウェアの構成上、設定される予備吐出パターンは、あらかじめ固定されているデータでしか駆動できないことになる。このような構成では、上記のように全ノズルが吐出するようなデータに変換したり、1ノズルおきにインクを吐出するようなデータに変換したりすることは、比較的簡単にそのハードウェアを構成できるが、種々の予備吐出データに対応しようとするとハードウェア構成が複雑になり、コストアップを招く場合がある。
【0007】
また、この構成では印字動作中に一時印字動作を中断し予備吐出動作を起動することも可能である。このような予備吐出動作を行うのは、ノズル部のインクが、長時間吐出されないことによって、その水分、揮発成分が徐々に蒸発してしまいその粘度が高くなり吐出しにくい状態となり、さらにこのような状態で印字動作を行った場合には、ノズルからのインクの不吐出による白スジや、インク吐出の方向性不良等により画質不良が発生するのを防ぐためである。しかしながら、この場合の予備吐出データも、上述したように、予め設定されている予備吐出データに基づいてヘッドの予備吐出動作が行われるので、例えば、全ノズルからインクを吐出したり、1ノズルおきにインクを吐出したりの動作しか行えない。このことは、たとえば、一時印字動作を中断する直前までインクを吐出しているノズル群については、上記のインクの水分や揮発成分が徐々に蒸発することによって生じる粘度が高くなるという現象は生じないので、これらのノズル群においては予備吐出動作を行う必要はないといえる。また、これらの予備吐出動作を必要としないノズル群について予備吐出動作を行うときには、インクが無駄に消費されてしまう欠点を有している。
【0008】
さらに、この手法は、ノズル駆動回数設定手段を有しているが、ひとつのヘッドチップで複数色、例えばシアン,マゼンタ,イエローの3色が一体に構成されたヘッドカートリッジや、さらにブラックを含めた4色が一体に構成されたヘッドカートリッジを使用する場合、ノズル予備駆動回数は3色または4色のうち、最も予備駆動回数の多く必要とするインクにより設定されることから、比較的少ない予備駆動回数で回復するインクに対しては、無駄なインクを消費してしまう欠点がある。さらに、低温環境下では、所定温度までヘッド温度を上昇させるためには、かなりの回数のノズル駆動を行うことが必要であり、色によってはさらにインクを無駄に消費してしまう欠点がある。通常このような印字開始準備を行っている間は、他の処理制御は殆どないことから、記録装置全体の動作を司るCPUはノズル駆動回数管理を十分に行えるといえるし、CPUがこの管理を行った方がコストの面でも有利である。
【0009】
また、特開昭64−38246号公報に示される手法は、インクが吐出しない程度にノズルを駆動するか、インクを吐出させるよう駆動する方法のどちらか一方を使用する場合と、インクが吐出しない程度にノズルを駆動し引き続きインクを吐出させるよう駆動する制御方法を採用している。この駆動方法は、前述特開昭62−179945号公報の回路構成で、容易に達成することが可能な方法でもある。この方法も前述の方法と同様にノズルを予備的に駆動してインクを吐出するにあたって、最も予備駆動回数を多く必要とするインクを基にして予備吐出動作回数を設定するので、無駄なインクを消費してしまう欠点がある。
【0010】
上に述べた従来の方式では、一列に配された全ノズルを複数のノズル群に分割するとともに分割されたそれぞれのノズル群に異なる色のインクが充填されている記録ヘッドを使用してカラー印字記録を行うインクジェット記録装置では、インクの種類によって、乾き易いインクと乾きにくいインクといった差があり、インクの揮発性溶媒の蒸発などによるインクの粘度の増加にも差が生じてくる。このインクの粘度の増加は、吐出不良の原因となることから、印字動作前に各インク色のノズルに対して予備的な吐出動作を行うことになるが、このとき乾き易いインクつまりインクの粘度の増加が多いものを基準にして各インク色のノズル全てに対して同じ回数の予備吐出を行うと、インクの粘度の増加が少ない乾きにくいインクでは不必要なインクの吐出を行うことになる。また、逆に乾きにくいインクを基準にして各インク色のノズル全てに対して同じ回数の予備吐出を行うと、インクの粘度の増加が多い乾きやすいインクでは、インクの吐出不良が起きやすくなるといった問題があった。
【0011】
また、上記予備的な吐出動作が、各インク色で別々に終了するようにしたインクジェット記録装置においては、吐出動作を行なっているインク色のノズルから吐出動作を行なっていない別のインク色のノズルへインクが飛散することなどによって混色を生じるという問題があった。
【0012】
さらに、上記予備的な吐出動作を行うに当たって、記録周波数よりも高い周波数の電気信号を印加して予備吐出を行う方法では、周波数を高くするにも限界があり、周波数を高くすることによる記録ヘッドなどへの負担も大きくなり、また電源の消費電流が大きくなって小型機などでは対応しきれなくなってしまうという問題がある。予備駆動時間を短縮すれば、速やかに安定した印字を行うことができるが、予備駆動時間の短縮の程度によっては電源の消費電流が大きくなり電源のコストアップへつながるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記問題点を解決し、予備吐出パターンを自由に選択可能とするとともに予備吐出パターンの追加変更をも容易にでき、ヘッド状態に応じた最適な予備吐出パターンで効率良くヘッドの予備駆動を行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、予備吐出データにしたがってヘッド予備駆動を実行している最中でも印字データをメモリへ記憶させることができ、スループットを向上させたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、CPU3での処理の負担を減らして、システムの動作の高速化を達成できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、予備吐出動作に消費される無駄なインクを低減可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。また、本発明は、1つのヘッドチップに複数色のインクを充填したヘッドカートリッジのヘッドを予備駆動するときに、複数色のインクそれぞれの予備吐出回数を独立に設定することが可能なヘッド予備駆動によりインクの無駄な消費を抑えることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0016】
さらに本発明は、インクジェット記録装置において、記録ヘッドを予備駆動するときに、各インクごとの予備的な吐出動作の回数を異ならせるとともに、各インクの予備的な吐出動作を同時に終了させ、乾きにくいインクの不必要な吐出を防ぎ、目づまり回復動作でのインクの消費を最小にすることができる予備吐出方法を提供することを目的とする。さらに、複数色のインクの予備的な吐出動作において生じるインクの混色を防ぐことができ、予備吐出を高速に行うことができる予備吐出方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係るインクジェット記録装置の予備吐出方法は、一列に配された全ノズルを複数のノズル群に分割するとともに分割されたそれぞれのノズル群に異なる色のインクが充填されている記録ヘッドを使用してカラー印字記録を行うインクジェット記録装置の予備吐出方法において、
各インクごとに予備的な吐出動作の回数を異ならせて予備駆動を行うと共に、各インクの予備的な吐出動作が同時に終了するように順次開始させることを特徴とする。
【0019】
【作用】
本発明のインクジェット記録装置の予備吐出方法は、一列に配された全ノズルを複数のノズル群に分割するとともに分割されたそれぞれのノズル群に異なる色のインクが充填されている記録ヘッドを使用してカラー印字記録を行うインクジェット記録装置の予備吐出方法において、各インクごとに予備的な吐出動作の回数を異ならせて予備駆動を行うと共に、各インクの予備的な吐出動作が同時に終了するように順次開始させるので、無駄なインクの吐出をなくすことができる。
【0025】
【実施例】
[実施例1]
【0026】
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の第1の一実施例を示すシステム構成図である。本発明に係るインクジェット記録装置1は、CPU3と、ワークRAM4と、フォントROM5と、プログラムROM6と、EEPROM7と、インターフェース8と、操作パネル9と、メモリ制御部10と、イメージRAM11と、ヘッド制御部12と、記録ヘッド13と、モータ制御部14と、モータ15と、I/O制御部16と、センサ17と、共通バス18から構成される。
【0027】
インクジェット記録装置1は、ホストコンピュータ2と接続され、両者の間でデータのやりとりを行う。CPU3は、ワークRAM4,フォントROM5,プログラムROM6およびEEPROM7と接続されており、プログラムROM6に格納されたプログラムに従って、EEPROM7に格納されている設定値、たとえば、高画質化のための補正データ等を参照しながら動作する。また、CPU3は、共通バス18にも接続されており、共通バス18を通じてインクジェット記録装置1内の各部を制御する。ワークRAM4は、CPU3の作業用の記録領域として用いられ、種々のシステム内の情報等の記憶にも使用される。フォントROM5には、印字すべき文字のイメージ形式のデータが格納されている。
【0028】
プログラムROM6には、CPU3の動作を指示するプログラムが格納されている。EEPROM7は不揮発性のメモリであって、電源を遮断しても内容は保持されるので、高画質化のための補正データや、システムの動作モードなどの各種の設定知等が格納される。これらのデータは、操作パネル9を用いて設定される場合もある。
【0029】
インターフェース8は、共通バス18とホストコンピュータ2に接続され、ホストコンピュータ2とのデータの送受を直接行う。操作パネル9は、共通バス18に接続され、ユーザから各種の入力を受けつけたり、ユーザーに対して各種の状態やメッセージを表示する。
【0030】
メモリ制御部10は、イメージRAM11、共通バス18およびヘッド制御部12に接続され、イメージRAM11を制御する。イメージRAM11には、記録すべきデータがイメージの形式で蓄積される。このイメージRAM11内は、各記録ヘッドに対応する領域に分けておくことができる。
【0031】
ヘッド制御部12は、記録ヘッド13、共通バス18およびメモリ制御部10に接続され、記録ヘッド13の制御を行う。記録ヘッド13の制御は、少なくとも各記録ヘッドの各ノズルからのインクの吐出タイミングやインクの温度等の制御を含んでいる。
【0032】
記録ヘッド13は、N本のノズルを有する複数のヘッドからなっている。例えば、カラー印字の場合であれば、ブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の4個の記録ヘッドから構成される。また、前記シアン,マゼンタ,イエローを1つの記録ヘッドを3つのノズル群に分割して割当て、ブラックを1つの記録ヘッドとすることによって、2個の記録ヘッドで構成することもできる。
【0033】
モーター制御部14は、モータ15および共通バス18に接続され、モータ15の制御を行う。モータ15は、記録ヘッド13が搭載されたキャリッジと、記録媒体、例えば、記録用紙との相対移動を行う。
【0034】
I/O制御部16は、各種のセンサ17および共通バス18に接続され、各種のセンサ17の制御並びに検出データの取得を行う。
【0035】
センサ17には、例えば用紙端検出や用紙幅検出もしくはインク量検出などがある。共通バス18は、CPU3、インターフェース8、操作パネル9、メモリ制御部10、ヘッド制御部12、モーター制御部14およびI/O制御部16を接続し、各種のデータや制御信号を伝送する。
【0036】
これら上述した機能は、機能的に分けているが、イメージRAM11とワークRAM4を同じRAMとするなどの変形も可能である。
【0037】
図1のシステムの動作を説明する。CPU3は、プログラムROM6に格納されているプログラムに従って、EEPROM7に格納されている設定値などを参照しながら動作する。その際、必要に応じてワークRAM4を用いる。EEPROM7に格納されている設定値等は、操作パネル9を用いて設定される。また、CPU3は、I/O制御部16を介してセンサ17からの情報を得て、記録可能か否かのチェックをしたり、モーター制御部14に対してキャリッジの移動や記録用紙の搬送などを指示して、記録位置合わせ等を行う。
【0038】
ホストコンピュータ2から記録するデータ、例えば、画像情報や文字コード等が送られてくると、インターフェース部8でその情報を受信し、受信データをCPU3へ転送する。CPU3では、印字フォーマットに従い、受信データを記録できるイメージデータ、例えばビットマップに変換する。例えば、受信したデータが文字コードであれば、フォントROM5を用いて、当該文字のイメージデータに変換する。変換されたイメージデータは、メモリ制御部10を介してイメージRAM11に格納される。
【0039】
イメージデータが格納されると、プリンタ本体と、各ヘッドにそれぞれ内蔵された温度検出素子により検出された温度をもとに、ヘッド駆動パルス幅と駆動動作モードを決定し、各種の設定値をヘッド制御部12へ設定する。特に、印字直前にヘッド温度が低いと、インク吐出特性に悪影響を及ぼすので、インク吐出特性が比較的安定している最適温度域までヘッドを昇温させる動作を行う。次に、CPU3は、モーター制御部14に対してキャリッジの移動を要求し、走査を行う。記録ヘッド13を搭載するキャリッジには、印字タイミングを生成するエンコーダーが取付けられており、キャリッジの走査速度に応じた印字タイミングがCPUおよびヘッド制御部12に入力される。CPU3は、この印字タイミングにより印字位置を決定し、ヘッド制御部12に印字許可のゲート信号を供給する。
【0040】
この印字許可のゲート信号と印字タイミング信号によって、ヘッド制御部12は、ヘッド駆動信号を記録ヘッド13へ出力する。メモリ制御部10から割り込みが発生し、CPU3に入力される。この割り込み信号を受け、CPU3は、モーター制御部14に対して印字記録幅分の記録媒体の搬送、キャリッジの再走査を要求する。キャリッジの1回のスキャン動作が終了すると、トランスポートローラーによって、所定量だけ記録媒体23が搬送される。このようにして、記録媒体の搬送方向の印字記録動作が終了するまで、1スキャンの印字を複数回行うことになる。ここでは、1スキャンの印字開始前ごとに、ヘッド温度や環境温度を検出して、ヘッド駆動パルスや駆動動作モードをその都度決定していく。
【0041】
このように1枚の記録媒体への印字動作が終了すると、CPU3は、モーター制御部14に対して記録媒体の排出を要求すると共に、キャリッジを、再びキャップ機構部の位置に移動させ、記録ヘッドユニットをキャップしてインクの渇きを防止し、次の印字まで待機する。
【0042】
図2にインクジェット記録装置のキャリッジ周辺の概略を示す。例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4個の記録ヘッドからなる記録ヘッドユニット21は、キャリッジ22に搭載され、記録媒体23の送り方向に直交して走査される。トランスポートローラー24は、記録媒体23を送り方向に移動させる。キャリッジ22の移動範囲であって記録媒体23の範囲外にキャップ機構部25が位置している。記録ヘッド21は、それぞれが、または、複数個が一体となってキャリッジ22に着脱可能に構成されている。また、記録ヘッドユニット21には、複数本のノズルが設けられている。
【0043】
キャリッジ22を左右にスキャン動作させながら、ノズルからインクを吐出させて印字を行う。この印字は、キャリッジ22に複数個の記録ヘッドユニット21が搭載されている場合は、各記録ヘッドユニット21からインクを吐出させ、インクのドットを重ね合わせて、画像を形成していく。
【0044】
複数の記録ヘッドユニット21として、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4個の記録ヘッドを用いることにより、カラー画像を形成することができる。
【0045】
キャリッジ22の1回のスキャン動作が終了すると、トランスポートローラー24により、所定量だけ記録媒体23が搬送される。この動作を繰り返し、1枚の記録紙への印字を終了する。1枚の記録媒体23への印字が終了すると、キャリッジ22は、再びキャップ機構部25の位置に移動し、記録ヘッドユニット21をキャップし、次の印字まで待機する。
【0046】
この実施例では、記録媒体とヘッドユニットとの相対的な移動による副走査は、記録媒体の側を移動したが、キャリッジ22を移動させて構成することも可能である。また、この移動量は、1回の印字幅や所定の改行幅の分だけ行ったり、また空白のみのスキャンの分も一括して送ることもできる。さらに、例えば、記録媒体のフィード時や、あらかじめ決まったフォーマットに従って記録する際の記録媒体の位置決め時などは、CPU3からの指示に従った記録媒体の移送が可能であるし、ホストコンピュータ2からの指示によって移動量を変えることも可能である。
【0047】
図3は、本発明のインクジェット記録装置1のヘッドの駆動を制御するヘッド制御部12の第1の実施例を示す構成図である。ヘッド制御部12は、隣接ノズル群印字周期値記憶手段31と、隣接ノズル群印字周期設定カウンタ32と、印字タイミング制御部33と、印字駆動パルス発生部34と、印字ドット数カウンタ制御部35と、印字駆動パルス幅設定カウンタ36と、印字駆動パルス幅設定値記憶手段37と、印字データ加工処理部38から構成される。
【0048】
このヘッド駆動制御動作部は、図1のヘッド制御部12の一部を構成するものである。図6に示すように、ヘッドは、複数のノズルを数個ずつのノズル群に分割したものであり、ヘッドに設けられている複数のノズル駆動は、複数に分割されたノズル群内の各ノズルは同時に駆動し、各ノズル群は、どちらか一端側から順次駆動する方式を採用している。以下の説明では、このノズル群を、分割同時駆動ノズル群と呼ぶことにする。
【0049】
隣接ノズル群周期値記憶手段31は、分割同時駆動ノズル群間を駆動する時間に対応する隣接ノズル群印字周期値を保持する。この値はCPU3等からデータが送られ、信号WRにより設定される。隣接ノズル群印字周期設定カウンタ32は、隣接ノズル群印字周期値記憶手段31に保持されている隣接ノズル群印字周期値Tcに基づき、印字タイミング制御部33の指示に従って、隣接ノズル群間の周期時間信号を生成し、印字タイミング制御部33および印字ドット数カウンタ制御部35に入力する。印字ドット数カウンタ制御部35は、隣接ノズル群印字周期設定カウンタ32からの周期時間信号を受けて、ノズル群の数をカウントし、全ノズル数に達すると、印字タイミング制御部33に対し、その旨を示す印字ノズル群数の信号を通知する。
【0050】
印字タイミング制御部33は、さまざまなタイミング信号を生成する。他の制御部からのクロック信号およびゲート信号、隣接ノズル群印字周期設定カウンタ32からの周期時間信号、印字ドット数カウンタ制御部35からの印字ノズル群数の信号を受け、隣接ノズル群印字周期設定カウンタ32および印字駆動パルス幅設定カウンタ36に対して、カウント値の取り込み指示とカウントクロックの供給を行い、印字駆動パルス発生部34に対して、駆動開始を指示し、印字データ加工処理部38に対して、印字データ転送クロックを供給すると共に、同一信号を記録ヘッド13に対して出力する。
【0051】
印字駆動パルス発生部34は、印字タイミング制御部33からの駆動開始の指示と、印字駆動パルス幅設定カウンタ36のカウント終了信号を受けて、印字ヘッドに対する駆動パルスのオンオフ制御を行う。印字駆動パルス幅設定カウンタ36は、印字タイミング制御部33からの供給されるカウントクロックに基づき、駆動パルス幅データに達するまでカウントを行って、終了信号を印字駆動パルス発生部34に供給する。
【0052】
印字駆動パルス幅設定値記憶手段37には、印字駆動パルス幅設定カウンタ36に設定される駆動パルス幅データTpを記憶する。このデータは、CPU3等から送られ、信号WRより記憶される。
【0053】
図4は、本発明のインクジェット記録装置の記録ヘッド13の内部回路の一実施例を示す構成図である。記録ヘッド13の内部回路は、4ビットシフトレジスタ50と、4ビットラッチ51と、32ビットシフトレジスタ52と、ヒーターR1〜R128と、スイッチングトランジスタT1〜T128と、インバータIV1〜IV128と、NAND回路NA1〜NA128が図示のように接続されて構成される。
【0054】
図4では、ヘッド全体のノズル数を128本とし、1つのノズル群内のノズル数を4本として、32のノズル群に分割して駆動する。各ノズルには、ヒーターR1〜R128が設けられており、ヒーターR1〜R128の一端は、共通の電源に接続され電圧Vhが印加されている。他端は、それぞれのスイッチングトランジスタT1〜T128を介して、アースに接続されており、スイッチングトランジスタが“ON”となると、ヒーターに電流が流れ、ノズルが駆動されることになる。各スイッチトランジスタT1〜T128の“ON”,“OFF”は、NAND回路NA1〜NA128に入力される駆動パルスと印字データの論理積の信号によって行われる。論理積の信号は、NAND回路NA1〜NA128およびインバータIV1〜IV128により作成される。
【0055】
図5は、図4に示した記録ヘッド13の内部回路を駆動するタイミングの例を示すものである。ここでは、隣接ノズル群印字周期tc(sec)、ノズル駆動パルス幅はtp(sec)となるようなデータが、それぞれ隣接ノズル群印字周期値記憶手段31、印字駆動パルス幅設定値記憶手段37に記憶されている。
【0056】
4ビットシフトレジスタ50は、印字データ加工処理部38から送られてくる印字データDpを印字タイミング制御部33から出力される印字データ転送クロックTcに同期して順次受け取り、1つのノズル群内の4本のノズルに対応したパラレルの印字データを出力する。4ビットラッチ51は、印字駆動パルス発生部34から送出される駆動パルスTpに同期して、4ビットシフトレジスタ50から出力される印字データを一時保持し、ノズルに対して印字データを出力する。4ビットラッチ51から出力される印字データは、各ノズル群内のそれぞれに対応したNAND回路に入力される。すなわち、4ビットラッチ51から出力される1番目のデータ線は、第1ノズル群の1番目のノズルに対応したNAND回路NA1,第2ノズル群の1番目のノズルに対応したNAND回路NA5,・・・,第32ノズル群の1番目のノズルに対応したNAND回路NA125に接続される。2番目のデータ線は、各ノズル群の2番目のノズルに対応したNAND回路に接続される。3、4番目のデータ線についても同様である。32ビットシフトレジスタ52は、各ノズル群に対応した出力線Bnを有し、順次この出力線をシフト動作により切り替え、32個のノズル群のうちから駆動するノズル群を順に選択し、駆動されるノズル群内の各ノズルに対応するNAND回路に駆動パルスを入力する。この32ビットシフトレジスタ52には、印字駆動パルス発生部34より駆動パルスTpが入力されており、駆動パルスTpが“Hレベル”のときに、その期間だけ選択されたノズル群への信号が“Hレベル”となる。また、駆動パルスTpが“Lレベル”となると、それを検出して、選択される出力線の位置がシフトされ、隣接する次のノズル群が駆動されるようになる。
【0057】
このようにして、128本のノズルは、4本ごとのノズル群に分割され、画像データに応じて最大4本のノズルが同時に駆動される。また、各ノズル群は駆動パルスTpに従って順次駆動され、32回のノズル群の駆動により、128本分のノズルの駆動が行われ、ノズル配列方向の画像記録が行われる。
【0058】
次に、記録ヘッド13の予備吐出動作について説明する。前述したように、インクジェット記録装置1の非印字時間が長くなると、記録ヘッド13のノズル部のインク粘度が高くなる。このような状態で印字を行うと、印字開始時に、インクが吐出しなかったり、インクの吐出方向が乱れ、画質低下を招いていた。
【0059】
このような不具合に対しては、印字開始前に予備的にヘッドを駆動して、前記粘度の高いインクを吐出させることによって、画質低下を防止している。
【0060】
また、記録ヘッド13のノズル部に、紙粉やゴミ等が付着した場合でも、インクの吐出不良が発生し、前述したような画質不良が起こるため、印字動作時においても、定期的にヘッドの予備吐出を行うことが一般的に行われている。
【0061】
さらに、記録ヘッド13として、複数本のノズルを所定数毎のノズル群に分け、その分けられたそれぞれのノズル群に、それぞれ異なる色のインクが充填されているような構成のヘッドを使用している場合には、キャリッジ走査時の振動や衝撃等によりインクがノズルからノズル面に流出し、隣接する他の異なるインクと混色する場合がある。これは、色再現性の観点で問題が発生し、画質不良を招くおそれがある。したがって、上述のような構成における印字動作中においても、定期的にヘッドの予備吐出が行われる。
【0062】
このように、さまざまな場合において、記録ヘッド13の予備吐出が行われる。それぞれの場合に行われる予備吐出は、場合に対応してその目的が異なるので、予備吐出パターンは、ヘッドの置かれている状況に応じて、さまざまな予備吐出パターンの中から、最適なパターンを選択できる構成としている。
【0063】
図6に、ヘッド予備吐出パターンの例を示す。ヘッドは、例えば縦方向に配列された128個のノズルからなり、各ノズルは4個ずつの計32のノズル群に分割されている。黒丸は吐出させるノズルを、白丸は吐出させないノズルを示している。構成番号(1)は、1ノズルおきにインクを吐出させるパターンを示している。1番目および3番目のノズルからインクを吐出させているが、2番目および3番目のノズルから吐出させる逆のパターンとすることも可能である。構成番号(2)は、4ノズルおき、すなわち、1ノズル群ごとにインクを吐出させるパターンを示している。こもパターンも前述同様逆のパターンとすることも可能である。構成番号(3)は、全てのノズルからインクを吐出させるパターンを示している。
【0064】
構成番号(1)および構成番号(2)は、印字動作中の予備吐出パターンに使われたり、構成番号(3)は、例えば、低温環境下での目づまり回復動作でのヘッド予備吐出パターンとして使われる。また、ここには図示していないが、記録ヘッド13として、複数本のノズルを所定数毎に分け、その分けられたそれぞれのノズル群に、それぞれ異なる色のインクが充填されているような構成のヘッドを使用している場合には、特に他色のインクとの隣接しているノズル部が、インクの混色を招きやすいことから、他色のインクが充填されているノズルとの隣接ノズル部のみ予備吐出させるような予備吐出パターンが使用される。
【0065】
このような、さまざまなヘッド予備吐出パターンデータが、プログラムROM6等に予め記憶されている。
【0066】
図7は、ヘッド予備吐出制御動作のフロー図である。まず、ヘッド制御部12は、例えば、電源投入直後であったり、複数本のノズルを所定数毎に分け、その分けられたそれぞれのノズル群にそれぞれ異なる色のインクが充填されているような記録ヘッド13を使用している場合や、環境温度が低温下であったり、長期の印字待機中である場合などの、記録ヘッド13のおかれている状態を確認する(S1)。次いで、ヘッド制御部12は、ステップS1で把握したヘッド状態のデータに基づいて、プログラムROM6内の種々のヘッド予備吐出パターンの中から最適な予備吐出パターンを選択する(S2)。
【0067】
ステップS2で選択された最適な予備吐出パターンデータの格納されている領域のデータを、イメージRAM11内へ転送する(S3)。イメージRAM11は、通常の印字動作を行う場合にはイメージデータが格納される記憶素子であり、キャリッジ走査方向の最大幅分とノズル幅分の記憶領域が確保されているので、例えば、1ライン分のみの予備吐出パターンデータを転送したり、複数ライン分の予備吐出パターンデータを転送することが可能である。複数ライン分の予備吐出パターンデータを転送する場合には、ライン毎に、異なる予備吐出パターンデータを転送することももちろん可能である。ステップS3の予備吐出パターンデータの転送作業が終了するのを待って、ヘッド予備吐出の起動操作を行なう(S4)。
【0068】
次いで、ステップS4において予備吐出の起動操作が実行された後のヘッド状態を確認する(S5)。次いで、ヘッド予備吐出回数が不十分であると判断された場合には、ステップS2に戻り再び同様な制御動作を実行する。また、ヘッド予備吐出が十分であると判断された場合には、次の制御に移行する(S6)。
【0069】
本発明では、イメージRAM11を第2の記憶手段として使用しているが、例えば、第2の記憶手段を使用せず、第1の記憶手段であるプログラムROM6から、直接ヘッド制御部12に予備吐出パターンデータを転送して予備吐出動作を行っても良い。この場合は、CPU3がデータの転送を行う。しかし、このような構成では、常時CPU3が、ヘッド駆動動作に合わせて高速に予備吐出データを転送する必要があり、他の制御が十分に行えなくなるという問題がある。
【0070】
本発明では、第2の記憶手段としてイメージRAM11を使用し、メモリ制御部10と、イメージRAM11と、ヘッド制御部12との間で、自動的に予備吐出動作を行うよう構成されているので、プログラムROM6は、CPU3に対して解放されるようになり、CPU3は、プログラムROM6のプログラムに従って、他の制御動作を前述したヘッド予備吐出動作と並列に行うことができるので、CPU3の負荷を減らし、インクジェット記録装置動作の高速化を図ることができる。
【0071】
[実施例2]
【0072】
図8は、本発明に係るインクジェット記録装置1のヘッド駆動制御部の第2の実施例を示す構成図である。本実施例のヘッド駆動制御部12Bは、図3に示された第1の実施例の駆動制御部12に比較して、パラレル−シリアル交換手段39と、第二の選択手段40と、予備吐出データ記録制御部41と、第一の選択手段42を備えた点で相違し、その他の点では同じ構成と動作をする。よって、共通する動作の説明を省略し、以下、本実施例に特有の部分の動作を説明する。
【0073】
CPU3からのデータは、パラレル−シリアル変換手段39に入力されシリアルデータに変換されて第2の選択手段40へ出力される。メモリ制御部10からの画像データDiは、印字データ加工処理部38へ入力されるとともに、第2の選択手段40へ入力される。第2の選択手段40は、メモリ制御部10からの画像データDiまたはCPU3からのシリアルデータのいずれかを選択して予備吐出データ記憶制御部41へ出力する。どちらを選択するかの設定データは、CPU3等から送られ、信号WRにより記憶される。
【0074】
予備吐出データ記憶制御部41は、第二の選択手段40から出力されるデータを記憶し、画像処理を行ったりする。ここに記憶されたデータは、印字データ転送クロックTcに同期して第一の選択手段42へ出力される。第一の選択手段42は、印字データ加工処理部38から出力されるデータか、予備吐出データ記憶制御部41から出力されるデータのどちらかを選択して印字データDpとして出力する動作を行う。どちらを選択するかの設定データは、CPU3等から送られ、信号WRにより記憶される。
【0075】
図9は、予備吐出を、行っているときのタイミングチャートである。予備吐出を行っているときには、画像データはないので、画像データリードクロック、画像データの信号は出力されていない。この例では、全ノズルで予備吐出を行うものであるので、印字データは転送クロックに同期して全て“ハイレベル”となっており、駆動パルスに応じて全てのノズルから予備吐出が行われる。
【0076】
図10〜図12の動作フローを基に、パラレル−シリアル変換手段39と、第二の選択手段40と、予備吐出データ記憶制御部41と、第一の選択手段42の制御動作を具体的に説明する。
【0077】
インクジェット記録装置1のシステムに電源が投入されると、記録ヘッド13の目づまり回復制御動作モードがスタートする。このモードは、記録ヘッド13のノズル部に粘度の高いインクか存在することによる印字不良を防止するために、記録ヘッド13を予備的に駆動するものである。まず、CPU3は、第一の選択手段42が予備吐出データ記憶制御部41の出力を選択して出力するように、第一の選択手段42に対して選択データを設定する(S10)。次に、第二の選択手段40がパラレル−シリアル変換手段39の出力を選択して出力するように、第二の選択手段40に対して選択データを設定する(S11)。
【0078】
CPU3は、ヘッドの放置時間やインクジェット記録装置1のシステムの環境条件等の種々のヘッド状態を確認する(S12)。このステップS12で確認されたヘッド状態をもとに、プログラムROM6に記憶されているさまざまなヘッド状態に対応したヘッド駆動パラメータ、例えば、ヘッド駆動パルス幅や印字周波数やヘッドノズル吐出データパターン、例えば、全ノズル吐出データまたは1ノズルおきの吐出データ等の中から、最適なデータを選択する操作を行う(S13)。
【0079】
この選択されたデータに基づき、ヘッド予備駆動時の隣接ノズル群印字周期値tcを隣接ノズル群印字周期値記憶手段31に記憶させる(S14)。次いでヘッド予備駆動時の印字駆動パルス幅値tpを印字駆動パルス幅設定記憶手段37に記憶させる(S15)。
CPU3は、パラレル−シリアル変換手段39に対して、ステップS13において選択されたヘッドノズル吐出データパターンを出力する(S16)。
パラレル−シリアル変換手段39は、このデータが書き込まれるごとに、ワード分のシリアルデータ転送クロックも出力する。ステップS11において、第二の選択手段40がパラレル−シリアル変換手段39の出力を選択して出力するように設定されているので、シリアルデータ転送クロックと同期をとりながらこのシリアルデータからなる128個のヘッドノズル吐出データパターンが予備吐出データ記憶制御部41に記憶される(S17)。ここでは、予備吐出データ記憶制御部41のデータ記憶部は、128個のデータを記憶できるが、例えば、4ノズル同時駆動であれば、最低4個のヘッドノズル吐出データパターンを記憶できる記憶部であっても良い。この場合は、この4個のデータを繰り返しヘッドに印字データとして出力することになる。
【0080】
予備駆動するための条件が全て設定されたので、CPU3は、図9(b)に示す予備駆動のトリガを発行する(S18)。ここでの予備駆動は、このトリガ1回につき1ノズル当たり1回のノズル駆動が実行される動作を行う。
【0081】
図9にヘッド予備駆動動作を行っているときのタイミングの一実施例を示す。ここでの隣接ノズル群印字周期をtc(sec)、ノズル駆動パルスTp(図9(g))のパルス幅をtp(sec)としている。ここで、ヘッド13への転送クロックTc(図9(e))に同期して、予備吐出データ記憶制御部41の128個のデータがシリアルデータからなる印字データDp(図9(f))として出力される。ここでは、全ノズル駆動する予備駆動のパターンであるから印字データDpは“ハイレベル”のデータとなっている。引き続き行われる予備駆動での予備駆動周波数は、上記したようにステップS13で選択されたヘッド駆動パラメータに従うものである。
【0082】
次いで、予備吐出データ記憶制御部41に設定されたデータに従って、所定回数の予備吐出が実行されたか否かを判断する(S19)。所定回数の予備吐出が実行されていない場合は、ステップS18に戻り、引き続きノズル駆動が実行される。つぎに、所定回数の予備吐出が終了したとき、ヘッドの状態を再度確認し、別途吐出データを必要とするか否かの判断、すなわち、予備駆動動作を再度実行するか終了するかの判断を行う(S20)。ヘッドの状態が予備駆動動作を再度実行する必要がある状態のときには、再びステップS13に戻りヘッドの状態に応じた新たなデータを設定して同様な予備吐出駆動制御を行なう。予備駆動動作の再実行が必要ないときには目づまり回復制御動作モードを終了し、印字モードに移行する。
【0083】
以上のパラレル−シリアル変換手段39と、第二の選択手段40と、予備吐出データ記憶制御部41と、第一の選択手段42との制御動作によって、記録ヘッド13の目づまり回復制御動作モードによる予備吐出が行われる。
【0084】
次に印字動作時のパラレル−シリアル変換手段39、第二の選択手段40、予備吐出データ記憶制御部41、第一の選択手段42の制御動作を図8と図10および図12の動作フローを基に説明する。
【0085】
まず、CPU3は、印字駆動での隣接ノズル群印字周期値tcを、隣接ノズル群印字周期値記憶手段31に設定する(S21)。次いで、CPU3は、印字駆動モードでの印字駆動パルス幅tpを、印字駆動パルス幅値記憶手段37に設定する(S22)。この隣接ノズル群印字周期値tcと印字駆動パルス幅tpのヘッド駆動パラメータは、ヘッド予備駆動時のパラメータと同一でも良い。次に、第一の選択手段42が印字データ加工処理部38のデータを選択して出力するように、第一の選択手段42に対して選択データを設定する(S23)。
【0086】
以上のデータの設定が行われると、印字動作が開始され、記録媒体23のフィードが行われ、記録媒体が所定の位置に設定される(S24)。印字データが設定され次第1スキャンの印字動作が行われる(S25)。1スキャンの印字が終了すると次スキャンの印字データがあるか否かを判定し(S26)、次スキャン印字データがあるときには予備吐出モード終了からの経過時間がt2を越えたか否かを判断する(S27)。この判断の結果、時間t2を越えていないときにはステップS24に戻って次スキャンの印字を開始する。
【0087】
この印字動作と平行して予備吐出動作の最終時点からの時間t1の計測が開始される(S28)。この計測動作はCPU3等が行う。計測開始から所定時間t1未満の間は、計測動作を連続して実行し、計測開始から所定時間t1が経過した時点で、第二の選択手段40が画像データを選択して出力するように、第二の選択手段40に対して選択データが設定される(S29)。次いで、予備吐出データ記憶制御部41は、ヘッド13への転送クロックと同期をとりながら、各ノズルに対応する印字データのサンプリングを行なう(S30)。上記ステップS30で得たサンプリングデータに基づいて、それぞれのノズルがインクを吐出するノズルであるか吐出しないノズルであるかを検出しながら、吐出ノズルに対しては印字しないような不吐出データを記憶し、不吐出ノズルに対しては印字するような吐出データを記憶するデータの置換制御を行う(S31)。このサンプリング動作は、予備吐出データ記憶制御部41において行われ、ステップS27の予備吐出時間t2経過まで連続的に行われる(S27)。この結果、予備吐出動作少量後t1時間経過の後からt2までの間に一度もインクの吐出が行われなかったノズルに対応したデータは吐出データが記憶されるとともに、この間に一度でもインクの吐出がなされたノズルに対応したデータは不吐出データが記憶される。
【0088】
ステップS27において用いる予備吐出時間t2は、ヘッドノズル部のインクの渇くまでの時間を規定したものである。これは、一枚の印字記録にを越える状況がある場合、時間t2を越えるまで1回もインク吐出動作が行われないノズルでは、それ以後の印字でインクの渇きによって吐出不能となるノズルが発生したり、インクの方向性が乱れてしまう等の不具合を生じ、著しく印字品質の低下を招く問題がある。この問題に対処するため、t2の時間が経過しても印字動作を行っている場合は、一時印字動作を中止し、予備吐出制御動作に移行してノズルの不具合を取り除くようにする。
【0089】
もし、次スキャン印字データを検出判断するステップS26で、次スキャン印字のデータが無いと判断された場合は予備吐出モード制御(予備駆動モード)に移行する(S32)。この予備吐出モード制御は、前述したヘッド予備吐出制御に従って図10の動作フローに従った動作が実行される。ここでCPU3は、印字終了時の印字パターンをプログラムROM6から検索し、予備吐出データ記憶制御部41に記憶する操作を行い、以後同様に、第一の選択手段42と第二の選択手段40の選択を行う。
【0090】
ステップS27において予備吐出時間t2の時間経過を計測した結果、経過したと判断された場合には、第一の選択手段42が予備吐出データ記憶制御部41の出力を選択して出力するよう、第一の選択手段42に対して選択データを設定する(S33)。
以下、図12に示されるように、予備吐出動作のトリガが発行され、ヘッド予備駆動モードへ移行し、ヘッドの予備駆動が実行される(S34)。記録ヘッド13に出力される印字データは、予備吐出データ記憶制御部41に格納されたデータであるが、このデータは、(t2−t1)時間の印字動作中に、一度も印字が行われなかったノズルを駆動するためのデータである。次いで、1回の予備駆動が終了するとこの予備吐出動作回数が所定回数なされたか否かを判断し(S35)、予備駆動動作回数が所定回数終了するまでステップS34戻ってヘッド予備吐出動作が行われる。さらに、所定の駆動パターンにより引き続き予備吐出動作を行ってもよい。このような構成とすることにより、印字動作中の予備駆動によって消費されるインクは、前記(t2−t1)時間の印字動作中に、一度も印字が行われなかったノズルから吐出されるインクであるので、通常の全ノズルからインクを吐出させるような予備駆動に比較して、無駄に消費されるインク量を低減することが可能になる。
【0091】
この予備駆動動作が終了すると、次スキャンの印字データの有無を判定する(S36)。判定の結果、次スキャンの印字データが無いときには、図11のステップS32の予備駆動モードに移行し、一連の動作が終了する。ステップS36で印字データがあると判断されたときには、第一の選択手段42が印字データ加工処理部38の出力を選択して出力するように、第一の選択手段42に対して選択データを設定する(S37)。
【0092】
次いで、予備吐出データ記憶制御部41内に格納された吐出データをクリアにする動作が行われ(S38)た後、印字動作を再開するために図11のステップS24に移行して、以後同様な一連の制御動作が行われる。
【0093】
この一連の動作において、時間t1および時間t2の計測は、前記したステップS34で行われた予備吐出動作終了後から開始される。このように予備吐出動作終了毎に時間計測の開始が行われる。
【0094】
これまで述べてきたように、ヘッド制御部12内部に、第一の選択手段および第二の選択手段ならびに最大ノズル数に対応する予備吐出データ記憶制御部を具備することによって、種々の予備吐出パターンに対応することが可能となる。
予備吐出パターンを基準パターンから、ハードウエアによって生成することも可能であるが、種々のパターンに対応するために、ハードウエア構成が煩雑になってしまう場合があり、問題も多い。
【0095】
また、前記予備吐出データ記憶制御部に、印字動作実行中に印字データの記憶動作を行って非印字ノズルを検出し、予備吐出動作時にそのノズルのみを駆動するモードを追加したので、予備吐出動作に消費される無駄なインクを低減することが可能になった。さらには、予備吐出パターン記憶制御部を、ヘッド制御部12内に具備する構成としたので、ヘッド13の予備吐出駆動中でも、イメージRAM11に印字データの展開が行え、プリンタ−システム1のスループットを向上させることができる。
【0096】
[実施例3]
【0097】
図13は、本発明に係るインクジェット記録装置1におけるヘッド駆動制御部の予備駆動動作態様の1つの例を示す図である。図13の(a)は記録ヘッドの構成を、(b)は駆動パルスTpを、(c)はブロック1のみを予備駆動する印字パルスを、(d)はブロック2のみを予備駆動する印字パルスを、(e)はブロック3のみを予備駆動する印字パルスを、(f)はブロック4のみを予備駆動する印字パルスを、(g)はブロック1とブロック4を予備駆動する印字パルスを、(h)はブロック2とブロック3のみを予備駆動する印字パルスを、(i)は全てのブロックを予備駆動する印字パルスを示している。
【0098】
図13(a)に示すように本実施例の動作態様が適用される記録ヘッド13は、ヘッド13の128個のノズルを4つのブロックに分割し、1ブロック32ノズルとしたことを特徴とする。すなわち、本実施例において使用する記録ヘッド13は、ノズル番号1から32までをブロック1とし、ノズル番号33から64までをブロック2とし、ノズル番号65から96までをブロック3とし、ノズル番号97から128までをブロック4として構成している。
【0099】
すなわち、本実施例は、図3または図8に示されたヘッド制御部12,12Bを用いて、上述した4つに分割された記録ヘッド13を制御する方法である。例えば、CPU3は、ヘッド予備駆動動作時に、ブロック1のみを動作させるときは、ノズル1からノズル32のみを吐出させるためのブロックデータを、印字ドット数カウンタ制御部35へ設定する。このデータに基づいて、ヘッド予備駆動動作が開始されると、ブロック1を駆動している間のみ印字ドット数カウンタ制御部35から“ハイレベル”の出力信号が印字データ加工処理部38に出力される。
【0100】
印字データ加工処理部38は、ヘッド予備駆動時入力される前記データが予備吐出動作のためのデータであることを確認しているので、このデータを印字データとして記録ヘッド13に供給する。このようにして、図13(c)のように、ブロック1のノズル1からノズル32までのノズルを駆動する印字データが出力され、ノズル1からノズル32までのインクの予備吐出動作が実行される。
【0101】
同様に、例えば、CPU3から印字ドット数カウンタ制御部35へ予備駆動させるブロックデータを設定することによって、ブロック2、ブロック3、ブロック4のみのヘッド予備駆動制御も可能となる。図13(d)はブロック2、(e)はブロック3、(f)はブロック4のそれぞれのブロックのみを駆動するための印字データとなる。
【0102】
さらに、複数のブロックを組み合わせて予備吐出動作を行うことも可能であり、図13(g)はブロック1とブロック4、図13(h)はブロック2とブロック3を予備駆動するための印字データとなる。さらに、図13(i)は、ブロック1からブロック4、つまり全ノズルを予備駆動するための印字データであり、前ブロックを予備駆動するためのブロックデータが印字ドット数カウンタ制御部35へ設定されている場合の動作例である。
【0103】
このように、ブロック毎に印字データを任意に生成することが可能な構成をヘッド制御部に有することによって、例えば、図13(a)に示したブロック1にイエローインクを、ブロック2にマゼンタインクを、ブロック3にシアンインクを、ブロック4にブラックインクのように同一ヘッドチップに異なる複数色のインクが充填されたヘッドカートリッジを使用する場合に有利となる。このようなヘッドで全ノズルを駆動する制御動作しかできない場合には、ノズルの予備吐出回数は、それぞれのインクの目づまり回復に要する必要な予備吐出回数の最大の値に設定されることになり、このことは比較的少ない予備吐出回数で回復するインクにとってはインクを無駄に消費してしまう欠点を有していた。しかし、本実施例の構成を用いることによって、各々のインクに必要な予備吐出回数を独立に制御するので、ヘッド予備駆動によるインクの無駄な消費を極力抑えることが可能となる。
【0104】
[実施例4]
【0105】
実施例3に示したように、一列に配された全ノズルを複数のノズル群に分割し、分割されたそれぞれのノズル群に異なる色のインクが充填されている記録ヘッドを使用してカラー印字記録を行う場合、例えば、乾きやすいインクと乾きにくいインクといったようにインクの種類によって乾きやすさに差があると、インクの揮発性溶媒の蒸発などによるインクの粘度の増加にも差が生じてくる。このインクの粘度の増加は吐出不良の原因となるので、印字動作前に各インク色のノズルに対して予備的な吐出動作を行うが、乾きやすいインクつまりインクの粘度の増加が多いものを基準にして各インク色のノズル全てに対して同じ回数の予備吐出を行うと、インクの粘度の増加が少ない乾きにくいインクでは不必要なインクの吐出を行うことになる。また、逆に乾きにくいインクを基準にして各インク色のノズル全てに対して同じ回数の予備吐出を行うと、インクの粘度の増加が多い乾きやすいインクではインクの吐出不良が起きやすくなるといった問題があった。
【0106】
予備的な吐出動作を行うとき、予備的な吐出動作回数が異なる3色のインクを用いて予備的な吐出動作を同時に開始すると、3色のインクがそれぞれ別々に吐出動作を終了する。このとき、吐出動作を行なっているインク色のノズルから、吐出動作を終了した別のインク色のノズルへインクが飛散することなどによって混色が生じる問題がある。
【0107】
さらに、予備的な吐出動作を行うとき、記録周波数よりも高い周波数の電気信号を印加する方法では、周波数を高くするにも限界があるとともに、記録ヘッドなどへの負担も大きくなり、また電源の消費電流が大きくなって小型機などでは対応しきれなくなってしまう。予備駆動時間を短縮すれば、速やかに安定した印字を行うことができるのだが、その程度によっては電源での消費電流が大きくなり電源のコストアップへつながるという問題があった。
【0108】
一列に配された全ノズルを複数のノズル群に分割し、分割されたそれぞれのノズル群に異なる色のインクが充填されている記録ヘッド13を使用して、カラー印字記録を行う方法では、分割された複数のノズル群に充填されている複数色のインクが、例えば、シアン、マゼンタ、イエローの3色であると、予備的な吐出動作の回数をシアンが充填されているノズル群に対してはNc回、マゼンタが充填されているノズル群に対してはNm回、イエローが充填されているノズル群に対してはNy回と設定する。ここで、例えば、シアンが基も乾きやすいインクであり、以下、マゼンタが次ぎに乾きやすく、イエローがもっとも乾きにくいインクであるとき、最も乾きやすいインクであるシアンを基準として予備吐出の回数を、Nc>Nm>Nyとして設定する。このようにしてインクを予備的に吐出させる回数がCPU3等により管理され、記録ヘッド13を予備吐出させる動作を行う。
【0109】
図14の設定された予備吐出回数による予備吐出動作のフローチャートを用いて本発明の第4の実施例を説明する。本実施例は、実施例3に示されたような3色のインクを用いた記録ヘッドの予備吐出動作に関する。
【0110】
予備吐出動作モードに入ると、シアンおよびマゼンタならびにイエローの各インクごとに、予備吐出回数をそれぞれNc回、Nm回、Ny回と設定する(S40)。次いで、上記3色のインクの内、予備吐出の回数を最も多く必要とするシアンから予備的な吐出動作を開始する(S41)。このとき、吐出動作を行なうのは、シアンの充填されたノズル群のみなので、マゼンタ、イエローの予備吐出を行なっていない分、全ノズルで予備吐出を行う場合よりも高い駆動周波数f1(kHz)でシアンの予備吐出を行う。次いで、シアンの予備吐出回数がマゼンタに対して設定した予備吐出回数との差回数(Nc−Nm回終了したか否かを判定する(S42)。
【0111】
シアンの吐出回数が前記差回数(Nc−Nm)に達すると、マゼンタの予備的な吐出動作を開始し、シアンとマゼンタの予備的な吐出動作を同時に行う(S43)。このとき、吐出動作を行なうのは、シアンとマゼンタの充填されたノズル群だけなので、イエローの予備吐出を行なっていない分、全ノズルで予備吐出を行う場合より高くかつ前記f1(kHz)より低い駆動周波数f2(kHz)で、シアンとマゼンタの予備吐出を行う。さらに、マゼンタの予備吐出がイエローに対して設定した予備吐出回数との差回数(Nm−Ny)終了したか否かを判定する(S44)。
【0112】
マゼンタの吐出回数が前記差回数(Nm−Ny)に達すると、イエローの予備的な吐出動作を開始し、シアンおよびマゼンタならびにイエローの予備的な吐出動作を同時に行う(S45)。このとき、吐出動作を行なうのは、シアンおよびマゼンタならびにイエローの充填されたノズル群、つまり全てのノズルであるので、システムの構成から所定の駆動周波数f3(kHz)で、シアンおよびマゼンタならびにイエローの予備吐出を行う。このようにして、シアンおよびマゼンタならびにイエローの予備的な吐出動作を行いイエローの予備吐出回数が設定回数Nyに達したか否かを判定する(S46)。イエローの予備吐出回数が設定回数Nyに達すると、シアンおよびマゼンタならびにイエローの予備的な吐出動作を3色同時に終了する(S47)。
【0113】
ここで、例えば全ノズルを3つに均等に分割して、シアンおよびマゼンタならびにイエローをそれぞれ割り当てた場合は、f1(kHz)=3×f3(kHz)、f2(kHz)=3/2×f3(kHz)とすることができる。
【0114】
以上のようにして、複数色のインクの予備的な吐出動作を、インクに応じた異なった吐出回数で行わせるとともに、3色の吐出動作を同時に終了するようにしたので前記した3色のインクの混色を防ぐことができるとともに、乾きにくいインクで必要以上の予備吐出を行わずにノズルの目づまりを回復することが可能となる。
【0115】
また、シアンの予備吐出、シアンおよびマゼンタの予備吐出、シアンおよびマゼンタならびにイエローの予備吐出とで、駆動周波数をそれぞれ変えることによって、予備的な吐出動作を速く行うことができる。
【0116】
【発明の効果】
実施例1において、さまざまなヘッド予備吐出パターンデータを、予めプログラムROM6内に記憶しておき、ヘッド状態に応じて最適なヘッド予備吐出パターンを選択し、さらに、この選択されたデータをイメージRAM11に転送して、通常の印字動作の如くヘッドの予備吐出が行える構成としたので、さらに他の予備吐出パターンが必要となった場合でも、プログラムROM6の予備吐出パターンデータの変更のみですむので、あらゆる予備吐出パターンで、ヘッドを予備吐出させることが可能になる。
【0117】
ヘッド制御部内部に、ヘッド予備吐出データを記憶する第1および第2の記憶手段を有することによって、CPU3での処理の負担を減らすことができ、システムの高速化を図ることができる。
【0118】
さらに、第1の記憶手段の記憶データを変更することによって、あらゆるヘッド予備吐出パターンの生成が可能となり、さらに、ヘッド状態に応じた最適な予備吐出パターンで、効率良くヘッドの予備駆動を行うことができる。
第2の実施例によれば、ヘッドコントローラ内部に、第一および第二の選択手段ならびに最大ノズル数に対応する予備吐出データ記憶制御部を有することによって、前記吐出データ記憶制御部からの予備吐出データによるヘッド予備駆動実行中でも印字データのメモリへの記憶動作が行えるので、プリンタ−システムのスループットを向上させることが可能となった。
【0119】
さらに、印字動作中に印字データの記憶動作を行い、非印字ノズルを検出して予備吐出動作時にその非印字ノズルのみ駆動するモードを追加したので、予備吐出動作に消費される無駄なインクを低減することが可能となった。
【0120】
実施例3によれば、1つのヘッドチップに複数色のインクを充填したヘッドカートリッジのヘッドを予備駆動するときに、複数色のインクそれぞれの予備吐出回数を独立に設定可能となり、ヘッド予備駆動によるインクの無駄な消費を抑えることが可能となった。
【0121】
さらに実施例4によれば、記録ヘッドを予備駆動するときに、各インクごとの予備的な吐出動作の回数を異ならせるとともに、各インクの予備的な吐出動作を同時に終了させることによって、乾きにくいインクの不必要な吐出を防ぎ、目づまり回復動作でのインクの消費を最小にすることができる。さらに、複数色のインクの予備的な吐出動作において生じるインクの混色を防ぐことができる。また、予備吐出を行うノズル群に応じて予備吐出の制御手段を異ならせることによって、予備吐出を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録装置の一実施例を示すシステム構成図。
【図2】 本発明に係るインクジェット記録装置の一実施例におけるキャリッジ周辺の概略図。
【図3】 本発明に係るインクジェット記録装置のヘッド制御部の一つの例を示す構成図。
【図4】 本発明に係るインクジェット記録装置のヘッドの内部回路の一つの例を示す構成図。
【図5】 本発明に係るインクジェット記録装置のヘッドにおける画像印字時のノズル群の駆動タイミング図。
【図6】 本発明に係るインクジェット記録装置のヘッドにおける予備吐出時の吐出パターンの一例を示す図。
【図7】 本発明に係るインクジェット記録装置のヘッドの予備吐出制御のフロー図。
【図8】 本発明のインクジェット記録装置のヘッド制御部の第2の例を示す構成図。
【図9】 本発明のインクジェット記録装置のヘッドにおける予備吐出時のノズル群の駆動タイミング図。
【図10】 本発明のインクジェット記録装置のヘッドの予備駆動制御フロー図。
【図11】 本発明のインクジェット記録装置のヘッドの画像印字時の制御フロー図(1/2)。
【図12】 本発明のインクジェット記録装置のヘッドの画像印字時の制御フロー図(2/2)。
【図13】 本発明のインクジェット記録装置のヘッド駆動ブロック構成図と、それぞれのブロック群の予備駆動タイミング図。
【図14】 本発明の第4の実施例の予備的な吐出動作のフローチャート。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置、 2 ホストコンピュータ、 3 CPU、 4 ワークRAM、 5 フォントROM、 6 プログラムROM、 7 EEPROM、 8 インターフェース、 9 操作パネル、 10 メモリ制御部、 11 イメージRAM、 12 ヘッド制御部、 13 記録ヘッド、 14 モーター制御部、 15 モーター、 16 I/O制御部、 17 センサ、 18 共通バス、 21 記録ヘッドユニット、 22 キャリッジ、23 記録媒体、 24 トランスポートローラー、 25 キャップ機構部、 31 隣接ノズル群印字周期記憶手段、 32 隣接ノズル群印字周期設定カウンタ、 33 印字タイミング制御部、 34 印字駆動パルス発生部、 35 印字ドット数カウンタ制御部、 36 印字駆動パルス幅設定カウンタ、37 印字駆動パルス幅設定値記憶手段、 38 印字データ加工処理部、 39 パラレル−シリアル変換器、 40 第二の選択手段、 41 予備吐出データ記憶制御部、 42 第一の選択手段、 50 4ビットシフトレジスタ、 51 4ビットラッチ、 52 32ビットシフトレジスタ。

Claims (2)

  1. 一列に配された全ノズルを複数のノズル群に分割するとともに分割されたそれぞれのノズル群に異なる色のインクが充填されている記録ヘッドを使用してカラー印字記録を行うインクジェット記録装置の予備吐出方法において、
    各インクごとに予備的な吐出動作の回数を異ならせて予備駆動を行うと共に、各インクの予備的な吐出動作が同時に終了するように順次開始させることを特徴とするインクジェット記録装置の予備吐出方法。
  2. 前記予備吐出時の駆動周波数を吐出動作を行うノズル群の数に応じて決定する請求項1記載のインクジェット記録装置の予備吐出方法。
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