JP2014058103A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空吐出を行うときに、吐出開始に要する圧力を抑制することが出来る画像形成装置を提供する。
【解決手段】インク滴を吐出するノズル孔と、インク滴となるインクを収容する個別液室と、吐出液室内に圧力を発生させる圧電アクチュエータと、を備え、インク滴を用紙に吐出して画像を形成する画像形成動作と、画像形成動作時以外のときにインク滴を空吐出する空吐出動作とを制御する制御部等を備るプリンタにおいて、制御部は、空吐出動作として、インク滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生するように圧電アクチュエータを駆動して、個別液室内のインクを揺動させる揺動工程を実行した後に、空吐出を行う空吐出工程を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吐出孔から液滴を吐出する液滴吐出機構を備え、吐出孔から記録に対して液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置に関するものである。
この種の液滴吐出装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置のインク吐出機構として用いられる。ここでいう画像形成装置は、記録材上に画像を形成するものであるが、その記録材の材質は紙に限定されるものではなく、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等のあらゆる記録材に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録材に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、液滴として吐出される液体は、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置におけるインク吐出ヘッドは、インク滴を吐出する吐出孔と、インク滴となるインクを収容する吐出液室と、この吐出液室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備える。そして、圧力発生手段を駆動することで吐出液室内のインクを加圧して吐出孔からインク滴を吐出させる。このようなインクジェット記録装置としては、記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
この種の画像形成装置では、吐出液室内のインクの水分(溶媒)が自然蒸発すると、インク液の粘度が高くなったり、吐出孔内のインクメニスカスが変化したりする。インク液の粘度が高くなったり、インクメニスカスが変化したりしたままの状態で、インク滴の吐出を行うと、所望の画像形成を行えない問題が生じることがある。
このような問題を防止する構成として、従来のインクジェット方式の画像形成装置では、画像形成時以外のときに、画像形成に寄与しないインクの吐出を行う空吐出を実行している(特許文献1〜3等)。この空吐出によって、吐出液室内及び吐出孔内のインクの粘度と、吐出孔内のインクメニスカスとを整えている。
しかしながら、粘度が高くなった状態のインク液は、吐出されにくくなっており、画像形成を行うときと同じ圧力を発生させても、空吐出を行うことができない場合があった。インク液の粘度が高くなった場合、それを吐出するのに十分大きな圧力が発生するように圧力発生手段を駆動させることが考えられる。しかし、圧力発生手段が発生させる圧力を大きくする場合、圧力発生手段の駆動に要する電圧が大きくなったり、吐出液室を形成する各部材に対する負担が増加したりする。駆動に要する電圧が大きくなると、圧力発生手段に電力を供給する回線を電圧に耐え得るものとする必要があり、装置のコスト高に繋がる。また、吐出液室を形成する各部材に対する負担が増加すると、装置の寿命の低下に繋がる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、空吐出を行うときに、吐出開始に要する圧力を抑制することが出来る画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出する吐出孔と、該液滴となる吐出液を収容する吐出液室と、該吐出液室内に圧力を発生させる圧力発生手段と、を備え、該液滴を記録材に吐出して画像を形成する画像形成動作と、該画像形成動作時以外のときに該液滴を空吐出する空吐出動作とを制御する吐出制御手段を備える画像形成装置において、上記吐出制御手段は、上記空吐出動作として、上記液滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生するように上記圧力発生手段を駆動して、上記吐出液室内の吐出液を揺動する揺動工程を実行した後に、空吐出を行う空吐出工程を実行することを特徴とするものである。
吐出液室内の吐出液の水分(溶媒)が自然蒸発して吐出液の粘度が高くなる場合、水分の出口となる吐出孔近傍ほど粘度が高くなる傾向がある。吐出孔近傍の吐出液の粘度が高いと、吐出液室内から吐出孔を通過して吐出されるという動きが生じ難く、吐出開始に要する圧力が大きくなる。
本発明においては、揺動工程を実行することで、吐出孔付近で粘度が高くなった吐出液が攪拌され、加圧液室内に分散される。これにより、揺動工程を実行する前よりも吐出孔近傍の吐出液の粘度が低下し、その後の空吐出工程を実行するときの吐出開始に要する圧力を抑制できる。
本発明によれば、空吐出を行うときに、吐出開始に要する圧力を抑制することが出来るという優れた効果がある。
実施例1の空吐出を行うときの駆動波形を示す説明図。 インクジェットプリンタの概略斜視図。 インクジェットプリンタの概略断面図。 液滴吐出ヘッドの分解斜視図、(a)はノズル基板の説明図、(b)は液室基板の説明図、(c)は保護基板の説明図。 液滴吐出ヘッドの断面説明図、(a)は、図4中のX−X’断面に対応する断面説明図、(b)は、図4に示したY−Y’断面に対応する断面説明図。 記録ヘッドの圧電アクチュエータの部分平面図。 本実施形態の記録ヘッドの製造工程を示す工程断面図。 本実施形態の記録ヘッドの製造工程の図7以降の工程を示す工程断面図。 ピエゾ素子における電界強度と変位量との関係の一例を示すグラフ。 実施例1の空吐出動作における図1よりも長い期間の駆動波形を示す説明図。 パルスを共振駆動したときのパルス数を変化させた実験の結果を示すグラフ。 実施例2の空吐出を行うときの駆動波形を示す説明図。 実施例3の空吐出を行うときの駆動波形を示す説明図、(a)は、空吐出動作の二回分の駆動波形、(b)は、(a)中の空吐出工程の駆動波形の拡大図。 実施例4の空吐出を行うときの駆動波形を示す説明図。 実施例5の空吐出を行うときの駆動波形を示す説明図。 実施例6の空吐出を行うときの駆動波形を示す説明図、(a)は、空吐出の期間の全体を示す概略図、(b)は、(a)中の吐出開始初期の空吐出工程の駆動波形の拡大図、(c)は、(a)中の吐出終了間際の空吐出工程の駆動波形の拡大図。
以下、本発明を適用可能な画像形成装置の一実施形態である、インクジェットプリンタ(以下、プリンタ100)について説明する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図2は、プリンタ100の斜視図であり、図3は、プリンタ100主走査方向の図2中の手前側から見たときのインクカートリッジ102を含む断面における概略断面図である。
プリンタ100は、キャリッジ101と、記録ヘッド51と、インクカートリッジ102とを含んで構成される印字機構部103を本体内部に有している。キャリッジ101は、プリンタ100本体内部において、用紙Sの搬送方向に対して直交方向である主走査方向(図2中の矢印A方向、図3中の紙面に直交する方向)に移動可能な部材である。記録ヘッド51は、キャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドであり、インクカートリッジ102は記録ヘッド51にタンク部102a内のインクを供給する。
図3に示すように、プリンタ100は、印字機構部103の下方に給紙機構部104を有している。プリンタ100は、詳細は後述するが、給紙機構部104の給紙トレイ230または手差しトレイ105から給送される用紙Sを装置内に取り込む。そして、印字機構部103によって所定の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
記録ヘッド51は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色のインクを吐出するインク吐出ヘッドである。記録ヘッド51は、複数のインク吐出孔(後述する「ノズル孔20」)を、主走査方向に対して直交する副走査方向(図中の矢印B方向)に配列している。また、記録ヘッド51は、インクの吐出方向が下方となるようにキャリッジ101に装着されている。
印字機構部103のキャリッジ101には、記録ヘッド51に供給するためのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、ブラック(B)の各色のインクを収容した四つのインクカートリッジ102がそれぞれ交換可能に装着されている。
インクカートリッジ102のタンク部102aの上方(図3中の上方)には、大気と連通する不図示の大気口が備えられている。また、タンク部102aの下方には、タンク部102a内のインクを記録ヘッド51に向けて排出するインク排出口102bが設けられている。さらに、タンク部102aの内部には、インクが充填された不図示の多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド51へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。
記録ヘッド51としては、プリンタ100では、各色に対応した複数のヘッド部を用いる構成となっているが、各色のインクを吐出するノズル孔を有する一個のヘッド部でもよい。
印字機構部103はキャリッジ101を保持する保持手段として、プリンタ100本体の主走査方向の両側面板(100a及び100b)に横架したガイド部材として、主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とを有する。主ガイドロッド107は、キャリッジ101の後方側(用紙搬送方向下流側、図3中の右側)を貫通する。また、従ガイドロッド108は、主ガイドロッド107と一定間隔をおいて並行に延在し、キャリッジ101の前方側(用紙搬送方向上流側、図3中の左側)が載置される。キャリッジ101は、主ガイドロッド107及び従ガイドロッド108によって主走査方向に移動可能なように摺動自在に保持されている。
また、印字機構部103は、キャリッジ101を主走査方向に移動走査するための移動手段として、タイミングベルト112を有する。さらに、印字機構部103は、タイミングベルト112を張架する駆動プーリ110及び従動プーリ111と、駆動プーリ110を回転駆動する主走査モータ109とを有している。図2に示すように、駆動プーリ110はプリンタ100本体の一方の側面板(100b)側に配置し、従動プーリ111は、本体の他方の側面板(100a)側に配置して、タイミングベルト112が主走査方向に平行に延在するようにしている。また、タイミングベルト112にはキャリッジ101が固定されている。
主走査モータ109は、駆動プーリ110を正逆回転させる駆動源であり、駆動プーリ110が回転すると、タイミングベルト112が主走査方向に沿って無端移動する。キャリッジ101は、タイミングベルト112に固定されているため、タイミングベルト112とともに主走査方向に移動する。このため、主走査モータ109によって駆動プーリ110を正逆回転させることで、キャリッジ101が主走査方向に往復移動される。
給紙機構部104は、用紙Sを積載した給紙トレイ230と、給紙ローラ113と、フリクションパッド114と、ガイド部材115と、搬送ローラ116とを備える。給紙トレイ230は、図3中の右側から複数枚の用紙Sの束を積載可能となっており、プリンタ100本体に対して着脱可能に装着されている。
給紙ローラ113及びフリクションパッド114は、用紙Sを、記録ヘッド51の下方に搬送するために、給紙トレイ230内にセットした用紙Sの束の最上段の一枚を分離給紙する。ガイド部材115は、給紙トレイ230から分離給紙された用紙Sを搬送ローラ116によって搬送される領域に案内する。
給紙ローラ113によって給紙され、ガイド部材115によって案内された用紙Sを、搬送ローラ116が反転させて、記録ヘッド51の下面と対向する位置に搬送する。また、搬送ローラ116の周囲には、搬送コロ117及び先端コロ118が配置されている。搬送コロ117は用紙Sを搬送ローラ116に押し付けて、用紙Sが搬送ローラ116から分離することを防止している。先端コロ118は、記録ヘッド51の下面と対向する位置に所定の送り出し角度で用紙Sを送り出す。搬送ローラ116は、副走査モータ130によって不図示のギヤ列を介して回転駆動が伝達され、図3中の時計周り方向に回転する。
記録ヘッド51の下面と対向する位置には、印写受け部材119が設けられている。印写受け部材119は、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された用紙Sを記録ヘッド51の下方側で案内する用紙ガイド部材である。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、用紙Sを排出方向に送り出すための印写後搬送ローラ120と、印写後搬送ローラ120に対向する印写後搬送拍車121とが配置されている。さらに、印写後搬送ローラ120によって送り出された用紙Sを排紙トレイ106に排出する排紙ローラ123と排紙ローラ123に対向する排紙拍車124とを備えている。また、印写後搬送ローラ120と排紙ローラ123との間には、排紙経路を形成する一対のガイド部材として下ガイド部材125及び上ガイド部材126が配設されている。
また、プリンタ100には、手差しで用紙Sを給紙するための手差しトレイ105が設けられている。この手差しトレイ105は、トレイ開閉軸105bを中心にプリンタ100本体に対して開倒可能に取り付けられている。この手差しトレイ105上に載置された用紙Sは、手差し給紙ローラ105aによって搬送ローラ116に搬送される。
印字機構部103における主走査方向のキャリッジ101の移動範囲の一端である、図2中の右手前側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド51の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127は、キャッピング部材と吸引手段とクリーニング手段とを有している。印字待機中には、キャリッジ101を回復装置127側(図2中の右手前側)に移動し、不図示のキャッピング部材で記録ヘッド51をキャッピングする。これにより、記録ヘッド51のノズル孔を湿潤状態に保つことができ、インク乾燥による吐出不良を防止することができる。また、記録途中などに回復装置127と対向する位置にキャリッジ101を移動し、記録とは関係しないインクを吐出することにより、全てのノズル孔のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持することができる。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング部材で記録ヘッド51下面のノズル孔を密封し、キャッピング部材に設けられた不図示のチューブを通して、吸引手段でノズル孔からインクとともに気泡等を吸い出す。さらに、ノズル孔が開口しているヘッド面(下面)に付着したインクやゴミ等は不図示のヘッド面クリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、プリンタ100本体下部に設置された不図示の廃インクタンクに排出され、廃インクタンク内部のインク吸収体に吸収保持される。
次に、プリンタ100のプリント動作について説明する。
プリンタ100は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から画像情報などの信号が送られ、プリント動作を実行する。プリント動作が実行されると、給紙トレイ230から給紙ローラ113によって、または、手差しトレイ105から手差し給紙ローラ105aによって、用紙Sが給紙される。給紙トレイ230から給紙された用紙Sは、ガイド部材115や搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されつつ反転し、記録ヘッド51と対向する位置に搬送される。一方、手差しトレイ105から供給された用紙Sは、搬送コロ117に案内されて、搬送ローラ116に搬送されて記録ヘッド51と対向する位置に搬送される。
記録ヘッド51に対向する位置に搬送された用紙Sが所定位置に達したら、搬送ローラ116の回転を停止して用紙Sの移動を停止する。そして、キャリッジ101が画像信号に応じて主走査方向に往復移動しながら、停止した用紙Sの所定箇所に所定のインクを吐出して一行分の画像を用紙Sに形成する。ここで、一行とは、記録ヘッド51が用紙Sへ記録可能な副走査方向(記録ヘッド51に対向する位置での用紙Sの移動方向)の範囲を言う。
主走査方向に一行分の画像形成が終了したら、搬送ローラ116を所定時間回転させ、用紙Sを一行分、排紙トレイ106方向に移動させて停止する。そして、キャリッジ101が画像信号に応じて主走査方向に往復移動しながら一行分の画像を形成する。
このような工程を所定回数繰り返して行い、用紙Sに所望の画像をプリントする。外部装置から記録終了信号を受信して所望の画像がプリントされた場合、または、用紙Sの後端が記録領域に到達した信号を受信した場合には、用紙Sは、排紙トレイ106に排出される。このとき、用紙Sは、印写後搬送ローラ120及び印写後搬送拍車121と排紙ローラ123及び排紙拍車124とによって搬送され、排紙トレイ106に排出される。画像形成が終了すると、キャリッジ101を図2中右手前側の回復装置127と対向する位置に移動させ、図示しないキャッピング部材で記録ヘッド51のノズル孔をキャッピングする。
次に、記録ヘッド51について説明する。本実施形態の記録ヘッド51は、薄膜ピエゾヘッドである。
図4は、上述した記録ヘッド51の一部分の分解斜視図である。図4に示す記録ヘッド51は、圧電アクチュエータ200を用いたものであり、インク滴を基板の面部(ヘッド面)に設けたノズル孔から吐出させるサイドシューター方式の例を示すもので図示している。なお、図2及び図3ではインク吐出孔(「ノズル孔20」)が下方に向いて設置される記録ヘッド51を、図4では説明の都合上、上方に描いている。
図4に示すように、記録ヘッド51は、三枚の基板を重ねて形成されている。図4(a)は、インクを吐出するノズル孔20を有するノズル基板2の説明図である。図4(b)は、個別液室14、振動板層55、流体抵抗部15、個別インク供給室24及び圧電素子56等を形成した液室基板1の説明図である。図4(c)は、圧電素子保護空間22や共通液室18を形成する保護基板3の説明図である。このように、記録ヘッド51は、ノズル基板2、液室基板1及び保護基板3の三枚の基板を重ねた積層構造となっている。また、図4(b)及び図4(c)は、一部断面図で示してある。
図4では、一つの共通液室18と連通する個別液室14が六個のものを示している。しかし、これは便宜的に示したものであり、プリンタ100が備える記録ヘッド51は、一つの共通液室18に対してより多くの個別液室14が連通する構成となっている。
図5は、図4に示す記録ヘッド51の断面説明図である。図5(a)は、図4中のX−X’断面に対応する断面説明図であり、便宜上二つの個別液室14に対応する部分のみ示している。図5(b)は、図4に示したY−Y’断面に対応する断面説明図である。図5(a)では、流路が狭くなっている流体抵抗部15に対応する領域を破線で示している。また、図6は、記録ヘッド51の圧電アクチュエータ200の部分平面図である。
液室基板1には、シリコン基板4が用いられ、個別液室14、流体抵抗部15などのインク流路となる溝部が形成されている。
液室基板1は、シリコン基板4上にシリコン酸化膜を介してシリコンが張り合わされたSOI基板を用いている。また、振動板層55は、SOI基板のシリコン層(Si層)表面にパイロ酸化法を適用し、シリコン酸化膜を形成したものである。そして、この振動板層55の上に圧電素子56を形成して、圧電アクチュエータ200を構成する。
圧電素子56は、振動板層55の上に下部電極層151となる白金膜、圧電体層152となるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)の膜、上部電極層153となる白金膜の多層構造を積層することで形成している。下部電極層151は共通電極であり、上部電極層153は個別電極である。圧電素子56は、シリコン基板4をエッチングすることにより形成された個別液室14に対向する領域に形成されている。
液室基板1は、下部電極層151及び上部電極層153のそれぞれに電位を印加する配線部材154を備える。配線部材154としては、下部電極パッド部157を下部電極層151に電気的に接続する第一配線部材154aと、上部電極パッド部158を上部電極層153に電気的に接続する第二配線部材154bとが設けられている。また、液室基板1は、下部電極層151及び上部電極層153と配線部材54との層間に配置する層間絶縁膜155を備える。さらに、液室基板1には、配線部材154を保護するためのパッシベーション膜156が圧電アクチュエータ200の上面及び側面を覆うように配置されている。
ノズル基板2は、厚さ30〜50[μm]のSUS(ステンレス鋼)基板からなり、プレス加工と研磨加工とによりノズル孔20が形成されている。このノズル孔20はノズル基板2と液室基板1とを組み付けたときに、液室基板1の個別液室14と対向し、個別液室14と外部空間とを連通するように形成される。
保護基板3は、圧電素子保護空間22を形成する基板である。この保護基板3には、共通液室18としてインク流路となる溝部と、圧電素子56の保護及び変位を妨げないための圧電素子保護空間22と、液室基板1の流路隔壁4aの剛性を高めるために振動板層55を介して流路隔壁4aを補強する補強壁23とが形成されている。補強壁23は、流路隔壁4aを補強することで、流路隔壁4aによって形成される個別液室14全体を支えている。
また、液室基板1の振動板層55には、保護基板3に形成された共通液室18から液室基板1に形成された個別液室14へインクを供給する流路となる部分に個別供給口60が設けられている。
次に、本実施形態の記録ヘッド51の製造方法について、製造工程を示す工程断面図である図7及び図8に従って説明する。本製造方法では、シリコン基板4に振動板層55の材料及び圧電素子56の材料を成膜していくことでアクチュエータを作成していく。
先ず、図7(a)に示すように、厚み400[μm]の<100>シリコン層201(シリコン基板4)の表面に、0.2[μm]厚のシリコン酸化膜202及び2.0[μm]厚のシリコンを張り合わせたSOI基板を用いる。このSOI基板表面にパイロ(Wet)酸化法によりシリコン酸化膜を0.3[μm]形成し、これを振動板層55とする。
その後、圧電素子56の下部電極層151となる下白金層203をスパッタ法により0.2[μm]成膜し、パターニングすることで図7(b)に示す状態となる。更に、ゾルゲル法により圧電体形成層204(圧電体層152)を2[μm]成膜し、さらに上部電極層153となる上白金層205を0.1[μm]成膜する。その後、リソエッチ法により上部電極層153及び圧電体層152をパターニングする。これにより、図7(c)に示す状態となる。
次に、プラズマCVD法により絶縁体層206(層間絶縁膜155)を0.3[μm]成膜し、リソエッチ法により配線コンタクトを取るためのビアホール207を形成する。また、絶縁体層206には、上導通部208、下導通部209及び貫通部210をパターニングによって形成する。これにより、図7(d)に示す状態となる。
図7(d)に示す上導通部208は、次に形成する配線部材154と上部電極層153との導通部であり、下導通部209は、バイパス配線部材である下部電極パッド部157と下部電極層151との導通部である。また、貫通部210は、共通液室18から各個別インク供給室24へのインク供給孔となる開口部である。
更に、アルミ材料により、引き出し電極層211(第二配線部材154b)を形成することで、図7(e)に示す状態となる。この引き出し電極層211によって形成される第二配線部材154b(図5(a)参照)は、圧電素子56の駆動による振動板層55の振動によって応力を受ける。このため、振動板層55の振動によって第二配線部材154bが断線しないように、引き出し電極層211としては、やわらかい導電性材料(本実施形態ではアルミニウム)を使い、1[μm]程度の厚い層厚で形成されている。
次に、引き出し電極層211を保護するためのパッシベーション膜156としてプラズマCVD法によるシリコン窒化膜212を2[μm]成膜し、パターニングする。そして、振動板層55の個別供給口60となる部分を事前にエッチングする。これにより、図7(f)に示す状態となる。
次に、金をメッキ法により積層して、上部電極パッド部158と下部電極パッド部157とを同時に形成することにより、図8(a)に示す状態となる。このように、上部電極パッド部158及び下部電極パッド部157を金で形成することで、図示しないドライバICとの電気的接続を低温のワイヤボンディングで接続できる。また、金は抵抗値が低く、上部電極層153及び下部電極層151の抵抗値を下げる効果が大きい。
なお、下部電極パッド部157は、上部電極パッド部158と形成工程を分けて形成してもよい。また、上部電極パッド部158及び下部電極パッド部157の材料としては、金に限らず、銅やアルミニウムなどを使用することもできる。しかし、金以外の材料を用いる場合は、その表面が他の層で覆われない上部電極パッド部158に対しては、腐食から保護する保護層が必要となる場合もある。
また、上述したシリコン層201に対する成膜等とは、別途に、ガラス基板にブラスト加工で柱を形成した保護基板3を作成する。そして、上部電極パッド部158と下部電極パッド部157とを形成した後、液室基板1となる部分の振動板層55を挟んでシリコン窒化膜212側に接合する。これにより、図8(b)に示す状態となる。
さらに、液室基板1となる部分の振動板層55を挟んで保護基板3を接合した側とは反対側のシリコン層201の表面を、シリコン層201が所望の厚さとなるまで研磨する。
保護基板3はシリコン製の板状部材にリソエッチ法で凹部を加工したものでも良く、<100>シリコン製の板状部材をTMAH、KOHなどのアルカリエッチング液を用いたウェットエッチングにより加工したものでも構わない。
また、樹脂モールドやメタルインジェクションモールドなどの成型部品でも構わない。また、ドライバ回路をアクチュエータ基板上に一体形成する際に、パイロ酸化法で形成した酸化膜をLOCOS酸化法で形成し、酸化膜の形成領域を選択することで、駆動回路を同一基板上に形成することもできる。
図8(b)に示す状態からシリコン層201が所望の厚さとなるまで研磨した後、シリコン層201の振動板層55(シリコン酸化膜202)とは反対側となる面に対して、ICPドライエッチングを行う。このICPドライエッチングによって個別液室14、流体抵抗部15及び個別インク供給室24となる凹部を形成する。これにより、図8(c)に示すように、シリコン基板4等からなる液室基板1を形成する。
液室基板1を形成した後、別途に作成したノズル基板2を液室基板1の流路隔壁形成面に接着することで、図8(d)の状態になる。ここで、ノズル基板2は、厚さ30〜50[μm]のSUS基板にプレス加工と研磨加工によりノズル孔20を形成したものである。液室基板1にノズル基板2を接着した後、圧電素子56の上部電極層153及び下部電極層151に接続された上部電極パッド部158と下部電極パッド部157とを不図示の駆動回路に接続する。これにより、液滴吐出ヘッドとしての記録ヘッド51の主要部分が完成する。
次に、本実施形態のプリンタ100の特徴部について説明する。
プリンタ100は、液滴吐出機構として、記録ヘッド51を備える。記録ヘッド51は、液滴状のインクを吐出するノズル孔20と、ノズル孔20により外部と連通し、かつ、インクを収容する個別液室14と、個別液室14内に圧力を発生させる圧電アクチュエータ200とを備える。プリンタ100の不図示の制御部は、プリントを行う画像形成時以外のタイミングで、圧電アクチュエータ200を駆動して、インクを吐出する空吐出動作を実行する。空吐出動作は、記録ヘッド51がキャッピング部材でキャッピングされた状態で所定時間経過したときに実行される。そして、本実施形態のプリンタ100の制御部は、空吐出動作において吐出を行うから吐出工程を実行する前に揺動工程を実行する。揺動工程は、インクを吐出するときよりも小さい圧力が発生するように圧電アクチュエータ200を駆動して、個別液室14内のインクを揺動させる制御である。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置(画像記録装置)として使用するインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドは、ノズル孔と、吐出室と、アクチュケータ手段とを備える。ノズル孔は、インク滴を吐出する開口であり、吐出室は、ノズル孔によって外部と連通紙、圧力室、加圧液室、液室、インク室、インク流路等とも称されるものである。アクチュケータ手段は、この吐出室内のインクを加圧するエネルギーを発生するものである。このようなインクジェットヘッドでは、アクチュエータ手段を駆動することで吐出室内インクを加圧してノズルからインク滴を吐出させるものであり、記録の必要なときにのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
インク滴(記録液体)を吐出させるためのアクチュエータ手段の種類により、幾つかの方式に大別される。
例えば、特開平10−100401号公報に記載されているように、液室の壁の一部を薄い振動板とし、これに対応して電気機械変換素子としての圧電素子を配置する構成がある。この構成では、電圧印加に伴って発生する圧電素子の変形により振動板を変形させることで液室内の圧力を変化させて、インク滴を吐出するものであり、ピエゾ方式と呼ばれるものである。また、他の構成として、液室内部に発熱体素子を配置し、通電による発熱体の加熱によって気泡を発生させ、気泡の圧力によってインク滴を吐出させる熱変換素子を用いた方式のものも一般に良く知られている。
それ以外にも、例えば特開平2−289351号公報に記載されているように、液室の壁面を形成する振動板と、この振動板に対向して配置された液室外の個別電極とを備える構成がある。この構成は、振動板と電極との間に電界を印加することで発生する静電力により振動板を変形させて、液室内の圧力/体積を変化させることによりノズルからインク滴を吐出させる静電型のものである。
更にピエゾ方式のものには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものが実用化されている。
前者は圧電素子の端を吐出させるインクジェット式面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である。しかし、その反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができる。しかし、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
上記後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報には次のような構成が提案されている。すなわち、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものである。
これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。
インクは水分(溶媒)が蒸発して粘度が高くなる(以下、「増粘」ともいう。)ので、プリンタ100のような所謂インクジェット方式の画像形成装置では、放置時の乾燥防止のキャッピング機構と、メンテナンス機構を有しているのが一般的である。
メンテナンス動作としては、増粘したインクを吐出受けに吐出する空吐出動作や、吸引機構によりキャップ内を負圧にして増粘インクを強制排出する動作がある。
吐出量や吸引シーケンスの違いによって、クリーニング動作、リフレッシュ動作など名称を分けている画像形成装置もある。
インクを強制排出するメンテナンス動作は、確実に増粘インクを排出できるが、排出する頻度が高いとインク消費量が多くなり、インクイールドを下げてしまうことが問題であった。このため、空吐出動作によるインク排出により、必要最低限の増粘インクの排出を行い、メンテナンスできることが好ましい。しかし、排出する頻度を低くすると、空吐出をするときのインクの粘度が高くなる。粘度の高いインクを吐出するには、粘度が高くなる(以下、「増粘」ともいう。)前よりも大きなエネルギーを与える必要があり、対応できる範囲に限界がある。
また、インクは、乾燥による増粘だけでなく、低温時にも増粘するので、冬に空調をかけない状態で放置された画像形成装置をメンテナンスする場合には、従来の空吐出動作では対応できない場合もある。
図9は、薄膜ピエゾ方式のインクジェット画像形成装置で用いられるピエゾ素子(圧電素子)に電圧を印加した場合における、印加した電圧によって形成される電界の電界強度と、ピエゾ素子の変位量との関係の一例を示すグラフである。図9に示すように、ピエゾ素子の電界強度と変位量との関係をグラフに示すとバタフライ曲線を描く。そして、電界強度が大きくなるにつれて、電界強度の増加量(ΔE)に対する変位の増加量(ΔL)は小さくなり、変位量が飽和する傾向がある。このため、プリント動作時よりも粘度が高くなった増粘インクを空吐出させる場合、プリント動作時にピエゾ素子に印加する電圧に比べて、空吐出動作時の電圧が大きくなりすぎる問題があった。
また、画像保証範囲の環境では、インク吐出性能が仕様を満たすように設計されているが、環境温度が1[℃]の状態など画像保証範囲外の低温環境でメンテナンス動作をしようとすると、電圧が高くなり過ぎることがある。薄膜ピエゾ方式の場合、ピエゾ素子自体の剛性が積層ピエゾ方式と比べて低いので、インクからの圧力の影響を受けやすいというのも高粘度インクを吐出し難い原因となっている。
大きくなりすぎた電圧をカバーする電気回路を用意するのはコストが高くなり、また、薄膜ピエゾ方式のピエゾ素子に高電圧を掛けることは、電界強度が高いため、ピエゾ素子の劣化を早める問題があった。一方、広い環境範囲で、画像保証あるいは動作保証して欲しいという要求がある。
プリンタ100においては、揺動工程を実行することで、ノズル孔20付近で粘度が高くなったインクが攪拌され、個別液室14内に分散される。これにより、揺動工程を実行する前よりもノズル孔20近傍のインクの粘度が低下し、その後の空吐出工程を実行するときの吐出開始に要する圧力を抑制できる。
このように、プリンタ100では、空吐出工程の吐出開始に要する圧力を抑制することができるため、放置時間が長く増粘したインクや、低温環境で増粘したインクを、出来るだけ低い電圧で安定した空吐出動作を実施することができる。これにより、空吐出を用いた強制排出によるメンテナンス回数を減らして、メンテナンスで消費するインク量を少なくすることができる。
〔実施例1〕
次に、本実施形態のプリンタ100の一つ目の実施例(以下、「実施例1」と呼ぶ)について説明する。
図1は、実施例1のプリンタ100で空吐出を行うときの圧電アクチュエータ200に印加される電圧の経時変化(駆動波形)を示すものである。
空吐出工程では、低い電圧で吐出させるために共振タイミングの三パルス(複数回)を、ひとつの駆動波形(以下、「三発共振波形」と呼ぶ)として、インクを所定量排出するために、三発共振波形を、複数回印加する制御を行っている。
図1に示す電圧の波形の空吐出工程では、一回の三発共振波形の電圧を印加することで一塊のインクの液滴がキャッピング部材内に吐出される。三発共振波形では、三回同じ電圧が印加されており、それぞれのタイミングでノズル孔20からインクの液滴が吐出される。このとき、同じ圧力を発生させても、一滴目よりも、一滴目を吐出したときの残留圧力の影響を受ける二滴目及び三滴目の方が吐出時の初速が速くなる。このため、二滴目が吐出されると、先に吐出された一滴目に追い付き、一塊となり、さらに、三滴目が吐出されると、一滴目と二滴目とが合わさった塊に追い付いて、一塊の液滴としてキャッピング部材内に吐出される。また、一回の空吐出工程で複数回の三発共振波形の印加を行っており、複数の塊のインクの液滴がキャッピング部材内に吐出される。
本実施形態のプリンタ100では、一回の揺動工程での揺動を行う信号(以下、「揺動パルス」とも言う)の回数は一回とは限らない。また、一回の空吐出工程における一塊のインクの液滴を吐出する(本実施形態では、「三発共振波形」一回で一塊のインクの液滴を吐出する)信号(以下、「空吐出パルス」とも言う)の回数は一回とは限らない。
実施例1では、図1に示すように、一回の揺動工程における揺動パルスは複数回であり、一回の空吐出工程における空吐出パルスも複数回である。
図10は実施例1の空吐出動作における図1よりも長い期間の駆動波形を示す説明図である。
図10に示すように、実施例1のプリンタ100の制御部は、空吐出動作を実行するときには、揺動工程を実行した後に空吐出工程を実行する空吐出動作を複数回繰り返すように制御する。
揺動工程を実行したあとに、所定の吐出量が吐出されるまで、空吐出のみを続けた場合、空吐出動作の最初の方は、インクの液滴を吐出し易い。しかし、低温高粘度のようにインクを個別液室14に供給し難い環境で、空吐出をし続けると、個別液室14に対するインクの供給不足に起因してノズル孔20からの気泡巻き込みなどの不具合が発生するおそれがある。つまり、一度、揺動工程を実行した後に、空吐出のみを連続して実行し、増粘インクを排出することが好ましくない場合がある。
インクの供給不足にならないように、空吐出パルス周波数を小さくしたり、空吐出工程中に休憩を入れたりすることが考えられる。ここで、空吐出パルス周波数を小さくするというのは、一回の空吐出パルスと、次の空吐出パルスとの間隔を長くする、という意味である。また、空吐出工程中に休憩を入れる、というのは、空吐出工程中に所定回数の空吐出パルスを印加したら、空吐出しない期間を作り、その期間の経過後、次の空吐出パルスを印加し始める、という意味である。
しかし、空吐出パルスを印加する間隔を長くしたり、空吐出をしない期間を作ったりすると、その間は、個別液室14内でインクの動きが止まり、空吐出をしたときに吐出し難くなる。
一方、実施例1では、所定回数の揺動パルスを印加する揺動工程と、所定回数の空吐出パルスを印加する空吐出工程とからなる空吐出動作を複数回繰り返すように制御する。すなわち、揺動工程の後、所定の吐出量が吐出されるまで、空吐出のみを続けるのではなく、所定回数の空吐出パルスを印加する一回の空吐出工程を実行したら、再度、所定回数の揺動パルスを印加する揺動工程を行った後に、空吐出工程を実行している。
揺動工程を実行することで吐出し易くしつつ、所定回数の空吐出パルスを印加した後は、一時的に空吐出を停止することで、空吐出の吐出量を制限し、インクの供給不足を起こさずに増粘インクを排出できる。また、一時的に空吐出を停止しているときに、揺動工程を実行しているため、個別液室14内でインクの動きが止まることに起因して空吐出をしたときに吐出し難くなることを防止できる。
これにより、個別液室14内のインク状態が吐出に適した状態を維持でき、安定した吐出が可能になる。
実施例1では、吐出電圧(空吐出を行うときの電圧)に対して、電圧比1/2で揺動電圧(インクを吐出しない電圧)を複数回印加して、インクを揺動させた後、三発共振波形の吐出波形でインクを吐出させ、増粘インクを排出している。
図11は、パルスを共振駆動したときのパルス数(空吐出パルスを構成する電圧の印加回数)を変化させた実験の結果を示すグラフである。図11のグラフは、液滴速度が所定の速度Vjとなるときの駆動電圧(Vp[V])と、一回の空吐出パルスで吐出されるインクの体積(Mj[pL])との関係を示している。
図11のグラフは、環境温度が1[℃]で、吐出されたインク液滴の所定の速度Vjが7.0[m/s]となる条件で行った。
図11に示すように、Vj=7.0[m/s]のインク液滴を吐出する場合、吐出を行う加圧が一回だけでは電圧を高く設定することが必要となる。吐出を行う加圧を二回にすると、一回目の加圧の残留圧力振動を利用できるため、より低い電圧でVj=7.0[m/s]とすることが可能となる。
吐出を行う加圧を二回行う場合、ノズル孔20からは二滴吐出されるが、同じ電圧を印加して、加圧し、吐出をおこなっているため、二滴目を吐出するときの方が残留圧力の影響で、速い初速でノズル孔20から吐出される。これにより、先に吐出された一滴目に二滴目がマージして、一塊の液滴として飛翔する。
図11に示すように、一回の空吐出パルスで吐出を行う加圧を複数回行う場合、吐出を行う回数が一回の場合に比べて電圧が低いため、一滴目の速度はVj=7.0[m/s]には届いていない。その後、後から吐出された二滴目以降の液滴がマージすることで、追い付いてきた液滴に押されて、追い付かれた液滴はマージする前よりも速度が速くなる。そして、所定回数の吐出が行われ、最後に吐出された液滴がマージして一塊となった液滴の速度がVj=7.0[m/s]となったときの電圧を駆動電圧Vpとしている。
図11のVpのグラフで示すように、一回の吐出パルスで吐出を行う加圧の回数(パルス数)を、三回、四回・・・・と増やしていくと、残留圧力を利用できることで駆動電圧Vpは下がっていく。しかし、パルス数が大きくなるにつれ、パルス数を一回増やすことによる駆動電圧Vpの下がり幅は、小さくなる。
具体例として、横軸のパルス数が「3」の場合は、空吐出パルスとして三発共振波形を印加するものであり、駆動電圧が約29[V]でインクの体積が約7[pL]となっている。これは、三発共振波形として約29[V]の電圧を三回印加したときに、最終的に一塊となったインクの液滴の速度が7[m/s]となり、この一塊のインクの液滴の体積が約7[pL]であったことを示している。
他の具体例として、横軸のパルス数が「8」の場合は、空吐出パルスとして八発共振波形を印加するものであり、駆動電圧が約26[V]でインクの体積が約20[pL]となっている。これは、八発共振波形として約26[V]の電圧を八回印加したときに、最終的に一塊となったインクの液滴の速度が7[m/s]となり、この一塊のインクの液滴の体積が約20[pL]であったことを示している。
本実験では、画像保証範囲を10[℃]〜35[℃]で設計したプリンタ100を使用したため、環境温度1[℃]は画像保証範囲外の極低温環境である。また、吐出前に放置するとノズル孔20付近のインクが増粘するため放置時間が無い状態から吐出した。本実験では、1[℃]の低温環境で高粘度化したインクを低い電圧で吐出させるために共振駆動を行っている。
また、この実験のために、記録ヘッド51の不図示のドライバICやプリンタ100本体の電気回路系統は高電圧まで対応できるものを用意した。
実機における電気回路仕様から駆動波形の電圧は30[V]以下での設計を行うべく、本実施形態の空吐出工程では、三パルス共振波形を吐出波形としている。
ここで、共振駆動とは、一つの駆動パルスと次の駆動パルスとの間隔(吐出から吐出の間隔)が、個別液室14のヘルムホルツ共振周期Tcになるように設定していることを指している。
図11から分かるように、共振駆動のパルス数を増やすと、残留圧力を吐出に使えるので、駆動電圧は下がるが、パルス数が増えると一塊のインクの液滴の体積Mjも増えていく。
低温高粘度インクを空吐出するときに、吐出するインクの液滴の体積Mjが大きいと、インクの供給不足による過負圧で、メニスカスを壊し、気泡を巻き込み易くなる。このため、駆動波形の電圧が下がるからといって、共振駆動のパルス数(空吐出パルスに含まれる電圧を印加する回数)を多くすることは、メンテナンス動作として好ましくない。よって実施例1では空吐出パルスとして、三発共振波形を採用している。
また、本実施形態のプリンタ100では、電圧が下がる複数パルスの共振波形でいきなり空吐出させずに、空吐出前に揺動波形を印加する、すなわち、揺動工程を実行している。これは、以下の理由も挙げられる。すなわち、低温高粘度インクで、1パルスでは吐出に十分ではない電圧で共振駆動しようとした場合、共振が励起し難いということがある。圧力共振がうまく利用できないと、滴速度が遅すぎてノズル面に付着するなどメニスカスを壊し、不安定吐出の原因になる。つまり、メンテナンス動作としての空吐出が成功しない。
本実施形態のプリンタ100のように、空吐出工程の共振波形の前に、揺動工程として揺動波形を先に印加しておくことで、ノズル表面の乾燥による増粘インクが攪拌されたり、加圧液室内のインクが動いたりする。これにより、共振駆動の際に所望の圧力共振に入り易く、吐出が安定する。
実機において、環境温度1[℃]でキャッピングした状態で24時間放置した後に、メンテナンスとして、空吐出させた。ここで、吐出波形(三発共振波形)、吐出周波数、吐出回数を同じにして、揺動工程を行う場合と、行わない場合を比較したところ、揺動工程を行わない場合にノズル抜けが発生するケースが多く見られた。この状態でノズル面を観測したところ、インク付着により汚れていたので、空吐出が安定せず、空吐出動作でノズル面を汚したことが分かった。一方、空吐出工程の前に揺動工程を実行した場合は、ノズル抜けはほぼ無く、ノズル面の汚れも大幅に改善されており、空吐出動作が安定して実施されたことが確認された。
本実施形態のプリンタ100では、液滴を吐出しない圧力により個別液室14内のインクを揺動する揺動工程と、液滴を吐出する空吐出工程とを行う空吐出工程を複数回実行する。これにより、メンテナンス動作としての空吐出を行うことができる環境範囲および経過時間を広げることができる。よって、メンテナンスで消費するインク量を少なく抑えることが出来る。
揺動工程を実行することによって、メンテナンスで消費するインク量を少なく抑えることは、インク粘度が上昇する低温環境で効果が大きい。よって、温度を検知する不図示の温度センサを設け、予め作成したテーブルに基づいて、少なくとも低温環境では、揺動工程を実行してから空吐出工程を実行することが望ましい。また、揺動工程を実行するか否かを含めた一回の空吐出動作での揺動工程の加圧回数に限らず、一回の空吐出動作での空吐出工程の加圧回数や空吐出動作の回数等も温度センサの検知結果に基づいて制御してもよい。
また、本実施形態の記録ヘッドで用いている薄膜ピエゾ方式では、図9に示すように、電界強度が高くなると、変位―電圧特性が飽和傾向を示すため、増粘インクを吐出し難い。このような場合であっても、実施例1のように、増粘インクを空吐出するときに揺動工程を実行することで、増粘インクを良好に吐出することが可能となる。
実施例1のプリンタ100においても、環境温度が10[℃]の条件では、吐出波形は、30[V]を1パルスの設定であっても安定した吐出を行うことが出来た。このように、環境温度の変化によって、低電圧の1パルスで安定した吐出が可能となる場合は、図1及び図11に示す空吐出工程の空吐出パルス数は三発共振波形に限らず、1パルスでもよい。
実施例1のように、加圧液室である個別液室14の圧力共振を利用した吐出波形を使うことで、極低温環境であっても吐出電圧を下げることができる。
実施例1では、空吐出工程における電圧の振幅に比して、揺動工程の電圧の振幅を小さく設定することにより、空吐出のときよりも小さい圧力を発生させて個別液室14内のインクを揺動させている。インクを揺動させる設定としては、電圧の振幅を小さくするものに限るものではない。
〔実施例2〕
次に、本実施形態のプリンタ100の二つ目の実施例(以下、「実施例2」と呼ぶ)について説明する。
図12は、実施例2のプリンタ100で空吐出を行うときの圧電アクチュエータ200に印加される電圧の経時変化(駆動波形)を示すものである。
図12に示すように、実施例2では、揺動工程時にインクする揺動波形を、電圧値(電圧の振幅)は空吐出工程時の吐出波形と同じ値とし、電圧を印加するときの電圧の変化の傾きを吐出波形よりも小さくしている。これにより、電圧を印加したときの発生圧力を吐出しない程度に抑えている。なお、実施例2の空吐出工程では、実施例1の空吐出工程と同様の制御を行う。
具体的には、実施例2の個別液室14はヘルムホルツ共振周期Tcが4.5[μs](マイクロ秒)であり、揺動波形部分の立ち下り時間をTf、立ち上り時間をTrとしたときに、「Tf=Tr=4.5[μs]」という設定にした。それぞれの時間としては、この値に限ったものではない。
実施例1のように、揺動工程においても圧力共振のタイミングを使う場合、圧力を上げるための効率は良いが、共振状態は自由振動なので制御しにくく、外乱や、インク状態の僅かな違いにより、圧力状態が変わり易い。
一方、実施例2は、ゆっくり大きくインクを揺する揺動動作をさせていて、個別液室14内の圧力が制御しやすく、安定している。これにより、安定した空吐出動作が実現できる。
〔実施例3〕
次に、本実施形態のプリンタ100の三つ目の実施例(以下、「実施例3」と呼ぶ)について説明する。
図13は、実施例3のプリンタ100で空吐出を行うときの圧電アクチュエータ200に印加される電圧の経時変化(駆動波形)を示すものである。図13(a)は、空吐出動作の二回分の駆動波形を示したものであり、図13(b)は、図13(a)中の空吐出工程の駆動波形を拡大して示したものである。
図13に示すように、実施例3では、画像保証範囲外の極低温環境では、空吐出工程の吐出波形部分の加圧時の電圧の傾きを、画像保証範囲の最大の傾きよりも大きくしている。これは、吐出力を更に上げて増粘インクを排出するためのものであるが、電圧勾配が大きいと、電流値が大きくなるので、トータルの電流値が画像保証範囲での最大電流を越えないように、駆動ch数を限定している。
記録ヘッド51は複数のノズル孔20を備え、各ノズル孔20に対応した複数の圧電アクチュエータ200を備えている。実施例3においては、全ての圧電アクチュエータ200を同時に駆動して全てのノズル孔20から同時に空吐出させるのではなく、圧電アクチュエータ200を駆動させるタイミングを異ならせるように制御して空吐出を行う。例えば、半数の圧電アクチュエータ200を駆動させて空吐出させた後、残りの半数の圧電アクチュエータ200を駆動させて空吐出させる制御を行う。
これにより、画像保証範囲外の極低温環境でのメンテナンスが確実に実行できると共に、電気回路系統が、必要最小限の規模で設計できるので、コストダウンすることが出来る。
〔実施例4〕
次に、本実施形態のプリンタ100の四つ目の実施例(以下、「実施例4」と呼ぶ)について説明する。
図14は、実施例4のプリンタ100で空吐出を行うときの圧電アクチュエータ200に印加される電圧の経時変化(駆動波形)を示すものである。
実施例4では、空吐出動作を複数回繰り返すもので、一回の空吐出動作の周期を、空吐出開始時には周期T1としていたものを、途中でT1より短い周期T2に切り替える制御を行う。これは、空吐出開始初期は、水分(溶媒)の蒸発により増粘したインクの割合が高いが、空吐出で排出していくに従い、通常のインクが供給されることで、吐出させるインクの質が変わっていくためである。
実施例4では、増粘したインクを安定吐出するために、揺動工程と吐出工程をセットにした空吐出動作を行うと共に、増粘インクの割合の高い空吐出動作の初期は、空吐出動作の周期を長くする。これにより、空吐出した後に、個別液室14にインクが十分供給されるまで待つようにしている。そして、増粘インクをある程度吐出したところで、空吐出動作の周期をT1よりも短いT2に切り替える。
これにより、空吐出開始時には、インクが増粘していることで供給不足になり、過負圧が発生して、気泡を巻き込むようなメンテナンスの失敗を防止することができる。さらに、空吐出動作を繰り返す途中で一回の空吐出動作の周期をT2に切り替えることで、空吐出に掛かる時間を短縮している。
このように制御することにより、安定した空吐出を実現できるとともに、空吐出に掛かる時間の短縮を図ることができる。一回の空吐出動作の周期の切り替えは、一度に限るものではなく、段階的に、周期を短く切り替えていっても良い。
〔実施例5〕
次に、本実施形態のプリンタ100の五つ目の実施例(以下、「実施例5」と呼ぶ)について説明する。
図15は、実施例5のプリンタ100で空吐出を行うときの圧電アクチュエータ200に印加される電圧の経時変化(駆動波形)を示すものである。
実施例5では、空吐出動作を複数回繰り返すもので、一回の空吐出動作における揺動工程の揺動回数を、空吐出開始時には揺動回数N1としていたものを、途中でN2よりも少ない揺動回数N2に切り替える制御を行う。これは、上記実施例4と同様に、空吐出開始初期は、水分(溶媒)の蒸発により増粘したインクの割合が高いが、空吐出で排出していくに従い、通常のインクが供給されることで、吐出させるインクの質が変わっていくためである。
実施例5では、空吐出開始初期は、水分(溶媒)の蒸発により増粘したインクの割合が高いので、揺動回数を多くしている。空吐出の終了間近は、増粘インクは排出され、通常のインクが供給されているので、揺動回数が少なくても、初期と同じように、空吐出を実施していくことが可能になるからである。
実施例5では、一回の空吐出動作の周期も空吐出開始時から途中で切り替えているが(周期T1→周期T2)、揺動回数を途中で途中で切り替える制御では、一回の空吐出動作の周期を固定しても良い。
実施例5では、増粘したインクを安定吐出するために、揺動工程と吐出工程をセットにした空吐出動作を行うと共に、増粘インクの割合の高い空吐出の初期は、揺動回数を多くする。そして、個別液室14内の増粘インクの割合が少なくなったところで、揺動回数を少なく切り替える。これにより、空吐出開始初期と終了間近の吐出状態を揃えることが出来るので、空吐出によるインク液滴の吐出速度が遅過ぎたり、速過ぎたりすることを防止して、ノズル面への付着など吐出不良につながるメンテナンスの失敗を防止することができる。一回の揺動工程における揺動回数の切り替えは、一度に限るものではなく、段階的に、揺動回数を減らしていっても良い。
〔実施例6〕
次に、本実施形態のプリンタ100の六つ目の実施例(以下、「実施例6」と呼ぶ)について説明する。
図16は、実施例6のプリンタ100で空吐出を行うときの圧電アクチュエータ200に印加される電圧の経時変化(駆動波形)を示すものである。図16(a)は、複数回の空吐出動作を行う空吐出の期間の全体を示す概略図である。また、図16(b)は、図16(a)中の吐出開始初期の空吐出工程の駆動波形を拡大して示したものであり、図16(c)は、図16(a)中の吐出終了間際の空吐出工程の駆動波形を拡大して示したものである。
実施例6では、空吐出動作を複数回繰り返すもので、空吐出工程における吐出波形のパルス間隔を、空吐出開始時にはパルス間隔Tc’としていたものを、途中でTc’よりも間隔が短いパルス間隔Tに切り替える制御を行う。これは、上記実施例4及び5と同様に、空吐出開始初期は、水分(溶媒)の蒸発により増粘したインクの割合が高いが、空吐出で排出していくに従い、通常のインクが供給されることで、吐出させるインクの質が変わっていくためである。
空吐出開始初期は、水分(溶媒)の蒸発により増粘したインクの割合が高いので、その環境温度で増粘していない場合よりも若干共振周期が長い方向にずれる傾向がある。このため、増粘インクを効率良く吐出するために、吐出開始初期は吐出波形のパルス間隔Tc’を増粘していない状態のヘルムホルツ共振周期Tcよりも長めに設定する(Tc’>Tc)。そして、吐出を行っている途中にパルス周期T(Tc’>T≧Tc)に切り替えている。
実施例6では、増粘したインクを安定吐出するために、揺動工程と吐出工程をセットにした空吐出動作を行うと共に、増粘インクの割合の高い空吐出の初期は、吐出波形のパルス間隔を長くする。そして、個別液室14内の増粘インクの割合が少なくなった終了間近では、吐出波形のパルス間隔を短く(増粘していない状態の個別液室14のヘルムホルツ共振周期Tcに合わせる)する。これにより、空吐出開始初期の増粘インクも確実に吐出して、空吐出開始初期と空吐出終了間近の吐出状態を揃えることが出来る。よって、空吐出によるインク液滴の吐出速度が遅過ぎたり、速過ぎたりすることを防止して、ノズル面への付着など吐出不良につながるメンテナンスの失敗を防止できる。
なお、空吐出工程における吐出波形のパルス間隔を切り替える構成で、空吐出を行う際の最終的なパルス間隔Tは、ヘルムホルツ共振周期Tcである必要はない。最終的なパルス間隔Tを、「Tc’>T>Tc」に設定した場合は、最終的なパルス間隔Tに向けて、パルス間隔を短く切り替えれば良い。また、パルス間隔の切り替えは一度に限るものではなく、段階的に、切り替えていっても良い。
上述した実施例1〜6の吐出の駆動波形の制御は、空吐出受けにキャリッジ101を移動して実施しても、吸引機構を有する(インクを排出できる)キャップ部材内部で実施しても構わない。但し、キャップ部材内部で実施した方が、キャリッジ101を移動する時間が短縮できるので、ファーストプリントの時間を短縮するには好ましい。
上述した実施形態では、高粘度インクを吐出させることが難しく、本発明の効果が大きい薄膜ピエゾ方式の画像形成装置について説明を述べてきた。しかし、積層ピエゾ方式や、シェアーモードのピエゾ方式など電気機械変換を行う圧力発生素子を使った画像形成装置は、適応可能であることは明らかである。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インク滴等の液滴を吐出するノズル孔20等の吐出孔と、液滴となるインク等の吐出液を収容する個別液室14等の吐出液室と、吐出液室内に圧力を発生させる圧電アクチュエータ200等の圧力発生手段と、を備え、液滴を用紙S等の記録材に吐出して画像を形成する画像形成動作と、該画像形成動作時以外のときに液滴を空吐出する空吐出動作とを制御する不図示の制御部等の吐出制御手段を備るプリンタ100等の画像形成装置において、吐出制御手段は、空吐出動作として、液滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生するように圧力発生手段を駆動して、吐出液室内の吐出液を揺動させる揺動工程を実行した後に、空吐出を行う空吐出工程を実行する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空吐出による増粘インクの排出が安定して実施でき、それにより、メンテナンス動作としての空吐出動作の環境範囲および経過時間を広げることができる。これによりメンテナンスで消費するインク量を少なく抑えることが出来る。
(態様B)
(態様A)において、吐出制御手段は、揺動工程を実行した後に空吐出工程を実行する空吐出動作を、複数回繰り返す。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空吐出の吐出量を制限し、吐出液の供給不足を起こさずに増粘した吐出液を排出でき、さらに、吐出液室内で吐出液の動きが止まることに起因して空吐出をしたときに吐出し難くなることを防止できる。
(態様C)
(態様B)において、温度を検知する不図示の温度センサ等の温度検知手段を有し、吐出制御手段は、温度検知手段の検知結果に基づいて、一回の空吐出動作での揺動工程で圧力を発生させる回数と、一回の空吐出動作での空吐出工程で圧力を発生させる回数と、空吐出動作の回数と、の少なくとも一つを制御する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、環境温度の変化に対応した空吐出を実施することが出来る。
(態様D)
(態様B)または(態様C)において、複数回の空吐出動作の一回当たりの周期を、周期T1から周期T2に切り替える等、空吐出の開始時から少なくとも一度は、より短い周期に切り替える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空吐出開始時に周期を長くすることで気泡を巻き込むことを抑制しつつ、途中で短い周期に切り替えることで、複数回の空吐出動作の全てが終わるまでに掛かる時間を短縮することができる。
(態様E)
(態様B)乃至(態様D)の何れかの態様において、複数回の空吐出動作の一回当たりの揺動工程での揺動回数は、揺動回数N1から揺動回数N2に切り替える等、空吐出の開始から少なくとも一度は、より少ない揺動回数に切り替える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空吐出開始初期と終了間近の吐出状態を揃えることが出来るので、空吐出によるインク液滴の吐出速度が遅過ぎたり、速過ぎたりすることを防止できる。
(態様F)
(態様B)乃至(態様E)の何れかの態様において、空吐出工程で圧力を発生させる回数は複数回であり、その複数回の周期は、パルス間隔Tc’をパルス間隔Tに切り替える等、空吐出の開始から少なくとも一度は、より短い周期に切り替える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空吐出開始初期の増粘インクも確実に吐出して、空吐出開始初期と空吐出終了間近の吐出状態を揃えることが出来る。よって、空吐出によるインク液滴の吐出速度が遅過ぎたり、速過ぎたりすることを防止して、ノズル面への付着など吐出不良につながるメンテナンスの失敗を防止できる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)の何れかの態様において、圧力発生手段は、吐出液室を形成する少なくとも一面に形成された振動板層55等の振動板に、圧電素子56等の圧電膜を形成したものである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、所謂、薄膜ヘッドであり、吐出液からの圧力の影響を受けやすく、増粘した吐出液を吐出し難いが、空吐出工程の前に揺動工程を実施することで、増粘した吐出液を安定して吐出できる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)の何れかの態様において、長期放置後に行う上記空吐出動作における空吐出工程で圧力を発生させる回数は複数回であり、その複数回の周期は、吐出液室のヘルムホルツ共振周期で行われる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、圧力共振を利用した吐出波形を使うことで、長時間放置によって増粘した吐出液であっても空吐出に要する電圧を下げることができる。
(態様I)
(態様A)乃至(態様H)の何れかの態様において、その装置における画像保証範囲外となる低温環境で行う空吐出動作における空吐出工程で圧力を発生させる回数は複数回であり、その複数回の周期は、吐出液室のヘルムホルツ共振周期で行われる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、圧力共振を利用した吐出波形を使うことで、極低温環境であっても吐出電圧を下げることができる。
(態様J)
(態様A)乃至(態様I)の何れかの態様において、圧力発生手段に印加する電圧の駆動波形について、揺動工程で印加する駆動波形が、空吐出工程で印加する該駆動波形よりも電圧の振幅が小さくなるように設定する。
これによれば、上記実施例1について説明したように、液滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生させ、吐出液室内の吐出液を揺動させる揺動工程を実現できる。
(態様K)
(態様A)乃至(態様J)の何れかの態様において、圧力発生手段に印加する電圧の駆動波形について、揺動工程で印加する該駆動波形が、空吐出工程で印加する該駆動波形よりも電圧の変化率が小さくなるように設定する。
これによれば、上記実施例2について説明したように、吐出液室内の吐出液を大きく、ゆっくりと揺らすことができ、液滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生させ、吐出液室内の吐出液を揺動させる揺動工程を実現できる。
(態様L)
(態様A)乃至(態様K)の何れかの態様において、吐出孔と、吐出液室と、圧力発生手段と、からなる液滴吐出部を複数備え、圧力発生手段に印加する電圧の駆動波形について、その装置における画像保証範囲外となる低温環境で空吐出工程で印加する駆動波形は、その装置における画像保証範囲内となる温度で空吐出工程で印加する駆動波形よりも電圧の変化率が大きくなるように設定し、さらに、電圧を印加する圧力発生手段の数を制限する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、一度に駆動する圧力発生手段を制限することで、液滴吐出機構全体に流れる最大電流を画像保証範囲での駆動時の最大電流よりも小さくすることが可能となる。駆動する圧力発生手段の数を絞ることで、最大電流を規格内に収めつつ、駆動した圧力発生手段による吐出力の増大を図ることができる。
(態様M)
(態様A)乃至(態様L)の何れかの態様において、吐出液室とは反対側の吐出孔が形成されたノズル面等の吐出面を覆うキャッピング部材を備え、空吐出動作を行うときには、吐出面をキャッピング部材で覆い、キャッピング部材内に液滴を空吐出する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空吐出した吐出液を回収することができる。
1 液室基板
2 ノズル基板
3 保護基板
4 シリコン基板
14 個別液室
15 流体抵抗部
18 共通液室
20 ノズル孔
24 個別インク供給室
51 記録ヘッド
55 振動板層
56 圧電素子
60 個別供給口
100 プリンタ
101 キャリッジ
102 インクカートリッジ
103 印字機構部
104 給紙機構部
107 主ガイドロッド
108 従ガイドロッド
112 タイミングベルト
116 搬送ローラ
127 回復装置
200 圧電アクチュエータ
特開2011−207078号公報 特開2011−104916号公報 特開2011−056729号公報

Claims (13)

  1. 液滴を吐出する吐出孔と、
    該液滴となる吐出液を収容する吐出液室と、
    該吐出液室内に圧力を発生させる圧力発生手段と、を備え、
    該液滴を記録材に吐出して画像を形成する画像形成動作と、該画像形成動作時以外のときに該液滴を空吐出する空吐出動作と、を制御する吐出制御手段を備える画像形成装置において、
    上記吐出制御手段は、上記空吐出動作として、上記液滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生するように上記圧力発生手段を駆動して、上記吐出液室内の吐出液を揺動する揺動工程を実行した後に、空吐出を行う空吐出工程を実行することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記吐出制御手段は、上記揺動工程を実行した後に上記空吐出工程を実行する上記空吐出動作を、複数回繰り返すことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    温度を検知する温度検知手段を有し、
    上記吐出制御手段は、該温度検知手段の検知結果に基づいて、一回の上記空吐出動作での上記揺動工程で圧力を発生させる回数と、一回の該空吐出動作での上記空吐出工程で圧力を発生させる回数と、該空吐出動作の回数と、の少なくとも一つを制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2または3の画像形成装置において、
    複数回の上記空吐出動作の一回当たりの周期を、空吐出の開始時から少なくとも一度は、より短い周期に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2乃至4の何れかの画像形成装置において、
    複数回の上記空吐出動作の一回当たりの上記揺動工程での揺動回数は、空吐出の開始から少なくとも一度は、より少ない揺動回数に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2乃至5の何れかの画像形成装置において、
    上記空吐出工程で圧力を発生させる回数は複数回であり、その複数回の周期は、空吐出の開始から少なくとも一度は、より短い周期に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかの画像形成装置において、
    上記圧力発生手段は、上記吐出液室を形成する少なくとも一面に形成された振動板に、圧電膜を形成したものであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成装置において、
    長期放置後に行う上記空吐出動作における上記空吐出工程で圧力を発生させる回数は複数回であり、その複数回の周期は、上記吐出液室のヘルムホルツ共振周期で行われることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8の何れかの画像形成装置において、
    その装置における画像保証範囲外となる低温環境で行う上記空吐出動作における上記空吐出工程で圧力を発生させる回数は複数回であり、その複数回の周期は、上記吐出液室のヘルムホルツ共振周期で行われることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかの画像形成装置において、
    上記圧力発生手段に印加する電圧の駆動波形について、上記揺動工程で印加する該駆動波形が、上記空吐出工程で印加する該駆動波形よりも電圧の振幅が小さくなるように設定することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至10の何れかの画像形成装置において、
    上記圧力発生手段に印加する電圧の駆動波形について、上記揺動工程で印加する該駆動波形が、上記空吐出工程で印加する該駆動波形よりも電圧の変化率が小さくなるように設定することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至11の何れかの画像形成装置において、
    上記吐出孔と、上記吐出液室と、上記圧力発生手段と、からなる液滴吐出機構を複数備え、
    該圧力発生手段に印加する電圧の駆動波形について、その装置における画像保証範囲外となる低温環境で上記空吐出工程で印加する該駆動波形は、その装置における画像保証範囲内となる温度で該空吐出工程で印加する該駆動波形よりも電圧の変化率が大きくなるように設定し、さらに、電圧を印加する該圧力発生手段の数を制限することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1乃至12の何れかの画像形成装置において、
    上記吐出液室とは反対側の上記吐出孔が形成された吐出面を覆うキャッピング部材を備え、
    上記空吐出動作を行うときには、該吐出面を該キャッピング部材で覆い、該キャッピング部材内に上記液滴を空吐出することを特徴とする画像形成装置。
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