JPH10128958A - インクジェット記録装置およびその温度制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびその温度制御方法

Info

Publication number
JPH10128958A
JPH10128958A JP28694596A JP28694596A JPH10128958A JP H10128958 A JPH10128958 A JP H10128958A JP 28694596 A JP28694596 A JP 28694596A JP 28694596 A JP28694596 A JP 28694596A JP H10128958 A JPH10128958 A JP H10128958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
recording
recording head
ink
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28694596A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhisa Oide
克久 大出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP28694596A priority Critical patent/JPH10128958A/ja
Publication of JPH10128958A publication Critical patent/JPH10128958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドのコストアップを抑制し、温度制
御を簡易に行なうとともに、常に記録濃度を適切に保
ち、安定した画質を維持できるインクジェット記録装置
およびその温度制御方法を提供する。 【解決手段】 シリアル型の記録装置において、1バン
ド分の画像形成を行なう直前に、コントローラ2は記録
ヘッド1の温度制御を行なう。まず、コントローラ2
は、ヘッド温度検知用サーミスタ3により記録ヘッド1
の温度を検知し、また、環境温度検知用サーミスタ4に
より環境温度を検知する。検知した記録ヘッド1の温度
と環境温度から各ノズルに対応して配置されているヒー
タに入力する電気パルス量を決定する。そして、決定さ
れた電気パルス量に応じてインクを吐出しない程度にヒ
ータを駆動して発熱させ、記録ヘッド1を加熱し、低温
環境での記録濃度の低下を防ぎ、安定した画質を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式の記録装置に関するものであり、特に記録ヘッドの温
度制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、OHP用シートなどの記録媒
体(以下、記録媒体という)に対して記録を行なう記録
装置は、種々の記録方法による記録ヘッドを搭載した形
態で提供されている。この記録ヘッドには、ワイヤード
ット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式
によるものなどがある。特にインクジェット方式は、記
録媒体に直接インクを噴射するものであり、ランニング
コストが安く、静かな記録方法として注目されている。
【0003】インクジェット記録方式の記録濃度は温度
に依存しており、一般に環境温度が上昇すると、記録濃
度も上昇し、環境温度が低下すると、記録濃度も低下す
る。通常の記録装置は、常温(例えば、20℃)で適性
濃度になるインク吐出量を設定しているため、低温環境
では記録濃度が適性濃度よりも薄くなり、高温環境では
記録濃度が濃くなる。そこで、少なくとも低温環境でも
適正な記録濃度が得られるように、ヘッドやインクの温
度を上げるなどの温度補正が行なわれている。
【0004】従来の温度補正技術としては、例えば、特
開平4−31057号公報、特開平4−97854号公
報、特開平4−97857号公報などに記載されている
ように、保温および加熱用発熱素子(サブヒータ)を記
録ヘッドに別途設けたものがある。インクの温度を直接
的または間接的に検知し、所定の温度になるまでサブヒ
ータに連続または間欠的に通電し、所定の温度になった
ら通電を中止し、その後、ある温度以下になったら再び
通電するような制御を行なって記録ヘッドの温度を制御
している。
【0005】また、サブヒータのヒータ駆動方法とし
て、例えば、特開平5−84916号公報に記載されて
いるように、サブヒータに供給するエネルギーを、環境
温度と記録ヘッドの目標温度との差、もしくは記録ヘッ
ドの温度に基づく単位時間当たりのエネルギーになるよ
うに、供給時間の経過とともに減少させる方法もある。
【0006】しかしながらサブヒータを用いる方式で
は、温度制御用に別途ヒータを用意しなければならず、
その分、記録ヘッドがコスト高になるといった欠点があ
る。また、特開平5−84916号公報に記載されてい
るような制御を行なう場合には、入力電力量を温度検知
しながら変更するため、制御が複雑化するといった欠点
がある。
【0007】インクジェット方式の1つの方式として、
サーマル型のインクジェット記録方式がある。このサー
マル型のインクジェット記録方式は、ヒータに電気パル
スを与えて発熱させ、インク中に気泡を発生させて、気
泡の成長時の圧力によってインクをノズルから吐出させ
て記録を行なうものである。特開平2−74351号公
報には、このインク吐出用のヒータを用い、インク吐出
のためのパルスを印加する前に、インクを吐出しない程
度の電気パルスを印加させ、インク液路内のインクを予
熱する、いわゆるプレパルス制御の技術が記載されてい
る。この技術は、各インクドットを形成する間の非常に
短時間の間にヒータを加熱するものであり、インク流路
内のインクを予熱するにとどまるものである。この場合
には記録ヘッド全体を加熱することはできないので、極
低温環境の場合には、各インク流路にインクを供給する
ためのインクリザーバ内のインク粘度が温度低下のため
に増加し、インクの補給が遅延して吐出不良などを起こ
す可能性がある。
【0008】また、例えば、特開平3−227636号
公報に記載されているように、インク吐出用のヒータに
インクが吐出しない程度のパルスを印加し、記録ヘッド
を加熱するいわゆるハーフパルス昇温と呼ばれている技
術がある。このような温度制御の方法は、従来は主に電
源投入時や、記録開始時などに行なわれ、記録ヘッドを
所定の温度に昇温してから記録を行なっており、1つの
画像を形成している途中で行なわれることはなかった。
通常は、記録時にヒータを発熱させるため、その発熱に
よって記録ヘッドが昇温する。しかし、低温環境下で低
密度の記録を行なう場合には、記録動作中でも記録ヘッ
ドは冷却されてしまい、記録濃度が変化してしまうとい
う問題がある。
【0009】さらに特開平5−220965号公報に記
載されているように、記録ヘッドに別途保温および加熱
用のヒータを設けるとともに、インク吐出用のヒータで
もインク流路内のインクを予熱する制御を付け足したも
のがある。しかしこの場合も、別途発熱素子を設けるこ
とには変わりはなく、記録ヘッドがコスト高となる。
【0010】さらに、従来の温度制御方法の中には、記
録時間や待機時間をカウントするためのカウント手段を
装備しなければならないものもある。しかし、このよう
な温度制御方法では、構成や制御が複雑になるといった
欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、記録ヘッドのコストアップ
を抑制し、温度制御を簡易に行なうとともに、常に記録
濃度を適切に保ち、安定した画質を維持できるインクジ
ェット記録装置およびその温度制御方法を提供すること
を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数のノズルと、インクを加熱することによって前
記ノズルからインクを吐出させるための加熱手段を有す
る記録ヘッドを用い、所定幅の画像記録を複数回行なう
ことによって画像を形成するインクジェット記録装置に
おいて、前記記録ヘッドの温度を検知する第1の温度検
知手段と、環境温度を検知する第2の温度検知手段と、
前記加熱手段の駆動制御を行なう制御手段を有し、該制
御手段は、前記所定幅の画像記録を行なう前ごとに、前
記第1の温度検知手段および前記第2の温度検知手段か
ら得られる前記記録ヘッドの温度および前記環境温度を
基に前記加熱手段に与える電気パルス量を決定し、該電
気パルス量に基づき前記加熱手段がインクを吐出しない
程度に前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッドを加熱す
るように制御することを特徴とするものである。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェット記録装置において、さらに、前記記録
ヘッドの温度および前記環境温度と前記加熱手段に与え
る電気パルス量とを対応づけたパラメータテーブルを有
し、前記制御手段は、該パラメータテーブルを参照して
前記記録ヘッドの温度および前記環境温度から前記加熱
手段に与える電気パルス量を決定することを特徴とする
ものである。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェト記録装置において、前記制御手
段は、前記所定幅の画像記録をN回の記録走査によって
行なうように制御するとともに、N回の記録走査の前ご
とに前記電気パルス量に基づいて前記加熱手段を駆動し
て前記記録ヘッドの加熱を行なうように制御することを
特徴とするものである。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェト記録装置において、前記制御手
段は、前記所定幅の画像記録をN回の記録走査によって
行なうように制御するとともに、N回中M(N>M)回
の記録走査の前に前記電気パルス量に基づいて前記加熱
手段を駆動して前記記録ヘッドの加熱を行なうように制
御することを特徴とするものである。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェット記録装置において、前記制御
手段は、前記第1の温度検知手段から得られる前記記録
ヘッドの温度または前記第2の温度検知手段から得られ
る前記環境温度が指定温度以下の場合に、前記電気パル
ス量に基づいて前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッド
を加熱するように制御することを特徴とするものであ
る。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のインクジェット記録装置において、前記指定温度は、
前記環境温度で20℃未満および前記記録ヘッドの温度
で30℃以下であることを特徴とするものである。
【0018】請求項7に記載の発明は、複数のノズル
と、インクを加熱することによって前記ノズルからイン
クを吐出させるための加熱手段を有する記録ヘッドと、
該記録ヘッドの温度を検知する第1の温度検知手段と、
環境温度を検知する第2の温度検知手段を有するインク
ジェット記録装置の温度制御方法において、所定幅の画
像記録を複数回行なうことによって画像を形成するとと
もに、前記所定幅の画像記録を行なう前ごとに、前記第
1の温度検知手段および前記第2の温度検知手段から得
られる前記記録ヘッドの温度および前記環境温度を基に
前記加熱手段に与える電気パルス量を決定し、該電気パ
ルス量に基づき前記加熱手段がインクを吐出しない程度
に前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッドを加熱するこ
とを特徴とするものである。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
のインクジェット記録装置の温度制御方法において、前
記インクジェット記録装置はさらに前記記録ヘッドの温
度および前記環境温度と前記加熱手段に与える電気パル
ス量とを対応づけたパラメータテーブルを有しており、
前記所定幅の画像記録を行なう前ごとに、前記パラメー
タテーブルを参照して前記第1の温度検知手段および前
記第2の温度検知手段から得られる前記記録ヘッドの温
度および前記環境温度を基に前記加熱手段に与える電気
パルス量を求め、該電気パルス量に基づき前記加熱手段
がインクを吐出しない程度に前記加熱手段を駆動して前
記記録ヘッドを加熱することを特徴とするものである。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項7または
8に記載のインクジェト記録装置の温度制御方法におい
て、前記所定幅の画像記録をN回の記録走査によって行
なうとともに、少なくともM(N≧M)回の記録走査の
前に前記電気パルス量に基づいて前記加熱手段を駆動し
て前記記録ヘッドの加熱を行なうことを特徴とするもの
である。
【0021】請求項10に記載の発明は、請求項7また
は8に記載のインクジェット記録装置の温度制御方法に
おいて、前記第1の温度検知手段から得られる前記記録
ヘッドの温度または前記第2の温度検知手段から得られ
る前記環境温度が指定温度以下の場合に、前記電気パル
ス量に基づいて前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッド
を加熱することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
記録装置の実施の一形態を示すシステム構成図である。
図中、1は記録ヘッド、2はコントローラ、3はヘッド
温度検知用サーミスタ、4は環境温度検知用サーミス
タ、5はパーソナルコンピュータである。
【0023】記録ヘッド1には、記録ヘッド1の温度を
検知するためのヘッド温度検知用サーミスタ3が装備さ
れている。また、環境温度を検知するための環境温度検
知用サーミスタ4が別に用意されている。これらのヘッ
ド温度検知用サーミスタ3および環境温度検知用サーミ
スタ4により、コントローラ2は記録ヘッド1の温度お
よび環境温度を必要に応じて知ることができる。コント
ローラ2は、例えばパーソナルコンピュータ5からの記
録命令により送られてくる記録データに応じて、記録ヘ
ッド1によるインクの吐出および記録媒体の送りタイミ
ング等を制御して、記録媒体上に画像を形成させる。ま
た、コントローラ2は、ヘッド温度検知用サーミスタ3
および環境温度検知用サーミスタ4により検知した記録
ヘッド1の温度および環境温度に基づいて電気パルス量
を決定し、決定した電気パルス量をもとにインクを吐出
しないように記録ヘッド1のヒータを駆動して発熱さ
せ、記録ヘッド1の温度がほぼ一定になるように温度制
御を行なう。
【0024】図2は、本発明のインクジェット記録装置
の実施の一形態における記録ヘッドのシリアル動作の説
明図である。図中、11はノズル、12は動作方向、1
3はホームポジション、14はデータ終了位置、15,
16は走査限界、17は記録媒体送り方向、18はガイ
ドレールである。記録ヘッド1には、複数のノズル11
と、各ノズルに対応してヒータが設けられている。ノズ
ル11は、動作方向12とほぼ直交する方向あるいは直
交する方向から多少傾けて1列あるいは複数列設けられ
る。ノズル11は記録密度に応じて設けられ、例えば3
00DPIの密度で128本設けることができる。な
お、図2では数本のみ図示している。ヒータは、コント
ローラ2から所定の電気パルスが与えられると発熱し、
インクを加熱して気泡を発生させる加熱手段である。発
生した気泡の成長による圧力によって、ノズル11から
インクを吐出させ、記録媒体上にインクを付着させて記
録を行なう。
【0025】記録ヘッド1はキャリッジに装着され、例
えばガイドレール18に沿って動作方向12に移動しな
がら、バンドと呼ばれる所定幅の記録を行なう。記録を
行なわないときには、記録ヘッド1はホームポジション
13に移動して待機する。長時間使用しない場合には、
このホームポジション13で記録ヘッド1をキャップ
し、インクの乾燥を防止する。また、電源投入時やイン
クタンク交換時、あるいは所定のタイミング等で行なわ
れるメンテナンス動作や、ノズルが不良となった際のメ
ンテナンス動作を、このホームポジション13で行な
う。メンテナンス動作の主なものとしては、ワイピング
や、インク吸引動作、インクの空吐出等がある。
【0026】記録動作時は、記録ヘッド1は走査限界1
5,16の間で動作する。走査限界15,16は、記録
可能エリアに記録ヘッド1の加減速を考慮した距離を加
算したものである。図中、左から右へ移動しながら記録
動作を行なうとき、例えばパーソナルコンピュータ5か
らの記録命令により送られてくる記録データに応じて、
コントローラ2が各ノズル11に対応するヒータに電気
パルスを印加し、インクを噴射して1バンド分の画像を
形成する。
【0027】例えば、データ終了位置14で記録データ
が無くなると、記録ヘッド1は速やかに次の記録動作に
移るので、例えば記録方向が片方向に限定される場合
は、走査限界16まで移動せずにデータ終了位置14を
過ぎた位置から速やかに走査限界15へ戻る。また、記
録データの終了とともに、記録媒体を記録ヘッド1の動
作方向12と直交する記録媒体送り方向17へ移動さ
せ、次の1バンド分の画像形成を行なう。例えば、バン
ド幅分だけ記録媒体を記録媒体送り方向17へ移動させ
て1バンド分の画像を形成する動作を繰り返すことによ
って、バンド幅よりも大きな画像も記録することができ
る。
【0028】従来では、電源投入時や記録開始時、ある
いは記録媒体の1ページの切れ目等で記録ヘッド1の昇
温動作を行なっていた。しかし、低温環境下では複数の
バンドの記録を行なう間に記録ヘッド1が冷却されてし
まう。上述のように、低温環境で記録ヘッド1の温度を
上げずに記録を行なうと、記録濃度が低下する。そのた
め、複数のバンドを記録している間でも、低温環境では
記録ヘッド1の温度を常温での記録濃度に近い濃度を実
現できるまでに加温しなければならない。
【0029】本発明では、1バンド分の画像形成を行な
う直前に、コントローラ2は記録ヘッド1を加熱し、記
録ヘッド1の温度制御を行なう。1バンド分の画像形成
直後に加温したのでは、次のバンドの記録開始までに記
録ヘッド1が冷却されてしまう可能性がある。そのた
め、なるべく記録開始直前の方が望ましい。また、上述
のプレパルス制御のように、バンド記録中の各ドット形
成の間でヒータを発熱する場合に比べ、1バンドの記録
直前に加温する構成では加熱時間を長くとれ、一度に大
量の熱量を与えることで、ヘッド全体を加熱することが
できる。そのため、例えばインクリザーバなどの内部の
インクも加熱でき、インクの供給不良などが発生するこ
とはない。
【0030】図3は、本発明のインクジェット記録装置
の実施の一形態におけるバンドごとの温度制御動作の一
例を示すフローチャートである。S21において、コン
トローラ2は、ヘッド温度検知用サーミスタ3により記
録ヘッド1の温度を検知し、また、環境温度検知用サー
ミスタ4により環境温度を検知する。S22において、
S21で検知した記録ヘッド1の温度と環境温度から各
ノズル11に対応して配置されているヒータに入力する
電気パルス量を決定する。電気パルス量の決定には、記
録ヘッド1の温度および環境温度と、ヒータに入力する
パルス量との関係を、あらかじめ実験や計算によって例
えばパラメータテーブルとして設定しておき、このパラ
メータテーブルを参照して決定することができる。そし
てS23において、S22で決定された電気パルス量を
ヒータに印加して発熱させ、記録ヘッド1を加熱する。
このときヒータに印加するのはインクを吐出しない程度
の駆動パルスであり、決定された電気パルス量だけのパ
ルス数、あるいはそれに見合う量のパルス数の駆動パル
スを印加する。これによって、低温環境でも記録ヘッド
1は常温の記録温度に近い温度に加温されるので、低温
環境での記録濃度の低下を防ぎ、安定した画質を得るこ
とができる。
【0031】図4は、本発明のインクジェット記録装置
の実施の一形態におけるパラメータテーブルの一例の説
明図である。ここでは一例として、各ノズル11の駆動
周波数を7kHzとし、A4サイズの記録媒体に記録密
度5%程度のサンプル画像を形成した時に、適性な記録
濃度が得られるように温度制御する。図4では、この場
合の環境温度と記録ヘッド1の温度に対応する、1回の
加温動作でヒータに入力する電力量をパルス量で表わし
ている。図4に示したパラメータテーブルでは、記録ヘ
ッド1の温度を3種類に区切り、29℃以下、30℃、
31℃以上に分けている。ここで、31℃以上の時は、
入力するパルス量が0となっている。これは記録ヘッド
1の温度が31℃以上であれば、環境温度が低温でも常
温の環境と同様な記録濃度を保てるからである。同様な
ことが、環境温度が20℃以上の時にも当てはまる。す
なわち、記録ヘッドの温度が30℃以下および環境温度
が20℃未満の場合にのみ、ヒータを発熱させる。な
お、記録ヘッド1の温度や環境温度は検知場所によって
異なるが、ヘッド温度検知用サーミスタ3および環境温
度検知用サーミスタ4の位置は設計時に決定されるの
で、その位置に応じた値をパラメータテーブルに設定す
ればよい。また、ヘッド温度検知用サーミスタ3あるい
は環境温度検知用サーミスタ4の位置が変更された場合
でも、パラメータテーブルの値を変更するだけで対応可
能である。
【0032】このようなパラメータテーブルを用い、例
えば1バンドの記録を行なう前ごとに、図3に示したよ
うに、環境温度および記録ヘッド1の温度を検知し、検
知した温度情報を基にパラメータテーブルを参照する。
パラメータテーブルから、加温に必要なパルス数が得ら
れたら、そのパルス数に対応する電気パルス量をヒータ
に入力して発熱させ、記録ヘッド1を昇温後、1バンド
分の記録を開始する。
【0033】このように、パラメータテーブルを用意
し、これを参照することで、動作中の計算などを必要せ
ず、記録ヘッド1の加熱動作時の電気パルス量決定のた
めの構成を簡略化できる。
【0034】なお、ヒータに与える1つの電気パルス
は、ノズル11からインクが吐出せずに加温できる程度
のものとする。例えば、通常のインクを吐出する際の電
気パルスよりも幅の短いパルスを与えることによって、
インクを吐出させずに加温できる。電気パルスを与える
ヒータは、例えば記録ヘッド1に備えられているすべて
のヒータとしてもよいし、前回の1バンドの記録時のイ
ンクの吐出回数や使用ノズル等に応じて一部のヒータの
みとしたり、ヒータによって電気パルス量を異ならせて
もよい。
【0035】図5は、本発明のインクジェット記録装置
の実施の一形態におけるバンドごとの温度制御動作の別
の例を示すフローチャートである。図4に示したパラメ
ータテーブルでは、記録ヘッド1の温度が31℃以上の
とき、または環境温度が20℃以上のときには加温しな
いので、パラメータテーブルを参照する必要はない。図
5では、これらの条件の場合にはすぐに1バンドの記録
動作に移るように制御する場合の動作の一例を示してい
る。
【0036】図3に示した動作と同様にS31で環境温
度および記録ヘッド1の温度を検出する。S32におい
て、記録ヘッド1の温度が31℃以上か否かを判定し、
31℃以上の場合にはそのまま1バンド分の記録動作を
開始する。記録ヘッド1の温度が31℃未満の場合に
は、S33でさらに環境温度が20℃以上か否かを判定
する。環境温度が20℃以上の場合には、そのまま1バ
ンド分の記録動作を開始する。記録ヘッド1の温度が3
1℃未満であり、かつ、環境温度が20℃未満の場合に
は、記録ヘッド1を加温する必要があるので、図3に示
した動作と同様に、S34で例えばパラメータテーブル
を参照してヒータに印加する電気パルスのパルス数を取
得し、S35でそのパルス数に応じて電気パルスをヒー
タに入力し、ヒータを発熱させて記録ヘッド1を加温す
る。加温後に1バンド分の記録動作を開始する。このよ
うな動作によって、記録ヘッド1の温度が31℃以上ま
たは環境温度が20℃以上の場合にはパラメータテーブ
ルを参照しないので、1バンドの記録開始前の処理量を
軽減することができる。
【0037】インクジェット方式では、高画質を得るた
めに、1バンド分の記録を行なう場合に、数回の記録走
査に分けて記録を行なうことがある。具体例として30
0DPIの記録ヘッドに設けられた128ノズル分のド
ットを1回で記録せずに、2分割して64ノズル分ずつ
2回に分けて記録する。このようにすることで、記録媒
体を送る際の誤差を目立たなくすることができる。ま
た、同じ場所に2回以上液滴を飛翔させることで、より
濃い記録濃度を得ることができる。
【0038】このような1バンド分の記録を複数回の記
録走査で行なう分割記録では、1バンド分の記録を1回
の記録走査で行なう場合に比べ、記録媒体1枚当たりの
記録時間はほぼ分割数に反比例する。つまり、2分割で
は1回で記録を行なった時の2倍程度の時間がかかる。
このような分割記録を行なう場合に、上述の例のように
各記録走査ごとに毎回昇温動作を行なうとさらに記録に
要する時間が増加してしまう。そこで、毎回の昇温動作
による記録時間の増加を防ぐために、分割数に対応した
昇温動作を行なう。例えば、昇温動作のタイミングを1
/N回(Nは分割数)とし、N回の記録走査ごとに1回
の昇温動作を行なうように制御する。例えば2分割記録
であれば2回の記録走査ごとに1回の昇温動作を、記録
走査の前に行なえばよい。
【0039】しかし、分割数Nが大きい場合、N回の記
録操作中に記録ヘッド1が冷却されてしまうことが考え
られる。例えば4分割の時では、4回の記録走査を行な
っている間に記録ヘッド1が冷却されてしまう。そこ
で、N回の記録走査ごとにM回(N>M)の昇温動作を
行なうことで、記録走査中に記録ヘッド1が冷却される
ことを防ぐことができる。この場合の昇温動作のタイミ
ングはM/N回となる。例えば4分割の場合では、毎回
昇温動作を入れると記録に要する時間が長くなり、4回
に1回では記録ヘッド1が冷却されるので、例えば4回
に2回あるいは3回の昇温動作を記録走査直前に行なえ
ばよい。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、従来のようにインク吐出用以外のヒータの設
置や、時間計測などのカウンタを用いた複雑な制御を必
要とせず、低コストおよび簡単な制御によって、低温環
境においても常温環境と同様な記録濃度を確保し、安定
した高品質の画像を形成することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録装置の実施の一
形態を示すシステム構成図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置の実施の一
形態における記録ヘッドのシリアル動作の説明図であ
る。
【図3】 本発明のインクジェット記録装置の実施の一
形態におけるバンドごとの温度制御動作の一例を示すフ
ローチャートである。
【図4】 本発明のインクジェット記録装置の実施の一
形態におけるパラメータテーブルの一例の説明図であ
る。
【図5】 本発明のインクジェット記録装置の実施の一
形態におけるバンドごとの温度制御動作の別の例を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1…記録ヘッド、2…コントローラ、3…ヘッド温度検
知用サーミスタ、4…環境温度検知用サーミスタ、5…
パーソナルコンピュータ、11…ノズル、12…動作方
向、13…ホームポジション、14…データ終了位置、
15,16…走査限界、17…記録媒体送り方向、18
…ガイドレール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41J 29/46 B41J 3/04 104K

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルと、インクを加熱すること
    によって前記ノズルからインクを吐出させるための加熱
    手段を有する記録ヘッドを用い、所定幅の画像記録を複
    数回行なうことによって画像を形成するインクジェット
    記録装置において、前記記録ヘッドの温度を検知する第
    1の温度検知手段と、環境温度を検知する第2の温度検
    知手段と、前記加熱手段の駆動制御を行なう制御手段を
    有し、該制御手段は、前記所定幅の画像記録を行なう前
    ごとに、前記第1の温度検知手段および前記第2の温度
    検知手段から得られる前記記録ヘッドの温度および前記
    環境温度を基に前記加熱手段に与える電気パルス量を決
    定し、該電気パルス量に基づき前記加熱手段がインクを
    吐出しない程度に前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッ
    ドを加熱するように制御することを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記記録ヘッドの温度および前
    記環境温度と前記加熱手段に与える電気パルス量とを対
    応づけたパラメータテーブルを有し、前記制御手段は、
    該パラメータテーブルを参照して前記記録ヘッドの温度
    および前記環境温度から前記加熱手段に与える電気パル
    ス量を決定することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記所定幅の画像記録
    をN回の記録走査によって行なうように制御するととも
    に、N回の記録走査の前ごとに前記電気パルス量に基づ
    いて前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッドの加熱を行
    なうように制御することを特徴とする請求項1または2
    に記載のインクジェト記録装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記所定幅の画像記録
    をN回の記録走査によって行なうように制御するととも
    に、N回中M(N>M)回の記録走査の前に前記電気パ
    ルス量に基づいて前記加熱手段を駆動して前記記録ヘッ
    ドの加熱を行なうように制御することを特徴とする請求
    項1または2に記載のインクジェト記録装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記第1の温度検知手
    段から得られる前記記録ヘッドの温度または前記第2の
    温度検知手段から得られる前記環境温度が指定温度以下
    の場合に、前記電気パルス量に基づいて前記加熱手段を
    駆動して前記記録ヘッドを加熱するように制御すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット
    記録装置。
  6. 【請求項6】 前記指定温度は、前記環境温度で20℃
    未満および前記記録ヘッドの温度で30℃以下であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装
    置。
  7. 【請求項7】 複数のノズルと、インクを加熱すること
    によって前記ノズルからインクを吐出させるための加熱
    手段を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドの温度を検知
    する第1の温度検知手段と、環境温度を検知する第2の
    温度検知手段を有するインクジェット記録装置の温度制
    御方法において、所定幅の画像記録を複数回行なうこと
    によって画像を形成するとともに、前記所定幅の画像記
    録を行なう前ごとに、前記第1の温度検知手段および前
    記第2の温度検知手段から得られる前記記録ヘッドの温
    度および前記環境温度を基に前記加熱手段に与える電気
    パルス量を決定し、該電気パルス量に基づき前記加熱手
    段がインクを吐出しない程度に前記加熱手段を駆動して
    前記記録ヘッドを加熱することを特徴とするインクジェ
    ット記録装置の温度制御方法。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット記録装置はさらに前
    記記録ヘッドの温度および前記環境温度と前記加熱手段
    に与える電気パルス量とを対応づけたパラメータテーブ
    ルを有しており、前記所定幅の画像記録を行なう前ごと
    に、前記パラメータテーブルを参照して前記第1の温度
    検知手段および前記第2の温度検知手段から得られる前
    記記録ヘッドの温度および前記環境温度を基に前記加熱
    手段に与える電気パルス量を求め、該電気パルス量に基
    づき前記加熱手段がインクを吐出しない程度に前記加熱
    手段を駆動して前記記録ヘッドを加熱することを特徴と
    する請求項7に記載のインクジェット記録装置の温度制
    御方法。
  9. 【請求項9】 前記所定幅の画像記録をN回の記録走査
    によって行なうとともに、少なくともM(N≧M)回の
    記録走査の前に前記電気パルス量に基づいて前記加熱手
    段を駆動して前記記録ヘッドの加熱を行なうことを特徴
    とする請求項7または8に記載のインクジェト記録装置
    の温度制御方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の温度検知手段から得られる
    前記記録ヘッドの温度または前記第2の温度検知手段か
    ら得られる前記環境温度が指定温度以下の場合に、前記
    電気パルス量に基づいて前記加熱手段を駆動して前記記
    録ヘッドを加熱することを特徴とする請求項7または8
    に記載のインクジェット記録装置の温度制御方法。
JP28694596A 1996-10-29 1996-10-29 インクジェット記録装置およびその温度制御方法 Pending JPH10128958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28694596A JPH10128958A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 インクジェット記録装置およびその温度制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28694596A JPH10128958A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 インクジェット記録装置およびその温度制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10128958A true JPH10128958A (ja) 1998-05-19

Family

ID=17710993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28694596A Pending JPH10128958A (ja) 1996-10-29 1996-10-29 インクジェット記録装置およびその温度制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10128958A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001085A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Canon Finetech Inc 記録装置及び記録装置の環境温度センサの接続状態判定方法
KR100708148B1 (ko) * 2005-06-25 2007-04-17 삼성전자주식회사 인쇄장치의 헤드칩예열방법
CN106364162A (zh) * 2016-08-25 2017-02-01 常州纳捷机电科技有限公司 温控动喷墨绘图仪

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001085A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Canon Finetech Inc 記録装置及び記録装置の環境温度センサの接続状態判定方法
JP4634234B2 (ja) * 2005-06-22 2011-02-16 キヤノンファインテック株式会社 記録装置及び記録装置の環境温度センサの接続状態判定方法
KR100708148B1 (ko) * 2005-06-25 2007-04-17 삼성전자주식회사 인쇄장치의 헤드칩예열방법
CN106364162A (zh) * 2016-08-25 2017-02-01 常州纳捷机电科技有限公司 温控动喷墨绘图仪

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5072573B2 (ja) 記録装置及び記録ヘッドの制御方法
US8038249B2 (en) Ink jet recording apparatus, and method for controlling recording head temperature
JPH05238003A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法およびその記録物
JPH03227636A (ja) 液体噴射記録装置
JP5235436B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3099549B2 (ja) インクジェット記録装置におけるヘッド予備駆動方法
JP5037762B2 (ja) インクジェット記録装置、及びインクジェット記録装置におけるヘッド温度制御方法
US9981468B2 (en) Ink jet printing apparatus and method for controlling inkjet printing apparatus
US7857409B2 (en) Ink jet printing apparatus and ink jet printing method
JP2007268762A (ja) インクジェット記録装置およびその温度制御方法
JP7451257B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5850723B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5906042B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP4290074B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JPH10128958A (ja) インクジェット記録装置およびその温度制御方法
US8474941B2 (en) Inkjet printing apparatus and inkjet printing method
US8096631B2 (en) Ink-jet type image-forming apparatus and ink-jet type image-forming method
JP2004122533A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP4780882B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US7040731B2 (en) Method of adjusting the velocity of a printhead carriage according to the temperature of the printhead
JP2022072511A (ja) インクジェット記録装置、制御方法及びプログラム
JPH03247457A (ja) 記録装置
JPH0531886A (ja) 液体噴射記録装置
JPH0789100A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JPH06115074A (ja) 印字装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040706