JP5906042B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録装置は、インクを吐出するための複数の吐出口からなる吐出口列を有する記録ヘッドを記録媒体に対して走査する動作と、記録ヘッドを走査する方向とは交差する方向に記録媒体を搬送する搬送動作とを繰り返して画像を形成している。インクは、吐出口に対応するように設けられたエネルギー発生素子(以下、ヒータとも称する)が発生する熱エネルギーにより膜沸騰を起こし、この際に生じる気泡の圧力により吐出口から吐出されることで、記録媒体に着弾する。
このような記録動作に用いられるインクは、温度に依存して粘度が変化するため記録ヘッドの温度に依存して吐出されるインク滴の量にばらつきがでることが知られている。具体的には、記録ヘッドの温度が低いとインク粘度が上がるため、インク滴が吐出口から吐出されにくくなり吐出量が少なくなる。逆に記録ヘッドの温度が高いとインク粘度が下がるため、インク滴が吐出口から吐出されやすくなり吐出量が多くなる。インクの吐出量がばらつくと、記録媒体上の画像の色むらとして視認されることになるため記録品位の低下を招くこと懸念される。つまりインク吐出量を一定に保ち安定した記録動作を行うために、インクの温度は非常に重要なパラメータであるといえ、記録媒体への記録動作を開始する前に、記録ヘッド内のインク温度を一定となるように加熱を行う必要がある。
特許文献1には、プリント動作中の記録ヘッドの領域を、吐出準備領域や吐出領域等に区分して加熱制御を行うことが開示されている。吐出準備領域は記録動作を開始する前の領域に記録ヘッドが位置する状態であり、この領域では全てのヒータをインクが吐出されない程度にまで駆動して所望の温度まで記録ヘッドを加熱する。吐出領域は記録媒体に記録可能な領域であり、駆動するヒータにはインクを吐出可能な駆動パルスを印加し、駆動しないヒータにはインクが吐出されない程度の駆動パルスを印加している。このように記録動作中はインクの吐出の如何にかかわらず、記録ヘッドの発熱量が一定となるようにヒータを駆動している。
特開平11−192727号公報
ところで、近年のインクジェット記録装置は、高速印字・高画質印字といった様々なユーザーの要望に応えるために種々の記録モードを用いて記録動作を行うことができる。例えば高画質モードではインクの色によってインク滴の記録媒体への着弾順を制御するような記録動作を行っており、吐出口列の使用領域を色ごとに変えて使用している。即ち高画質モードでは、吐出口列の全ての吐出口を使用せずに印字動作を行っている。一方、高速記録モードでは、吐出口列の全ての吐出口を使用して、少ないパス数記録動作を行うことで高速化を達成している。
このような種々の記録モードを有するインクジェット記録装置において、特許文献1のようにインクの吐出の如何にかかわらず全てのヒータを加熱するように制御すると、高画質モードを行う際に使用領域以外のヒータでも常に加熱されることになる。このような非使用領域のヒータは、記録モードが変更されるまで記録動作には用いられない。
そのため凝集しやすい顔料インク等を用いた場合には、溶媒のみが揮発していき吐出口内でインクの凝集(増粘、固着)が発生してしまうことになる。そのため全てのヒータを使用するような記録モードに変更した場合に、吐出口の詰まり等の吐出不良が発生し、吐出不良や吐出口の詰まりが発生すると記録品位の低下を引き起こすことが懸念されている。
なお、このような吐出不良を解消するために予備吐出動作等の回復動作を行う方法もあるが、多量のインクを用いる必要がありインクの消費量が著しく増加することになる。
従って本発明は必要以上の回復動作を行わずとも、信頼性の高い記録動作を行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
上記課題を鑑みて、本願発明は、画像の記録を行うために液体を吐出するために用いられる熱エネルギーを発生してN個のエネルギー発生素子が所定方向に配列された素子列を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記記録ヘッドの温度に関する情報に基づいて、液体が吐出されない程度に前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することにより熱エネルギーを発生して前記記録ヘッドを加熱する加熱手段と、前記素子列内のM(M<N)個のエネルギー発生素子による液体の吐出を許容する第1の記録モードを少なくとも含む複数の記録モードの中から実行する記録モードを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された記録モードにしたがって、前記記録ヘッドを前記記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させながら、前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することにより前記記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、前記加熱手段は、前記選択手段によって前記第1の記録モードが選択された場合、前記記録制御手段によるインクの吐出を伴った走査と走査の間に、前記M個のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加し、前記M個のエネルギー発生素子以外には駆動パルスを印加しないことを特徴とする。
本発明によれば、記録モードで使用される領域のエネルギー発生素子以外は保温制御を行わないため、インク中の溶媒の揮発を低減し吐出不良を防止することができる。これにより、必要以上の回復動作を行わずとも、信頼性の高い記録動作を行うことができるインクジェット記録装置を提供することができる。
記録装置を模式的に示した斜視図である。 記録ヘッドの斜視図及び記録ヘッド用基板の切断面図である。 記録装置のシステム概略構成を表すブロック図である。 エネルギー発生素子に供給される駆動パルスを示した図である。 第一の実施形態に係る保温制御用ノズル設定シーケンスを示すフローチャートである。 記録装置の記録モードを示す一覧及び記録ヘッド用基板の拡大図である。 第一の実施形態に係る保温制御シーケンスを示したフローチャートである。 第二の実施形態に係る記録ヘッド内の温度分布及び保温制御条件を示した模式図である。 他の実施形態に係る記録ヘッド内の温度分布及び保温制御条件を示した模式図である。
インクジェット記録装置はインクを吐出して記録媒体に対して記録動作を行うために用いることができる。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や、工業用生産機器などを挙げることができる。このようなインクジェット記録装置を用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。
本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに「インク」とは広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
<記録装置概要>
初めに、図1を用い本発明を適用可能なインクジェット記録装置302の全体的な構成、及び動作を説明する。
図1において紙送りローラー101は、記録媒体102を1対のローラーで挟み込むようになっており、回転することにより記録媒体102を矢印c方向の副走査方向に移動させる。記録ヘッドはプラテン106に対向する面に複数の吐出口(以下、ノズルとも称する)からなる吐出口列を備えている。また、記録ヘッド105はキャリッジ104に着脱可能に取り付けられ、キャリッジ駆動手段(図示せず)によりキャリッジが主走査ガイド103に沿って矢印a,b方向に動くことにより記録媒体に対して走査(以下主走査と記載する)される。なお記録ヘッド105はインク供給装置(図示せず)に結合され、インクが供給される。記録時には記録媒体102がプラテン106と記録ヘッド105の間でプラテン106に保持されることにより、記録媒体と記録ヘッドの間隔が適正になるように保たれる。
記録ヘッド105は、インクの吐出性能を回復するために、画像の記録に寄与しないインクを吐出口から吐出(予備吐出)することができる。インクジェット記録装置には、予備吐出動作時に吐出口から吐出されるインクを受容するために、プラテン106上の基準側(HP側とも称する)と非基準側(BP側とも称する)の位置に予備吐出口107が備えられている。予備吐出動作時には、キャリッジ104が予備吐出口107上に移動して、記録ヘッドの吐出口から予備吐出口107に向かってインクを吐出する。往方向記録後の予備吐出動作時には、非基準側の予備吐出口107にインクを吐出し、復方向記録後の予備吐出動作時には、基準側の予備吐出口107にインクを吐出する。
また図1には示されていないが、このインクジェット記録装置は記録媒体を紙送りローラーまで供給する記録媒体供給手段や記録が終わった記録媒体を取り出す記録媒体排出手段を備えている。
記録開始の指令信号が入力されると、記録媒体102が矢印C方向に紙送りローラー101により印刷開始位置に送られる。続いて、記録ヘッド105が主走査しながら記録ヘッドの記録モードに応じた領域の範囲内の吐出口を用いて記録媒体上にインクを吐出して記録が行われる。その後、紙送りローラー101により所定量記録媒体が送られ(以下この動作を副走査と記載する)、再び記録ヘッド105が主走査を行いながら記録媒体上にインクを吐出する。この主走査と副走査とを繰り返すことにより記録動作が行われる。記録媒体への記録動作が行われた後、記録媒体が排出される。
<ブロック図>
図3は、本発明に適用可能なインクジェット記録装置のシステム概略構成を表すブロック図である。プリンタ制御部304は、インクジェット記録装置302全体を制御する。画像データ変換部305は、ホスト装置301からインターフェイス(I/F)303を介して送信されてくる画像データを、記録ヘッドを制御するためのデータ形式(すなわち、インクを吐出するか否かを示すデータ形式)に変換する。プリンタ記憶装置306は画像データを記憶するために用いられる。記録制御部307では画像データ変換部305から送られる情報により、記録モードを決定し使用する吐出口列の領域を決定する。さらに記録制御部307は、吐出性能回復制御部308、搬送制御部309、キャリッジ制御部310、およびヘッド制御部311を制御する。搬送制御部309は、記録媒体の副走査方向の移動を制御し、キャリッジ制御部310は、キャリッジの移動を制御する。吐出制御部20は、記録ヘッド105からのインクの吐出を制御し、吐出性能回復制御部308は、記録ヘッドの吐出性能を回復させるための予備吐出動作等の回復動作を制御する。
<記録ヘッド>
図2(a)は本発明を適用可能な記録ヘッドの模式的な斜視図である。図2(b)は図2(a)のA−A’に沿って記録ヘッド用基板41の切断面図を示したものである。
記録ヘッド105には、色ごとに記録ヘッド用基板41が設けられており、記録ヘッド用基板41にはインクジェット記録装置のインクタンク(不図示)から供給部23を介して各色のインクが供給される。このような色の種類としては例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)を用いることができる。各色の記録ヘッド用基板41には、600dpiの間隔の列が2列交互に位置するように設けられており、1200dpi間隔の256個の吐出口201が配置されており、吐出口列を構成している。さらに吐出口列の両端部には、記録ヘッド用基板41の温度をモニターするための温度検出センサー202が設けられている。
記録ヘッド用基板41は、トランジスタ等の駆動素子を備えたシリコンからなる基体1の上に、絶縁材料である熱酸化層2と蓄熱層4とが設けられている。蓄熱層4の上に、通電により発熱する材料からなる発熱抵抗層6が設けられ、発熱抵抗層6上に導電材料で一対の電極7が設けられている。具体的には、発熱抵抗層の材料としてはタンタルシリコンナイトライド(TaSiN)や、タングステンシリコンナイトライド(WSiN)等の高融点材料をも散ることができる。また、一対の電極7の材料としては、アルミニウム、銅、銀等の発熱抵抗層の材料より低抵抗な、導電性を有する材料を用いることができる。この一対の電極7の間に通電することで、発熱抵抗層6の一対の電極7の間に位置する発熱抵抗層6の部分が発熱するため、この部分がエネルギー発生素子12となる。発熱抵抗層6と一対の電極7は、絶縁性材料からなる絶縁層8で被覆し、さらにその上には耐キャビテーション層として用いられる保護層10を設けてもよい。エネルギー発生素子12に対向する位置には、流路形成部材14で設けられた吐出口201が位置している。すなわち吐出口列に対応する位置には、複数のエネルギー発生素子12を配置してなる素子列が設けられている。さらに流路形成部材14は、流路46の壁14aも構成している。記録ヘッド用基板41には基体1を貫通する供給口47が設けられており、供給部23から供給されたインクは、供給口47を介して流路46に送られ、エネルギー発生素子12の発生する熱エネルギーにより膜沸騰を起こすことで吐出口から吐出される。
図4にエネルギー発生素子12を駆動するために用いられる駆動パルスの一例を示す。図4(a)のようにインクが発泡しないパルス幅のプレパルスP1とインクが発泡するパルス幅のメインパルスP2とを組み合わせたものや、図4(b)のようなメインパルスP2のみの電圧パルスを用いることでインクを吐出口から吐出することができる。また、図4(c)のようにインクが発泡しない条件のパルス幅の短い(すなわちエネルギー発生素子への通電時間が短い)パルスP3を用いて複数回通電してエネルギー発生素子12を用いて加熱することで、記録ヘッド用基板41の保温制御を行うことができる。
本発明のインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの記録媒体上での記録走査を開始する前に、記録領域ではないHP側とBP側とで保温制御を行い、温度を均一にした状態で記録動作が行われる。
このような保温動作の具体的な実施形態を以下説明する。
(第一の実施形態)
図5は本実施形態における保温制御用ノズルの設定シーケンスの一例を示すフローチャートである。まず、ホスト装置301から入力された画像データを読み込む(S501)。次に画像データに付随しているヘッダ情報等から記録モードの情報を入手する(S502)。
ここで記録動作に際し使用する素子列の使用領域の情報が取得される。次にS502で取得したと使用領域の情報に基づき、保温制御用の素子列の使用領域設定を行う(S503)。この記録動作で使用する素子列の使用領域と、保温制御用の素子列の使用領域は等しくなるように設定する。
図6(a)は本実施形態のインクジェット記録装置において設けられている記録モードを示した表である。なおマルチパス記録とは、記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドを複数回走査して補完して記録画像を完成させる記録のことをいい、2パスとは記録ヘッドを2回走査することを言う。図6(b)は、記録ヘッド用基板41を拡大した模式図である。256個の吐出口201は、搬送方向上流側から下流側に向かう方向に沿って配列されており、ここでは便宜的にNo.1〜No.256の番号を振る。
吐出口列の全領域(全ノズル幅)使用する記録モードとしては例えば2パス(記録モード1)、4パス(記録モード2)、8パス(記録モード3)がある。吐出口列の使用領域を限定するモードとしては10パス(記録モード4)、12パス(記録モード5)のマルチパス記録が設定されている。各記録モードで使用されるノズル幅は画像形成の観点より副走査1回分の長さ(記録媒体送り量)の整数倍とする必要があるが吐出口の数が256個の記録ヘッド用基板41を用いた場合には10と12は割り切れないため使用する吐出口列の領域を限定している。
さらに記録モード6は高画質に対応する記録モードである。顔料インクのような上乗せ系のインクを用いる記録装置では、透過率の低い(明度の低い:例えばC,M)インクが、相対的にインクの透過率の高いインク(明度の高い:例えばLC,LM)の上層に定着した場合、発色特性が低下する懸念がある。そのため図5の記録モード6のように、記録媒体の搬送方向である副走査方向に配列された素子列を2つに分割して使用する。この際インクの透過率の低いインクは先に記録媒体に定着するように記録ヘッドの搬送方向下流側に対応する素子列の領域を用いて記録し、インクの透過率の高いインクは搬送方向上流側に対応する素子列の領域を用いて記録する。このようにインクに応じて使用する素子列の領域を選択する事で、低明度グループの記録色を先行で定着させ、高明度グループに属する記録色成分に関しては前記低明度グループに属するインクよりも遅延して記録媒体に定着させることができる。
このような記録モードに応じて、使用されるノズル領域は適宜変更可能であり、記録媒体のページ毎に変更させることもできる。いずれの記録モードにおいても、記録を行う前の保温制御の際には、当該記録モードで使用されるノズル領域のノズルに対応するエネルギー発生素子を使用して、インクが吐出されない程度の駆動パルスを用いて、通電することで保温制御が行われる。
続いて図7を用いて記録モードの選択結果に基づき実施されるシーケンスについて説明する。ここではキャリッジの記録走査毎(すなわち記録走査1回ごと)に保温制御を行う例を示す。図7では各記録走査を第n記録走査と示す(nは自然数)。
まず図5にて選択された、記録モードに対応する素子列の領域に関する情報(即ち使用する吐出口)を取得する(S701)。すなわち保温制御で使用する素子列の領域である。さらにS703では記録ヘッド用基板41を保温する目標温度や、保温制御の際にエネルギー発生素子12に供給するパルス幅条件等の制御情報も取得する。保温制御の際に各記録モードに対応するエネルギー発生素子12に供給する電圧は、図4(c)のようなインクが発泡しない条件の電圧パルスである。次に、温度検出センサー202で測定した温度が、記録ヘッド用基板41の目標温度に到達したかどうか判断し(S703)、達していない場合には移り保温制御を開始する(S704)。このとき選択された領域に属するエネルギー発生素子12全てにおいて、インクが発泡しない程度のパルス幅の電圧パルスを印加することで記録ヘッド用基板41の保温制御を行う。この時選択された記録モードで使用しない領域のエネルギー発生素子12には電圧を印加しない。さらに保温制御開始後は逐次記録ヘッドの温度を取得し目標温度に到達したかどうか判断を行う(S705)。記録ヘッド105の目標温度に到達した後は続くS706に移行し保温制御を終了し、必要であれば予備吐出動作(S707)を行いキャリッジを走査して第n記録走査を開始する(S708)。記録走査においては、選択された記録モードに対応する素子列の領域に属するエネルギー発生素子12のいずれかを使用して記録媒体にインクを吐出する。全ての記録走査が終了するまでこれらの動作を繰り返し行うことで画像の形成を行う(S709)。
以上のように記録モードによって選択された素子列の領域に属するエネルギー発生素子12を用いることにより、使用しない領域の流路内のインクを加熱することなく記録ヘッドの保温制御を行うことができる。つまり流路内のインクの溶媒が必要以上に揮発することを防止することができ、吐出口の詰まり等による吐出不良を防止することができる。これにより記録モードを変更した際に執拗に回復動作を行わなくとも画像品位を保つことができ、信頼性の高い記録動作を行うことができるインクジェット記録装置を提供することができる。
なお本願発明は、顔料インクと、顔料インクが定着された後の記録媒体表面に画像堅牢性を向上させるために用いる樹脂成分等からなる処理液と、を用いる記録モードの場合も用いることができる。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、保温制御の際にエネルギー発生素子12に供給するエネルギー量(電圧パルス)が一律の条件の例を示したが、本実施形態においては、エネルギー発生素子12ごとに供給する、保温制御の際に供給するエネルギー量を変化させる例を示す。なお第一の実施形態と異なる部分についてのみ説明を行う。
図8は第一の実施形態に示すような保温制御を実施した際の温度分布を示したものである。記録ヘッド用基板41のエネルギー発生素子12が密に配列されている素子列の中央付近は、熱が放熱されにくくこもりやすいため、温度が上昇しやすい傾向がある。一方素子列の端部付近においては、熱が拡散されやすいため温度上昇が抑えられる傾向がある。
そのため、素子列のNo.1〜No.256のエネルギー発生素子12の素子群801をそれぞれ同じ条件で保温制御を行うと、実際の記録ヘッド用基板41の温度分布は、803のような分布となる。また、素子列のNo,1〜No,128のエネルギー発生素子12の素子群802をそれぞれ同じ条件で保温制御を行うと、記録ヘッド用基板41の温度分布は804のような温度分布となる。すなわち、使用する素子群の中央部に対応する場所に温度ピークを有する分布となることがわかる。このような温度分布が生じると、インクの粘度に変化が生じて吐出口の位置によって吐出量にばらつきが生じて、色ムラが発生する可能性がある。
この温度分布を改善するために本実施系形態においては、図8(b)に示すようにエネルギー発生素子12の使用領域の中央部に供給するエネルギー量より、端部に供給するエネルギー発生素子12へのエネルギー量を少なくする。すなわち使用領域における中央付近の供給するエネルギー量を最も少なく設定し、中央からの距離に応じて徐々に供給するエネルギー量を増やしていく(曲線805,曲線806)。このようなエネルギー量は、図4(c)に示すようなインクが発泡しないような条件のパルスP3を印加する回数を変化させることで制御することができる。具体的には、使用領域の中央付近のエネルギー発生素子12から端部付近のエネルギー発生素子12に近づくにつれて、印加するパルスの回数を徐々に増やしていく。なお、電圧振幅の調整や駆動周波数の調整により供給するエネルギー量を制御することもできる。使用する領域におけるエネルギー発生素子12の位置に応じて供給するエネルギー量を制御することにより、使用領域内の温度分布をさらに減らすことができ吐出量の均一化を図ることができる。
さらに記録モードに対応するエネルギー発生素子12の使用領域が制限されている場合には(素子群801)、対応しないエネルギー発生素子12には保温制御のためのエネルギー量を供給しない。これにより使用しない領域の流路内のインクの溶媒が、必要以上に揮発することを防止することができ、吐出口の詰まり等による吐出不良を防止することができる。これにより記録モードを変更した際に執拗に回復動作を行わなくとも画像品位を保つことができ、信頼性の高い記録動作を行うことができるインクジェット記録装置を提供することができる。
なお図8においては素子列の使用領域の中央を起点に、そこからの距離に応じて徐々に供給するエネルギー量を変化させる例を示したがこれに限られるものでない。即ち図9(a)に示すように同じエネルギー量を供給した際にピークとなる部分が、記録ヘッド用基板41の放熱特性に応じて中央からずれる場合もある(曲線901)。このような場合には、図9(b)のようにピークとなる部分から徐々に端部に向けて供給するエネルギー量が小さくなるように制御することが好ましい。
12 エネルギー発生素子
41 記録ヘッド用基板
201 吐出口
202 温度検出センサー
302 インクジェット記録装置

Claims (11)

  1. 画像の記録を行うために液体を吐出するために用いられる熱エネルギーを発生してN個のエネルギー発生素子が所定方向に配列された素子列を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記記録ヘッドの温度に関する情報に基づいて、液体が吐出されない程度に前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することにより熱エネルギーを発生して前記記録ヘッドを加熱する加熱手段と、
    前記素子列内のM(M<N)個のエネルギー発生素子による液体の吐出を許容する第1の記録モードを少なくとも含む複数の記録モードの中から実行する記録モードを選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された記録モードにしたがって、前記記録ヘッドを前記記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させながら、前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することにより前記記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行う記録制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
    前記加熱手段は、前記選択手段によって前記第1の記録モードが選択された場合、前記記録制御手段によるインクの吐出を伴った走査と走査の間に、前記M個のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加し、前記M個のエネルギー発生素子以外には駆動パルスを印加しないことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記複数の記録モードは、前記素子列内のL(M<L≦N)個のエネルギー発生素子による液体の吐出を許容する第2の記録モードを更に含み、
    前記加熱手段は、前記選択手段によって前記第2の記録モードが選択された場合、前記記録制御手段によるインクの吐出を伴った走査と走査の間に、前記L個のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加し、前記L個のエネルギー発生素子以外には駆動パルスを印加しないことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. L=Nであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1の記録モードは、前記記録制御手段によって前記記録ヘッドを前記単位領域に対して第1の回数走査させて記録を行う記録モードであって、
    前記第2の記録モードは、前記記録制御手段によって前記記録ヘッドを前記単位領域に対して前記第1の回数よりも少ない第2の回数走査させて記録を行う記録モードであることを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記加熱手段は、前記取得手段によって取得された前記情報が示す記録ヘッドの温度が所定の温度よりも低い場合に前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加し、且つ、前記取得手段によって取得された前記情報が示す記録ヘッドの温度が前記所定の温度以上である場合に前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加しないことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記加熱手段は、前記選択手段によって前記第1の記録モードが選択された場合、前記素子列内の前記M個のエネルギー発生素子以外の(N−M)個のエネルギー発生素子には駆動パルスを印加しないことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記加熱手段は、前記選択手段によって前記第1の記録モードが選択された場合、前記素子列内の前記M個のエネルギー発生素子のうちの前記所定方向における一方の端部のエネルギー発生素子から発生する熱エネルギーが、前記素子列内の前記M個のエネルギー発生素子のうちの前記所定方向における中央部のエネルギー発生素子から発生する熱エネルギーよりも高くなるように、前記M個のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記加熱手段は、前記取得手段により取得された前記情報が示す前記記録ヘッドの温度に応じて互いに異なるパルス幅を有する複数の駆動パルスの中から1つの駆動パルスを決定し、決定された駆動パルスを前記素子列内のエネルギー発生素子に印加することで熱エネルギーを発生して前記記録ヘッドを加熱することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記液体は、少なくとも顔料を含有するインクであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記素子列内の前記N個のエネルギー発生素子は、同じ色のインクを吐出するために用いられる熱エネルギーを発生することを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 画像の記録を行うために液体を吐出するために用いられる熱エネルギーを発生してN個のエネルギー発生素子が所定方向に配列された素子列を有する記録ヘッドを用いて画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記記録ヘッドの温度に関する情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記記録ヘッドの温度に関する情報に基づいて、液体が吐出されない程度に前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することにより熱エネルギーを発生して前記記録ヘッドを加熱する加熱工程と、
    前記素子列内のM(M<N)個のエネルギー発生素子による液体の吐出を許容する第1の記録モードを少なくとも含む複数の記録モードの中から実行する記録モードを選択する選択工程と、
    前記選択工程によって選択された記録モードにしたがって、前記記録ヘッドを前記記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させながら、前記素子列内のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加することにより前記記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行う記録制御工程と、を有し、
    前記加熱工程は、前記選択工程によって前記第1の記録モードが選択された場合、前記記録制御工程によるインクの吐出を伴った走査と走査の間に、前記M個のエネルギー発生素子に駆動パルスを印加し、前記M個のエネルギー発生素子以外には駆動パルスを印加しないことを特徴とするインクジェット記録方法。
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