JPH0789100A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

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JPH0789100A
JPH0789100A JP23963493A JP23963493A JPH0789100A JP H0789100 A JPH0789100 A JP H0789100A JP 23963493 A JP23963493 A JP 23963493A JP 23963493 A JP23963493 A JP 23963493A JP H0789100 A JPH0789100 A JP H0789100A
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ejection
recording
ink
discharge
head
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JP23963493A
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Shinichi Hirasawa
伸一 平澤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録ヘッドにおける吐出口毎
の吐出量のばらつきに起因した記録画像の濃度ムラを視
認し難くし高品位な記録を行う。 【構成】 記録動作中20msec毎に、ヘッド温度T
hを検知して(S82)、これに各吐出口毎に定められ
るTrを加算し(S83)、この加算値に基づいて、吐
出駆動にかかるパルスの幅P1を設定し吐出する(S8
4)。上記吐出口毎のTrは一定期間毎にランダムに設
定される(S86)。これにより、各吐出口の吐出量ば
らつきのパターンが上記一定期間毎に変更される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吐出口よりインクを吐出
することで形成された飛翔的液滴を用いて記録を行なう
インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
に関し、特に、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
るインクジェット記録装置およびインクジェット記録方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱エネルギーを利用するインクジェット
記録方式は、一般に飛翔的液滴を形成する手段として電
気熱変換素子を用い、ここで発生する熱エネルギーを熱
作用面でインクに作用させてこれを気化し、気化蒸気の
圧力エネルギーでオリフィス(吐出口ともいう)から飛
翔的液滴としてインクを吐出し記録を行なう。
【0003】このような記録に用いる複数のインク吐出
口を備えたインクジェットヘッド(以下、マルチノズル
ヘッドという)では、吐出口毎の吐出体積は、何回かの
吐出を平均としてみた場合でもわずかに異なることが多
い。このことは、記録画像の濃度ムラとして視認できる
ことが多く、画像品位の点で問題となっていた。さらに
前記吐出体積の平均値は使用時間とともに変化するので
前記ムラの見えかたも使用時間に対応して変化してしま
うという問題もあった。
【0004】上記問題点の解決手段として従来から様々
な提案が行なわれてきた。
【0005】なかでも、マリチノズルヘッドからの吐出
によって作成したテストパターンを読み取ることによっ
て、マルチノズルヘッドの濃度ムラ量を算出し、その結
果にもとづく濃度ムラ補正データで上記マルチノズルヘ
ッドの各記録素子に入力する画像信号を補正し、濃度ム
ラを解消する方法が提案されている。この方法によれ
ば、補正直後の記録画像はムラがなく高品位を実現でき
るが、前述のように使用時間に伴いムラが変化するの
で、再補正を繰り返す必要がある。また、この場合、上
記画像信号補正手段等を記録装置に組み込む必要がある
ために装置が大型かつ高価になるという問題を生じる。
【0006】他の提案として特開平3−221459号
公報に開示されるものがある。この提案によれば、吐出
エネルギー調整手段でインク滴の吐出スピードあるいは
吐出量を所望の範囲内で不規則に変化させ、記録画像の
ムラを目立たなくすることができる。しかしながら、こ
の提案では、吐出スピードあるいは吐出体積を不規則に
絶えず変化させているため、これら変化は吐出量の平均
化されたものとして認識され、各吐出口毎の上記平均値
が保存されたままとなることがある。
【0007】さらに、記録中のヘッド温度変動に伴う吐
出体積変動による濃度変動を補正するために、画像信号
をヘッド温度に応じて補正し記録画像の濃度変動(ム
ラ)をなくす、という提案もある。この方法によれば、
例えばA4紙一枚を一定の濃度で記録することができる
といった時間経過に伴なって生じる濃度差はなくなる
が、記録ヘッド内の吐出量のムラはそのまま残っている
のでムラの完全な解消となっていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】吐出体積の上記平均値
が吐出口毎にわずかに異なること及び上記平均値が使用
時間に伴い変化することを考察した結果以下のことが判
明した。
【0009】吐出体積の吐出口毎の平均値の分布の仕方
には特に規則性はない。従ってこれによって生じる濃淡
分布にも規則性はなく、たまたま吐出体積の大きな吐出
口が集中した部分によって記録される領域は濃度が高
く、吐出体積の小さな吐出口が集中した部分による記録
領域は濃度が低い。さらに平均値の変動の仕方にも規則
性がなく、不規則に大きくなったり小さくなったりす
る。
【0010】本発明は上記観点に基づいてなされたもの
であり、その目的とするところは記録ヘッドの吐出口毎
の吐出量のばらつきに起因した濃淡ムラを視認し難くし
常に高品位な記録を安定に行なうことが可能なインクジ
ェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
複数の吐出口を有し該吐出口からインクを吐出するため
の記録ヘッドを用い、該記録ヘッドから被記録材にイン
クを吐出して記録を行うインクジェット記録装置におい
て、前記記録ヘッドにおける吐出口毎に、当該インク吐
出量を変更することが可能な吐出量変更手段と、当該吐
出量の変更が平均化されずに前記複数の吐出口が有する
本来の吐出量パターンを認識できない所定の時間間隔で
前記吐出量変更手段を制御し、前記吐出口毎の吐出量を
ランダムに設定する吐出量設定手段とを備えたことを特
徴とする。
【0012】また、被記録材にインクを吐出して記録を
行うインクジェット記録方法において、複数の吐出口を
有し該吐出口からインクを吐出するための記録ヘッドを
用意し、当該吐出量の変更が平均化されずに前記複数の
吐出口が有する本来の吐出量パターンを認識できない所
定の時間間隔で、前記複数の吐出口の吐出量パターンを
ランダムに変更される各ステップを有したことを特徴と
する。
【0013】
【作用】以上の構成によれば、各吐出毎の吐出量がある
一定の時間間隔でランダムに変更され、これにより、記
録される画像の濃度ムラパターンは、上記間隔毎に変更
される。ここで上記一定の時間間隔は、ランダムな変更
が平均化されないだけの十分な長さを有しているため、
上記パターンは周期性を表わすことなく、視認し難いも
のとなる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例において、インク
ジェットの吐出駆動に使用する分割パルスを示す模式的
波形図である。
【0016】図1において、VOPは駆動電圧、P1は複
数に分割したヒートパルスの最初のパルス(以下プレヒ
ートパルス)のパルス幅、P2はインターバルタイム、
P3は本実施例では吐出を行なうための2番目のパルス
(以下メインヒートパルス)のパルス幅である。T1・
T2・T3はP1・P2・P3を決めるための時間を示
している。プレヒートパルスは本実施例では一つのみで
あるが、さらに多数に分割することも可能である。さら
にプレヒートパルスは吐出口内の熱作用部付近のインク
温度を制御するためにも用いることができ、吐出量制御
という重要な役割を担っている。プレヒートパルスのパ
ルス幅P1は、その印加でインク中に発泡現象が生じな
いような値に設定する。
【0017】インターバルタイムは熱作用面で極めて短
時間に発生する熱を熱作用面近傍のインクに伝えるため
の時間である。メインヒートパルスは熱作用面で吐出口
内のインクを急加熱して高圧の蒸気泡をつくり、この蒸
気泡の圧力によって吐出口よりインク滴が吐出される。
【0018】本実施例は上記P1・P2・P3を吐出口
毎に独立かつ不規則に設定することに特徴がある。
【0019】図2は本例に係る記録ヘッドの構造を示す
図である。
【0020】図2(A)および(B)において、1は上
記分割パルスの印加で熱を発生する電気熱変換素子であ
り、分割パルスを印加するための電極配線とともに基板
9上に配設される。基板9の材料はシリコンであり、ア
ルミ製の支持基板11で支持される。12は吐出口等を
構成するための溝を形成した天板であり、天板12と基
板9とを接合させてインク路3やこれにインクを供給す
る共通液室5を構成する。さらに天板12と一体に形成
されるオリフィスプレートにはインク路3に連通する吐
出口7が形成される。吐出口は400DPIの密度で図
2(B)の水平方向に128個形成される。
【0021】例えば、図2に示す記録ヘッドの31個の
吐出口a,b,cにおいて、駆動電圧VOP=18.0
(V),メインヒートパルス幅P3=4.0(μse
c)とし、プレヒートパルスP1を0.0〜3.0(μ
sec)の範囲で変化させたところ、図4に示すような
吐出体積Vd(ng)とP1の関係を得た。
【0022】図3は吐出体積のP1依存性を示してい
る。Vda,Vdb,Vdcは吐出口a,b,cそれぞれにつ
いてP1=0.0(μsec)の時の吐出体積であり、
吐出口によって僅かに差がある。本実施例の記録ヘッド
ではVda=18.0(ng),Vdb=18.7(n
g),Vdc=17.6(ng)である。
【0023】図3の曲線に示したようにプレヒートパル
スのパルス幅P1の増加に応じて吐出量VdはP1が0
からP1lmt まで線形性を持って増加し、P1lmt より
長い範囲では線形性を失い、P1max で最大となる。
【0024】このように、P1の変化にたいするVdの
変化が線形性を示すP1lmt までの範囲は、吐出量の制
御を容易に行なえる範囲として有効である。図3の曲線
aに示す場合は、P1lmt =1.87(μs)であり、
このときの吐出量はVlmt =24.0(ng)である。
またVd が飽和状態になるときのパルス幅は、P1max
=2.1(μs)であり、このときの吐出量はVmax
25.5(ng)である。
【0025】P1=0〜P1lmt (μsec)の範囲の
直線の傾きKpは温度によらず、記録ヘッド構造,駆動
条件,インク物性等によって決まる定数であるが、吐出
口によって若干のばらつきが生じる。図中の曲線a〜c
はこれを示している。しかしながら、本例の目的は、こ
れら傾きKpを記録ヘッドの全吐出口について平均した
値Ktを用いて達成でき、本例の記録ヘッドではKt=
3.21(ng/μsec)である。
【0026】図4は吐出体積Vdと、これを決定する別
の要因である記録ヘッドの温度(インクの温度)との関
係を示している。図に示すように記録ヘッドの環境温度
Tの増加に対して吐出体積Vdは直線的に増加する。こ
の直線の傾きは駆動条件によらず、記録ヘッドの構造,
インク物性等によって決まる定数である。この定数は本
例の記録ヘッドでは0.4(ng/℃)である。
【0027】ところで、吐出体積の吐出口全体の平均値
をVavとするとき、VdfはVavより数%小さく、
隣接する数吐出口は、その吐出体積がほぼVdfで[た
またま隣り合って]おり、この数吐出口を挟む吐出口群
は[たまたま隣り合って]ほぼVavまたはそれよりも
大きいとすると、この数吐出口による記録は相対的に薄
くなり濃度ムラとして認識される。
【0028】一方、前述のように、吐出体積の平均値が
吐出口毎に異なること、この異なり方に規則性がないこ
とと、さらに上記平均値は使用時間に伴い不規則に変化
することがわかっている。
【0029】従って、上記濃度ムラのごとき[たまたま
隣り合う]ことによって生じる現象はある確率で発生
し、この確率は吐出口の数が多いほど高くなる。すなわ
ち、高速記録を実現するため記録ヘッドあたりの吐出口
数を多くすると、濃淡ムラが発生しやすくなる。
【0030】さて、本実施例では記録方向と被記録材料
の移動方向が直交する、主走査方向と副走査方向を持つ
いわゆるシリアルスキャンタイプの記録方式を採る。こ
のタイプの記録方式の場合、上記濃淡ムラは一回の走査
による記録幅を周期とする繰り返しパターンとして現れ
るため、より認識し易くなる。
【0031】図5は、図2に示す記録ヘッドの吐出口毎
の吐出体積の平均値を使用開始時点と本例に関する吐出
制御を行なった後に測定した値を示している。
【0032】使用開始時点ではA領域が周囲より薄い記
録として認識され、さらにB領域も吐出口No.1側の
記録領域と隣り合うため相対的に薄い記録になる。これ
に対し本例の吐出制御後はかなりの変化をし、A,B領
域に代わりC領域が周囲より薄い記録として認識される
ようになる。
【0033】図6は各吐出口の吐出量制御の仕方を示す
説明図である。同図により吐出体積の制御原理を説明す
る。
【0034】吐出体積制御は以下の3つの領域からな
る。ヘッドの温度Thに対し Th≦To ヘッド温調による吐出体積制御 To<Th≦Tl 分割パルス幅変調による吐出体積制
御 Tl<Th 非制御領域 このようにヘッド温度Thが比較的低いTo以下の領域
では、従来より知られる記録ヘッドの温度制御で吐出体
積を制御し、Toよりも高くなると図1で説明したプレ
ヒートパルスのパルス幅を変化させて制御する。Toは
通常いわれるところの室温環境である25℃付近に設定
しておくと都合がよい。すなわち低温領域では、粘度が
高くなる等のインク物性の変化で発泡が不安定になるこ
とがあるからである。
【0035】ヘッド温度ThがToよりも高い領域は記
録による自己昇温や環境温度が高いときであり、この温
度をヘッドの温度センサーが検知し図7に示すテーブル
に従ってプレヒートパルス幅P1を変化させる。
【0036】図8は本例の吐出体積制御のシーケンスを
示すフローチャートである。
【0037】まず、ヘッド温度を検知し(S82)、次
に、このヘッド温度にある定数Trを加え(S83)、
この値によって図7に示すテーブルを参照してプレヒー
トパルス幅を設定し吐出を行なう(S84)。以上の手
続きを一定の時間間隔(20msec)毎に行なう。こ
の時、カウンタCで何回行なったかを計数し、C=nと
なったときに乱数により、定数Trを変更する。このT
rを吐出口毎に変更することに本発明の特徴がある。す
なわちヘッド温度にTrを加えることで各吐出口の吐出
体積の平均値をヘッド温度差Tr相当分制御し、このT
rをある期間毎かつ吐出口毎に不規則に変えることで、
ヘッドの吐出口毎の吐出量ばらつきのパターンを変化さ
せることができる。この結果ある時点の濃淡ムラとそれ
から一定期間後の濃淡ムラとでそのパターンを異ならせ
ることができ、記録範囲全体では濃淡ムラの認識しにく
い高品位の記録を行なうことができる。
【0038】本実施例ではヘッド温度検知を20mse
c間隔で行ない、nを記録ヘッドの主走査一回相当時間
に設定する。Trの値は、前述した様に数%の吐出体積
変化でムラが変わるので、本実施例ではヘッド温度で−
2〜2℃の底上げを一様乱数で定めるようにする。
【0039】以上の方法で記録を行なった結果、局部的
には(1走査ラインにおける)ムラは無くならないが、
特に走査の繰り返しによる記録幅を周期とするムラパタ
ーンがなくなり全体的にムラの目立たない高品位記録が
可能になる。
【0040】本実施例ではnを記録ヘッドの主走査一回
相当時間としたが、これに限られるものではない。但
し、n=1にすると、乱数で設定したTrによる吐出量
のばらつきが平均化されて認識され、各吐出口の吐出体
積の平均値がそのまま保存されるので本発明の効果が低
減され濃淡ムラは従来どうり認識される。すなわち、T
rの設定間隔は記録範囲内で乱数による不規則さを保て
るだけの期間が必要である。
【0041】図9は本発明の第2の実施例の制御手順を
示すフローチャートである。
【0042】上記第1の実施例同様、まずヘッド温度を
検知する(S92)。次に、このヘッド温度により図7
に示すテーブルを参照してプレヒートパルス幅P1を設
定した後(S93)、定数PrでP1を補正し、吐出を
行なう(S94)。以上の手続きを一定の時間間隔毎に
行なう。この時カウンタCで何回行なったかを計数し、
C=nとなったら乱数で定数Prを変更する。このPr
を乱数で吐出口毎に設定することに本発明の特徴があ
る。すなわちP1補正することで吐出口の吐出体積の平
均値を制御し、このPrをある期間毎かつ吐出口毎に不
規則に変えることで記録ヘッドの吐出量ばらつきのパタ
ーンを変化させることになる。すなわち第1の実施例と
同様の効果を得ることができる。
【0043】本実施例では第1の実施例同様、ヘッド温
度検知を20msec間隔で行ない、nをヘッドの主走
査一回相当時間に設定した。Prは−1〜1の範囲の一
様乱数を四捨五入し−1ならばP1を1ランク短く、0
ならばそのまま、1ならば1ランク長くする。
【0044】図10は、上記各実施例を実施可能なイン
クジェット記録装置の制御構成を示すブロック図であ
る。
【0045】図10において、CPU100は、図8,
9に示す制御手順等この装置各部動作の制御処理やデー
タ処理等を実行する。ROM100Aには、その処理手
順や図7に示すテーブルが格納され、また、RAM10
0Bは上記処理実行のワークエリアとして用いられる。
【0046】記録ヘッド30におけるインク吐出は、C
PU100が上述のように、温度センサ30Bによって
検出された温度Th、例えばTrを加算した温度に基づ
いてパルス幅P1を設定し、これにより電気熱変換素子
の駆動データおよび駆動制御信号をヘッドドライバ1A
に供給することにより行われる。さらにCPU100
は、記録ヘッド30を搭載したキャリッジ(不図示)を
移動させるためのキャリッジモータ20や搬送ローラ
(不図示)を回転させるための紙送り(P.F)モータ
50の回転を、それぞれモータドライバ20Aおよび5
0Aを介して制御する。
【0047】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0048】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0049】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0050】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0051】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0052】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0053】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0054】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0055】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかになるように本発
明によれば、各吐出毎の吐出量がある一定の時間間隔で
ランダムに変更されこれにより、記録される画像の濃度
ムラパターンは、上記間隔毎に変更される。ここで上記
一定の時間間隔は、ランダムな変更が平均化されないだ
けの十分な長さを有しているため、上記パターンは周期
性を表わすことなく、視認し難いものとなる。
【0057】この結果、従来濃淡ムラで使用できなかっ
た記録ヘッドでも高品位の記録が可能になり、従来より
も高い歩留りで記録ヘッドの製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる分割パルスのパルス幅
変調駆動方法のパルスを示す波形図である。
【図2】(A)および(B)は本発明の実施例で用いる
記録ヘッドの構造を示すそれぞれ縦断面図および正面図
である。
【図3】吐出体積と上記分割パルスのパルス幅との関係
を示す線図である。
【図4】吐出体積とヘッド温度との関係を示す線図であ
る。
【図5】本発明の実施例による吐出体積の吐出口毎の平
均値の分布を示す線図である。
【図6】本発明の実施例に係る吐出量制御方法を説明す
るための説明図である。
【図7】ヘッド温度とこれに対応するプレヒートパルス
幅のテーブルを示す模式図である。
【図8】本発明の第1の実施例にかかるパルス幅変調シ
ーケンスのフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施例にかかるパルス幅変調シ
ーケンスのフローチャートである。
【図10】上記各実施例の制御構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 電気熱変換体 3 インク路 7 吐出口 9 基板 11 支持基板 30 記録ヘッド 30B 温度センサ 100 CPU 100A ROM 100B RAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/04 103 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出口を有し該吐出口からインク
    を吐出するための記録ヘッドを用い、該記録ヘッドから
    被記録材にインクを吐出して記録を行うインクジェット
    記録装置において、 前記記録ヘッドにおける吐出口毎に、当該インク吐出量
    を変更することが可能な吐出量変更手段と、 当該吐出量の変更が平均化されずに前記複数の吐出口が
    有する本来の吐出量パターンを認識できない所定の時間
    間隔で前記吐出量変更手段を制御し、前記吐出口毎の吐
    出量をランダムに設定する吐出量設定手段と、 を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に伴なって
    インクを吐出することを特徴とする、請求項1に記載の
    インクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 被記録材にインクを吐出して記録を行う
    インクジェット記録方法において、 複数の吐出口を有し該吐出口からインクを吐出するため
    の記録ヘッドを用意し、 当該吐出量の変更が平均化されずに前記複数の吐出口が
    有する本来の吐出量パターンを認識できない所定の時間
    間隔で、前記複数の吐出口の吐出量パターンをランダム
    に変更される各ステップを有したことを特徴とするイン
    クジェット記録方法。
JP23963493A 1993-09-27 1993-09-27 インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Pending JPH0789100A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301957A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
US7751155B2 (en) 2002-09-19 2010-07-06 Ricoh Company, Ltd. Image processing method, recorder, ink jet recorder, printer driver, image processor, imaging system and imaging method
CN107718885A (zh) * 2017-11-23 2018-02-23 深圳汉弘图像技术有限公司 防止喷头堵塞的方法、装置以及数码喷绘设备

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