JPH0699192B2 - 高靭性窒化けい素焼結体の製造法 - Google Patents

高靭性窒化けい素焼結体の製造法

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JPH0699192B2
JPH0699192B2 JP2093522A JP9352290A JPH0699192B2 JP H0699192 B2 JPH0699192 B2 JP H0699192B2 JP 2093522 A JP2093522 A JP 2093522A JP 9352290 A JP9352290 A JP 9352290A JP H0699192 B2 JPH0699192 B2 JP H0699192B2
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護 三友
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、強度や熱衝撃抵抗が大きいため、自動車部品
やその他の機械部品への応用が期待されている高靱性窒
化けい素焼結体の製造方法に関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 従来より、窒化けい素の焼結法として、ホットプレス
法、熱間静水圧法、常圧焼結法、ガス圧焼結法等が開発
されている。
原料粉末としては、α型を主とする平均粒径1.0μm以
下の細かいものが市販されている。α型は高温で不安定
であり、焼結中にβ型に相変化するものである。焼結は
焼結助剤を含む液相中を窒化けい素が拡散することによ
って進行するが、α型粒子の液相中への溶解度はβ型粒
子より高いため、β型粒子の一部は異状粒成長を起し、
柱状粒子が発達する。
一方、焼結体(セラミックス)の破壊はクラックが進行
することによって起るが、上記の柱状粒子は進行するク
ラックの方向を曲げることによって、破壊に必要とする
エネルギーを高くし、結果的に高靱性となる。しかし、
高α率の粉末では、 柱状粒子の異方性が大きく、破壊靱性は高くなるが、
強度は低下する。
組織の制御が困難である、 等々の問題点があった。
そこで、本発明者らは、先に、異常粒成長を示さない平
均粒径1μm以下の微細なβ型粉末に粒成長のための核
を予め混入させて高靱性セラミックスを得る方法を提案
した(特願平1−77177号)。しかし、この方法におい
てβ型粉末を使用するが、市販されている細かい粉末は
殆どα型が主成分であるので、これを1500℃以上に加熱
してβ化する必要があった。
本発明の目的は、上述の如くα型及びβ型窒化けい素粉
末を用いる従来法の問題点を解決するためになされたも
のであって、高靱性の窒化けい素焼結体を低コストで製
造できる方法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、α型粉末では焼結体の組織が不均一にな
り、強度が低いこと、一方、β型粉末では熱処理による
β化の操作が余分に必要であることに鑑みて、市販され
ている安価なα型粉末でも組織制御が容易で高靱性の焼
結体が得られる方法について鋭意研究を重ねた。
その結果、常圧又はガス圧焼結の際、粒成長のための核
を予め原料粉末に混入させることにより、破壊靱性が大
きい焼結体が得られることを知見するに至り、本発明を
完成したものである。
本発明は、α型を主成分とし、平均粒径1.0μm以下の
窒化けい素粉末85〜95重量%と、このα型を主成分とす
る窒化けい素粉末の平均粒径の3〜5倍の平均粒径を有
するβ型窒化けい素粉末又は多結晶体2〜10重量%と、
焼結助剤2〜15重量%とからなる混合粉末を、成形した
後に、1〜100気圧の窒素中で1750〜2200℃の温度範囲
において焼結することを特徴とする高靱性窒化けい素焼
結体の製造法を要旨とするものである。
以下、本発明について更に詳述する。
(作用) α型を主成分とする窒化けい素粉末は、細かいものであ
る必要があり、平均粒径1.0μm以下、望ましくは0.3〜
0.8μmのものを用いる。これは、粒径が1.0μmより大
きいと焼結性が低くなるためである。また、粒径の大き
な粒子が多量に存在するのは好ましくなく、α型を主成
分とする窒化けい素粉末としては、α型が60〜100重量
%、β型が0〜40重量%のものが好ましい。β型の含有
率が40重量%を超えると、混入させる核以外にも粒成長
が起り、組織制御が困難となる。また、上記平均粒径の
3倍以上の粒径を持つ大きな粒子は、異常成長し、組織
が制御できなくなるので、そのような粉末粒子は窒化け
い素粉末に2重量%以下に抑制するのが好ましい。
前述のように、窒化けい素の焼結は、窒化けい素が焼結
助剤を含む液相を通って拡散し、焼結が進行する液相焼
結によるものである。その際、α型は高温で不安定なの
で、析出する粒子はβ型になる。このように焼結と相変
化が同時に起る。また液相への溶解度は小さな粒子の方
が大きな粒子より大きい。このため、焼結と同時に粒成
長が起る。
β型粉末では、正常粒成長が起る。すなわち、最大粒径
(γmax)が常に平均粒径()の2.5倍以下(γmax<
2.5)になるように粒度分布が保持されながら、焼結
の進行と共に平均粒径()が大きくなるものである。
一方、α型粉末では、焼結初期の非定常状態で局所的に
不均一のため、大きな粒子(核)が発生する。この核は
焼結の進行と共に柱状になる。
本発明においては、α型を主とする細かい窒化けい素粉
末中に、α型粉末の平均粒径の3〜5倍の平均粒径を有
するβ型の窒化けい素粉末又は多結晶体を所定量混入さ
せる。これにより、平均粒径の3倍以上の粒子の成長速
度は平均粒径の増加速度より早いので、導入した核が優
先的に成長する。この粒成長の駆動力は大きいので、柱
状粒子となる。核として用いるβ型粉末又は多結晶の平
均粒径は、α型粉末の平均粒径の3〜5倍とする必要が
ある。3倍未満では核としての作用が十分でなく、また
5倍を超えると粒子が大きく成長しすぎるので望ましく
ない。
なお、β型窒化けい素粉末は、α型粉末を窒素中で1500
〜1700℃に加熱することにより得られる。多結晶体は、
焼結体を粉砕して分級すうことによって得られる。
β型窒化けい素粉末又は多結晶体の混合割合は2〜10重
量%、望ましくは2〜5重量%である。粒径及び混合量
がその下限値より少ないと、核としての効果がなく、多
すぎると組織全体が粗粒化し、強度が低下するので好ま
しくない。
更に、焼結助剤として、通常用いられる酸化物(MgO、A
l2O3、Y2O3、ランタニド金属酸化物の単独又は混合物な
ど)を2〜15重量%添加する。好ましくは3〜7重量%
である。その量は焼結温度に依存し、高温ほど少量でよ
い。窒化けい素粉末と焼結助剤の混合は、窒化けい素の
酸化を防ぐために有機溶媒中で行うのが望ましい。
これらの混合粉末は、乾燥後、静水圧プレス、射出成
形、鋳込み成形等の通常の方法で成形する。
次いで、焼結を行うが、焼結は1〜100気圧の窒素中で1
750〜2200℃の温度範囲で行う。高温ほど焼結速度は大
きいが、窒化けい素の解離圧(窒素圧)が高くなるた
め、解離圧より高い窒素圧中で焼結することにより、窒
化けい素の熱分解を防止する必要がある。必要な最低圧
は1750℃で1気圧、1850℃で3気圧、1950℃で10気圧、
2050℃で20気圧、2150℃で50気圧である。なお、焼結時
間は特に制限しないが、1〜50時間が好ましい。焼結時
間は低温ほど長時間が必要である。加熱は、焼結のみで
なく、粒成長による組織発現が目的であるので、通常の
焼結時間より長い方がよい。例えば、1750℃で3〜40時
間、1950℃で1〜15時間、2150℃で1〜5時間程度であ
る。
上記のように、本発明では、細かいα型を主成分とする
窒化けい素粉末に、粒成長のための核を導入して焼結す
るので、成長粒子の数を制御でき、結果的に組織制御さ
れあ高靱性窒化けい素焼結体が得られる。
(実施例) 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 市販のα型を主成分とする窒化けい素粉末(平均粒径0.
6μm、α型/(α型+β型)=0.87)90重量%と、平
均粒径2.0μmのβ型窒化けい素粉末3重量%と、焼結
助剤としてY2O35重量%及びAl2O32重量%を、n−ヘ
キサン中で窒化けい素製ボールミルで混合した。なお、
β型窒化けい素粉末としては、上記α型粉末を10気圧の
窒素中で1800℃に加熱し、完全にβ型とした後、分級し
たものを用いた。
次いで、この混合粉末を乾燥いた後、250kg/cm2で金型
プレスし、更に2ton/cm2で静水圧プレスし、柱状の成形
体とした。その後、成形体を窒素圧10気圧で1900℃に3
時間加熱した。更に600メッシュのダイヤモンドホイー
ルで平面研削し、約3mm×4mm×40mmの試料とした。
焼結体の気孔率は0.6%であった。また、JIS R1601によ
るスパン30mmの3点曲げ強度は930MPa、SEPB法による破
壊靱性値は8.7MN/m3/2であった。
実施例2 実施例1で用いたものと同じα型を主成分とする窒化け
い素粉末85重量%に、実施例1で述べた方法によって得
た平均粒径2.3μmのβ型窒化けい素粉末5重量%と、
焼結助剤としてY2O36重量%及びLa2O34重量%を加
え、実施例1の場合と同様の方法により混合し、成形し
た後、30気圧の窒素中で2000℃に2時間加熱した。
曲げ強度が850MPa、破壊靱性が9.2MN/cm3/2の焼結体が
得られた。
実施例3 実施例1で用いたものと同じα型を主成分とする窒化け
い素粉末87重量%に、実施例1で述べた方法により得た
平均粒径2.0μmのβ型窒化けい素粉末3重量%と、焼
結助剤としてAl2O35重量%、MgO重量%及びCeO22重量
%を加え、実施例1の場合と同様の方法により混合し、
成形した。成形体を1気圧の窒素中で1800℃に5時間加
熱した。焼結体の曲げ強度は980MPa、破壊靱性は7.2MN/
m3/2であった。
なお、各実施例において、β型窒化けい素粉末に代えて
多結晶体を用いても、同様の効果が得られる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、市販のα型窒化
けい素粉末を使用しても、高靱性高強度の窒化けい素焼
結体が得られる。したがって、自動車部品やその他の機
械部品へ安価に提供できる効果は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α型を主成分とし、平均粒径1.0μm以下
    の窒化けい素粉末85〜95重量%と、このα型を主成分と
    する窒化けい素粉末の平均粒径の3〜5倍の平均粒径を
    有するβ型窒化けい素粉末又は多結晶体2〜10重量%
    と、焼結助剤2〜15重量%とからなる混合粉末を、成形
    した後に、1〜100気圧の窒素中で1750〜2200℃の温度
    範囲において焼結することを特徴とする高靭性窒化けい
    素焼結体の製造法。
  2. 【請求項2】α型を主成分とする窒化けい素粉末が、60
    〜100重量%のα型と、0〜40重量%のβ型とからな
    り、かつ、この窒化けい素粉末には、平均粒径の3倍以
    上の粒径を持つ粒子が2重量%未満含まれる請求項
    (1)記載の製造法。
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