JPH069603A - ビタミンcの安定化法 - Google Patents

ビタミンcの安定化法

Info

Publication number
JPH069603A
JPH069603A JP3201189A JP20118991A JPH069603A JP H069603 A JPH069603 A JP H069603A JP 3201189 A JP3201189 A JP 3201189A JP 20118991 A JP20118991 A JP 20118991A JP H069603 A JPH069603 A JP H069603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vitamin
acid
chlorogenic acid
ascorbic acid
derivatives
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3201189A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2933417B2 (ja
Inventor
Osamu Inami
治 稲波
Itaru Tamura
至 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP3201189A priority Critical patent/JP2933417B2/ja
Publication of JPH069603A publication Critical patent/JPH069603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2933417B2 publication Critical patent/JP2933417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビタミンCにクロロゲン酸を配合することに
よって、ビタミンCの耐熱性、耐光性、耐酸化性を向上
させる。 【構成】 L−アスコルビン酸及びその誘導体を包含す
るビタミンCに、コーヒー豆等から得られるクロロゲン
酸を約4〜約40重量%配合することによりビタミンC
を安定化する。飲食品、医薬品及び香粧品などに利用す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビタミンC(L−アスコ
ルビン酸及びその誘導体)を安定化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンCは抗壊血病因子としてのみな
らず、例えばコラーゲン合成への関与、脂質代謝と生体
異物や老化との関係、また、大量投与による免疫機能増
強作用、抗ウイルス作用、さらには抗腫瘍作用等も提唱
され医薬品として極めて重要な化合物である一方、香粧
品、飲食品の強化栄養物として又は油脂、食品の保存、
品質保持向上剤としての利用が急速に増加し、近年では
国内生産量の約半分近くが食品添加物として使われてい
る。しかしながらビタミンCの2位及び3位の水酸基は
エンジオール基であるので、水素をたやすく受け渡すこ
とができ、そのために水溶液中のビタミンCは大気中の
酸素や酸化剤などによって容易に酸化されてデヒドロア
スコルビン酸となる。さらに熱や紫外線光又は銅や鉄な
どの微量の金属によって酸化反応が促進されついには種
々の不活性物質が形成されてビタミンCの生理活性が失
われるに至る。
【0003】従来かかる不安定なビタミンCの安定化に
関する提案も幾つかなされており、例えば低級アルコー
ルと二酸化炭素との作用物を添加するビタミンCの安定
化法(特公昭41−6595号公報)、揮発性脂肪酸エ
ステルを添加することを特徴とするビタミンCの安定化
法(特公昭41−6596号公報)、薬効を奏しない量
のグルタチオンを含有せしめた着色変化のない安定なビ
タミンC含有組成物の製造法(特公昭46−9358号
公報)、ニンニクの酸性有機溶媒による抽出液を亜酸化
銅で処理して生じた沈殿物を水中で硫化水素により脱
銅、次いで残留硫化水素及び水を脱く処理を行うアスコ
ルビン酸安定化能を有するニンニクの抽出エキスの製造
法(特公昭54−40604号公報)、アスコルビン酸
及びその誘導体にウロカニン酸、ウロカニン酸アルキル
エステルからなる群から選ばれた少なくとも一つを配合
するアスコルビン酸及びその誘導体の安定化法(特公昭
57−49550号公報)、環状トリメタリン酸を有効
成分として含有するL−アスコルビン酸用安定化剤(特
公昭59−32468号公報)、平均分子量400〜50000
のタン白分解ペプタイドを含有する劣化防止されたビタ
ミンC含有飲食物(特公昭62−9296号公報)及び
アスコルビン酸又はその誘導体と、組成物全量に対して
0.1〜5重量%の炭素数6〜10のジカルボン酸を配
合した皮膚外用剤、美白化粧料、ドリンク剤等の水系組
成物(特公昭62−45202号公報)等が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとき従来提案
は、いずれもビタミンCに対する安定化効果が不充分で
あり、例えばニンニク抽出エキスはビタミンC含有飲食
品に対して約1〜5重量%、またペプタイドにあっても
約500〜3000ppm の如き多量の添加が必要であ
る。その結果、それ自体に強い香気香味を有するものは
添加量及び用途に著しい制約があり安定化効果を充分に
発揮できず、また市場に潤沢に流通していないか価格的
に高価なもの、更には食品添加物として許可されていな
い等の種々の課題があり必ずしも満足できるものではな
い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のご
とき従来提案の欠点を解決すべく鋭意研究した。その結
果、コーヒー豆等から安価且つ容易に得られるクロロゲ
ン酸がビタミンCの安定化に著しい効果があることを見
いだした。しかも該クロロゲン酸は安全性にも全く問題
がなく、前記のごとき従来提案が抱えていた課題が一挙
に解決されることが分かった。従って本発明の目的は、
飲食品、医薬品及び香粧品等の広い分野において使用さ
れるビタミンCにクロロゲン酸を配合することによって
耐熱、耐光、耐酸化に対して卓越した効果を有し工業的
に極めて有利にビタミンCを安定化する方法を提供する
にある。以下、本発明の態様について具体的に説明す
る。
【0006】本発明でいうビタミンCとはL−アスコル
ビン酸及びその誘導体を意味する。誘導体の具体例とし
ては、例えばアスコルビン酸モノステアレート、アスコ
ルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレエ
ート、アスコルビン酸モノ燐酸エステルのようなアスコ
ルビン酸のモノエステル誘導体、アスコルビン酸ジステ
アレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビ
ン酸ジオレート、アスコルビン酸ジ燐酸エステル等のア
スコルビン酸ジエステル誘導体、アスコルビン酸3燐酸
エステル等のアスコルビン酸トリエステル誘導体及び6
−ステアロイルアスコルビン酸、6−パルミトイルアス
コルビン酸等のアシル誘導体等のアスコルビン酸活性誘
導体を挙げることができる。
【0007】また本発明において利用することのできる
クロロゲン酸(3−カフェイルキナ酸)としては、例え
ば化学合成品であってもよいが、天然物起源のクロロゲ
ン酸を好ましく挙げることができる。かかる天然クロロ
ゲン酸は、例えばコーヒー豆中にクロロゲン酸カリウム
カフェインの形で含有され、微量にはタバコ葉、サツマ
イモ、ナシ葉、リンゴ果肉その他広く植物中に分布す
る。本発明で利用するクロロゲン酸は必ずしも純品であ
る必要はないが、少なくともビタミンC又はビタミンC
を配合した飲食品、医薬品、香粧品などに着色または香
気香味の変調等の不都合な影響を与えない程度にまで精
製されているものが好ましい。
【0008】かかる精製クロロゲン酸としては、例えば
本発明と同一出願人の出願による「精製クロロゲン酸の
製法」(特願平2−265201号)及び「精製クロロ
ゲン酸の製造方法」(特願平2−265202号)に開
示されている方法によって得られる如き精製クロロゲン
酸を好ましく挙げることができる。その概要を示せば、
例えば前者の方法はコーヒー生豆を含水率約5重量%以
上、好ましくは含水率約5〜約90重量%のメタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチル
エチルケトン等の含水水混和性有機溶媒を、コーヒー生
豆粉砕物1重量部に対して約2〜約50重量部を使用し、
温度約20〜約80℃にて抽出し、得られた抽出液を水抽出
の場合はそのまま、また含水水混和性有機溶媒抽出液の
場合は、蒸留などの手段によって該有機溶媒の含有量
を、例えば約5重量%以下とした後、例えばスチレン・
ジビニルベンゼン系多孔性重合樹脂又はメチアクリル酸
系合成吸着剤と接触処理することによってコーヒー生豆
抽出液中のクロロゲン酸及びその同族体、カフェイン及
びトリゴネリン等の抽出成分を該吸着剤に吸着せしめ、
次いで、該合成樹脂吸着剤を稀アルカリ水溶液で脱着処
理するとにより、クロロゲン酸及びその同族体を選択的
に溶出せしめ、カフェイン等の不要な成分を排除した純
度の高いクロロゲン酸を得ることができる。
【0009】また後者の方法によれば、上記と同様にし
て得られたコーヒー生豆の抽出液を陽イオン交換樹脂と
接触処理することによってコーヒー生豆抽出液中のカフ
ェインがほぼ完全に該樹脂に吸着除去され、高純度のク
ロロゲン酸を含有する抽出液を得ることができる。
【0010】本発明におけるクロロゲン酸とビタミンC
の配合に当たっては、固体、液体何れでもよいが配合系
の状態に応じて均一に溶解、分散又は混和するよう適宜
な方法を選択すれば良い。またその場合のクロロゲン酸
の添加量は比較的幅広く選択することができるが、一般
的にはビタミンCに対して約1重量%以上であり、好ま
しくは約4〜約40重量%、更に好ましくは約8〜約2
0重量%である。また例えばビタミンCの含有飲食品を
例にとれば、約10〜100ppm 程度の範囲がしばしば
採用される。添加量が10ppm 未満では安定化効果が不
充分であり、また100ppm 以上添加しても効果が増す
訳でもないので無駄である。本発明においては、所望に
よりクロロゲン酸に加えて従来既知の劣化防止剤、協力
剤又は還元剤、例えばカフェー酸、フェルラ酸、ルチ
ン、ケルセチン等を配合することもできるが、その場合
の添加量も総量で上記と同程度で充分である。ある。配
合に当たっては、固体、液体いずれでもよいが配合系の
状態に応じて均一に溶解、分散或いは混和するよう適宜
な方法を採用すればよい。
【0011】以下の図1及び図2は、本発明のクロロゲ
ン酸によるビタミンCの耐光性を示した図である。
【0012】
【図1】
【0013】
【図2】 以下、参考例、実施例により本発明のビタミンC安定化
方法を更に詳しく説明する。
【0014】
【参考例1】コーヒー生豆粉砕物600gに70%メタ
ノール2400gを加えて65℃で3時間撹拌抽出し
た。冷却後固・液分離を行い、抽出液を減圧濃縮してメ
タノールを除去した。得られた濃縮物に食塩100g及
び水を加えて総量1000gに調整した。この溶液を、
合成吸着剤(SP−207)400mlを充填したカラム
にSV=1.0で通液して抽出物を吸着させた。引き続
きカラムに水を流して洗浄後、60%エタノール水溶液
800gをSV=1.0で流しクロロゲン酸類を溶離さ
せた。得られた溶出液を減圧乾燥して精製クロロゲン酸
33gを得た。
【0015】
【参考例2】コーヒー生豆200gに70%エタノール
1000gを加え、75℃で3時間撹拌抽出した。冷却
後、固・液分離を行い、分離した抽出液を陽イオン交換
樹脂(SK−1B)250mlを充填したカラムにSV
=1.0で通液してカフェインを吸着除去した。溶出液
を減圧乾固して本発明の精製クロロゲン酸28gを得
た。
【0016】
【実施例1】ビタミンC0.25g、クエン酸1.5
g、クエン酸ナトリウム0.17g及び果糖ブドウ糖液
糖160gを脱塩素水に溶解し全量を1lとした。この
酸シロップ(pH3.0)に参考例1、参考例2で得ら
れた精製クロロゲン酸及び合成クロロゲン酸試薬特級の
所定量を添加して35℃に保存し、15時間後及び30
時間後のビタミンCの残存率を求めた。なおビタミンC
の定量は高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。
その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】実施例1と同じ酸シロップに参考例1で得
られた精製クロロゲン酸又は合成クロロゲン酸の所定量
を添加し、95℃で30秒間殺菌後200mlの透明ガ
ラス瓶にホットパックした。この試料を日光照射1週間
(照射エネルギー1700langley)及び50℃で1ケ
月間保存(遮光)の虐待試験を行いそれぞれのビタミン
Cの残存率を求めた。その結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ビタミンCにクロロゲ
ン酸を配合することによって耐熱、耐光、耐酸化等の卓
越した安定化効果が提供される。本発明に係るクロロゲ
ン酸は従来ビタミンCの安定化剤として使用されている
システインやグルタチオンのように異臭の発生の虞れが
なく人体及びその生理作用に何ら悪影響を及ぼさない。
従ってビタミンC含有食品、飲料、栄養ドリンク、医薬
品、香粧品などの広い用途にビタミンCの着色、活性低
下防止方法として利用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ビタミンCの安定化法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビタミンC(L−アスコ
ルビン酸及びその誘導体)を安定化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンCは抗壊血病因子としてのみな
らず、例えばコラーゲン合成への関与、脂質代謝と生体
異物や老化との関係、また、大量投与による免疫機能増
強作用、抗ウイルス作用、さらには抗腫瘍作用等も提唱
され医薬品として極めて重要な化合物である一方、香粧
品、飲食品の強化栄養物として又は油脂、食品の保存、
品質保持向上剤としての利用が急速に増加し、近年では
国内生産量の約半分近くが食品添加物として使われてい
る。しかしながらビタミンCの2位及び3位の水酸基は
エンジオール基であるので、水素をたやすく受け渡すこ
とができ、そのために水溶液中のビタミンCは大気中の
酸素や酸化剤などによって容易に酸化されてデヒドロア
スコルビン酸となる。さらに熱や紫外線光又は銅や鉄な
どの微量の金属によって酸化反応が促進されついには種
々の不活性物質が形成されてビタミンCの生理活性が失
われるに至る。
【0003】従来かかる不安定なビタミンCの安定化に
関する提案も幾つかなされており、例えば低級アルコー
ルと二酸化炭素との作用物を添加するビタミンCの安定
化法(特公昭41−6595号公報)、揮発性脂肪酸エ
ステルを添加することを特徴とするビタミンCの安定化
法(特公昭41−6596号公報)、薬効を奏しない量
のグルタチオンを含有せしめた着色変化のない安定なビ
タミンC含有組成物の製造法(特公昭46−9358号
公報)、ニンニクの酸性有機溶媒による抽出液を亜酸化
銅で処理して生じた沈殿物を水中で硫化水素により脱
銅、次いで残留硫化水素及び水を脱く処理を行うアスコ
ルビン酸安定化能を有するニンニクの抽出エキスの製造
法(特公昭54−40604号公報)、アスコルビン酸
及びその誘導体にウロカニン酸、ウロカニン酸アルキル
エステルからなる群から選ばれた少なくとも一つを配合
するアスコルビン酸及びその誘導体の安定化法(特公昭
57−49550号公報)、環状トリメタリン酸を有効
成分として含有するL−アスコルビン酸用安定化剤(特
公昭59−32468号公報)、平均分子量400〜50000
のタン白分解ペプタイドを含有する劣化防止されたビタ
ミンC含有飲食物(特公昭62−9296号公報)及び
アスコルビン酸又はその誘導体と、組成物全量に対して
0.1〜5重量%の炭素数6〜10のジカルボン酸を配
合した皮膚外用剤、美白化粧料、ドリンク剤等の水系組
成物(特公昭62−45202号公報)等が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとき従来提案
は、いずれもビタミンCに対する安定化効果が不充分で
あり、例えばニンニク抽出エキスはビタミンC含有飲食
品に対して約1〜5重量%、またペプタイドにあっても
約500〜3000ppm の如き多量の添加が必要であ
る。その結果、それ自体に強い香気香味を有するものは
添加量及び用途に著しい制約があり安定化効果を充分に
発揮できず、また市場に潤沢に流通していないか価格的
に高価なもの、更には食品添加物として許可されていな
い等の種々の課題があり必ずしも満足できるものではな
い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のご
とき従来提案の欠点を解決すべく鋭意研究した。その結
果、コーヒー豆等から安価且つ容易に得られるクロロゲ
ン酸がビタミンCの安定化に著しい効果があることを見
いだした。しかも該クロロゲン酸は安全性にも全く問題
がなく、前記のごとき従来提案が抱えていた課題が一挙
に解決されることが分かった。従って本発明の目的は、
飲食品、医薬品及び香粧品等の広い分野において使用さ
れるビタミンCにクロロゲン酸を配合することによって
耐熱、耐光、耐酸化に対して卓越した効果を有し工業的
に極めて有利にビタミンCを安定化する方法を提供する
にある。以下、本発明の態様について具体的に説明す
る。
【0006】本発明でいうビタミンCとはL−アスコル
ビン酸及びその誘導体を意味する。誘導体の具体例とし
ては、例えばアスコルビン酸モノステアレート、アスコ
ルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレエ
ート、アスコルビン酸モノ燐酸エステルのようなアスコ
ルビン酸のモノエステル誘導体、アスコルビン酸ジステ
アレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビ
ン酸ジオレート、アスコルビン酸ジ燐酸エステル等のア
スコルビン酸ジエステル誘導体、アスコルビン酸3燐酸
エステル等のアスコルビン酸トリエステル誘導体及び6
−ステアロイルアスコルビン酸、6−パルミトイルアス
コルビン酸等のアシル誘導体等のアスコルビン酸活性誘
導体を挙げることができる。
【0007】また本発明において利用することのできる
クロロゲン酸(3−カフェイルキナ酸)としては、例え
ば化学合成品であってもよいが、天然物起源のクロロゲ
ン酸を好ましく挙げることができる。かかる天然クロロ
ゲン酸は、例えばコーヒー豆中にクロロゲン酸カリウム
カフェインの形で含有され、微量にはタバコ葉、サツマ
イモ、ナシ葉、リンゴ果肉その他広く植物中に分布す
る。本発明で利用するクロロゲン酸は必ずしも純品であ
る必要はないが、少なくともビタミンC又はビタミンC
を配合した飲食品、医薬品、香粧品などに着色または香
気香味の変調等の不都合な影響を与えない程度にまで精
製されているものが好ましい。
【0008】かかる精製クロロゲン酸としては、例えば
本発明と同一出願人の出願による「精製クロロゲン酸の
製法」(特願平2−265201号)及び「精製クロロ
ゲン酸の製造方法」(特願平2−265202号)に開
示されている方法によって得られる如き精製クロロゲン
酸を好ましく挙げることができる。その概要を示せば、
例えば前者の方法はコーヒー生豆を含水率約5重量%以
上、好ましくは含水率約5〜約90重量%のメタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチル
エチルケトン等の含水水混和性有機溶媒を、コーヒー生
豆粉砕物1重量部に対して約2〜約50重量部を使用し、
温度約20〜約80℃にて抽出し、得られた抽出液を水抽出
の場合はそのまま、また含水水混和性有機溶媒抽出液の
場合は、蒸留などの手段によって該有機溶媒の含有量
を、例えば約5重量%以下とした後、例えばスチレン・
ジビニルベンゼン系多孔性重合樹脂又はメチアクリル酸
系合成吸着剤と接触処理することによってコーヒー生豆
抽出液中のクロロゲン酸及びその同族体、カフェイン及
びトリゴネリン等の抽出成分を該吸着剤に吸着せしめ、
次いで、該合成樹脂吸着剤を稀アルカリ水溶液で脱着処
理するとにより、クロロゲン酸及びその同族体を選択的
に溶出せしめ、カフェイン等の不要な成分を排除した純
度の高いクロロゲン酸を得ることができる。
【0009】また後者の方法によれば、上記と同様にし
て得られたコーヒー生豆の抽出液を陽イオン交換樹脂と
接触処理することによってコーヒー生豆抽出液中のカフ
ェインがほぼ完全に該樹脂に吸着除去され、高純度のク
ロロゲン酸を含有する抽出液を得ることができる。
【0010】本発明におけるクロロゲン酸とビタミンC
の配合に当たっては、固体、液体何れでもよいが配合系
の状態に応じて均一に溶解、分散又は混和するよう適宜
な方法を選択すれば良い。またその場合のクロロゲン酸
の添加量は比較的幅広く選択することができるが、一般
的にはビタミンCに対して約1重量%以上であり、好ま
しくは約4〜約40重量%、更に好ましくは約8〜約2
0重量%である。また例えばビタミンCの含有飲食品を
例にとれば、約10〜100ppm 程度の範囲がしばしば
採用される。添加量が10ppm 未満では安定化効果が不
充分であり、また100ppm 以上添加しても効果が増す
訳でもないので無駄である。本発明においては、所望に
よりクロロゲン酸に加えて従来既知の劣化防止剤、協力
剤又は還元剤、例えばカフェー酸、フェルラ酸、ルチ
ン、ケルセチン等を配合することもできるが、その場合
の添加量も総量で上記と同程度で充分である。ある。配
合に当たっては、固体、液体いずれでもよいが配合系の
状態に応じて均一に溶解、分散或いは混和するよう適宜
な方法を採用すればよい。
【0011】以下、参考例、実施例により本発明のビタ
ミンC安定化方法を更に詳しく説明する。
【0012】
【参考例1】コーヒー生豆粉砕物600gに70%メタ
ノール2400gを加えて65℃で3時間撹拌抽出し
た。冷却後固・液分離を行い、抽出液を減圧濃縮してメ
タノールを除去した。得られた濃縮物に食塩100g及
び水を加えて総量1000gに調整した。この溶液を、
合成吸着剤(SP−207)400mlを充填したカラム
にSV=1.0で通液して抽出物を吸着させた。引き続
きカラムに水を流して洗浄後、60%エタノール水溶液
800gをSV=1.0で流しクロロゲン酸類を溶離さ
せた。得られた溶出液を減圧乾燥して精製クロロゲン酸
33gを得た。
【0013】
【参考例2】コーヒー生豆200gに70%エタノール
1000gを加え、75℃で3時間撹拌抽出した。冷却
後、固・液分離を行い、分離した抽出液を陽イオン交換
樹脂(SK−1B)250mlを充填したカラムにSV
=1.0で通液してカフェインを吸着除去した。溶出液
を減圧乾固して本発明の精製クロロゲン酸28gを得
た。
【0014】
【実施例1】ビタミンC0.25g、クエン酸1.5
g、クエン酸ナトリウム0.17g及び果糖ブドウ糖液
糖160gを脱塩素水に溶解し全量を1lとした。この
酸シロップ(pH3.0)に参考例1、参考例2で得ら
れた精製クロロゲン酸及び合成クロロゲン酸試薬特級の
所定量を添加して35℃に保存し、15時間後及び30
時間後のビタミンCの残存率を求めた。なおビタミンC
の定量は高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。
その結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【実施例2】実施例1と同じ酸シロップに参考例1で得
られた精製クロロゲン酸又は合成クロロゲン酸の所定量
を添加し、95℃で30秒間殺菌後200mlの透明ガ
ラス瓶にホットパックした。この試料を日光照射1週間
(照射エネルギー1700langley)及び50℃で1ケ
月間保存(遮光)の虐待試験を行いそれぞれのビタミン
Cの残存率を求めた。その結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ビタミンCにクロロゲ
ン酸を配合することによって耐熱、耐光、耐酸化等の卓
越した安定化効果が提供される。本発明に係るクロロゲ
ン酸は従来ビタミンCの安定化剤として使用されている
システインやグルタチオンのように異臭の発生の虞れが
なく人体及びその生理作用に何ら悪影響を及ぼさない。
従ってビタミンC含有食品、飲料、栄養ドリンク、医薬
品、香粧品などの広い用途にビタミンCの着色、活性低
下防止方法として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロロゲン酸の添加量及び日光照射時間とビタ
ミンCの耐光性の関係を示した図である。
【図2】クロロゲン酸の添加量を変えて5日間日光照射
を行った場合のビタミンCの劣化程度を示した図であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】追加
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 15/08 // C07C 69/732 Z 9279−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビタミンCにクロロゲン酸を配合するこ
    とを特徴とするビタミンCの安定化法。
JP3201189A 1991-07-17 1991-07-17 ビタミンcの安定化法 Expired - Lifetime JP2933417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3201189A JP2933417B2 (ja) 1991-07-17 1991-07-17 ビタミンcの安定化法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3201189A JP2933417B2 (ja) 1991-07-17 1991-07-17 ビタミンcの安定化法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH069603A true JPH069603A (ja) 1994-01-18
JP2933417B2 JP2933417B2 (ja) 1999-08-16

Family

ID=16436828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3201189A Expired - Lifetime JP2933417B2 (ja) 1991-07-17 1991-07-17 ビタミンcの安定化法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2933417B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2772612A1 (fr) * 1997-12-19 1999-06-25 Oreal Utilisation de l'acide cinnamique ou de ses derives dans une composition cosmetique raffermissante
KR20010002411A (ko) * 1999-06-15 2001-01-15 유상옥 안정화된 비타민 c 함유 화장료 조성물
JP2001316295A (ja) * 2000-05-10 2001-11-13 Ogawa & Co Ltd ビタミン臭抑制剤
WO2005070380A1 (en) * 2004-01-13 2005-08-04 Skinceuticals, Inc. Stabilized ascorbic acid compositions and methods therefor
US7861495B2 (en) 2007-09-27 2011-01-04 Yuyama Mfg. Co., Ltd. Distributed medicine supplying device and medicine packaging device
JP2011229536A (ja) * 2011-07-11 2011-11-17 Ogawa & Co Ltd 不快なビタミン臭が抑制された飲食品
JP2012120441A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Sunstar Inc アスコルビン酸及びその類縁体を安定配合した組成物
JPWO2016056648A1 (ja) * 2014-10-10 2017-08-03 株式会社林原 酸性水系媒体中での2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の安定化方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2772612A1 (fr) * 1997-12-19 1999-06-25 Oreal Utilisation de l'acide cinnamique ou de ses derives dans une composition cosmetique raffermissante
EP0938891A1 (fr) * 1997-12-19 1999-09-01 L'oreal Composition cosmétique contenant de l'acide cinnamique ou de ses dérivés et son utilisation
JPH11246333A (ja) * 1997-12-19 1999-09-14 L'oreal Sa 収斂用化粧料におけるケイ皮酸またはその誘導体の用途
EP1541128A3 (fr) * 1997-12-19 2005-06-22 L'oreal Composition cosmétique contenant des dérivés de l'acide cinnamique et leur utilisation
KR20010002411A (ko) * 1999-06-15 2001-01-15 유상옥 안정화된 비타민 c 함유 화장료 조성물
JP2001316295A (ja) * 2000-05-10 2001-11-13 Ogawa & Co Ltd ビタミン臭抑制剤
WO2005070380A1 (en) * 2004-01-13 2005-08-04 Skinceuticals, Inc. Stabilized ascorbic acid compositions and methods therefor
US7179841B2 (en) 2004-01-13 2007-02-20 L'oreal Usa Creative, Inc. Stabilized ascorbic acid compositions and methods therefor
US7861495B2 (en) 2007-09-27 2011-01-04 Yuyama Mfg. Co., Ltd. Distributed medicine supplying device and medicine packaging device
US8209943B2 (en) 2007-09-27 2012-07-03 Yuyama Mfg. Co., Ltd. Distributed medicine supplying device and medicine packaging device
JP2012120441A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Sunstar Inc アスコルビン酸及びその類縁体を安定配合した組成物
JP2011229536A (ja) * 2011-07-11 2011-11-17 Ogawa & Co Ltd 不快なビタミン臭が抑制された飲食品
JPWO2016056648A1 (ja) * 2014-10-10 2017-08-03 株式会社林原 酸性水系媒体中での2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸の安定化方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2933417B2 (ja) 1999-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6638555B2 (en) Method of preparing storage stable, citrus-flavored compositions comprising plant extracts
US20060134178A1 (en) Composition containing organic substance having double bond with improved oxidative stability
WO2005053415A1 (ja) 容器詰飲料
JP2933417B2 (ja) ビタミンcの安定化法
JP5102408B1 (ja) ステビア製剤
JP2000063827A (ja) 抗酸化剤の製造方法
RU2498801C1 (ru) Раствор стабилизированного дигидрокверцетина
JPH09143465A (ja) 抗酸化性組成物
JP2904974B2 (ja) クチナシ黄色色素の褪色防止剤
JP4418702B2 (ja) ビタミンb1またはその誘導体含有酸性飲用組成物の異臭成分の発生を防止する方法
JP3746544B2 (ja) 柑橘果実由来の抗酸化性物質
JPH0665575A (ja) 天然酸化防止剤
CN114272273A (zh) 一种含有nmn的抗氧化组合物及其制备方法
JP2017048185A (ja) キサンチンオキシダーゼ阻害剤
JP2008061507A (ja) 肉臭改善剤、これを用いた肉臭改善方法及び食肉製品
Thomas et al. A relationship between ascorbic acid and threonic acid in guinea-pigs
CN112603842B (zh) 一种蔷薇花活性提取物及其应用
JP6769643B1 (ja) イミダゾールジペプチドの精製方法
JP2006238829A (ja) 渋味付与剤、香味料及びこれらを含有する飲食物並びに果汁感増強方法
JP2005170830A (ja) メラニン生成抑制組成物
KR20010008818A (ko) 페피노 추출물을 함유하는 혈중알콜농도 저하용 조성물 및 그 제조방법
JPH04345693A (ja) 天然香料の劣化防止方法
US10179157B2 (en) Slim and aqua concentrate having standardized and triple salt stabilized (−)-Hydroxycitric acid from Garcinia cambogia extract for making concentrate and slimming water and their derived product for weight management
JPH0759548A (ja) 天然酸化防止剤
JP3891746B2 (ja) 経口投与用美白組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080528

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528

Year of fee payment: 13