JP6769643B1 - イミダゾールジペプチドの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、動物性エキスの種類に依らずに、各イミダゾールジペプチドを高純度かつ工業的規模で大量に生産する方法を提供することにある。【解決手段】上記目的は、以下の工程(1)及び(2)を含む、イミダゾールジペプチド精製物の製造方法により解決される。(1)少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂へ接触させる吸着処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着する工程(2)イミダゾールジペプチドが吸着した疎水性吸着樹脂を、水性溶液を用いた溶出処理に供し、前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収することにより、イミダゾールジペプチドを精製する工程【選択図】図1

Description

本発明は、イミダゾールジペプチドの精製方法に関する。
イミダゾールジペプチドは、イミダゾール基を有するヒスチジン又はヒスチジン誘導体とアミノ酸とが結合したジペプチドであり、アンセリン(β−アラニル−1−メチルヒスチジン)、カルノシン(β−アラニルヒスチジン)、バレニン(β−アラニル−3−メチルヒスチジン)、ホモカルノシン(γ−アミノブチリル−L−ヒスチジン)などが具体例として挙げられる。イミダゾールジペプチドには、抗疲労作用、抗酸化作用、血糖値上昇抑制作用、認知機能改善作用などの生理作用があることが知られており、機能性成分として注目されている。
イミダゾールジペプチドの製造方法としては、L−ヒスチジン及び3−メチル−L−ヒスチジンなどを出発原料として、化学的、酵素学的又は微生物学的に合成する方法が知られている。例えば、特許文献1には、イミダゾールジペプチド合成活性能を有する微生物を用いてイミダゾールジペプチドを製造する方法が記載されている。しかし、特許文献1に記載の方法は、出発原料として3−メチル−L−ヒスチジン及び1−メチル−L−ヒスチジンを用い、これらの安定供給の観点から、イミダゾールジペプチドを工業的規模で大量に製造するためには依然として課題がある。
それに対して、イミダゾールジペプチドを工業的規模で大量に製造する方法としては、イミダゾールジペプチドを含む、マグロ、カツオ、サケなどの魚類、ウシ、ブタ、クジラなどの哺乳類、ニワトリなどの鳥類といった動物のエキスから取得する方法がある。
動物性エキスからイミダゾールジペプチドを製造する方法として、イオン交換処理を利用した方法がある。例えば、特許文献2には、魚介類のエキスを脱塩処理して得られた脱塩処理液をH型弱酸性陽イオン交換樹脂に通液してイミダゾールジペプチドを吸着し、次いで水洗後に塩酸及び/又は食塩水でイミダゾールジペプチドを溶出する方法が記載されている。
特許文献3には、動物性エキスと同じ電気伝導度範囲(10±2mS/cm)及びpH範囲(5.0±0.5)に調整された緩衝液を用いて予めH型に平衡化した強酸性陽イオン交換樹脂に、動物性エキスを接触して、イミダゾールジペプチドを吸着し、次いで緩衝液及び純水で洗浄した後、pH8〜pH12の範囲のアルカリ溶液を通液又は混合することによってイミダゾールジペプチドを溶出する方法が記載されている。
特開2020−22433号公報 特許第4612549号 特許第5142126号
一般的に、動物性エキスは、動物の種類及び部位により、2種類以上のイミダゾールジペプチドが含まれる。しかし、アンセリン、カルノシン、バレニン、ホモカルノシンといったイミダゾールジペプチドは電気的性質が近似することから、特許文献2及び3に記載のイオン交換処理を利用した方法では、2種類以上のイミダゾールジペプチドが個々に分離せずに、動物エキスが本来有する成分比のままで回収される。すなわち、特許文献2及び3に記載のイオン交換処理を利用した方法は、2種類以上のイミダゾールジペプチドの相互分離ができないという問題がある。
また、カルノシンの分子量は226であり、ホモカルノシン、アンセリン及びバレニンの分子量は240であることから、これらは相互に分子量が類似しており、逆浸透膜、NF膜などを利用した分子量による膜分画では、2種類以上のイミダゾールジペプチドの相互分離ができないという問題がある。
例えば、鶏由来エキスを用いてイオン交換処理法により得られるイミダゾールジペプチドは、アンセリン及びカルノシンを重量比で2:1〜3:1にて含む混合物となる。鯨由来エキスを用いた場合は、得られるイミダゾールジペプチドは、バレニン及びカルノシンを重量比で4:1〜5:1にて含む混合物となる。そして、これらの混合物から、各イミダゾールジペプチドを工業的に相互分離する方法はこれまでにほとんど知られていない。
一方で、鮭は含有するイミダゾールジペプチドのほとんどがアンセリンであることから、鮭由来エキスをイオン交換処理法に供することにより、高純度のアンセリンが得られる。しかし、単一のイミダゾールジペプチドを有する動物の種類は限定されており、さらに鮭は漁獲量に左右されるという問題がある。
したがって、動物性エキスの種類に依らずに、各イミダゾールジペプチドを高純度かつ工業的規模で大量に生産する方法はこれまでにほとんど無いという問題が依然として存在する。
そこで、本発明は、動物性エキスの種類に依らずに、各イミダゾールジペプチドを高純度かつ工業的規模で大量に生産する方法を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討していく中で、アンセリン及びバレニンは、カルノシンに対して、イミダゾール環にメチル基が1個付与された構造をとることに着眼した。そして、このような構造の違いにより、これら分子種の疎水性の差を利用した相互分離について試行錯誤を繰り返した。
その結果、驚くべきことに、2種類以上のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂を用いた吸着処理及び特定の溶離剤を用いた溶出処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを相互分離することができることを見出した。
このような知見に基づいて、本発明者らは、遂に、少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液から、個々のイミダゾールジペプチドを高純度で含む精製イミダゾールジペプチドを製造する方法を創作することに成功した。本発明はこのような知見や成功例に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明の一態様によれば、以下の[1]〜[9]に示す方法が提供される。
[1]以下の工程(1)及び(2)を含む、イミダゾールジペプチド精製物の製造方法。
(1)少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂へ接触させる吸着処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着する工程
(2)イミダゾールジペプチドが吸着した疎水性吸着樹脂を、水性溶液を用いた溶出処理に供し、前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収することにより、イミダゾールジペプチドを精製する工程
[2]前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドは、カルノシンとカルノシン以外のイミダゾールジペプチドとである、[1]に記載の方法。
[3]前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドは、カルノシンとアンセリン又はバレニンとである、[1]に記載の方法。
[4]前記疎水性吸着樹脂は、芳香族系疎水性吸着樹脂である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5]前記水性溶液は、水、希アルカリ性水溶液及び希有機溶媒水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶液である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]前記希アルカリ性水溶液は0.001M〜0.008M水酸化ナトリウム水溶液であり、及び前記希有機溶媒水溶液は0.1質量%〜0.8質量%エタノールである、[5]に記載の方法。
[7]前記動物性エキス処理液は、動物性エキスを強酸性陽イオン交換樹脂によるイオン吸着処理及びアルカリ性水溶液を用いた溶出処理に供して得られる、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]前記動物性エキスは、脱塩処理に供した動物性エキスである、[7]に記載の方法。
[9]前記動物性エキスは、ニワトリ、クジラ、ウシ、ブタ、サケ、カツオ及びマグロからなる群から選ばれる少なくとも1種の動物の肉に由来する動物性エキスである、[7]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
本発明の一態様の方法によれば、疎水性吸着樹脂を用いた吸着処理及び特定の溶離液を用いた溶出処理を採用することで、複雑な設備、装置、操作などを用いなくとも、個々のイミダゾールジペプチドを高純度で含むイミダゾールジペプチド精製物を得ることができる。したがって、本発明の一態様の方法は、簡便かつ経済性に優れた、工業的規模での実施が可能である方法である。
本発明の一態様の方法によって得られるイミダゾールジペプチド精製物によれば、各イミダゾールジペプチド、例えば、アンセリン、バレニン又はカルノシンに固有の生理的作用を発現することが期待できる。
図1は、後述する実施例に示すとおりの、アンセリン精製品及びカルノシン精製品の混合物を相互分離して得られた分離例を示した図である。 図2は、後述する実施例に示すとおりの、各種溶離液を用いてアンセリン及びカルノシンを相互分離して得られた分離例を示した図である。 図3は、後述する実施例に示すとおりの、合成吸着樹脂としてダイヤイオンHP20を用いてアンセリン及びカルノシンを相互分離して得られた分離例を示した図である。 図4は、後述する実施例に示すとおりの、鶏抽出エキス、イオン交換処理液及びイオン交換処理+NF膜処理液のHPLCクロマトグラムを示した図である。 図5は、後述する実施例に示すとおりの、原料として鶏肉を用いた、アンセリン及びカルノシンを相互分離して得られた分離例を示した図である。 図6は、後述する実施例に示すとおりの、粗アンセリン精製液、前半回収画分及び後半回収画分のHPLCクロマトグラムを示した図である。 図7は、後述する実施例に示すとおりの、クジラ肉抽出エキス、イオン交換処理液及びイオン交換処理+NF膜処理液のHPLCクロマトグラムを示した図である。 図8は、後述する実施例に示すとおりの、原料としてクジラ肉を用いた、アンセリン及びカルノシンを相互分離して得られた分離例を示した図である。 図9は、後述する実施例に示すとおりの、粗バレニン精製液、前半回収画分及び後半回収画分のHPLCクロマトグラムを示した図である。 図10は、後述する実施例に示すとおりの、原料としてブタ肉を用いた、カルノシン、アンセリン及びバレニンを相互分離して得られた分離例を示した図である。 図11は、後述する実施例に示すとおりの、粗カルノシン精製液、前半回収画分及び後半回収画分のHPLCクロマトグラムを示した図である。
以下、本発明の一態様の方法の詳細について説明するが、本項目の事項によってのみに限定されるものではなく、本発明はその目的を達成する限りにおいて種々の態様をとり得る。
本明細書における各用語は、別段の定めがない限り、当業者により通常用いられている意味で使用され、不当に限定的な意味を有するものとして解釈されるべきではない。また、本明細書においてなされている推測及び理論は、本発明者らのこれまでの知見及び経験によってなされたものであることから、本発明はこのような推測及び理論のみによって拘泥されるものではない。
「RV」は、樹脂量に対する溶媒の流量倍数を表し、例えば、樹脂量に対して2倍の動物性エキスを通液する場合は、RVは2となる。
「SV」は、空間速度(Space Velocity)を表し、1時間当たりに樹脂量(体積)を通過した液量(体積)の樹脂量に対する比率を表す。例えば、1mの樹脂に1時間当たり5mの液量が通過した場合、SVは5となる。
「及び/又は」は、列記した複数の関連項目のいずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせ若しくは全ての組み合わせを意味する。
数値範囲の「〜」は、その前後の数値を含む範囲であり、例えば、「0質量%〜100質量%」は、0質量%以上であり、かつ、100質量%以下である範囲を意味する。なお、本明細書では、「重量%」は「質量%」と同義である。
「含む」は、含まれるものとして明示されている要素以外の要素を付加できることを意味する(「少なくとも含む」と同義である)が、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。すなわち、「含む」は、明示されている要素及び任意の1種若しくは2種以上の要素を含み、明示されている要素からなり、又は明示されている要素から本質的になることを意味し得る。要素としては、成分、工程、条件、パラメーター等の制限事項等が挙げられる。
整数値の桁数と有効数字の桁数とは一致する。例えば、1の有効数字は1桁であり、10の有効数字は2桁である。また、小数値は小数点以降の桁数と有効数字の桁数は一致する。例えば、0.1の有効数字は1桁であり、0.10の有効数字は2桁である。
[本発明の一態様の方法の概要]
本発明の一態様の方法は、動物性エキスをイオン交換処理などに供して得られた、複数種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液から、1種類のイミダゾールジペプチドを高純度で含むイミダゾールジペプチド精製物を製造する方法に関する。
例えば、図4に示すとおり、鶏抽出エキスを強酸性陽イオン交換樹脂に吸着し、次いで苛性ソーダでイミダゾールジペプチドを溶出し、次いでNF膜で脱塩処理する場合、クレアチニンが除去された高純度のイミダゾールジペプチドが得られる。しかし、鶏抽出エキス、イオン交換処理液及びイオン交換処理+NF膜処理液において、イミダゾールジペプチドの構成比(アンセリン及びカルノシンの含有比率)はほとんど変わらない。
同様に、図7に示すとおり、クジラ肉抽出エキスを用いる場合、得られるイミダゾールジペプチドにおけるバレニン及びカルノシンの含有比率は各処理を経由してもほとんど変わらない。
したがって、動物性エキスをイオン交換処理に供するだけでは、得られる処理物におけるアンセリン、バレニン、カルノシンなどの個々のイミダゾールジペプチドの構成比は、使用する動物性エキスの動物の種類によって決定される。
しかし、本発明の一態様の方法を用いれば、動物性エキスのイオン交換処理液における個々のイミダゾールジペプチドを、動物性エキスの動物の種類に依らずに、相互分離することができる。例えば、鶏抽出エキスのイオン交換処理液を本発明の具体的態様の方法に供した場合の結果を示す図5を参照すると、フラクション番号5〜7を用いれば、カルノシンを高純度で含み、かつアンセリンをほとんど含まないイミダゾールジペプチド精製物が得られる。これとは逆に、後半画分を用いれば、アンセリンを高純度で含み、かつカルノシンをほとんど含まないイミダゾールジペプチド精製物が得られる(図6Cを参照)。
別の例として、クジラ肉抽出エキスのイオン交換処理液を本発明の具体的態様の方法に供した場合の結果を示す図8を参照すると、前半画分を用いれば、カルノシンを高純度で含み、かつバレニンをほとんど含まないイミダゾールジペプチド精製物が得られる(図9Bを参照)。これとは逆に、後半画分を用いれば、バレニンを高純度で含み、かつカルノシンをほとんど含まないイミダゾールジペプチド精製物が得られる(図9Cを参照)。
したがって、本発明の一態様の方法によれば、鶏、クジラといった動物種に限定されずに、動物性エキス処理液から、アンセリン、バレニン、カルノシンといった個々のイミダゾールジペプチドを高純度で含む、イミダゾールジペプチド精製物が得られる。
本発明の一態様の方法は、以下の工程(1)及び(2)を含む。
(1)少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂へ接触させる吸着処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着する工程
(2)イミダゾールジペプチドが吸着した疎水性吸着樹脂を、水性溶液を用いた溶出処理に供し、前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収することにより、イミダゾールジペプチドを精製する工程
イミダゾールジペプチドは、通常知られているとおりのものであれば特に限定されず、例えば、イミダゾール基を有するヒスチジン又はヒスチジン誘導体とアミノ酸とが結合したジペプチドであるということができる。イミダゾールジペプチドの具体例としては、アンセリン(β−アラニル−1−メチルヒスチジン)、カルノシン(β−アラニルヒスチジン)、バレニン(β−アラニル−3−メチルヒスチジン)、ホモカルノシン(γ−アミノブチリル−L−ヒスチジン)などが挙げられる。本発明の一態様の方法は、疎水性吸着樹脂を用いて、イミダゾールジペプチドの疎水性の違いにより吸着処理及び溶出処理を実施することから、相互分離すべきイミダゾールジペプチドは疎水性の差異があるイミダゾールジペプチドであることが好ましく、カルノシンとカルノシン以外のイミダゾールジペプチドとであることがより好ましく、カルノシンとアンセリン又はバレニンとであることがさらに好ましい。
動物性エキスは、魚類、鳥類、哺乳類などの動物の肉などの部位に含まれる成分を、抽出媒体に溶かし出して得られたものであればよい。動物の種類は、肉などの部位にイミダゾールジペプチドを含む動物であれば特に限定されないが、例えば、アンセリンを多く含むカツオ、マグロ、サケ、ウナギ、サメ、ウシ、ニワトリ;カルノシンを多く含むブタ;バレニンを多く含むクジラなどが挙げられる。動物性エキスは、イミダゾールジペプチドの含有量が大きく、資源量として豊富であり、又は飼育が容易であることから、ニワトリ、クジラ、ウシ、ブタなどの畜肉及びサケ、カツオ、マグロなどの魚類の筋肉が好ましい。
動物性エキスの取得方法は特に限定されず、イミダゾールジペプチドが含まれる動物の部位を、水抽出、熱水抽出、超臨界抽出などの公知の抽出方法に供して得られる抽出物を利用してもよいし、市販されているものを利用してもよい。動物性エキスは、上記抽出物から不溶性固形分及び夾雑成分を取り除くために、固液分離処理、濃縮処理、乾燥処理、希釈処理などの加工処理に供したものであることが好ましい。
動物性エキスをイオン交換処理に供する場合、ロス率が下がって樹脂あたりのイミダゾールジペプチドの吸着量が向上し、結果としてイミダゾールジペプチドの純度が向上することから、動物性エキスは脱塩処理に供することが好ましい。動物性エキスの脱塩処理は、例えば、陽イオン交換膜/陰イオン交換膜としてCMV−N/AMV−Nを備えた電気透析脱塩機「DW−3E2型」(AGCエンジニアリング社製)を用いて、イミダゾールジペプチド1質量%あたり目標伝導度は2mS/cm〜14mS/cm、好ましくは5mS/cm程度の条件で実施することが好ましい。
動物性エキス処理液は、少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを高純度で含むものであることが好ましい。動物性エキスから動物性エキス処理液を得る方法としては、特許文献1に記載の方法、特許文献2に記載の方法、特願2019−235532明細書に記載の方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
動物性エキス処理液におけるイミダゾールジペプチドの含有量は、乾燥質量(固形分)として、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。動物性エキスにはクレアチニンが含まれる場合が多いことから、動物性エキス処理液におけるクレアチニンの含有量は、イミダゾールジペプチドの質量あたり、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
動物性エキス処理液の好ましい具体例である、イミダゾールジペプチドの含有量が乾燥質量(固形分)として80質量%以上であり、かつクレアチニンの含有量がイミダゾールジペプチドの質量あたり5質量%以下である動物性エキス処理液は、例えば、特願2019−235532明細書に記載の方法によって得ることができる。したがって、動物性エキス処理液の好ましい具体例は、動物性エキス、好ましくは脱塩処理に供した動物性エキスを、強酸性陽イオン交換樹脂を用いたイオン吸着処理及びアルカリ性水溶液を用いた溶出処理に供して得られる動物性エキス処理液である。
動物性エキス処理液は、個々のイミダゾールジペプチドを相互分離するという観点から、少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含むものであるが、より高度に精製するという意味では実質的に1種類のイミダゾールジペプチドを含むものであってもよい。
動物性エキス処理液は、吸着処理工程にてイミダゾールジペプチドの疎水性吸着樹脂への吸着を良好にするために、pHが7〜10であることが好ましく、イミダゾールジペプチドの有効電荷がゼロ付近になることから、pHが7.5〜9.5であることがより好ましく、pHが8.0〜9.0であることがさらに好ましい。動物性エキス処理液のpHがこれらの範囲にない場合は、酸又はアルカリを用いてpHを調整してもよい。
[工程(1):吸着処理工程]
工程(1)では、動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂へ接触させる吸着処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着する。
疎水性吸着樹脂は、イオン交換基を持たずに疎水性の多孔性構造を有する合成樹脂であれば特に限定されないが、好ましくは芳香族系疎水性吸着樹脂である。芳香族系疎水性吸着樹脂は、吸着性置換基としてベンゼン環を有する疎水性吸着樹脂であり、例えば、吸着性置換基として同一の構造又は異なる構造を有する置換基を有してもよいフェニル基又はフェニルアルキル基を有する疎水性吸着樹脂などが挙げられ、好ましくは下記一般式(I)に示される構造を有する疎水性吸着樹脂である。
(I)
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、F、Cl、Br及びIからなる群から選択されるハロゲン原子、メチル基、エチル基、メチレン基又はエチレン基であり、xは0〜2の整数であり、yは0〜2の整数である。)
疎水性吸着樹脂は、公知の方法により製造したものでも、市販されているものでも、どちらでもよい。例えば、市販されている芳香族系疎水性吸着樹脂としては、「セパビーズSP207」、「セパビーズSP70」、「セパビーズSP850」、「セパビーズSP825L」、「セパビーズSP700」、「ダイヤイオンHP20」、「ダイヤイオンHP21」(それぞれ三菱ケミカル社製)などが挙げられ、本発明の一態様の方法ではこれらの芳香族系疎水性吸着樹脂を好ましく用いることができる。
動物性エキス処理液と疎水性吸着樹脂とを接触する方法は特に限定されず、これらが接触することにより動物性エキス処理液中のイミダゾールジペプチドが疎水性吸着樹脂へ吸着するようにすればよく、疎水性吸着樹脂を動物性エキス処理液に浸漬するバッチ方式でも、疎水性吸着樹脂を充填したカラムに動物性エキス処理液を通液するカラム方式でもいずれの方式も採用できる。この際、カラム操作に疑似移動床法を採用すれば、イミダゾールジペプチドの回収率が高められる可能性がある。
動物性エキス処理液におけるイミダゾールジペプチドの含有量、動物性エキス処理液の疎水性吸着樹脂への負荷量、吸着温度などのその他の吸着条件は、使用する疎水性吸着樹脂の種類及び量などに基づいて、疎水性吸着樹脂の吸着容量の範囲内で適宜設定すればよい。疎水性吸着樹脂を充填したカラムに動物性エキス処理液を通液する場合において、動物性エキス処理液の疎水性吸着樹脂への接触速度は、動物性エキス処理液中のイミダゾールジペプチドが疎水性吸着樹脂に吸着する限り特に限定されないが、例えば、10℃〜30℃下、好ましくは室温(約20℃)下で、SVが0.5〜10、好ましくは1〜5となる流速であることが好ましい。
例えば、イミダゾールジペプチド 2gを樹脂1Lに吸着すると想定すると、イミダゾールジペプチドの含有量が0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%〜1.0質量%である動物性エキス処理液の1RV〜10RV、好ましくは1RV〜5RVの量を、SV1〜SV3の流速で、15℃〜25℃、好ましくは室温にて、疎水性吸着樹脂と接触させることにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着することができる。
[工程(2):溶出処理工程]
工程(2)では、イミダゾールジペプチドが吸着した疎水性吸着樹脂を、水性溶液を用いた溶出処理に供する。このような工程(2)を実施することにより、動物性エキス処理液中の複数種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収することが可能となり、それにより単独のイミダゾールジペプチドを高純度で含有するイミダゾールジペプチド精製物が得られる。
溶離剤として水性溶液を用いることにより、個々のイミダゾールジペプチドの疎水性に応じて、複数種類のイミダゾールジペプチドを相互分離することができる。水性溶液は、水が95質量%以上であり、かつpHが中性〜弱アルカリ性である水溶液であればよい。水性溶液として、水、希アルカリ性水溶液及び希有機溶媒水溶液が好ましい。希アルカリ性水溶液は、アルカリ性物質を含みつつも、pHが8〜12であるものであればよい。希有機溶媒水溶液は、親水性有機溶媒と水との混合液であればよい。
希アルカリ性水溶液におけるアルカリ性物質の種類は特に限定されないが、希アルカリ性水溶液は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液及び水酸化カリウム水溶液などのアルカリ金属塩水酸化物水溶液、アンモニア水溶液といった無機アルカリ性水溶液などが挙げられ、溶出効率及びイミダゾールジペプチドの回収率の観点から、アルカリ金属塩水酸化物水溶液が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液がより好ましい。例えば、希アルカリ性水溶液は、0.001M〜0.01Mのアルカリ金属塩水酸化物水溶液であることが好ましく、0.001M〜0.008Mのアルカリ金属塩水酸化物水溶液であることがより好ましく、0.002M〜0.007Mのアルカリ金属塩水酸化物水溶液であることがさらに好ましい。
希有機溶媒水溶液に用いる親水性有機溶媒は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトンなどの低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられるが、好ましくはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びアセトンである。例えば、希有機溶媒水溶液は、0.01質量%〜1.0質量%の希有機溶媒水溶液であることが好ましく、0.1質量%〜0.8質量%の希有機溶媒水溶液であることがより好ましく、0.2質量%〜0.7質量%の希有機溶媒水溶液であることがさらに好ましい。
溶離剤の使用量は特に限定されないが、例えば、芳香族系疎水性吸着樹脂 2Lを充填したカラムに動物性エキス処理液を通液した場合、0.003M〜0.006M 水酸化ナトリウム水溶液を、2RV〜20RV、好ましくは5RV〜10RVの量及びSV1.0〜SV3.0の流速で、15℃〜25℃、好ましくは室温にて通液することにより、疎水性吸着樹脂に吸着した複数種類のイミダゾールジペプチドを効率良く相互分離することができる。
溶出処理は、カラム内に疎水性吸着樹脂が充填及び保持された状態で、撹拌機により、又は気体を吹き込むことにより、疎水性吸着樹脂を撹拌しつつ、溶離剤を徐々に加えていくことで撹拌してもよい。
工程(1)及び工程(2)を経由することにより、動物性エキス処理液中の複数種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収し、単独のイミダゾールジペプチドを高純度で含有するイミダゾールジペプチド精製物を得ることができる。イミダゾールジペプチド精製物は、工程(1)及び工程(2)を経由して得られるものであれば、イミダゾールジペプチドの純度は特に限定されないが、例えば、イミダゾールジペプチドの全量に対して、特定の単独のイミダゾールジペプチドの含有量が75質量%以上であり、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であるイミダゾールジペプチド精製物である。
イミダゾールジペプチド精製物の具体例として、動物性エキスとしてニワトリ胸肉の熱水抽出物を用いた場合は、イミダゾールジペプチド(アンセリン、カルノシン、バレニン)の全量に対してアンセリンの含有量が75質量%以上であり、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、なおさらに好ましくは97質量%以上であるイミダゾールジペプチド精製物などが挙げられる。この場合、イミダゾールジペプチドの全量に対してカルノシンの含有量は25質量%以下であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。また、この場合、アンセリンの収率は、動物性エキス処理液におけるアンセリンの量を基準にすると、50%以上にすることが可能である。
別のイミダゾールジペプチド精製物の具体例として、動物性エキスとしてクジラ肉の熱水抽出物を用いた場合は、イミダゾールジペプチド(バレニン、カルノシン、アンセリン)の全量に対してバレニンの含有量が85質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは97質量%以上であるイミダゾールジペプチド精製物などが挙げられる。この場合、イミダゾールジペプチドの全量に対してカルノシンの含有量は20質量%以下であり、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。また、この場合、バレニンの収率は、動物性エキス処理液におけるバレニンの量を基準にすると、70%以上にすることが可能である。
アンセリン、バレニン及びカルノシンの含有量は、後述する実施例に記載の方法によって測定される。
工程(1)及び工程(2)を経て得られたイミダゾールジペプチド精製物は、食品素材として用いるために、pH調整処理、脱色処理、脱臭処理、固液分離処理、脱塩処理、濃縮処理、無菌処理、乾燥処理などの各処理に供してもよい。例えば、工程(2)で得られたイミダゾールジペプチド精製物を、塩酸などの酸を用いてpH6〜8、好ましくは7付近に調整するpH調整処理に供すること、活性炭及び強塩基性イオン交換樹脂などの着色成分及び/又は臭気成分を吸着する材料を用いた脱色処理及び/又は脱臭処理に供すること、セラミックフィルターを用いたろ過処理などの固液分離処理に供すること、電気透析膜又はナノろ過膜を用いた脱塩処理に供すること、エバポレーターなどを用いた濃縮処理に供すること、メンブレンフィルターなどを用いた無菌処理に供すること、スプレイドライヤーなどによる乾燥処理及びこれらの2種以上の処理を順次行うことなどが挙げられる。各処理は、イミダゾールジペプチドの損失が大きくならない限り、その条件、手順などの方法については特に限定されず、公知の方法を採用できる。
例えば、イミダゾールジペプチド精製物の脱塩処理は、pH8.0以下の条件で、分画分子量が500以下である、及び/又は食塩阻止率(食塩が膜上に保持される率)が50%以下であるナノろ過膜を用いて実施できる。このようなナノろ過膜については、特許文献3の表3に記載がある。イミダゾールジペプチド精製物を脱塩処理に供する場合、脱塩後の塩濃度は、例えば、イミダゾールジペプチドの質量あたり、ナトリウム量として、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
本発明の一態様の方法は、本発明の課題を解決し得る限り、上記した工程の前段若しくは後段又は工程途中に、種々の工程や操作を加入することができる。ただし、本発明の一態様の方法は、イミダゾールジペプチドの精製工程として、(1)少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂へ接触させる吸着処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着する工程と、(2)イミダゾールジペプチドが吸着した疎水性吸着樹脂を、水性溶液を用いた溶出処理に供し、前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収することにより、イミダゾールジペプチドを精製する工程とからなることが好ましい。
以下に、動物性エキス処理液の取得方法を含むイミダゾールジペプチド精製物の製造方法の具体的態様を説明するが、本発明の方法は以下のものに限定されない。
強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムに、酸を通液して樹脂のイオン交換基をH型とした後、水を通液し、さらにアルカリ金属塩水溶液を通液して、樹脂のイオン交換基をNa型に変換する。次いで、水を通液して、余分なアルカリ金属塩水溶液を洗浄する。
イミダゾールジペプチドを含有する動物の部位を水に加えたものを、80℃〜95℃にて、数十分間〜数時間の熱水抽出処理に供する。得られた熱水抽出物をそのまま、又は電気透析膜又はナノろ過膜を用いた脱塩処理に供した後に、濃縮処理及び固液分離処理に供して、イミダゾールジペプチドが0.1質量%〜1.0質量%であり、Brixが1.0%〜10.0%であり、かつpHが5.6〜8.0である動物性エキスを得る。
動物性エキスを、1〜10RV、SV1〜3でNa型に変換した強酸性陽イオン交換樹脂を充填したカラムへ通液し、次いで0.5〜5RVの水を通液して、動物性エキス中のイミダゾールジペプチドを強酸性陽イオン交換樹脂へ吸着する。この吸着処理後のカラム内のpHは5.6〜8.0である。
次いで0.1N〜1.0Nアルカリ金属塩水酸化物水溶液を、1〜5RV、SV1〜5でカラムへ通液して、溶出液(動物性エキス処理液)として高純度イミダゾールジペプチドを得る。溶出処理後のカラム内のpHは8.5〜14.0である。
得られた動物性エキス処理液を、酸を加えてpH8〜9に調整し、10℃〜30℃、1〜10RV、SV1〜5で芳香族系疎水性吸着樹脂を充填したカラムへ通液して、動物性エキス処理液中のイミダゾールジペプチドを芳香族系疎水性吸着樹脂へ吸着する。この吸着処理後のカラム内のpHは、使用した動物性エキス処理液と同様に、8〜9である。
次いで希アルカリ性水溶液として、0.001M〜0.01Mのアルカリ金属塩水酸化物水溶液を、10℃〜30℃、1〜10RV、SV1〜5でカラムへ通液して、複数種類のイミダゾールジペプチドが相互分離し、適当量ごとにフラクション回収して、イミダゾールジペプチドを精製することにより、個々のイミダゾールジペプチドが高純度で含まれるイミダゾールジペプチド精製物を得る。なお、溶出処理後のカラム内のpHは、使用した希アルカリ性水溶液と同様に、8〜12である。
イミダゾールジペプチド精製物を、酸を用いて中性付近に調整するpH調整処理、電気透析膜又はナノろ過膜を用いた脱塩処理、エバポレーターを用いた濃縮処理、及び孔径0.20μm〜0.45μmのメンブレンフィルターを用いた無菌ろ過処理に順次供して、イミダゾールジペプチド高度精製物を得てもよい。
本発明の一態様の方法によって得られるイミダゾールジペプチド精製物の剤形は特に限定されず、液体状であっても、固体状であっても、どちらでもよい。長期の保存に適したものとするために、液体状のイミダゾールジペプチド精製物を、風乾、減圧乾燥、凍結乾燥、スプレードライなどの乾燥処理に供して、粉末状とすることが好ましい。
本発明の一態様の方法で得られたイミダゾールジペプチド精製物の用途は特に限定されない。イミダゾールジペプチド精製物は、特定のイミダゾールジペプチドの含有量が大きく、かつ他のイミダゾールジペプチドの含有量が小さい。例えば、イミダゾールジペプチド精製物は、アンセリン、バレニン、カルノシンを高純度で含有するものとして、これら個々の物質が有する抗疲労作用、抗酸化作用、血糖値上昇抑制作用、認知機能改善作用などの生理活性を期待して、飲食品、医薬品といった経口用組成物、化粧品といった外用組成物などの各組成物の原料又は該組成物そのものとして利用することができる。
飲食品及び化粧品におけるイミダゾールジペプチド精製物の含有量は特に限定されないが、例えば、飲食品及び化粧品の全量に対し、イミダゾールジペプチドが乾燥質量として0.001質量%以上となるような量であることが好ましく、0.1質量%〜99質量%となるような量であることがより好ましい。
飲食品の剤形は特に限定されないが、例えば、液剤、散剤、錠剤、丸剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、ゼリー、チュアブル、ペーストなどが挙げられる。
飲食品の具体的な形態としては、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、果実飲料、野菜ジュース、乳酸菌飲料、乳飲料、豆乳、ミネラルウォーター、茶系飲料、コーヒー飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、ゼリー飲料などの飲料類;トマトピューレ、キノコ缶詰、乾燥野菜、漬物などの野菜加工品;乾燥果実、ジャム、フルーツピューレ、果実缶詰などの果実加工品;カレー粉、わさび、ショウガ、スパイスブレンド、シーズニング粉などの香辛料;パスタ、うどん、そば、ラーメン、マカロニなどの麺類(生麺、乾燥麺含む);食パン、菓子パン、調理パン、ドーナツなどのパン類;アルファー化米、オートミール、麩、バッター粉などの粉類製品;焼菓子、ビスケット、米菓子、キャンデー、チョコレート、チューイングガム、スナック菓子、冷菓、砂糖漬け菓子、和生菓子、洋生菓子、半生菓子、プリン、アイスクリームなどの菓子類;小豆、豆腐、納豆、きな粉、湯葉、煮豆、ピーナッツなどの豆類製品、;蜂蜜、ローヤルゼリーなどの加工食品;ハム、ソーセージ、ベーコンなどの肉製品;ヨーグルト、プリン、練乳、チーズ、発酵乳、バター、アイスクリームなどの酪農製品;加工卵製品;干物、蒲鉾、ちくわ、魚肉ソーセージなどの加工魚;乾燥わかめ、昆布、佃煮などの加工海藻;タラコ、数の子、イクラ、からすみなどの加工魚卵;だしの素、醤油、酢、みりん、コンソメベース、中華ベース、濃縮出汁、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、味噌などの調味料;サラダ油、ゴマ油、リノール油、ジアシルグリセロール、べにばな油などの食用油脂;スープ(粉末、液体含む)、惣菜、レトルト食品、チルド食品、半調理食品(例えば、炊き込みご飯の素、カニ玉の素)などの調理済み食品などが挙げられるが、これらに限定されない。
化粧品に配合して使用する場合は、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、パック剤などの様々な形態で使用することが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[例1.アンセリン及びカルノシンの相互分離評価]
L−アンセリン(鮭由来アンセリン精製品、東海物産社製)及びL−カルノシン(浜理薬品社製)をそれぞれ200μmol含有した混合液100mlを調製した。得られた混合液を、芳香族系合成吸着樹脂(「セパビーズSP207」;三菱ケミカル社製)50mlが入ったカラム(φ20mm、高さ300mm)に20℃でSV2にて通液して、アンセリン及びカルノシンを樹脂に吸着させた。次いでカラムに0.005M水酸化ナトリウム水溶液を6RVでSV2にて20℃で通液し、溶離液を10mlずつフラクション回収するようにして、アンセリン及びカルノシンを溶出した。
得られたフラクションにおけるアンセリン及びカルノシンの濃度を、HPLCにより測定した。HPLCは、カラムとして「InertSustain C18(粒子径5μm、φ4.6mm×150mm)」(GLサイエンス社製)を用い、展開溶媒として10mMリン酸ナトリウム(pH6.5)添加の水を用い、HPLCとして「PU−2089」(日本分光社製;流速1.0mL/min、25℃、インジェクション容量5μl、検出波長210nm)を用いた。
分離例を図1に示す。図1に示すとおり、カルノシンが初めに溶出し、次いでアンセリンが溶出することが確認された。カルノシン及びアンセリンは溶離ピークが異なって溶出するため、回収のタイミングをずらしてカルノシンが溶出し終わった後の溶離液を回収することで、アンセリン高含有画分が得られることが確認された。
[例2.相互分離に用いる溶離液の評価]
例1で使用したアンセリン及びカルノシンを含む混合液を用いて、例1と同様にして、カルノシン及びアンセリンの吸着、溶出を確認した。
ただし、溶離剤としては、蒸留水、0.5質量%エタノール、0.01M水酸化ナトリウム水溶液及び0.005M水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
分離例を図2に示す。図2に示すとおり、使用した溶離剤を用いた場合、カルノシン及びアンセリンは溶離ピークが異なって溶出することが確認された。
[例3.相互分離に用いる合成吸着樹脂の評価]
L−アンセリン(鮭由来アンセリン精製品、東海物産社製)及びL−カルノシン(浜理薬品社製)をそれぞれ50μmol含有した混合液(各0.5mM)100mlを調製した。得られた混合液を、芳香族系合成吸着樹脂(「ダイヤイオンHP20」;三菱ケミカル社製)50mlが入ったカラム(φ20mm、高さ300mm)に20℃でSV2にて通液して、アンセリン及びカルノシンを樹脂に吸着させた。次いでカラムに蒸留水をRV3でSV2にて20℃で通液し、溶離液を10mlずつフラクション回収するようにして、アンセリン及びカルノシンを溶出した。
得られたフラクションにおけるアンセリン及びカルノシンの濃度を、例1と同様にしてHPLCにより測定した。
分離例を図3に示す。図3に示すとおり、異なる芳香族系合成吸着樹脂を用いても、カルノシン及びアンセリンを相互分離することができることがわかった。
[例4.鶏肉を用いたカルノシン及びアンセリンの相互分離評価]
鶏の胸肉を熱水抽出して鶏抽出エキスを得た。得られた鶏抽出エキスを、珪藻土ろ過処理に供し、次いで水で希釈してBrix7.5%、アンセリン0.53質量%及びカルノシンが0.22質量%である鶏肉粗抽出液を得た。得られた鶏肉粗抽出液を、予め10%NaClでNa型とした強酸性陽イオン交換樹脂(「ダイヤイオン SK1B」;三菱ケミカル社製)1,000mlを充填したカラムに4RVで2SVにて通液し、イミダゾールジペプチドを吸着させた。吸着処理後、カラムに1RVのRO水をSV2で通液し、次いで0.4M水酸化ナトリウム溶液を2RV、SV2で通液して、樹脂に吸着したイミダゾールジペプチドを溶出して、鶏由来の粗アンセリン精製液(イオン交換処理液)を得た。なお、参考として、別途用意した鶏抽出エキス及びイオン交換処理液、並びにイオン交換処理液を、分画分子量が500以下であり、かつ食塩阻止率が50%以下であるナノろ過膜を用いて処理して得たろ過液(イオン交換処理+NF膜処理液)について、例1と同様にして測定した結果を図4及び表1に示す。
芳香族系合成吸着樹脂(「セパビーズSP207」;三菱ケミカル社製)1,000mlを充填したカラム(φ550mm、高さ1,000mm)に、鶏由来の粗アンセリン精製液(アンセリン2002mg、カルノシン757mg)を2RVでSV2にて通液することにより、吸着処理を行った。
次いで、カラムに0.005M水酸化ナトリウムを6RVでSV2にて通液して、溶出処理を行った。溶離液は400mlずつフラクション回収し、例1と同様にしてHPLCでアンセリン及びカルノシンを測定した。分離例を図5に示す。
図5に示すとおり、カルノシンが先に溶出し、遅れてアンセリンが溶出することが確認された。それぞれの溶離ピークが相互に分離しているため、カルノシンが溶出しきった後にアンセリンを回収することにより、アンセリン比率の高い溶離液を得ることができる。
溶離液をカルノシン/アンセリンの質量比率が10%を下回った点を境に2分割し、前半画分及び後半画分として回収した。各画分のHPLCクロマトグラムを図6に示し、アンセリン、カルノシン及びバレニンの回収率及び組成比率を表2に示す。
図6及び表2が示すとおり、負荷量に対するアンセリン回収率は前半画分で29重量%及び後半画分で56重量%であった。イミダゾールジペプチドの組成比率は、重量%で、前半画分はアンセリン:カルノシン=47.1:52.9であり、後半画分はアンセリン:カルノシン=97.1:2.9であった。
したがって、後半画分では、イミダゾールジペプチドのうち、アンセリンを90重量%以上で含有する高アンセリン含有物を得ることができた。
[例5.クジラ肉を用いたカルノシン及びバレニンの相互分離評価]
ミンククジラの胸肉(アイスランド産)1,500gに対し、市水3,000gを加えて90℃で60分間熱水抽出して、クジラ肉抽出エキスを得た。クジラ肉抽出エキスの全量を珪藻土ろ過して、Brixが1.7%であり、バレニンが0.48質量%であり、かつカルノシンが0.09質量%であるクジラ粗抽出液を2,800g得た。このクジラ粗抽出液を、例4と同様の方法でイオン交換処理し、クジラ由来の粗バレニン精製液(イオン交換処理)を得た。なお、参考として、別途用意したクジラ抽出エキス及びイオン交換処理液、並びにイオン交換処理液を、例4で用いたナノろ過膜を用いて処理して得たろ過液(イオン交換処理+NF膜処理)について、例1と同様にして測定した結果を図7及び表3に示す。
クジラ由来の粗バレニン精製液(バレニン2,001mg、カルノシン359mg、アンセリン19mg)を用いて、例4と同様に吸着処理及び溶出処理を行った。溶離液は400mlずつフラクション回収し、例1と同様にしてHPLCでバレニン、カルノシン及びアンセリンを定量した。分離例を図8に示す。
図8に示すとおり、カルノシンが先に溶出し、遅れてバレニンが溶出することが確認された。それぞれの溶離ピークが相互に分離しているため、カルノシンが溶出しきった後にバレニンを回収することにより、バレニン比率の高い溶離液を得ることができる。
溶離液をカルノシン/バレニンの質量比率が10%を下回った点を境に2分割し、前半画分及び後半画分として回収した。各画分のHPLCクロマトグラムを図9に示し、アンセリン、カルノシン及びバレニンの回収率及び組成比率を表4に示す。
図9及び表4に示すとおり、負荷量に対するバレニン回収率は前半画分で4重量%及び後半画分で81重量%であった。イミダゾールジペプチドの組成比率は、重量%で、前半画分はバレニン:カルノシン:アンセリン=19.0:78.8:2.2であり、後半画分はバレニン:カルノシン:アンセリン=97.7:1.5:0.8であった。
したがって、後半画分では、イミダゾールジペプチドのうち、バレニンを90重量%以上で含有する高バレニン含有物を得ることができた。
[例6.ブタ肉を用いたカルノシン、アンセリン及びバレニンの相互分離評価]
ブタもも肉(国産)2,000gに対し、市水2,000gを加えて90℃で60分間熱水抽出して、ブタ肉抽出エキスを得た。ブタ肉抽出エキスの全量を珪藻土ろ過して、Brixが1.9%であり、カルノシンが0.16質量%であり、かつアンセリンが0.01質量%であり、バレニンが0.01質量%であるブタ肉粗抽出液を2450g得た。このブタ肉粗抽出液を、例4と同様の方法でイオン交換処理し、ブタ由来粗カルノシン精製液(イオン交換処理)を得た。
ブタ由来の粗カルノシン精製液(カルノシン1,786mg、アンセリン116mg、バレニン132mg)を用いて、例4と同様に吸着処理及び溶出処理を行った。溶離液は400mlずつフラクション回収し、例1と同様にしてHPLCでカルノシン、アンセリン及びバレニンを定量した。分離例を図10に示す。
図10に示すとおり、カルノシンが先に溶出し、遅れてアンセリン及びバレニンが溶出することが確認された。それぞれの溶離ピークが相互に分離しているため、アンセリン及びバレニンが溶出する前にカルノシンを回収することにより、カルノシン比率の高い溶離液を得ることができる。
溶離液を(アンセリン+バレニン)/カルノシンの質量比率が1%を上回った点を境に2分割し、前半画分及び後半画分として回収した。各画分のHPLCクロマトグラムを図11に示し、カルノシン、アンセリン及びバレニンの回収率及び組成比率を表5に示す。
図11及び表5に示すとおり、負荷量に対するカルノシン回収率は前半画分で68重量%及び後半画分で32重量%であった。イミダゾールジペプチドの組成比率は、重量%で、前半画分はカルノシン:アンセリン:バレニン=100:0:0であり、後半画分はカルノシン:アンセリン:バレニン=76.0:11.7:12.3であった。
したがって、前半画分では、イミダゾールジペプチドのうち、カルノシンを95重量%以上で含有する高カルノシン含有物を得ることができた。
本発明は、飲食品、医薬品、化粧品、医薬部外品などの分野で有用であり、特に抗疲労用組成物、抗酸化用組成物、血糖値上昇抑制用組成物、認知機能改善用組成物又はこれらの組成物の原料を製造できる点で有用である。


Claims (6)

  1. 以下の工程(1)及び(2)を含む、イミダゾールジペプチド精製物の製造方法。
    (1)少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを含む動物性エキス処理液を、疎水性吸着樹脂へ接触させる吸着処理に供することにより、イミダゾールジペプチドを疎水性吸着樹脂へ吸着する工程であって、前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドはカルノシンとアンセリン又はバレニンとであり、かつ前記疎水性吸着樹脂は芳香族系疎水性吸着樹脂である、前記工程
    (2)イミダゾールジペプチドが吸着した疎水性吸着樹脂を、水性溶液を用いた溶出処理に供し、前記少なくとも2種類のイミダゾールジペプチドを相互分離して回収することにより、イミダゾールジペプチドを精製する工程
  2. 前記水性溶液は、水、希アルカリ性水溶液及び希有機溶媒水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性溶液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記希アルカリ性水溶液は0.001M〜0.008M水酸化ナトリウム水溶液であり、及び前記希有機溶媒水溶液は0.1質量%〜0.8質量%エタノールである、請求項に記載の方法。
  4. 前記動物性エキス処理液は、動物性エキスを強酸性陽イオン交換樹脂を用いたイオン吸着処理及びアルカリ性水溶液を用いた溶出処理に供して得られる、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記動物性エキスは、脱塩処理に供した動物性エキスである、請求項に記載の方法。
  6. 前記動物性エキスは、ニワトリ、クジラ、ウシ、ブタ、サケ、カツオ及びマグロからなる群から選ばれる少なくとも1種の動物の肉に由来する動物性エキスである、請求項のいずれか1項に記載の方法。
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