JP2006238829A - 渋味付与剤、香味料及びこれらを含有する飲食物並びに果汁感増強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 果実風味の無果汁飲料や、果汁含量の低い果汁飲料に対し、高果汁飲料のような風味、コク、ボリューム感・濃厚感を付与し、風味を改善する素材の提供。。
【解決手段】 果実に含まれる微量成分であるビセニン−2からなる渋味付与剤、ビセニン−2を有効量含有することを特徴とする渋味付与剤組成物、ビセニン−2を10〜10ppm含有することを特徴とする香味料。これらの素材を飲食物に添加することにより爽やかな渋味を付与することができ、その結果、より天然らしいコク、ボリューム感・濃厚感を有する飲食物を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は渋味付与剤、香味料及びこれらを含有する飲食物並びに果汁感増強方法に関する。さらに詳しくは、ビセニン−2からなることを特徴とする渋味付与剤、ビセニン−2を含有することを特徴とする香味料、該香味料を含有することを特徴とする飲食物並びにビセニン−2を添加することを特徴とする飲食物への果汁感増強方法に関する。
現在、清涼飲料、なかでも果汁風味の無果汁飲料又は低果汁飲料は巨大な市場を持っている。そしてこれら果汁風味の無果汁飲料又は低果汁飲料には、糖を低カロリーの甘味料で代用した組成が急速に増えている。しかしながら、無果汁飲料又は果汁含量が1から30%未満の低果汁飲料は、果汁含量が50%以上の飲料に比べると味が単調で、人工的な風味を持つという欠点があった。このため、無果汁又は果汁含量の低い果汁飲料に対して、高果汁飲料のような風味、コク、ボリューム感・濃厚感を付与することのできる素材が求められていた。
果汁感を向上させる素材としては、例えば内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンを有効成分として含有することを特徴とする果汁含有飲食物の果汁感向上剤(特許文献1)が提案されているが、無果汁又は果汁含量の低い果汁飲料に対して高果汁飲料のような風味、コク、ボリューム感・濃厚感を付与するという観点からは十分なものであると言うことはできなかった。一方、飲食物の風味改善という観点からは、ヘスペリジン配糖体を添加することで果汁の苦味をマスキングし、果汁感を向上させる方法(特許文献2)、フェノキシアルカン酸誘導体を添加することで飲食物に苦味・渋味を与えることにより風味を改善すること(特許文献3)などが提案されているが、更なる技術開発が求められていた。
特開2003−289836号公報 特開平11−318379号公報 WO95/004478号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の素材では無果汁又は果汁含量の低い果汁飲料などの飲食物に対して、高果汁飲料のような風味、コク、ボリューム感・濃厚感を付与することが困難な点である。
本発明者らは上記課題を解決すべく果実に含まれる成分を各種分画し、検索した結果、果実に含まれる渋味成分であるビセニン−2を添加することにより、ストレート果汁が有する濃厚な果汁感が付与されることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、ビセニン−2からなることを特徴とする渋味付与剤であり、また、ビセニン−2を有効成分として含有することを特徴とする渋味付与剤組成物であり、また、ビセニン−2を含有することを特徴とする香味料であり、詳しくは、ビセニン−2の含有量が10〜10ppmであることを特徴とする前記香味料であり、また、前記香味料を添加したことを特徴とする飲食物であり、また、ビセニン−2を10−1〜10ppm添加したことを特徴とする飲食物であり、また、ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする前記渋味付与剤であり、また、ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする前記香味料であり、また、ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする前記飲食物であり、また、果汁風味の無果汁飲料又は低果汁飲料に対してビセニン−2を10−1〜10ppm添加することを特徴とする果汁感増強方法であり、詳しくは、ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする前記果汁感増強方法である。
本発明の渋味付与剤は、果汁を含まないか、もしくは低濃度の果汁を含む果汁風味の飲食物を、高濃度の果汁を含む飲食物の呈味に近づけるとともに爽快な風味を増強することができる。
本発明のビセニン−2 (vicenin―2)は、6,8−ジ−C−β−グルコシルアピゲニン (6,8−Di−C−β−glucosylapigenin)であり、化学式(1)に示される構造の物質である。(図中glcはグルコース残基を表す。)
CAS番号:23666−13−9
組成式:C273015
分子量:594.52
Figure 2006238829
ビセニン−2は柑橘類の果汁、果皮、葉、スミレの草体、茶葉等に含まれることが知られている。本発明に用いる場合、十分に精製されたものであれば、いずれの起源のものであっても問題なく使用できる。また、ビセニン−2は必ずしも十分に精製したものでなくとも、その効果を有せば粗精製物として用いることも経済的に有利な場合がある。ビセニン−2を粗精製物の形で使用する場合には、その原料は食経験のあるものが望ましい。ビセニン−2はオレンジ等の柑橘類の果汁、果皮から単離することができるが、そのほかの起源であってもよく、また有効量のビセニン−2を含み、香や味、色が許容できる範囲であれば、粗抽出物や、脱色などの簡単な精製操作を行なっただけの状態であってもよい。例えばビセニン−2又はビセニン−2の粗精製物はChemical&Pharmaceutical Bulletin Vol.51,P.1204−1207,2003又は日本農芸化学会誌, Vol.58,p.137−143,1984記載の方法で得ることができる。
またビセニン−2又はビセニン−2の粗精製物は、柑橘類の果汁又は果皮の水又は水−エタノール抽出液から、スチレン−ジビニルベンゼン共重合物などの合成吸着樹脂等による吸着、及びこの樹脂をエタノール又は水−エタノール混合物などの適当な極性を持つ溶媒で溶出する方法等でも得ることができる。こうして得られたビセニン−2粗精製物は不純物を含むが、香味に問題が無ければそのまま使用することができる。この粗精製物は必要に応じてさらに濾過、濃縮、活性炭による脱臭、脱色処理、液−液分配、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、再結晶等の公知の技術により精製することができる。また酵素処理によりヘスペリジンなどの難溶解性の不純物を分解する方法を組み合わせることも有効である。本発明の渋味付与剤をビセニン−2粗精製物の形態で用いるときは、該粗精製物はビセニン−2を固形分当たり0.1質量%以上含む必要がある。本発明の効果を高め、使用性を向上させるという観点からは、さらには2質量%以上含むものが望ましい。
こうして得られたビセニン−2、又はその粗精製物は公知の方法で製剤化を行うことができる。例えば、水、エタノール、グリセリンなどの飲食可能な溶媒で溶液又はスラリーとする、若しくは凍結乾燥、又は噴霧乾燥を行い粉末にする、等である。このときデキストリンや糖、果汁等の飲食物、を加えても良いし、界面活性剤、調味料、苦味料、酸味料、香料、強化剤、抗酸化剤、色素等の食品添加物を加えても良い。またフラボノイド誘導体、キナ酸などを含有する風味改善剤等を添加することもできる。
ビセニン−2又はその粗精製物、それらの製剤を飲食物に添加する場合、その添加量はビセニン−2として10−1〜10ppmの濃度で添加されることが望ましく、特に効果的に用いるためには1〜50ppmの濃度で添加することが好適である。そのような濃度で添加する場合においては、ビセニン−2を香味料の中に一定濃度含有させ、該香味料を添加することが使用性に優れており、該香味料が果実香味料であるときに特に有効である。当該香味料にビセニン−2を含有される場合は、その濃度は10〜10ppmが適当であり、本発明の効果をより有効に発揮するためには10〜10ppmの濃度がより好ましい。
本発明の渋味付与剤は飲食物一般に用いることができ、本発明でいう飲食物とは食品、飲料、香辛料、調味料、医薬品など飲食に供することのできるものをいう。本発明の効果は飲食物に爽やかな渋味を付与するものであるが、その効果は、果汁のもつ濃厚な果汁感を付与するときに最も効果的であることから、本発明は果汁風味の飲食物、特に果汁風味でありながら無果汁若しくは低果汁の飲食物に有効であり、典型的には、果汁風味の無果汁若しくは低果汁の飲料に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
[参考例1]ビセニン−2粗精製物A
5倍濃縮バレンシアオレンジ果汁(宮崎農協より購入)1kgに蒸留水4kgを加えて希釈した。ここに合成吸着樹脂(商品名SP−70三菱化学株式会社製)100mlを不織布の袋に詰めて投入し、12時間撹拌しながらビセニン−2を吸着させた。合成吸着樹脂を取り出し、蒸留水で洗浄した後、30%のエタノール水溶液でビセニン−2を溶出した。溶出液から、エバポレーター及び凍結乾燥機により溶媒を除去し、ビセニン−2を1.6質量%含有するビセニン−2粗精製物Aを5.0g得た。
[参考例2]ビセニン−2粗精製物B
5倍濃縮バレンシアオレンジ果汁(宮崎農協より購入)1kgに蒸留水4kgを加えて希釈した。ここに合成吸着樹脂(商品名SP−70三菱化学株式会社製)100mlを不織布の袋に詰めて投入し、12時間撹拌しながらビセニン−2を吸着させた。合成吸着樹脂を取り出し、蒸留水で洗浄した後、95%のエタノール水溶液でビセニン−2を溶出した。溶出液から、エバポレーター及び凍結乾燥機により溶媒を除去し、ビセニン−2を1.1質量%含有するビセニン−2粗精製物Bを6.25g得た。
[参考例3]ビセニン−2粗精製物C
5倍濃縮バレンシアオレンジ果汁(宮崎農協より購入)1kgに蒸留水4kgを加えて希釈した。ヘスペリジナーゼ(商品名 可溶性ヘスペリジナーゼ<タナベ>2号 田辺製薬株式会社製)50gを添加し、40℃で13時間ヘスペリジンを分解した後、ここに合成吸着樹脂(商品名SP−70三菱化学株式会社製)100mlを不織布の袋に詰めて投入し、12時間撹拌しながらビセニン−2を吸着させた。合成吸着樹脂を取り出し、蒸留水で洗浄した後、30%のエタノール水溶液でビセニン−2を溶出した。溶出液から、エバポレーター及び凍結乾燥機により溶媒を除去し、ビセニン−2を2.4質量%含有するビセニン−2粗精製物Cを5.1g得た。
[参考例4]ビセニン−2精製物E
ビセニン−2粗精製物Aを10質量%になるように10%のエタノール溶液に懸濁し、不溶性の沈殿(主にヘスペリジン)を除去した後、LH−20(アマシャム バイオサイエンス株式会社製)を用いたゲル濾過クロマトグラフィーに供した。10%のエタノール水溶液により順次溶出した画分の335nmにおける吸光度をモニターし、ビセニン−2を含む画分を分取した。この画分の溶媒除去を行いビセニン−2粗精製物D 250mgを得た。ついでビセニン−2粗精製物Dの10質量%エタノール溶液を室温で静置することで、淡黄色の結晶を得た。この結晶を10%エタノールで2回洗浄した後乾燥し、ビセニン−2を95質量%含有するビセニン−2精製物Eを60mg得た。
[参考例5]ビセニン−2精製物F
ビセニン−2粗精製物Aを10質量%になるように10%のエタノール溶液に懸濁し、不溶性の沈殿(主にヘスペリジン)を除去した後、LH−20(アマシャム バイオサイエンス株式会社製)を用いたゲル濾過クロマトグラフィーに供した。10%のエタノール水溶液により順次溶出した画分の335nmにおける吸光度をモニターし、ビセニン−2を含む画分を分取した。この画分の溶媒除去を行いビセニン−2粗精製物D 250mgを得た。ついでビセニン−2粗精製物Dを10質量%になるように10%エタノールに溶解し、浸水型逆相系充填剤ODS(ナカライテスク株式会社製「Cosmosil 75 C18−OPN」)を用いて分画した。水:エタノール=90:10から順次エタノール濃度を上げ、溶出した溶出物の280nmにおける吸光度をモニターすることにより、ビセニン−2を含む画分を分取した。この画分の溶媒を除去し、淡黄色の結晶として280nmにおけるHPLC純度99%のビセニン−2精製物F40mgを得た。
ビセニン−2精製物Fのメタノール溶液のUVスペクトルは、270nm及び335nmに吸収極大がみられた。プロトン及びカーボン13核磁気共鳴スペクトルの測定結果を以下示す。測定にはブルカーバイオスピン株式会社製AVANCE400を用い、磁場強度は400MHz、溶媒は重水を加えたDMSO−d6、測定温度は37℃とした。スペクトルデータを、δ:ppm、カップリング定数J:Hz単位で表し、シグナルの形はシングレットをs、ダブレットをd、線幅の広がったシングレットをbr s、線幅の広がったダブレットをbr d、マルチマーをmで表した。またスペクトルに相当する原子の位置を、例えば1位の炭素はC−1、これに結合したプロトンはH−1のように示した。
ビセニン-2精製物Fのプロトン核磁気共鳴スペクトルは、δ: 6.76(s,H−3)、8.00(d,J=8.0, H−2’,6’)、6.93(m,J=8.0,H−3’,5’)、4.83(d,J=10.0,H−1’’)、3.50(m,H−2’’)、3.37(m,H−3’’)、3.38(m,H−5’’)、3.60(m,H−6’’)、3.65(m,H−6’’)、4.77(d,J=10.0,H−1’’’)、3.89(m,H−2’’’)、3.32(m,H−3’’’)、3.25(m,H−5’’’)、3.53(m,H−6’’’)、3.76(m,H−6’’’)であった。またこの試料についてNOESYを測定したところ8.00(d,J=8.0,H−2’,6’)と4.77(d,J=10.0,H−1’’’)及び3.89(m,H−2’’’)の間に相関が見られた。またこの試料のカーボン13核磁気共鳴スペクトルはδ:164.5(C−2)、103.1(C−3)、182.6(C−4)、104.3(C−4a)、158.6(C−5)、107.5(C−6)、161.3(C−7)、105.5(C−8)、155.5(C−8a)、121.9(C−1’)、129.3(C−2’,6’)、116.2(C−3’,5’)、161.0(C−4’)、74.4(C−1’’)、72.2(C−2’’)、77.8(C−3’’)、81.1(C−5’’)、60.1(C−6’’)、73.6(C−1’’’)、71.3(C−2’’’)、78.9(C−3’’’)、82.0(C−5’’’)、61.6(C−6’’’)であった。ビセニン−2精製物Fに少量の炭酸ナトリウムを添加した場合のプロトン核磁気共鳴スペクトルは、δ:6.51(br s,H−3)、7.93(d,J=7.6,H−2’,6’)、6.94(d,J=8.8,H−3’,5’)、4.91(br d,J=10.0,H−1’’)、3.90(m,H−2’’)、3.38(m,H−3’’)、4.73(d,J=10.0,H−1’’’)、4.07(m,H−2’’’)、3.32(m,H−3’’’)であった。
[試験例1]
本発明のビセニン−2について、熟練したパネル10名により風味の官能評価を行った。評価サンプルとしては参考例4のビセニン−2精製物Eを用い、香味の評価と水中での閾値の測定を行った。その結果、ビセニン−2は爽やかな渋味を有し、その閾値は43ppmであることが判った。この値は、一般に知られているカテキン(閾値=120ppm:Journal of AGRICULTURAL and FOOD CHEMISTRY 2004, Vol:52, p3498-3508)と比較して有意に低い値である。
[実施例1]
参考例1のビセニン−2粗精製物A2.0gを、エタノールの50質量%水溶液38.0gに加え十分に撹拌、抽出した。この懸濁液を濾過して沈殿を除去し、ビセニン−2を0.08質量%含有する本発明の渋味付与剤組成物を調製した。このものを蒸留水で1.0質量%になるように希釈し安定性を試験したところ、経時的な濁り、沈殿等は見られなかった。
[実施例2]
参考例2のビセニン−2粗精製物B2.5gを、エタノールの50質量%水溶液37.5gに加え十分に撹拌、抽出した。この懸濁液を濾過して沈殿を除去し、ビセニン−2を0.07質量%含有する本発明の渋味付与剤組成物を調製した。このものを蒸留水で1.0質量%になるように希釈し安定性を試験したところ、経時的な濁り、沈殿等は見られなかった。
[実施例3]
参考例3のビセニン−2粗精製物C 2.0gを、エタノールの50質量%水溶液38.0gで溶解し、ビセニン−2を0.12質量%含有する本発明の渋味付与剤組成物を調製した。このものを蒸留水で1.0質量%になるように希釈し安定性を試験したところ、経時的な濁り、沈殿等は見られなかった。
[実施例4]
参考例4ビセニン−2精製物0.4gを、エタノールの50質量%水溶液49.6gで溶解し、本発明の渋味付与剤組成物を調製した。このものを蒸留水で1.0質量%になるように希釈し安定性を試験したところ、経時的な濁り、沈殿等は見られなかった。
[試験例2]
本発明の渋味付与剤組成物による果汁飲料の果汁感向上効果を官能評価により確認した。官能評価には訓練された専門パネル10名を用いた。表1記載の処方による果汁飲料に対して本発明の渋味付与剤組成物を添加した飲料を、評価者には内容がわからない状態で提示し、別途対照として提示した無添加の果汁飲料を4点とした場合の、各飲料の濃厚感(天然果汁らしさ)及び嗜好性を1から7の数値として表した。数字が増えるほど評価が良いことを示す。評価結果の平均値を表2に示した。
Figure 2006238829
Figure 2006238829
官能評価の結果、すべてのパネルが本発明の渋味付与剤組成物を加えていない飲料を識別できていた。また、本発明の渋味付与剤組成物を添加したものは濃厚感及び嗜好性が増す傾向が見られ、特に実施例1及び実施例2における効果が優れていた。
[試験例3]
実施例1記載のビセニン−2製剤によるリンゴ風味無果汁飲料に対する風味改善効果を官能評価により確認した。官能評価には訓練された専門パネル7名を用いた。表3の組成の飲料を対照とし、この飲料にビセニン−2製剤を添加した飲料を、評価者には内容がわからない状態で提示した。各飲料の呈味感(天然果汁らしさ)は、対照に対する相対値として7段階の数値で表した。対照と同等は4点とし、数字が増えるほど評価が良いことを示す。評価結果の平均値を表4に示した。またあわせて各飲料の香味のコメントを記載した。
Figure 2006238829
Figure 2006238829
官能評価の結果、ビセニン製剤を添加したものは果汁感、シャープさが増す傾向が見られた。
本発明の渋味付与剤は、飲食物に微量添加することにより爽やかな渋味を付与することができ、その結果、より天然らしいコク、ボリューム感・濃厚感を有する飲食物を提供することができる。

Claims (11)

  1. ビセニン−2からなることを特徴とする渋味付与剤。
  2. ビセニン−2を有効成分として含有することを特徴とする渋味付与剤組成物。
  3. ビセニン−2を含有することを特徴とする香味料。
  4. ビセニン−2の含有量が10〜10ppmであることを特徴とする請求項3に記載の香味料。
  5. 請求項3又は4に記載の香味料を添加したことを特徴とする飲食物。
  6. ビセニン−2を10−1〜10ppm添加したことを特徴とする飲食物。
  7. ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする請求項1に記載の渋味付与剤。
  8. ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする請求項3又は4に記載の香味料。
  9. ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする請求項5又は6に記載の飲食物。
  10. 果汁風味の無果汁飲料又は低果汁飲料に対してビセニン−2を10−1〜10ppm添加することを特徴とする果汁感増強方法。
  11. ビセニン−2が柑橘果実由来であることを特徴とする請求項10に記載の果汁感増強方法。
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