JPH0692714A - セラミックス粉末スラリー及びセラミックス顆粒の製造方法 - Google Patents
セラミックス粉末スラリー及びセラミックス顆粒の製造方法Info
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- JPH0692714A JPH0692714A JP4265524A JP26552492A JPH0692714A JP H0692714 A JPH0692714 A JP H0692714A JP 4265524 A JP4265524 A JP 4265524A JP 26552492 A JP26552492 A JP 26552492A JP H0692714 A JPH0692714 A JP H0692714A
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- slurry
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】粒径250μm以上の凝集物が10%以下であ
る、バインダ−混合セラミックス粉末スラリー。上記バ
インダー混合セラミックス粉末スラリーを噴霧乾燥する
ことによる、セラミックス顆粒の製造方法。 【効果】本発明のバインダー混合セラミックス粉末スラ
リーおよびセラミックス顆粒の製造方法によってえられ
た製品は、いずれも成形し、焼結することにより密度お
よび強度が従来のものより高いセラミックス焼結体を製
造することができる。
る、バインダ−混合セラミックス粉末スラリー。上記バ
インダー混合セラミックス粉末スラリーを噴霧乾燥する
ことによる、セラミックス顆粒の製造方法。 【効果】本発明のバインダー混合セラミックス粉末スラ
リーおよびセラミックス顆粒の製造方法によってえられ
た製品は、いずれも成形し、焼結することにより密度お
よび強度が従来のものより高いセラミックス焼結体を製
造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バインダー混合セラミ
ックス粉末スラリーおよびそれによるセラミックス顆粒
の製造方法に関するものである。
ックス粉末スラリーおよびそれによるセラミックス顆粒
の製造方法に関するものである。
【0002】セラミックス粉末スラリーは、一部そのま
まスリップ成形に供されるが、大半は噴霧乾燥によるセ
ラミックス顆粒の製造に使用され、該顆粒は乾式加圧成
型に供される。
まスリップ成形に供されるが、大半は噴霧乾燥によるセ
ラミックス顆粒の製造に使用され、該顆粒は乾式加圧成
型に供される。
【0003】
【従来の技術】従来、バインダー混合セラミックス粉末
スラリーは、乾式粉砕されたセラミックス粉末を水に添
加してえられた、または湿式粉砕によってえられたセラ
ミックス粉末スラリーにバインダーを添加して製造され
ており、本発明者らが開発した後述の定量法によれば粒
径の大きい凝集物をしかも多量に含むものであった。
スラリーは、乾式粉砕されたセラミックス粉末を水に添
加してえられた、または湿式粉砕によってえられたセラ
ミックス粉末スラリーにバインダーを添加して製造され
ており、本発明者らが開発した後述の定量法によれば粒
径の大きい凝集物をしかも多量に含むものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなセラミック
ス粉末スラリーは、成形、焼成などを経てえられる焼結
体の密度および強度を高くすることができない。
ス粉末スラリーは、成形、焼成などを経てえられる焼結
体の密度および強度を高くすることができない。
【0005】本発明は、この点が解決された、すなわち
高密度かつ高強度のセラミックス焼結体を製造すること
のできる、バインダー混合セラミックス粉末スラリーの
提供および上記焼結体を製造することができるセラミッ
クス顆粒の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
高密度かつ高強度のセラミックス焼結体を製造すること
のできる、バインダー混合セラミックス粉末スラリーの
提供および上記焼結体を製造することができるセラミッ
クス顆粒の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、バインダ
ー添加前のセラミックス粉末スラリーのpHが低く、こ
の低いpHによってバインダーが析出し、析出したバイ
ダーによって凝集物が生成することを見出だした。そし
て、従来行われていなかったバインダーと粉末の凝集物
を定量化する方法を開発し、これを駆使して、粒径25
0μm以上の凝集物が全固形物に対してスラリー中に1
0wt%以下となるようにバインダーを混合することに
より、上記の目的に適ったバインダー混合セラミックス
粉末スラリーを製造することができることを見出だし
た。本発明は、これらの知見に基づいて達成されたもの
である。
ー添加前のセラミックス粉末スラリーのpHが低く、こ
の低いpHによってバインダーが析出し、析出したバイ
ダーによって凝集物が生成することを見出だした。そし
て、従来行われていなかったバインダーと粉末の凝集物
を定量化する方法を開発し、これを駆使して、粒径25
0μm以上の凝集物が全固形物に対してスラリー中に1
0wt%以下となるようにバインダーを混合することに
より、上記の目的に適ったバインダー混合セラミックス
粉末スラリーを製造することができることを見出だし
た。本発明は、これらの知見に基づいて達成されたもの
である。
【0007】すなわち、本発明は、粒径250μm以上
の凝集物が全固形物に対して10wt%以下である、バ
インダ−混合セラミックス粉末スラリー;およびこのバ
インダー混合セラミックス粉末スラリーを噴霧乾燥する
ことによる、セラミックス顆粒の製造方法を要旨とす
る。
の凝集物が全固形物に対して10wt%以下である、バ
インダ−混合セラミックス粉末スラリー;およびこのバ
インダー混合セラミックス粉末スラリーを噴霧乾燥する
ことによる、セラミックス顆粒の製造方法を要旨とす
る。
【0008】以下それらの詳細について説明する。
【0009】本発明のバインダー混合セラミックス粉末
スラリーは、粒径250μm以上の凝集物がスラリー中
の全固形物に対して10wt%以下でなければならな
い。凝集物の粒径及び割合が大きくなって粒径250μ
m以上の凝集物が全固形物に対して10wt%をこえる
と、バインダー混合セラミックス粉末スラリー中のバイ
ンダーとセラミックス粉末の混合状態が不均一となり、
それによってスリップ成形を行う場合は成形体に密度む
らが生じ;いっぽう顆粒にする場合は、顆粒形状が異形
になりやすく、乾式加圧成形の際顆粒が十分に潰れきれ
ず、焼結体にした時の密度や強度の低下原因となるから
である。
スラリーは、粒径250μm以上の凝集物がスラリー中
の全固形物に対して10wt%以下でなければならな
い。凝集物の粒径及び割合が大きくなって粒径250μ
m以上の凝集物が全固形物に対して10wt%をこえる
と、バインダー混合セラミックス粉末スラリー中のバイ
ンダーとセラミックス粉末の混合状態が不均一となり、
それによってスリップ成形を行う場合は成形体に密度む
らが生じ;いっぽう顆粒にする場合は、顆粒形状が異形
になりやすく、乾式加圧成形の際顆粒が十分に潰れきれ
ず、焼結体にした時の密度や強度の低下原因となるから
である。
【0010】その凝集物の定量は、以下のように行うこ
とができる。すなわち、まずバインダー混合セラミック
ス粉末スラリーをふるいに適量採取定量し、250μm
の網目の円形金属ふるいで分級した後、凝集物をふるい
上にのせたまま150℃で乾燥し、乾燥後、室温まで空
冷し、ふるいの重量を測定し、ふるいの重量増から凝集
物の重量比率を求める。
とができる。すなわち、まずバインダー混合セラミック
ス粉末スラリーをふるいに適量採取定量し、250μm
の網目の円形金属ふるいで分級した後、凝集物をふるい
上にのせたまま150℃で乾燥し、乾燥後、室温まで空
冷し、ふるいの重量を測定し、ふるいの重量増から凝集
物の重量比率を求める。
【0011】このバインダー混合セラミックス粉末スラ
リーは、上記セラミックス粉末を含むスラリーにそのp
Hを調整してバインダーを添加することによって製造す
ることができる。
リーは、上記セラミックス粉末を含むスラリーにそのp
Hを調整してバインダーを添加することによって製造す
ることができる。
【0012】このバインダーとしては、一般に用いられ
るポリビニルアルコール、ポリビニルブチラート、ワッ
クス、アクリル系等のバインダーを挙げることができる
が、中でも分子中にカルボキシル基またはその誘導体
(例えば、塩、特にアンモニウム塩など)を有するアク
リル系のものが好ましい。このアクリル系のバインダー
として、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、
アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体やその誘導
体を挙げることができる。バインダーの添加量は、セラ
ミックス粉末スラリー中のセラミックス粉末に対して
0.5〜10重量%が好ましく、とくに1〜5重量%が
よい。バインダー溶液の揮発成分量は、70〜95wt
%がよく、とくに80〜90wt%がよい。揮発成分量
がこの範囲に満たないと、バインダーをセラミックス粉
末スラリーに添加したときに、該スラリーの粘度が上昇
してスリップ成形や噴霧乾燥が困難となり;いっぽう、
その範囲を越えると、バインダーを添加した後、スラリ
ー中に占めるセラミックス粉末の重量比率が低くなり、
スリップ成形の際着肉速度が遅くなり;顆粒を製造する
場合は、噴霧乾燥効率が悪くなるだけでなく、えられた
顆粒の嵩密度が小さくなり、結果として焼結体の収縮率
が大きくなって高性能の製品をうることが難しくなる。
るポリビニルアルコール、ポリビニルブチラート、ワッ
クス、アクリル系等のバインダーを挙げることができる
が、中でも分子中にカルボキシル基またはその誘導体
(例えば、塩、特にアンモニウム塩など)を有するアク
リル系のものが好ましい。このアクリル系のバインダー
として、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、
アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体やその誘導
体を挙げることができる。バインダーの添加量は、セラ
ミックス粉末スラリー中のセラミックス粉末に対して
0.5〜10重量%が好ましく、とくに1〜5重量%が
よい。バインダー溶液の揮発成分量は、70〜95wt
%がよく、とくに80〜90wt%がよい。揮発成分量
がこの範囲に満たないと、バインダーをセラミックス粉
末スラリーに添加したときに、該スラリーの粘度が上昇
してスリップ成形や噴霧乾燥が困難となり;いっぽう、
その範囲を越えると、バインダーを添加した後、スラリ
ー中に占めるセラミックス粉末の重量比率が低くなり、
スリップ成形の際着肉速度が遅くなり;顆粒を製造する
場合は、噴霧乾燥効率が悪くなるだけでなく、えられた
顆粒の嵩密度が小さくなり、結果として焼結体の収縮率
が大きくなって高性能の製品をうることが難しくなる。
【0013】セラミックス粉末としては、一般に用いら
れる種々の粉末が挙げられるが、その中でも例えば、シ
リカ、アルミナ、ムライト、ジルコニア等またはそれら
の混合物の酸化物粉末が好ましい。
れる種々の粉末が挙げられるが、その中でも例えば、シ
リカ、アルミナ、ムライト、ジルコニア等またはそれら
の混合物の酸化物粉末が好ましい。
【0014】そのセラミックス粉末の平均粒径は0.1
〜20μmでなければならず、とくに0.1〜3μmが
好ましく;BET比表面積は1〜40m2/gでなけれ
ばならず、とくに5〜20m2/gが好ましい。平均粒
径がその範囲をはずれる、すなわち微細すぎるまたは粗
大すぎる粒子が多すぎると、良好な成形性および焼結性
をえることができず結果として高性能の製品をえること
が難しいからである。また、該BET範囲よりBET比
表面積が小さい場合は、セラミックス粉末の粒子が大き
く粗い場合であり、同様に高密度高強度の焼結体をえる
ことが難しい。逆に該BET範囲よりBET比表面積が
大きい場合は、セラミックス粉末が微細な粒子の凝集体
となっているために、成形焼結によっても微細粒子間の
細孔がそのまま残りやすく、結果として高密度の焼結体
がえられにくい。
〜20μmでなければならず、とくに0.1〜3μmが
好ましく;BET比表面積は1〜40m2/gでなけれ
ばならず、とくに5〜20m2/gが好ましい。平均粒
径がその範囲をはずれる、すなわち微細すぎるまたは粗
大すぎる粒子が多すぎると、良好な成形性および焼結性
をえることができず結果として高性能の製品をえること
が難しいからである。また、該BET範囲よりBET比
表面積が小さい場合は、セラミックス粉末の粒子が大き
く粗い場合であり、同様に高密度高強度の焼結体をえる
ことが難しい。逆に該BET範囲よりBET比表面積が
大きい場合は、セラミックス粉末が微細な粒子の凝集体
となっているために、成形焼結によっても微細粒子間の
細孔がそのまま残りやすく、結果として高密度の焼結体
がえられにくい。
【0015】セラミックス粉末スラリー中のセラミック
ス粉末は30〜80wt%であることが好ましい。この
範囲に達しない場合は、スリップ成形時の着肉速度が遅
くなり;顆粒にする場合は噴霧乾燥効率が悪くなり、更
にえられた顆粒の嵩密度が非常に小さくなり、結果とし
て焼結体の収縮率が大きくなって高性能の製品をえるこ
とが難しい。いっぽう、80%より高いとスラリーの粘
度が著しく高くなり噴霧乾燥あるいはスリップ成形が困
難となるからである。
ス粉末は30〜80wt%であることが好ましい。この
範囲に達しない場合は、スリップ成形時の着肉速度が遅
くなり;顆粒にする場合は噴霧乾燥効率が悪くなり、更
にえられた顆粒の嵩密度が非常に小さくなり、結果とし
て焼結体の収縮率が大きくなって高性能の製品をえるこ
とが難しい。いっぽう、80%より高いとスラリーの粘
度が著しく高くなり噴霧乾燥あるいはスリップ成形が困
難となるからである。
【0016】セラミックス粉末スラリーにバインダーを
添加して本発明のバインダー混合セラミックス粉末スラ
リーを製造するには、バインダー添加前にスラリーのp
Hを十分に高くして、スラリー中でのバインダーの析出
を極力抑えねばならない。例えば、析出pH値が7.0
以下であるアクリル系バインダーをpH6.0のジルコ
ニア粉末スラリーに添加する場合は、このセラミックス
粉末スラリーにアンモニア水等を添加して該スラリーの
pHを7.0以上、好ましくは8.0以上に調整したの
ちに、バインダーを添加することによって、粒径250
μm以上の凝集物が全固形物に対して10wt%以下で
ある、バインダ−混合セラミックス粉末をえることがで
きる。
添加して本発明のバインダー混合セラミックス粉末スラ
リーを製造するには、バインダー添加前にスラリーのp
Hを十分に高くして、スラリー中でのバインダーの析出
を極力抑えねばならない。例えば、析出pH値が7.0
以下であるアクリル系バインダーをpH6.0のジルコ
ニア粉末スラリーに添加する場合は、このセラミックス
粉末スラリーにアンモニア水等を添加して該スラリーの
pHを7.0以上、好ましくは8.0以上に調整したの
ちに、バインダーを添加することによって、粒径250
μm以上の凝集物が全固形物に対して10wt%以下で
ある、バインダ−混合セラミックス粉末をえることがで
きる。
【0017】この方法を用いる場合は、セラミックス粉
末スラリーへのバインダーの添加速度を300ml/m
in以上とすることができ、従来、慎重にゆっくりと添
加したり、バインダー添加後、長時間ボールミル等で混
合していた操作を省略することができ、生産性が格段に
よくなる。
末スラリーへのバインダーの添加速度を300ml/m
in以上とすることができ、従来、慎重にゆっくりと添
加したり、バインダー添加後、長時間ボールミル等で混
合していた操作を省略することができ、生産性が格段に
よくなる。
【0018】以上のようにしてえられたバインダー混合
セラミックス粉末スラリーを噴霧乾燥することによって
セラミックス顆粒がえられるが、その噴霧乾燥の雰囲気
温度は80℃〜220℃であることが好ましい。該範囲
よりも雰囲気温度が低い場合は、生産性が低くなり;い
っぽう、雰囲気温度が高い場合は、噴霧乾燥した際に、
顆粒表面に硬い殻状の層が形成されるため顆粒が潰れに
くくなり、それによって密度の高い焼結体がえられにく
くなるからである。
セラミックス粉末スラリーを噴霧乾燥することによって
セラミックス顆粒がえられるが、その噴霧乾燥の雰囲気
温度は80℃〜220℃であることが好ましい。該範囲
よりも雰囲気温度が低い場合は、生産性が低くなり;い
っぽう、雰囲気温度が高い場合は、噴霧乾燥した際に、
顆粒表面に硬い殻状の層が形成されるため顆粒が潰れに
くくなり、それによって密度の高い焼結体がえられにく
くなるからである。
【0019】本発明において、顆粒の平均粒径は10〜
100μmの範囲内であることが好ましい。該範囲より
も顆粒粒径が小さい場合、噴霧乾燥時の補集効率が低下
するだけでなく、顆粒の流動性が著しく低下し、結果的
に良好な成形体をえることが困難となる。いっぽう、顆
粒粒径が大きい場合、乾式加圧成形した際に、顆粒が十
分に潰れきれなくなるためである。
100μmの範囲内であることが好ましい。該範囲より
も顆粒粒径が小さい場合、噴霧乾燥時の補集効率が低下
するだけでなく、顆粒の流動性が著しく低下し、結果的
に良好な成形体をえることが困難となる。いっぽう、顆
粒粒径が大きい場合、乾式加圧成形した際に、顆粒が十
分に潰れきれなくなるためである。
【0020】本発明において、製造された顆粒の嵩密度
は0.5〜1.6g/cm3の範囲であることが好まし
い。該範囲よりも嵩密度が小さい場合、顆粒を加圧成形
した際の圧縮比が著しく大きくなるためである。いっぽ
う、嵩密度が大きい場合、顆粒の圧潰強度が強くなるた
めに、加圧成形時に顆粒が十分に潰れきれず焼結体特性
の低下原因となるからである。
は0.5〜1.6g/cm3の範囲であることが好まし
い。該範囲よりも嵩密度が小さい場合、顆粒を加圧成形
した際の圧縮比が著しく大きくなるためである。いっぽ
う、嵩密度が大きい場合、顆粒の圧潰強度が強くなるた
めに、加圧成形時に顆粒が十分に潰れきれず焼結体特性
の低下原因となるからである。
【0021】
【作用】なぜ、本発明のバインダー混合セラミックスを
噴霧乾燥することによりえられた顆粒を成形した後、焼
結することにより高性能のセラミックス焼結体を製造す
ることができるかについては必ずしも明らかではない
が、以下の理由によるものと推定される。すなわち、本
発明のバインダー混合セラミックス粉末スラリーのバイ
ンダーによる250μm以上の凝集物が全固形物に対し
て10wt%以下であるということは、バインダーとセ
ラミックス粉末スラリーとが十分に均一混合されてい
て、焼結体特性の低下の原因となる粗大凝集粒子が少な
いこととなり、これによりよい焼結体特性を示すものと
認められる。また、スリップ成形においても同様の理由
から高性能なセラミックス焼結体がえられるものと考え
ている。逆に、バインダーによる凝集粒子が多いスラリ
ーを噴霧乾燥してえられた顆粒を成形し焼結すると、バ
インダーが脱脂するときに、焼結体中に大きな欠陥を残
すために、高性能なセラミックス焼結体をえることがで
きないと考えられる。
噴霧乾燥することによりえられた顆粒を成形した後、焼
結することにより高性能のセラミックス焼結体を製造す
ることができるかについては必ずしも明らかではない
が、以下の理由によるものと推定される。すなわち、本
発明のバインダー混合セラミックス粉末スラリーのバイ
ンダーによる250μm以上の凝集物が全固形物に対し
て10wt%以下であるということは、バインダーとセ
ラミックス粉末スラリーとが十分に均一混合されてい
て、焼結体特性の低下の原因となる粗大凝集粒子が少な
いこととなり、これによりよい焼結体特性を示すものと
認められる。また、スリップ成形においても同様の理由
から高性能なセラミックス焼結体がえられるものと考え
ている。逆に、バインダーによる凝集粒子が多いスラリ
ーを噴霧乾燥してえられた顆粒を成形し焼結すると、バ
インダーが脱脂するときに、焼結体中に大きな欠陥を残
すために、高性能なセラミックス焼結体をえることがで
きないと考えられる。
【0022】
【発明の効果】本発明のバインダー混合セラミックス粉
末スラリーおよびセラミックス顆粒の製造方法によって
えられた製品は、いずれも成形し、焼結することにより
密度および強度が従来のものより高いセラミックス焼結
体を製造することができる。
末スラリーおよびセラミックス顆粒の製造方法によって
えられた製品は、いずれも成形し、焼結することにより
密度および強度が従来のものより高いセラミックス焼結
体を製造することができる。
【0023】
実施例1 平均粒径0.8μmのジルコニア粉末および水を湿式混
合し、ジルコニア粉末スラリー中に占めるジルコニア粉
末が45wt%となるように調整し、えられたジルコニ
ア粉末スラリーのpHが8.5となるように撹拌機で撹
拌しながら0.2wt%アンモニア水を添加した。次い
で、バインダーであるアクリル系共重合体溶液(商品
名:リカボンド、中央理化製、析出pH領域<8)をジ
ルコニア粉末スラリー中のジルコニア粉末に対して2w
t%添加し、1時間混合撹拌を行った。
合し、ジルコニア粉末スラリー中に占めるジルコニア粉
末が45wt%となるように調整し、えられたジルコニ
ア粉末スラリーのpHが8.5となるように撹拌機で撹
拌しながら0.2wt%アンモニア水を添加した。次い
で、バインダーであるアクリル系共重合体溶液(商品
名:リカボンド、中央理化製、析出pH領域<8)をジ
ルコニア粉末スラリー中のジルコニア粉末に対して2w
t%添加し、1時間混合撹拌を行った。
【0024】このバインダー混合ジルコニア粉末スラリ
ーを適量採取定量し、250μmの網目の円形金属篩で
分級操作後、オーブン乾燥した。なお、このオーブン乾
燥時の温度は150℃であった。えられた250μm以
上の凝集物は,0.9wt%であった。えられたスラリ
ー特性を表1に示す。
ーを適量採取定量し、250μmの網目の円形金属篩で
分級操作後、オーブン乾燥した。なお、このオーブン乾
燥時の温度は150℃であった。えられた250μm以
上の凝集物は,0.9wt%であった。えられたスラリ
ー特性を表1に示す。
【0025】このようにしてえられたバインダー混合ジ
ルコニア粉末スラリーを熱風温度190℃で噴霧乾燥し
て顆粒をえた。えられた顆粒の軽装嵩密度は1.12g
/cm3であった。この顆粒を約25g採取し、金属製
金型を用いて700kg/cm2の圧力で成形した。え
られた成形体の成形体密度は2.71g/cm3であっ
た。
ルコニア粉末スラリーを熱風温度190℃で噴霧乾燥し
て顆粒をえた。えられた顆粒の軽装嵩密度は1.12g
/cm3であった。この顆粒を約25g採取し、金属製
金型を用いて700kg/cm2の圧力で成形した。え
られた成形体の成形体密度は2.71g/cm3であっ
た。
【0026】この成形体を酸化性雰囲気の電気炉で焼成
(1500℃、1時間保持)し、6.07g/cm3の
密度を有する焼結体がえられた。えられた焼結体の特性
を表2にまとめて示した。
(1500℃、1時間保持)し、6.07g/cm3の
密度を有する焼結体がえられた。えられた焼結体の特性
を表2にまとめて示した。
【0027】比較例1 ジルコニア粉末スラリーの初期pHを7.0とした以外
は、実施例1と同様にしてバインダー混合ジルコニア粉
末スラリーをえた。かくしてえられたバインダー混合ジ
ルコニア粉末スラリーは、250μm以上の凝集物が多
い不均一なスラリーであった。えられたスラリー特性値
を表1に示す。
は、実施例1と同様にしてバインダー混合ジルコニア粉
末スラリーをえた。かくしてえられたバインダー混合ジ
ルコニア粉末スラリーは、250μm以上の凝集物が多
い不均一なスラリーであった。えられたスラリー特性値
を表1に示す。
【0028】比較例2 ジルコニア粉末スラリーの初期pHを6.1とした以外
は、実施例1と同じ条件で実施した。
は、実施例1と同じ条件で実施した。
【0029】えられたバインダー混合ジルコニア粉末ス
ラリーは、250μm以上の凝集物が極めて多い不均一
なスラリーであった。その特性値を表1に示す。
ラリーは、250μm以上の凝集物が極めて多い不均一
なスラリーであった。その特性値を表1に示す。
【0030】また、焼結体は、内部に顆粒の形骸粒子が
残存しており、それに起因してその機械的強度は低かっ
た。その焼結体特性値を表2に示す。
残存しており、それに起因してその機械的強度は低かっ
た。その焼結体特性値を表2に示す。
【0031】比較例3 ジルコニア粉末スラリーの初期pHを4.0とした以外
は、実施例1と同じ条件で実施した。えられた焼結体
は、内部に顆粒の形骸粒子が残存しており、それに起因
してその機械的強度は低かった。その焼結体特性値を表
2に示す。
は、実施例1と同じ条件で実施した。えられた焼結体
は、内部に顆粒の形骸粒子が残存しており、それに起因
してその機械的強度は低かった。その焼結体特性値を表
2に示す。
【0032】 表1 スラリーpH 凝集物重量比率(wt%) 250μm以上 450μm以上 実施例1 8.5 0.9 0.1 比較例1 7.0 12.5 4.7 比較例2 6.1 16.3 7.7 表2 プレス圧力 成形体密度 焼結体密度 焼結体強度 kg/cm3 g/cm3 g/cm3 kg/mm2 実施例1 700 2.70 6.07 114 比較例2 700 2.61 6.00 88 比較例3 700 2.55 5.85 79
Claims (2)
- 【請求項1】粒径250μm以上の凝集物が全固形物に
対して10wt%以下であることを特徴とする、バイン
ダ−混合セラミックス粉末スラリー。 - 【請求項2】請求項1記載のバインダー混合セラミック
ス粉末スラリーを噴霧乾燥することを特徴とする、セラ
ミックス顆粒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26552492A JP3665083B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | セラミックス粉末スラリー及びセラミックス顆粒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26552492A JP3665083B2 (ja) | 1992-09-09 | 1992-09-09 | セラミックス粉末スラリー及びセラミックス顆粒の製造方法 |
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WO2022065387A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 株式会社アドマテックス | 球状粒子材料の製造方法 |
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1992
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