JP3105294B2 - タンタル粉末の造粒方法 - Google Patents
タンタル粉末の造粒方法Info
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Description
に電解コンデンサー材料として有用なタンタル粉末の製
造方法に関するものである。
高いことからコンデンサー用電極として多用されてい
る。コンデンサー用の金属タンタルは通常フッ化タンタ
ル酸カリウム(K2 TaF7 )をナトリウム(Na)で
還元する方法で製造し、いくつかの化学処理および熱処
理を経て精製した粉末を得ている。コンデンサー用タン
タル粉末はその個々の粒子が凹凸に富んだ複雑な外形を
有すると同時に、極めて多孔質な海綿状を呈しており実
効表面積は外見よりもはるかに大きい。さらに大きな表
面積が要求されることから、粉末の粒径は細かい方が良
いとされている。得られたタンタル粉末を圧縮成型して
ペレットとし、高真空中において1400℃以上の高温
度で熱処理して多孔質の焼結体となして、これに化成処
理を施して酸化被膜を形成してコンデンサー陽極として
いる。
る際に粉末の流動性が問題となるため、流動性の良い粉
末が要求されている。この問題を解決するために、従来
次の手段が用いられている。 熱処理後250メッシュの篩で篩分けを行い、250
メッシュ以下の粉末を再熱処理した後、250メッシュ
以上の粉末をブレンドする方法(USP401730
2)。 熱処理後篩で篩分けを行い、粗粒側の粉末のみを使用
する方法(USP4968481)。 スプレードライなど造粒機を用いて、微粉を造粒して
粗粒とする方法。バインダーとしては、PVA,PVB
等の有機バインダーを使用する(特開平2−3470
1)。
な問題点を抱えている。 熱処理後250メッシュの篩で篩分けを行い、250
メッシュ以下の粉末を再熱処理した後、250メッシュ
以上の粉末をブレンドする方法においては、325メッ
シュ以下の粉末の割合が5〜10%程度しか減少せず、
効果が不十分である。 熱処理後325メッシュの篩で篩分けを行い、325
メッシュ以上の粉末のみを使用する方法において、収率
が悪化するためにコストアップとなる。 有機バインダーを使用して造粒機で造粒する方法で
は、造粒後に脱バインダー工程を入れたとしても粉末中
のカーボン濃度が通常の4〜6倍になってしまって、電
気特性、特に漏れ電流が悪化してしまう。粉末中のカー
ボン濃度が40ppm を超えると、コンデンサーにしたと
きの電気特性、特に漏れ電流に悪影響を及ぼすことが知
られている。したがって、カーボン濃度は40ppm 以下
に抑える必要がある。カーボン濃度を低く抑えるには有
機バインダーの使用は好ましくない。しかし、水等をバ
インダーとして使用した場合には乾燥した時点で造粒が
崩れてしまう欠点がある。
する粉末に50μm以上の粒径の粉末が入っていると造
粒できなくなり、転動式の造粒機では粉末(タンタル粉
末はポーラスな凝集粒を形成している)が粉砕されて微
細化してしまうため緻密な造粒粉末ができて造粒後の粉
末をペレットにした場合の成型体強度(以下GSと略
す)が減少する欠点もある。さらに、圧縮成型工程に移
る過程で適度な粒径を保ち、流動性の良い粗粒であるこ
とが望まれる。従来の造粒方法ではこれらの点において
も十分な特性のタンタル粉末は得られていない。
シュ以下(以下−325#と略す)の粉末の割合および
FR(JIS2504に準じた測定方法において、1秒
間に流れ落ちる粉末のグラム数)という値が良く用いら
れる。−325#の粉末の割合が不適当だと、流動性が
悪くなる(FRが大きくなる)ため、−325#粉末の
割合は重要である。
れ落ちる程度の流動性が要求されているのであるが、そ
のためにはFRは0.8以上であることが必要であり、
そのためには、−325#の割合が25%以下となる必
要がある。また、成型体強度GSは1.0gの粉末を使
用して作成した6mm×7.9mm,プレス体密度4.5g
/ccのペレットの圧壊強度で表すが、GSが4Kg以下で
あるとペレットが壊れる場合があるため、GSは4kg以
上必要である。本発明の目的は、上記のような特性を有
するタンタル粉末を収率良く得ることである。
に、本発明では以下のような手段を採用した。 造粒された粉末の成型体強度を減少させないために、
流動層造粒機を使用する。 粉末のカーボン濃度を増加させないために、まず水の
みをバインダーとして造粒を行う。しかし、水だけで造
粒を行うと、造粒機から取り出して、乾燥機さらには熱
処理炉に入れるまでの機械的外力で壊れてしまう。そこ
で、水造粒の後、PVA等の有機バインダーをスプレー
して、有機バインダーで粉末表面を薄く覆うことにより
造粒を完成させる。 以上二点を満足する造粒を行えば、従来技術の抱えてい
る問題が解決されることが判明した。以下に本発明を詳
説する。
採用する。流動層造粒機は固気系流動層とスプレーノズ
ルの組み合せによって構成され、層中で流動する粉体に
バインダーをスプレーした時の被覆作用と凝集作用によ
り造粒するものである。流動層造粒機を用いると、粉末
が粉砕されて微細化することがないため、ポーラスな造
粒粉末ができる。そのため、GSが4kg以上の造粒粉
が製作できる。バインダーは2段階に分けて使用する。
まず、造粒初期には粘着力の少ない無機バインダーを使
用する。無機バインダーとしては水や燐酸が使用でき
る。造粒初期には粘着力は弱くても凝集力を発揮するも
のであれば良く、炭素を含有しないものを使用する必要
がある。造粒の50〜80%を無機バインダーを使用し
て行う。ついで後段の造粒に移るが、後段は有機バイン
ダーとしてはポリビニルアルコール(PVA)、ポリビ
ニルブチラール(PVB)、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等が使用できる。これらの有機バ
インダーは炭素を含み、強力な粘着力を有する。造粒の
終期に有機バインダーを使用すれば、造粒体の強度を高
めることができるため、乾燥後も壊れない。有機バイン
ダーは造粒体の表面に使用するだけで良い。有機バイン
ダーは補助的に使用するため、使用量が少なくてすみ、
熱処理後のカーボン濃度が従来に比べて格段に低くな
る。
ンダーの粘着力を利用するものである。造粒の主体を炭
素を含まない無機バインダーで行い、表層部分のみに有
機バインダーを使用して造粒体の強度を維持するように
した。
造粒機(エアロマティック社製STREA−1)にいれ
た。熱風流量を50m3 /分、熱風温度を50℃にセッ
トして粉末を流動させた。まず水を20cc/min の流量
で10分間噴霧し、粉末を造粒した。その後、PVAを
20cc/min の流量で5分間噴霧して造粒した。造粒し
た粉末を乾燥機で乾燥した後、真空中で熱処理(145
0℃)を行った。熱処理後解砕を行った。
造粒機にいれた。熱風流量を50m3 /分、熱風温度を
50℃にセットして粉末を流動させた。まず燐酸を20
cc/min の流量で10分間噴霧し、粉末を造粒した。そ
の後、PVBを20cc/min の流量で5分間噴霧して造
粒した。造粒した粉末を乾燥機で乾燥した後、真空中で
熱処理(1450℃)を行った。熱処理後、解砕を行っ
た。
霧し、粉末を造粒した以外は実施例1と同様の条件で処
理した。 比較例2 バインダーとしてPVAを20cc/min の流量で10分
間噴霧し、粉末を造粒した以外は実施例1と同様の条件
で処理した。 比較例3 実施例1と同様のタンタル粉末1kgを転動式造粒機を用
いて造粒を行った。バインダーとしてはPVAを200
cc使用した。造粒した粉末を実施例1と同様に処理し
た。
325#粉末の割合,FR,GSおよび、熱処理後のカ
ーボン濃度を測定し、結果を表1に示す。
た造粒タンタル粉末は、従来の粉にはない良好な流動性
を具備しているため、ペレットダイスへの粉末の充填が
容易になる。また、カーボン濃度が極めて低いにもかか
わらずペレット強度が高く、焼結コンデンサー用として
適していることが分かる。
適正粒度分布を有し、かつ炭素含有量が低いタンタル粉
末をアルカリ還元粉末から収率良く得ることができるの
で、焼結タンタルコンデンサーに与える経済効果は極め
て大である。
Claims (3)
- 【請求項1】 流動層式造粒機を用いてタンタル粉末を
造粒する方法において、まず無機バインダーをスプレー
して造粒を行い、その後有機バインダーをスプレーして
造粒することを特徴とするタンタル粉末の造粒方法。 - 【請求項2】 無機バインダーが水である請求項第1項
記載のタンタル粉末の造粒方法。 - 【請求項3】 無機バインダーが燐酸である請求項第1
項記載のタンタル粉末の造粒方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03128474A JP3105294B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | タンタル粉末の造粒方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03128474A JP3105294B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | タンタル粉末の造粒方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565502A JPH0565502A (ja) | 1993-03-19 |
JP3105294B2 true JP3105294B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=14985629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03128474A Expired - Lifetime JP3105294B2 (ja) | 1991-04-30 | 1991-04-30 | タンタル粉末の造粒方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1991
- 1991-04-30 JP JP03128474A patent/JP3105294B2/ja not_active Expired - Lifetime
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