JPH05117039A - 窒化アルミニウム質粉末およびその製造法 - Google Patents
窒化アルミニウム質粉末およびその製造法Info
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- JPH05117039A JPH05117039A JP3282558A JP28255891A JPH05117039A JP H05117039 A JPH05117039 A JP H05117039A JP 3282558 A JP3282558 A JP 3282558A JP 28255891 A JP28255891 A JP 28255891A JP H05117039 A JPH05117039 A JP H05117039A
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- nitride powder
- powder
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 中心粒径1.5μm〜5μm、粒径1μm以
下の微粒含有量が15重量%以下、BET比表面積が
3.5m2 /g以下、1000kg/cm2 の圧力を加
えたときの圧粉体密度が1.65g/cc以上、イット
リウム化合物は酸化イットリウムに換算して0.2〜5
重量%、L/Yのモル比0.2〜9となるランタン化合
物、および硫黄を硫黄元素として70〜500ppm含
有してなることを特徴とする窒化アルミニウム質粉末。 【効果】 低温焼結が可能で、ドクターブレード法によ
る成形に好適な窒化アルミニウム質粉末およびその製造
法を提供し得る。
下の微粒含有量が15重量%以下、BET比表面積が
3.5m2 /g以下、1000kg/cm2 の圧力を加
えたときの圧粉体密度が1.65g/cc以上、イット
リウム化合物は酸化イットリウムに換算して0.2〜5
重量%、L/Yのモル比0.2〜9となるランタン化合
物、および硫黄を硫黄元素として70〜500ppm含
有してなることを特徴とする窒化アルミニウム質粉末。 【効果】 低温焼結が可能で、ドクターブレード法によ
る成形に好適な窒化アルミニウム質粉末およびその製造
法を提供し得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にドクターブレード
法による成形に好適で、かつより低温での焼結が可能な
窒化アルミニウム質粉末およびその製造法に関する。
法による成形に好適で、かつより低温での焼結が可能な
窒化アルミニウム質粉末およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の高速化および高集積化はます
ます進展し、それに伴う素子の単位面積当りの発熱量の
増大が大きな問題となっている。素子の正常な作動を確
保するため、熱放散性の良い基板材料やICパッケージ
材料が求められており、窒化アルミニウムは高い熱伝導
度を有するのみならず、高い絶縁性やシリコンに近い熱
膨張係数を持ち、基板およびICパッケージ材料として
注目されている。
ます進展し、それに伴う素子の単位面積当りの発熱量の
増大が大きな問題となっている。素子の正常な作動を確
保するため、熱放散性の良い基板材料やICパッケージ
材料が求められており、窒化アルミニウムは高い熱伝導
度を有するのみならず、高い絶縁性やシリコンに近い熱
膨張係数を持ち、基板およびICパッケージ材料として
注目されている。
【0003】これらの材料に用いられる従来の窒化アル
ミニウム粉末は、良好な焼結性を有し、得られた焼結体
が高い熱伝導度を示すことを目的とし、高純度の微粉末
がこれまで開発されてきた。そして実際の工業製品であ
る基板およびICパッケージは、多くの場合ドクターブ
レード法によりシート状に成形され、焼結工程を経て製
品となる。しかし、従来の窒化アルミニウム粉末は焼結
性に重点を置くため、ドクターブレード法に適した粉末
とは言いがたく、より低温での焼結性とドクターブレー
ド成形性ともに優れた窒化アルミニウム粉末の開発が望
まれていた。
ミニウム粉末は、良好な焼結性を有し、得られた焼結体
が高い熱伝導度を示すことを目的とし、高純度の微粉末
がこれまで開発されてきた。そして実際の工業製品であ
る基板およびICパッケージは、多くの場合ドクターブ
レード法によりシート状に成形され、焼結工程を経て製
品となる。しかし、従来の窒化アルミニウム粉末は焼結
性に重点を置くため、ドクターブレード法に適した粉末
とは言いがたく、より低温での焼結性とドクターブレー
ド成形性ともに優れた窒化アルミニウム粉末の開発が望
まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
より低温で焼結でき、かつドクターブレード法による成
形に好適な窒化アルミニウム質粉末およびその製造法を
提供することにある。
より低温で焼結でき、かつドクターブレード法による成
形に好適な窒化アルミニウム質粉末およびその製造法を
提供することにある。
【0005】ドクターブレード法による成形を行うに
は、窒化アルミニウム粉末を液体分散媒中に分散させ、
スラリーを作製する必要がある。このとき、分散剤、バ
インダー、可塑剤を添加し、必要に応じて焼結助剤を添
加する。
は、窒化アルミニウム粉末を液体分散媒中に分散させ、
スラリーを作製する必要がある。このとき、分散剤、バ
インダー、可塑剤を添加し、必要に応じて焼結助剤を添
加する。
【0006】このようにして得た混合物をボールミルま
たは超音波分散法等によって処理を行い、窒化アルミニ
ウム粉末が均一に分散したスラリーを得る。該スラリー
をドクターブレード装置に設置し、キャリアフィルム上
にシート状に成形し、乾燥させて、一般的に厚さ20μ
から2mmの範囲のシート状成形体を得る。
たは超音波分散法等によって処理を行い、窒化アルミニ
ウム粉末が均一に分散したスラリーを得る。該スラリー
をドクターブレード装置に設置し、キャリアフィルム上
にシート状に成形し、乾燥させて、一般的に厚さ20μ
から2mmの範囲のシート状成形体を得る。
【0007】ドクターブレード法による成形時に、しば
しば割れの問題が発生する。キャリアフィルム上にシー
ト状に成形されたスラリーから分散媒を蒸発させて固形
となし、キャリアフィルムから剥してシート状成形体を
得るとき、乾燥工程で割れが発生して問題となることが
多い。乾燥時に分散媒が蒸発するため体積収縮が生じ、
これが原因となってシート状成形体に引張応力が作用し
て割れが発生するものと考えられる。
しば割れの問題が発生する。キャリアフィルム上にシー
ト状に成形されたスラリーから分散媒を蒸発させて固形
となし、キャリアフィルムから剥してシート状成形体を
得るとき、乾燥工程で割れが発生して問題となることが
多い。乾燥時に分散媒が蒸発するため体積収縮が生じ、
これが原因となってシート状成形体に引張応力が作用し
て割れが発生するものと考えられる。
【0008】また、シート状成形体のバインダー除去が
問題となる。成形のために添加したバインダー等を、焼
結工程の本焼成に入る前に焼成除去することが必要であ
り、このバインダー除去工程時には、バインダーが容易
に除去され、残留炭素含有量ができるだけ少なくなるこ
とが要求される。
問題となる。成形のために添加したバインダー等を、焼
結工程の本焼成に入る前に焼成除去することが必要であ
り、このバインダー除去工程時には、バインダーが容易
に除去され、残留炭素含有量ができるだけ少なくなるこ
とが要求される。
【0009】シート状成形体は、焼結工程を経ることに
より、緻密な焼結体となるが、このときの収縮率が製品
の精度に大きな影響を与える。すなわち、成形体密度が
高ければ焼結時の収縮率は小さく、寸法精度の良い製品
が得られる。従って高い成形体密度が得られる窒化アル
ミニウム粉末が望まれている。
より、緻密な焼結体となるが、このときの収縮率が製品
の精度に大きな影響を与える。すなわち、成形体密度が
高ければ焼結時の収縮率は小さく、寸法精度の良い製品
が得られる。従って高い成形体密度が得られる窒化アル
ミニウム粉末が望まれている。
【0010】このように、ドクターブレード成形に好適
な窒化アルミニウム粉末には多くの性質が求められてい
る。また基板・パッケージの焼成に際しては連続化、生
産コストの面よりできるだけ低温での焼成が望まれてお
り、低温焼結可能な窒化アルミニウム粉末が望まれてい
る。しかしながら、成形性、低温焼結性ともに優れた窒
化アルミニウム粉末というのはまだ満足するものが得ら
れていない。
な窒化アルミニウム粉末には多くの性質が求められてい
る。また基板・パッケージの焼成に際しては連続化、生
産コストの面よりできるだけ低温での焼成が望まれてお
り、低温焼結可能な窒化アルミニウム粉末が望まれてい
る。しかしながら、成形性、低温焼結性ともに優れた窒
化アルミニウム粉末というのはまだ満足するものが得ら
れていない。
【0011】かかる事情に鑑み、本発明者らはドクター
ブレード成形に好適に用いられ、かつ低温焼結性にも優
れた窒化アルミニウム粉末について検討した結果、硫黄
の存在が焼結の均一性を改善すること、窒化反応用原料
中に特定比率のイットリウム化合物、ランタン化合物を
存在させ、これと硫黄を存在させることにより特にドク
ターブレード成形に好適でかつ低温焼結可能な窒化アル
ミニウム質粉末を得られることを見いだして本発明を完
成するに至った。
ブレード成形に好適に用いられ、かつ低温焼結性にも優
れた窒化アルミニウム粉末について検討した結果、硫黄
の存在が焼結の均一性を改善すること、窒化反応用原料
中に特定比率のイットリウム化合物、ランタン化合物を
存在させ、これと硫黄を存在させることにより特にドク
ターブレード成形に好適でかつ低温焼結可能な窒化アル
ミニウム質粉末を得られることを見いだして本発明を完
成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は中心
粒径が1.5〜5μm、粒径1μm以下の微粒含有量が
15重量%以下、BET比表面積が3.5m2 /g以
下、1000kg/cm 2 の圧力を加えたときの圧粉体
密度が1.65g/cc以上、イットリウム化合物を酸
化イットリウムに換算して0.2〜5重量%、La/Y
のモル比が0.2〜9となるランタン化合物および硫黄
を硫黄元素として70〜500ppm含有してなること
を特徴とする窒化アルミニウム質粉末を提供するにあ
る。
粒径が1.5〜5μm、粒径1μm以下の微粒含有量が
15重量%以下、BET比表面積が3.5m2 /g以
下、1000kg/cm 2 の圧力を加えたときの圧粉体
密度が1.65g/cc以上、イットリウム化合物を酸
化イットリウムに換算して0.2〜5重量%、La/Y
のモル比が0.2〜9となるランタン化合物および硫黄
を硫黄元素として70〜500ppm含有してなること
を特徴とする窒化アルミニウム質粉末を提供するにあ
る。
【0013】さらに本発明はアルミナ粉末とカーボン粉
末とを混合し、該混合物を窒素を含む雰囲気中にて焼成
し、焼成後余剰のカーボン粉末を酸化性雰囲気中で焼成
除去することによる窒化アルミニウム質粉末の製造方法
において、該混合物中にイットリウム化合物を酸化イッ
トリウムに換算して、生成する窒化アルミニウム粉末に
対して0.2〜5重量%、ランタン化合物をLa/Yの
モル比0.2〜9になるように含有させ、かつ硫黄化合
物を硫黄元素として、生成する窒化アルミニウム粉末に
対して70〜500ppmとなるように含有させたこと
を特徴とする窒化アルミニウム質粉末の製造法を提供す
るにある。
末とを混合し、該混合物を窒素を含む雰囲気中にて焼成
し、焼成後余剰のカーボン粉末を酸化性雰囲気中で焼成
除去することによる窒化アルミニウム質粉末の製造方法
において、該混合物中にイットリウム化合物を酸化イッ
トリウムに換算して、生成する窒化アルミニウム粉末に
対して0.2〜5重量%、ランタン化合物をLa/Yの
モル比0.2〜9になるように含有させ、かつ硫黄化合
物を硫黄元素として、生成する窒化アルミニウム粉末に
対して70〜500ppmとなるように含有させたこと
を特徴とする窒化アルミニウム質粉末の製造法を提供す
るにある。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
窒化アルミニウム質粉末の中心粒径の範囲は1.5〜5
μm、さらに好ましくは2〜4μmである。中心粒径が
1.5μm未満では、ドクターブレード法によるシート
状成形体の乾燥時に割れが発生し易くなり、一方、中心
粒径が5μmを越えると、焼結性が悪くなる。
窒化アルミニウム質粉末の中心粒径の範囲は1.5〜5
μm、さらに好ましくは2〜4μmである。中心粒径が
1.5μm未満では、ドクターブレード法によるシート
状成形体の乾燥時に割れが発生し易くなり、一方、中心
粒径が5μmを越えると、焼結性が悪くなる。
【0015】本発明の窒化アルミニウム質粉末のBET
比表面積は3.5m2 /g以下であることが好ましく、
3.0m2 /g以下であることがさらに好ましい。BE
T比表面積が3.5m2 /gより大きいと、バインダー
除去が困難でバインダー除去焼成後の残存カーボン含有
量が多くなる。カーボン含有量が多くなると焼結に悪影
響を及ぼし、焼結密度が低くなる。良好なバインダー除
去性を有する窒化アルミニウム質粉末としては、粒径に
比してBET比表面積が小さいことが必要である。同一
粒子径に対してBET比表面積が小さいことは、凝集粒
が少なく一次粒子形状が球状であることを意味し、粒子
表面の凹凸が少ないことを意味するので、粒子表面の凹
部に吸着されて除去されにくいバインダーの量が少ない
と考えられる。
比表面積は3.5m2 /g以下であることが好ましく、
3.0m2 /g以下であることがさらに好ましい。BE
T比表面積が3.5m2 /gより大きいと、バインダー
除去が困難でバインダー除去焼成後の残存カーボン含有
量が多くなる。カーボン含有量が多くなると焼結に悪影
響を及ぼし、焼結密度が低くなる。良好なバインダー除
去性を有する窒化アルミニウム質粉末としては、粒径に
比してBET比表面積が小さいことが必要である。同一
粒子径に対してBET比表面積が小さいことは、凝集粒
が少なく一次粒子形状が球状であることを意味し、粒子
表面の凹凸が少ないことを意味するので、粒子表面の凹
部に吸着されて除去されにくいバインダーの量が少ない
と考えられる。
【0016】本発明の窒化アルミニウム質粉末は粒径が
1μ以下の微粒含有量が15重量%以下であることが好
ましい。微粒が多く含まれている場合はバインダー除去
性が良好ではないので、特に粒径1μ以下の微粒含有量
が少ないことが望まれる。粒径1μ以下の微粒含有量が
15重量%を越える窒化アルミニウム質粉末を使用して
作製したシート状成形体は、バインダー除去が困難で、
バインダー除去焼成後の残留カーボン含有量が多くな
る。
1μ以下の微粒含有量が15重量%以下であることが好
ましい。微粒が多く含まれている場合はバインダー除去
性が良好ではないので、特に粒径1μ以下の微粒含有量
が少ないことが望まれる。粒径1μ以下の微粒含有量が
15重量%を越える窒化アルミニウム質粉末を使用して
作製したシート状成形体は、バインダー除去が困難で、
バインダー除去焼成後の残留カーボン含有量が多くな
る。
【0017】本発明の窒化アルミニウム質粉末は圧粉体
密度が1.65g/cc以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは1.70g/cc以上である。ドクター
ブレード成形に使用する窒化アルミニウム粉末として、
圧粉体密度が1.65g/ccより低い場合は充分高い
成形体密度を得ることができない。ここで、圧粉体密度
とは1000kg/cm2 の圧力で金型を使用してペレ
ット状に成形したものの密度のことである。
密度が1.65g/cc以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは1.70g/cc以上である。ドクター
ブレード成形に使用する窒化アルミニウム粉末として、
圧粉体密度が1.65g/ccより低い場合は充分高い
成形体密度を得ることができない。ここで、圧粉体密度
とは1000kg/cm2 の圧力で金型を使用してペレ
ット状に成形したものの密度のことである。
【0018】さらに窒化アルミニウム質粉末中には、よ
り低温で焼結可能ならしめるために焼結助剤であるラン
タンとイットリウムの化合物が特定比率で含有されてい
なければならない。イットリウム化合物の含有量は酸化
イットリウムに換算して0.2〜5重量%、ランタン化
合物の含有量はLa/Yのモル比0.2〜9の範囲であ
る。これら焼結助剤の量が少ないと効果がなく、量が多
いと熱伝導度の低下を招く。またLa/Yのモル比は
0.2〜9の範囲が好適でこの範囲からずれると低温焼
結性あるいは熱伝導度が悪くなるので好ましくない。
り低温で焼結可能ならしめるために焼結助剤であるラン
タンとイットリウムの化合物が特定比率で含有されてい
なければならない。イットリウム化合物の含有量は酸化
イットリウムに換算して0.2〜5重量%、ランタン化
合物の含有量はLa/Yのモル比0.2〜9の範囲であ
る。これら焼結助剤の量が少ないと効果がなく、量が多
いと熱伝導度の低下を招く。またLa/Yのモル比は
0.2〜9の範囲が好適でこの範囲からずれると低温焼
結性あるいは熱伝導度が悪くなるので好ましくない。
【0019】本発明の窒化アルミニウム質粉末中には、
さらに硫黄が硫黄元素として70〜500ppm含有さ
れていることが必要である。これが存在することにより
イットリウム/ランタンとの相乗効果により焼結性、特
に均一性が改善されることが見いだされた。硫黄含有量
は、窒化アルミニウム質粉末に対して硫黄元素として7
0ppmより少ない場合は十分な効果が認められず、5
00ppmより多い場合は焼結体を作製した場合に焼結
体中に硫黄の残存量が多くなり、絶縁性や誘電損失等の
焼結体の電気特性が劣化する傾向にあるので好ましくな
い。
さらに硫黄が硫黄元素として70〜500ppm含有さ
れていることが必要である。これが存在することにより
イットリウム/ランタンとの相乗効果により焼結性、特
に均一性が改善されることが見いだされた。硫黄含有量
は、窒化アルミニウム質粉末に対して硫黄元素として7
0ppmより少ない場合は十分な効果が認められず、5
00ppmより多い場合は焼結体を作製した場合に焼結
体中に硫黄の残存量が多くなり、絶縁性や誘電損失等の
焼結体の電気特性が劣化する傾向にあるので好ましくな
い。
【0020】また、硫黄が含有されることにより、焼結
体に従来よく見られた色ムラが生じにくいことが判明し
た。色ムラは焼結体の物性に直接影響するものではない
が、色ムラの発生は商品としての価値を減ずるもので好
ましくない。
体に従来よく見られた色ムラが生じにくいことが判明し
た。色ムラは焼結体の物性に直接影響するものではない
が、色ムラの発生は商品としての価値を減ずるもので好
ましくない。
【0021】本発明の窒化アルミニウム質粉末の製造方
法は、窒化アルミニウム粉末の焼結助剤であるイットリ
ウム化合物およびランタン化合物を窒化反応前に添加
し、窒化反応中に焼結助剤の効果により粒成長を生じせ
しめることにより窒化アルミニウム質粉末を得ることで
ある。添加するイットリウムおよびランタンの量は、窒
化反応時および生成した窒化アルミニウム質粉末の焼結
時の双方において、適切な量でなければならない。イッ
トリウム化合物の量が酸化イットリウムに換算して0.
2重量%〜5重量%、ランタン化合物の含有量はLa/
Yのモル比は0.2〜9の範囲である。それぞれの添加
量が上記範囲よりも少ない場合には窒化アルミニウムの
粒成長効果は期待できず、他方多過ぎる場合には粒成長
が進みすぎ凝集粒が増加する傾向にあり、またランタン
とイットリウムのモル比La/Yは0.4〜9の範囲で
あることが必要である。この範囲から外れると低温焼結
性あるいは熱伝導度が悪くなる。
法は、窒化アルミニウム粉末の焼結助剤であるイットリ
ウム化合物およびランタン化合物を窒化反応前に添加
し、窒化反応中に焼結助剤の効果により粒成長を生じせ
しめることにより窒化アルミニウム質粉末を得ることで
ある。添加するイットリウムおよびランタンの量は、窒
化反応時および生成した窒化アルミニウム質粉末の焼結
時の双方において、適切な量でなければならない。イッ
トリウム化合物の量が酸化イットリウムに換算して0.
2重量%〜5重量%、ランタン化合物の含有量はLa/
Yのモル比は0.2〜9の範囲である。それぞれの添加
量が上記範囲よりも少ない場合には窒化アルミニウムの
粒成長効果は期待できず、他方多過ぎる場合には粒成長
が進みすぎ凝集粒が増加する傾向にあり、またランタン
とイットリウムのモル比La/Yは0.4〜9の範囲で
あることが必要である。この範囲から外れると低温焼結
性あるいは熱伝導度が悪くなる。
【0022】本発明方法の実施に際し、原料として、純
度99.0重量%以上で、平均粒子径が約0.2μm〜
約4μmのアルミナ粉末、平均粒子径(遠心沈降法)約
10μm以下のカーボン粉末、通常カーボンブラックが
使用される。アルミナ粉末とカーボン粉末の使用割合は
通常アルミナ粉末に対する重量比で1:0.35〜1:
0.75の範囲であればよい。本発明においては、原料
アルミナ粉末、カーボン粉末、イットリウム化合物、ラ
ンタン化合物を均一に混合する必要がある。特に原料ア
ルミナ粉中にイットリウムおよびランタン化合物を均一
に添加するためには、たとえばアルミナ粉末を水中にP
Hが8以上において分散させスラリーを作製し、その中
に硝酸イットリウム、硝酸ランタンの混合水溶液をPH
が8以下に低下しないようにアルカリ液を同時に滴下し
ながら滴下し、水酸化イットリウム、水酸化ランタンと
して析出させ、これらの化合物で被覆されたアルミナス
ラリーを得る。ついで該スラリーにカーボン粉末を加
え、混合乾燥させ、窒化反応用原料とする方法を採用す
ることができる。
度99.0重量%以上で、平均粒子径が約0.2μm〜
約4μmのアルミナ粉末、平均粒子径(遠心沈降法)約
10μm以下のカーボン粉末、通常カーボンブラックが
使用される。アルミナ粉末とカーボン粉末の使用割合は
通常アルミナ粉末に対する重量比で1:0.35〜1:
0.75の範囲であればよい。本発明においては、原料
アルミナ粉末、カーボン粉末、イットリウム化合物、ラ
ンタン化合物を均一に混合する必要がある。特に原料ア
ルミナ粉中にイットリウムおよびランタン化合物を均一
に添加するためには、たとえばアルミナ粉末を水中にP
Hが8以上において分散させスラリーを作製し、その中
に硝酸イットリウム、硝酸ランタンの混合水溶液をPH
が8以下に低下しないようにアルカリ液を同時に滴下し
ながら滴下し、水酸化イットリウム、水酸化ランタンと
して析出させ、これらの化合物で被覆されたアルミナス
ラリーを得る。ついで該スラリーにカーボン粉末を加
え、混合乾燥させ、窒化反応用原料とする方法を採用す
ることができる。
【0023】このとき使用するカーボン粉末中に含まれ
る硫黄含有量が、生成する窒化アルミニウム質粉末の性
質に重大な影響を与える。ここで、硫黄が窒化アルミニ
ウム質粉末の性質に影響を及ぼす機構については明かで
はないが、原料であるアルミナ粉末とカーボン粉末の混
合物中に、焼結後窒化アルミニウム粉末に対して硫黄元
素として70ppm〜500ppmとなる量の硫黄或い
は硫黄化合物が存在していればドクターブレード成形に
好適に用いられる窒化アルミニウム質粉末が得られるこ
とを見いだした。このためには特に制限されるものでは
ないが、例えばカーボン粉末100重量部に対して0.
1〜1重量部の硫黄が存在すればよい。
る硫黄含有量が、生成する窒化アルミニウム質粉末の性
質に重大な影響を与える。ここで、硫黄が窒化アルミニ
ウム質粉末の性質に影響を及ぼす機構については明かで
はないが、原料であるアルミナ粉末とカーボン粉末の混
合物中に、焼結後窒化アルミニウム粉末に対して硫黄元
素として70ppm〜500ppmとなる量の硫黄或い
は硫黄化合物が存在していればドクターブレード成形に
好適に用いられる窒化アルミニウム質粉末が得られるこ
とを見いだした。このためには特に制限されるものでは
ないが、例えばカーボン粉末100重量部に対して0.
1〜1重量部の硫黄が存在すればよい。
【0024】カーボン粉末中に硫黄が含まれている場合
は該カーボン粉末をそのまま使用できるが、所望の硫黄
量がカーボン粉末中に存在しない場合にはカーボン粉末
或いはアルミナ粉末とカーボン粉末の混合物中に、硫黄
単体あるいは硫黄を含む物質、例えば硫酸アルミニウム
等を添加すればよい。
は該カーボン粉末をそのまま使用できるが、所望の硫黄
量がカーボン粉末中に存在しない場合にはカーボン粉末
或いはアルミナ粉末とカーボン粉末の混合物中に、硫黄
単体あるいは硫黄を含む物質、例えば硫酸アルミニウム
等を添加すればよい。
【0025】こうして得られた窒化反応用原料を、窒素
雰囲気中で焼成し、窒化反応を行うことによりドクター
ブレード成形に好適で低温焼結可能な窒化アルミニウム
粉末が得られる。窒化反応は一般に1500〜1800
℃の温度範囲で行われるが、より好ましくは1550〜
1700℃の温度範囲である。1500℃以下ではアル
ミナ粉末粒子の中心部が未反応のまま残存することがあ
り、1800℃以上では窒化アルミニウム質粒子の焼結
が進行し、凝集粒が多くなり、粒度分布がブロードとな
り圧粉体密度が大きく低下する。
雰囲気中で焼成し、窒化反応を行うことによりドクター
ブレード成形に好適で低温焼結可能な窒化アルミニウム
粉末が得られる。窒化反応は一般に1500〜1800
℃の温度範囲で行われるが、より好ましくは1550〜
1700℃の温度範囲である。1500℃以下ではアル
ミナ粉末粒子の中心部が未反応のまま残存することがあ
り、1800℃以上では窒化アルミニウム質粒子の焼結
が進行し、凝集粒が多くなり、粒度分布がブロードとな
り圧粉体密度が大きく低下する。
【0026】
【発明の効果】本発明の窒化アルミニウム質粉末は、シ
ート乾燥時に割れの発生が生じにくく、成形体密度が高
く、バインダー除去性に優れたシートが得られ、低温で
の焼結性にも優れており、特にドクターブレード成形用
の好適であることから、産業上極めて有用なものであ
る。
ート乾燥時に割れの発生が生じにくく、成形体密度が高
く、バインダー除去性に優れたシートが得られ、低温で
の焼結性にも優れており、特にドクターブレード成形用
の好適であることから、産業上極めて有用なものであ
る。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容を具体的に
説明するが、本発明は下記実施例により制限されるもの
ではない。尚、粉末の特性は以下の装置および方法によ
り測定した。
説明するが、本発明は下記実施例により制限されるもの
ではない。尚、粉末の特性は以下の装置および方法によ
り測定した。
【0028】中心粒径および粒径1μm以下の微粒含
有量; ;マイクロメリティックス社製 セディグラフ E50
00 窒化アルミニウム質粉末3gを、第一工業製薬株式会社
製セラモD−18NO0.5重量%n−ブタノール溶液
40gに超音波で10分間処理することにより分散させ
て測定した。アルミナ粉末については、アルミナ粉末3
gをヘキサメタリン酸ナトリウムの0.01重量%水曜
液47gに超音波で10分間処理することにより分散さ
せて測定した。
有量; ;マイクロメリティックス社製 セディグラフ E50
00 窒化アルミニウム質粉末3gを、第一工業製薬株式会社
製セラモD−18NO0.5重量%n−ブタノール溶液
40gに超音波で10分間処理することにより分散させ
て測定した。アルミナ粉末については、アルミナ粉末3
gをヘキサメタリン酸ナトリウムの0.01重量%水曜
液47gに超音波で10分間処理することにより分散さ
せて測定した。
【0029】BET比表面積;マイクロメリティック
ス社製 BET比表面積測定装置 マイクロソーブII 2300型
ス社製 BET比表面積測定装置 マイクロソーブII 2300型
【0030】酸素量;株式会社堀場製作所製 セラミ
ックス中酸素窒素分析装置 EMGA−2800 標準資料は財団法人日本セラミックス協会製 窒化ケイ
素粉末R−005を使用した。
ックス中酸素窒素分析装置 EMGA−2800 標準資料は財団法人日本セラミックス協会製 窒化ケイ
素粉末R−005を使用した。
【0031】圧粉体密度;直径20mm用の一軸成形
金型を使用し、窒化アルミニウム質粉末3gをバインダ
等の添加なしで1000kg/cm2 の圧力を加えてペ
レット状に成形し、寸法と重さから密度を算出した。
金型を使用し、窒化アルミニウム質粉末3gをバインダ
等の添加なしで1000kg/cm2 の圧力を加えてペ
レット状に成形し、寸法と重さから密度を算出した。
【0032】カーボン粉末および窒化アルミニウム質
粉末中の硫黄含有量 ;フィリップス社製 蛍光X線分析装置 PW1480
型 硫黄を2500ppm程度含むカーボン粉末中の硫黄含
有量を湿式化学分析により定量し、螢光X線分析の標準
資料とした。また、硫黄のKα線の純強度から比例計算
により硫黄含量を算出した。
粉末中の硫黄含有量 ;フィリップス社製 蛍光X線分析装置 PW1480
型 硫黄を2500ppm程度含むカーボン粉末中の硫黄含
有量を湿式化学分析により定量し、螢光X線分析の標準
資料とした。また、硫黄のKα線の純強度から比例計算
により硫黄含量を算出した。
【0033】実施例1 水1500gに第一工業製薬株式会社製ノイゲンEA−
137を8.3g、サンノプコ社製SN−DISPER
SANT5468を7.5g、ポリエチレングリコール
#1000を29.4g溶解させ、中心粒径が0.5μ
で、BET比表面積7.6m2 /gでNaO2 含有量が
0.26%のアルミナ粉2000gを加えて、30分間
の超音波処理により分散させた。生成したアルミナスラ
リー中に硝酸イットリウム水溶液83mlと硝酸ランタ
ン水溶液414ml滴下した。硝酸イットリウム水溶液
中にはYが1000ml中にY2 O3 として100g包
含されるように調整し、硝酸ランタン水溶液中にはLa
が1000ml中にLa2 O3 として100g含まれる
ように調整した。硝酸イットリウムの滴下量は、生成す
る窒化アルミニウム質粉末に対し酸化イットリウムに換
算して0.5重量%、硝酸ランタンの滴下量は、酸化ラ
ンタンに換算して2.5重量%に相当する。硝酸イット
リウム、硝酸ランタンの滴下と同時に濃アンモニア水を
滴下し、PHが9.5になるように調整し、また、SN
−DISPERSANT5468も82.5g同時に滴
下し、粘度上昇を抑えた。このようにして得られた水酸
化イットリウム、ランタン析出アルミナスラリーと平均
粒子径2.5μmのカーボンブラック(硫黄含有量がカ
ーボン粉末100重量部に対し0.26重量部)941
gとを富士産業株式会社製バーティカルグラニュレータ
を使用して20分間混合し、生成した該混合物を120
℃で15時間乾燥させて窒化反応用原料を得た。該窒化
反応用原料400gをグラファイト製のトレー上に暑さ
15mmとなるように仕込み、窒素気流中1660℃に
て8時間焼成し窒化反応を行った。昇温速度は2.6℃
/分とした。窒化反応後、空気中で700℃にて2時間
焼成し、余剰カーボンを除去し、窒化アルミニウム質粉
末を得た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表
1に示す。また得られた窒化アルミニウム質粉末の酸素
量は1.75%であった。
137を8.3g、サンノプコ社製SN−DISPER
SANT5468を7.5g、ポリエチレングリコール
#1000を29.4g溶解させ、中心粒径が0.5μ
で、BET比表面積7.6m2 /gでNaO2 含有量が
0.26%のアルミナ粉2000gを加えて、30分間
の超音波処理により分散させた。生成したアルミナスラ
リー中に硝酸イットリウム水溶液83mlと硝酸ランタ
ン水溶液414ml滴下した。硝酸イットリウム水溶液
中にはYが1000ml中にY2 O3 として100g包
含されるように調整し、硝酸ランタン水溶液中にはLa
が1000ml中にLa2 O3 として100g含まれる
ように調整した。硝酸イットリウムの滴下量は、生成す
る窒化アルミニウム質粉末に対し酸化イットリウムに換
算して0.5重量%、硝酸ランタンの滴下量は、酸化ラ
ンタンに換算して2.5重量%に相当する。硝酸イット
リウム、硝酸ランタンの滴下と同時に濃アンモニア水を
滴下し、PHが9.5になるように調整し、また、SN
−DISPERSANT5468も82.5g同時に滴
下し、粘度上昇を抑えた。このようにして得られた水酸
化イットリウム、ランタン析出アルミナスラリーと平均
粒子径2.5μmのカーボンブラック(硫黄含有量がカ
ーボン粉末100重量部に対し0.26重量部)941
gとを富士産業株式会社製バーティカルグラニュレータ
を使用して20分間混合し、生成した該混合物を120
℃で15時間乾燥させて窒化反応用原料を得た。該窒化
反応用原料400gをグラファイト製のトレー上に暑さ
15mmとなるように仕込み、窒素気流中1660℃に
て8時間焼成し窒化反応を行った。昇温速度は2.6℃
/分とした。窒化反応後、空気中で700℃にて2時間
焼成し、余剰カーボンを除去し、窒化アルミニウム質粉
末を得た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表
1に示す。また得られた窒化アルミニウム質粉末の酸素
量は1.75%であった。
【0034】実施例2 硝酸イットリウム、ランタンを滴下後、硫酸アルミニウ
ム溶液を硫黄としてカーボン100重量部に対し0.2
5重量%加え、かつカーボンとして硫黄含有量がカーボ
ン100重量部に対し0.05%以下のものを使用した
他は実施例1と同様な方法で窒化アルミニウム質粉末を
得た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表1に
示す。
ム溶液を硫黄としてカーボン100重量部に対し0.2
5重量%加え、かつカーボンとして硫黄含有量がカーボ
ン100重量部に対し0.05%以下のものを使用した
他は実施例1と同様な方法で窒化アルミニウム質粉末を
得た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表1に
示す。
【0035】実施例3 硝酸イットリウム水溶液166ml、硝酸ランタン水溶
液497mlを滴下した他は実施例1と同様な方法で窒
化アルミニウム質粉末を得た。得られた窒化アルミニウ
ム質粉末の特性を表1に示す。
液497mlを滴下した他は実施例1と同様な方法で窒
化アルミニウム質粉末を得た。得られた窒化アルミニウ
ム質粉末の特性を表1に示す。
【0036】比較例1 硫酸アルミニウム溶液を加えない他は実施例2と同様な
方法で窒化アルミニウム質粉末を得た。得られた窒化ア
ルミニウム質粉末の特性を表1に示す。
方法で窒化アルミニウム質粉末を得た。得られた窒化ア
ルミニウム質粉末の特性を表1に示す。
【0037】比較例2 硝酸ランタン水溶液のみを497ml滴下した他は実施
例1と同様な方法で窒化アルミニウム質粉末を得た。得
られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表1に示す。
例1と同様な方法で窒化アルミニウム質粉末を得た。得
られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表1に示す。
【0038】比較例3 硝酸イットリウム水溶液のみを497ml滴下した他は
実施例1と同様な方法で窒化アルミニウム質粉末を得
た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表1に示
す。
実施例1と同様な方法で窒化アルミニウム質粉末を得
た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を表1に示
す。
【0039】比較例4 水1500gに第一工業製薬株式会社製ノイゲンEA−
137を8.3g、サンノプコ社製SN−DISPER
SANT5468を7.5g、ポリエチレングリコール
#1000を29.4g溶解させ、中心粒径が0.5μ
で、BET比表面積7.6m2 /gでNaO2 含有量が
0.26%のアルミナ粉2000gを加えて、30分間
の超音波処理により分散させた。このようにして得られ
たアルミナスラリーとカーボン粉末(硫黄含有量がカー
ボン粉末100重量部に対し0.05重量部以下)94
1gとを富士産業株式会社製バーティカルグラニュレー
タを使用して20分間混合し、生成した該混合物を12
0℃で15時間乾燥させて窒化反応用原料を得た。該窒
化反応用原料400gをグラファイト製のトレー上に暑
さ15mmとなるように仕込み、窒素気流中1660℃
にて8時間焼成し窒化反応を行った。昇温速度は2.6
℃/分とした。窒化反応後、空気中で700℃にて2時
間焼成し、余剰カーボンを除去し、窒化アルミニウム質
粉末を得た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を
表1に示す。また得られた窒化アルミニウム質粉末の酸
素量は1.10%であった。
137を8.3g、サンノプコ社製SN−DISPER
SANT5468を7.5g、ポリエチレングリコール
#1000を29.4g溶解させ、中心粒径が0.5μ
で、BET比表面積7.6m2 /gでNaO2 含有量が
0.26%のアルミナ粉2000gを加えて、30分間
の超音波処理により分散させた。このようにして得られ
たアルミナスラリーとカーボン粉末(硫黄含有量がカー
ボン粉末100重量部に対し0.05重量部以下)94
1gとを富士産業株式会社製バーティカルグラニュレー
タを使用して20分間混合し、生成した該混合物を12
0℃で15時間乾燥させて窒化反応用原料を得た。該窒
化反応用原料400gをグラファイト製のトレー上に暑
さ15mmとなるように仕込み、窒素気流中1660℃
にて8時間焼成し窒化反応を行った。昇温速度は2.6
℃/分とした。窒化反応後、空気中で700℃にて2時
間焼成し、余剰カーボンを除去し、窒化アルミニウム質
粉末を得た。得られた窒化アルミニウム質粉末の特性を
表1に示す。また得られた窒化アルミニウム質粉末の酸
素量は1.10%であった。
【0040】実施例4 実施例1で得られた窒化アルミニウム質粉末を使用し、
バインダーとしてポリビニルブチラールを、可塑剤とし
てジオクチルフタレートを窒化アルミニウム質粉末10
0重量部に対して各々10重量部、5重量部添加し、分
散媒としてトルエンとエタノールの重量比6:4の混合
物を使用し、ドクターブレード成形を行って100mm
幅のシート状の成形体を作製した。シート状成形体の乾
燥時の割れの発生はなく、成形体密度は1.74g/c
cで成形性は良好であった。このシート状成形体を空気
中500℃で30分焼成し、残留炭素含有量を測定する
と0.096重量%となり、バインダー除去性は良好で
あった。
バインダーとしてポリビニルブチラールを、可塑剤とし
てジオクチルフタレートを窒化アルミニウム質粉末10
0重量部に対して各々10重量部、5重量部添加し、分
散媒としてトルエンとエタノールの重量比6:4の混合
物を使用し、ドクターブレード成形を行って100mm
幅のシート状の成形体を作製した。シート状成形体の乾
燥時の割れの発生はなく、成形体密度は1.74g/c
cで成形性は良好であった。このシート状成形体を空気
中500℃で30分焼成し、残留炭素含有量を測定する
と0.096重量%となり、バインダー除去性は良好で
あった。
【0041】実施例5 窒化アルミニウム質粉末の焼結を実施例1〜3で得られ
た粉末について行った。n−ブタノール40gに、分散
剤として第一工業製薬株式会社製セラモD−18を0.
1g、バインダーとしてアクリル樹脂を0.2g溶解
し、各窒化アルミニウム質粉末20gを添加して250
mlポリエチレン製広口瓶と直径15mmの鉄芯入りプ
ラスチックボール40個を使用して、ボールミル混合を
4時間行った後に乾燥させた。該混合物を金型を使用し
て300kg/cm2 の圧力で直径13mm、厚さ10
mmのペレット状にプレス成形し、さらにラバープレス
により1500kg/cm2 の圧力で成形を行い成形体
を作製した。該成形体を窒素雰囲気中カーボン製の二重
容器中で、1650℃で5時間保持して常圧焼結を行っ
た。 焼結体密度の測定および色ムラの発生を観察し
た。結果を表2に示す。
た粉末について行った。n−ブタノール40gに、分散
剤として第一工業製薬株式会社製セラモD−18を0.
1g、バインダーとしてアクリル樹脂を0.2g溶解
し、各窒化アルミニウム質粉末20gを添加して250
mlポリエチレン製広口瓶と直径15mmの鉄芯入りプ
ラスチックボール40個を使用して、ボールミル混合を
4時間行った後に乾燥させた。該混合物を金型を使用し
て300kg/cm2 の圧力で直径13mm、厚さ10
mmのペレット状にプレス成形し、さらにラバープレス
により1500kg/cm2 の圧力で成形を行い成形体
を作製した。該成形体を窒素雰囲気中カーボン製の二重
容器中で、1650℃で5時間保持して常圧焼結を行っ
た。 焼結体密度の測定および色ムラの発生を観察し
た。結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
Claims (2)
- 【請求項1】 中心粒径が1.5〜5μm、粒径1μm
以下の微粒含有量が15重量%以下、BET比表面積が
3.5m2 /g以下、1000kg/cm2 の圧力を加
えたときの圧粉体密度が1.65g/cc以上、イット
リウム化合物は酸化イットリウムに換算して0.2〜5
重量%、La/Yのモル比0.2〜9となるランタン化
合物、および硫黄を硫黄元素として70〜500ppm
含有してなることを特徴とする窒化アルミニウム質粉
末。 - 【請求項2】 アルミナ粉末とカーボン粉末とを混合
し、該混合物を窒素を含む雰囲気中にて焼成し、焼成後
余剰のカーボン粉末を酸化性雰囲気中で焼成除去するこ
とによる窒化アルミニウム質粉末の製造方法において、
該混合物中にイットリウム化合物を酸化イットリウムに
換算して、生成する窒化アルミニウム粉末に対して0.
2〜5重量%、ランタン化合物をLa/Yのモル比0.
2〜9になるように含有させ、かつ硫黄化合物を硫黄元
素として、生成する窒化アルミニウム粉末に対して70
〜500ppmとなるように含有させることを特徴とす
る窒化アルミニウム質粉末の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3282558A JPH05117039A (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | 窒化アルミニウム質粉末およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3282558A JPH05117039A (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | 窒化アルミニウム質粉末およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117039A true JPH05117039A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17654043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3282558A Pending JPH05117039A (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | 窒化アルミニウム質粉末およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117039A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6861165B2 (en) | 2000-02-24 | 2005-03-01 | Ibiden Co., Ltd. | Aluminum nitride sintered compact, ceramic substrate, ceramic heater and electrostatic chuck |
US6888236B2 (en) | 2000-03-07 | 2005-05-03 | Ibiden Co., Ltd. | Ceramic substrate for manufacture/inspection of semiconductor |
JP2013124202A (ja) * | 2011-12-14 | 2013-06-24 | Tokuyama Corp | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
WO2013122296A1 (ko) * | 2012-02-13 | 2013-08-22 | 영남대학교 산학협력단 | 질화알루미늄 분말 제조 방법 |
WO2013146894A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 株式会社トクヤマ | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
JP2014201474A (ja) * | 2013-04-03 | 2014-10-27 | 株式会社トクヤマ | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
-
1991
- 1991-10-29 JP JP3282558A patent/JPH05117039A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6861165B2 (en) | 2000-02-24 | 2005-03-01 | Ibiden Co., Ltd. | Aluminum nitride sintered compact, ceramic substrate, ceramic heater and electrostatic chuck |
US6929874B2 (en) | 2000-02-24 | 2005-08-16 | Ibiden Co., Ltd. | Aluminum nitride sintered body, ceramic substrate, ceramic heater and electrostatic chuck |
US6888236B2 (en) | 2000-03-07 | 2005-05-03 | Ibiden Co., Ltd. | Ceramic substrate for manufacture/inspection of semiconductor |
JP2013124202A (ja) * | 2011-12-14 | 2013-06-24 | Tokuyama Corp | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
WO2013122296A1 (ko) * | 2012-02-13 | 2013-08-22 | 영남대학교 산학협력단 | 질화알루미늄 분말 제조 방법 |
WO2013146894A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 株式会社トクヤマ | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
KR20150003172A (ko) | 2012-03-30 | 2015-01-08 | 가부시키가이샤 도쿠야마 | 질화 알루미늄 분말의 제조 방법 |
US9145301B2 (en) | 2012-03-30 | 2015-09-29 | Tokuyama Corporation | Method for producing aluminum nitride powder |
JPWO2013146894A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2015-12-14 | 株式会社トクヤマ | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
DE112013001820B4 (de) | 2012-03-30 | 2019-04-04 | Tokuyama Corporation | Verfahren zum Herstellen von Aluminiumnitridpulver |
JP2014201474A (ja) * | 2013-04-03 | 2014-10-27 | 株式会社トクヤマ | 窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
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