JPH0691707A - 長繊維強化プラスチック射出成形品 - Google Patents

長繊維強化プラスチック射出成形品

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JPH0691707A
JPH0691707A JP24242592A JP24242592A JPH0691707A JP H0691707 A JPH0691707 A JP H0691707A JP 24242592 A JP24242592 A JP 24242592A JP 24242592 A JP24242592 A JP 24242592A JP H0691707 A JPH0691707 A JP H0691707A
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JP
Japan
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long
fiber
reinforced plastic
plastic injection
molded product
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JP24242592A
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Sadao Kobayashi
定雄 小林
Katsuhiko Taguchi
勝彦 田口
Wataru Takahashi
渉 高橋
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0005Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor using fibre reinforcements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0046Details relating to the filling pattern or flow paths or flow characteristics of moulding material in the mould cavity

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】射出成形時における長繊維の流動方向を制御す
ることにより、長繊維強化プラスチック射出成形品の機
械的強度の弱点部を補強することにある。 【構成】長繊維を補強材として含むプラスチック成形材
料を射出成形して得られる長繊維強化プラスチック射出
成形品31の機械的弱点部分に、射出成形時に波型の凹
溝33を形成することにより得られる成形樹脂層の狭窄
部34からなり、長繊維の配向方向6を乱すことにより
機械的弱点部分を補強する補強手段32を備えてなるも
のとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主に電気機器や電子
機器の構成部材として使用される長繊維強化プラスチッ
ク射出成形品、ことにその機械的弱点部分の補強構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】長繊維強化プラスチック射出成形品の機
械的強度は、プラスチック成形材料(以下成形材料と呼
ぶ)に含まれる長繊維の引っ張り強度によって高度に保
たれる。ところがプラスチック成形材料を射出成形する
場合、成形金型中を成形材料が流動する際、長繊維の長
さ方向が特定の一方向に揃う現象(繊維の配向)が生ず
る性質があり、このため得られた長繊維強化プラスチッ
ク射出成形品の機械的強度が、応力の加わる方向によっ
て異なる異方性が生ずることが知られている。
【0003】図9は一方端にゲ−トを有する棒状の長繊
維強化プラスチック射出成形品における従来の繊維の配
向状態を模式化して示す説明図であり、厚み3mm,幅1
0mm, 長さ90mmの棒状の平滑衝撃試験片1を湿式ポリ
エステルプリミックスを成形材料11として射出成形し
た場合を例に示している。図において、試験片1の一方
端にゲ−ト10を設けて射出成形した場合、ガラス長繊
維の配向方向6は図に示すように、流動する樹脂の圧力
を最も受けやすい試験片の厚み方向(または幅方向)と
なり、試験片1の長さ方向には長繊維の補強効果が及ば
ない。従って、図に示すように試験片1を2点支持し、
その中央に衝撃荷重を加えた場合、試験片1には支点側
の面の中央部を長さ方向に引き伸ばす歪みが発生する
が、この歪みの発生方向が試験片1において長繊維の補
強効果が及ばない弱点方向と一致するため、この部分が
長繊維強化プラスチック射出成形品の機械的強度の弱点
部となり、高い衝撃強度を得難いという問題が発生す
る。
【0004】図10は一方の面の2箇所にゲ−トを有す
る平板状の従来の長繊維強化プラスチック射出成形品に
おける繊維の配向状態を模式化して示す平面図、図11
は図10におけるA−A位置の断面図である。図におい
て、平板状の長繊維強化プラスチック射出成形品2は2
つのゲ−ト10A,10Bを備え、射出成形に際して2
つのゲ−トから成形金型内に射出した成形材料は、その
外周縁がそれぞれのゲ−トを中心にして厚み方向に偏平
な楕円体面を描くように流動して金型のキャビティ内に
充満するため、長繊維の配向方向7は図に示すように上
記楕円体面に沿う形で分布する。その結果、2つのゲ−
トから射出された成形材料それぞれは比較的機械強度の
異方性の少ない成形体を形成する。しかしながら、2つ
の樹脂流が結合する流界部分に樹脂流が相互に混合せ
ず、したがって長繊維も交錯しないウエルド部13が発
生し、平板状の長繊維強化プラスチック射出成形品2の
機械的弱点部となることが知られている。
【0005】図12は2箇所に穴を有する平板状の従来
の長繊維強化プラスチック射出成形品における繊維の配
向状態を模式化して示す平面図であり、平板状の長繊維
強化プラスチック射出成形品3は1つのゲ−ト10と、
2つの貫通孔14A,14Bを備え、射出成形に際して
ゲ−ト10から成形金型内に射出した成形材料11は、
2つの貫通孔を迂回してキャビティ内を流動し、2つの
貫通孔の陰で2つの樹脂流が結合する部分に樹脂流が相
互に混合せず、したがって長繊維も交錯しないウエルド
部15Aおよび15Bが形成され、平板状の長繊維強化
プラスチック射出成形品3の機械的弱点部となることが
知られている。
【0006】図13は配電用遮断器の従来のケ−ス部分
を示す平面図、図14は図13におけるB−B位置にお
ける長繊維の配向状態をカバ−部分を含めて示す断面図
であり、長繊維強化プラスチック射出成形品からなるケ
−ス4は、成形品に凹所として形成される端子室16
A,16B、遮断室17、および操作室18をそれぞれ
三相分備え、その両サイドの縁に形成された切り欠き部
19Aおよび19Bが設けられる。また、カバ−5もケ
−ス4とほぼ同様に形成され、カバ−5の両サイドに形
成された突部20とケ−ス4の切り欠き部19A,19
Bとが互いに係合するよう組み合わすことにより、ケ−
ス4とカバ−5とが印籠結合した配電用遮断器の絶縁容
器を形成する。
【0007】このように構成されたケ−ス4に遮断器と
しての構成部品を組み込み、カバ−5を印籠結合した状
態で遮断試験を行うと、電流の遮断によって遮断室17
の内圧Pが瞬間的に上昇した際、カバ−5の突部20の
付け根部分にクラック21が発生し、この部分が長繊維
強化プラスチック射出成形品からなるカバ−5の機械強
度の弱点部となることが判明した。上述のケ−ス4およ
びカバ−5は、端子室16A側に3つのゲ−ト10A,
10B,および10Cを持ち、射出成形に際して3つの
ゲ−トから射出された成形材料11が複数の凹所を迂回
して流動するため、長繊維の配向方向8が複雑になる
が、図14に示すように突部20の段差近傍で長繊維が
互いに平行な方向に配向して機械的強度の弱点部とな
り、遮断室17の内圧によりカバ−5の突部20が外側
に押し広げられることにより突部の付け根が劈開し、ク
ラック21が発生したものと推定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の長繊維強化プラ
スチック射出成形品においては、その射出成形時に生ず
る長繊維の配向およびウエルドの生成により、長繊維の
補強が及ばない機械的強度の弱点部が生じ、この弱点部
に外力が集中することにより長繊維強化プラスチック射
出成形品に思わぬ損傷が発生する。また、このような損
傷を回避するためにゲ−トの位置を変えれば射出成形金
型の複雑化を招き、さらに弱点部の樹脂層厚みを増して
機械的強度を補給すれば、成形品の大型化を招くととも
に、成形品の大幅な設計変更が必要になるなどの問題が
発生する。
【0009】この発明の目的は、射出成形時における成
形材料中の長繊維の流動方向を制御することにより、長
繊維強化プラスチック射出成形品の弱点部を補強するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、次の各項とする。 1)長繊維を補強材として含むプラスチック成形材料を
射出成形して得られる長繊維強化プラスチック射出成形
品において、その機械的弱点部分に、成形樹脂層の狭窄
部からなり前記長繊維の配向を乱すことにより機械的弱
点部分を補強する補強手段を備えてなるものとする。
【0011】2)プラスチック成形材料が、湿式ポリエ
ステルプリミックス,乾式ポリエステルプリミックス,
長繊維強化フェノ−ル系成形樹脂,あるいは長繊維強化
熱可塑性エンジニアリングプラスチックスのいずれかで
あるものとする。 3)長繊維がガラス繊維または有機繊維からなり、その
繊維長が0.5mmから30mmの範囲にあるものとする。
【0012】4)長繊維強化プラスチック射出成形品が
一方端にゲ−ト部を有する棒状体からなり、射出成形時
におけるプラスチック成形材料の流動方向を波型の凹溝
の波長方向とし、外力の作用点近傍に補強手段を設けて
なるものとする。 5)長繊維強化プラスチック射出成形品が2箇所にゲ−
ト部を有する板状体からなり、射出成形時におけるプラ
スチック成形材料の流界部に生ずるウエルドぶに補強手
段を設けてなるものとする。
【0013】6)長繊維強化プラスチック射出成形品が
穴を有する板状体からなり、射出成形時に穴の下流側に
生ずるウエルド部に補強手段を設けてなるものとする。 7)長繊維強化プラスチック射出成形品が遮断室等を内
包した配電用遮断器のケ−スおよびカバ−からなり、相
互に印籠結合部を有するものにおいて、この印籠結合部
に補強手段を設けてなるものとする。
【0014】8)成形樹脂層の狭窄部を形成する波型の
凹溝を、熱膨張係数が長繊維強化プラスチック射出成形
品のそれに近い絶縁材により充填してなるものとする。
【0015】
【作用】
1)長繊維強化プラスチック射出成形品が、その機械的
弱点部分に射出成形時に波型の凹溝を形成することによ
り得られる成形樹脂層の狭窄部からなる補強手段を備え
るよう構成したことにより、流動する成形材料が補強手
段としての波型の狭窄部を通過する際、長繊維の方向に
乱れが生じて配向が乱れ、繊維の配向に基づく機械的強
度の異方性が排除されるので、長繊維強化プラスチック
射出成形品の機械的弱点部を補強する機能が得られる。
【0016】2)プラスチック成形材料として、湿式ポ
リエステルプリミックス,乾式ポリエステルプリミック
ス,長繊維強化フェノ−ル系成形樹脂,あるいは長繊維
強化熱可塑性エンジニアリングプラスチックスのいずれ
を用いても、弱点部に波型の狭窄部からなる補強手段を
設けることにより、機械的弱点部を補強する機能が得ら
れる。
【0017】3)長繊維としてガラス繊維または有機繊
維を用い、その繊維長を0.5mmから30mmの範囲とす
ることにより、機械的弱点部を補強する機能を有効に発
揮することができる。 4)長繊維強化プラスチック射出成形品が一方端にゲ−
ト部を有する棒状体である場合、射出成形時におけるプ
ラスチック成形材料の流動方向を波型の凹溝の波長方向
として外力の作用点近傍に補強手段を設けるよう構成す
れば、通常棒の長さに垂直な断面上に配向する繊維を、
補強手段によって棒の長さ方向に変える作用が生ずるの
で、従来曲げ荷重および引っ張り荷重に弱い棒状の長繊
維強化プラスチック射出成形品の弱点を強化する機能が
得られる。
【0018】5)長繊維強化プラスチック射出成形品が
2箇所にゲ−ト部を有する板状体である場合、射出成形
時におけるプラスチック成形材料の流界部に生ずるウエ
ルド部分に補強手段を設けるよう構成すれば、2つの樹
脂流が補強手段にその両側から流入する際長繊維の配向
が乱れ、かつ2つの樹脂流が入り組んで合流する作用が
生まれるので、従来樹脂流の混合および繊維の交錯が無
いウエルドを補強する機能が得られる。
【0019】6)長繊維強化プラスチック射出成形品が
穴を有する板状体であり、射出成形時に穴の下流側にウ
エルドを生ずる場合、このウエルド部分に補強手段を設
けるよう構成すれば、上記5)項におけると同様の作用
により、ウエルド部分を補強することができる。 7)長繊維強化プラスチック射出成形品が遮断室等を内
包した配電用遮断器のケ−スおよびカバ−であり、相互
に印籠結合する段差部を有するものである場合、この印
籠結合部に補強手段を設けるよう構成すれば、補強手段
が印籠結合部における長繊維の配向を阻害し、この部分
の成形層の劈開強度を向上するよう機能するので、遮断
室の内圧上昇によって印籠結合部に発生する劈開応力に
より樹脂層にクラックが生ずることを阻止する機能が得
られる。
【0020】8)成形樹脂層の狭窄部を形成する波型の
凹溝を、熱膨張係数が長繊維強化プラスチック射出成形
品のそれに近い絶縁材により充填すれば、射出成形時に
繊維の配向を乱すために必要な凹溝の機能を損なうこと
なく、補強手段の表面が平滑化された長繊維強化プラス
チック射出成形品を得ることができる。また、充填材を
成形金型の要部にあらかじめ装着して置き、射出成形時
に成形品と一体化するよう構成してよく、これにより機
械的強度の弱点部の補強効果を一層高める機能が得られ
る。
【0021】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1はこの発明の実施例になる一方端にゲ−トを有
する棒状の長繊維強化プラスチック射出成形品とその繊
維の配向状態を模式化して示す側面図であり、以下従来
技術と同じ構成部分には同一参照符号を付すことによ
り、重複した説明を省略する。図において、長繊維強化
プラスチック射出成形品としての切り欠き衝撃試験片3
1は、厚み5mm,幅10mm, 長さ90mmの棒状体の中央
部に、深さ2mmの波型の凹溝33により厚みが3mmに縮
小された狭窄部34を設け、図中矢印で示す衝撃荷重P
に対する補強手段32とした点が従来の平滑衝撃試験片
1(図9参照)と異なっている。
【0022】切り欠き衝撃試験片31は、その射出成形
時に波型の凹溝33に相応した突起を有する成形金型を
用い、湿式ポリエステルプリミックスを成形材料11と
して射出成形した場合を例に示している。図において、
試験片31の一方端にゲ−ト10を設けて射出成形した
場合、ガラス長繊維の配向方向6は図に示すように、流
動する樹脂の圧力を最も受けやすい試験片の厚み方向
(または幅方向)となるが、波型の狭窄部33を通過す
る過程で長繊維の配向方向の乱れ36を生じ、補強手段
32の部分で繊維が交錯し、長繊維による機械的強度の
補強効果が発生する。
【0023】表1は実施例における切り欠き衝撃試験片
の衝撃強度を従来の平滑衝撃試験片のそれと比較して示
す特性表であり、切り欠き衝撃試験片31は平滑衝撃試
験片1に比べてほぼ2倍のシャルピ−衝撃値を示してい
る。この結果から、この発明の補強手段が機械的強度の
弱点部の補強に有効であることが実証された。
【0024】
【表1】
【0025】なお、プラスチック成形材料11として
は、湿式ポリエステルプリミックス,乾式ポリエステル
プリミックス,長繊維強化フェノ−ル系成形樹脂,ある
いは長繊維強化熱可塑性エンジニアリングプラスチック
スのいずれを用いてもよい。また、長繊維としてガラス
繊維または有機繊維を用い、その繊維長は0.5mmから
30mmの範囲で好適な寸法に選択されてよく、以下に述
べる各実施例についても同様である。さらに、波型の凹
溝33の波の数を連続または断続して増加すれば、補強
手段32による機械強度の補強範囲を試験片31の長手
方向に広げることが可能であり、荷重の加わり方を考慮
して決めることができる。
【0026】図2はこの発明の異なる実施例になる一方
の面の2箇所にゲ−トを有する平板状長繊維強化プラス
チック射出成形品とその繊維の配向状態を模式化して示
す平面図、図3は図2におけるC−C位置の断面図であ
る。図において、平板状の長繊維強化プラスチック射出
成形品41は従来の平板状成形品2におけるウエルド部
13の機械的強度を改善しょうとするものであり、ウエ
ルド部13に沿って波型の凹溝43による狭窄部44か
らなる機械的強度の補強手段42が設けられる。すなわ
ち、射出成形に際して2つのゲ−ト10A,10Bから
成形金型内に射出され、厚み方向に偏平な楕円体面を描
くように流動する2つの樹脂流は、補強手段42にその
両側から流入する際狭窄部44により流れの速度および
方向が乱れるので長繊維の配向も乱れ、かつ2つの樹脂
流が入り組んで合流する作用が生まれるので、従来樹脂
流の混合および繊維の交錯が無く機械的強度の弱点部で
あったウエルド部13を補強し、機械的弱点部の無い平
板状の射出成形品を得ることができる。
【0027】図4はこの発明のさらに異なる実施例にな
る2箇所に穴を有する平板状の長繊維強化プラスチック
射出成形品とその繊維の配向状態を模式化して示す平面
図、図5は図4におけるD−D位置の断面図である。図
において、平板状の長繊維強化プラスチック射出成形品
51は、従来の平板状成形品3におけるウエルド部15
A,15Bの機械的強度を改善しょうとするものであ
り、2つのウエルド部に対して共通の波型の凹溝53に
より狭窄部54を形成した機械的強度の補強手段52が
設けられる。すなわち、射出成形に際してゲ−ト10か
ら成形金型内に射出され、貫通孔14を迂回してその下
流側のウエルド部で再び結合するそれぞれ2つの樹脂流
は、補強手段52の狭窄部54を通過する際、流れの速
度および方向が乱れるので長繊維の配向も乱れ、かつ2
つの樹脂流が入り組んで合流する作用が生まれるので、
従来樹脂流の混合および繊維の交錯が無く機械的強度の
弱点部であった2つのウエルド部15A,15Bを同時
に補強し、機械的弱点部の無い平板状の射出成形品51
を得ることができる。
【0028】図6はこの発明の他の実施例になる配電用
遮断器のカバ−の要部を拡大して示す斜視図、図7は他
の実施例になる配電用遮断器のケ−スの要部を拡大して
示す斜視図、図8は図7におけるE−E方向の長繊維の
配向状態をカバ−部分を含めて示す拡大断面図である。
図において、ケ−ス64およびカバ−65は従来のケ−
ス4およびカバ−5の印籠結合部における劈開強度を向
上するために、カバ−65の両サイドの突部20の内側
の側壁に波型の凹所により形成された補強手段61と、
これに印籠結合するケ−ス64の切り欠き部19A(ま
たは19B)の側壁面に波型の凹所により形成された補
強手段62とを設け、両補強手段61および62を噛み
合わせることにより、ケ−ス64とカバ−65とが印籠
結合するよう構成される。
【0029】このように構成されたケ−ス64およびカ
バ−65においては、その射出成形時に波型の補強部に
そって繊維が入り組んだ長繊維の配向の乱れ68が生
じ、段差部における劈開強度が向上する。そこで、ケ−
ス64に遮断器としての構成部品を組み込み、カバ−6
5を印籠結合した状態で遮断試験を行った。その結果、
従来の配電用遮断器で突部の付け根部分に発生したクラ
ック21(図14参照)は発生せず、補強手段61およ
び62による補強効果が実証された。
【0030】なお、上述の各実施例において、補強手段
32,42,52,61,および62等を形成する波型
の凹溝を、熱膨張係数が成形樹脂層のそれに近い絶縁材
により充填すれば、射出成形時に繊維の配向を乱すため
に必要な凹溝の機能を損なうことなく、補強手段の表面
が平滑化された長繊維強化プラスチック射出成形品を得
ることができる。また、充填材は成形金型の要部にあら
かじめ装着して置き、射出成形時に成形品と一体化して
よく、これにより弱点部の補強効果を一層高める効果も
得られる。
【0031】
【発明の効果】この発明は前述のように、長繊維強化プ
ラスチック射出成形品が、射出成形時に繊維が配向する
ことにより生ずる機械的弱点部分、あるいはウエルド部
の補強手段として、射出成形時に波型の凹溝を形成する
ことにより得られる成形樹脂層の狭窄部を設けるよう構
成した。その結果、成形型内を流動する成形材料が補強
手段としての波型の狭窄部を通過する際、長繊維の方向
に乱れが生じて配向が乱れ、繊維の配向に基づく機械的
強度の異方性が排除されるので、従来、弱点部の補強の
ために必要とした樹脂層の厚みの増加や設計変更等を必
要とすることなく、所望の機械的強度とその安定性を保
持した信頼性の高い長繊維強化プラスチック射出成形品
を、経済的にも有利に提供することができる。
【0032】また、構造が複雑で予め弱点部の特定が困
難な長繊維強化プラスチック射出成形品においても、試
験により弱点部が判明した時点で成形型の追加加工を施
すことにより補強手段を容易に追加できる利点が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例になる一方端にゲ−トを有す
る棒状の長繊維強化プラスチック射出成形品とその繊維
の配向状態を模式化して示す側面図
【図2】この発明の異なる実施例になる一方の面の2箇
所にゲ−トを有する平板状長繊維強化プラスチック射出
成形品とその繊維の配向状態を模式化して示す平面図
【図3】図2におけるC−C位置の断面図
【図4】この発明のさらに異なる実施例になる2箇所に
穴を有する平板状の長繊維強化プラスチック射出成形品
とその繊維の配向状態を模式化して示す平面図
【図5】図4におけるD−D位置の断面図
【図6】この発明の他の実施例になる配電用遮断器のカ
バ−の要部を拡大して示す斜視図
【図7】他の実施例になる配電用遮断器のケ−スの要部
を拡大して示す斜視図
【図8】図7におけるE−E方向の長繊維の配向状態を
カバ−部分を含めて示す拡大断面図
【図9】一方端にゲ−トを有する棒状の長繊維強化プラ
スチック射出成形品における従来の繊維の配向状態を模
式化して示す説明図
【図10】一方の面の2箇所にゲ−トを有する平板状の
従来の長繊維強化プラスチック射出成形品における繊維
の配向状態を模式化して示す平面図
【図11】図10におけるA−A位置の断面図
【図12】2箇所に穴を有する平板状の従来の長繊維強
化プラスチック射出成形品における繊維の配向状態を模
式化して示す平面図
【図13】配電用遮断器の従来のケ−ス部分を示す平面
【図14】図13におけるB−B位置における長繊維の
配向状態をカバ−部分を含めて示す断面図
【符号の説明】
1 平滑衝撃試験片 2 2つのゲ−トを有する平板状射出成形品 3 穴を有する平板状射出成形品 4 配電用遮断器のケ−ス 5 配電用遮断器のカバ− 6 長繊維の配向方向 7 長繊維の配向方向 8 長繊維の配向方向 10 ゲ−ト 11 長繊維強化プラスチック成形材料 13 ウエルド部 16 端子室 17 遮断室 18 操作室 19 切り欠き部(ケ−ス側) 20 突部(カバ−側) 21 クラック 31 切り欠き衝撃試験片 32 補強手段 33 波型の凹溝 34 狭窄部 36 長繊維の配向の乱れ 41 平板状射出成形品 42 補強手段 43 波型の凹溝 44 狭窄部 51 平板状射出成形品 52 補強手段 53 波型の凹溝 54 狭窄部 61 補強手段(カバ−側) 62 補強手段(ケ−ス側) 64 配電用遮断器のケ−ス 65 配電用遮断器のカバ− 68 長繊維の配向の乱れ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長繊維を補強材として含むプラスチック成
    形材料を射出成形して得られる長繊維強化プラスチック
    射出成形品において、その機械的弱点部分に、成形樹脂
    層の狭窄部からなり前記長繊維の配向を乱すことにより
    機械的弱点部分を補強する補強手段を備えてなることを
    特徴とする長繊維強化プラスチック射出成形品。
  2. 【請求項2】プラスチック成形材料が、湿式ポリエステ
    ルプリミックス,乾式ポリエステルプリミックス,長繊
    維強化フェノ−ル系成形樹脂,あるいは長繊維強化熱可
    塑性エンジニアリングプラスチックスのいずれかである
    ことを特徴とする請求項1記載の長繊維強化プラスチッ
    ク射出成形品。
  3. 【請求項3】長繊維がガラス繊維または有機繊維からな
    り、その繊維長が0.5mmから30mmの範囲にあること
    を特徴とする請求項1記載の長繊維強化プラスチック射
    出成形品。
  4. 【請求項4】長繊維強化プラスチック射出成形品が一方
    端にゲ−ト部を有する棒状体からなり、射出成形時にお
    けるプラスチック成形材料の流動方向を波型の凹溝の波
    長方向とし、外力の作用点近傍に補強手段を設けてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の長繊維強化プラスチッ
    ク射出成形品。
  5. 【請求項5】長繊維強化プラスチック射出成形品が2箇
    所にゲ−ト部を有する板状体からなり、射出成形時にお
    けるプラスチック成形材料の流界部に生ずるウエルド部
    に補強手段を設けてなることを特徴とする請求項1記載
    の長繊維強化プラスチック射出成形品。
  6. 【請求項6】長繊維強化プラスチック射出成形品が穴を
    有する板状体からなり、射出成形時に前記穴の下流側に
    生ずるウエルド部に補強手段を設けてなることを特徴と
    する請求項1記載の長繊維強化プラスチック射出成形
    品。
  7. 【請求項7】長繊維強化プラスチック射出成形品が遮断
    室等を内包した配電用遮断器のケ−スおよびカバ−から
    なり、相互に印籠結合部を有するものにおいて、この印
    籠結合部に補強手段を設けてなることを特徴とする請求
    項1記載の長繊維強化プラスチック射出成形品。
  8. 【請求項8】成形樹脂層の狭窄部を形成する波型の凹溝
    を、熱膨張係数が長繊維強化プラスチック射出成形品の
    それに近い絶縁材により充填してなることを特徴とする
    請求項1記載の長繊維強化プラスチック射出成形品。
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