JPH069069U - 雌型端子金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気接触部への相手方端子の挿入力を低減す
ることが可能な雌型端子金具を提供する。 【構成】 本考案に係る雌型端子金具５７は、基板３上
を摺動する弾性接触片１９の摺動部２５に、基板３に向
けて先端部が球形状の凸部５９、５９を突設したことを
特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、弾性接触片を有する電気接触部に相手方端子を弾性挟持する雌型端 子金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７乃至図９は、特開昭５９−２０９７６号、実開昭５９−５９４８０号、実 開昭６０−９９７８３号、実開昭６０−１０９２７４号、実開平１−９５０７７ 号、実開平１−１１２５７４号公報等に記載の雌型端子金具１を示す。この雌型 端子金具１は、基板３とこの基板３の両側から同方向に屈曲された側壁５、７と 基板３に対向した上板９とからなる箱型形状の電気接触部１１と、この電気接触 部１１と一体に形成されて電線端部を加締め接続する加締め部（図８参照）１３ とからなる。

【０００３】 上記電気接触部１１には、上板９に基板３側へ向けて屈曲・突出した矩形状の 接触部５が形成され、この接触部１５の内壁側が相手方端子１７の一方の面と接 触する接触面となっている。この接触部１５に対応して基板３上には弾性接触片 １９が基板３の前端縁３ａより後方に折り返されて形成されている。弾性接触片 １９は、上り片部２１と、この上り片部２１と所定の角度を成して基板３に向け て延設された下り片部２３とからなり、全体形状が略山形形状に形成されている 。また、下り片部２３の先端部は基板３に沿ってさらに屈曲されて基板３上に当 接する摺動部２５となっている。

【０００４】 このような雌型端子金具１の接触部５と弾性接触片１９との間に相手方端子（ 雄型端子）１７の先端部１７ａを挿入すると、図９（ａ）に示すように、上り片 部２１、下り片部２３が若干撓み、摺動部２５が基板３に押圧される。そして、 さらに相手方端子１７を挿入すると、摺動部２５が基板３上を摺動しながら弾性 接触片１９が撓み、相手方端子１７は、図９（ｂ）に示すように上り片部２１と 下り片部２３の撓みによる反力で接触部１５側に向けて押圧される。

【０００５】 また、図１０乃至図１２は、特開昭６４−１０５８９号公報に記載され、弾性 接触片２９が別体の雌型端子金具２７を示す。この雌型端子金具２７は、基板部 ３１とこの基板部３１の両側から同方向に屈曲された側壁３３、３５と基板部３ １に対向した対向板３７とからなる箱型形状の電気接触部３９と、この電気接触 部３９と一体に形成されて電線端部を加締め接続する加締め部４１と、電気接触 部３９内に設けられた弾性接触片２９とからなる。

【０００６】 上記電気接触部３９の側壁３３、３５には、中間部に矩形状の支持孔４５、４ ５がそれぞれ形成されている。これらの支持孔４５、４５内には、円弧状で両側 中間部から突設された耳片４７、４７がそれぞれ挿入されている。また、この状 態では、弾性接触片２９は若干撓んでおり、弾性接触片２９の両端部の摺動部４ ９は、基板部３１に押圧・当接されている。また、対向板３７の基板部３１側は 相手方端子５１の一方の面と接触する接触面４３となっている。

【０００７】 弾性接触片２９は、図１１に示すように、第１片部５３と第２片部５５とから なり、全体形状が円弧状に形成されている。そして、第１片部５３と第２片部５ ５との連結部両側に、耳片４７、４７がそれぞれ突設されている。また、第１片 部５３、第２片部５５の自由端部は、基板部３１に摺動する摺動部４９、４９と なっている。

【０００８】 このような雌型端子金具２７の接触部４３と弾性接触片２９との間に相手方端 子（雄型端子）１７の先端部１７ａを挿入すると、図１２（ａ）に示すように、 第１片部５３、第２片部５５が若干撓み、摺動４９、４９が基板部３１に押圧さ れる。そして、さらに相手方端子５１を挿入すると、摺動部４９、４９が基板部 ３１上を摺動しながら弾性接触片２９が撓み、相手方端子１７は、図１２（ｂ） に示すように第１片部５３、第２片部５５の撓みによる反力で接触部４３側に向 けて押圧される。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記各公報に記載された従来の雌型端子金具１、２７では、弾 性接触片１９、２９の撓み時に、基板３、基板部３１上を摺動部２５、４９が摺 動しながら移動するので、摩擦力が大きく、電気接触部１１、３９への相手方端 子１７、５１の挿入力が高くなるという問題がある。

【００１０】 そこで、本考案は、電気接触部への相手方端子の挿入力を低減することが可能 な雌型端子金具を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案では、基板上を摺動する弾性接触片の摺動部に 、基板に向けて先端部が球形状の凸部を突設したことを特徴としている。

【００１２】

【作用】

本考案によれば、接触部と弾性接触片との間へ相手方端子を挿入すると弾性接 触片の摺動部に形成した一対の凸部が基板上を点接触の状態で摺動して、弾性接 触片が撓む。このため、摩擦力を低減することが出来、電気接触部への相手方端 子の挿入力を低減することが出来る。

【００１３】

【実施例】

以下、本発明に係る雌型端子金具の実施例について説明する。なお、図７及び 図１０に示す雌型端子金具１、２７と同一部位については同符号を用いて説明す る。

【００１４】 第１実施例 図１及び図２は第１実施例の雌型端子金具５７を示す。この雌型端子金具５７ は、図７に示す雌型端子金具１と基本的に同構成で、基板３と側壁５、７と上板 ９とからなる箱状の電気接触部１１と、片持ちの弾性接触片１９と、加締め部１ ３とからなる。そして、本実施例の雌型端子金具５７の弾性接触片１９の自由端 である摺動部２５の基板３側には、一対の打出し凸部５９、５９が設けられ、基 板３上に当接している。これらの打出し凸部５９、５９は先端部にかけて次第に 細くなって、鋭角状に形成され、最先端部が球形状とされて基板３上に点接触で 当接している。

【００１５】 このような雌型端子金具５７の接触部１５と弾性接触片１９との間に、相手方 端子１７の先端部１７ａを挿入すると、図３（ａ）に示すように、上り片部２１ と下り片部２３とが若干撓んで、摺動部２５の打出し凸部５９、５９が基板３上 に押圧される。さらに、相手方端子１７を接触部１５と弾性接触片１９との間に 挿入すると、図３（ｂ）に示すように、上り片部２１と下り片部２３とがさらに 撓んで、摺動部２５の打出し凸部５９、５９が基板３上を点接触の状態で摺動す る。この場合、基板３上を打出し凸部５９、５９が点接触状態で摺動するので、 摩擦力が低減し、接触部１５と弾性接触片１９との間への相手方端子の挿入力を 低減することが出来る。

【００１６】 また、本実施例では、打出し凸部５９、５９を摺動部２５に、相手方端子１７ の挿入方向に対して交差する方向に沿って一対設けることにより、弾性接触片１ ９の基板３に対する安定性が向上する。

【００１７】 第２実施例 図４及び図５は第２実施例の雌型端子金具６１を示す。この雌型端子金具６１ は、箱状の電気接触部３９と、両端部が自由端とされた弾性接触片６３と、加締 め部４１とからなる。そして、本実施例の弾性接触片６３は、両端部に平板状の 摺動部６５、６５が形成され、これらの摺動部６５、６５には、一対の打出し凸 部６７、６７がそれぞれ基板部３１側に向けて突設されている。これらの打出し 凸部６７、６７は上述の第１実施例の打出し凸部５９、５９と同構成で、先端部 が球形に形成されて、基板部３１に点接触状態で当接する。

【００１８】 このような雌型端子金具６１の接触部４３と弾性接触片６３との間に相手方端 子５１の先端部５１ａを挿入すると、図６（ａ）に示すように、第１片部５３、 第２片部５５が若干撓んで、打出し凸部６７、６７、６７、６７、６７を基板部 ３１に向けて押圧する。この状態から、さらに相手方端子５１を接触部４３と弾 性接触片６３との間に挿入すると第１片部５３と第２片部５５とが、打出し凸部 ６７、６７、６７、６７が基板部３１上を点接触状態で摺動して撓む。これによ り、摺動部６５、６５の基板部３１との摩擦力を低減することが出来るので、接 触部４３と弾性接触片６３との間への相手方端子５１の挿入力を低減することが 出来る。また、本実施例においても、摺動部６５、６５に一対の打出し凸部６７ 、６７をそれぞれ設けることにより、弾性接触片６３の基板部３１への安定性が 向上する。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る雌型端子金具によれば、弾性接触片の自由端 が基板上を摺動する際に一対の凸部が点接触状態で摺動するので、摩擦力を低減 して、電気接触部への相手方端子の挿入力を低減することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る雌型端子金具の第１実施例を示す
斜視図である。

【図２】第１実施例の雌型端子金具の電気接触部の内部
を示す断面図である。

【図３】第１実施例の雌型端子金具の電気接触部への相
手方端子の挿入状態を示し、（ａ）は相手方端子の先端
部を電気接触部と相手方端子との間に挿入した状態を示
す断面図であり、（ｂ）は相手方端子を電気接触部と相
手方端子との間に完全に挿入した状態を示す断面図であ
る。

【図４】本考案に係る雌型端子金具の第２実施例を示す
斜視図である。

【図５】第２実施例の雌型端子金具の電気接触部の内部
を示す断面図である。

【図６】第２実施例の雌型端子金具の電気接触部への相
手方端子の挿入を状態を示し、（ａ）は相手方端子の先
端部を接触部と弾性接触片との間に挿入した状態を示す
断面図であり、（ｂ）は相手方端子を接触部と弾性接触
片との間に完全に挿入した状態を示す断面図である。

【図７】従来の雌型端子金具を示す斜視図である。

【図８】従来の雌型端子金具の電気接触部の内部を示す
断面図である。

【図９】従来の雌型端子金具の電気接触部への相手方端
子の挿入状態を示し、（ａ）は相手方端子の先端部を接
触部と弾性接触片との間に挿入した状態を示す断面図で
あり、（ｂ）は相手方端子を接触部と弾性接触片との間
に完全に挿入した状態を示す断面図である。

【図１０】従来の他の雌型端子金具を示す斜視図であ
る。

【図１１】従来の他の雌型端子金具の電気接触部の内部
を示す斜視図である。

【図１２】従来の他の雌型端子金具の電気接触部への相
手方端子の挿入状態を示し、（ａ）は相手方端子の先端
部を接触部と弾性接触片との間に挿入した状態を示す断
面図であり、（ｂ）は相手方端子を接触部と弾性接触片
との間に完全に挿入した状態を示す断面図である。

【符号の説明】

３ 基板 ９ 上板 １１ 電気接触部 １５ 接触部 １７ 相手方端子 １９ 弾性接触片 ２１ 上り片部（第１片部） ２３ 下り片部（第２片部） ２５ 摺動部 ５９ 打出し凸部 ３１ 基板部 ３７ 対向板部 ４３ 接触部 ５１ 相手方端子 ５３ 第１片部 ５５ 第２片部 ５７、６１ 雌型端子金具 ５９ 打出し凸部 ６３ 弾性接触片 ６５ 摺動部 ６７ 打出し凸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基板に対向する接触部を有する電気接触
   部内に、第１片部とこの第１片部と所定の角度を成して
   前記基板に向けて延設された第２片部とからなる弾性接
   触片が基板上に設けられて、前記接触部との間に挿入さ
   れた相手方端子を弾性挟持する雌型端子金具において、 前記基板上を摺動する前記弾性接触片の摺動部に、基板
   に向けて先端部が球形状の凸部を突設したことを特徴と
   する雌型端子金具。