JPH0689203B2 - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物

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JPH0689203B2
JPH0689203B2 JP1294049A JP29404989A JPH0689203B2 JP H0689203 B2 JPH0689203 B2 JP H0689203B2 JP 1294049 A JP1294049 A JP 1294049A JP 29404989 A JP29404989 A JP 29404989A JP H0689203 B2 JPH0689203 B2 JP H0689203B2
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豊 坪倉
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なスチレン系樹脂組成物に関する。さらに
詳しくいえば、本発明は、OA機器、家電製品、自動車部
品などの素材として好適な、高い衝撃強度、かつ優れた
光沢及び耐熱性を有するなど物性バランスに優れるスチ
レン系樹脂組成物に関するものである。
[従来の技術] ゴム変性したスチレン系樹脂組成物は、耐衝撃性及び剛
性に優れ、また成形加工性が良いことから各種用途に広
く用いられている。また、このゴム変性スチレン系樹脂
組成物の耐熱性を向上させるためスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を混合することが行われている。
しかし、従来知られているサラミ構造を有するゴム変性
スチレン系樹脂組成物にスチレン−無水マレイン酸共重
合体を混合した組成物は耐熱性が向上するものの、耐衝
撃性が大きく低下するという欠点があった(特開昭55−
161836号公報)。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような従来の耐熱性スチレン系樹脂組成
物が有する欠点を克服し、高い衝撃強度を有し、かつ優
れた光沢及び耐熱性を有するなど、物性バランスに優れ
たスチレン系樹脂組成物を提供することを目的としてな
されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、耐衝撃性、光沢、耐熱性などの物性バラン
スに優れたスチレン系樹脂組成物を開発するために、鋭
意研究を重ねた結果、ゴム変性スチレン系樹脂組成物と
して分散ゴム形態がオクルージョン構造を有するゴム変
性スチレン系樹脂組成物を使用することが前記目的に適
合しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)スチレン単独重合体又はスチ
レンと芳香族モノビニル化合物との共重合体からなるス
チレン系重合体と、ゴム状重合体とからなるゴム変性ス
チレン系樹脂組成物95〜55重量%と(b)スチレン系単
量体と不飽和ジカルボン酸無水物とからなる共重合体若
しくは該共重合体をゴム変性した共重合体又はこれらの
混合物5〜45重量%と(c)スチレン系成分を含むゴム
状重合体0〜30重量%からなる組成物であって、かつ、
前記(a)成分におけるゴム状重合体は、スチレン−ブ
タジエン系ブロック共重合体ゴムとポリブタジエンゴム
とを前者/後者=10/0〜6/4(重量比)の割合で配合し
たものであり、その面積平均粒子径(直径)が0.4〜0.6
μmであって、分散ゴム形態が、一つのゴム粒子中に、
コアがスチレン系重合体で、シェルがゴム状重合体から
なる内包オクルージョンが5個以下含まれており、かつ
そのうちの少なくとも50%以上が内包オクルージョンが
1個であるオクルージョン構造を、70%以上有するもの
であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物を提供す
るものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のスチレン系樹脂組成物における(a)成分のゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物は、分散ゴム形態がオクル
ージョン構造を有することが必要である。
分散ゴム形態がオクルージョン構造を有しないと耐衝撃
性及び光沢性に劣ったものとなってしまう。
ここでオクルージョン構造とは、一つのゴム粒子中に、
コアがスチレン系重合体で、シェルがゴム状重合体から
なる内包オクルージョンが5個以下含まれており、かつ
そのうちの少なくとも50%以上が内包オクルージョンが
1個である構造のことをいう。
本発明においては、上記の如きオクルージョン構造を70
%以上有することが好ましく、サラミ構造などの粒子が
30%以上混在すると、良好な光沢が得られないおそれが
ある。
(a)成分のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、スチレ
ン系重合体とゴム状重合体からなる。
該スチレン系重合体は、スチレン単独重合体であっても
よいし、又はスチレンと、これと共重合可能な単量体で
ある芳香族モノビニル化合物との共重合体であってもよ
い。このようなスチレンと共重合可能な単量体である、
芳香族モノビニル化合物としては、例えばα−メチルス
チレン、ビニルトルエン、ビニルエチルベンゼン、ビニ
ルキシレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチル−p
−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げること
ができる。これらの単量体は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよいが、スチレンを含む全
単量体に対して、通常50重量%以下、好ましくは40重量
%以下の割合で用いられる。
一方、該ゴム状重合体としては、スチレン−ブタジエン
系ブロック共重合体ゴムとポリブタジエンゴムとを、前
者/後者=10/0〜6/4(重量比)の割合で、好ましくは1
0/0〜6.5/3.5(重量比)の割合で配合したものが用いら
れる。
このスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴムとし
ては、分子量が50,000〜500,000の範囲にあり、かつス
チレン類で形成される重合体ブロックの含有量が10〜60
重量%の範囲にあるものが特に好ましい。該分子量が5
0,000未満のものでは耐衝撃性が十分ではないし、500,0
00を超えると成形時の流動性が低下するようになり、好
ましくない。またスチレン類で形成される重合体ブロッ
クの含有量が10重量%未満のものでは光沢に劣るし、60
重量%を超えると耐衝撃性が低下する傾向がみられる。
また、このスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴ
ムに、分子量が50,000〜1,000,000程度のポリブタジエ
ンゴムを適宜配合して用いてもよい。
このゴム状重合体の分子量は、GPCによるポリスチレン
換算値での重量平均分子量である。
ゴム状重合体は、オクルージョン構造を有し、かつ面積
平均粒子径(直径)が0.4〜0.6μm、好ましくは0.4〜
0.5μmで、数平均粒子径(直径)に対する面積平均粒
子径の比が、1.0〜2.5、好ましくは1.0〜1.8の粒子とし
て、前記(a)成分のスチレン系重合体中に分散してい
ることが好ましい。
前記面積平均粒子径が0.4μm未満では耐衝撃性が十分
でないし、0.6μmを超えると光沢が低下する傾向が生
じる。また、数平均粒子径に対する面積平均粒子径が2.
5を超えると光沢が低下する傾向が生じる。
また、該スチレン系重合体と該ゴム状重合体は、それぞ
れ70〜92重量%及び30〜8重量%、好ましくは72〜90重
量%及び28〜10重量%の割合で含有することが好適であ
る。ゴム状重合体の含有量が8重量%未満では耐衝撃性
の改良効果が十分に発揮されない傾向が生じ、30重量%
を超えると光沢や流動性が低下する傾向が生じる。
(a)成分のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、スチレ
ン系重合体とゴム状重合体とをブレンドすることにより
製造することができるが、ゴム状重合体の存在下に、ス
チレン又はスチレンと共重合可能な単量体である、芳香
族モノビニル化合物とを重合させることによって調製す
ることが好ましい。
次に、塊状−懸濁二段重合法による本発明の樹脂組成物
の好適な製造方法の1例について説明すると、まずスチ
レン又はスチレンと共重合可能な単量体である、芳香族
モノビニル化合物との混合物に、ゴム状重合体を添加
し、必要に応じ加熱して溶解させる。この溶解はできる
だけ均一に行うことが好ましい。
次に、この溶液に、アルキルメルカプタンなどの分子量
調節剤(連鎖移動剤)及び必要に応じて用いられる有機
過酸化物などの重合開始剤を加え、70〜150℃程度の温
度に加熱しながら、攪拌下に重合度が10〜80%になるま
で塊状重合法による予備重合を行う。この予備重合工程
において該ゴム状重合体は攪拌により粒子状に分散され
る。
次いで、前記予備重合液を第三リン酸カルシウムやポリ
ビニルアルコールなどを懸濁剤として、水相に懸濁し、
通常、重合度が100%近くなるまで懸濁重合(主重合)
を行う。なお、必要に応じ、この主重合工程の後、さら
に加熱を続けてもよい。
前記分子量調節剤としては、例えばα−メチルスチレン
ダイマー、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、1−フェニルブテン−2−フルオレン、ジ
ペンテン、クロロホルムなどのメルカプタン類、テルペ
ン類、ハロゲン化合物などを挙げることができる。
また、所望に応じて用いられる重合開始剤としては、例
えば1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサンなどのペルオキシケタール類、ジク
ミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ンなどのジアルキルペルオキシド類、ベンゾイルペルオ
キシド、m−トルオイルペルオキシドなどのジアリル−
ペルオキシド類、ジミリスチルペルオキシジカーボネー
トなどのペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペル
オキシイソプロピルカーボネートなどのペルオキシエス
テル類、シクロヘキサノンペルオキシドなどのケトンペ
ルオキシド類、p−メンタンハイドロペルオキシドなど
のハイドロペルオキシド類などの有機過酸化物などを挙
げることができる。
なお、ゴム状重合体の粒径、粒径分布、粒子構造の制御
は、攪拌回転数や分子量調節剤の使用量などによって可
能であり、また、ゲル量及び膨張指数は触媒の種類や
量、反応温度、反応時間などによって制御することがで
きる。
次に、このようにして得られたスラリーを通常の手段に
より処理して、ビーズ状反応物を取り出し、乾燥したの
ち常法に従いペレット化することにより、分散ゴム形態
がオクルージョン構造を有するゴム変性スチレン系重合
体が得られる。
このようにして得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物
のマトリックス部の分子量は100,000〜300,000、好まし
くは130,000〜280,000の範囲にあるのが有利である。こ
の分子量が100,000未満では耐衝撃性に劣るし、300,000
を超えると成形時における流動性が不十分となる。
本発明においては、(b)成分としてスチレン系単量体
−不飽和ジカルボン酸無水物からなる共重合体若しくは
該共重合体をゴム変性した共重合体又はこれらの混合物
を用いる。
該スチレン系単量体−不飽和ジカルボン酸無水物からな
る共重合体におけるスチレン系単量体としては、スチレ
ンの他、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジクロ
ルスチレン、2,5−ジクロルスチレン、ジメチルスチレ
ンの如きスチレン誘導体を含むものである。さらに、こ
れらのスチレン系単量体の一部をメタクリル酸、メチル
メタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ハロ
ゲン含有ビニルモノマーなどの他の共重合可能なモノマ
ーで置き換えることもできる。
また、不飽和ジカルボン酸無水物としては、無水マレイ
ン酸が特に有用であるが、イタコン酸、シトラコン酸、
メサコン酸、エチルマレイン酸、メチルイタコン酸、ク
ロルアレイン酸などの無水物を使用することもできる。
該スチレン系単量体−不飽和ジカルボン酸無水物からな
る共重合体は、上記のスチレン系単量体と不飽和ジカル
ボン酸無水物とを溶液重合法、塊状重合法、塊状−懸濁
重合法など公知の方法により共重合させたものである。
この共重合体をゴム変性した共重合体としては、スチレ
ン系単量体−不飽和ジカルボン酸無水物からなる共重合
体とゴム成分をブレンドしたもの、ゴム成分の存在下に
スチレン系単量体と不飽和ジカルボン酸無水物を共重合
させたものなどが挙げられる。
このゴム成分としては、ポリブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−メタクリル
酸メチル−ブタジエンゴム、アクリロニトリルゴム、エ
チレン−プロピレンゴム、天然ゴムなど各種のものを挙
げることができる。
上記(b)成分としては、スチレン−無水マレイン酸共
重合体が好適である。スチレン−無水マレイン酸共重合
体としては、無水マレイン酸含量が1〜30重量%のもの
が好ましく、特に無水マレイン酸含量が3〜25重量%の
ものが好ましい。ここでスチレン−無水マレイン酸共重
合体の無水マレイン酸含量が1重量%未満では、耐熱性
に乏しいものとなり、また無水マレイン酸含量が30重量
%を超えると、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
また、分子量は100,000〜300,000のものが好ましい。10
0,000以下では衝撃性が不足し、300,000以上では流動性
が低下する。
本発明のスチレン系樹脂組成物は(a)成分、(b)成
分の他に、(c)成分としてスチレン系成分を含むゴム
状重合体を含有させてもよい。
スチレン系成分を含むゴム状重合体としては、種々のも
のが使用可能であるが、例えばスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共
重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の
ブタジエン部分を一部あるいは完全に水素化したゴム
(SEBS)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合
体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体ゴム(ABSゴム)、アクリロニトリル−アルキルア
クリレート−ブタジエン−スチレン共重合体ゴム(AAB
S)、メタクリル酸メチル−アルキルアクリレート−ス
チレン共重合体ゴム(MAS)、メタクリル酸メチル−ア
ルキルアクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体ゴ
ム(MABS)などが挙げられる。これらのスチレン系化合
物をその一成分として含むゴム状共重合体はスチレン単
位を有するため、(a)成分及び(b)成分に対する分
散性が良好であり、その結果物性の改善効果が著しい。
本発明のスチレン系樹脂組成物における(a)成分、
(b)成分及び(c)成分の含有割合は、(a)成分が
95〜55重量%、好ましくは90〜60重量%であり、(b)
成分が5〜45重量%、好ましくは10〜40重量%であり、
(c)成分が0〜30重量%、好ましくは0〜25重量%で
あることが必要である。
(a)成分が95重量%を超えると耐熱性が不足し、55重
量%未満であると衝撃強度が低下する。(b)成分が5
重量%未満であると耐熱性が不足し、45重量%を超える
と衝撃強度が低下する。また(c)成分は30重量%を超
えると耐熱性が低下するので好ましくない。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、これらの各成分を所
定量配合することによって得られるが、その製造法は常
法に従えばよい。例えば、各成分をヘンシェルミキサ
ー、タンブラーブレンダー、ニーダーなどの混合機で予
備混合した後、押出機で混練したり、あるいは加熱ロー
ル、バンバリーミキサーで溶融混練することによって製
造する。なお、各成分の混合、混練順序は特に制限がな
く、(a)成分、(b)成分、(c)成分を同時に混
合、混練してもよいし、いずれか2成分を混合、混練し
たのち他の成分を混合、混練してもよい。
本発明のスチレン系樹脂組成物には、所望に応じ、通常
用いられている種々の添加剤、例えばステアリン酸、ベ
ヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロ
アミドなどの滑剤や、有機ポリシロキサン、ミネラルオ
イル、あるいは2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレン
グリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオネートなどのヒン
ダードフェノール系やトリ(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、4,4′−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホス
ファイトなどのリン系の酸化防止剤、その他紫外線吸収
剤、帯電防止剤、離型剤、可塑剤、染料、顔料、各種充
填剤などを添加することができる。また、他のポリマ
ー、例えばポリスチレン、ポリフェニレンエーテルなど
を配合することもできる。
このようにして得られた本発明のスチレン系樹脂組成物
は、耐衝撃性、光沢、剛性などの物性バランスに優れて
おり、例えばOA機器、家電製品、自動車部品などの素材
として好適に用いられる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
製造例1 内容量5のイカリ型攪拌翼付きのオートクレーブに、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(バイエル社製
BL6533、分子量230,000、スチレン含量40%)527g、
ポリブタジエン(宇部興産社製 BR15HB、分子量550,00
0)132g、スチレン3000g及び連鎖移動剤としてのn−ド
デシルメルカプタン1gを入れ、400rpmで攪拌しながら、
130℃、4時間塊状重合反応を行った。
次いで、内容量10のイカリ型攪拌翼付きのオートクレ
ーブに、前記反応混合物3000g、水3000g、懸濁安定剤と
してのポリビニルアルコール10g、重合開始剤としての
ベンゾイルペルオキシド6g及びジクミルペルオキシド3g
を入れ、300rpmで攪拌しながら、80℃から30℃/hrの昇
温速度で140℃まで昇温し、その温度でさらに4時間反
応させて、ゴム変性ポリスチレン組成物のビーズを得
た。
このビーズを220℃の単軸押出機にてペレット化した。
得られたペレットを電子顕微鏡で分析をしたところ、面
積平均粒径0.50μm及び数平均粒子径に対する面積平均
粒子径の比が2.2のオクルージョン構造を85%有してい
た。また、成形品の物性は光沢96%、アイゾット衝撃強
度14.8kg cm/cmであった。この共重合体はゴム状重合体
の含有量が18重量%であり、分子量が210,000であっ
た。
製造例2 製造例1において、塊状重合における攪拌翼の回転数を
500rpmとしたこと以外は製造例1と同様に行った。
得られたゴム変性ポリスチレン組成物は、面積平均粒径
0.41μm及び数平均粒子径に対する面積平均粒子径の比
が2.1のオクルージョン構造を90%有しており、光沢が9
9%、アイゾット衝撃強度が10.6kg cm/cmであった。こ
の共重合体はゴム状重合体の含有量が18重量%であり、
分子量が215,000であった。
実施例1 製造例1で得られたゴム変性ポリスチレン組成物、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体(出光石油化学社製 出
光モアマックスUG830)をそれぞれ80重量%、20重量%
の配合割合でブレンドし、単軸押出機によりシリンダー
温度210℃で溶融混練し、射出成形して試験片を作成し
た。この試験片の物性を第1表に示した。
実施例2 製造例2で得られたゴム変性ポリスチレン組成物、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体(出光石油化学社製 出
光モアマックスUG830)及びゴム変性スチレン−無水マ
レイン酸共重合体(積水化成工業社製 ダイラーク D3
50)をそれぞれ70重量%、20重量%、10重量%の配合割
合でブレンドし、単軸押出機によりシリンダー温度210
℃で溶融混練し、射出成形して試験片を作成した。この
試験片の物性を第1表に示した。
実施例3 実施例2において、ゴム変性ポリスチレン組成物を60重
量%とし、スチレン−無水マレイン酸共重合体を30重量
%とし、ゴム変性スチレン−無水マレイン酸共重合体の
代わりにスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム
(シェル化学社製 TR1102)を10重量%としたこと以外
は実施例2と同様に行った。得られた試験片の物性を第
1表に示した。
実施例4 実施例3の3成分の組成物100重量部にポリジメチルシ
ロキサン(東レ社製 SH200)0.2重量部を配合したこと
以外は実施例3と同様に行った。得られた試験片の物性
を第1表に示した。
比較例1 実施例1において、ゴム変性ポリスチレン組成物を97重
量%とし、スチレン−無水マレイン酸共重合体を3重量
%としたこと以外は実施例1と同様に行った。
比較例2 実施例1において、ゴム変性ポリスチレン組成物を50重
量%とし、スチレン−無水マレイン酸共重合体を50重量
%としたこと以外は実施例1と同様に行った。
比較例3 製造例2で得られたゴム変性ポリスチレン組成物、スチ
レン−マレイン酸共重合体(出光石油化学社製 出光モ
アマックスUG830)及びメタクリル酸メチル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体ゴム(三菱レーヨン社製 C223)
を、それぞれ45重量%、20重量%及び35重量%の配合割
合でブレンドし、単軸押出機によりシリンダー温度210
℃で溶融混練し、射出成形して試験片を作成した。
比較例1〜3の物性を第1表に示した。
なお、上記試験片の物性は下記の方法により測定した。
光沢:JIS K-7105に準拠。
アイゾット衝撃強度:JIS K-7110(23℃ノッチ付)に準
拠。
熱変形温度:JIS K-7207に準拠。
A−1: 製造例1において製造されたゴム変性ポリスチレン樹脂
組成物 A−2: 製造例2において製造されたゴム変性ポリスチレン樹脂
組成物 C−1: 出光石油化学社製 出光モアマックスUG830 スチレン−無水マレイン酸共重合体 (MI=2.0g/10min、230℃、216kg荷重) C−2: 積水化成工業社製 ダイラーク D350ゴム変性スチレン
−無水マレイン酸共重合体(MI=1.2g/10min、230℃、2
16kg荷重) D−1: 三菱レーヨン社製 C223 メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体ゴ
ム D−2: シェル化学社製 TR1102 スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム E:東レ社製 SH200 ポリジメチルシロキサン Eの添加量: ゴム変性ポリスチレン樹脂とSMA樹脂とゴムの合計量100
重量部に対する重量部 [発明の効果] 本発明のスチレン系樹脂組成物は、分散ゴム形態がオク
ルージョン構造を有することから、衝撃強度が高く、か
つ優れた光沢や耐熱性を有するなど物性バランスに優れ
ている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)スチレン単独重合体又はスチレンと
    芳香族モノビニル化合物との共重合体からなるスチレン
    系重合体と、ゴム状重合体とからなるゴム変性スチレン
    系樹脂組成物95〜55重量%と(b)スチレン系単量体と
    不飽和ジカルボン酸無水物とからなる共重合体若しくは
    該共重合体をゴム変性した共重合体又はこれらの混合物
    5〜45重量%と(c)スチレン系成分を含むゴム状重合
    体0〜30重量%からなる組成物であって、かつ、前記
    (a)成分におけるゴム状重合体は、スチレン−ブタジ
    エン系ブロック共重合体ゴムとポリブタジエンゴムとを
    前者/後者=10/0〜6/4(重量比)の割合で配合したも
    のであり、その面積平均粒子径(直径)が0.4〜0.6μm
    であって、分散ゴム形態が、一つのゴム粒子中に、コア
    がスチレン系重合体で、シェルがゴム状重合体からなる
    内包オクルージョンが5個以下含まれており、かつその
    うちの少なくとも50%以上が内包オクルージョンが1個
    であるオクルージョン構造を、70%以上有するものであ
    ることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
JP1294049A 1989-11-14 1989-11-14 スチレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0689203B2 (ja)

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