JPH0683861B2 - カップ状物における内周段差部の成形方法 - Google Patents
カップ状物における内周段差部の成形方法Info
- Publication number
- JPH0683861B2 JPH0683861B2 JP62129370A JP12937087A JPH0683861B2 JP H0683861 B2 JPH0683861 B2 JP H0683861B2 JP 62129370 A JP62129370 A JP 62129370A JP 12937087 A JP12937087 A JP 12937087A JP H0683861 B2 JPH0683861 B2 JP H0683861B2
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- mandrel
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カップ状物の内周面に段差部を成形する方法
に係り、例えばベアリングケース、モータケースのよう
に側壁部の外周面がしごき加工されて内周面に段差部が
成形される任意なカップ状製品に利用できるものであ
る。
に係り、例えばベアリングケース、モータケースのよう
に側壁部の外周面がしごき加工されて内周面に段差部が
成形される任意なカップ状製品に利用できるものであ
る。
側壁部の外周面がしごき加工されて内周面に段差部が成
形されたカップ状物(第1図(C)参照)は、従来、第
4図のように製造されていた。すなわち、第4図(A)
のブランク31をしぼり加工して第4図(B)ように開口
端部32Aが外側に湾曲したワーク32を作り、次いでこの
ワーク32の内径部にパンチを挿入することにより第4図
(C)のように内周面に段差部33Aが成形されたワーク3
3を作る。これ以後、ワーク33の側壁部外周面をしごき
加工し、さらにシミートリミング加工により開口部端を
切断除去する。
形されたカップ状物(第1図(C)参照)は、従来、第
4図のように製造されていた。すなわち、第4図(A)
のブランク31をしぼり加工して第4図(B)ように開口
端部32Aが外側に湾曲したワーク32を作り、次いでこの
ワーク32の内径部にパンチを挿入することにより第4図
(C)のように内周面に段差部33Aが成形されたワーク3
3を作る。これ以後、ワーク33の側壁部外周面をしごき
加工し、さらにシミートリミング加工により開口部端を
切断除去する。
以上の従来技術によると、段差部33Aの成形工程の次に
側壁外周部のしごき加工を行わなければならず、またシ
ミートリミング加工を行わなければならないため、作業
工程数が多くなり、これに伴い数多くの金型が必要とな
るため、製造コストが高くなってしまう。また、ワーク
32をしぼり加工で作る際、段差部33Aの成形用パンチを
挿入できるようにするため開口端部32Aを外側に湾曲さ
せなければならないという問題もあった。
側壁外周部のしごき加工を行わなければならず、またシ
ミートリミング加工を行わなければならないため、作業
工程数が多くなり、これに伴い数多くの金型が必要とな
るため、製造コストが高くなってしまう。また、ワーク
32をしぼり加工で作る際、段差部33Aの成形用パンチを
挿入できるようにするため開口端部32Aを外側に湾曲さ
せなければならないという問題もあった。
本発明の目的は、以上の従来技術における問題点を解決
し、作業工程数の削減、金型個数の減少により製造コス
トの低減を図ることができ、またワークの開口端部を外
側に湾曲させることが不要となるカップ状物の内周段差
部の成形方法を提供するところにある。
し、作業工程数の削減、金型個数の減少により製造コス
トの低減を図ることができ、またワークの開口端部を外
側に湾曲させることが不要となるカップ状物の内周段差
部の成形方法を提供するところにある。
このため本発明に係る方法は、内周面に内径方向に突出
する断面台形状のしごき加工用凸部を有するダイの内部
に外方へ拡開する段差部成形用段部が外周面に設けられ
たマンドレルを上下動自在に挿通させ、このマンドレル
の頂部に開口端部を下向きにしてカップ状ワークを前記
段部の上部位置まで嵌合セットし、このカップ状ワーク
およびマンドレルをパンチで押し下げることによりカッ
プ状ワークの側壁部外周面を前記凸部の上面でしごき加
工し、このしごき加工により側壁部の肉を下方へ流動さ
せるとともに、前記凸部の先端を通過した肉を外方へ拡
張させ、この後、下死点に達したパンチを上昇させ、こ
れに伴いマンドレルおよびカップ状ワークも上昇させ、
これにより外方へ拡張した前記肉を前記凸部の下面でし
ごき加工し、下向きに流動した肉を前記段差部成形用段
部の下部まで移動させることによりカップ状ワークの内
周面に段差部を成形するようにしたものである。
する断面台形状のしごき加工用凸部を有するダイの内部
に外方へ拡開する段差部成形用段部が外周面に設けられ
たマンドレルを上下動自在に挿通させ、このマンドレル
の頂部に開口端部を下向きにしてカップ状ワークを前記
段部の上部位置まで嵌合セットし、このカップ状ワーク
およびマンドレルをパンチで押し下げることによりカッ
プ状ワークの側壁部外周面を前記凸部の上面でしごき加
工し、このしごき加工により側壁部の肉を下方へ流動さ
せるとともに、前記凸部の先端を通過した肉を外方へ拡
張させ、この後、下死点に達したパンチを上昇させ、こ
れに伴いマンドレルおよびカップ状ワークも上昇させ、
これにより外方へ拡張した前記肉を前記凸部の下面でし
ごき加工し、下向きに流動した肉を前記段差部成形用段
部の下部まで移動させることによりカップ状ワークの内
周面に段差部を成形するようにしたものである。
以上のように本発明の方法では、カップ状ワークのしご
き加工はこのワークを押し下げたときとワークを上昇さ
せたときにそれぞれ行われ、それぞれのしごき加工によ
って下向きに流動した肉がマンドレルの段差部成形用段
部の下部まで達することにより、加工終了後のワークの
内周面には段差部が成形されていることとなる。
き加工はこのワークを押し下げたときとワークを上昇さ
せたときにそれぞれ行われ、それぞれのしごき加工によ
って下向きに流動した肉がマンドレルの段差部成形用段
部の下部まで達することにより、加工終了後のワークの
内周面には段差部が成形されていることとなる。
また、ワークを押し下げたときのしごき加工によるしご
き率、およびワークを上昇させたときのしごき加工によ
るしごき率は実施可能な範囲内にあり、一方、最終的に
仕上がったワークの側壁部断面積から計算される見掛け
上のしごき率は通常実施不可能な例えば50%となり、従
って以上のようにワークの上下両移動時にしごき加工を
行うことにより、一般的には考えられない高しごき率の
しごき加工を行うことができるようになる。
き率、およびワークを上昇させたときのしごき加工によ
るしごき率は実施可能な範囲内にあり、一方、最終的に
仕上がったワークの側壁部断面積から計算される見掛け
上のしごき率は通常実施不可能な例えば50%となり、従
って以上のようにワークの上下両移動時にしごき加工を
行うことにより、一般的には考えられない高しごき率の
しごき加工を行うことができるようになる。
第1図は本発明の実施例に係るカップ状物の製造工程を
その順番に従って示したブランク等の断面図である。す
なわち、第1図(A)のブランク1を絞り加工して第1
図(B)のカップ状ワーク2を作り、このカップ状ワー
ク2を第2図で示す金型装置により第3図の通り加工す
ることによって第1図(C)のカップ状物3が製造され
る。
その順番に従って示したブランク等の断面図である。す
なわち、第1図(A)のブランク1を絞り加工して第1
図(B)のカップ状ワーク2を作り、このカップ状ワー
ク2を第2図で示す金型装置により第3図の通り加工す
ることによって第1図(C)のカップ状物3が製造され
る。
カップ状ワーク2の側壁部2Aは開口端部2Cまで閉口端部
2Bに対し直角であり、従って開口端部2Cは外側に湾曲せ
ず、開口端部2Cの端面2Dは閉口端部2Bと平行な平坦部で
ある。
2Bに対し直角であり、従って開口端部2Cは外側に湾曲せ
ず、開口端部2Cの端面2Dは閉口端部2Bと平行な平坦部で
ある。
第2図の金型装置はしごき加工用ダイ4の内部にマンド
レル5が上下動自在に挿通されたものであり、ダイ4の
内周面4Aには内径方向へ突出するしごき加工用凸部6が
環状に形成されている。この凸部6は内径方向へ断面台
形状に突出するものであるため、第3図(A)の通り凸
部6の上面6Aはダイ4内側に向かって下り傾斜している
とともに、凸部6の下面6Bはダイ4内側に向かって上が
り傾斜している。第2図の通りマンドレル5の外周面上
部には段差部成形用段部7が設けられ、この段部7は下
側に向かって外方へ拡開する傾斜面として形成され、段
部7によりマンドレル5の上部は小径部5Aとなってお
り、この小径部5Aの下部は大径部5Bとなっている。マン
ドレル5における段部7を設ける高さ位置は、マンドレ
ル5の頂部にカップ状ワーク2を開口端部2Cを下向きに
して嵌合セットしたとき開口端部2Cが段部7の上部位置
まで達するものとする。
レル5が上下動自在に挿通されたものであり、ダイ4の
内周面4Aには内径方向へ突出するしごき加工用凸部6が
環状に形成されている。この凸部6は内径方向へ断面台
形状に突出するものであるため、第3図(A)の通り凸
部6の上面6Aはダイ4内側に向かって下り傾斜している
とともに、凸部6の下面6Bはダイ4内側に向かって上が
り傾斜している。第2図の通りマンドレル5の外周面上
部には段差部成形用段部7が設けられ、この段部7は下
側に向かって外方へ拡開する傾斜面として形成され、段
部7によりマンドレル5の上部は小径部5Aとなってお
り、この小径部5Aの下部は大径部5Bとなっている。マン
ドレル5における段部7を設ける高さ位置は、マンドレ
ル5の頂部にカップ状ワーク2を開口端部2Cを下向きに
して嵌合セットしたとき開口端部2Cが段部7の上部位置
まで達するものとする。
マンドレル5はばね8で常時上方へ弾発付勢され、かつ
ダイセット9に挿通されたガイドロッド10の案内作用に
より垂直方向に移動自在である。マンドレル5の外周に
はノックアウト用筒部材11が嵌合され、この筒部材11の
下端にノックアウトピン12が連結され、カップ状ワーク
2の加工終了後にシリンダ等でノックアウトピン12が上
昇することにより、筒部材11によってカップ状ワーク2
のマンドレル5からの突き出しが行われる。マンドレル
5の上方にはプレス機械のスライド13にパンチ保持部材
14を介して取り付けられたパンチ15が配置され、スライ
ド13によりパンチ15は上下動する。
ダイセット9に挿通されたガイドロッド10の案内作用に
より垂直方向に移動自在である。マンドレル5の外周に
はノックアウト用筒部材11が嵌合され、この筒部材11の
下端にノックアウトピン12が連結され、カップ状ワーク
2の加工終了後にシリンダ等でノックアウトピン12が上
昇することにより、筒部材11によってカップ状ワーク2
のマンドレル5からの突き出しが行われる。マンドレル
5の上方にはプレス機械のスライド13にパンチ保持部材
14を介して取り付けられたパンチ15が配置され、スライ
ド13によりパンチ15は上下動する。
以上において、第3図(A)に示す通りマンドレル5の
小径部5Aの外径はD1、大径部5Bの外径はD2である。また
ダイ4の前記凸部6の内径はD3である。ダイ4の内周面
4Aの内径は凸部66の上下で異なり、凸部6の上側では
D4、下側ではD5である。カップ状ワークの側壁部2Aの厚
さはt1であり、内径がD4となっている。ダイ内周面4A側
からの凸部6の高さはt2、マンドレル5の大径部5Bと凸
部6との間の隙間はt3である。
小径部5Aの外径はD1、大径部5Bの外径はD2である。また
ダイ4の前記凸部6の内径はD3である。ダイ4の内周面
4Aの内径は凸部66の上下で異なり、凸部6の上側では
D4、下側ではD5である。カップ状ワークの側壁部2Aの厚
さはt1であり、内径がD4となっている。ダイ内周面4A側
からの凸部6の高さはt2、マンドレル5の大径部5Bと凸
部6との間の隙間はt3である。
次に作用について述べる。
第2図の通りカップ状ワーク2を開口端部2Cを下向きに
してマンドレル5の頂部に嵌合セットする。このセット
が行われたとき、前述の通り開口端部2Cはマンドレル5
の段部7の上部位置にある。
してマンドレル5の頂部に嵌合セットする。このセット
が行われたとき、前述の通り開口端部2Cはマンドレル5
の段部7の上部位置にある。
パンチ15を下降させるとカップ状ワーク2およびマンド
レル5はパンチ15により前記ばね8に抗して押し下げら
れ、第3図(A)の状態を経た後、第3図(B)のよう
にカップ状ワーク2の側壁部2Aの外周面は凸部6の上面
6Aによりしごき加工され、しごかれた部分16の肉は段部
7と凸部6との間の部分17に流動し、カップ状ワーク2
およびマンドレル5が引き続き押し下げられることによ
り、側壁部2Aのしごかれた肉は下方へ流動して段部7の
面に沿って移動する。
レル5はパンチ15により前記ばね8に抗して押し下げら
れ、第3図(A)の状態を経た後、第3図(B)のよう
にカップ状ワーク2の側壁部2Aの外周面は凸部6の上面
6Aによりしごき加工され、しごかれた部分16の肉は段部
7と凸部6との間の部分17に流動し、カップ状ワーク2
およびマンドレル5が引き続き押し下げられることによ
り、側壁部2Aのしごかれた肉は下方へ流動して段部7の
面に沿って移動する。
パンチ15によるカップ状ワーク2およびマンドレル5の
押し下げがさらに進むと、第3図(C)の通り側壁部2A
のしごかれた肉は凸部6の先端のストレートランド部6C
を通過した後、しごき反力に基づく肉自体の膨張性およ
び段部7の傾斜案内作用により外方へ拡張することにな
り、換言すると肉は外方へ逃げることになり、肉は凸部
6よりも下側のダイ内周面に接する。この状態は第3図
(D)の通りパンチ15が下死点に達するまで継続され、
凸部6よりも下側のダイ内周面に接する肉の量が次第に
多くなる。
押し下げがさらに進むと、第3図(C)の通り側壁部2A
のしごかれた肉は凸部6の先端のストレートランド部6C
を通過した後、しごき反力に基づく肉自体の膨張性およ
び段部7の傾斜案内作用により外方へ拡張することにな
り、換言すると肉は外方へ逃げることになり、肉は凸部
6よりも下側のダイ内周面に接する。この状態は第3図
(D)の通りパンチ15が下死点に達するまで継続され、
凸部6よりも下側のダイ内周面に接する肉の量が次第に
多くなる。
下死点に達したパンチ15を上昇させると、カップ状ワー
ク2およびマンドレル5も前記ばね8の弾発力で上昇す
ることになり、この上昇時、第3図(D)で示す外方へ
拡張した部分18の肉は凸部6の下面6Bによりしごかれ
る。しごかれた肉は二点鎖線19の通り下方へ流動して段
部7の下部まで達し、段部7を覆うようになる。
ク2およびマンドレル5も前記ばね8の弾発力で上昇す
ることになり、この上昇時、第3図(D)で示す外方へ
拡張した部分18の肉は凸部6の下面6Bによりしごかれ
る。しごかれた肉は二点鎖線19の通り下方へ流動して段
部7の下部まで達し、段部7を覆うようになる。
カップ状ワークおよびマンドレル5が最上位置に達した
後、前記ノックアウトピン12、筒部材11によるマンドレ
ル5からのカップ状ワーク2の突き出しが行われ、これ
により第1図(C)で示すカップ状物3が得られ、この
カップ状物3の内周面には段部7による段差部3Bが成形
されているとともに、側壁部3Aはしごき加工により所定
寸法に仕上げられている。
後、前記ノックアウトピン12、筒部材11によるマンドレ
ル5からのカップ状ワーク2の突き出しが行われ、これ
により第1図(C)で示すカップ状物3が得られ、この
カップ状物3の内周面には段部7による段差部3Bが成形
されているとともに、側壁部3Aはしごき加工により所定
寸法に仕上げられている。
以上のように本実施例ではカップ状ワーク2の押し下げ
時と上昇時の両方においてしごき加工が行われ、これら
のしごき加工によって下方へ流動した肉が段部7の下部
まで達することにより段差部3Bが成形されることとな
る。
時と上昇時の両方においてしごき加工が行われ、これら
のしごき加工によって下方へ流動した肉が段部7の下部
まで達することにより段差部3Bが成形されることとな
る。
また以上のように本実施例の方法によれば、側壁部3Aの
しごき加工と段差部3Bの成形加工とを同一工程内で実施
できるようになり、従って作業工程は削減され、これに
伴い金型個数も減らすことができる。
しごき加工と段差部3Bの成形加工とを同一工程内で実施
できるようになり、従って作業工程は削減され、これに
伴い金型個数も減らすことができる。
次に以上の加工時におけるしごき率(断面積の減少率)
について実験時の具体的数値に基づき説明する。
について実験時の具体的数値に基づき説明する。
実験時にはD1=54.6mm、D2=56.26mm、D3=59.0mm、D4
=60.1mm、D5=60.3mmであり、t1=2.75mm、t2=0.55m
m、t3=1.37mmであった。
=60.1mm、D5=60.3mmであり、t1=2.75mm、t2=0.55m
m、t3=1.37mmであった。
カップ状ワーク2の押し下げ時において、側壁部2Aが凸
部6の上面6Aでしごき加工されたとき第3図(C)のA
−A断面におけるしごき率は前記数値から20.8%とな
る。カップ状ワーク2が引き続き押し下げられることに
より、凸部6の先端のストレートランド部6Cを通過した
肉は下方に流動するに従い傾斜面である段部7に沿って
移動するため、段部7によるしごき加工を受けたと同じ
作用を受ける。これによるしごき率を計算してみると、
凸部6の上面6Aによるしごき加工を受ける前(A′−
A′断面)を基準にした場合には、第3図(D)のB−
B断面におけるしごき率は25.4%であり、また凸部6の
上面6Aによるしごき加工を受けた後(前記A−A断面)
を基準にした場合には、B−B断面におけるしごき率は
6%になる。カップ状素材2の上昇時において、前記部
分18の肉が凸部6の下面6Bでしごき加工されたとき、C
−C断面におけるしごき率は33%になる。
部6の上面6Aでしごき加工されたとき第3図(C)のA
−A断面におけるしごき率は前記数値から20.8%とな
る。カップ状ワーク2が引き続き押し下げられることに
より、凸部6の先端のストレートランド部6Cを通過した
肉は下方に流動するに従い傾斜面である段部7に沿って
移動するため、段部7によるしごき加工を受けたと同じ
作用を受ける。これによるしごき率を計算してみると、
凸部6の上面6Aによるしごき加工を受ける前(A′−
A′断面)を基準にした場合には、第3図(D)のB−
B断面におけるしごき率は25.4%であり、また凸部6の
上面6Aによるしごき加工を受けた後(前記A−A断面)
を基準にした場合には、B−B断面におけるしごき率は
6%になる。カップ状素材2の上昇時において、前記部
分18の肉が凸部6の下面6Bでしごき加工されたとき、C
−C断面におけるしごき率は33%になる。
以上のそれぞれのしごき率は、カップ状ワーク2の材料
が鋼である場合にしごき加工を実施できる範囲内にあ
る。
が鋼である場合にしごき加工を実施できる範囲内にあ
る。
一方、最終的に仕上げられた前記カップ状物3の段差部
3Bの下部におけるる断面積の減少割合をt1とt3から計算
に求め、これにより見掛け上のしごき率を調べてみる
と、このしごき率は50%となる。このようなしごき加工
は通常実施不可能なものである。本発明の実施例に係る
方法においては前述の通りカップ状ワーク2の押し下げ
時と上昇時の両方においてしごき加工を行うため、この
ように見掛け上高しごき率となったしごき加工を行うこ
とができるようになる。
3Bの下部におけるる断面積の減少割合をt1とt3から計算
に求め、これにより見掛け上のしごき率を調べてみる
と、このしごき率は50%となる。このようなしごき加工
は通常実施不可能なものである。本発明の実施例に係る
方法においては前述の通りカップ状ワーク2の押し下げ
時と上昇時の両方においてしごき加工を行うため、この
ように見掛け上高しごき率となったしごき加工を行うこ
とができるようになる。
本発明に係る方法はカップ状ワークの側壁部をしごき加
工して内周面に段差部を成形するというカップ状物の形
状に関するものであるため、この方法は任意なカップ状
製品に適用できるものである。またカップ状ワークの素
材は鋼に限らず、例えば銅、アルミニウム、合金であっ
てもよい。
工して内周面に段差部を成形するというカップ状物の形
状に関するものであるため、この方法は任意なカップ状
製品に適用できるものである。またカップ状ワークの素
材は鋼に限らず、例えば銅、アルミニウム、合金であっ
てもよい。
また前記実施例ではカップ状ワークおよびマンドレルの
上昇をばねの弾発付勢力によって行っていたが、例えば
シリンダの押し上げ力により上昇させるようにし、上昇
時のしごき加工を確実に実施できるようにしてもよい。
またマンドレルの外周面に設けられる段差部成形用段部
の下部を段差部成形のために必要な長さの大径部とする
限り、それより下部のマンドレル形状は任意であり、本
実施例のように段部からら同一径がマンドレル下端部ま
で連続するものである必要はない。
上昇をばねの弾発付勢力によって行っていたが、例えば
シリンダの押し上げ力により上昇させるようにし、上昇
時のしごき加工を確実に実施できるようにしてもよい。
またマンドレルの外周面に設けられる段差部成形用段部
の下部を段差部成形のために必要な長さの大径部とする
限り、それより下部のマンドレル形状は任意であり、本
実施例のように段部からら同一径がマンドレル下端部ま
で連続するものである必要はない。
本発明によれば、従来技術よりも作業工程数および金型
個数を減らすことができ、従って製造コストの低減化を
達成でき、またカップ状ワークを開口端部を外側に湾曲
させて製造する必要がなくなるため、カップ状ワークの
製造自在も容易となる。
個数を減らすことができ、従って製造コストの低減化を
達成でき、またカップ状ワークを開口端部を外側に湾曲
させて製造する必要がなくなるため、カップ状ワークの
製造自在も容易となる。
第1図(A),(B),(C)は実施例に係るカップ状
物の製造工程をその順番に従って示すブランク等の断面
図、第2図はカップ状ワークのしごき加工および段差部
成形加工を行うために使用する金型装置の断面図、第3
図(A),(B),(C),(D)は第2図の金型装置
による加工状態の要部をその加工順序に従って示した拡
大断面図、第4図(A),(B),(C)は従来方法に
係るカップ状物の製造工程を示すブランク等の断面図で
ある。 1……ブランク、2……カップ状ワーク、2A,3A……側
壁部、2C……開口端部、3……カップ状物、3B……段差
部、4……ダイ、5……マンドレル、6……凸部、6A…
…上面、6B……下面、7……段部、15……パンチ。
物の製造工程をその順番に従って示すブランク等の断面
図、第2図はカップ状ワークのしごき加工および段差部
成形加工を行うために使用する金型装置の断面図、第3
図(A),(B),(C),(D)は第2図の金型装置
による加工状態の要部をその加工順序に従って示した拡
大断面図、第4図(A),(B),(C)は従来方法に
係るカップ状物の製造工程を示すブランク等の断面図で
ある。 1……ブランク、2……カップ状ワーク、2A,3A……側
壁部、2C……開口端部、3……カップ状物、3B……段差
部、4……ダイ、5……マンドレル、6……凸部、6A…
…上面、6B……下面、7……段部、15……パンチ。
Claims (1)
- 【請求項1】内周面に内径方向に突出する断面台形状の
しごき加工用凸部を有するダイの内部に外方へ拡開する
段差部成形用段部が外周面に設けられたマンドレルを上
下動自在に挿通させ、このマンドレルの頂部にカップ状
ワークを開口端部を下向きにして前記段部の上部位置ま
で嵌合し、このカップ状ワークおよびマンドレルをパン
チにより押し下げてカップ状ワークの側壁部外周面を前
記凸部の上面でしごき加工し、このしごき加工により前
記側壁部の肉を下向きに流動させるとともに、前記凸部
の先端を通過した肉を外方へ拡張させ、次いで前記マン
ドレルおよびカップ状ワークを上昇させることにより外
方へ拡張した前記肉を前記凸部の下面でしごき加工し、
下向きに流動した肉を前記段差部成形用段部の下部まで
移動させることによりカップ状ワークの内周面に段差部
を成形することを特徴とするカップ状物における内周段
差部の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62129370A JPH0683861B2 (ja) | 1987-05-25 | 1987-05-25 | カップ状物における内周段差部の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62129370A JPH0683861B2 (ja) | 1987-05-25 | 1987-05-25 | カップ状物における内周段差部の成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63295028A JPS63295028A (ja) | 1988-12-01 |
JPH0683861B2 true JPH0683861B2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=15007901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JPH0683861B2 (ja) |
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-
1987
- 1987-05-25 JP JP62129370A patent/JPH0683861B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2024203073A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | 株式会社デンソー | プレス加工による筐体の製造方法、製造装置、及び、筐体 |
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JPS63295028A (ja) | 1988-12-01 |
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