JPH0677932A - スペクトル拡散受信機 - Google Patents

スペクトル拡散受信機

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JPH0677932A
JPH0677932A JP15321593A JP15321593A JPH0677932A JP H0677932 A JPH0677932 A JP H0677932A JP 15321593 A JP15321593 A JP 15321593A JP 15321593 A JP15321593 A JP 15321593A JP H0677932 A JPH0677932 A JP H0677932A
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signals
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Toshiharu Kojima
年春 小島
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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、PN信号の同期の初期捕捉お
よび追跡、AFC動作、データの復調処理を行う。 【構成】 PN信号1周期分の複素ベースバンド信号が
3つに分割されて相関器34、36、38に入力され、
3つに分割されたPN信号との相関演算が行われる。こ
の3つの相関器からの出力の絶対値の二乗の総和が計算
され、絶対値二乗和信号のピークを検出することによっ
て、PN信号の同期の初期捕捉を行う。3つの相関器か
らの出力を加算することによってPN信号1周期に対す
る相関信号が得られ、これよりデータが復調される。3
つの相関器からの出力である各部分相関信号は周波数オ
フセットに対応した位相差を持つためこれらの複素共役
積演算により周波数オフセットに応じた誤差信号を得
る。このように、一組の部分相関器により、データ復
調、初期捕捉、誤差信号の生成を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペクトル拡散受信機
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の分野では直接拡散ス
ペクトル拡散(DS/SS)通信による符号分割多元接
続(CDMA)方式が注目されている。移動体通信にD
S/SS通信を適用する場合、搬送波の再生が困難であ
るため、受信機では準同期検波を行うことが望ましい。
【0003】ここで、準同期検波を行う場合、局部搬送
波に周波数オフセットが存在すると誤り率特性が劣化す
る。従って、局部搬送波周波数制御または周波数オフセ
ットによる影響の補償を行うAFC回路が必須である。
【0004】以下、図6を用いて従来技術の説明を行
う。図6は従来のスペクトル拡散受信機の構成を示すブ
ロック図であり、図において、100は準同期検波回路
・AFC回路、110は相関器、120は絶対値二乗回
路、130は初期捕捉・同期追跡回路、140は復調処
理回路である。次に動作について説明する。図6におい
て、受信SS信号は準同期検波・AFC回路100によ
り準同期検波され、複素ベースバンド信号になる。複素
ベースバンド信号は相関器110に入力され、受信SS
信号のスペクトル拡散に用いられたPN信号との相関演
算が行われ、複素相関信号となる。その複素相関信号は
絶対値二乗回路120に入力され、複素相関信号の絶対
値の二乗の値を有する同期確立用信号が出力される。初
期捕捉・同期追跡回路130はこの同期確立用信号を用
いて、受信SS信号に含まれるPN信号の繰り返し周期
に同期したシンボルクロック及びPN信号のチップ間隔
に同期したチップクロックを生成する。
【0005】一方、相関器110から出力される複素相
関信号は復調処理回路140にも入力され、一次変調方
式に応じた復調処理がなされ、復調データが出力され
る。
【0006】次に、準同期検波・AFC回路100の構
成と動作を説明する。図7は従来の準同期検波・AFC
回路100の構成を示すブロック図であり、図におい
て、210,220は乗算器、230は電圧制御発振
器、240は移相器、250,260はローパスフィル
タ、270,280はA/D変換器、290は誤差信号
生成回路、300は乗算器、310は積分器、320は
D/A変換器である。次に動作について説明する。図7
において、受信SS信号は、乗算器210によって電圧
制御発振器(VCO)230から出力される局部搬送波
と乗算され、ローパスフィルタ250によりイメージ周
波数成分が除去され、更にA/D変換器270によりデ
ジタルデータに変換され、複素ベースバンド信号の実数
成分となる。同様に、受信SS信号は、乗算器220に
よって移相器240によりπ/2移相された局部搬送波
とも乗算され、ローパスフィルタ260、A/D変換器
280を介して、複素ベースバンド信号の虚数成分とな
る。
【0007】このようにして得られた複素ベースバンド
信号は、準同期検波・AFC回路100の出力信号とな
ると同時に、誤差信号生成回路290に入力される。
【0008】次に、誤差信号生成回路290の構成と動
作を説明する。図8は従来の誤差信号生成回路290の
構成を示すブロック図であり、図において、400は偏
差信号生成回路、410は共役回路、420,430は
乗算器、440、450は複素相関器、460,470
は絶対値二乗回路、480は減算器、490はラッチで
ある。以下、誤差信号生成回路290が誤差信号を生成
する過程について述べる。ここでは一次変調をBPSK
とし、スペクトル拡散に用いるPN信号の繰り返し周期
をMチップ、チップ周期をTc 、m(m=1,…,M)
番目のPN信号の値をum ∈{−1,1}とする。ま
た、データのシンボル周期をTd =MTc、時刻nTd
(nは整数)における送信データの値をan ∈{−1,
1}とし、送信搬送波の角周波数をωC とする。
【0009】受信機は、時刻nTd +mTc にan m
cos [ωC (nTd +mTc )]なる値の受信SS信号
を受信する。
【0010】いま、準同期検波に用いる局部搬送波の角
周波数がωC +Δω、その初期位相がφであるものと
し、A/D変換のサンプリング周期はチップ周期に等し
く、量子化誤差はないものとすると、時刻nTd +mT
c =(nM+m)Tc における複素ベースバンド信号の
値rnM+mは次式で与えられる。
【0011】 rnM+m=an m exp [-j{Δω(nM+m) Tc +φ}] (1−1) 図8に示した誤差信号生成回路290においては、偏差
信号生成回路400によりexp [jω0 t]なる信号が
出力される。この信号は共役回路410により複素共役
数であるexp [−jω0 t]なる信号に変換される。
【0012】誤差信号生成回路290に入力された複素
ベースバンド信号は、乗算器420により、このexp
[−jω0 t]なる信号が乗算されて正の周波数偏差ω
0 (ω0 >0)が与えられ、「正偏差ベースバンド信
号」として出力される。また、複素ベースバンド信号
は、乗算器430により、偏差信号生成回路400から
出力されるexp [jω0 t]なる信号が乗算されて負の
周波数偏差−ω0 が与えられ、「負偏差ベースバンド信
号」として出力される。
【0013】時刻(nM+m)Tc における正偏差及び
負偏差ベースバンド信号の値をそれぞれrpnM+m 及びr
nnM+m とすると、次式の関係が成立する。
【0014】 rpnM+m =an m exp [-j{(Δω+ω0 )Tc +φ}] rnnM+m =an m exp [-j{(Δω−ω0 )Tc +φ}] (1−2) この正偏差及び負偏差ベースバンド信号をそれぞれ複素
相関器440及び450に入力してPN信号との相関演
算を行い、「正偏差相関信号」及び「負偏差相関信号」
を得る。シンボル周期Td ごとに得られる送信データa
n に対応する正偏差及び負偏差相関信号の値をそれぞれ
pn,cnnとすると、式(1−2)よりcpn,cnnは次
式で与えられる。
【0015】 更に、絶対値二乗回路460及び470により、正偏差
及び負偏差相関信号の絶対値の二乗である「正偏差誤差
信号」及び「負偏差誤差信号」を得る。最後に減算器4
80により正偏差誤差信号から負偏差誤差信号を減じた
信号を、ラッチ490によりシンボル周期Td ごとにラ
ッチすることにより誤差信号を得る。すなわち、送信デ
ータan に対応する誤差信号en は次式で与えられる。
【0016】 en =|cpn2 −|cnn2 ={sin[( Δω+ω0 )M Tc /2]/(sin[( Δω+ω0 )Tc /2])} 2 −{sin[( Δω−ω0 )M Tc /2]/(sin[( Δω−ω0 )Tc /2])} 2 (2−4) 与える周波数偏差ω0 の値を0<ω0 ≦2π/Td なる
範囲に設定することにより、誤差信号en は周波数オフ
セットΔωに応じた数値を示す。図9に、M=127,
ω0 =π/Td とした場合の1シンボル間の位相回転量
ΔωTd と誤差信号en の関係を示す。この場合、|Δ
ωTd |≦πの範囲で誤差信号en は周波数オフセット
Δωにほぼ比例していることが判る。このようにして図
8の誤差信号生成回路290により周波数偏差に応じた
誤差信号を得ることができる。
【0017】以下、再び図7を用いて準同期検波・AF
C回路100の構成と動作を説明する。以上のようにし
て誤差信号生成回路290により得られた誤差信号en
に乗算器300によりゲインαを乗じた後に積分器31
0により積分する。この積分により誤差信号のSN比が
向上する。積分器310の出力信号をD/A変換器32
0によりアナログ信号に変換して得られる電圧信号で局
部搬送波を発振するVCO230を制御することによ
り、周波数オフセットΔωを常に0とするようなAFC
動作が行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のスペクトル拡散
受信機は、以上のように構成されているため、PN信号
の同期の初期捕捉・追跡及びデータ復調に用いられる相
関器とは別に、AFCの誤差信号生成回路にも相関器が
必要であり、このため構成が複雑となりがちで、小形化
や低消費電力化が容易ではないと言う課題があった。
【0019】本発明は、この課題を解決するためになさ
れたものであり、同一の相関器によりPN信号の同期の
初期捕捉・追跡、AFC及びデータ復調の全てを行うこ
とができ、従って構成が単純で、小形化や低消費電力化
の容易なスペクトル拡散受信機を得ることを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスペクトル
拡散受信機は、擬似雑音(PN)信号によりスペクトル
拡散された受信スペクトル拡散(SS)信号に互いに直
交する局部搬送波を混合して複素ベースバンド信号を得
る準同期検波回路と、該準同期検波回路により得られた
複素ベースバンド信号を複数の部分データに分割し、こ
れらの部分データと対応する部分PN信号との相関をそ
れぞれ演算する部分相関演算手段と、該部分相関演算手
段により得られた各部分相関信号の絶対値の二乗の総和
を計算する絶対値二乗総和手段と該絶対値二乗総和手段
により得られた相関絶対値二乗和信号に基づき、上記受
信SS信号に含まれるPN信号の繰返し周期を検出し、
この繰返し周期に同期したタイミング信号を出力する初
期捕捉・同期追跡手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】また、上記部分相関演算手段により得られ
た各部分相関信号の複素共役信号とそれぞれの部分相関
信号より所定周期分ずれた部分相関信号との複素乗算を
行い、得られた各複素共役積信号の総和を計算する複素
共役積総和手段と、該複素共役積総和手段により得られ
た複素共役積総和信号および上記初期捕捉・同期追跡手
段から出力される上記タイミング信号に基づき誤差信号
を生成して出力する誤差信号生成手段と、誤差信号生成
手段から出力される上記誤差信号に基づき、上記受信S
S信号の搬送波周波数に対する上記局部搬送波の周波数
オフセットを補正する補正手段と、をさらに備えたこと
を特徴とする。
【0022】また、上記誤差信号生成手段は、上記複素
共役積総和手段により得られた上記複素共役積総和信号
の虚数部を分離する虚数部分離手段と、該虚数部分離手
段により得られた上記複素共役積総和信号の虚数部を誤
差信号として出力し、その出力タイミングを上記初期捕
捉・同期追跡手段から出力される上記タイミング信号に
基づいて制御する誤差信号出力タイミング制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】また、上記誤差信号生成手段は、上記複素
共役積総和手段により得られた上記複素共役積総和信号
の偏角(位相角)を抽出する偏角抽出手段と、該偏角抽
出手段により得られた上記複素共役積総和信号の偏角を
誤差信号として出力し、その出力タイミングを上記初期
捕捉・同期追跡手段から出力される上記タイミング信号
に基づいて制御する誤差信号出力タイミング制御手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0024】また、上記部分相関演算手段により得られ
た各部分相関信号の総和を計算する部分相関総和手段
と、該部分相関総和手段により得られた部分相関総和信
号を合成相関信号として出力し、その出力タイミングを
上記初期捕捉・同期追跡手段から出力される上記タイミ
ング信号に基づいて制御する合成相関信号出力タイミン
グ手段と、該合成相関信号出力タイミング制御手段から
出力される上記合成相関信号に基づき復調データを生成
して出力する復調データ生成手段と、をさらに備えたこ
とを特徴とする。
【0025】
【作用】このように、本発明においては、受信SS信号
を複数に分割して、分割されたPN信号との相関信号で
あるところの部分相関を計算する。そして、部分相関信
号を加算することにより、単一の相関器を用いたのと同
一の相関信号を得、これよりデータの復調が行われる。
また、各部分相関信号の絶対値二乗和を用いてPN信号
の同期の初期捕捉を行う。部分相関信号の絶対値二乗和
(すなわち、エネルギー和)は周波数オフセット(周波
数ずれ)が大きい場合においてもピーク値の減少が少な
いため、PN信号の繰返し周期に同期して出現するその
ピークを確実に検出することができ、PN信号の同期の
好適な初期捕捉および追跡を行うことができる。また、
各部分相関信号は周波数オフセットがある場合、位相に
差異が生じる。すなわち、2つの部分相関信号間の位相
差は局部搬送波の周波数オフセットに対応しているた
め、部分相関信号間の複素共役積から周波数オフセット
に対応する信号を生成することができ、これによって周
波数オフセットを補正することができる。
【0026】このように、同一の部分相関器を用い、復
調のための信号、広い周波数範囲でPN信号の同期を初
期捕捉および追跡できる信号、AFC動作のための誤差
信号を得ることができ、信号処理回路全体の回路構成が
極めて単純となり、小形化・低消費電力化が達成でき
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。図1は、実施例の全体構成を示すブロッ
ク図であり、図において、10,12は乗算器、14は
VCO、16はπ/2移相器、18,20はローパスフ
ィルタ、20,24はA/D変換器、30,32は遅延
回路、34,36,38は相関器、40,42,44は
絶対値二乗回路、46,52,68は加算器、50は初
期捕捉・同期追跡回路、56は復調処理回路、60,6
4,72は乗算器、62,66は共役演算器、69は虚
数部分離回路、74は積分器、76はD/A変換器であ
る。次に動作について説明する。PN信号によってスペ
クトル拡散されている受信SS信号は2つの乗算器1
0、12に入力される。乗算器10にはVCO(電圧制
御発振器)14からの局部搬送波が入力されており、乗
算器12にはπ/2移相器16によりVCO14からの
局部搬送波をπ/2移相した直交局部搬送波が入力され
る。このため、直交した2つの局部搬送波による準同期
検波が行われる。そして、乗算器10、12の出力はロ
ーパスフィルタ18、20により、イメージ周波数成分
が除去された後、A/D変換器22、24において、そ
れぞれデジタル信号に変換される。そして、この処理に
おいては、直交した2つの局部搬送波による準同期検波
が行われているため、A/D変換器22、24から得ら
れる信号は複素ベースバンド信号の実数部(Re)信号
および虚数部(Im)信号となる。
【0028】次に、複素ベースバンド信号は2つの遅延
回路30、32に入力され、この遅延回路30、32の
前後の信号が3つの相関器34、36、38に入力され
る。ここで、2つの遅延回路30、32はそれぞれ入力
信号をTd /Lだけ遅延するものである。そして、Td
は拡散信号であるPN信号の繰り返し周期であり、Lは
相関器分割数、すなわち信号の分割数であり、本実施例
においてはL=3である。従って、この2つの遅延回路
においてTd /3分の遅延が行われ、PN信号周期の1
/3分の時間的に連続した複素ベースバンド信号が同時
に相関器34、36、38にそれぞれ供給される。すな
わち、相関器34、36、38は、それぞれPN信号1
周期分の複素ベースバンド信号を3つに分割して相関を
計算することになる。そして、相関器34、36、38
には1周期のPN信号が3つに分割されて格納されるよ
うになっており、相関器38に先頭部分、相関器36に
中間部分、相関器34に末端部分、がそれぞれ格納され
ている。
【0029】このため、この回路により、PN信号1周
期分の複素ベースバンド信号が3つに分割され、この分
割された3つの複素ベースバンド信号と、3つに分割さ
れたPN信号との間で相関が計算されることになる。
【0030】そして、相関器34,36,38の出力
が、それぞれ絶対値二乗回路40、42、44に入力さ
れ絶対値の二乗が計算された後、加算器46によりこれ
らの絶対値二乗信号が加算される。このため、この加算
器46からは、PN信号1周期分の複素ベースバンド信
号を3つに分割した信号と、1周期分のPN信号を3つ
に分割した信号との相関信号であるところの部分相関信
号のエネルギーの総和の信号が得られることになる。そ
して、この加算器46の出力は、初期捕捉・同期追跡回
路50に入力され、ここで入力される信号のピーク検出
が行われ、PN信号の周期(シンボル周期)に同期した
シンボルクロックが生成される。すなわち、加算器46
から出力される信号のピークはPN信号の周期に同期し
て出現するため、このピーク検出により、PN信号の同
期の初期捕捉を行なうことができる。そして、初期捕捉
が達成された後は同期追跡動作に移行し、常にPN信号
に追随したシンボルクロックが生成される。
【0031】ここで、初期捕捉・同期追跡回路50にお
ける初期捕捉には図2に示すように、巡回加算を行う加
算器50a、1シンボル周期分の加算結果を記憶するフ
レームメモリ50b、加算結果の信号のピークを検出す
るピーク検出回路50cによって行う方法がある。すな
わち、この回路によれば、フレームメモリ50bの出力
は1シンボル周期前の加算結果となっているため、加算
器50aにおいて、1シンボル周期で累積加算(いわゆ
る巡回加算)が行われる。加算器50aに入力される同
期確立用信号にはPN信号の繰返し周期(すなわちシン
ボル周期)に同期してピークが出現するため、この巡回
加算によりピークの累積加算が行われてSN比が向上
し、ピークの検出がより確実になる。このPN信号に同
期したピークの検出により初期補捉が行われる。
【0032】一方、相関器34、36、38の出力は加
算器52に入力され、ここで加算される。このため、3
つに分割されて計算された部分相関信号が加算されてP
N信号1周期分に対する相関信号と同一の信号となる。
そして、この信号がラッチ回路54に入力され、初期捕
捉・同期追跡回路50からのシンボルクロックに基づい
てラッチされる。すなわち、エネルギーの最も高い点で
相関信号がラッチされ、ラッチ回路54からは逆拡散さ
れた信号が出力される。
【0033】このラッチ回路54の出力信号は、復調処
理回路56に入力され、ここで一時変調方式(例えば、
QPSK変調など)に対応した復調処理がなされ、復調
データが得られる。
【0034】一方、相関器34の出力は、乗算器60に
入力される。また、この乗算器60には、相関器36の
出力も複素共役数を出力する共役演算器62を介して入
力されており、2つの入力信号が乗算される。また、相
関器36の出力は乗算器64に入力され、この乗算器6
4には相関器38の出力も共役演算器66を介して入力
されており、2つの入力信号が乗算される。このよう
に、乗算器60、64において、隣接する部分相関器か
らの部分相関信号間の複素共役積演算が行われる。
【0035】乗算器60、64の出力は加算器66に入
力され、ここで加算される。そして、加算器68の出力
は虚数部分離回路69に入力され、この信号がラッチ回
路70に入力され、シンボルクロックに応じてラッチさ
れ、誤差信号en が得られる。
【0036】そこで、乗算器72においてこの誤差信号
n に所定のゲインαを乗算し、積分器74で積分する
ことによって平均化し、D/A変換器76でアナログ電
圧信号に変換してVCO14に供給する。このようにし
て、VCO14が誤差信号en に応じて発振周波数を補
正するため、受信SS信号の搬送波周波数に対する局部
搬送波の周波数オフセットが解消される。このように、
本受信機は同一の部分相関器を用いてPN信号の同期の
初期捕捉・追跡、AFC及びデータ復調の全てを行な
う。従って、回路構成が極めて単純であり、小形化・低
消費電力化が容易である。
【0037】部分相関器による相関信号の特性 ここで、部分相関器34、36、38から得られる部分
相関信号について説明する。ここでは一次変調をBPS
Kとし、スペクトル拡散に用いるPN信号の繰り返し周
期をMチップ、チップ周期をTc 、m番目(m=1,
…,M)のPN信号の値をum ∈{−1,1}とする。
また、データのシンボル周期をTd =MTc ,時刻nT
d (nは整数)における送信データの値をan ∈{−
1,1}とし、送信搬送波の角周波数をωc とする。
【0038】受信機は、時刻nTd +mTc にan m
cos[ωc ( nTd +mTc )]なる受信SS信号を受信し
て準同期検波及びA/D変換を行い、複素ベースバンド
信号を得る。なお、A/D変換器のサンプリング周期は
チップ周期に等しく、量子化誤差はないものとする。
【0039】いま、準同期検波に用いる局部搬送波の角
周波数がωc +Δω、その初期位相がφであるものとす
ると、時刻nTd +mTc =(nM+m)Tc における
複素ベースバンド信号の値rnM+mは次式で与えられる。
【0040】 rnM+m=an m exp[-j{ Δω(nM+m)Tc + φ}] (2−1) 通常のDS/SS受信機では、この複素ベースバンド信
号を複素相関器に入力してPN信号1周期との相関演算
を行い、相関信号を得る。送信データan に対応する相
関信号の値をcn とすると、cn は次式で与えられる。
【0041】 従って、この相関信号のエネルギーEは、 E=|cn 2 = {sin[ΔωM Tc /2]}2 /{sin[ΔωTc /2]}2 (2−3) となる。すなわち、単一の相関器から得た相関信号のエ
ネルギーは周波数オフセットΔωに応じて減少する。
【0042】一方、相関器をL等分(LはMの約数とす
る)した場合、第k番目(k=1,…,L)の部分相関
器から出力される部分相関信号の値をcnkとすると、 となる。このとき明らかに である。すなわち、各部分相関器から出力される部分相
関信号の総和は単一の相関器から得られる相関信号に等
しい。従って、相関器分割数L=3である図1において
は、加算器52の出力は単一の相関器により得られる相
関信号と同一となる。
【0043】一方、各部分相関器から得られる部分相関
信号の全エネルギーET は、 となる。
【0044】ここで、式(2−3)及び式(2−6)を
比較すると、単一の相関器と比較して、L等分した相関
器を使用する場合は周波数オフセットの影響が1/L倍
になることが判る。
【0045】図3に、M=63の場合の、単一の相関器
と3等分した相関器から得られる相関信号のエネルギー
をΔω=0の値で正規化したグラフを示す。図より、単
一の相関器では出力が0となってしまう|Δω|=2π
/Td の場合も、3等分した相関器を用いることによ
り、エネルギーの損失を僅かにとどめられることが判
る。
【0046】従って、部分相関器から得られる各部分相
関信号の絶対値の二乗の総和を用いることにより、単一
の相関器を用いた場合ではエネルギーの損失が大きくP
N信号の初期捕捉が困難となる大きな周波数オフセット
が存在する場合でも、初期捕捉が可能となる。
【0047】すなわち、相関器分割数L=3である図1
においては、相関器34、36、38により、それぞれ
部分相関を求め、各部分相関の絶対値二乗和を絶対値二
乗回路40、42、44および加算器46において計算
することにより、式(2−8)に示した信号が得られ
る。そこで、この信号を基に、初期捕捉・同期追跡回路
50においてPN信号の同期の初期捕捉と同期追跡が行
われ、シンボルクロックが生成される。そして、ラッチ
54においてシンボルクロックに同期して加算器52の
出力(すなわち、PN信号1周期に対する相関信号)を
ラッチすることにより、受信SS信号を逆拡散した信号
が得られる。
【0048】このように、相関信号を分割して得ること
により、通常のデータ復調を行うだけでなく、周波数オ
フセットの大きい場合にもPN信号の同期を捕捉するこ
とが可能となる。
【0049】誤差信号の生成 次に、本実施例における周波数オフセットに応じた誤差
信号の生成方法について述べる。
【0050】式(2−4)は、L等分した相関器のう
ち、隣接する2個の部分相関器から得られる部分相関信
号間の位相差はΔωMTc /Lとなることを示してい
る。従って、この位相差を検出することにより、周波数
オフセットの大きさを求めることができる。
【0051】部分相関信号間の位相差の検出には遅延検
波の原理が適用できる。すなわち、第(k−1)番目
(k=2,…,L)の部分相関器出力の複素共役と第k
番目の部分相関器出力を乗算すればよい。この乗算出力
の値をznkとすると となる。ここで、“*”は複素共役を意味する。乗算出
力znkは、1シンボルのデータにつき(L−1)個が同
時に得られる。すなわち、相関器分割数L=3である図
1では、乗算器60および64において、2つの乗算出
力zn2,zn3が得られる。そして、誤差信号のSN比を
向上させるため、加算器68において、これらの乗算出
力を全て加算する。
【0052】この加算器68の出力である総和信号の値
をZとすると、 である。
【0053】そして、虚数部分離回路69により、総和
信号Zn の虚数部を誤差信号として出力する。すなわ
ち、誤差信号の値en は次式で与えられる。
【0054】 en =-(L-1)sin[ΔωM Tc /L] ・ {sin[ΔωM Tc /(2L) ]}2 /{sin[ΔωTc /2]}2 (3−3) 図4に、M=63,L=3とした場合のL(L−1)/
Mで正規化した誤差信号のグラフを示す。これより、上
記の信号処理によって周波数オフセットの値に応じた誤
差信号を得られることが判る。
【0055】ただし、誤差信号en は、シンボル周期T
d ごとに得られるので、ラッチ回路70において虚数部
分離回路69の出力を初期捕捉・同期追跡回路から出力
されるシンボルクロックでラッチすることにより最終的
な誤差信号が得られる。
【0056】なお、上記実施例では相関器分割数L=3
の場合を示したが、Lは2以上であればよい。また、一
次変調方式としてBPSK変調を用いる場合を示した
が、他の変調方式(例えばQPSK等)でもよい。
【0057】また、A/D変換のサンプリング周期はチ
ップ間隔の整数分の1であってもよい。
【0058】変形例 総和信号Zn の位相角を誤差信号としても同様の効果が
得られる。相関器分割数L=3の場合の構成の一例を図
5に示す。図5においては、図1の虚数部分離回路69
に代え、位相角検出器80を採用している。位相角検出
器80は、総和信号Zの偏角(すなわち位相角)を抽出
して出力する。従って、位相角検出器80の出力の値は arg Zn =−ΔωTc L となる。すなわち、図5の構成によっても周波数オフセ
ットΔωの値に応じた誤差信号を得ることができるた
め、図1の構成と同様の効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
部分相関器を用いることにより、同一の部分相関器の出
力によってPN信号の同期捕捉・追跡、AFC及びデー
タ復調の全てを行ことができる。すなわち、データ復調
とPN信号の同期捕捉・追跡用の相関器とAFC用の相
関器が兼用できる。従って、受信機はAFC専用の相関
器を必要としないため、回路構成が極めて単純であり、
従って小形化・低消費電力化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】初期捕捉・同期追跡回路50における初期捕捉
部の構成例を示すブロック図である。
【図3】相関信号エネルギーの周波数オフセット特性を
示す図である。
【図4】部分相関器から生成される誤差信号の特性を示
す図である。
【図5】変形例の全体構成を示すブロック図である。
【図6】従来のスペクトル拡散受信機の全体構成を示す
ブロック図である。
【図7】従来の準同期検波・AFC回路100の構成を
示すブロック図である。
【図8】従来の誤差信号生成回路290の構成を示すブ
ロック図である。
【図9】従来の誤差信号の特性を示す特性図である。
【符号の説明】
10、12 乗算器 14 VCO 16 π/2移相器 18、20 ローパスフィルタ 20、24 A/D変換器 30、32 遅延回路 34、36、38 相関器 40、42、44 絶対値二乗回路 46、52、68 加算器 50 初期捕捉・同期追跡回路 56 復調処理回路 60、64、72 乗算器 62、66 共役演算器 69 虚数部分離回路 74 積分器 76 D/A変換器 80 位相角検出器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 スペクトル拡散受信機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペクトル拡散受信機
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信の分野では直接拡散ス
ペクトル拡散(DS/SS)通信による符号分割多元接
続(CDMA)方式が注目されている。移動体通信にD
S/SS通信を適用する場合、搬送波の再生が困難であ
るため、受信機では準同期検波を行うことが望ましい。
【0003】ここで、準同期検波を行う場合、局部搬送
波に周波数オフセットが存在すると誤り率特性が劣化す
る。従って、局部搬送波の周波数制御または周波数オフ
セットによる影響の補償を行うAFC回路が必須であ
る。
【0004】以下、図6を用いて従来技術の説明を行
う。図6は従来のスペクトル拡散受信機の構成を示すブ
ロック図であり、図において、100は準同期検波回路
・AFC回路、110は相関器、120は絶対値二乗回
路、130は初期捕捉・同期追跡回路、140は復調処
理回路である。次に動作について説明する。図6におい
て、受信SS信号は準同期検波・AFC回路100によ
り準同期検波され、複素ベースバンド信号になる。複素
ベースバンド信号は相関器110に入力され、受信SS
信号のスペクトル拡散に用いられたPN信号との相関演
算が行われ、複素相関信号となる。その複素相関信号は
絶対値二乗回路120に入力され、複素相関信号の絶対
値の二乗の値を有する同期確立用信号が出力される。初
期捕捉・同期追跡回路130はこの同期確立用信号を用
いて、受信SS信号に含まれるPN信号の繰り返し周期
に同期したシンボルクロック及びPN信号のチップ間隔
に同期したチップクロックを生成する。
【0005】一方、相関器110から出力される複素相
関信号は復調処理回路140にも入力され、一次変調方
式に応じた復調処理がなされ、復調データが出力され
る。
【0006】次に、準同期検波・AFC回路100の構
成と動作を説明する。図7は従来の準同期検波・AFC
回路100の構成を示すブロック図であり、図におい
て、210,220は乗算器、230は電圧制御発振器
(VCO)、240は移相器、250,260はローパ
スフィルタ、270,280はA/D変換器、290は
誤差信号生成回路、300は乗算器、310は積分器、
320はD/A変換器である。次に動作について説明す
る。図7において、受信SS信号は、乗算器210によ
ってVCO230から出力される局部搬送波と乗算さ
れ、ローパスフィルタ250により高周波成分が除去さ
れ、更にA/D変換器270によりデジタルデータに変
換され、複素ベースバンド信号の実数成分となる。同様
に、受信SS信号は、乗算器220によって移相器24
0によりπ/2移相された局部搬送波とも乗算され、ロ
ーパスフィルタ260、A/D変換器280を介して、
複素ベースバンド信号の虚数成分となる。
【0007】このようにして得られた複素ベースバンド
信号は、準同期検波・AFC回路100の出力信号とな
ると同時に、誤差信号生成回路290に入力される。
【0008】次に、誤差信号生成回路290の構成と動
作を説明する。図8は従来の誤差信号生成回路290の
構成を示すブロック図であり、図において、400は偏
差信号生成回路、410は共役回路、420,430は
乗算器、440、450は複素相関器、460,470
は絶対値二乗回路、480は減算器、490はラッチで
ある。以下、誤差信号生成回路290が誤差信号を生成
する過程について述べる。ここでは一次変調をBPSK
とし、スペクトル拡散に用いるPN信号の繰り返し周期
をMチップ、チップ周期をTc 、m(m=1,…,M)
番目のPN信号の値をum ∋{−1,1}とする。ま
た、データのシンボル周期をTd =MTc、時刻nTd
(nは整数)における送信データの値をan ∋{−1,
1}とし、送信搬送波の角周波数をωC とする。
【0009】受信機は、時刻nTd +mTc にan m
cos [ωC (nTd +mTc )]なる値の受信SS信号
を受信する。
【0010】いま、準同期検波に用いる局部搬送波の角
周波数がωC +Δω、その初期位相がφであるものと
し、A/D変換のサンプリング周期はチップ周期に等し
く、量子化誤差はないものとすると、時刻nTd +mT
c =(nM+m)Tc における複素ベースバンド信号の
値rnM+mは次式で与えられる。
【0011】 rnM+m=an m exp [-j{Δω(nM+m) Tc +φ}] (1−1) 図8に示した誤差信号生成回路290においては、偏差
信号生成回路400によりexp [jω0 t]なる信号が
出力される。この信号は共役回路410により複素共役
数であるexp [−jω0 t]なる信号に変換される。
【0012】誤差信号生成回路290に入力された複素
ベースバンド信号は、乗算器420により、このexp
[−jω0 t]なる信号が乗算されて正の周波数偏差ω
0 (ω0 >0)が与えられ、「正偏差ベースバンド信
号」として出力される。また、複素ベースバンド信号
は、乗算器430により、偏差信号生成回路400から
出力されるexp [jω0 t]なる信号が乗算されて負の
周波数偏差−ω0 が与えられ、「負偏差ベースバンド信
号」として出力される。
【0013】時刻(nM+m)Tc における正偏差及び
負偏差ベースバンド信号の値をそれぞれrpnM+m 及びr
nnM+m とすると、次式の関係が成立する。
【0014】 rpnM+m =an m exp [-j{(Δω+ω0 )Tc +φ}] rnnM+m =an m exp [-j{(Δω−ω0 )Tc +φ}] (1−2) この正偏差及び負偏差ベースバンド信号をそれぞれ複素
相関器440及び450に入力してPN信号との相関演
算を行い、「正偏差相関信号」及び「負偏差相関信号」
を得る。シンボル周期Td ごとに得られる送信データa
n に対応する正偏差及び負偏差相関信号の値をそれぞれ
pn,cnnとすると、式(1−2)よりcpn,cnnは次
式で与えられる。
【0015】
【数1】 更に、絶対値二乗回路460及び470により、正偏差
及び負偏差相関信号の絶対値の二乗である「正偏差誤差
信号」及び「負偏差誤差信号」を得る。最後に減算器4
80により正偏差誤差信号から負偏差誤差信号を減じた
信号を、ラッチ490によりシンボル周期Td ごとにラ
ッチすることにより誤差信号を得る。すなわち、送信デ
ータan に対応する誤差信号en は次式で与えられる。
【0016】 en =|cpn2 −|cnn2 ={sin[( Δω+ω0 )M Tc /2]/(sin[( Δω+ω0 )Tc /2])} 2 −{sin[( Δω−ω0 )M Tc /2]/(sin[( Δω−ω0 )Tc /2])} 2 (2−4) 与える周波数偏差ω0 の値を0<ω0 ≦2π/Td なる
範囲に設定することにより、誤差信号en は周波数オフ
セットΔωに応じた数値を示す。図9に、M=127,
ω0 =π/Td とした場合の1シンボル間の位相回転量
ΔωTd と誤差信号en の関係を示す。この場合、|Δ
ωTd |≦πの範囲で誤差信号en は周波数オフセット
Δωにほぼ比例していることが判る。このようにして図
8の誤差信号生成回路290により周波数偏差に応じた
誤差信号を得ることができる。
【0017】以下、再び図7を用いて準同期検波・AF
C回路100の構成と動作を説明する。以上のようにし
て誤差信号生成回路290により得られた誤差信号en
に乗算器300によりゲインαを乗じた後に積分器31
0により積分する。この積分により誤差信号のSN比が
向上する。積分器310の出力信号をD/A変換器32
0によりアナログ信号に変換して得られる電圧信号で局
部搬送波を発振するVCO230を制御することによ
り、周波数オフセットΔωを常に0とするようなAFC
動作が行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のスペクトル拡散
受信機は、以上のように構成されているため、PN信号
の同期の初期捕捉・追跡及びデータ復調に用いられる相
関器とは別に、AFCの誤差信号生成回路にも相関器が
必要であり、このため構成が複雑となりがちで、小形化
や低消費電力化が容易ではないと言う課題があった。
【0019】本発明は、この課題を解決するためになさ
れたものであり、同一の相関器によりPN信号の同期の
初期捕捉・追跡、AFC及びデータ復調の全てを行うこ
とができ、従って構成が単純で、小形化や低消費電力化
の容易なスペクトル拡散受信機を得ることを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスペクトル
拡散受信機は、擬似雑音(PN)信号によりスペクトル
拡散された受信スペクトル拡散(SS)信号に互いに直
交する局部搬送波を混合して複素ベースバンド信号を得
る準同期検波回路と、該準同期検波回路により得られた
複素ベースバンド信号を複数の部分データに分割し、こ
れらの部分データと対応する部分PN信号との相関をそ
れぞれ演算する部分相関演算手段と、該部分相関演算手
段により得られた各部分相関信号の絶対値の二乗の総和
を計算する絶対値二乗総和手段と該絶対値二乗総和手段
により得られた相関絶対値二乗和信号に基づき、上記受
信SS信号に含まれるPN信号の繰返し周期を検出し、
この繰返し周期に同期したタイミング信号を出力する初
期捕捉・同期追跡手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】また、上記部分相関演算手段により得られ
た各部分相関信号の複素共役信号とそれぞれの部分相関
信号より所定周期分ずれた部分相関信号との複素乗算を
行い、得られた各複素共役積信号の総和を計算する複素
共役積総和手段と、該複素共役積総和手段により得られ
た複素共役積総和信号および上記初期捕捉・同期追跡手
段から出力される上記タイミング信号に基づき誤差信号
を生成して出力する誤差信号生成手段と、誤差信号生成
手段から出力される上記誤差信号に基づき、上記受信S
S信号の搬送波周波数に対する上記局部搬送波の周波数
オフセットを補正する補正手段と、をさらに備えたこと
を特徴とする。
【0022】また、上記誤差信号生成手段は、上記複素
共役積総和手段により得られた上記複素共役積総和信号
の虚数部を分離する虚数部分離手段と、該虚数部分離手
段により得られた上記複素共役積総和信号の虚数部を誤
差信号として出力し、その出力タイミングを上記初期捕
捉・同期追跡手段から出力される上記タイミング信号に
基づいて制御する誤差信号出力タイミング制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】また、上記誤差信号生成手段は、上記複素
共役積総和手段により得られた上記複素共役積総和信号
の偏角(位相角)を抽出する偏角抽出手段と、該偏角抽
出手段により得られた上記複素共役積総和信号の偏角を
誤差信号として出力し、その出力タイミングを上記初期
捕捉・同期追跡手段から出力される上記タイミング信号
に基づいて制御する誤差信号出力タイミング制御手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0024】また、上記部分相関演算手段により得られ
た各部分相関信号の総和を計算する部分相関総和手段
と、該部分相関総和手段により得られた部分相関総和信
号を合成相関信号として出力し、その出力タイミングを
上記初期捕捉・同期追跡手段から出力される上記タイミ
ング信号に基づいて制御する合成相関信号出力タイミン
グ制御手段と、該合成相関信号出力タイミング制御手段
から出力される上記合成相関信号に基づき復調データを
生成して出力する復調データ生成手段と、をさらに備え
たことを特徴とする。
【0025】
【作用】このように、本発明においては、受信SS信号
を複数に分割して、分割されたPN信号との相関信号で
あるところの部分相関を計算する。そして、部分相関信
号を加算することにより、単一の相関器を用いたのと同
一の相関信号を得、これよりデータの復調が行われる。
また、各部分相関信号の絶対値二乗和を用いてPN信号
の同期の初期捕捉を行う。部分相関信号の絶対値二乗和
(すなわち、エネルギー和)は周波数オフセット(周波
数ずれ)が大きい場合においてもそのピーク値の減少が
少ないため、PN信号の繰返し周期に同期して出現する
そのピークを確実に検出することができ、PN信号の同
期の好適な初期捕捉および追跡を行うことができる。ま
た、各部分相関信号は周波数オフセットがある場合、位
相に差異が生じる。すなわち、2つの部分相関信号間の
位相差は局部搬送波の周波数オフセットに対応している
ため、部分相関信号間の複素共役積から周波数オフセッ
トに対応する信号を生成することができ、これによって
周波数オフセットを補正することができる。
【0026】このように、同一の部分相関器を用い、復
調のための信号、広い周波数範囲でPN信号の同期を初
期捕捉および追跡できる信号、AFC動作のための誤差
信号を得ることができ、信号処理回路全体の回路構成が
極めて単純となり、小形化・低消費電力化が達成でき
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。図1は、実施例の全体構成を示すブロッ
ク図であり、図において、10,12は乗算器、14は
VCO、16はπ/2移相器、18,20はローパスフ
ィルタ、20,24はA/D変換器、30,32は遅延
回路、34,36,38は相関器、40,42,44は
絶対値二乗回路、46,52,68は加算器、50は初
期捕捉・同期追跡回路、56は復調処理回路、60,6
4,72は乗算器、62,66は共役演算器、69は虚
数部分離回路、74は積分器、76はD/A変換器であ
る。次に動作について説明する。PN信号によってスペ
クトル拡散されている受信SS信号は2つの乗算器1
0、12に入力される。乗算器10にはVCO(電圧制
御発振器)14からの局部搬送波が入力されており、乗
算器12にはπ/2移相器16によりVCO14からの
局部搬送波をπ/2移相した直交局部搬送波が入力され
る。このため、直交した2つの局部搬送波による準同期
検波が行われる。そして、乗算器10、12の出力はロ
ーパスフィルタ18、20により、高周波成分が除去さ
れた後、A/D変換器22、24において、それぞれデ
ジタル信号に変換される。そして、この処理において
は、直交した2つの局部搬送波による準同期検波が行わ
れているため、A/D変換器22、24から得られる信
号は複素ベースバンド信号の実数部(Re)信号および
虚数部(Im)信号となる。
【0028】次に、複素ベースバンド信号は2つの遅延
回路30、32に入力され、この遅延回路30、32の
前後の信号が3つの相関器34、36、38に入力され
る。ここで、2つの遅延回路30、32はそれぞれ入力
信号をTd /Lだけ遅延するものである。そして、Td
は拡散信号であるPN信号の繰り返し周期であり、Lは
相関器分割数、すなわち信号の分割数であり、本実施例
においてはL=3である。従って、この2つの遅延回路
においてTd /3分の遅延が行われ、PN信号周期の1
/3分の時間的に連続した複素ベースバンド信号が同時
に相関器34、36、38にそれぞれ供給される。すな
わち、相関器34、36、38は、それぞれPN信号1
周期分の複素ベースバンド信号を3つに分割して相関を
計算することになる。そして、相関器34、36、38
には1周期のPN信号が3つに分割されて格納されるよ
うになっており、相関器38に先頭部分、相関器36に
中間部分、相関器34に末端部分、がそれぞれ格納され
ている。
【0029】このため、この回路により、PN信号1周
期分の複素ベースバンド信号が3つに分割され、この分
割された3つの複素ベースバンド信号と、3つに分割さ
れたPN信号との間で相関が計算されることになる。
【0030】そして、相関器34,36,38の出力
が、それぞれ絶対値二乗回路40、42、44に入力さ
れ絶対値の二乗が計算された後、加算器46によりこれ
らの絶対値二乗信号が加算される。このため、この加算
器46からは、PN信号1周期分の複素ベースバンド信
号を3つに分割した信号と、1周期のPN信号を3つに
分割した信号との相関信号であるところの部分相関信号
のエネルギーの総和を示す信号が得られることになる。
そして、この加算器46の出力は、初期捕捉・同期追跡
回路50に入力され、ここで入力される信号のピーク検
出が行われ、PN信号の周期(シンボル周期)に同期し
たシンボルクロックが生成される。すなわち、加算器4
6から出力される信号のピークはPN信号の周期に同期
して出現するため、このピーク検出により、PN信号の
同期の初期捕捉を行なうことができる。そして、初期捕
捉が達成された後は同期追跡動作に移行し、常にPN信
号に追随したシンボルクロックが生成される。
【0031】ここで、初期捕捉・同期追跡回路50にお
ける初期捕捉には図2に示すように、巡回加算を行う加
算器50a、1シンボル周期分の加算結果を記憶するフ
レームメモリ50b、加算結果の信号のピークを検出す
るピーク検出回路50cによって行う方法がある。すな
わち、この回路によれば、フレームメモリ50bの出力
は1シンボル周期前の加算結果となっているため、加算
器50aにおいて、1シンボル周期で累積加算(いわゆ
る巡回加算)が行われる。加算器50aに入力される同
期確立用信号にはPN信号の繰返し周期(すなわちシン
ボル周期)に同期してピークが出現するため、この巡回
加算によりピークの累積加算が行われてSN比が向上
し、ピークの検出がより確実になる。このPN信号に同
期したピークの検出により初期補捉が行われる。
【0032】一方、相関器34、36、38の出力は加
算器52に入力され、ここで加算される。このため、3
つに分割されて計算された部分相関信号が加算されてP
N信号1周期に対する相関信号と同一の信号となる。そ
して、この信号がラッチ回路54に入力され、初期捕捉
・同期追跡回路50からのシンボルクロックに基づいて
ラッチされる。すなわち、エネルギーの最も高い点で相
関信号がラッチされ、ラッチ回路54からは逆拡散され
た信号が出力される。
【0033】このラッチ回路54の出力信号は、復調処
理回路56に入力され、ここで一時変調方式(例えば、
QPSK変調など)に対応した復調処理がなされ、復調
データが得られる。
【0034】一方、相関器34の出力は、乗算器60に
入力される。また、この乗算器60には、相関器36の
出力も複素共役数を出力する共役演算器62を介して入
力されており、2つの入力信号が乗算される。また、相
関器36の出力は乗算器64に入力され、この乗算器6
4には相関器38の出力も共役演算器66を介して入力
されており、2つの入力信号が乗算される。このよう
に、乗算器60、64において、隣接する部分相関器か
らの部分相関信号間の複素共役積演算が行われる。
【0035】乗算器60、64の出力は加算器66に入
力され、ここで加算される。そして、加算器68の出力
は虚数部分離回路69に入力され、この信号がラッチ回
路70に入力され、シンボルクロックに応じてラッチさ
れ、誤差信号en が得られる。
【0036】そこで、乗算器72においてこの誤差信号
n に所定のゲインαを乗算し、積分器74で積分する
ことによって平均化し、D/A変換器76でアナログ電
圧信号に変換してVCO14に供給する。このようにし
て、VCO14が誤差信号en に応じて発振周波数を補
正するため、受信SS信号の搬送波周波数に対する局部
搬送波の周波数オフセットが解消される。このように、
本受信機は同一の部分相関器を用いてPN信号の同期の
初期捕捉・追跡、AFC及びデータ復調の全てを行な
う。従って、回路構成が極めて単純であり、小形化・低
消費電力化が容易である。
【0037】部分相関器による相関信号の特性 ここで、部分相関器34、36、38から得られる部分
相関信号について説明する。ここでは一次変調をBPS
Kとし、スペクトル拡散に用いるPN信号の繰り返し周
期をMチップ、チップ周期をTc 、m番目(m=1,
…,M)のPN信号の値をum ∋{−1,1}とする。
また、データのシンボル周期をTd =MTc ,時刻nT
d (nは整数)における送信データの値をan ∋{−
1,1}とし、送信搬送波の角周波数をωc とする。
【0038】受信機は、時刻nTd +mTc にan m
cos[ωc ( nTd +mTc )]なる受信SS信号を受信し
て準同期検波及びA/D変換を行い、複素ベースバンド
信号を得る。なお、A/D変換器のサンプリング周期は
チップ周期に等しく、量子化誤差はないものとする。
【0039】いま、準同期検波に用いる局部搬送波の角
周波数がωc +Δω、その初期位相がφであるものとす
ると、時刻nTd +mTc =(nM+m)Tc における
複素ベースバンド信号の値rnM+mは次式で与えられる。
【0040】 rnM+m=an m exp[-j{ Δω(nM+m)Tc + φ}] (2−1) 通常のDS/SS受信機では、この複素ベースバンド信
号を複素相関器に入力してPN信号1周期との相関演算
を行い、相関信号を得る。送信データan に対応する相
関信号の値をcn とすると、cn は次式で与えられる。
【0041】
【数2】 従って、この相関信号のエネルギーEは、 E=|cn 2 = {sin[ΔωM Tc /2]}2 /{sin[ΔωTc /2]}2 (2−3) となる。これより、単一の相関器から得た相関信号のエ
ネルギーは周波数オフセットΔωに応じて減少すること
が判る。
【0042】一方、相関器をL等分(LはMの約数とす
る)した場合、第k番目(k=1,…,L)の部分相関
器から出力される部分相関信号の値をcnkとすると、
【数3】 となる。このとき明らかに
【数4】 である。すなわち、各部分相関器から出力される部分相
関信号の総和は単一の相関器から得られる相関信号に等
しい。従って、相関器分割数L=3である図1において
は、加算器52の出力は単一の相関器により得られる相
関信号と同一となる。
【0043】一方、各部分相関器から得られる部分相関
信号の全エネルギーET は、
【数5】 となる。
【0044】ここで、式(2−3)及び式(2−6)を
比較すると、単一の相関器と比較して、L等分した相関
器を使用する場合は周波数オフセットの影響が1/L倍
になることが判る。
【0045】図3に、M=63の場合の、単一の相関器
と3等分した相関器から得られる相関信号のエネルギー
をΔω=0の値で正規化したグラフを示す。図より、単
一の相関器では出力が0となってしまう|Δω|=2π
/Td の場合も、3等分した相関器を用いることによ
り、エネルギーの損失を僅かにとどめられることが判
る。
【0046】従って、部分相関器から得られる各部分相
関信号の絶対値の二乗の総和を用いることにより、単一
の相関器を用いた場合ではエネルギーの損失が大きくP
N信号の初期捕捉が困難となる大きな周波数オフセット
が存在する場合でも、初期捕捉が可能となる。
【0047】すなわち、相関器分割数L=3である図1
においては、相関器34、36、38により、それぞれ
部分相関を求め、その絶対値二乗和を絶対値二乗回路4
0、42、44および加算器46において計算すること
により、式(2−8)に示した信号が得られる。そこ
で、この信号を基に、初期捕捉・同期追跡回路50にお
いてPN信号の同期の初期捕捉及び追跡が行われ、シン
ボルクロックが生成される。そして、ラッチ54におい
てシンボルクロックに同期して加算器52の出力(すな
わち、PN信号1周期に対する相関信号)をラッチする
ことにより、受信SS信号を逆拡散した信号が得られ
る。
【0048】このように、相関信号を分割して得ること
により、通常のデータ復調を行うだけでなく、周波数オ
フセットの大きい場合にもPN信号の同期捕捉を行うこ
とが可能となる。
【0049】誤差信号の生成 次に、本実施例における周波数オフセットに応じた誤差
信号の生成方法について述べる。
【0050】式(2−4)は、L等分した相関器のう
ち、隣接する2個の部分相関器から得られる部分相関信
号間の位相差はΔωMTc /Lとなることを示してい
る。従って、この位相差を検出することにより、周波数
オフセットの大きさを求めることができる。
【0051】部分相関信号間の位相差の検出には遅延検
波の原理が適用できる。すなわち、第(k−1)番目
(k=2,…,L)の部分相関器出力の複素共役と第k
番目の部分相関器出力を乗算すればよい。この乗算出力
の値をznkとすると
【数6】 となる。ここで、“*”は複素共役を意味する。乗算出
力znkは、1シンボルのデータにつき(L−1)個が同
時に得られる。すなわち、相関器分割数L=3である図
1では、乗算器60および64において、2つの乗算出
力zn2,zn3が得られる。そして、誤差信号のSN比を
向上させるため、加算器68において、これらの乗算出
力を全て加算する。
【0052】この加算器68の出力である総和信号の値
をZn とすると、
【数7】 である。
【0053】そして、虚数部分離回路69により、総和
信号Zn の虚数部を誤差信号として出力する。すなわ
ち、誤差信号の値en は次式で与えられる。
【0054】 en =-(L-1)sin[ΔωM Tc /L] ・ {sin[ΔωM Tc /(2L) ]}2 /{sin[ΔωTc /2]}2 (3−3) 図4に、M=63,L=3とした場合のL(L−1)/
Mで正規化した誤差信号のグラフを示す。これより、上
記の信号処理によって周波数オフセットの値に応じた誤
差信号を得られることが判る。
【0055】ただし、誤差信号en は、シンボル周期T
d ごとに得られるので、ラッチ回路70において虚数部
分離回路69の出力を初期捕捉・同期追跡回路50から
出力されるシンボルクロックでラッチすることにより最
終的な誤差信号が得られる。
【0056】なお、上記実施例では相関器分割数L=3
の場合を示したが、Lは2以上であればよい。また、一
次変調方式としてBPSK変調を用いる場合を示した
が、他の変調方式(例えばQPSK等)でもよい。
【0057】また、A/D変換のサンプリング周期はチ
ップ間隔の整数分の1であってもよい。
【0058】変形例 総和信号Zn の位相角を誤差信号としても同様の効果が
得られる。相関器分割数L=3の場合の構成の一例を図
5に示す。図5においては、図1の虚数部分離回路69
に代え、位相角検出器80を採用している。位相角検出
器80は、総和信号Zn の偏角(すなわち位相角)を抽
出して出力する。従って、位相角検出器80の出力の値
は arg Zn =−ΔωM Tc /L となる。すなわち、図5の構成によっても周波数オフセ
ットΔωの値に応じた誤差信号を得ることができるた
め、図1の構成と同様の効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
部分相関器を用いることにより、同一の部分相関器の出
力によってPN信号の同期捕捉・追跡、AFC及びデー
タ復調の全てを行ことができる。すなわち、データ復調
とPN信号の同期捕捉・追跡用の相関器とAFC用の相
関器が兼用できる。従って、受信機はAFC専用の相関
器を必要としないため、回路構成が極めて単純であり、
従って小形化・低消費電力化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】初期捕捉・同期追跡回路50における初期捕捉
部の構成例を示すブロック図である。
【図3】相関信号エネルギーの周波数オフセット特性を
示す図である。
【図4】部分相関器から生成される誤差信号の特性を示
す図である。
【図5】変形例の全体構成を示すブロック図である。
【図6】従来のスペクトル拡散受信機の全体構成を示す
ブロック図である。
【図7】従来の準同期検波・AFC回路100の構成を
示すブロック図である。
【図8】従来の誤差信号生成回路290の構成を示すブ
ロック図である。
【図9】従来の誤差信号の特性を示す特性図である。
【符号の説明】 10、12 乗算器 14 VCO 16 π/2移相器 18、20 ローパスフィルタ 20、24 A/D変換器 30、32 遅延回路 34、36、38 相関器 40、42、44 絶対値二乗回路 46、52、68 加算器 50 初期捕捉・同期追跡回路 56 復調処理回路 60、64、72 乗算器 62、66 共役演算器 69 虚数部分離回路 74 積分器 76 D/A変換器 80 位相角検出器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 擬似雑音(PN)信号によりスペクトル
    拡散された受信スペクトル拡散(SS)信号に互いに直
    交する局部搬送波を混合して複素ベースバンド信号を得
    る準同期検波回路と、 該準同期検波回路により得られた複素ベースバンド信号
    を複数の部分データに分割し、これらの部分データと対
    応する部分PN信号との相関をそれぞれ演算する部分相
    関演算手段と、 該部分相関演算手段により得られた各部分相関信号の絶
    対値の二乗の総和を計算する絶対値二乗総和手段と該絶
    対値二乗総和演算手段により得られた相関絶対値二乗和
    信号に基づき、上記受信SS信号に含まれるPN信号の
    繰返し周期を検出し、この繰返し周期に同期したタイミ
    ング信号を出力する初期捕捉・同期追跡手段と、 を備えたことを特徴とするスペクトル拡散受信機。
  2. 【請求項2】 疑似雑音(PN)信号によりスペクトル
    拡散された受信スペクトル拡散(SS)信号に互いに直
    交する局部搬送波を混合して複素ベースバンド信号を得
    る準同期検波回路と、 該準同期検波回路により得られた上記複素ベースバンド
    信号を複数の部分データに分割し、これらの部分データ
    と対応する部分PN信号との相関をそれぞれ演算する部
    分相関演算手段と、 該部分相関演算手段により得られた各部分相関信号の絶
    対値の二乗の総和を計算する絶対値二乗総和手段と、 該絶対値二乗総和手段により得られた相関絶対値二乗和
    信号に基づき、上記受信SS信号に含まれるPN信号の
    繰返し周期を検出し、この繰返し周期に同期したタイミ
    ング信号を出力する初期捕捉・同期追跡手段と、 上記部分相関演算手段により得られた各部分相関信号の
    複素共役信号とそれぞれの部分相関信号より所定周期分
    ずれた部分相関信号との複素乗算を行い、得られた各複
    素共役積信号の総和を計算する複素共役積総和手段と、 該複素共役総和手段により得られた複素共役積総和信号
    および上記初期捕捉・同期追跡手段から出力される上記
    タイミング信号に基づき誤差信号を生成して出力する誤
    差信号生成手段と、 該誤差信号生成手段から出力される上記誤差信号に基づ
    き、上記受信SS信号の搬送波周波数に対する上記局部
    搬送波の周波数オフセットを補正する補正手段と、 を備えたことを特徴とするスペクトル拡散受信機。
  3. 【請求項3】 上記誤差信号生成手段は、 上記複素共役積総和手段により得られた上記複素共役積
    総和信号の虚数部を分離する虚数部分離手段と、 該虚数部分離手段により得られた上記複素共役積総和信
    号の虚数部を誤差信号として出力し、その出力タイミン
    グを上記初期捕捉・同期追跡手段から出力される上記タ
    イミング信号に基づいて制御する誤差信号出力タイミン
    グ制御手段と、 を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の
    スペクトル拡散受信機。
  4. 【請求項4】 上記誤差信号生成手段は、 上記複素共役積総和手段により得られた上記複素共役積
    総和信号の偏角(位相角)を抽出する偏角抽出手段と、 該偏角抽出手段により得られた上記複素共役積総和信号
    の偏角を誤差信号として出力し、その出力タイミングを
    上記初期捕捉・同期追跡手段から出力される上記タイミ
    ング信号に基づいて制御する誤差信号出力タイミング制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の
    スペクトル拡散受信機。
  5. 【請求項5】 擬似雑音(PN)信号によりスペクトル
    拡散された受信スペクトル拡散(SS)信号に互いに直
    交する局部搬送波を混合して複素ベースバンド信号を得
    る準同期検波回路と、 該準同期検波回路により得られた複素ベースバンド信号
    を複数の部分データに分割し、これらの部分データと対
    応する部分PN信号との相関をそれぞれ演算する部分相
    関演算手段と、 該部分相関演算手段により得られた各部分相関信号の絶
    対値の二乗の総和を計算する絶対値二乗総和手段と、 該絶対値二乗総和手段により得られた相関絶対値二乗和
    信号に基づき、上記受信SS信号に含まれるPN信号の
    繰返し周期を検出し、この繰返し周期に同期したタイミ
    ング信号を出力する初期捕捉・同期追跡手段と、 上記部分相関演算手段により得られた各部分相関信号の
    複素共役信号とそれぞれの部分相関信号より所定周期分
    ずれた部分相関信号との複素乗算を行い、得られた各複
    素共役積信号の総和を計算する複素共役積総和手段と、 該複素共役積総和手段により得られた複素共役積総和信
    号および上記初期捕捉・同期追跡手段から出力される上
    記タイミング信号に基づき誤差信号を生成して出力する
    誤差信号生成手段と、 該誤差信号生成手段から出力される上記誤差信号に基づ
    き、上記受信SS信号の搬送波周波数に対する上記局部
    搬送波の周波数オフセットを補正する補正手段と、 上記部分相関演算手段により得られた各部分相関総和信
    号の総和を計算する部分相関総和手段と、 該部分相関総和手段により得られた部分相関総和信号を
    合成相関信号として出力し、その出力タイミングを上記
    初期捕捉・同期追跡手段から出力される上記タイミング
    信号に基づいて制御する合成相関信号出力タイミング手
    段と、 該合成相関信号出力タイミング制御手段から出力される
    上記合成相関信号に基づき復調データを生成して出力す
    る復調データ生成手段と、 を備えたことを特徴とするスペクトル拡散装置。
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