JP2001230702A - スペクトラム拡散通信同期捕捉回路 - Google Patents

スペクトラム拡散通信同期捕捉回路

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JP2001230702A JP2000038333A JP2000038333A JP2001230702A JP 2001230702 A JP2001230702 A JP 2001230702A JP 2000038333 A JP2000038333 A JP 2000038333A JP 2000038333 A JP2000038333 A JP 2000038333A JP 2001230702 A JP2001230702 A JP 2001230702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数オフセットや雑音が混在する環境下で
も安定した同期捕捉を行う。 【解決手段】 同期回路100では、アンテナからの受信
信号を局部発振器1及びLPF2でベースバンド信号に変換
してS/H3でサンプルし、相関器4で受信信号の拡散符号
とそのシンボルとを乗算した相関値を得、シンボル積分
器5で相関値に対応するシンボルの理論値又は復調後の
判定値に基づいて相関値を逆変調して周波数オフセット
による位相回転を補正しつつ複数シンボル加算した電力
値を得る。パスサーチ部10はこの電力値を複数スロット
加算し、復調パス選択部12はパスサーチ部10から入力さ
れた電力加算値を大きい順に選択したものから受信タイ
ミングを選択して出力する。周波数オフセット推定部11
は復調パス選択部12から得られる復調パスタイミング情
報を用いて相関器4の出力する相関値から有効なパスを
選択し、周波数オフセットを推定してシンボル積分器5
へ与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてスペクト
ラム拡散通信用無線装置の受信部に用いられ、直接拡散
方式のスペクトラム拡散通信にあって受信信号及び拡散
符号の同期確立及び同期追従を行うスペクトラム拡散通
信同期捕捉装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】直接拡散方式のスペクトラム受信機では
基本的にアンテナでスペクトラム拡散信号を受信し、中
間周波信号又はベースバンド信号に変換した後、同期捕
捉回路で送信機の拡散符号発生器で使用した拡散符号の
同期を確立し、この同期確立された拡散符号を逆拡散復
調器へ伝送する。
【０００３】逆拡散復調器では、受信されたスペクトラ
ム拡散信号と同期回路からの拡散符号との乗算により逆
拡散復調を行い、更に情報復調器で復調が行われる。受
信機の同期捕捉回路では、同期を確立して保持するため
に、送信された拡散符号との位相一致点をサーチ（パス
サーチ）し、そのタイミングを所定の範囲内に抑える必
要がある。
【０００４】従来のスペクトラム拡散通信用受信機に用
いられる同期捕捉回路は、受信信号をベースバンド信号
に変換する信号変換部と、ベースバンド信号をサンプリ
ングして蓄えて保持し、サンプリング信号を出力するサ
ンプルホールド回路と、サンプリング信号と拡散符号に
よる拡散信号との相関を取って相関値を得る相関器と、
この相関値に対応するシンボルの理論値又は未知シンボ
ルのときの復調後の判定値の何れかにもとづいて相関値
を逆変調して複数シンボル加算し、該複数シンボル加算
の電力を求めて電力値を得るシンボル積分器と、このシ
ンボル積分器の出力電力値を複数スロット分積分するス
ロット積分器を備えることにより、雑音環境下でも比較
的安定した同期捕捉が実現できるように構成されてい
る。
【０００５】図４は、特開平１０−３１３２６７号公報
に示されている、上記従来のスペクトラム拡散通信用受
信機に用いられる同期捕捉回路の基本構成例を示すブロ
ック図である。
【０００６】図４において、スペクトラム拡散通信同期
捕捉回路は、スペクトラム拡散信号を受信したアンテナ
からの受信信号をベースバンド信号に変換生成する信号
変換生成部として、局部発振器１及びローパスフィルタ
（ＬＰＦ）２と、ベースバンド信号をサンプリングして
蓄えて保持し、サンプリング信号を出力するサンプルホ
ールド回路（Ｓ／Ｈ）３と、サンプリング信号と拡散符
号による拡散信号との相関を取って相関値を得る相関器
４と、相関器４が出力する相関値に対応するシンボルの
理論値又は未知シンボルのときの復調後の判定値の何れ
かにもとづいて相関値を逆変調し、複数シンボル加算し
て電力値を計算するシンボル積分器５からなる同期回路
１００を複数個備えている。
【０００７】さらに、このスペクトラム拡散通信同期捕
捉回路は、シンボル積分器５が出力する電力値を複数ス
ロット分加算してこの電力加算値が大きい順に上位から
複数個選択する複数個のパスサーチ部１０と、パスサー
チ部が選択したタイミングから電力加算値が大きい順に
復調用受信タイミングを選択して復調パス情報１３を出
力する復調パス選択部１２とを備えている。
【０００８】このスペクトラム拡散通信同期捕捉回路で
は、まず同期回路１００においてアンテナで受信される
スペクトラム拡散信号を受信し、局部発振器１及びロー
パスフィルタ（ＬＰＦ）２でベースバンド信号に変換す
る。次に、これをサンプルホールド回路（Ｓ／Ｈ）３で
例えば１／２チップ毎にサンプルし、メモリを介して相
関器４へ入力する。
【０００９】相関器４はマッチドフィルタにより構成さ
れており、メモリから取り出した受信信号の拡散符号１
シンボル分と予め用意された拡散符号１シンボル分とを
チップ毎に乗算し、その和を相関値として出力する。こ
れを１／２チップ、１チップ、３／２チップ、・・・ず
らした複数のサンプル点（複数のパス）において行い、
それぞれ相関値として出力する。従って、相関器４から
は複数のパスに対応する各相関値が出力される。
【００１０】シンボル積分器５では、１／２チップ間隔
で逆拡散されたシンボル信号を、送信信号の情報が既知
である既知シンボル、即ち送信系列でわかっているパイ
ロットシンボルなどはその理論値で、そうでない未知シ
ンボルの時は復調した後で判定した判定値で逆変調を行
い、各パス毎に複数シンボルを加算して合わせることに
よりシンボル積分する。ただし、シンボル積分はスロッ
ト内に含まれる全シンボルまたはその一部を使用する。
積分された加算値の電力値を求めて、パスサーチ部１０
へ出力する。
【００１１】パスサーチ部１０では、シンボル積分器５
から入力された電力値を複数スロット分加算する。次
に、この電力加算値の大きいものから順にいくつか選択
し、対応するタイミング情報と共に復調パス選択部１２
へ出力する。
【００１２】復調パス選択部１２では、アンテナ毎にパ
スサーチ部１０から通知された電力加算値とタイミング
情報をもとにいくつかのパスタイミングを選択し、復調
パス選択部１２の外部に接続される復調装置にそのパス
のタイミング情報やアンテナ情報などを出力する。
【００１３】復調パス選択部１２におけるパスの選択方
法は、例えば全タイミングの中からそれに対応する１ス
ロット当たりの平均パワーの大きい順に復調パスを割り
当てる方法、そのパスの信号対干渉比（Signal to Inte
rference Ratio；ＳＩＲ）に応じて各パスの電力加算値
を重み付けし、その重み付き電力加算値の大きい順に復
調パスを割り当てる方法、あるいは各パスの過去の電力
加算値の推移も考慮してパスを選択する方法などが採用
されている。いずれの方法においても、同一のアンテナ
から得られるパスにおいて、それらのパスのタイミング
が近い場合にはどれか一つのパスが選択される。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のスペクトラ
ム拡散通信同期捕捉復調装置によれば、同期位置の誤り
判定が少なく適切な同期タイミングを捕捉し得るととも
に、同期タイミングが変化したときにも追従できるよう
になり、受信品質が向上するとともに、一定の受信品質
を得るために送信側で無駄に強い送信出力を要すること
がなくなり、干渉も抑制される。
【００１５】一方、この種の受信機においては、ドップ
ラー効果によって伝送路で発生した周波数オフセット
や、当該受信機と送信機間の発振器の周波数誤差を復調
器で除去できなかった周波数オフセットが発生する。周
波数オフセットがあると、上述の相関器４からの出力を
数シンボル加算する処理（同相加算）において、周波数
オフセットによる位相回転のために利得が十分得られな
くなってしまう。
【００１６】また、周波数オフセットが大きくなると利
得が十分得られないどころか、逆に加算が悪影響を及ぼ
すこともありえる。従って、同相加算するシンボル数は
周波数オフセットの影響を受けないような数に抑えなけ
ればならない。
【００１７】本発明の目的は、上述したスペクトラム拡
散通信用受信機における同期捕捉回路の様に、相関器の
出力を数シンボル換算し合わせ複数スロット間積分した
値を用いてパスサーチを行う同期捕捉回路において、ド
ップラー効果によって伝送路で発生した周波数オフセッ
トや、当該受信機と送信機間の発振器の周波数誤差を復
調器で除去できなかった周波数オフセットによる位相回
転を補償する手段をもつスペクトラム拡散通信用受信機
における同期捕捉回路を用いることにより、同相加算す
るシンボル数を従来よりも多く設定でき、周波数オフセ
ットや雑音が混在する環境下においても安定した同期捕
捉が可能な手段を提供することにある。
【００１８】
【課題を解決するための手段】本発明は、送信データを
変調した後に拡散符号を用いてスペクトラム拡散して送
信されたスペクトラム拡散信号を受信信号として受信復
調して受信データを再生する際、該拡散符号と同じもの
を用いて逆拡散した後に復調する無線通信装置に設けら
れるスペクトラム拡散符号同期回路において、受信信号
をベースバンド信号に変換する信号変換部と、ベースバ
ンド信号をサンプリングして蓄えて保持し、サンプリン
グ信号を出力するサンプルホールド回路と、サンプリン
グ信号と拡散符号による拡散信号との相関を取って相関
値を得る相関器と、この相関値に対応するシンボルの理
論値又は未知シンボルのときの復調後の判定値の何れか
に基づいて該相関値を逆変調し、さらに周波数オフセッ
トによる位相回転を補正しつつ複数シンボル加算し、該
複数シンボル加算の電力を求めて電力値を得るシンボル
積分器と、電力値を複数スロット分加算した電力加算値
が大きい順に上位から対応するいくつかのパスタイミン
グを選択するパスサーチ部と、パスサーチ部で選択した
タイミングとそれに対応する電力加算値をもとにして復
調用受信タイミングを選択する復調パス選択部と、復調
パス選択部から得られる復調パス情報を用いて相関器か
ら得られる相関値の中から有効なパスを選択して周波数
オフセットを推定する周波数オフセット推定部を備える
ことを特徴とする。
【００１９】以上のような構成にすることにより、シン
ボル積分器において周波数オフセットに起因する位相回
転を補正しつつ同相加算するので、周波数オフセットや
雑音が混在する環境下においても安定した同期捕捉が可
能となる。
【００２０】また、本発明は、送信データを変調した後
に拡散符号を用いてスペクトラム拡散して送信されたス
ペクトラム拡散信号を受信信号として受信復調して受信
データを再生する際、該拡散符号と同じものを用いて逆
拡散した後に復調する無線通信装置に設けられるスペク
トラム拡散符号同期回路において、受信信号をベースバ
ンド信号に変換する信号変換部と、ベースバンド信号を
サンプリングして蓄えて保持し、サンプリング信号を出
力するサンプルホールド回路と、サンプリング信号と拡
散符号による拡散信号との相関を取って相関値を得る相
関器と、この相関値に対応するシンボルの理論値又は未
知シンボルのときの復調後の判定値の何れかに基づいて
該相関値を逆変調しつつ複数シンボル加算するシンボル
積分器と、さらに周波数オフセットによる位相回転を補
正しつつこの加算値を複数スロット分加算し電力を求め
て電力値を得るスロット積分器と、電力値を複数スロッ
ト分加算した電力加算値が大きい順に上位から対応する
いくつかのパスタイミングを選択するパスサーチ部と、
パスサーチ部で選択したタイミングとそれに対応する電
力加算値をもとにして復調用受信タイミングを選択する
復調パス選択部と、復調パス選択部から得られる復調パ
ス情報を用いてシンボル積分器から得られる相関値の中
から有効なパスを選択して周波数オフセットを推定する
周波数オフセット推定部を備えることを特徴とする。
【００２１】以上のような構成にすることにより、スロ
ット積分器において周波数オフセットに起因する位相回
転を補正しつつ同相加算するので、周波数オフセットや
雑音が混在する環境下においても安定した同期捕捉が可
能となる。
【００２２】
【発明の実施の形態】図１は、本発明スペクトラム拡散
通信同期捕捉回路の、第一の実施の形態を示すブロック
図である。
【００２３】本発明のスペクトラム拡散通信同期捕捉回
路は、上記従来例と同様に、スペクトラム拡散信号を受
信したアンテナからの受信信号をベースバンド信号に変
換生成する信号変換生成部として、局部発振器１及びロ
ーパスフィルタ（ＬＰＦ）２と、ベースバンド信号をサ
ンプリングして蓄えて保持し、サンプリング信号を出力
するサンプルホールド回路（Ｓ／Ｈ）３と、サンプリン
グ信号と拡散符号による拡散信号との相関を取って相関
値を得る相関器４と、相関器４が出力する相関値に対応
するシンボルの理論値又は未知シンボルのときの復調後
の判定値の何れかにもとづいて相関値を逆変調し、複数
シンボル加算して電力値を計算するシンボル積分器５を
備えているが、本発明においては、シンボル積分器５で
複数シンボル加算する際に、周波数オフセットによる位
相回転を補正しつつ複数シンボル加算して電力値を計算
することを特徴としている。
【００２４】そこで、本発明のスペクトラム拡散通信同
期捕捉回路は、シンボル積分器５が出力する電力値を複
数スロット分加算してこの電力加算値が大きい順に上位
から複数個選択する複数個のパスサーチ部１０と、パス
サーチ部が選択したタイミングから電力加算値が大きい
順に復調用受信タイミングを選択する復調パス選択部１
２と、復調パス選択部１２より出力された復調パス情報
を用いて相関器４から得られる相関値の中から有効なパ
スを選択して周波数オフセットを推定する周波数オフセ
ット推定部１１とを備えている。
【００２５】次に、本発明の動作について図１を参照し
て説明する。アンテナで受信されたスペクトラム拡散信
号は、局部発振器１及びローパスフィルタ（ＬＰＦ）２
でベースバンド信号に変換される。次に、このベースバ
ンド信号をサンプルホールド回路（Ｓ／Ｈ）３で１／Ｎ
ｃチップ毎にサンプルし、メモリを介して相関器４へ入
力する。Ｎｃは２や４といった値が好ましい。
【００２６】相関器４は、例えばマッチドフィルタによ
り構成されており、メモリから取り出した受信信号の拡
散符号１シンボル分と予め用意された拡散符号１シンボ
ル分とをチップ毎に乗算し、その和を相関値として出力
する。これを１／Ｎｃチップずつずらした複数のサンプ
ル点（複数のパス）において行い、それぞれ相関値とし
て出力する。従って、相関器４からは各パス毎の相関値
が出力される。
【００２７】なお、図１では、相関器４によって複数の
パス全ての相関値を時分割により出力しているが、相関
器４を複数（予定パスの数）設け、各相関器において、
それぞれ１／Ｎｃチップずらした拡散符号１シンボル分
とメモリから取り出した受信信号の拡散符号１シンボル
分との相関をとり、各相関器から各パス毎の相関値を出
力することもできる。
【００２８】シンボル積分器５では、１／Ｎｃチップ間
隔で逆拡散されたシンボル信号（各パス毎の相関値）
を、それぞれ送信信号の情報が既知である既知シンボ
ル、即ち送信系列でわかっているパイロットシンボルな
どはその理論値で、そうでない未知シンボルの時は復調
した後で判定した判定値で逆変調を行う。そして、周波
数オフセット推定部１１から入力される周波数オフセッ
トによる位相回転量をもとにして逆変調されたシンボル
の位相を補正し、複数シンボル分加算する。
【００２９】逆変調されたシンボルの位相を補正するこ
とにより同相加算する各々のシンボルの位相が揃うの
で、同相加算による利得を活かすことができる。ただ
し、シンボル積分器はスロット内に含まれる全シンボル
またはその一部を使用する。積分された加算値の電力値
を求めて、パスサーチ部１０へ出力する。
【００３０】パスサーチ部１０では、シンボル積分器５
から入力された電力値を複数スロット分加算する。次
に、この電力加算値の大きいものから順にいくつか選択
し、対応するタイミング情報と共に復調パス選択部１２
へ出力する。
【００３１】復調パス選択部１２では、パスサーチ部１
０から通知された電力加算値とタイミング情報をもとに
いくつかのパスタイミングを選択し、復調パス選択部１
２の外部に接続される復調装置にそのパスのタイミング
情報を出力する。
【００３２】復調パス選択部１２におけるパスの選択方
法は、上記公報に記載されているような、例えば全タイ
ミングの中からそれに対応する電力加算値の大きい順に
パスを選択する方法や、そのパスの信号対干渉比（Sign
al to Interference Ratio；ＳＩＲ）に応じて各パスの
電力加算値を重み付けし、その重み付き電力加算値の大
きい順にパスを選択する方法や、各パスの過去の電力加
算値の推移も考慮してパスを選択する方法などが考えら
れる。いずれの方法においても、パスのタイミングが近
い場合にはどれか一つのパスを選択することとする。
【００３３】周波数オフセット推定部１１は、復調パス
選択部１２で選択された復調パス情報をもとにして、相
関器４から得られる相関値の中から有効な復調パスシン
ボルを選択し周波数オフセット推定を行う。周波数オフ
セット推定の方法は、例えば遅延検波による周波数オフ
セット推定法や、ＦＦＴ（Fast Fourier Transform）に
よる周波数オフセット推定法などが使われる。ＦＦＴを
用いた周波数オフセット推定法としては例えば特開平１
１−８８２２９号公報に記載された方法等がある。何れ
の周波数オフセット推定法を用いた場合でも、周波数オ
フセット推定部１１は推定した周波数オフセット推定値
をもとに位相変動量を計算し、シンボル積分器５へ与え
る。
【００３４】図２は、本発明スペクトラム拡散通信同期
捕捉回路の、第二の実施の形態を示すブロック図であ
り、第一の実施の形態における、アンテナ、信号変換生
成部、サンプルホールド回路（Ｓ／Ｈ）３、相関器４及
びシンボル積分器５からなる同期回路を複数備えること
により、スペースダイバーシチ受信が可能な構成となっ
ている。
【００３５】同期捕捉の基本的な動作は、第一の実施の
形態と同様であるので、共通する動作に関する詳細な説
明は省略する。
【００３６】本実施の形態の復調パス選択部１２では、
アンテナ毎にパスサーチ部１０から通知された電力加算
値とタイミング情報をもとにいくつかのパスタイミング
を選択し、復調パス選択部１２の外部に接続される復調
装置にそのパスのタイミング情報やアンテナ情報などを
出力する。また、同一のアンテナから得られるパスにお
いて、それらのパスのタイミングが近い場合にはどれか
一つのパスが選択される。
【００３７】図３は、本発明スペクトラム拡散通信同期
捕捉回路の、第三の実施の形態を示すブロック図であ
る。
【００３８】第三の実施の形態においても、上記従来例
と同様に、スペクトラム拡散信号を受信したアンテナか
らの受信信号をベースバンド信号に変換生成する信号変
換生成部として、局部発振器１及びローパスフィルタ
（ＬＰＦ）２と、ベースバンド信号をサンプリングして
蓄えて保持し、サンプリング信号を出力するサンプルホ
ールド回路（Ｓ／Ｈ）３と、サンプリング信号と拡散符
号による拡散信号との相関を取って相関値を得る相関器
４と、相関器４の出力する相関値に対応するシンボルの
理論値又は未知シンボルのときの復調後の判定値の何れ
かにもとづいて相関値を逆変調しつつ複数シンボル加算
して出力するシンボル積分器６からなる同期回路２００
を複数個備えている。
【００３９】第三の実施の形態では、上記同期回路２０
０の出力する加算値の周波数オフセットによる位相回転
を補正しつつ複数スロット分加算して電力値を求め出力
するスロット積分器７を複数個備えている。
【００４０】また、スロット積分器７が出力する電力値
を複数スロット分加算してこの電力加算値が大きい順に
上位から複数個選択する複数個のパスサーチ部１０と、
パスサーチ部が選択したタイミングから電力加算値が大
きい順に復調用受信タイミングを選択する復調パス選択
部１２と復調パス選択部１２より出力された復調パス情
報を用いてシンボル積分器６から得られる加算値の中か
ら有効なパスを選択して周波数オフセットを推定する周
波数オフセット推定部１１とを備えている。
【００４１】次に、その動作について図３を参照して説
明する。同期回路２００の動作については、図４の従来
例と同様であるので詳細な説明は省略する。
【００４２】同期回路２００のシンボル積分器６では、
１／Ｎｃチップ間隔で逆拡散されたシンボル信号を送信
信号の情報が既知である既知シンボル、即ち送信系列で
わかっているパイロットシンボルなどはその理論値で、
そうでない未知シンボルの時は復調した後で判定した判
定値で逆変調しつつ複数シンボル分加算し、スロット積
分器７へ出力する。ただし、シンボル積分器はスロット
内に含まれる全シンボルまたはその一部を使用する。
【００４３】スロット積分器７では、周波数オフセット
推定部１１から入力される周波数オフセットによる位相
回転量をもとにしてシンボル積分器６から入力された加
算値の位相を補正し、複数スロット分加算して電力値を
求めパスサーチ部１０へ出力する。逆変調されたシンボ
ルの位相を補正することにより同相加算する各々のシン
ボルの位相が揃うので、同相加算による利得を活かすこ
とができる。
【００４４】パスサーチ部１０では、スロット積分器７
から入力された電力値を複数スロット分加算する。次
に、この電力加算値の大きいものから順にいくつか選択
し、対応するタイミング情報と共に復調パス選択部１２
へ出力する。
【００４５】復調パス選択部１２では、アンテナ毎にパ
スサーチ部１０から通知された電力加算値とタイミング
情報をもとにいくつかのパスタイミングを選択し、復調
パス選択部１２の外部に接続される復調装置にそのパス
のタイミング情報やアンテナ情報などを出力する。復調
パス選択部１２におけるパスの選択方法は、第二の実施
の形態の場合と同様である。
【００４６】周波数オフセット推定部１１は、復調パス
選択部１２で選択された復調パス情報をもとにして、シ
ンボル積分器６から得られる加算値の中から有効な復調
パスによる加算値を選択し周波数オフセット推定を行
う。周波数オフセット推定の方法は、第二の実施の形態
の場合と同様である。周波数オフセット推定部１１は推
定した周波数オフセット推定値をもとに位相変動量を計
算し、スロット積分器７へ与える。
【００４７】なお、第三の実施の形態において、アンテ
ナと同期回路２００およびスロット積分器７をそれぞれ
一つだけ備えた構成とすることもできる。
【００４８】
【発明の効果】本発明によれば、雑音に加えて、ドップ
ラー効果によって伝送路で発生した周波数オフセット
や、当該受信機と送信機間の発振器の周波数誤差を復調
器で除去できなかった周波数オフセットが発生する環境
においても、位相補正された相関値を用いて同相加算処
理を行うため同相加算するシンボル数を従来よりも多く
設定できる。従って、同相加算による利得を十分に活か
すことができ、外部に接続されるスペクトラム拡散通信
復調装置に対して安定した同期捕捉を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明スペクトラム拡散通信同期捕捉回路の、
第一の実施の形態を示すブロック図である。
【図２】本発明スペクトラム拡散通信同期捕捉回路の、
第二の実施の形態を示すブロック図である。
【図３】本発明スペクトラム拡散通信同期捕捉回路の、
第三の実施の形態を示すブロック図である。
【図４】従来のスペクトラム拡散通信同期捕捉回路の基
本構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
１ 局部発振器 ２ ローパスフィルタ（ＬＰＦ） ３ サンプルホールド回路（Ｓ／Ｈ） ４ 相関器 ５、６、８ シンボル積分器 ７ スロット積分器 １０ パスサーチ部 １１ 周波数オフセット推定部 １２ 復調パス選択部 １３ 復調パス情報 １００、２００、３００ 同期回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 送信データを変調した後に拡散符号を用
    いてスペクトラム拡散して送信されたスペクトラム拡散
    信号を受信信号として受信復調して受信データを再生す
    る際、該拡散符号と同じものを用いて逆拡散した後に復
    調する無線通信装置に設けられるスペクトラム拡散符号
    同期捕捉回路において、 前記スペクトラム拡散信号を受信するアンテナと、 受信した信号をベースバンド信号に変換する信号変換部
    と、前記ベースバンド信号をサンプリングして蓄えて保
    持し、サンプリング信号を出力するサンプルホールド回
    路と、前記サンプリング信号と前記拡散符号による拡散
    信号との相関を取って相関値を得る相関器と、前記相関
    値に対応するシンボルの理論値又は未知シンボルのとき
    の復調後の判定値の何れかに基づいて前記相関値を逆変
    調して複数シンボル加算し、該複数シンボル加算の電力
    を求めて電力値を得るシンボル積分器とからなる同期回
    路と、 前記電力値を複数スロット分加算した電力加算値が大き
    い順に上位から対応するいくつかのパスタイミングを選
    択するパスサーチ部と、 前記パスサーチ部で選択したタイミングとそれに対応す
    る前記電力加算値をもとにして復調用受信タイミングを
    選択する復調パス選択部と、 前記復調パス選択部から得られる復調パス情報を用いて
    前記相関器から得られる相関値の中から有効なパスを選
    択して周波数オフセットを推定する周波数オフセット推
    定部とを備え、 前記シンボル積分器は、前記周波数オフセット推定部で
    推定された周波数オフセットによる位相回転量に基づい
    て前記逆変調されたシンボルの位相を補正しつつ複数シ
    ンボル分加算することを特徴とするスペクトラム拡散通
    信同期捕捉回路。
  2. 【請求項２】 前記スペクトラム拡散信号を受信する複
    数のアンテナを備え、前記復調パス選択部は、各アンテ
    ナ毎に前記パスサーチ部で選択したタイミングとそれに
    対応する前記電力加算値をもとにして復調用受信タイミ
    ングを選択し、前記周波数オフセット部は、前記復調パ
    ス選択部から得られる復調パス情報を用いて前記各相関
    器から得られる相関値の中から有効なパスを選択して前
    記周波数オフセットを推定することを特徴とする請求項
    １記載のスペクトラム拡散通信同期捕捉回路。
  3. 【請求項３】 送信データを変調した後に拡散符号を用
    いてスペクトラム拡散して送信されたスペクトラム拡散
    信号を受信信号として受信復調して受信データを再生す
    る際、該拡散符号と同じものを用いて逆拡散した後に復
    調する無線通信装置に設けられるスペクトラム拡散符号
    同期捕捉回路において、 前記スペクトラム拡散信号を受信するアンテナと、 受信した信号をベースバンド信号に変換する信号変換部
    と、前記ベースバンド信号をサンプリングして蓄えて保
    持し、サンプリング信号を出力するサンプルホールド回
    路と、前記サンプリング信号と前記拡散符号による拡散
    信号との相関を取って相関値を得る相関器と、前記相関
    値に対応するシンボルの理論値又は未知シンボルのとき
    の復調後の判定値の何れかに基づいて前記相関値を逆変
    調して複数シンボル加算し、該複数シンボル加算の電力
    を求めて電力値を得るシンボル積分器とからなる同期回
    路と、 前記シンボル積分器の加算値を複数スロット分加算して
    電力値を求めるスロット積分器と、 前記スロット積分器により複数スロット分加算して求め
    た電力加算値が大きい順に上位から対応するいくつかの
    パスタイミングを選択するパスサーチ部と、 前記パスサーチ部で選択したタイミングとそれに対応す
    る前記電力加算値をもとにして復調用受信タイミングを
    選択する復調パス選択部と、 前記復調パス選択部から得られる復調パス情報を用いて
    前記シンボル積分器から得られる相関値の中から有効な
    パスを選択して前記周波数オフセットを推定する周波数
    オフセット推定部とを備え、 前記スロット積分器は、前記周波数オフセット推定部で
    推定された周波数オフセットによる位相回転量に基づい
    て前記シンボル積分器から入力された加算値の位相を補
    正しつつ複数スロット分加算することを特徴とするスペ
    クトラム拡散通信同期捕捉回路。
  4. 【請求項４】 前記スペクトラム拡散信号を受信する複
    数のアンテナを備え、前記復調パス選択部は、各アンテ
    ナ毎に前記パスサーチ部で選択したタイミングとそれに
    対応する前記電力加算値をもとにして復調用受信タイミ
    ングを選択し、前記周波数オフセット部は、前記復調パ
    ス選択部から得られる復調パス情報を用いて前記シンボ
    ル積分器から得られる相関値の中から有効なパスを選択
    して前記周波数オフセットを推定することを特徴とする
    請求項３記載のスペクトラム拡散通信同期捕捉回路。
  5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載のスペク
    トラム拡散通信同期捕捉回路を有していることを特徴と
    するスペクトラム拡散通信受信装置。
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