JP2002344352A - 受信信号処理方法とその方法を利用可能なマッチトフィルタおよび携帯電話機 - Google Patents
受信信号処理方法とその方法を利用可能なマッチトフィルタおよび携帯電話機Info
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Abstract
定するには時間がかかっていた。 【解決手段】 同期捕捉に用いられるマッチトフィルタ
のシフトレジスタ列200、201、202を分割して
その部分列単位で相関値の計算をする回路構成を備え
た。選択された周波数候補に対して、復調された受信信
号のI−CH信号74とQ−CH信号75とをそれぞれ
のシフトレジスタ列200、201に入力し、参照パタ
ーンとの相関値A1〜A4および相関値B1〜B4を部
分列単位で個別に計算する。その上で個別に計算された
相関値の二乗和により電力を計算し、選択された周波数
候補が中心周波数であるかどうかを判定し、使用されて
いる中心周波数を特定する。
Description
る受信信号処理方法、その方法を利用可能なマッチトフ
ィルタ、およびそのマッチトフィルタを用いた携帯電話
機に関する。
れるIMT−2000において、W−CDMA無線方式
を用いる通信システムの標準規格は3GPP(the 3rd
Generation Partnership Project)で決められた仕様を
もとに、国際標準化機構であるITUで勧告される。
4Mcpsで帯域5MHzの広帯域にスペクトル拡散処
理を行い送信する方式が採用されている。図1に送信電
力のスペクトルを示す。3GPP仕様によれば、基地局
の送信周波数すなわち受信端末側の受信周波数は、21
10MHzから2170MHzと規定されており、中心
周波数については、200kHzのラスターが規定され
ている。つまり中心周波数は200kHzの整数倍であ
り、上記の帯域では300通りの中心周波数がありうる
ことになる。
波数が異なり、いろいろな組み合わせがありうるため、
端末側では3GPPで規定された周波数内で、200k
Hz間隔の周波数スキャンをして使用されている中心周
波数を判定して特定する必要がある。
方法として、帯域5MHzの帯域通過フィルタの受信電
力の測定値を用いる方法がある。この場合、判定方法と
して、測定値と予め設定した閾値とのレベル比較を行
い、閾値を超えた周波数候補を選択し、さらに測定値の
レベルが最大となる周波数を選択するなどが行われる。
帯域フィルタ通過後の受信電力は、たとえば図2のよう
になる。雑音がない場合には、中心周波数が一致した場
合に最大になり、閾値との比較で中心周波数を特定でき
るが、雑音が加わった場合、ばらつきにより必ずしも最
大値を得た周波数が中心周波数であると特定することは
できない。このため複数個の周波数候補を選んだ後に、
さらに受信信号について逆拡散処理を行って受信コード
パワーを測定し、有意の受信コードパワーが検出される
かどうかを判定して、中心周波数を特定することが必要
になる。
数の特定方法では、周波数誤差、すなわち受信端末側の
周波数と基地局側の周波数のずれの影響を受けるため、
中心周波数を特定するのが困難であり、受信端末で周波
数精度の非常に高い水晶振動子を用いるか、非常に細か
な周波数スキャンを繰り返す必要があり、端末装置が高
価になるか、処理時間が長くかかるという問題が生じ
る。
のであり、その目的は、無線通信における中心周波数を
効率よくかつ高い精度で特定することのできる受信信号
処理方法、その方法を利用したマッチトフィルタ、およ
びそのマッチトフィルタを用いた携帯電話機を提供する
ことにある。
信信号処理方法に関する。この方法は、マッチトフィル
タを用いた受信信号処理において、有意な通信を確立す
るためになされる複数の前処理の工程において前記マッ
チトフィルタを共用し、かつそれらの前処理で異なる相
関演算を実行せしめる。「有意な通信を確立する」と
は、たとえば無線通信において使用されている中心周波
数が特定され、PN信号の初期同期(同期捕捉ともい
う)がなされた状態である。この例において、「複数の
前処理」は、中心周波数の探索処理と初期同期処理を含
む。「相関演算」は、たとえばマッチトフィルタのシフ
トレジスタ列に入力される受信信号と受信端末側のPN
系列(参照パターンともいう)との相関を計算すること
である。
関する。この方法は、マッチトフィルタを用いた受信信
号処理において、前記マッチトフィルタを第1のモード
に設定し、相関演算により中心周波数を探索する工程
と、前記マッチトフィルタを第2のモードに設定し、第
1のモードとは異なる相関演算によって初期同期処理を
行う工程とを含む。
マッチトフィルタのシフトレジスタ列の全体を均等に利
用する演算であり、前記第1のモードにおける相関演算
は前記シフトレジスタ列を分割した上でその部分列を個
別に利用する演算であってもよい。第2のモードにおけ
る相関演算は、第1のモードで得られた部分列単位の相
関をベクトル加算することによって結果的にシフトレジ
スタ列全体の相関を求める演算であってもよい。
関する。このマッチトフィルタは、通信を確立するため
の初期同期処理を行うマッチトフィルタであり、シフト
レジスタを分割した上でその部分列に対して前記初期同
期処理とは異なる相関演算をなして中心周波数の探索を
行う。
関する。このマッチトフィルタは、入力信号が与えられ
るシフトレジスタ列と、前記シフトレジスタ列を分割し
てその部分列単位で参照パターンとの相関を算出する相
関算出部と、周波数探索モードと初期同期処理モードを
切り替えて、前記部分列単位の相関を異なる演算で統合
して出力値を算出するモード切替出力部とを含む。
モードでは、各部分列単位の相関値を個別に算出してか
ら、それらの相関値を統合して出力値を得、前記初期同
期処理モードでは、すべての部分列単位の相関を先に加
算することにより前記シフトレジスタ列全体の相関値を
算出して出力値を得てもよい。
関する。この携帯電話機は、周波数探索モードと初期同
期処理モードとを切り替えて異なる相関演算を行うマッ
チトフィルタを含み、受信信号の復調処理を行う受信部
と、送信信号の変調処理を行う送信部と、前記受信部お
よび前記送信部を制御する制御部とを含む。
せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、
コンピュータプログラムなどの間で変換したものもま
た、本発明の態様として有効である。
を特定するために考えられる一般的な構成をまず説明
し、その後、その改良技術を説明する。
捉ともいう)用に基地局から同期チャネル信号SCH
(Synchronization Channel)が送信されている。この
SCHは256チップパターンで構成され無線通信シス
テム全体に共通のパターンである。したがって受信端末
側では、マッチトフィルタ(Matched Filter)を用いて
受信信号とこの256チップのSCHパターンとの相関
値を求めることにより、受信コードパワーを測定するこ
とができる。図3にマッチトフィルタの概念図を示す。
QPSK(Quadrature PSK)の復調後のI−CH信号7
4とQ−CH信号75は、それぞれI−CH用シフトレ
ジスタ列200とQ−CH用シフトレジスタ列201に
入力され、参照パターン用シフトレジスタ列202に格
納されたSCHパターン(以下参照パターンともいう)
との相関値が計算される。I−CH用シフトレジスタ列
200の第k番目の値をak、Q−CH用シフトレジス
タ列201の第k番目の値をbk、参照パターン用シフ
トレジスタ列202の第k番目の値をckとする。I−
CH信号74と参照パターンとの相関値A、Q−CH信
号75と参照パターンとの相関値BはそれぞれA=Σa
k×ck、B=Σbk×ck(ただしΣはk=1〜Lに
ついての和)と計算され、これらの相関値の二乗和を求
めて受信コードパワーP=|A|2+|B|2が測定さ
れる。
数誤差、すなわち基地局からの送信周波数と受信端末側
の周波数の差の影響を考える。周波数誤差をΔfとする
と、基地局から送信される信号が受信端末の拡散コード
と一致したときのI−CH信号、Q−CH信号の各相関
値Gi、Gqは、ビット区間をTとすると、
位相回転する。位相回転量αは時刻をtとして、α=2
πΔftであらわされる。またθは相関演算開始時(t
=0)の位相である。このようにGi、Gqの値はt=
0からt=Tまでの離散値の総和で求まるが、相関をと
るチップ数が大きいとすると、この総和を積分に置き換
えて計算することもできる。簡単な積分計算により、相
関値GiとGqの二乗和すなわち受信コードパワーR
は、
T)} と求まる。ここでT期間の位相回転量2πΔfTをβと
おくと、
はT2であり、これをR0とおく。β=π/4のときR
=0.97R0、β=π/2のときR=0.81R0、
β=πのときR=0.4R0となる。
波数誤差が1ppmでチップ速度が3.84Mcps、
相関演算期間Tが256チップのときは、β=2π・2
000Hz・(1/3.84)・10−6・256=約
π/4となる。よって、T=256チップの場合、周波
数誤差が2ppmなら位相回転量はπ/2となり、相関
値Rは約0.8に低減することがわかる。さらなる周波
数誤差の増大に対して、相関値Rはさらに低下する。
り、中心周波数に一致した場合と、200kHz以上周
波数がずれた場合とを区別することができるが、PLL
設定により中心周波数が一致した場合でも、受信端末で
用いるVTCXO(電圧制御水晶振動子)の周波数誤差
がたとえば5ppm以上であると、受信コードパワーが
小さくなり、周波数を特定できない場合が生じる。
PLLによって候補となる中心周波数に設定し、さらに
VTCXOの電圧を変えて、周波数をたとえば1ppm
間隔でスキャンしながら、上述のように受信コードパワ
ーを測定して、閾値との比較判定、最大値判定を行って
中心周波数の特定ならびにVTCXOの周波数調整を行
う方法がある。
帯域60MHzで中心周波数のラスターが200kHz
の場合、300通りの周波数をスキャンし、閾値を超え
る条件を満たす周波数候補を選択する。仮に10候補の
周波数が選択されたとする。(2)PLLにより、選択
された周波数候補の周波数に順次設定する。(3)
(2)で設定された周波数に対して、VTCXOの電圧
を変えて、たとえば1ppm間隔で−5ppm〜5pp
mの範囲をスキャンし、11通りの受信コードパワーを
測定する。
110通りの受信コードパワーの測定が必要となる。1
回の受信コードパワー測定の処理時間として、雑音や干
渉に対する耐性を高めるため、たとえば1無線フレーム
期間すなわち15スロットの相関値の累計もしくは平均
を用いるとすると、10ミリ秒の時間がかかる。したが
って(2)と(3)の処理で約1秒を要する。この方法
は、中心周波数を正確に特定する方法として有効であ
る。しかし、周波数誤差を克服するために、細かく周波
数を調整してスキャンすることが必要になり、中心周波
数を特定するまでの手順が多く、時間がかかるという難
点がある。処理時間を短縮するには、周波数誤差が1p
pm以下のVTCXOを使用する方法もあるが、そのよ
うなVTCXOは非常に高価であり、受信端末のコスト
アップにつながる。そこで本発明者はこれから述べる改
良技術を考案するに至った。
用するものであり、その場合シフトレジスタ列全体を一
列の均等な回路として用いて相関演算を行う。そのた
め、マッチトフィルタを中心周波数の特定に流用する際
にも、前述の一般的な構成のごとく、当然にシフトレジ
スタ列全体を均等に利用して相関演算をするものである
という認識に至りがちである。しかし本発明者は、中心
周波数の探索の際には、このシフトレジスタ列を分割し
て異なる相関演算を行うことにより周波数誤差の影響を
抑えることができ、結果的に中心周波数の探索時間が大
幅に短縮できる点を見いだした。
CXOを使用する場合においても、上記(3)の処理を
しなくても中心周波数を特定することができる。具体的
にはマッチトフィルタで相関値を計算する際、シフトレ
ジスタ列を分割した上でその部分列に対して相関値を個
別に計算することにより、周波数誤差による位相回転の
影響を抑えて相関の評価ができるようにしたものであ
る。
では、マッチトフィルタにおけるSCHの参照パターン
について、256チップのパターンをたとえば4、8、
または16のグループに分割する。このグループの分割
数をNとおく。このグループ毎にI−CH、Q−CH信
号の相関を求め、次に各グループの相関の大きさを合計
する。この相関の大きさは、二乗和でもよく、もしくは
単に絶対値、近似値でもよく、相関の大きさが評価でき
る指標であれば、ベクトル加算でない限り、どんな評価
値を用いてもよい。このようにして得られる各グループ
の相関値の総和に基づいて、中心周波数を判定する。
ップを一つのグループとする場合、周波数誤差が8pp
mであっても、前述の位相回転量βの計算において、β
=2π・16000Hz・(1/3.84)・10−6
・64=約π/2となり、このときの相関値Rは約0.
8が得られる。したがって分割数Nが4であれば、5p
pm程度のVTCXOであれば、(3)のVTCXOの
電圧変化による細かな周波数スキャンをしなくても、中
心周波数の特定が可能となる。また10ppm程度のV
TCXOであれば、分割数Nを8として相関演算すれば
よい。
数が小さい方が周波数誤差の影響が少なくなる。これは
チップ数を小さくして分割した方が、位相回転の影響を
少なくできるからである。一方、初期同期の場合は、周
波数誤差や雑音に対する耐性を高めるため、チップ数を
大きくした方がよい。このことからマッチトフィルタを
利用して周波数サーチと初期同期の両方を行う場合、前
者では相関演算を行うチップ単位数をVTCXOの精度
に合わせて小さくし、後者では相関演算を行うチップ単
位数を最大限大きくするように相関演算の計算モードの
切り替えをすることが好ましいことが認識される。この
ようにモードを切り替えることを可能に構成したマッチ
トフィルタを図4から図6を用いて説明する。
の構成図である。本実施形態のマッチトフィルタとし
て、シフトレジスタ列を4分割して相関計算する場合を
模式的に例示する。マッチトフィルタは周波数サーチ用
と初期同期用の2つのモードを備える。図3の一般的な
構成のマッチトフィルタと同様、I−CH信号74とQ
−CH信号75は、それぞれI−CH用シフトレジスタ
列200とQ−CH用シフトレジスタ列201に入力さ
れるが、改良技術のマッチトフィルタは分割されたグル
ープごとに相関計算を行う点が異なる。
200の各グループ200A〜200Dと、4分割され
た参照パターン用シフトレジスタ列202の各グループ
202A〜202Dとの間のそれぞれの相関値A1〜A
4をグループ単位で計算する。同様にして、Q−CH用
シフトレジスタ列201の各グループ201A〜201
Dと、参照パターン用シフトレジスタ列202の各グル
ープ202A〜202Dとの間のそれぞれの相関値B1
〜B4をグループ単位で計算する。
回路の構成図である。I−CH用シフトレジスタ列20
0の第1グループ200Aの各レジスタの値と、参照パ
ターン用シフトレジスタ列201の第1グループ202
Aの対応する各レジスタの値とは乗算器230によって
掛け合わされ、それぞれの積は加算器240によってト
ーナメント形式で加算されていき、最終的に相関値A1
が出力される。
ようにしてグループ単位で計算された相関値の二乗和を
計算して、受信コードパワーPをP=Σ(|Am|2+
|Bm|2)(ただしΣはm=1〜4についての和)に
より求める。初期同期用の第2のモードでは、相関値A
1〜A4およびB1〜B4の計算については、第1のモ
ードと同じである。第2のモードでは受信コードパワー
PをP=|ΣAm|2+|ΣBm|2により求める。す
なわちグループ単位で計算された相関を先に加算してか
ら、その二乗和を計算して受信コードパワーを求める。
は、図3の一般的な構成のマッチトフィルタで得られる
受信コードパワーP=|A|2+|B|2と計算上は同
じ値になる。第2のモードにおける相関演算は、実質的
にはシフトレジスタ列全体を均等に利用する相関演算と
変わりないが、改良技術におけるマッチトフィルタはシ
フトレジスタ列の部分列単位の相関が得られるように回
路が構成されているため、その回路構成を流用し、得ら
れる部分列単位の相関をベクトル加算してシフトレジス
タ列全体の相関を求めるようにしている。
する回路の構成図である。相関値A1〜A4および相関
値B1〜B4は、選択回路250に入力される。選択回
路250は、周波数サーチ用の第1のモード254また
は初期同期用の第2のモード256のいずれかを選択し
て出力先を切り替える。
第1グループの相関値A1とB1は二乗和演算器260
に与えられ、|A1|2+|B1|2が計算される。同
様にして他のグループの相関値の二乗和が計算され、加
算器240によりすべてのグループの相関値の二乗和が
加算され、選択回路252を経由して最終的な電力Σ
(|Am|2+|Bm|2)が出力される。
する。この場合、相関値A1〜A4の総和が加算器24
0によって計算され、二乗和演算器262の入力端子に
与えられる。また同様に相関値B1〜B4が加算され
て、二乗和演算器262の他方の入力端子に与えられ
る。したがってこの二乗和演算器262は、|ΣAm|
2+|ΣBm|2を出力し、選択回路252を経由して
最終的な電力として出力される。
えたことにより、同一構成のマッチトフィルタから分割
されたシフトレジスタの各グループの相関値を得て、単
にモードを切り替えるだけで周波数サーチ用の相関計算
と初期同期用の相関計算の両方を行うことができる。
数サーチにおいては、第1のモードによる電力計算を行
い、VTCXOの周波数誤差が比較的大きい場合でも、
出力レベルを確保し、次に初期同期処理に移行するとき
は、第2のモードに設定変更し、後述のVTCXOの周
波数制御やパスサーチによる逆拡散タイミングの検出な
ど、一連の処理を行う。
ィルタを用いた受信系回路100の構成図である。アン
テナ10から受信した2GHz帯の高周波受信信号70
はデュプレクサ12を経由して、受信アンプ14で増幅
され、ミキサ16により中間周波数(IF)信号72に
周波数変換される。このIF信号72は帯域5MHzの
帯域通過フィルタ18を通過後、QPSK復調部20で
直交復調され、I−CH信号74およびQ−CH信号7
5に分離され出力される。
に供給するローカル周波数信号80を生成する。周波数
設定部40は指定すべき周波数に基づきPLL設定値7
8をPLLシンセサイザ部38に与え、周波数を制御す
る。PLLシンセサイザ部38のPLL制御のための基
準クロックはVTCXO36から供給される。ここでロ
ーカル周波数の値をLF、受信周波数の値をRF、IF
周波数の値をIFとおくと、LF=RF−IFもしくは
LF=RF+IFの関係がある。
H信号74およびQ−CH信号75から電力を測定す
る。周波数サーチ制御部50は、周波数候補選択部26
と中心周波数特定部28を含む。周波数候補選択部26
は、受信電力測定部22により測定された電力の測定値
と所定の閾値との比較を行い、閾値を超える周波数を選
択し、周波数候補として記憶する。
された周波数を順次選択して、周波数設定部40を経由
して周波数を設定する。中心周波数特定部28は、周波
数候補選択部26により順次設定される周波数候補ごと
に、マッチトフィルタ24から得られる相関値と所定の
閾値とを比較して、在圏セルで使用されている中心周波
数かどうかを判定し、閾値を超えた周波数候補を中心周
波数として特定する。中心周波数特定部28が中心周波
数特定の処理を行う間、マッチトフィルタ24における
相関値演算は周波数サーチ用の第1のモードに設定され
る。
数制御)部30とパスサーチ部32を含む。マッチトフ
ィルタ24は初期同期処理用の第2のモードに切り替え
られ、AFC部30は、マッチトフィルタ24の出力値
を用いてAFC第1ステップの処理を行う。AFC部3
0は、このAFC第1ステップにおいて、VTCXO3
6の電圧を制御し、VTCXO36の出力クロック周波
数を変化させ、ローカル周波数信号80を変化させる。
具体的にはVTCXO36のクロック周波数を1ppm
間隔で順次変化させ、そのときのマッチトフィルタ24
の出力が最大となる周波数の条件を検出し、VTCXO
36の周波数をこの周波数の条件となるように設定す
る。AFC部30は、第1ステップの後、順次、精度の
高い周波数制御のステップに移行し、VTCXO36の
周波数誤差が最終的に0.1ppm以内に収束するよう
に制御する。またこれと並行してパスサーチ部32はマ
ッチトフィルタ24の出力値に基づいてパスサーチを行
い、相関値の大きい複数のパスを検出し、逆拡散処理の
ための同期タイミング82を検出する。シンボル復調部
34は、パスサーチ部32から供給される同期タイミン
グ82に同期して、QPSK復調部20からのI−CH
信号74およびQ−CH信号75に対して逆拡散処理を
行い、シンボルを再生し、復調データ84を出力する。
帯電話の構成図である。受信系回路100が出力する復
調データ84は制御部120に入力され、データ種別に
より所定の処理が施されてスピーカ130またはLCD
140に出力される。入力部150はキーパッドなどに
よりユーザが入力するデータを受けつけ、制御部120
に供給する。マイク160はユーザの音声を捉えて制御
部120に供給する。入力されたデータは所定の処理が
施されて送信データとして送信系回路110に供給され
る。送信系回路110は送信データを変調、増幅して高
周波送信信号71を出力する。高周波送信信号71はデ
ュプレクサ12およびアンテナ10を経由して基地局に
送信される。
0における信号処理手順のフローチャートである。周波
数候補選択部26は、規定された中心周波数のラスター
の間隔で帯域内の周波数を順次スキャンし、受信電力測
定部22はQPSK復調部20による直交復調された受
信信号について電力を測定する(S10)。周波数候補
選択部26は、測定された電力と所定の閾値を比較し
て、閾値を超えた場合にその周波数を周波数候補として
記憶する(S12)。
モードに設定される(S14)。周波数候補選択部26
は記憶された周波数候補を順次設定し、マッチトフィル
タ24は、各周波数候補について、分割されたシフトレ
ジスタのグループ単位で相関値を算出し(S16)、さ
らに各グループの相関値の二乗和を算出して電力を求
め、中心周波数特定部28に与える(S18)。中心周
波数特定部28は得られた電力と所定の閾値とを比較し
て、周波数候補が中心周波数かどうかを判定し、最終的
に中心周波数を特定する(S20)。
ドに設定される(S22)。マッチトフィルタ24は分
割されたシフトレジスタのグループ単位で得られる相関
値を先に加算した上で、シフトレジスタ全体の相関を算
出して電力を求める(S24およびS26)。このよう
にして得られるマッチトフィルタ24の電力値を用いて
AFC部30による自動周波数制御(S28)とパスサ
ーチ部32による同期タイミング検出(S30)がなさ
れ、検出された同期タイミングに基づいてシンボル復調
部34により受信信号の逆拡散処理がなされる(S3
2)。
良技術では、マッチトフィルタの相関演算の方法を工夫
し、初期同期における周波数制御やパスサーチ処理にお
いては、相関演算のチップ単位数を大きくとり、周波数
誤差や雑音、干渉に対する耐性を高める一方、周波数サ
ーチの処理においては、相関演算のチップ単位数を小さ
くして、周波数誤差による位相回転が累積しないように
した。これにより周波数サーチの処理においては雑音や
干渉に対する耐性が劣化するものの、中心周波数を特定
する目的のためには十分であり、むしろ周波数誤差によ
る影響を抑えることによる大きな効果が得られる。これ
により、周波数サーチの所要時間を大幅に短縮でき、ま
た周波数精度の低いVTCXOでも高い精度で中心周波
数を特定できるため、安価で高速な受信系回路を実現で
きる。また従来のマッチトフィルタと比較しても、回路
構成は簡易であり、追加する回路規模は大きくないとい
う利点がある。
た。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素
や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可
能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあるこ
とは当業者に理解されるところである。
分割したシフトレジスタの部分列単位で相関が計算でき
るように回路を構成し、周波数サーチと初期同期処理の
両方のモードで同一の回路構成を共用するようにした
が、マッチトフィルタの構成はこれに限られない。初期
同期処理についてはシフトレジスタ全体の相関を計算す
るように別途回路を設けてもかまわない。また相関演算
の処理は、回路で実現されるとは限られず、ソフトウエ
ア的に実現されてもよい。マッチトフィルタの処理機能
に限らず、本実施形態の周波数サーチや初期同期処理な
どの受信信号処理はハードウエアのみ、ソフトウエアの
み、またはそれらの組み合わせによって多種多様の形で
実現できることは当業者には理解されるところである。
また周波数サーチや初期同期処理に用いられる相関計算
や電力計算は上記の評価尺度に限られず、いろいろな評
価尺度を用いることが可能である。
かる時間を大幅に削減することができる。
す図である。
ルを示す図である。
タの構成図である。
相関値計算回路の構成図である。
替えによる相関出力回路の構成図である。
の構成図である。
ある。
チャートである。
26 周波数候補選択部、 28 中心周波数特定部、
74 I−CH信号、 75 Q−CH信号、 20
0 I−CH用シフトレジスタ列、 201 Q−CH
用シフトレジスタ列。
Claims (7)
- 【請求項1】 マッチトフィルタを用いた受信信号処理
において、有意な通信を確立するためになされる複数の
前処理の工程において前記マッチトフィルタを共用し、
かつそれらの前処理で異なる相関演算を実行せしめるこ
とを特徴とする受信信号処理方法。 - 【請求項2】 マッチトフィルタを用いた受信信号処理
において、前記マッチトフィルタを第1のモードに設定
し、相関演算により中心周波数を探索する工程と、 前記マッチトフィルタを第2のモードに設定し、第1の
モードとは異なる相関演算によって初期同期処理を行う
工程とを含むことを特徴とする受信信号処理方法。 - 【請求項3】 前記第2のモードにおける相関演算は前
記マッチトフィルタのシフトレジスタ列の全体を均等に
利用する演算であり、前記第1のモードにおける相関演
算は前記シフトレジスタ列を分割した上でその部分列を
個別に利用する演算であることを特徴とする請求項2に
記載の受信信号処理方法。 - 【請求項4】 通信を確立するための初期同期処理を行
うマッチトフィルタにおいて、シフトレジスタを分割し
た上でその部分列に対して前記初期同期処理とは異なる
相関演算をなして中心周波数の探索を行うことを特徴と
するマッチトフィルタ。 - 【請求項5】 受信信号が入力されるシフトレジスタ列
と、 前記シフトレジスタ列を分割してその部分列単位で参照
パターンとの相関を算出する相関算出部と、 周波数探索モードと初期同期処理モードを切り替えて、
前記部分列単位の相関を異なる演算で統合して出力値を
算出するモード切替出力部とを含むことを特徴とするマ
ッチトフィルタ。 - 【請求項6】 前記モード切替出力部は、前記周波数探
索モードでは、各部分列単位の相関値を個別に算出して
から、それらの相関値を統合して出力値を得、前記初期
同期処理モードでは、すべての部分列単位の相関を先に
加算することにより前記シフトレジスタ列全体の相関値
を算出して出力値を得ることを特徴とする請求項5に記
載のマッチトフィルタ。 - 【請求項7】 周波数探索モードと初期同期処理モード
とを切り替えて異なる相関演算を行うマッチトフィルタ
を含み、受信信号の復調処理を行う受信部と、 送信信号の変調処理を行う送信部と、 前記受信部および前記送信部を制御する制御部とを含む
ことを特徴とする携帯電話機。
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