JPH0675206B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0675206B2
JPH0675206B2 JP61172581A JP17258186A JPH0675206B2 JP H0675206 B2 JPH0675206 B2 JP H0675206B2 JP 61172581 A JP61172581 A JP 61172581A JP 17258186 A JP17258186 A JP 17258186A JP H0675206 B2 JPH0675206 B2 JP H0675206B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは改善された
電子写真特性を与える低分子の有機光導電体を有する電
子写真感光体に関するものである。
〔従来技術〕
従来ポリビニルカルバゾールをはじめとする各種の有機
光導電性ポリマーが提案されて来たが、これらのポリマ
ーは、無機系光導電材料に較べ成膜性、軽量性などの点
で優れているにもかかわらず今日までその実用化が困難
であったのは、未だ十分な成膜性が得られておらず、ま
た感度、耐久性および環境変化による安定性の点で無機
系光導電材料に較べ劣っているためであった。また、米
国特許第4150987号公報などに開示のヒドラゾン化合
物、米国特許第3837851号公報などに記載のトリアリー
ルピラゾリン化合物、特開昭51−94828号公報、特開昭5
1−94829号公報などに記載の9−スチリルアントラセン
化合物などの低分子の有機光導電体が提案されている。
この様な低分子の有機光導電体は、使用するバインダー
を適当に選択することによって、有機光導電性ポリマー
の分野で問題となっていた成膜性の欠点を解消できる様
になったが、感度の点で十分なものとは言えない。
このようなことから、近年感光層を電荷発生層と電荷輸
送層に機能分離させた積層構造体が提案された。この積
層構造を感光層とした電子写真感光体は、可視光に対す
る感度、電荷保持力、表面強度などの点で改善できる様
になった。この様な電子写真感光体は、例えば米国特許
第3837851号、同第3871882号公報などに開示されてい
る。
しかし、従来の低分子の有機光導電体を電荷輸送層に用
いた電子写真感光体では、感度、特性が必ずしも十分で
なく、特に繰り返し帯電および露光を行なった際には明
部電位と暗部電位の変動が大きくかつ高速適応性が不十
分等改善すべき点がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は前述の欠点又は不利を解消した電子写真
感光体を提供することにある。
本発明の別の目的は、新規な有機光導電体を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、電荷発生層と電荷輸送層に機能分
離した積層型感光層における新規な電荷輸送物質を提供
することにある。
本発明の4番目の目的は高速適応性に優れた有機光導電
体を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のかかる目的は、下記一般式で示される長共役系
化合物を含有する層を有する電子写真感光体によって達
成される。
一般式 式中Ar1,Ar2,Ar5及びAr6は置換基を有してもよいフエ
ニル、ナフチル、アンスリル、ビフエニル等のアリール
基、ピリシール、キノリル、カルバゾリル、縮合ベンゼ
ン環を有してもよいチエニル、ピロリル、オキサゾリ
ル、イミダゾリル、トリアゾリル等の複素環基を示しAr
3及びAr4は置換基を有しても良いフエニレン、ビフエニ
レン、ナフチレン、アントリレン、ピリシーンジイル、 等の2価の有機基(ここでRはニトロソ基、メチル,エ
チル,プロピル,ブチル等のアルキル基、前述の如きア
リール基を示す)を示すAr1,Ar2,Ar3,Ar4,Ar5及びA
r6に用いられる置換基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、フエニルオキシ等のアルコキシ基、フツ素、
塩素、臭素、よう素等のハロゲン原子、ニトロ基、シア
ノ基又はトリフルオロメチル基等が挙げられる。R1
R2,R3は上記のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、及び又は水素原子、置換基を有してもよいフエニ
ル、ナフチル、アンスリル、ビフエニル等のアリール
基、ベンジール、フエネチル、ナフチルメチル等のアラ
ルキル基を表わす。アリール基、アラルキル基に用いて
も良い置換基はAr1,Ar2,Ar3,Ar4,Ar5,Ar6にして例
示したもので良い。
本発明による化合物は共役鎖で繋った芳香環が多数存在
し、かつ電荷の流れがAr1,Ar2置換のアミノ基からA
r5,Ar6のα−フエニルスチリル構造に向かっていると
思われるところから、電荷輸送材としてキヤリアの搬送
能力(モビリテイー)が極めて高くなっていることが大
きく関与していることは間違いない。そして本発明にな
る化合物は非常に高いモビリテイーを有している。
以下に一般式で示す化合物についての代表例を挙げる。
化合物例 本発明で用いられる前記一般式(I)で示される化合物
は、下記一般式(II) (式中Yは (ここで はハロゲンイオンを示す)で表されるトリフェニルホス
ホニウム基又はPO(OR)2(ここでRは低級アルキル基
を示す)で表されるジアルキル亜燐酸基であり、Ar5
びAr6は一般式(I)において用いた記号に等しい。) で表される1,1−ジフエニル誘導体と下記一般式(III) (式中Ar1,Ar2,Ar3,Ar4,R1,R2及びR3は一般式
(I)において用いた記号に等しい。) で表されるカルボニル化合物とを反応させることにより
得ることができる。
本発明の好ましい具体的例では、感光層を電荷発生層と
電荷輸送層に機能分離した電子写真感光体の電荷輸送物
質に前記一般式で示される化合物を用いることができ
る。
本発明による電荷輸送層は、前記の一般式で示される化
合物と結着剤とを適当な溶剤に溶解せしめた溶液を塗布
し、乾燥せしめることにより形成させることが好まし
い。ここに用いる結着剤としては、例えばポリアリレー
ト樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フエノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリウレタンあるいはこれらの樹脂の繰り返し単
位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂例えばスチレン−
ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコ
ポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマーなどを挙げ
ることができる。また、この様な絶縁性ポリマーの他
に、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン
やポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーも使用
できる。
この結着剤と長共役系化合物との配合割合は、結着剤10
0重量部当り長共役系化合物を10〜500重量とすることが
好ましい。
電荷輸送層は、下述の電荷発生層と電気的に接続されて
おり、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キ
ヤリアを受け取ると共に、これらの電荷キヤリアを表面
まで輸送できる機能を有している。この際、この電荷輸
送層は、電荷発生層の上に積層されていてもよく、又そ
の下に積層されていてもよい。しかし、電荷輸送層は、
電荷発生層の上に積層されている事が望ましい。この電
荷輸送層は、電荷キヤリアを輸送できる限界があるの
で、必要以上に膜厚を厚くする事ができない。一般的に
は、5ミクロン〜30ミクロンであるが、好ましい範囲は
8ミクロン〜20ミクロンである。
本発明の電荷輸送層には、種々の添加剤を含有させるこ
とができる。かかる添加剤としては、ジフエニル、塩化
ジフエニル、o−ターフエニル、p−ターフエニル、ジ
ブチルフタレート、ジメチルグリコールフタレート、ジ
オクチルフタレート、トリフエニル燐酸、メチルナフタ
リン、ベンゾフエノン、塩素化パラフイン、ジラウリル
チオプロピオネート、3,5−ジニトロサリチル酸、各種
フルオロカーボン類などを挙げる事ができる。
本発明で用いる電荷発生層は、セレン、セレン−テル
ル、ピリリウム、チオピリリウム、アズレニウム系染
料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン顔料、ジ
ベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスア
ゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナ
クリドン系顔料、チアシアニン、非対称キノシアニン、
キノシアニンあるいは特開昭54−143645号公報に記載の
アモルフアスシリコンなどの電荷発生物質から選ばれた
別個の蒸着層あるいは樹脂分散層を用いることができ
る。
本発明の電子写真感光体に用いる電荷発生物質は、例え
ば下記に示す無機化合物あるいは有機化合物を挙げるこ
とができる。
電荷発生物質 (1)アモルフアスシリコン (2)セレン−テルル (3)セレン−ヒ素 (4)硫化カドミウム (58)スクエアリツク酸メチン染料 (59)インジゴ染料(C.I.No.78000) (60)チオインジゴ染料(C.I.No.78800) (61)β−型銅フタロシアニン 電荷発生層は、前述の電荷発生物質を適当な結着剤に分
散させ、これを基体の上に塗工することによって形成で
き、また真空蒸着装置により蒸着膜を形成することによ
って得ることができる。電荷発生層を塗工によって形成
する際に用いうる結着剤としては広範な絶縁性樹脂から
選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルアントラセンやポリビニルピレンなどの有機光導
電性ポリマーから選択できる。好ましくは、ポリビニル
ブチラール、ポリアリレート(ビスフエノールAとフタ
ル酸の縮重合体など)、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、フエノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド、ポリビニルピリ
ジン、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどの絶縁性樹脂を挙げることができる。電荷発
生層中に含有する樹脂は、80重量%以下、好ましくは40
重量%以下が適している。
電荷発生層は、十分な吸光度を得るために、できる限り
多くの前記有機光導電体を含有し、且つ発生した電荷キ
ヤリアの飛程を短かくするために、薄膜層、例えば5ミ
クロン以下、好ましくは0.01ミクロン〜1ミクロンの膜
厚をもつ薄膜層とする事が好ましい。このことは、入射
光量の大部分が電荷発生層で吸収されて、多くの電荷キ
ヤリアを生成すること、さらに発生した電荷キヤリアを
再結合や捕獲(トラツプ)により失活することなく電荷
輸送層に注入する必要があることに帰因している。
この様な電荷発生層と電荷輸送層の積層構造からなる感
光層は、導電層を有する基体の上に設けられる。導電層
を有する基体としては、基体自体が導電性をもつもの、
例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ス
テンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、
ニツケル、インジウム、金や白金などを用いることがで
き、その他にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化イ
ンジウム、酸化錫、酸化インジウム−酸化錫合金などを
真空蒸着法によって被膜形成された層を有するプラスチ
ツク(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹
脂、ポリフツ化エチレンンなど)、導電性粒子(例え
ば、アルミニウム粉末、酸化チタン、酸化錫、酸化亜
鉛、カーボンブラツク、銀粒子など)を適当なバインダ
ーとともにプラスチツク又は前記導電性基体の上に被覆
した基体、導電性粒子をプラスチツクや紙に含浸した基
体や導電性ポリマーを有するプラスチツクなどを用いる
ことができる。
導電層と感光層の中間に、バリヤー機能と接着機能をも
つ下引層を設けることもできる。下引層は、カゼイン、
ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−
アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメ
チル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチン、酸化
アルミニウムなどによって形成できる。
下引層の膜厚は0.1ミクロン〜5ミクロン、好ましく
は、0.5ミクロン〜3ミクロンが適当である。
導電層、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した感光体
を使用する場合において、化合物は正孔輸送性であるの
で、電荷輸送層表面を負に帯電する必要があり、帯電後
露光すると露光部では電荷発生層において生成した正孔
が電荷輸送層に注入され、その後表面に達して負電荷を
中和し、表面電位の減衰が生じ未露光部との間に静電コ
ントラストが生じる。現像時には電子輸送物質を用いた
場合とは逆に正電荷性トナーを用いる必要がある。
本発明の別の具体例では、前述のジスアゾ顔料あるい
は、米国特許第3554745号、同第3567438号、同第358650
0号公報などに開示のピリリウム染料、チアピリリウム
染料、セレナピリリウム染料、ベンゾピリリウム染料、
ベンゾチアピリリウム染料、ナフトピリリウム染料、ナ
フトチアピリリウム染料などの光導電性を有する顔料や
染料を増感剤としても用いることができる。
また、別の具体例では、米国特許第3684502号公報など
に開示のピリリウム染料とアルキリデンジアリーレン部
分を有する電気絶縁重合体との共晶錯体を増感剤として
用いることもできる。この共晶錯体は、例えば4−〔4
−ビス−(2−クロロエチル)アミノフエニル〕−2,6
−ジフエニルチアピリリウムパークロレートとポリ(4,
4′−イソプロピリデンジフエニレンカーボネート)を
ハロゲン化炭化水素系溶剤(例えば、ジクロルメタン、
クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロルエタン、1,2
−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、クロル
ベンゼン、ブロモベンゼン、1,2−ジクロルベンゼン)
に溶解した後、これに非極性溶剤(例えば、ヘキサン、
オクタン、デカン、2,2,4−トリメチルベンゼン、リグ
ロインを加えることによって粒子状共晶錯体として得ら
れる。この具体例における電子写真感光体には、スチレ
ン−ブタジエンコポリマー、シリコン樹脂、ビニル樹
脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリマー、ス
チレン−アクリロニトリルコポリマー、ビニルアセテー
ト−塩化ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、ポ
リメチルメタクリレート、ポリ−N−ブチルメタクリレ
ート、ポリエステル類、セルロースエステル類などを結
着剤として含有することができる。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機に利用する
のみならず、レーザープリンター、CRTプリンター、LED
プリンター、電子写真式製版システムなどの電子写真応
用分野にも広く用いることができる。
[発明の効果] 本発明によれば、高感度の電子写真感光体を与えること
ができ、また繰り返し帯電および露光を行なった時の明
部電位と暗部電位の変動が小さく、かつキヤリアの導電
性(モビリテイー)が大きいため、高速適応性にすぐれ
ているという利点を有している。
以下、本発明を実施例に従って説明する。
実施例1 東洋インキ製造(株)製のβ型銅フタロシアニン(商品
名Lionol Blue NCB Toner)を水、エタノールおよびベ
ンゼン中で順次還流後、濾過して精製した顔料7g;デユ
ポン社製の「商品名:ポリエステルアドヒーシブ49,000
(固形分20%)」14g;トルエン35g;ジオキサン35gを混
合し、ボールミルで6時間分散することによって塗工液
を調製した。この塗工液をアルミニウムシート上に乾燥
膜厚が0.5ミクロンとなる様にマイヤーバーで塗布して
電荷発生層を作成した。
次に、電荷輸送化合物として前記例示化合物HM−2を7g
とポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製の商品名
「パンライトK−1300」)7gとをテトラヒドロフラン35
gとクロロベンゼン35gの混合溶媒中に撹拌溶解させて得
た溶液を先の電荷発生層の上に、マイヤーバーで乾燥膜
厚が16ミクロンとなる様に塗工して、2層構造からなる
感光層をもつ電子写真感光体を作成した。
この様にして作成した電子写真感光体を川口電機(株)
製静電複写紙試験装置Model−SP−428を用いてスタチツ
ク方式で−5KVでコロナ帯電し、暗所で1秒間保持した
後、照度5luxで露光し帯電特性を調べた。
帯電特性としては、表面電位(V0)と1秒間暗減衰させ
た時の電位(V1)を1/2に減衰するに必要な露光量(E1/
2)を測定した。
さらに、繰り返し使用した時の明部電位と暗部電位の変
動を測定するために、本実施例で作成した感光体をキヤ
ノン(株)製PPC複写機NP−150Zの感光ドラム用シリン
ダーに貼り付けて、同機で50000枚複写を行ない、初期
と50000枚複写後の明部電位(VL)及び暗部電位(VD
の変動を測定した。
また前記例示化合物の代りに下記構造式 のスチルベン化合物を用いて全く同様の操作により、比
較試料−1を作成、同様に測定した。
この結果を次に示す。
この結果からは本発明になる化合物と比較例−1の化合
物は優位差が少ないが、常法により(Time of Flight
法)電荷輸送層のモビリテイを測定してみると、キヤノ
ン(株)製複写機NP−3525のモビリテイを1とした場
合、実施例−1はその30倍であるのに対し、比較例−1
は約10倍と本発明の化合物の方が高速適応性において、
優れていることが認められた。
実施例2〜16 この各実施例においては、前記実施例1で用いた電荷輸
送化合物として例示化合物HM−2の代りに例示化合物HM
−1,HM−6,HM−8,HM−11,HM−12,HM−19,HM−20,HM23,H
M−29,HM−33,HM−36,HM−38,HM−41,HM−45,HM−49を
用い、かつ電荷発生物質として例示(44)の顔料を用い
たほかは、実施例1と同様の方法によって電子写真感光
体を作成した。
各感光体の電子写真特性を実施例1と同様の方法によっ
て測定した。また、モビリテイμdを測定した(実施例
−1と同じくNP−3525のモビリテイを1として相対数値
をもとめた)。その結果を次に示す。
比較例2〜4 例示化合物HM−1の代りに下記式で示される電荷輸送化
合物を用いたほかは実施例2と同様の方法によって電子
写真感光体を作成し、評価した。その結果を以下に示
す。
比較化合物 実施例17 アルミニウムシリンダー上にカゼインのアンモニア水溶
液(カゼイン11.2g、28%アンモニア水1g、水22.2ml)
を浸漬コーテイング法で塗工し、乾燥して塗工量1.0g/m
2の下引層を形成した。
次に、例示No.81の電荷発生物質1重量部、ブチラール
樹脂(エスレツクBM−2:積水化学(株)製)1重量部と
イソプロピルアルコール30重量部をボールミル分散機で
4時間分散した。この分散液を先に形成した下引層の上
に浸漬コーテイング法で塗工し、乾燥して電荷発生層を
形成した。この時の膜厚は0.3ミクロンであった。
次に、前記例示の長共役系化合物No.HM−31重量部、ポ
リスルホン樹脂(P1700:ユニオンカーバイド社製)1重
量部とモノクロルベンゼン6重量部を混合し、撹拌機で
撹拌溶解した。この液を電荷発生層の上に浸漬コーテイ
ング法で塗工し、乾燥して電荷輸送層を形成した。この
時の膜厚は、18ミクロンであった。
こうして調製した感光体に−5KVのコロナ放電を行なっ
た。この時の表面電位を測定した(初期電位V0)。さら
に、この感光体を5秒間暗所で放置した後の表面電位を
測定した。感度は、暗減衰した後の電位VKを1/2に減衰
するに必要な露光量(E1/2マイクロジユール/cm2)を
測定することによって評価した。この際、光源としてガ
リウム/アルミニウム/ヒ素の三元系半導体レーザー
(出力:5mW、発振波長780nm)を用いた。これらの結果
は、次のとおりであった。
V0 : −680ボルト 電位保持率: 90% E1/2: 0.5マイクロジュール/cm2 次に同上の半導体レーザーを備えた反転現像方式の電子
写真方式プリンターであるレーザービームプリンター
(キヤノン製LBP−CX)に上記感光体をLBP−CXの感光体
に置き換えてセツトし、実際の画像形成テストを行っ
た。条件は以下の通りである。
一次帯電後の表面電位;−700V、像露光後の表面電位;
−150V(露光量1.0μJ/cm2)、転写電位;+700V、現像
剤極性;負極性、プロセススピード;50mm/sec、現像条
件(現像バイアス);−450V、像露光スキヤン方式;イ
メージスキヤン、一次帯電前露光;50lux・secの赤色全
面露光。画像形成はレーザービームを文字信号及び画像
信号に従ってラインスキヤンして行ったが、文字,画像
共に良好なプリントが得られた。
実施例18 4−(4−ジメチルアミノフエニル)−2,6−ジフエニ
ルチアピリリウムパークロレート3gと前記例示長共役化
合物(HM−15)を5gをポリエステル(ポリエステルアド
ヒーシブ49000:デユポン社製)のトルエン(50)−ジオ
キサン(50)溶液100mlに混合し、ボールミルで6時間
分散した。この分散液を乾燥後の膜厚が15ミクロンとな
る様にマイヤーバーでアルミニウムシート上に塗布し
た。
この様にして作成した感光体の電子写真特性を実施例1
と同様の方法で測定した。この結果を次に示す。
V0 :−690ボルト V1 :−680ボルト E1/2: 0.8lux.sec 初期 VD:−690ボルト VL:− 70ボルト 50000枚耐久後 VD:−675ボルト VL:−105ボルト 実施例19 アルミ板上にカゼインのアンモニア水溶液(カゼイン1
1.2g、28%アンモニア水1g、水222ml)をマイヤーバー
で塗布乾燥し、膜厚が1ミクロンの接着層を形成した。
次に上記構造を有するジスアゾ顔料5gと、ブチラール樹
脂(ブチラール化度63モル%)2gをエタノール95mlに溶
かした液と共に分散した後、接着層上に塗工し乾燥後の
膜厚が0.4ミクロンとなる電荷発生層を形成した。
次に、前記例示の長共役化合物(HM−40)を5gとポリ−
4,4′−ジオキシジフエニル−2,2−プロパンカーボネー
ト(粘度平均分子量30000)5gをジクロルメタン150mlに
溶かした液を電荷発生層上に塗布、乾燥し、膜厚が20ミ
クロンの電荷輸送層を形成することによって電子写真感
光体を作成した。
この様にして作成した電子写真感光体の電子写真特性を
実施例1と同様の方法で測定した。
この結果を次に示す。
V0 :−700ボルト V1 :−690ボルト E1/2: 0.9lux.sec 初期 VD:−670ボルト VL:− 80ボルト 50000枚耐久後 VD:−660ボルト VL:−100ボルト この感光体を前述のキヤノン(株)製複写機NP−3525
(毎分25枚複写)を改造して、2倍速度の周速にしたド
ラムに貼付け、光量などの変更なく、絵出しテストを行
なったところ、極めて良好な画質の絵を得た。更に5000
枚コピーを続けたところ、見掛けの画質の劣化は殆ど認
められなかった。
実施例20 表面が清浄にされた0.2mm厚のモリブデン板(基板)を
グロー放電蒸着槽内の所定位置に固定した。次に槽内を
排気し、約5×10-6torrの真空度にした。その後ヒータ
ーの入力電圧を上昇させモリブデン基板温度を150℃に
安定させた。その後水素ガスとシランガス(水素ガスに
対し15容量%)を槽内へ導入しガス流量と蒸着槽メイン
バルブを調整して0.5torrに安定させた。次に誘導コイ
ルに5MHzの高周波電力を投入し槽内のコイル内部にグロ
ー放電を発生させ30Wの入力電力とした。上記条件で基
板上にアモルフアスシリコン膜を生長させ膜厚が2μと
なるまで同条件を保った後グロー放電を中止した。その
後加熱ヒーター、高周波電源をオフ状態とし、基板温度
が100℃になるのを待ってから水素ガス、シランガスの
流出バルブを閉じ、一旦槽内を10-5torr以下にした後大
気圧にもどし基板を取り出した。次いでこのアモルフア
スシリコン層の上に電荷輸送化合物として例示化合物HM
−2を用いる以外は実施例1と全く同様にして電荷輸送
層を形成した。
こうして得られた感光体を帯電露光実験装置に設置し
6KVでコロナ帯電し直ちに光像を照射した。光像はタン
グステンランプ光源を用い透過型のテストチヤートを通
して照射された。その後直ちに荷電性の現像剤(トナ
ーとキヤリヤーを含む)を感光体表面にカスケードする
ことによって感光体表面に良好なトナー画像を得た。
実施例21 4−(4−ジメチルアミノフエニル)−2,6−ジフエニ
ルチアピリリウムパークロレート3gとポリ(4,4′−イ
ソプロピリデンジフエニレンカーボネート)3gをジクロ
ルメタン200mlに十分に溶解した後、トルエン100mlを加
え、共晶錯体を沈殿させた。この沈殿物を瀘別した後、
ジクロルメタンを加えて再溶解し、次いでこの溶液にn
−ヘキサン100mlを加えて共晶錯体の沈殿物を得た。
この共晶錯体5gをポリビニルブチラール2gを含有するメ
タノール溶液95mlに加え、6時間ボールミルで分散し
た。この分散液をカゼイン層を有するアルミ板の上に乾
燥後の膜厚が0.4ミクロンとなる様にマイヤーバーで塗
布して電荷発生層を形成した。
次いで、この電荷発生層の上に例示化合物HM−4を用い
る以外は実施例1と全く同様にして電荷輸送層の被覆層
を形成した。
こうして作成した感光体の電子写真特性を実施例1と同
様の方法によって測定した。この結果を次に示す。
V0 :−695ボルト V1 :−675ボルト E1/2: 0.75lux.sec 初期 VD:−700ボルト VL:− 60ボルト 5000枚耐久後 VD:−680ボルト VL:− 95ボルト 実施例22 実施例21で用いた共晶錯体と同様のもの5gと前記例示の
長共役化合物(HM−50)5gをポリエステル(ポリエステ
ルアドヒージブ49000:デユポン社製)のテトラヒドロフ
ラン液150mlに加えて、十分に混合撹拌した。この液を
アルミニウムシート上にマイヤーバーにより乾燥後の膜
厚が15μとなる様に塗布した。
この感光体の電子写真特性を実施例1と同様の方法で測
定した。この結果を次に示す。
V0 :−685ボルト V1 :−675ボルト E1/2: 1.1lux.sec 初期 VD:−700ボルト VL:− 90ボルト 50000枚耐久後 VD:−690ボルト VL:−120ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/06 Z 9221−2H 318 B 9221−2H 319 9221−2H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式で示される長共役系化合物を
    含有する層を有することを特徴とする電子写真感光体。 (式中、Ar1,Ar2,Ar5およびAr6は置換基を有してもよ
    いアリール基又は置換基を有してもよい複素環基を示
    し、Ar3およびAr4は置換基を有してもよい2価の有機基
    を表し、R1,R2およびR3は水素原子、ハロゲン原子、ア
    ルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、アル
    キル基、アリール基およびアラルキル基は置換基を有し
    ていてもよい。)
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