JPH0673697A - 艶消し塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

艶消し塗被紙及びその製造方法

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JPH0673697A
JPH0673697A JP19135492A JP19135492A JPH0673697A JP H0673697 A JPH0673697 A JP H0673697A JP 19135492 A JP19135492 A JP 19135492A JP 19135492 A JP19135492 A JP 19135492A JP H0673697 A JPH0673697 A JP H0673697A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 艶消塗被紙は、白紙光沢度を低下させる仕様
となっていることから、印刷後の製本工程等で印刷した
インキが接触する白紙部に転移する問題を抱えている。
また通常印刷仕上がり、特にコントラスト性の点で劣
る。以上の問題を解決し、優れた品質の艶消塗被紙の製
造方法を確立する。 【構成】 本発明は、艶消塗被紙の製造に於いて、平均
粒子径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを5
0〜95重量%及びカオリン5〜50重量%を含有する
塗被組成物を原紙に塗被した後、JIS B 0651で定義さ
れる表面粗さ(Rmax)が2〜8μmであるマットロール
により100℃以上の高温で処理し、光沢度(JIS
P-8142 75度白色光沢度)が35%以下であるように
カレンダー仕上げすることにより、高品質の艶消塗被紙
を得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製本工程等で発生する印
刷インキが白紙部に転移する問題を起こさず、且つ印刷
インキの受理性が良く、白紙光沢度が低いにも拘わらず
印刷後の光沢が高くコントラストに富んだ優れた印刷面
を有する艶消し塗被紙及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、艶は無いが表面が平滑でインキ受
理性の優れた艶消し塗被紙のニーズが多くなって来てお
り、主に高級な美術印刷、カタログ、パンフレット、カ
レンダーや商業出版用本文用紙に使用されている。艶消
し塗被紙のうち、マット調と呼ばれる印刷物は白色面、
単色印刷面、多色印刷面何れも光沢が低く、全面がフラ
ットでしっとりとした視感、触感を与える。これに対
し、白紙面の光沢は欲しないが、印刷面だけは或る程度
の光沢が望まれる場合がある。つまり、文字の部分は低
グロスにして読み易くし、画線部は光沢によって引き立
たせることによってコントラストに富んだ印刷物にさせ
たいというニーズである。これにマッチするのがダル調
と呼ばれているものである。ダル調のものはマット調と
グロス調の中間にあり、一般に白紙光沢はマット調より
も若干高く、印刷後の光沢はグロス調のものよりも若干
低い。我が国市場では、マット、ダルの特性差は各銘柄
の特性として認識されているため両者は異なる品種とし
て明確に識別されていない。また、最近ではダル調とグ
ロス調の中間としてセミダル調と呼ばれるものも多く製
品化されている。
【0003】一般にマット調の艶消し塗被紙は、白紙光
沢を低く抑えるために通常のグロス調の塗被紙に比較し
て、より粗い顔料である炭酸カルシウムを多量に含有し
た塗被組成物を各種コータで塗被し、そのまま製品化さ
れるか或いは軽度のカレンダー処理のみで製品化され
る。これ等の艶消し塗被紙は、通常平滑性に劣り、印刷
インキ受理性、印刷後の光沢の点でグロス調塗被紙に比
較して劣っている。またダル調塗被紙と比較するとコン
トラストに劣る印刷仕上がりとなる。
【0004】印刷工程で印刷された紙は、製本工程での
折り機や丁合機で印刷部と白紙部が接触することによ
り、印刷インキが白紙部に転移したり、製本後の積み重
ねで表紙と裏表紙が接触することにより、印刷インキが
白紙面に転移して、印刷物の品質を大きく損ねるという
問題点を抱えているのが現状である。印刷インキが白紙
の部分に転移する主な原因としては、次のようなことが
考えられる。艶消し塗被紙は白紙光沢を抑えるために、
不定形で比較的粗い炭酸カルシウムを多く配合している
ため、印刷部と白紙部が接触した際に、白紙部が印刷イ
ンキを掻き取って了うことが考えられる。また近年印刷
の高速化が図られているため、印刷用紙に対して高いイ
ンキ乾燥性が要求されており、塗被紙がインキビヒクル
を吸収し易い設計、即ち炭酸カルシウムを高配合した設
計になっている。このため印刷したインキの被膜強度が
弱くなり、印刷部と白紙部が接触した際にインキが落ち
易いことが考えられる。艶消し塗被紙は、特に高級な印
刷物に多く用いられていることから、上記の艶消し塗被
紙に特有の、印刷したインキが白紙面に転移する問題を
抱えていると、艶消し塗被紙が高級印刷用紙としての機
能を果たさなくなるのが現状である。
【0005】以上のような製本工程での問題点を解決す
るために、これまで印刷インキ中にワックスを主成分と
する耐摩擦コンパウンド等を添加して印刷面と白紙面の
摩擦を軽減する等の措置が採られているが、問題点を解
決するには至っていない。このような問題点の解決策と
して、本発明者は先きに炭酸カルシウムを50〜80重
量%及びカオリン20〜50重量%を含有する塗被組成
物を原紙に塗被した後、更に100℃以上の高温でソフ
トカレンダー処理することにより、印刷インキの白紙面
への転移を抑制し、且つ平滑性、印刷光沢に優れること
を認めた(特願平3−279908)。
【0006】本発明者等は更に詳細な検討を重ねた結
果、原紙に塗被する塗被液の顔料成分として、平均粒子
径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを50〜
95重量%及びカオリン5〜50重量%を含有する塗被
組成物を原紙に塗被した後、JIS B0651で定義される表
面粗さ(Rmax)が2〜8μmであるマットロールにより
100℃以上の高温で処理し、光沢度(JIS P-8142
75度白色光沢度)が35%以下であるようにカレン
ダー仕上げすることにより、印刷インキの白紙面への転
移を抑制し、且つ白紙光沢度が低くても、平滑度、印刷
光沢が高く、マット調でありながらダル調並以上のより
コントラストに富んだ印刷面が得られることを認めたも
のである。
【0007】塗被紙をマットロールで処理する方法に就
いては特公昭59−53956が既に登録されている
が、これは顔料としてサチンホワイトを使用することを
規定しており、また本発明のような印刷インキの白紙面
への転移の問題を抑制したものではないことから基本的
に本発明と異なる。また特開平1−260094、特開
平2−234993、特開平3−241094、特開平
3−260198に就いても本発明の如く印刷インキの
白紙面への転移の問題を抑制したものではなく、特定条
件の粗面化ロールと弾性ロールを使用することにより、
艶消し塗被紙のインキ平滑性やインキ受理性を改善する
ものであり、これに対し、本発明は特定条件の顔料の使
用と2〜8μmであるマットロールを用い且つ100℃
以上の高温で処理することとを組合せることにより初め
て上述の品質上の効果が得られることを認めたものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
如き艶消し塗被紙の有する難点を解決すべく鋭意検討を
重ねた結果、原紙に塗被する塗被液の顔料成分として、
特定粒子径の重質炭酸カルシウムを50〜95重量%及
びカオリン5〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙
に塗被した後、特定の表面粗さを有するマットロールに
より100℃以上の高温で処理し、光沢度が35%以下
であるようにカレンダー仕上げすることにより、製本工
程及び製本後に印刷インキが白紙面に転移する問題が無
く、且つ白紙光沢度が低くても、平滑度、印刷光沢が高
く、よりコントラストに富んだ印刷面が得られることを
図るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙に塗被す
る塗被液の顔料として、平均粒子径が0.5〜1.5μ
mの重質炭酸カルシウムを50〜95重量%及びカオリ
ン5〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被し
た後、JIS B0651で定義される表面粗さ(Rmax)が2〜
8μmであるマットロールにより100℃以上の高温で
処理し、光沢度(JIS P-8142 75度白色光沢度)
が35%以下であるようにカレンダー仕上げすることを
特徴とする艶消し塗被紙及びその製造方法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。製本工程
等で発生する印刷インキが白紙部に転移する問題は、印
刷部と白紙部が接触した際の、白紙が印刷インキを掻き
取る性質を改善し、また印刷時のインキビヒクルの吸収
を抑制して、印刷インキの被膜強度の低下を防止するこ
と等で解決可能と考えられる。
【0011】粒子径の大きい炭酸カルシウムを高配合し
た塗被組成物を塗被した紙は白紙光沢が低い良好な艶消
し面が得られるが、一方で塗被紙表面での顔料配向性に
劣るため、白紙がインキを掻き取り易く、又平滑性に劣
るため印刷後の光沢も劣る。本発明者等の先願では(特
願平3−279908)このような問題点の解決策とし
て、炭酸カルシウムを50〜80重量%及びカオリン2
0〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被した
後、更に100℃以上の高温でソフトカレンダー処理す
ることにより、印刷インキの白紙面への転移を抑制し、
且つ平滑性、印刷光沢に優れることを認めた。本発明者
等は更に鋭意検討を重ねた結果、原紙に塗被する塗被液
の顔料成分として、平均粒子径が0.5〜1.5μmの
重質炭酸カルシウムを50〜95重量%及びカオリン5
〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被した
後、JIS B0651で定義される表面粗さ(Rmax)が2〜8
μmであるマットロールにより100℃以上の高温で処
理し、光沢度(JIS P-8142 75度白紙光沢度)が
35%以下であるようにカレンダー仕上げすることによ
り初めて印刷インキの白紙面への転移する問題を解決し
た上、更に白紙光沢度が低くても、平滑度、印刷光沢が
高くよりコントラストに富んだ印刷面が得られることを
認めた。
【0012】印刷インキの白紙面への転移を抑制し得る
理由は、高温で処理することにより塗被面の極く表層部
を可塑化させた上でマットロール面を塗被紙の塗被面に
転写することにより、表層部に存在する炭酸カルシウム
がより効率的に配向(圧入)されるため、白紙のインキ
の掻き取り易さを改善し、同時にインキビヒクルの吸収
が抑制されたために印刷したインキの被膜強度の低下が
起こらなかったものと考えられる。しかし予想に反しマ
ットロールの表面粗さが8μmを超える場合にはその効
果が認められなかった。この理由は定かではないが、恐
らくロールの表面粗さが大き過ぎると塗被面の顔料配向
を阻害するものと考えられる。
【0013】また本発明者等の先願のように高温ソフト
カレンダー処理した場合には使用する金属ロールの表面
粗さが2μm以下であるため処理後の塗被紙の白紙光沢
度が35%以上になって了い、結果として印刷後の光沢
と白紙光沢度の差が小さくなりコントラストの点で不充
分な印刷物となる。それに対し表面粗さが2μm以上の
マットロールで高温処理することにより、平滑度は向上
する(高温処理の効果)一方で、マットロールの艶消し
面を塗被紙の極く表面に転写し、白紙光沢度を低下させ
ることが可能となることを認めた。その結果、ソフトカ
レンダー処理の場合と同等の印刷後の光沢を維持したま
ま白紙光沢度が低下するため、コントラストに非常に富
んだ印刷物が得られる。
【0014】100℃以下で処理した場合には塗被紙表
面を可塑化する効果が小さいため、平滑性の向上が少な
い。また、表面粗さ8μm以上のマットロールでは平滑
度の向上幅も小さくなって了うためコントラストに富ん
だ印刷物が得られない。また本発明の艶消し塗被組成物
は平均粒子径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウ
ムを50〜95重量%含有していることが必要である。
平均粒子径が0.5μmに満たない場合には、カレンダ
ー処理後の白紙光沢度の上昇が大きく好ましくない。ま
た平均粒子径が1.5μmを超えるとカレンダー処理後
の平滑度が不充分となり、印刷後の光沢に劣ることを認
めた。次ぎに重質炭酸カルシウムの含有率が50重量%
未満になると、やはりカレンダー処理後の白紙光沢度の
上昇が著しい。又95重量%超では印刷したインキの被
膜強度が劣る。またマットロールの相手ロールとしては
耐熱、耐圧性に優れた特殊樹脂ロールで、硬度は特に規
定するものではないがショアD硬度で80〜90程度が
好ましい。
【0015】本発明に用いられる接着剤としては、スチ
レン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン
・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート
系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合
体及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合
体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の
合成系接着剤、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵
素変性デンプンやそれ等をフラッシュドライして得られ
る冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の天
然系接着剤等の一般に知られた接着剤が挙げられる。こ
れ等の接着剤は顔料100重量部当り5〜50重量部、
より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で使用され
る。また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡
剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合される各種助
剤が適宜使用される。
【0016】斯くして調製された塗被組成物は一般の塗
被紙製造に使用される塗被装置、例えばブレードコー
タ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロール
コータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコ
ータ、グラビアコータ等を用いオンマシン或いはオフマ
シンによって原紙上に1層或いは多層に分けて塗被され
るものである。また原紙としては、一般の印刷用塗被紙
に用いられる坪量30〜400g/m2のペーパーベー
ス或いはボードベースの原紙が用いられる。斯かる原紙
への塗被組成物の塗被量は乾燥重量で10〜50g/m
2程度塗被されるが、得られる白紙品質の面から15〜
25g/m2の範囲で調節されるのが最も好ましい。
【0017】以上、本発明者等は原紙に塗被する塗被液
の顔料成分として、平均粒子径が0.5〜1.5μmの
重質炭酸カルシウムを50〜100重量%及びカオリン
0〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被した
後、JIS B0651で定義される表面粗さ(Rmax)が2〜8
μmであるマットロールにより100℃以上の高温で処
理し、光沢度(JIS P-8142 75度白色光沢度)を
35%以下であるようにカレンダー仕上げすることによ
り、製本工程及び製本後に印刷インキが白紙面に転移す
る問題が無く、且つ白紙光沢度が低くても、平滑度、印
刷光沢が高く、よりコントラストに富んだ印刷面が得ら
れることを認めた。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を示す。原紙に塗被する塗被
組成物の顔料成分100重量部に対し、平均粒径が0.
5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを50〜100重
量%及びカオリン(エンゲルハード(株)製、商品名ウル
トラホワイト90)を0〜50重量%、接着剤として酸
化デンプン(王子コーンスターチ(株)製、商品名王子エ
ースB)6重量部と合成接着剤(旭化成(株)製、商品名
L−1762)9重量部、及び分散剤(東亜合成(株)
製、商品名アロンT−40)0.3重量部とを含有する
塗被組成物(固形分濃度63%)をブレードコータによ
り原紙に塗被した後、カレンダー処理としてマットロー
ルと樹脂ロール(ショア硬度D90)の組み合わせから
なる2段のマットカレンダー(相模エンジニアリング社
製)を用いて下記の実験を行った。
【0019】実施例1 坪量90g/m2の原紙に平均粒子径が0.9μmの炭
酸カルシウム(三共製粉(株)製、商品名エスカロン#2
200)を70重量部、カオリンを30重量部配合した
上記塗被組成物を、片面13g/m2両面塗工した塗被
紙を、JIS B0651で定義される表面粗さ(Rmax)が5μ
mであるマットロールにより120℃でカレンダー処理
した。なおカレンダーロールの線圧は40kg/cm、
処理スピードは600m/分で行った。
【0020】比較例1 カレンダーロール温度を70℃でカレンダ処理すること
以外は総べて上記実施例1と同条件でカレンダー処理し
た。
【0021】比較例2 ソフトカレンダーを用いること以外は、上記実施例1と
同じ条件でカレンダー処理した。
【0022】比較例3 平均粒子径0.9μmの炭酸カルシウムを30重量部、
カオリンを70重量部配合した塗被組成物を用いた以外
は、上記実施例1と同じ条件でカレンダー処理した。
【0023】比較例4 JIS B0651で定義される表面粗さ(Rmax)が15μmで
あるマットロールを用いること以外は、上記実施例1と
同じ条件でカレンダー処理した。
【0024】〈品質評価方法〉 ・平均粒径:セイシン企業光透過式粒度分布測定装置S
HC5000を用いて、重量累積分布の50%点を平均
粒径として測定した。 ・白紙光沢度:JIS P-8142に従い角度75度で測定
した。 ・平滑度:JAPPN Tappi No5 王研式平滑度試験器で
測定した。 ・印刷後光沢:RI−II型印刷試験機を用い、サカタイ
ンクスオフセット印刷用インキ(商品名:ダイヤトーン
GSL紅)を0.35cc使用して印刷し、1昼夜放置
後、75度光沢度を測定した。
【0025】・耐摩擦性:RI−II型印刷試験機を用
い、東洋インキオフセット印刷用インキ(商品名:TK
マークファイブニュー墨M型)を0.35cc使用して印
刷し、1昼夜放置後、東洋精機製作所製サウザランド・
ラブテスターを用い、印刷した試験紙と白紙を接触させ
荷重1Lbで、43回/分の速度で20回往復摩擦を行い、
印刷した紙から白紙に転移したインキの濃度を目視で4
段階評価した。なお、目視の評価基準は以下の4段階と
した。 ◎:インキ転移が殆んど無いもの ○:僅かにインキ転移するもの △:インキ転移が多いもの ×:インキ転移が非常に多いもの
【0026】・印刷仕上り:2色オフセット枚葉印刷機
(リョーヒ社製:3302M)を用い、1色目藍、2色目紅
インキを用いて印刷し、白紙と印刷面のコントラスト性
を目視評価した。目視の評価基準は以下の3段階とし
た。 ◎:コントラストに非常に富むもの △:コントラストは普通のもの ×:コントラストが不充分なもの
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】表から明らかなように、実施例1は低白
紙光沢の割りに高平滑、高印刷後光沢で、コントラスト
に非常に富んだ印刷仕上がりとなり、且つ耐摩耗性に優
れている。これに対し比較例1は平滑度が低く、耐摩耗
性、コントラスト性に劣る。比較例2及び3は白紙光沢
度が高くなり過ぎるためコントラスト性に劣る。比較例
4は平滑度が低く、耐摩耗性に劣り、コントラスト性も
満足の行くレベルに達しない。従って、本発明の艶消し
塗被紙の製造方法により製造された艶消し塗被紙は、従
来に無い優れた品質を与え、その製品価値は極めて大な
るものがある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】近年、艶は無いが表面が平滑でインキ受
理性の優れた艶消し塗被紙のニーズが多くなって来てお
り、主に高級な美術印刷、カタログ、パンフレット、カ
レンダーや商業出版用本文用紙に使用されている。艷消
し塗被紙のうち、マット調と呼ばれる印刷物は白面、
単色印刷面、多色印刷面何れも光沢が低く、全面がフラ
ットでしっとりとした視感、触感を与える。これに対
し、白紙面の光沢は欲しないが、印刷面だけは或る程度
の光沢が望まれる場合がある。つまり、文字の部分は低
グロスにして読み易くし、画線部は光沢によって引き立
たせることによってコントラストに富んだ印刷物にさせ
たいというニーズである。これにマッチするのがダル調
と呼ばれているものである。ダル調のものはマット調と
グロス調の中間にあり、一般に白紙光沢はマット調より
も若干高く、印刷後の光沢はグロス調のものよりも若干
低い。我が国市場では、マット、ダルの特性差は各銘柄
の特性として認識されているため両者は異なる品種とし
て明確に識別されていない。また、最近ではダル調とグ
ロス調の中間としてセミダル調と呼ばれるものも多く製
品化されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】本発明者等は更に詳細な検討を重ねた結
果、原紙に塗被する塗被液の顔料成分として、平均粒子
径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウムを50〜
95重量%及びカオリン5〜50重量%を含有する塗被
組成物を原紙に塗被した後、JIS BO651で定義
される表面粗さ(Rmax)が2〜8μmであるマット
ロールにより100℃以上の高温で処理し、光沢度(J
IS P−8142 75度白光沢度)が35%以下
であるようにカレンダー仕上げすることにより、印刷イ
ンキの白紙面への転移を抑制し、且つ白紙光沢度が低く
ても、平滑度、印刷光沢が高く、マット調でありながら
ダル調並以上のよりコントラストに富んだ印刷面が得ら
れることを認めたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙に塗被す
る塗被液の顔料として、平均粒子径が0.5〜1.5μ
mの重質炭酸カルシウムを50〜95重量%及びカオリ
ン5〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被し
た後、JIS BO651で定義される表面粗さ(Rm
ax)が2〜8μmであるマットロールにより100℃
以上の高温で処理し、光沢度(JIS P−8142
75度白光沢度)が35%以下であるようにカレンダ
ー仕上げすることを特徴とする艶消し塗被紙及びその製
造方法である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】以上、本発明者等は原紙に塗被する塗被液
の顔料成分として、平均粒子径が0.5〜1.5μmの
重質炭酸カルシウムを50〜100重量%及びカオリン
0〜50重量%を含有する塗被組成物を原紙に塗被した
後、JIS BO651で定義される表面粗さ(Rma
x)が2〜8μmであるマットロールにより100℃以
上の高温で処理し、光沢度(JIS P−8142 7
5度白光沢度)を35%以下であるようにカレンダー
仕上げすることにより、製本工程及び製本後に印刷イン
キが白紙面に転移する問題が無く、且つ白紙光沢度が低
くても、平滑度、印刷光沢が高く、よりコントラストに
富んだ印刷面が得られることを認めた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】・印刷仕上り:2色オフセット枚葉印刷機
(リョー社製:3302M)を用い、1色目藍、2色
目紅インキを用いて印刷し、白紙と印刷面のコントラス
ト性を目視評価した。目視の評価基準は以下の3段階と
した。 ◎:コントラストに非常に富むもの △:コントラストは普通のもの ×:コントラストが不充分なもの

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が0.5〜1.5μmの重質
    炭酸カルシウム50〜95重量%とカオリン5〜50重
    量%からなる顔料成分を含む塗被組成物が塗被された原
    紙が、JIS B0651で定義される表面粗さ(Rmax)が2〜
    8μmであるマットロールで処理され、光沢度(JIS
    P-8142 75度白色光沢度)を35%以下にカレンダ
    ー仕上げされた艶消し塗被紙。
  2. 【請求項2】 原紙に塗被する塗被液の顔料成分として
    平均粒子径が0.5〜1.5μmの重質炭酸カルシウム
    を50〜95重量%及びカオリン5〜50重量%を含有
    する塗被組成物を原紙に塗被した後、JIS B0651で定義
    される表面粗さ(Rmax)が2〜8μmであるマットロー
    ルにより100℃以上の高温で処理し、光沢度(JIS
    P-8142 75度白色光沢度)を35%以下に調整する
    如くカレンダー仕上げすることを特徴とする艶消し塗被
    紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5985367A (en) * 1997-09-12 1999-11-16 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Process for preparing coated printing paper
US7367518B2 (en) 2002-12-25 2008-05-06 Kyoritsu Gokin Co., Ltd. Descaling nozzle

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