JP3234014B2 - 艶消し塗被紙の製造法 - Google Patents
艶消し塗被紙の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は艶消し塗被紙の製造方法
に関し、製本工程等で発生する印刷インキが白紙部に転
移する問題を起こさないようにした艶消し塗被紙の製造
法に関するものである。
に関し、製本工程等で発生する印刷インキが白紙部に転
移する問題を起こさないようにした艶消し塗被紙の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、艶は無いがインキ受理性の優れた
艶消し塗被紙のニーズが多くなって来ており、主に高級
な美術印刷、カタログ、パンフレット、カレンダーや商
業出版用本文用紙等に幅広く使用されている。艶消し塗
被紙は、白紙光沢を低く抑えるために通常のグロス調の
塗被紙に比較して、より粗い顔料を多量に含有した塗被
液を塗被し、そのまま製品化するか或いは軽度のカレン
ダー処理を行なって製品化している。印刷工程で印刷さ
れた紙は製本工程を経て製本化されるが、艶消し塗被紙
の印刷物は製本工程での折り機や丁合機で印刷部と白紙
部とが接触することにより印刷インキが白紙部に転移し
たり、製本後の積み重ねで表紙と裏表紙が接触すること
により印刷インキが白紙面に転移して印刷物の品質を大
きく損ねるという問題点を抱えているのが現状である。
艶消し塗被紙のニーズが多くなって来ており、主に高級
な美術印刷、カタログ、パンフレット、カレンダーや商
業出版用本文用紙等に幅広く使用されている。艶消し塗
被紙は、白紙光沢を低く抑えるために通常のグロス調の
塗被紙に比較して、より粗い顔料を多量に含有した塗被
液を塗被し、そのまま製品化するか或いは軽度のカレン
ダー処理を行なって製品化している。印刷工程で印刷さ
れた紙は製本工程を経て製本化されるが、艶消し塗被紙
の印刷物は製本工程での折り機や丁合機で印刷部と白紙
部とが接触することにより印刷インキが白紙部に転移し
たり、製本後の積み重ねで表紙と裏表紙が接触すること
により印刷インキが白紙面に転移して印刷物の品質を大
きく損ねるという問題点を抱えているのが現状である。
【0003】印刷インキが白紙の部分に転移する主な原
因としては、次のようなことが考えられる。艶消し塗被
紙は白紙光沢を抑えるために不定形で比較的粗い顔料を
多く配合しているため、印刷部と白紙部とが接触した際
に白紙が印刷インキを掻き取って了うことが考えられ
る。また近年、印刷の高速化が図られているため、印刷
用紙に対して高いインキ受理性が要求されており、塗被
紙がインキビヒクルを吸収し易い設計になっている。こ
のため、印刷したインキの被膜強度が弱くなり、印刷部
と白紙部とが接触した際にインキが落ち易いことが考え
られる。艶消し塗被紙は、特に高級な印刷物に多く用い
られていることから、上記の艶消し塗被紙に特有の、印
刷したインキが白紙面に転移する問題を抱えていると高
級印刷用紙としての機能を果たさなくなるのが現状であ
る。
因としては、次のようなことが考えられる。艶消し塗被
紙は白紙光沢を抑えるために不定形で比較的粗い顔料を
多く配合しているため、印刷部と白紙部とが接触した際
に白紙が印刷インキを掻き取って了うことが考えられ
る。また近年、印刷の高速化が図られているため、印刷
用紙に対して高いインキ受理性が要求されており、塗被
紙がインキビヒクルを吸収し易い設計になっている。こ
のため、印刷したインキの被膜強度が弱くなり、印刷部
と白紙部とが接触した際にインキが落ち易いことが考え
られる。艶消し塗被紙は、特に高級な印刷物に多く用い
られていることから、上記の艶消し塗被紙に特有の、印
刷したインキが白紙面に転移する問題を抱えていると高
級印刷用紙としての機能を果たさなくなるのが現状であ
る。
【0004】以上のような製本工程での問題点を解決す
るために、これまで印刷インキ中にワックス等を主成分
とする耐摩擦コンパウンド等を添加して印刷面と白紙面
との摩擦を軽減する等の処置が採られているが、問題点
を解決するに至っていない。以上のような問題点を解決
する手段として本発明者等は、先にデラミネーテッドク
レーを20〜80重量部含有せしめた塗被組成物を塗被
することにより、印刷インキの白紙への転移を抑制し得
ることを認めた(特願平3−180527)。また、炭
酸カルシウムを50〜80重量部、クレーを50〜20
重量部含有せしめた塗被液を塗被、乾燥した後、100
℃以上の高温でソフトカレンダ処理することによって
も、同様な効果があることを認めた(特願平3−279
908)。更に本発明者等は原紙に2度塗被液を塗被す
る塗被紙の製造方法に於いて、下塗り塗被層の全顔料1
00重量部に対して平均粒径が3μm以下の炭酸カルシ
ウムを20重量部以上含有し、且つ上塗り塗被層の全顔
料100重量部に対してクレーを40重量部以上含有す
る艶消し塗被紙が同様な効果があることを認めた(特願
平3−352066)。
るために、これまで印刷インキ中にワックス等を主成分
とする耐摩擦コンパウンド等を添加して印刷面と白紙面
との摩擦を軽減する等の処置が採られているが、問題点
を解決するに至っていない。以上のような問題点を解決
する手段として本発明者等は、先にデラミネーテッドク
レーを20〜80重量部含有せしめた塗被組成物を塗被
することにより、印刷インキの白紙への転移を抑制し得
ることを認めた(特願平3−180527)。また、炭
酸カルシウムを50〜80重量部、クレーを50〜20
重量部含有せしめた塗被液を塗被、乾燥した後、100
℃以上の高温でソフトカレンダ処理することによって
も、同様な効果があることを認めた(特願平3−279
908)。更に本発明者等は原紙に2度塗被液を塗被す
る塗被紙の製造方法に於いて、下塗り塗被層の全顔料1
00重量部に対して平均粒径が3μm以下の炭酸カルシ
ウムを20重量部以上含有し、且つ上塗り塗被層の全顔
料100重量部に対してクレーを40重量部以上含有す
る艶消し塗被紙が同様な効果があることを認めた(特願
平3−352066)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、斯かる
艶消し塗被紙の有する難点を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、原紙に塗被する塗被液の成分中に、インキ転移
防止剤として特定の潤滑剤を含有する塗被組成物を塗被
することによって、製本工程及び製本後に印刷インキが
白紙部に転移する問題の無い極めて理想的な艶消し塗被
紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
艶消し塗被紙の有する難点を解決すべく鋭意検討を重ね
た結果、原紙に塗被する塗被液の成分中に、インキ転移
防止剤として特定の潤滑剤を含有する塗被組成物を塗被
することによって、製本工程及び製本後に印刷インキが
白紙部に転移する問題の無い極めて理想的な艶消し塗被
紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はインキ転移防止
剤としてワックスエマルジョン,ポリエチレンエマルジ
ョン,脂肪酸エマルジョン中の何れかを、単独または2
種類以上の併用により、顔料100重量部に対して0.
5〜2.0重量部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被
することを特徴とする艶消し塗被紙の製造法である。ま
た、本発明はインキ転移防止剤として脂肪酸塩エマルジ
ョンを、顔料100重量部に対して1.2〜2.0重量
部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被することを特徴
とする艶消し塗被紙の製造法である。更にまた、本発明
はインキ転移防止剤として脂肪酸塩エマルジョンと、ワ
ックスエマルジョン,ポリエチレンエマルジョン,脂肪
酸エマルジョン中の何れかを1種類以上併用し、それ等
を総重量で顔料100重量部に対して1.2〜2.0重
量部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被することを特
徴とする艶消し塗被紙の製造法である。
剤としてワックスエマルジョン,ポリエチレンエマルジ
ョン,脂肪酸エマルジョン中の何れかを、単独または2
種類以上の併用により、顔料100重量部に対して0.
5〜2.0重量部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被
することを特徴とする艶消し塗被紙の製造法である。ま
た、本発明はインキ転移防止剤として脂肪酸塩エマルジ
ョンを、顔料100重量部に対して1.2〜2.0重量
部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被することを特徴
とする艶消し塗被紙の製造法である。更にまた、本発明
はインキ転移防止剤として脂肪酸塩エマルジョンと、ワ
ックスエマルジョン,ポリエチレンエマルジョン,脂肪
酸エマルジョン中の何れかを1種類以上併用し、それ等
を総重量で顔料100重量部に対して1.2〜2.0重
量部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被することを特
徴とする艶消し塗被紙の製造法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。製本工程
等で発生する印刷インキが白紙部に転移する問題は、印
刷部と白紙部とが接触した際の摩擦を小さくし、白紙が
印刷インキを掻き取る性質を改善することによって解決
可能と考えられる。一般に艶消し塗被紙は白紙光沢を抑
えるために通常のグロス調の塗被紙に比較して、より粗
い顔料を高配合した塗被紙組成物を塗被しているが、そ
のまま製品化するか、或いは軽度のカレンダ処理を行な
って製品化するので、塗被紙表面での顔料の配向性に劣
り白紙がインキを取り易いという問題がある。
等で発生する印刷インキが白紙部に転移する問題は、印
刷部と白紙部とが接触した際の摩擦を小さくし、白紙が
印刷インキを掻き取る性質を改善することによって解決
可能と考えられる。一般に艶消し塗被紙は白紙光沢を抑
えるために通常のグロス調の塗被紙に比較して、より粗
い顔料を高配合した塗被紙組成物を塗被しているが、そ
のまま製品化するか、或いは軽度のカレンダ処理を行な
って製品化するので、塗被紙表面での顔料の配向性に劣
り白紙がインキを取り易いという問題がある。
【0008】本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、イン
キ転移防止剤として特定の潤滑剤を含有せしめた塗被液
を塗被することによって、印刷部と白紙部とが接触した
際の摩擦を小さくし、印刷インキが白紙部に転移する問
題の無い極めて理想的な艶消し塗被紙が得られることを
認めた。従来から塗被液中には塗被層に潤滑性を与えて
カレンダー掛けに於ける平滑性と白紙光沢の発現を援
け、且つロールダスティングを防止する目的で潤滑剤が
添加されている。使用に適する潤滑剤は塗被液の分散安
定性を阻害せず、且つ大きな粘度上昇を引き起こさず、
塗被紙の印刷適性を低下させないことが条件となる。一
般に潤滑剤は脂肪酸塩エマルジョン、ワックスエマルジ
ョン、ポリエチレンエマルジョン、脂肪酸エマルジョン
等が挙げられるが、ワックスエマルジョン、ポリエチレ
ンエマルジョン、脂肪酸エマルジョン等は脂肪酸塩エマ
ルジョンと比較して潤滑剤としての本来の効果に劣り塗
被紙用潤滑剤として通常使用されていない。
キ転移防止剤として特定の潤滑剤を含有せしめた塗被液
を塗被することによって、印刷部と白紙部とが接触した
際の摩擦を小さくし、印刷インキが白紙部に転移する問
題の無い極めて理想的な艶消し塗被紙が得られることを
認めた。従来から塗被液中には塗被層に潤滑性を与えて
カレンダー掛けに於ける平滑性と白紙光沢の発現を援
け、且つロールダスティングを防止する目的で潤滑剤が
添加されている。使用に適する潤滑剤は塗被液の分散安
定性を阻害せず、且つ大きな粘度上昇を引き起こさず、
塗被紙の印刷適性を低下させないことが条件となる。一
般に潤滑剤は脂肪酸塩エマルジョン、ワックスエマルジ
ョン、ポリエチレンエマルジョン、脂肪酸エマルジョン
等が挙げられるが、ワックスエマルジョン、ポリエチレ
ンエマルジョン、脂肪酸エマルジョン等は脂肪酸塩エマ
ルジョンと比較して潤滑剤としての本来の効果に劣り塗
被紙用潤滑剤として通常使用されていない。
【0009】しかしながら、本発明者等はこれ等の潤滑
剤がインキ転移防止剤として非常に優れた効果を有して
いることを認めた。これ等のインキ転移防止剤のうちワ
ックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、脂肪
酸エマルジョンに就いては、単独または2種類以上を併
用して顔料100重量部に対して0.5〜2.0重量部
使用することが望ましく、添加量が0.5重量部未満で
は塗被紙表面の摩擦を小さくする効果が不充分であり、
2.0重量部超では塗被液の分散安定性の低下や粘度上
昇、塗被紙の印刷適性の低下を招くことを認めた。
剤がインキ転移防止剤として非常に優れた効果を有して
いることを認めた。これ等のインキ転移防止剤のうちワ
ックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、脂肪
酸エマルジョンに就いては、単独または2種類以上を併
用して顔料100重量部に対して0.5〜2.0重量部
使用することが望ましく、添加量が0.5重量部未満で
は塗被紙表面の摩擦を小さくする効果が不充分であり、
2.0重量部超では塗被液の分散安定性の低下や粘度上
昇、塗被紙の印刷適性の低下を招くことを認めた。
【0010】脂肪酸塩エマルジョンは塗被紙用潤滑剤と
して最も頻繁に使用されており、強いカレンダー処理を
行なうグロス調の塗被紙では塗被紙中に顔料100重量
部に対して1.0重量部程度添加されている。艶消し塗
被紙は塗被液を塗被した後、そのまま或いは軽度のカレ
ンダ処理を行なって製品化されるので、潤滑剤としては
塗被液に1.0重量部程度の添加量で充分であるが、イ
ンキの転移を防止するほどの効果は認められない。しか
しながら本発明者等は、脂肪酸塩エマルジョンの添加量
が1.2〜2.0重量部の範囲内であれば塗被液の分散
安定性の低下、粘度上昇、塗被紙の印刷適性の低下など
の問題を生ずることなくインキの白紙部への転移を抑
制、防止することを認めた。更に脂肪酸塩エマルジョン
と、ワックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョ
ン、脂肪酸エマルジョンを併用することによっても同様
の効果があることを認めた。
して最も頻繁に使用されており、強いカレンダー処理を
行なうグロス調の塗被紙では塗被紙中に顔料100重量
部に対して1.0重量部程度添加されている。艶消し塗
被紙は塗被液を塗被した後、そのまま或いは軽度のカレ
ンダ処理を行なって製品化されるので、潤滑剤としては
塗被液に1.0重量部程度の添加量で充分であるが、イ
ンキの転移を防止するほどの効果は認められない。しか
しながら本発明者等は、脂肪酸塩エマルジョンの添加量
が1.2〜2.0重量部の範囲内であれば塗被液の分散
安定性の低下、粘度上昇、塗被紙の印刷適性の低下など
の問題を生ずることなくインキの白紙部への転移を抑
制、防止することを認めた。更に脂肪酸塩エマルジョン
と、ワックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョ
ン、脂肪酸エマルジョンを併用することによっても同様
の効果があることを認めた。
【0011】本発明に用いる塗被紙用顔料としては、炭
酸カルシウム、カオリン、サチンホワイト、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、シリカ、活性白土、珪藻土、レーキ、プ
ラスチックピグメント等が挙げられる。本発明に用いら
れる接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレ
ン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン
・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリ
レート系、等の各種共重合体及びポリビニルアルコー
ル、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタ
クリレート系共重合体等の合成系接着剤、酸化でんぷ
ん、エステル化でんぷん、酵素変性でんぷんやそれ等を
フラッシュドライして得られる冷水可溶性でんぷん、カ
ゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤等の一般に知られた
接着剤が挙げられる。これ等の接着剤は顔料100重量
部当り5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量
部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散
剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通
常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用され
る。
酸カルシウム、カオリン、サチンホワイト、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫
酸カルシウム、シリカ、活性白土、珪藻土、レーキ、プ
ラスチックピグメント等が挙げられる。本発明に用いら
れる接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレ
ン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン
・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリ
レート系、等の各種共重合体及びポリビニルアルコー
ル、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタ
クリレート系共重合体等の合成系接着剤、酸化でんぷ
ん、エステル化でんぷん、酵素変性でんぷんやそれ等を
フラッシュドライして得られる冷水可溶性でんぷん、カ
ゼイン、大豆蛋白等の天然系接着剤等の一般に知られた
接着剤が挙げられる。これ等の接着剤は顔料100重量
部当り5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量
部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散
剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通
常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用され
る。
【0012】斯くして調整された塗被組成物は一般の塗
被紙製造に用いられているブレードコータ、エアーナイ
フコータ、ロールコータ、カーテンコータ、チャンプレ
ックスコータ、バーコータ、グラビアコータ、サイズプ
レスコータ等の塗被装置を設けたオンマシン或いはオフ
マシンコータによって原紙上に片面または両面に塗布さ
れる。その際の塗被組成物の固形分濃度は一般に40〜
70重量%であるが操業性を考慮すると45〜65重量
%の範囲が好ましい。また、原紙としては一般の印刷用
塗被紙に用いられる坪量30〜400g/m2のペーパ
ーベース或いはボードベースの原紙が用いられる。斯か
る原紙への塗被組成物の塗被量は乾燥重量で10〜50
g/m2程度塗被されるが、得られる塗被紙の白紙品質
の面から15〜35g/m2の範囲で調節されるのが最
も好ましい。
被紙製造に用いられているブレードコータ、エアーナイ
フコータ、ロールコータ、カーテンコータ、チャンプレ
ックスコータ、バーコータ、グラビアコータ、サイズプ
レスコータ等の塗被装置を設けたオンマシン或いはオフ
マシンコータによって原紙上に片面または両面に塗布さ
れる。その際の塗被組成物の固形分濃度は一般に40〜
70重量%であるが操業性を考慮すると45〜65重量
%の範囲が好ましい。また、原紙としては一般の印刷用
塗被紙に用いられる坪量30〜400g/m2のペーパ
ーベース或いはボードベースの原紙が用いられる。斯か
る原紙への塗被組成物の塗被量は乾燥重量で10〜50
g/m2程度塗被されるが、得られる塗被紙の白紙品質
の面から15〜35g/m2の範囲で調節されるのが最
も好ましい。
【0013】また塗被紙に優れた印刷適性を付与するた
めにスーパーカレンダー、マットカレンダー、ソフトカ
レンダー等の表面処理装置を用いて軽度の処理をするの
が好ましい。以上、本発明者等は原紙に塗被する塗被液
の成分として、インキ転移防止剤として特定の潤滑剤を
含有する塗被組成物を塗被することにより、印刷インキ
が白紙部分に転移する問題を起こさない艶消し塗被紙が
得られることを認めた。
めにスーパーカレンダー、マットカレンダー、ソフトカ
レンダー等の表面処理装置を用いて軽度の処理をするの
が好ましい。以上、本発明者等は原紙に塗被する塗被液
の成分として、インキ転移防止剤として特定の潤滑剤を
含有する塗被組成物を塗被することにより、印刷インキ
が白紙部分に転移する問題を起こさない艶消し塗被紙が
得られることを認めた。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、これ等によって本発明は何等制約を受けるもの
ではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び
重量%を示す。
するが、これ等によって本発明は何等制約を受けるもの
ではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び
重量%を示す。
【0015】実施例1〜7,比較例1〜7 表に示したカオリン[エンゲルハード(株)製,商品名:
ウルトラホワイト90]、炭酸カルシウム[三共製粉
(株)製,商品名:エスカロン#1500]の混合顔料1
00部に対して分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム
0.2部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散
し、固形分濃度65%顔料分散液を調整した。この分散
液に、接着剤としてエステル化でんぷん5部、スチレン
−ブタジエン共重合体10部を配合し、更に表に示した
部数のインキ転移防止剤を配合し固形分濃度60%の塗
被組成物を得た。これをブレードコータで、塗被量が片
面14g/m2になるように塗被、乾燥した塗被紙を得
た。各塗被紙の評価結果は表に示す通りであった。
ウルトラホワイト90]、炭酸カルシウム[三共製粉
(株)製,商品名:エスカロン#1500]の混合顔料1
00部に対して分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム
0.2部を添加し、カウレス分散機を用いて水に分散
し、固形分濃度65%顔料分散液を調整した。この分散
液に、接着剤としてエステル化でんぷん5部、スチレン
−ブタジエン共重合体10部を配合し、更に表に示した
部数のインキ転移防止剤を配合し固形分濃度60%の塗
被組成物を得た。これをブレードコータで、塗被量が片
面14g/m2になるように塗被、乾燥した塗被紙を得
た。各塗被紙の評価結果は表に示す通りであった。
【0016】<品質評価方法>実施例及び比較例中の白
紙光沢、印刷後光沢、表面平滑性、耐摩耗性は以下のよ
うにして求めた値である。 白紙光沢:JIS−P8142法に準じ、村上色彩技術
研究所製の光沢度計を用い、75°光沢を測定した。 印刷後光沢:RI−II型印刷試験機を用い、サカタイン
クスオフセット印刷用インキ(商品名ダイアトーンGS
L紅)(TV=12)を0.35cc使用して印刷を行
ない、1昼夜放置後、村上色彩技術研究所製の光沢度計
を用いて、75°光沢を測定した。
紙光沢、印刷後光沢、表面平滑性、耐摩耗性は以下のよ
うにして求めた値である。 白紙光沢:JIS−P8142法に準じ、村上色彩技術
研究所製の光沢度計を用い、75°光沢を測定した。 印刷後光沢:RI−II型印刷試験機を用い、サカタイン
クスオフセット印刷用インキ(商品名ダイアトーンGS
L紅)(TV=12)を0.35cc使用して印刷を行
ない、1昼夜放置後、村上色彩技術研究所製の光沢度計
を用いて、75°光沢を測定した。
【0017】平滑度:王研式平滑度計により測定した。 B型粘度:BM型粘度計を用い、NO.3ロータで20
rpm、1分間撹拌した後、測定した。
rpm、1分間撹拌した後、測定した。
【0018】耐摩擦性:RI−II型印刷試験機を用い、
東洋インキオフセット印刷用インキ(商品名TKマーク
ファイブニュー墨M型)を0.35cc使用して印刷を
行ない、1昼夜放置後、東洋精機製作所製サウザランド
・ラブテスターを用い、印刷した試験紙と白紙とを接触
させ荷重1lbで、43回/分の速度で20回往復摩擦
を行ない、印刷した紙から白紙に転移したインキの濃度
を目視で3段階評価した。 ◎ インキの転移が殆んど無いもの ○ 僅かにインキが転移するもの △ インキの転移が多いもの × インキの転移が非常に多いもの
東洋インキオフセット印刷用インキ(商品名TKマーク
ファイブニュー墨M型)を0.35cc使用して印刷を
行ない、1昼夜放置後、東洋精機製作所製サウザランド
・ラブテスターを用い、印刷した試験紙と白紙とを接触
させ荷重1lbで、43回/分の速度で20回往復摩擦
を行ない、印刷した紙から白紙に転移したインキの濃度
を目視で3段階評価した。 ◎ インキの転移が殆んど無いもの ○ 僅かにインキが転移するもの △ インキの転移が多いもの × インキの転移が非常に多いもの
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】表から明らかなように、実施例1〜7は
何れも耐摩擦性に優れ印刷後の光沢も高い。これに対し
比較例1,2,3,4は耐摩擦性が劣り、比較例5,
6,7は印刷後光沢が低い。以上、本発明の方法によ
り、製本工程等で印刷したインキが白紙の部分に転移す
る問題の無い、印刷適性に優れた塗被紙を製造すること
が可能となった。
何れも耐摩擦性に優れ印刷後の光沢も高い。これに対し
比較例1,2,3,4は耐摩擦性が劣り、比較例5,
6,7は印刷後光沢が低い。以上、本発明の方法によ
り、製本工程等で印刷したインキが白紙の部分に転移す
る問題の無い、印刷適性に優れた塗被紙を製造すること
が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 祥 山口県岩国市飯田町2−8−1 山陽国 策パルプ株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 山川 栄 東京都千代田区丸の内1丁目4番5号 山陽国策パルプ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−279990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42
Claims (3)
- 【請求項1】 インキ転移防止剤としてワックスエマル
ジョン,ポリエチレンエマルジョン,脂肪酸エマルジョ
ン中の何れかを、単独または2種類以上併用し、顔料1
00重量部に対して0.5〜2.0重量部含有せしめた
塗被組成物を原紙に塗被することを特徴とする艶消し塗
被紙の製造法。 - 【請求項2】 インキ転移防止剤として脂肪酸塩エマル
ジョンを、顔料100重量部に対して1.2〜2.0重
量部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被することを特
徴とする艶消し塗被紙の製造法。 - 【請求項3】 インキ転移防止剤として脂肪酸塩エマル
ジョンと、ワックスエマルジョン,ポリエチレンエマル
ジョン,脂肪酸エマルジョン中の何れか1種類以上併用
し、それ等を総重量で顔料100重量部に対して1.2
〜2.0重量部含有せしめた塗被組成物を原紙に塗被す
ることを特徴とする艶消し塗被紙の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33128392A JP3234014B2 (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 艶消し塗被紙の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33128392A JP3234014B2 (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 艶消し塗被紙の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06158594A JPH06158594A (ja) | 1994-06-07 |
JP3234014B2 true JP3234014B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=18241959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33128392A Expired - Fee Related JP3234014B2 (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | 艶消し塗被紙の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234014B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002294589A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-09 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用艶消し塗工紙 |
-
1992
- 1992-11-18 JP JP33128392A patent/JP3234014B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06158594A (ja) | 1994-06-07 |
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