JP2002294589A - 印刷用艶消し塗工紙 - Google Patents

印刷用艶消し塗工紙

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JP2002294589A
JP2002294589A JP2001100676A JP2001100676A JP2002294589A JP 2002294589 A JP2002294589 A JP 2002294589A JP 2001100676 A JP2001100676 A JP 2001100676A JP 2001100676 A JP2001100676 A JP 2001100676A JP 2002294589 A JP2002294589 A JP 2002294589A
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Masato Yamaguchi
正人 山口
Koji Okago
幸治 大篭
Masato Suzuki
政人 鈴木
Hiroichi Morii
博一 森井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低白紙光沢度にもかかわらず、高い印刷光沢
度、優れた印刷適性を有する艶消し塗工紙を提供する。 【解決手段】 オフセット印刷用インキを印圧200
N、インキ量1.34±0.02g/mで印刷する
際、計測される印面のタック(粘着力)が印刷直後から
10秒までの間、3Nを越えず、印面のタック(粘着
力)が最大になる時間が40秒を超え、かつ計測される
印面の粘着力の最大値が2Nを超えることを特徴とする
印刷用艶消し塗工紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用艶消し塗工
紙に関し、低白紙光沢度にもかかわらず、高い印刷光沢
度、優れた印刷適性を有する艶消し塗工紙に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物に対し、写真や図案を多用
し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力
に伝達できる高品質印刷用塗工紙への強い要望がある。
一方、省資源、輸送および郵送コストなどの点から印刷
物の軽量化に対しても強い要望がある。この二つの要望
は相反するものであって、視覚化に適するグレードの塗
工紙は原紙坪量、塗工量とも多く、軽量化の要望にそぐ
わない。
【0003】塗工紙は、高光沢塗工紙と艶消し塗工紙に
大別される。高光沢塗工紙は、従来高級印刷に用いられ
ていたアート紙、スーパーアート紙、あるいはカタロ
グ、パンフレットなどに用いられるコート紙などがあ
り、印刷仕上がりは白紙光沢も印刷光沢も高いグロス調
である。艶消し塗工紙はダル調、マット調があり、グロ
ス調より白紙光沢度が低いものである。マット調は、ダ
ル調よりも白紙光沢が低いものである。特にマット調の
艶消し塗工紙は、従来のグロス調のものに比べて、印刷
後の文字部が読みやすく、近年需要が増えている。たと
えばマットコート紙として坪量157g/m、両面塗
工量30〜50g/m、密度(緊度)0.88g/c
のマットコート紙の典型的品質は、75°光沢度1
2%、60°印刷光沢度27%(4色重印刷時)となっ
ている(印刷と用紙188頁 紙業タイムス社 199
6年発行)。このマット調の艶消し塗工紙を軽量化しよ
うとして、例えば上記マットコート紙の原紙坪量及び塗
工量を半分にして総坪量80g/mのものとすると、
印刷光沢度が著しく低下し、また不透明度が低下して裏
写りの問題が発生するおそれが増大する。総坪量80g
/mのままで、印刷光沢度を改善すべく、塗工層の塗
工量を多くすれば、その分原紙坪量を下げざるを得え
ず、ますます不透明度と剛度が不足し、実用的でない。
この不透明度と剛度が実用的な程度にまで改善すべく原
紙坪量を増加させれば、その分今度は塗工量を極端に少
なくした場合、表面の被覆性が不足して印刷光沢度が極
めて低い不鮮明な画像となってしまう。また、不透明度
を改善する方法として原紙に不透明性が大きい二酸化チ
タンのような無機填料を内添する方法が公知であるが、
無機填料を内添すると原紙の密度は逆に増大してしま
う。
【0004】一方、塗工紙の印刷品質、特に、インキの
着肉濃度や画線部の印刷光沢度を向上させるためには、
塗工紙の平滑性を高めることが、有効な手段のひとつで
ある。このため、光沢塗工紙や、ダル調とよばれる艶消
し塗工紙と光沢塗工紙の中間的な白紙光沢度を有する塗
工紙では、スーパーカレンダーなどの表面平滑化処理を
施すことが一般的である。しかしこれらの処理は用紙を
加圧して表面の平滑性を高めるものであるため、同時に
白紙光沢度が高くなり、目標とする品質を得るのは困難
である。反対に、低白紙光沢度の塗工紙を得るために、
スーパーカレンダー等の表面平滑化処理を施さない場
合、白紙光沢度は低く抑えられるが、高印刷光沢度は得
られなくなる。このように低白紙光沢度と高印刷光沢度
の両立は相反し、こうした紙を得るのは困難である。
【0005】塗工紙に印刷された印刷面の光沢度は塗工
紙上に印刷されたインキの乾燥性に影響されることが従
来より知られている。インキの乾燥性を評価する場合、
従来、ベタ印刷された塗工紙を一定時間経過後、別の塗
工紙に一定の印圧で転写して、その濃度を比較すること
により比較評価されていたが(特開平4−15339
6)、転写された面の濃度は、塗工紙のインキ乾燥性の
みならず、複数の塗工紙をべた印刷した際に紙面上に付
着したインキ量、また塗工紙の平滑性の影響を受けるこ
とから、インキの乾燥性のみの観点で塗工紙を比較評価
することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題は、低白紙光沢度にも関わらず相対的
に高い印刷光沢度及びインキ乾燥性の良好な艶消し塗工
紙を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、オフセット印刷用
インキを印圧200N、インキ量1.34±0.02g
/mで印刷する際、計測される印刷面のタック(粘着
力)が印刷直後から10秒までの間、3Nを越えず、印
刷面のタック(粘着力)が最大になる時間が40秒を超
えることを特徴とする印刷用艶消し塗工紙を得ることに
より、本発明を完成するに至った。これにより、適度に
遅いインキセット性を有し、低白紙光沢度にもかかわら
ず、相対的に高い印刷光沢度が得られ、特に、白紙光沢
度が30%以下の時に、印刷光沢度から白紙光沢度を引
いた光沢度差の値(これを以降ΔGLで示す)が25%
あるいは30%以上、更には35%以上の好ましい値を
得ることができる。本発明においては、好ましくは、計
測される印刷面のタック(粘着力)が印刷直後から10
秒までの間、2.5Nを越えず、印面のタック(粘着
力)が最大になる時間が40秒を超える印刷用塗工紙で
ある。また、好ましくは、計測される印刷面の粘着力の
最大値が.3Nを超え、平滑度が150秒以上の印刷用
艶消し塗工紙である。
【0008】本発明において、上記の測定方法で測定し
た数値が特定の範囲に入ることにより、本発明の効果が
得られることについては、以下のように考えられる。
【0009】通常、塗工紙に印刷用インキを転写した場
合、印刷直後は紙面上のインキからインキ中の溶剤が徐
々に紙層に浸透し、印刷面のタックは高くなる。更に時
間が経過するに伴い、インキ表面の溶剤の蒸発、酸化重
合等により、紙面に印刷されたインキ表面のタック(粘
着力)は徐々に失われていく。これらの過程に要する時
間、および印刷面のタック(粘着力)の経時変化は、イ
ンキのタック値、浸透性、乾燥性、また、紙表面の空隙
構造および吸油性等に依存すると考えられる。
【0010】本発明の測定に使用する装置は、Ink
Surface Interaction Teste
r (ISIT)であり、圧胴に貼り付けたサンプル紙
をプリントディスクにより一定圧で印刷した部分にブラ
ンケットを模したタックディスクを一定圧、一定時間押
し付けた後、タックディスクと印刷面の間に生じたタッ
ク(粘着力)を測定する装置である。
【0011】印刷面のインキタック(粘着力)は、コー
ト紙表面、インキ、ならびにブランケット(タックディ
スク)の間で発生し、具体的には、「粘着力をもつイン
キの薄層が紙面とブランケットの間で生じるタック」、
「塗工紙表面とインキの間で生じるタック」、「ブラン
ケットとインキの間で生じるタック」の3種がある。I
SITにより印刷面のタック(粘着力)によって測定さ
れる値は、これら3種の部分のうち、最も弱い部分が分
離する際に測定される値である(1994 Inter
national Printing and Gra
phic Arts Conference p.20
9−228)。
【0012】印刷面のタック(粘着力)値の変化の挙動
は、主にインキ乾燥性の挙動を示していると思われる。
低白紙光沢にもかかわらず、このようなインキ乾燥性の
挙動をとることにより、印刷光沢度が高くなる理由は以
下のように考えられる。
【0013】印刷直後、紙面上のインキは、紙層への溶
剤の吸収、および印刷面の乾燥の度合いは少なく、印刷
面のタック(粘着力)は低いレベルにあるが、時間の経
過とともに紙層への溶剤の吸収が進行し、印刷面のタッ
ク(粘着力)は上昇する。この過程の進行が早い紙で
は、印刷直後の粗いインキ表面が平滑化する以前にイン
キのタック(粘着力)が上昇し、セットするため、印刷
面が微視的に粗面となり、印刷光沢度が高まりにくいと
考えられる。これに対し、本発明の印刷用塗工紙は、こ
の過程の進行が遅い紙であり、印刷直後の粗いインキ表
面が、タックが低い間に平滑化し、さらにその状態で表
面からインキの乾燥が進行するため、印刷光沢度が高ま
ると考えられる。尚、白紙光沢度が低く、平滑性が低い
塗工紙に印刷した場合、インキが塗工紙に接触する面積
が大きくなるため、インキ全体が塗工紙に浸透、吸収さ
れる。そのため印刷面のタック(粘着力)が高まらず、
かつ塗工紙上に占めるインキ膜厚も失われ、結果的に印
刷光沢度が高まりにくい。本発明においては、白紙光沢
度が30%以下更に25%以下でも相対的に高い印刷光
沢度を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で規定する印刷面のタック
(粘着力)は、SeGan社製Ink Surface
Interaction Testerを用いて測定
したものである。レオエコーM(墨)(東洋インキ製、
タック値:6±0.5)を10 m/min.で3分間
練り、インキをロールに付着させたあと、本装置の金属
胴に固定した塗工紙に、ロールを前述の方法で付着させ
たロールを用いて、印圧200N、インキ付着量1.3
4±0.02g/mでベタ印刷し、その直後からゴム
製ブランケットを印刷面に接触させて3秒間保持し、そ
の後印刷面からブランケットが離れる際要するタックを
測定した。印刷後経過時間で直後の測定後、6秒毎に6
点、その後30秒毎に6点の計13点測定し、各結果を
結び、経時変化を観測した。
【0015】印刷面のタック(粘着力)の測定結果は、
紙面に印刷されたインキ量の影響を受け、かつインキ中
の溶剤の割合、すなわちインキ乾燥性の影響も受けると
考えられる。よってISIT測定時は、インキ展開時間
および印刷面に転写されるインキ量を一定にすることが
重要である。また印刷面全体がインキにより被覆されて
いることも重要である。
【0016】本測定法では、紙の種類にかかわらずイン
キ量を一定にして測定可能な上、塗工紙表面を十分に被
覆し、かつ通常のオフセット印刷時のインキ量(ベタ
部)と近い量のインキを塗工紙表面に印刷して測定する
ことから、純粋に塗工紙面上のインキの乾燥性の観点で
塗工紙を比較、評価可能となった。
【0017】本発明の印刷用塗工紙は、原紙中のパル
プ、填料、助剤等の種類及び配合量、あるいは抄紙条件
の調整や塗工層の顔料、接着剤、助剤等の種類及び配合
量あるいは塗工条件調整、カレンダーの選択及び処理条
件を組み合わせることによって得られる。
【0018】本発明に使用する塗工用顔料に特に制限は
なく、塗工用顔料として従来から用いられているカオリ
ン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシ
ウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、
ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト
などの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔
料であり、これらの顔料は必要に応じて単独、または二
種以上混合して使用することができるが、体積分布平均
粒径3.5〜20μmであるデラミネーテッドクレーを
60〜90重量部配合することが望ましい。本発明にお
いては、六角板状が積層下通常のクレーを単層に剥がす
ことにより(デラミネーション)得られるデラミネーテ
ッドクレーを顔料として使用することにより、塗工層表
面に大粒径の板状のものが配向されやすく、通常の顔料
を使用した場合と比較して相対的に大きな空隙が形成さ
れると考えられる。そのため白紙光沢度が30%未満と
低いにも関わらず、相対的に高い印刷光沢度を得ること
ができると考えられる。尚、本発明で規定する平均粒径
とは、レーザー回折法を用いたものであり、MALVE
RN Instruments社製Laser Dif
fraction粒度分布測定器を用いて、体積分布平
均粒径を測定した値である。
【0019】本発明に用いられる接着剤としては、塗工
紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン
系共重合体等の合成接着剤;カゼイン、ダイズ蛋白、合
成蛋白などの蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸
エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、デ
キストリンなどの澱粉類;カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導
体などの通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択し
て使用される。これらの接着剤は顔料100重量部当た
り5〜50重量部、より好ましくは10〜30部程度の
範囲で使用される。
【0020】本発明の塗工液には分散剤、増粘剤、保水
剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使
用しても良い。
【0021】塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いら
れる坪量が30〜400g/m程度の紙ベースの原紙
が適宜用いられる。
【0022】塗工原紙の填料としては、タルク、カオリ
ン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、無定形シリケート、水和珪酸、ホワイ
トカーボン、合成樹脂填料等の填料を1種類以上使用す
ることができる。
【0023】塗工原紙を構成するパルプとしては、化学
パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹
の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラ
ンドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカ
ニカルパルプ等)、脱墨パルプ(故紙パルプ)を単独ま
たは任意の割合で混合使用することができるが、機械パ
ルプは塗工適性の点から、製紙用パルプの60重量%以
下とすることが好ましい。
【0024】原紙の抄紙方法については特に限定される
ものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸
網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性
抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、勿
論、メカニカルパルプを含む中質原紙および回収古紙パ
ルプを含む原紙も使用できる。また、サイズプレス、ビ
ルブレード、ゲートロールコータ、プレメタリングサイ
ズプレスを使用して、澱粉、ポリビニルアルコール等を
予備塗工した原紙や、ピグメントと接着剤を含む塗工液
を1層以上予備塗工した塗工原紙も使用可能である。
【0025】原紙に、調整された塗工液を塗工する方法
としては、ブレードコータ、バーコータ、ロールコー
タ、エアナイフコータ、リバースロールコータ、カーテ
ンコータ、サイズプレスコータ、ゲートロールコータ等
を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面ずつも
しくは両面同時に両面塗工する。塗工量は、両面で5〜
40g/m、より好ましくは、両面で12〜20g/
である。
【0026】湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例
えば蒸気過熱シリンダー、加熱熱風エアドライヤー、ガ
スヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外
線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等各
種の方法が単独または併用されて用いられる。
【0027】以上のように塗工乾燥された塗工紙は、高
温ソフトニップカレンダーで平滑処理を行うのが望まし
いが、所望の品質の塗工紙が得られれば、スーパーカレ
ンダー処理、あるいは未カレンダー処理でもよい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、勿論、これらの例に限定されるものではな
い。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれ
ぞれ、重量部、重量%を示す。尚、塗工液および得られ
たオフセット印刷用塗工紙について以下に示すような評
価法に基づいて試験を行った。 <評価方法> (1) 印刷面のタック(粘着力):本発明で規定する
印刷面のタック(粘着力)は、SeGan社製Ink
Surface Interaction Teste
rを用いて測定したものである。レオエコーMを10m
/min.で3分間練り、インキをロールに付着させた
あと、本装置の金属胴に固定した塗工紙に、ロールを前
述の方法で付着させたロールを用いて、印圧200N、
インキ付着量1.34±0.02g/mでベタ印刷
し、その直後からゴム製ブランケットを印刷面に接触さ
せて3秒間保持し、その後印刷面からブランケットが離
れる際要するタックを測定した。印刷後経過時間で直後
の測定後、6秒毎に6点、その後30秒毎に6点の計1
3点測定し、各結果を結び、経時変化を観測した。 (2) 白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて
測定した (3) 印刷光沢度:RI印刷機を用いて、印刷面のタ
ック(粘着力)測定に用いたインキを用いて複数の濃度
で印刷し、得られた印刷物(単色印刷部)の表面をJI
S P 8142に基づいて測定した結果を、統計的に
計算処理を行い、色濃度1.8での印刷光沢度をもとめ
た。 (4) 平滑度:JAPAN TAPPI No.5
「空気マイクロメーター型試験機による紙および板紙の
平滑度・透気度試験方法」に基づいて測定した。 [実施例1]大粒径デラミネーテッドクレー(Enge
lhard社製 Nusurf,体積分布平均粒径5.
2μm)80部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテ
ック社製FMT−75)20部からなる顔料に、分散剤
として対顔料でポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加し
て、セリエミキサーで分散して、固形分濃度が70%の
顔料スラリーを調整した。このようにして得られた顔料
スラリーに非増粘型のスチレンブタジエンラテックスA
(ガラス転移温度20℃)13部、ヒドロキシエチルエ
ーテル化澱粉7部を加え、さらに水を加えて塗工液を得
た。坪量50g/mの中質紙に片面当たりの塗工量
が、固形分で7g/mになるように、1000m/分
の塗工速度のブレードコーターで両面塗工を行い、紙水
分が5.5%になるように乾燥した。
【0029】ついで、ロール温度150度、2ニップ、
カレンダー線圧50kg/cm、通紙速度1000m/
分でソフトニップカレンダー処理を行い塗工紙を得た。 [実施例2]実施例1において、ロール温度150度、
2ニップ、カレンダー線圧80kg/cm、通紙速度1
000m/分でソフトニップカレンダー処理を行った以
外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。 [実施例3]実施例1において、ロール温度150度、
2ニップ、カレンダー線圧100kg/cm、通紙速度
1000m/分でソフトニップカレンダー処理を行った
以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。 [実施例4]実施例1において、大粒径デラミネーテッ
ドクレー(Engelhard社製Nusurf, 体
積分布平均粒径5.2μm)80部、粗粒重質炭酸カル
シウム(ファイマテック社製FMT−75)20部のか
わりにデラミネーテッドクレー(Rio Capim
Caulim S.A.社製Capim DG,体積分
布平均粒径1.1μm)80部、粗粒重質炭酸カルシウ
ム(ファイマテック社製FMT−90)20部に変更
し、また坪量50g/mの中質紙に片面当たりの塗工
量が、固形分で7g/mになるように塗工を行う代わ
りに、坪量60g/mの中質紙に片面当たりの塗工量
が、固形分で8g/mになるように塗工を行った以外
は実施例3と同様の方法で塗工紙を得た。 [比較例1]坪量60.2g/mの日本製紙製 微塗
工紙「スーパーピレーヌDX」を用いた。 [比較例2]坪量64.0g/mの日本製紙製 微塗
工紙「ピレーヌDX」を用いた。 [比較例3]坪量70.8g/mの王子製紙製 微塗
工紙「スノーマットDX−V」を用いた。
【0030】表1に結果を示した。図1に実施例1及び
比較例1の印刷面のタックの経時変化を示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明により、低白紙光沢にもかかわら
ず、相対的高い印刷光沢度及びインキ乾燥性の良好な印
刷用艶消し塗工紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1及び比較例1の印刷面のタックの経
時変化
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 政人 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 森井 博一 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AG11 AG27 AG63 AG76 AG89 AH02 AH37 BE08 EA11 EA14 EA19 EA23 FA12 FA15 GA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を
    有する印刷用塗工紙において、デジタルインコメーター
    により測定される400rpm時のタック値が6±0.
    5のオフセット印刷用インキを印圧200N、インキ量
    1.34±0.02g/mで印刷した際、計測される
    印刷面のタック(粘着力)が印刷直後から10秒までの
    間、3Nを越えず、印刷面のタック(粘着力)が最大に
    なる時間が40秒を超えることを特徴とする印刷用艶消
    し塗工紙。
  2. 【請求項2】 白紙光沢度が30%以下であることを特
    徴とする請求項1記載の印刷用艶消し塗工紙。
  3. 【請求項3】 印刷光沢度から白紙光沢度を引いた光沢
    度差の値(ΔGL)が25%以上であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の印刷用艶消し塗工紙。
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