JPH0673284A - ポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物

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JPH0673284A
JPH0673284A JP4966993A JP4966993A JPH0673284A JP H0673284 A JPH0673284 A JP H0673284A JP 4966993 A JP4966993 A JP 4966993A JP 4966993 A JP4966993 A JP 4966993A JP H0673284 A JPH0673284 A JP H0673284A
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JP
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graft
composite rubber
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rubber
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JP4966993A
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Inventor
Naoki Yamamoto
直己 山本
Akira Yanagase
昭 柳ケ瀬
Tadashi Iwasaki
直史 岩崎
Koichi Ito
伊藤  公一
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性、機械的強度、顔料着色性及び表面
外観性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を
提供する。 【構成】 ポリオルガノシロキサン成分及びアルキル
(メタ)アクリレートゴム成分からなる複合ゴムに、一
種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合され
てなる数平均粒子径が 0.01〜0.07μmであり0.10μm
より大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下であるグ
ラフト複合ゴム(A)、ポリフェニレンエ−テル樹脂
(B)及びポリスチレン樹脂(C)が混合されてなる樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性、機械的強度、
顔料着色性及び表面外観性に優れたポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエ−テル樹脂は耐熱性、
剛性等に優れた成形物を与えるためエンジニアリングプ
ラスチックとしての用途が拡大しているが、成形物の表
面外観および耐衝撃性に若干劣ることからその用途が制
限されている。
【0003】ポリフェニレンエ−テル樹脂の成形物の耐
衝撃性を改善する方法として、ポリブタジエン系エラス
トマ−を配合する方法が特公昭47-32731号公報、特開昭
46-2345号公報等に開示されている。しかし、かかる方
法による場合は着色性、表面外観に優れるものの、実用
的な耐衝撃性に優れた成形物は得られていない。また、
ポリフェニレンエ−テル樹脂にエチレン−プロピレン共
重合体のようなポリオレフィンを配合することによりポ
リフェニレンエ−テル樹脂の成形加工性および成形物の
耐衝撃性を向上させる方法が米国特許第3361851号明細
書、特公昭42-7069号公報等に開示されている。しかし
ながら、かかる方法の場合にはポリオレフィンの配合量
を10重量%以上とすると、ポリフェニレンエ−テル樹
脂とポリオレフィンとの相溶性が悪いため成形物とした
場合層状剥離を生ずるようになり表面外観が悪く、しか
も耐衝撃性の向上もそれほど顕著ではない。
【0004】ポリフェニレンエ−テル樹脂にポリオルガ
ノシロキサン変性アルケニル芳香族樹脂を配合して耐衝
撃性を向上させる方法が特開昭55-75444号公報に、ま
た、ポリフェニレンエ−テル樹脂にポリアルキル(メ
タ)アクリレ−トを配合して樹脂成形物の強度改善を図
る方法が特公昭49-6379 号公報にそれぞれ開示されてい
る。しかしこれらいずれの方法でも満足すべき着色性、
成形外観ならびに耐衝撃性を得られなかった。
【0005】そこで本発明者らはポリフェニレンエ−テ
ル樹脂の耐衝撃性と機械的強度の改良を図るためポリオ
ルガノシロキサンゴムとポリ(メタ)アクリルゴムとか
らなる複合ゴムにビニル系単量体をグラフト重合させた
複合ゴム系グラフト共重合体を提案している(特開昭63
-69859号公報)。また、特開昭62-280210号公報には、
架橋シリコ−ンゴムの芯、架橋アクリレ−トゴムの第一
の殻、ビニル重合体のグラフト成分からなる第二の殻で
構成されるグラフト重合体が提案され、更に、特開昭64
-6012号公報には、架橋アクリレ−トゴム等の芯とポリ
オルガノシロキサンの殻からなるゴム上にエチレン性不
飽和モノマ−をグラフト重合させたグラフト重合体が提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62-280210号公報や特開昭64-6012号公報の明細書は、数
平均粒子径が 0.05μm以上のグラフト重合体に言及し
ているものの、実施例には0.15〜0.42μmの大粒径のも
のしか記載されておらず、0.10μm以下のものを製造す
るための具体的手段は全く示唆していない。また、特開
昭63-69859号公報には粒子径が0.08μmより大きい複合
ゴム系グラフト共重合体しか記載されていない。 即
ち、耐衝撃性改良のためのゴムとして従来は実質的に0.
08μm以上のグラフトゴムしか知られておらず、このよ
うな粒子径の大きいゴムを顔料と共に樹脂に添加した場
合樹脂組成物の顔料着色性が悪く工業的価値が低かっ
た。
【0007】本発の目的はポリフェニレンエ−テル樹脂
成形物本来の優れた耐熱性および機械的強度をそのまま
に保持しながら耐衝撃性、顔料着色性及び表面外観が改
善された樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グラフト
共重合体の粒子径と顔料を添加した時の着色性の関係に
ついて鋭意検討した結果、驚くべき事に、微小な粒子径
のポリオルガノシロキサンゴムを用いて、ポリオルガノ
シロキサンゴムとポリ(メタ)アクリレートゴムとの微
小な粒子径の複合ゴムを製造すれば、この複合ゴムから
得られるグラフト共重合体とポリフェニレンエ−テル系
樹脂からなる樹脂組成物が優れた耐衝撃性を示すと同時
に良好な顔料着色性を示す事を見いだし本発明に到達し
た。
【0009】即ち、本発明の要旨はポリオルガノシロキ
サン成分及びアルキル(メタ)アクリレートゴム成分か
らなる複合ゴムに、一種または二種以上のビニル系単量
体がグラフト重合されてなる数平均粒子径が 0.01〜0.0
7μmであり0.10μmより大きい粒子の体積が全粒子体
積の20%以下であるグラフト複合ゴム(A)、ポリフェ
ニレンエ−テル樹脂(B)及びポリスチレン樹脂(C)
が混合されてなる樹脂組成物にある。
【0010】本発明で用いられるグラフト複合ゴム
(A)は、数平均粒子径が0.01〜0.07μmの範囲であ
り、しかも 0.10μmより大きな粒子の体積はグラフト
複合ゴムの全体積のうち20%以下である。数平均粒子径
が0.01μmより小さいと樹脂組成物から得られる成形物
の耐衝撃性が悪化する。又、数平均粒子径が0.07μmよ
り大きいと、粒子による可視光線の光散乱が大きくなる
ため、成形物の顔料着色性が悪化する。尚、0.10μmよ
り大きい粒子の体積は10%以下であることが好ましい。
【0011】本発明のグラフト複合ゴム(A)はポリオ
ルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレ
−ト系ゴム成分とが実質上分離出きない状態の複合ゴム
にビニル系単量体がグラフト重合された構造のものであ
る。この複合ゴムは種々の形態をとることができ、両成
分がほぼ均一に混合分散した形態、ポリオルガノシロキ
サン中にポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分
がサラミ構造状に分散した形態、ポリオルガノシロキサ
ンとポリアルキル(メタ)アクリレートとが層状になっ
た形態等をとることができ、これらの形態が適宜混在す
るものであってもよい。層状形態の例としてポリアルキ
ル(メタ)アクリレートを芯としその上にポリオルガノ
シロキサンの第1の層とポリアルキル(メタ)アクリレ
ートの第2の層が存在する形態や、ポリオルガノシロキ
サンを芯としその上にポリアルキル(メタ)アクリレ−
トの第1の層とポリオルガノシロキサンの第2の層が存
在する形態が挙げられる。
【0012】本発明においてポリオルガノシロキサンの
原料としては、例えばジオルガノシロキサンとシロキサ
ン系グラフト交叉剤からなる混合物または更にシロキサ
ン系架橋剤を含む混合物が用いられる。この混合物を乳
化剤と水によって乳化させたラッテクスを、高速回転に
よる剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機
による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用し
て微粒化した後、高温のドデシルベンゼンスルホン酸水
溶液中へ、一定速度で滴下して重合させ、次いでアルカ
リ性物質によりドデシルベンゼンスルホン酸を中和する
ことによってポリオルガノシロキサンを得ることができ
る。
【0013】ポリオルガノシロキサンの大きさは特に限
定されないが、数平均粒子径が 0.003〜0.06μmであ
り、0.10μより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以
下であることが好ましい。このようなサイズが小さくて
粒子径分布の幅が狭いポリオルガノシロキサンは、微粒
化したラテックスを50℃以上の低濃度のドデシルベン
ゼンスルホン酸等の酸触媒水溶液中へ微小速度で滴下し
て重合させることによって得ることができる。
【0014】オルガノシロキサン系混合物を構成するオ
ルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種のオルガ
ノシロキサン系環状体が挙げられ、3〜6員環のものが
好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチル
シクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシ
ロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサ
ン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサ
ン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げら
れるが、これらは単独でまたは二種以上混合して用いら
れる。これらの使用量は、オルガノシロキサン系混合物
中の50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。
【0015】シロキサン系架橋剤としては、3官能性ま
たは4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエ
トキシシランが最も好ましい。架橋剤の使用量はオルガ
ノシロキサン系混合物中の中0〜30重量%、好ましく
は0.5〜10重量%である。
【0016】シロキサン系グラフト交叉剤としては、次
式で表される単位を形成しうる化合物等が用いられる。
【0017】
【化1】
【0018】尚、上式においてR1 はメチル基、エチル
基、プロピル基またはフェニル基を、R2 は水素原子ま
たはメチル基、nは0、1または2、pは1〜6の数を
示す。
【0019】式(I−1)の単位を形成しうる(メタ)
アクリロイルオキシシロキサンはグラフト効率が高いた
め有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝
撃性発現の点で有利である。
【0020】なお式(I−1)の単位を形成しうるもの
としてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好まし
い。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例として
は、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチル
シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジ
メチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメ
トキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルジエトキシメチルシラン、δ−メタクリロイ
ルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられ
る。
【0021】式(I−2)の単位を形成し得るものとし
てビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テト
ラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げら
れる。式(I−3)の単位を形成し得るものとしてp-ビ
ニルフェニルジメトキメチルシランが挙げられる。ま
た、式(I−4)の単位を形成し得るものとして、γ−
メルカプトプロピルジメトキメチルシラン、γ−メルカ
プトプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプト
プロピルジエトキシメチルシランなどが挙げられる。オ
ルガノシロキサン系混合物中に占めるグラフト交叉剤の
使用量は10重量%以下であり、好ましくは、0.5〜
5重量%である。
【0022】乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ま
しく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ルスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステ
ルナトリウムなどの中から選ばれた乳化剤が使用され
る。特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤
が好ましい。これらの乳化剤は、オルガノシロキサン系
混合物100重量部に対して、0.05〜5重量部程度
の範囲で使用される。使用量が少ないと分散状態が不安
定となり微小な粒子径の乳化状態を保てなくなる。又、
使用量が多いとポリオルガノシロキサンの乳化剤に起因
する着色が甚だしくなり不都合である。
【0023】このようにして製造されたポリオルガノシ
ロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレート
と多官能性アルキル(メタ)アクリレートとからなるア
ルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させ次いで重合
させることによって複合ゴムを得ることができる。アル
キル(メタ)アクリレ−トとしては、例えばメチルアク
リレ−ト、エチルアクリレ−ト、n−プロピルアクリレ
−ト、n−ブチルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルア
クリレ−ト等のアルキルアクリレ−ト及びヘキシルメタ
アクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタアクリレ−ト、
n−ラウリルメタクリレ−ト等のアルキルメタクリレ−
トが挙げられ、特にn−ブチルアクリレ−トの使用が好
ましい。多官能性アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えばアリルメタクリレート、エチレングリコ−ル
ジメタクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジメタクリレ
−ト、1,3-ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、1,4-
ブチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ
る。多官能性アルキル(メタ)アクリレートの使用量
は、アルキル(メタ)アクリレ−ト成分中0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。アルキ
ル(メタ)アクリレ−トや多官能アルキル(メタ)アク
リレートは単独でまたは二種以上併用して用いられる。
【0024】中和されたポリオルガノシロキサン成分の
ラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレ−ト成分
を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合
させる。重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始
剤、または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系
開始剤が用いるられる。この中では、レドックス系開始
剤が好ましく、特に、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四
酢酸ニナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサ
イドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好まし
い。重合の進行とともにポリオルガノシロキサン成分と
ポリアルキル(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分とが実質
上分離出きない状態の複合ゴムのラテックスが得られ
る。
【0025】本発明におけるポリオルガノシロキサンと
ポリアルキル(メタ)アクリレートとから成る複合ゴム
において、ポリオルガノシロキサン成分は、0.1〜9
0重量%程度である。0.1重量%未満では、ポリオル
ガノシロキサンの特性が発現出来ず耐衝撃性が低下す
る。又、90重量%を超えると、ポリオルガノシロキサ
ンに由来する光沢の低下を生じ、顔料着色性も低下す
る。なお本発明の実施に際しては、ジアルキルオルガノ
シランとしてオクタメチルテトラシクロシロキサンを、
シロキサン系架橋剤としてテトラエトキシシランを、ま
たシロキサン系グラフト交叉剤としてγ−メタクリロイ
ルオキシプロピルジメトキシメチルシランを用いること
によって得られるポリオルガノシロキサン系ゴムに対し
て、主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し単位を
有するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分を複
合化させた複合ゴムを用いることが好ましい。
【0026】このようにして乳化重合により製造された
複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であ
り、又、ポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル
(メタ)アクリレ−ト系ゴム成分とは強固に絡みあって
いるため、アセトン、トルエン等の通常の有機溶剤では
抽出分離することが出来ない。この複合ゴムをトルエン
により90℃で12時間抽出して測定したゲル含量は8
0重量%以上であることが好ましい。
【0027】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタ
クリレ−ト、2-エチルヘキシルメタクリレ−ト等のメタ
クリル酸エステル;メチルアクリレ−ト、エチルアクリ
レ−ト、ブチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物;グリシジルメタクリレ−ト等のエポキシ基
含有ビニル化合物;メタクリル酸などのカルボン酸基を
含有するビニル化合物などの各種ビニル系単量体が挙げ
られ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用い
られる。
【0028】グラフト複合ゴム(A)は、ビニル系単量
体を複合ゴムのラテックスに加え、ラジカル重合技術に
より一段であるいは多段で重合さることによって得るこ
とができる。グラフト重合が終了した後、ラテックスを
塩化カルシウムまたは硫酸アルミニウム等の金属塩を溶
解した熱水中に投入し、塩析、凝固することによりグラ
フト複合ゴムを分離し、回収することができる。グラフ
ト複合ゴム(A)を得る際の複合ゴムとビニル系単量体
の割合は、得られるグラフト共重合体の重量を基準にし
て複合ゴム10〜95重量%、好ましくは20〜90重
量%、及びビニル系単量体5〜90重量%、好ましくは
10〜80重量%程度である。ビニル系単量体が5重量
%未満では他の樹脂と混合した樹脂組成物中でのグラフ
ト複合ゴム成分の分散が十分でなく、又、90重量%を
超えると耐衝撃強度が低下するので好ましくない。
【0029】本発明において用いられるポリフェニレン
エ−テル樹脂(B)は下記の式で表される単独重合体ま
たは共重合体である。尚、式中Q1 〜Q4 は水素および
炭化水素からなる群からそれぞれ独立に選択され、mは
30以上の数を示す。
【0030】
【化2】
【0031】かかるポリフェニレンエ−テル樹脂の具体
例としてはポリ(2、6-ジメチル- 1、4-フェニレン)エ−
テル、ポリ(2、6-ジエチル-1、4- フェニレン)エ−テ
ル、ポリ(2、6-ジプロピル- 1、4-フェニレン)エ−テ
ル、ポリ(2-メチル-6- エチル-1、4- フェニレン)エ−
テル、ポリ(2-メチル-6- プロピル- 1、4-フェニレン)
エ−テル、ポリ(2-エチル-6- プロピル-1、4- フェニレ
ン)エ−テル、(2、6-ジメチル- 1、4-フェニレン)エ−
テルと、(2、3、6-トリメチル-1、4- フェニレン)エ−テ
ルとの共重合体、(2、6-ジエチル- 1、4-フェニレン)エ
−テルと、(2、3、6-トリメチル-1、4- フェニレン)エ−
テルとの共重合体、(2、6-ジメチル- 1、4-フェニレン)
エ−テルと(2、3、6-トリエチル-1、4- フェニレン)エ−
テルとの共重合体等が挙げられる。特にポリ(2、6-ジメ
チル- 1、4-フェニレン)エ−テルおよび、(2、6-ジメチ
ル- 1、4-フェニレン)エ−テルと(2、3、6-トリメチル-
1、4- フェニレン)エ−テルとの共重合体が好ましく、
さらに好ましくはポリ(2、6-ジメチル- 1、4-フェニレ
ン)エ−テルである。これらポリフェニレンエ−テル樹
脂はあらゆる配合比率でポリスチレン樹脂に対して相溶
性を有する。
【0032】ポリフェニレンエ−テル樹脂の重合度は特
に制限されるものではないが、25℃クロロホルム溶媒
下においての還元粘度が0.3〜0.7dl/gのものが好
ましく用いられる。0.3dl/g 未満の還元粘度のものでは
熱安定性が悪くなる傾向があり、また0.7dl/g を越える
還元粘度のものでは成形性が損われる傾向がある。これ
らのポリフェニレンエ−テル樹脂は単独でまたは2種以
上混合して用いられる。
【0033】又、本発明において用いられるポリスチレ
ン樹脂(C)は下記の式で表される芳香族ビニル系単量
体単位50重量%以上から構成される単独重合体または
共重合可能な他のビニル系単量体との共重合体である。
尚、式中Yは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、Zはハロゲン原子または炭素原子数1〜4のアル
キル基、lは0または1〜3の数を示す。
【0034】
【化3】
【0035】かかるポリスチレン樹脂の具体例としては
ポリスチレン、ポリクロルスチレン、ポリブロムスチレ
ン、ポリα−メチルスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−メチルメタクリレ−ト共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マ
レイミド共重合体、スチレン−N−フェニルマレイミド
共重合体、スチレン−アクリロニトリル−α−メチルス
チレン三元共重合体等が挙げられ、ポリスチレンが特に
好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物においてグラフト複合
ゴム(A)、ポリフェニレンエ−テル樹脂(B)及びポ
リスチレン樹脂(C)の組成は特に限定されないが、全
樹脂組成物の重量を基準にして、成分(A)が5〜40
重量%、成分(B)が20〜80重量%及び成分(C)
が20〜75重量%であるように構成されるのが好まし
い。成分(B)が20重量%未満では耐熱性の付与が充
分でない傾向があり、また80重量%を超える場合には
流動特性が悪くなる傾向があり成形性が低下する傾向が
ある。また成分(C)が20重量%未満では成形性と耐
熱性のバランスを取ることが困難となる傾向があり、ま
た75重量%を超える場合には耐衝撃性と耐熱性のバラ
ンスを取ることが困難となる傾向がある。さらに成分
(A)が5重量%未満では耐衝撃性能改善効果が不十分
となる傾向があり、また40重量%を超えると機械的強
度が低下する傾向があり使用には耐えにくくなる。
【0037】本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性、特に低
温下での耐衝撃性に優れた成形物を与え、しかも着色
性、表面外観にも優れ、また上記成分(B)と成分
(C)の配合比率を変えることにより耐熱性のレベルを
超耐熱樹脂から通常の耐熱性の樹脂のレベルまで自由に
設計出来る。さらに成分(A)の配合比率を変えること
により成形物の耐衝撃性並びに表面外観も自由に設計す
ることが出来る。
【0038】本発明の樹脂組成物は成分(A)、(B)
及び(C)をバンバリミキサ−、ロ−ルミル、二軸押出
機等の公知の装置を用いて機械的に混合し、ペレット状
に賦形することによって得ることができる。
【0039】本発明の樹脂組成物には必要に応じて安定
剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、顔料等を配合することがで
きる。具体的にはトリフェニルホスファイト等の安定
剤、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
の滑剤、トリフェニルホスフェ−ト、トリクレジルホス
フェ−ト等のホスフェ−ト系難燃剤、デカブロモビフェ
ニル、デカブロモビフェニルエ−テル等の臭素系難燃
剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、酸化チタン、硫化亜
鉛、酸化亜鉛等の顔料、ガラス繊維、アスベスト、ウオ
ラストナイト、マイカ、タルク等の充填剤等が挙げられ
る。
【0040】
【実施例】以下、参考例と実施例により本発明を説明す
る。参考例と実施例において、『部』及び『%』は特に
断らない限り『重量部』及び『重量%』を意味する。
【0041】参考例においてラテックス中のポリオルガ
ノシロキサンの粒子径は動的光散乱法により測定した。
この測定は、ラテックス中での粒子がブラウン運動をし
ていることを利用する方法である。ラテックス中の粒子
にレーザー光を照射すると粒子径に応じた揺らぎを示す
のでこの揺らぎを解析する事により粒子径を算出出来
る。大塚電子(株)のDLS−700型を用い、数平均
粒子径と粒子径分布を求めた。
【0042】また、架橋型ポリオルガノシロキサンの膨
潤度とゲル含量の測定には、ラテックスをイソプロパノ
ール中に滴下し凝固・乾燥することによって得られたポ
リオルガノシロキサンを用い以下の方法で行った。即ち
膨潤度は、ポリオルガノシロキサンを23℃のトルエン
中に48時間浸漬した時にポリオルガノシロキサンが吸
蔵するトルエンの重量を、浸漬前のポリオルガノシロキ
サンの重量で除した値として求めた。ゲル含量は、ポリ
オルガノシロキサンをトルエン中で23℃、48時間抽
出処理することによって求めた。
【0043】実施例において、アイゾット衝撃強度は、
ASTM D 258 (1/4”ノッチ付き)により測定した。
表面硬度は、ASTM D 785(ロックウェル硬度)により
測定した。光沢は、ASTM D 523-62 (60°鏡面光沢
度)により測定した。顔料着色性は、JIS Z 8729
(L*** 表色系による物体色の表示方法)により
測定した。
【0044】グラフト複合ゴムの数平均粒子径と 0.10
μm以上の粒子の体積分率は、超薄切片試料を透過型電
子顕微鏡観察することによって求めた。この超薄切片試
料は、ポリメチルメタクリレート90部とグラフト複合
ゴム10部とを押出機中で溶融混合してペレット化し、
このペレットをプレス成形した試験片からミクロトーム
を用いて切りだした。
【0045】参考例1 ポリオルガノシロキサンゴムラ
テックスSiLx-1の製造:テトラエトキシシラン2部、γ
−メタクリロイルオキロキシプロピルジメトキシメチル
シラン0.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキサ
ン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得
た。これにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
67部を溶解した蒸留水300部を添加し、ホモミキサ
−にて10,000rpm で2分間攪拌した後ホモジナイザーに
300kg/cm2の圧力で2回通し、安定な予備混合オルガ
ノシロキサンラテックスを得た。
【0046】一方、冷却コンデンサーを備えたセパラブ
ルフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸10部と蒸留
水90部とを注入し、10重量%のドデシルベンゼンス
ルホン酸水溶液を調製した。
【0047】この水溶液を85℃に加熱した状態で、予
備混合オルガノシロキサンラテックスを2時間に亘って
滴下し、滴下終了後3時間温度を維持し、冷却した。次
いでこの反応物を室温で12時間保持した後、苛性ソ−
ダ水溶液で中和して重合を完結し、ポリオルガノシロキ
サンゴムラテックスSiLx-1を得た。
【0048】このようにして得られたラテックスを17
0℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、18.
2重量%であった。又、このラテックスの膨潤度は1
5.6、ゲル含量は87.6%であり、数平均粒子径は
0.03μm、0.10μmより大きな粒子の体積分率は
6.8%であった。
【0049】参考例2 グラフト複合ゴムS−1の製
造:参考例1で得たラテックスSiLx-1を54.9部採取
し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水
340部を加えた後、ブチルアクリレート39.2部、
アリルメタクリレート0.8部、キュメンヒドロパーオ
キサイド0.12部の混合液を仕込み、30分間撹拌し
ポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させた。このセ
パラブルフラスコに窒素気流を通じることにより窒素置
換を行い、60℃まで昇温した。液温が60℃となった
時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.24
部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加しラジカル
重合を開始させた。ブチルアクリレート混合液の重合に
より液温は72℃迄上昇した。1時間この状態を維持し
ブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴムラテック
スを得た。
【0050】液温が60℃に低下した後、スチレン50
部、キュメンヒドロパーオキサイド0.25部の混合液
を1時間にわたって滴下し重合した。滴下終了後60℃
の温度を1時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完
了した。
【0051】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
塩化カルシウム7.5重量%の水(25℃)200部中
に徐々に滴下し凝固、分離し、洗浄した後、75℃で1
6時間乾燥しグラフト複合ゴムS−1の乾粉を96.8
部得た。このグラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.06μ
mであり、0.10μmより大きな粒子の体積分率は5.6
%であった。
【0052】参考例3〜5 グラフト複合ゴムS−2〜
S−4の製造:グラフト重合させるビニル系単量体を表
1に示す種類と組成に変えた以外は参考例2と同様にし
て各種グラフト複合ゴムS−2〜S−4を得た。
【0053】参考例6 グラフト複合ゴムS−5の製
造:参考例1で得られたラテックスSiLx-1を82.4部
採取し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸
留水330部を加えた後、ブチルアクリレート58.8
部、アリルメタクリレート1.2部、キュメンヒドロパ
ーオキサイド0.2部の混合液を仕込み、30分間撹拌
しポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させた。この
セパラブルフラスコに窒素気流を通じることにより窒素
置換を行い、60℃まで昇温した。液温が60℃となっ
た時点で硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四
酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.2
4部を蒸留水10部に溶解させた水溶液を添加しラジカ
ル重合を開始させた。ブチルアクリレート混合液の重合
により液温は72℃迄上昇した。1時間この状態を維持
しブチルアクリレートの重合を完了して複合ゴムラテッ
クスを得た。液温が60℃に低下した後、スチレン25
部、キュメンヒドロパーオキサイド0.25部の混合液
を30分間にわたって滴下し重合した。滴下終了後60
℃の温度を1時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を
完了した。
【0054】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムS−5の乾粉95.8部を得た。このグラ
フト複合ゴムの数平均粒子径は0.04μmであり、0.10μ
mより大きな粒子の体積分率は4.1%であった。
【0055】参考例7〜10 グラフト複合ゴムS−6
〜S−9の製造:グラフト重合するビニル系単量体を表
2に示す種類と組成に変えた以外は参考例6と同様にし
てグラフト複合ゴムS−6〜S−9を得た。
【0056】参考例11 ポリオルガノシロキサンゴム
ラテックスSiLx-2の製造:テトラエトキシシラン2部、
γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシ
ラン0.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン
97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得
た。ドデシルベンゼンスルホン酸4部及びドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム2部を溶解した蒸留水200
部に上記混合シロキサン100部を加え、ホモミキサ−
による予備分散及びホモジナイザ−による乳化・分散を
行い、80℃、5時間の加熱を行った後冷却後20℃で48時
間放置し、次いで水酸化ナトリウム水溶液でPHを7.0
に中和し重合を完結してラテックスSiLx-2を得た。この
ポリオルガノシロキサンゴムの重合率は89.6%であり、
平均粒子径は0.05μm、0.10μmより大きな粒子の体積
分率は67.3%であった。
【0057】参考例12 グラフト複合ゴムS−10
の製造:参考例11で得たラテックスSiLx-2を用いた以
外は参考例2と同様にしてグラフト複合ゴムS−10
(97.1部)を得た。このグラフト複合ゴムの数平均
粒子径は0.07μmであり、0.10μmより大きな粒子の体
積分率は57.2%であった。
【0058】参考例13 グラフト複合ゴムS−11の
製造:参考例11で得たラテックスSiLx-2を用いた以外
は参考例6と同様にしてグラフト複合ゴムS−11(9
6.3部)を得た。このグラフト複合ゴムの数平均粒子
径は0.06μmであり、0.10μmより大きな粒子の体積分
率は44.9%であった。
【0059】参考例14 グラフト複合ゴムS−12の
製造:テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイル
オキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオ
クタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合
し、シロキサン混合物100部を得た。これにドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼン
スルホン酸をそれぞれ0.67部を溶解した蒸留水20
0部に、上記混合シロキサン100部を加え、ホモミキ
サ−にて10,000rpm で2分間攪拌した後、ホモジナイザ
ーにより300kg/cm2の圧力で乳化、分散させオルガノ
シロキサンラテックスを得た。この混合液を冷却コンデ
ンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに移
し、撹拌混合しながら80℃で5時間加熱した後20℃
で48時間保持し、苛性ソ−ダ水溶液で中和し、重合を
完結しポリオルガノシロキサンゴムラテックスSiLx-3を
得た。得られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は
89.7%であり、数平均粒子径は0.16μmであった。
【0060】上記ラテックスSiLx-3を117部採取し、
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水5
7.5部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、
ブチルアクリレート33.95部、アリルメタクリレー
ト1.05部、およびtert- ブチルヒドロパーオキサイ
ド0.26部の混合液を仕込み30分間撹拌し、この混
合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子に含浸させた。
次いで硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26
部を蒸留水5部に溶解させた水溶液を添加しラジカル重
合を開始させ、その後内温は70℃で2時間保持し重合
を完了して複合ゴムラテックスを得た。
【0061】このラテックスの一部を採取し、複合ゴム
の平均粒子径を測定したところ0.19μmであった。また
ゲル含量を測定したところ97.3重量%であった。
【0062】この複合ゴムラテックスに、tert- ブチル
ヒドロパーオキサイド0.12部とスチレン30部との
混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後7
0℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完了
した。スチレンの重合率は91.5%であった。
【0063】得られたグラフト複合ゴムのラテックスを
参考例2と同様にして凝固、分離、洗浄、乾燥してグラ
フト複合ゴムS−12の乾粉96.8部を得た。このグ
ラフト複合ゴムの数平均粒子径は0.22μmであり、0.10
μmより大きな粒子の体積分率は93.4%であった。
【0064】参考例15 ポリオルガノシロキサンラ
テックスSiLx-4の製造:参考例1において、オルガノシ
ロキサンの組成を、γ−メタクリロイルオキシプロピル
ジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメチルシク
ロテトラシロキサン99.5部とし、冷却した反応物
を、室温で12時間保持することなく直ちに苛性ソ−ダ
水溶液で中和すること以外は、参考例1と同様にして非
架橋型シリコ−ンラテックスSiLx-4を得た。このラテッ
クスの固形分は、17.9%であった。また、数平均粒
子径は0.04μm、0.10μmより大きい粒子の体積分率は
7.3%であった。
【0065】参考例16 グラフト複合ゴムS−13の
製造:参考例2においてラテックスSiLx-1(54.9
部)の代わりにラテックスSiLx-4(55.9部)を用い
た以外は参考例2と同様にして、グラフト複合ゴムS−
13(96.8部)を得た。このグラフト複合ゴムの数
平均粒子径は0.06μmであり、0.10μmより大きな粒子
の体積分率は6.3%であった。
【0066】実施例1〜10及び比較例1〜4 参考例1〜16で得た各種グラフト複合ゴムS−1〜S
−13それぞれ15重量%と、クロロホルム中25℃で測
定した還元粘度(ηsp/c)が0.59dl/gのポリ(2、6-ジメ
チル−1、4-フェニレン)エーテル40重量%および荷重
5kg、200 ℃でのメルトインデックスが30g/10分のポ
リスチレン45重量%とを配合して13種類の樹脂組成
物を調製した(実施例1〜10、比較例1〜3)。また
上記ポリ(2、6-ジメチル−1、4-フェニレン)エーテル4
7.1重量%と上記ポリスチレン52.9重量%とからなる樹
脂組成物を調製した(比較例4)。これら14種類の樹
脂組成物100部にカーボンブラック(キャボット社製
V−9)を0.5部添加して混合し、この混合物をシリ
ンダー温度280℃に加熱した二軸押出機(ウェルナー
ファウドラー社製、ZSK−30肩)に供給し、溶融
混練してペレット状に賦形した。得られたそれぞれのペ
レットを乾燥後、射出成形機(住友重機(株)製プロマ
ット165/75型)に供給し、シリンダー温度280℃、金
型温度60℃で射出成形して各種の試験片を得た。これ
らの試験片を用いて各種物性を評価し、その結果を表3
に示した。
【0067】尚、表中の測色のL* 値が10程度であれ
ば顔料着色性が良好と判断され、10〜15程度が実用
的な着色性能を有する範囲である。L* 値がこれ以上で
あると着色性は悪くなり、20以上では実用に耐えない
ものとなる。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は成形性に優れ、耐
衝撃性、機械強度が良好で、顔料着色性が著しく改善さ
れた成形物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 公一 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオルガノシロキサン成分及びアルキ
    ル(メタ)アクリレートゴム成分からなる複合ゴムに、
    一種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合さ
    れてなる数平均粒子径が 0.01〜0.07μmであり0.10μ
    mより大きい粒子の体積が全粒子体積の20%以下である
    グラフト複合ゴム(A)、ポリフェニレンエ−テル樹脂
    (B)及びポリスチレン樹脂(C)が混合されてなる樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 グラフト複合ゴム(A)が5〜40重量
    %、ポリフェニレンエ−テル樹脂(B)が20〜80重量%
    及びポリスチレン樹脂(C)が20〜75重量%である請求
    項1記載の樹脂組成物。
JP4966993A 1992-03-10 1993-03-10 ポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物 Pending JPH0673284A (ja)

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