JPH0670920B2 - 強誘電薄膜の形成方法 - Google Patents
強誘電薄膜の形成方法Info
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- JPH0670920B2 JPH0670920B2 JP61315038A JP31503886A JPH0670920B2 JP H0670920 B2 JPH0670920 B2 JP H0670920B2 JP 61315038 A JP61315038 A JP 61315038A JP 31503886 A JP31503886 A JP 31503886A JP H0670920 B2 JPH0670920 B2 JP H0670920B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ABO3(AおよびBは単一の元素、或いは複数の元素を示
す記号)で表示されるペロブスカイト型構造の強誘電薄
膜を形成する方法であって、スパッタ装置の容器内に該
強誘電薄膜の各構成元素、或いは該各構成要素の酸化物
よりなるターゲットを酸素元素を除いて薄膜の構成元素
に該当する数量だけ配置し、各ターゲット上に基板を順
次移動させながらスパッタ用ガスを用いてターゲットの
成分を、組成比が0.5<A/B<2.0となるように、かつ
基板が各ターゲット上を(格子定数/膜の成長速度≧基
板がターゲットを通過する周期)となる条件で通過する
ようにしてスパッタすることで、低温で成膜できるよう
にし、基板が軟化しない状態で強誘電膜が得られるよう
にする。
す記号)で表示されるペロブスカイト型構造の強誘電薄
膜を形成する方法であって、スパッタ装置の容器内に該
強誘電薄膜の各構成元素、或いは該各構成要素の酸化物
よりなるターゲットを酸素元素を除いて薄膜の構成元素
に該当する数量だけ配置し、各ターゲット上に基板を順
次移動させながらスパッタ用ガスを用いてターゲットの
成分を、組成比が0.5<A/B<2.0となるように、かつ
基板が各ターゲット上を(格子定数/膜の成長速度≧基
板がターゲットを通過する周期)となる条件で通過する
ようにしてスパッタすることで、低温で成膜できるよう
にし、基板が軟化しない状態で強誘電膜が得られるよう
にする。
本発明はペロブスカイト型構造の強誘電薄膜の形成方法
に係り、特にスパッタ法を用いて低基板温度で、かつ組
成制御が容易な強誘電薄膜の形成方法に関する。
に係り、特にスパッタ法を用いて低基板温度で、かつ組
成制御が容易な強誘電薄膜の形成方法に関する。
最近のオプトエレクトロニクスの分野では、透明な強誘
電薄膜の出現が要望されている。
電薄膜の出現が要望されている。
例えばエレクトロルミネッセンス(EL)を利用した薄膜
構造の表示デバイスでは、駆動電圧の低減のために高誘
電率透明絶縁膜の開発が待たれているし、光通信用光導
波路や圧電素子の設計に於いてもそのような薄膜が要望
されている。
構造の表示デバイスでは、駆動電圧の低減のために高誘
電率透明絶縁膜の開発が待たれているし、光通信用光導
波路や圧電素子の設計に於いてもそのような薄膜が要望
されている。
従来、このような強誘電薄膜の形成方法としては本出願
人が既に特開昭56-45827号公報、および特開昭56-13881
3号公報に於いて提案している。
人が既に特開昭56-45827号公報、および特開昭56-13881
3号公報に於いて提案している。
この方法は第6図に示すように、加熱源1を備えた基本
ホルダ2に設置されたガラス基板3と、これに対向する
ように、形成すべきチタン酸鉛(PbTiO3)の原料である
酸化鉛(PbO)の粉末と酸化チタン(TiO2)の粉末を化
学量論的組成比となるように秤量した粉末4を充填した
容器5を設置し、この容器5を石英板6を介して水冷さ
れたカソード7上に設置している。そしてこれらを図示
しないスパッタ容器内に設置している。
ホルダ2に設置されたガラス基板3と、これに対向する
ように、形成すべきチタン酸鉛(PbTiO3)の原料である
酸化鉛(PbO)の粉末と酸化チタン(TiO2)の粉末を化
学量論的組成比となるように秤量した粉末4を充填した
容器5を設置し、この容器5を石英板6を介して水冷さ
れたカソード7上に設置している。そしてこれらを図示
しないスパッタ容器内に設置している。
しかしてそのプロセスは、スパッタ容器内を排気した
後、アルゴン(Ar)ガスと酸素(O2)ガスの混合ガスよ
り成るスパッタガスを該容器内に導入し、基板ホルダ2
をアノードとし、前記したカソード7との間に高周波電
圧を印加して基板3上にPbTiO3のスパッタ膜を形成して
いた。
後、アルゴン(Ar)ガスと酸素(O2)ガスの混合ガスよ
り成るスパッタガスを該容器内に導入し、基板ホルダ2
をアノードとし、前記したカソード7との間に高周波電
圧を印加して基板3上にPbTiO3のスパッタ膜を形成して
いた。
ところが、このような従来の方法では、第7図に示すよ
うに、基板温度が500℃以上の高温でないと強誘電性を
示すペロブスカイト型の結晶構造が現れず、基板温度が
500℃以下の低温であると、常誘電性を示すパイロクロ
ア型の結晶構造しか現れず、強誘電薄膜が形成できない
問題がある。
うに、基板温度が500℃以上の高温でないと強誘電性を
示すペロブスカイト型の結晶構造が現れず、基板温度が
500℃以下の低温であると、常誘電性を示すパイロクロ
ア型の結晶構造しか現れず、強誘電薄膜が形成できない
問題がある。
然し、EL素子の基板として通常用いられているガラス基
板の温度を、500℃以上に保とうとすると、そのガラス
基板が軟化し、そのためこの500℃の高温まで耐えられ
る特殊なガラス基板を必要とし、EL素子の製造に困難を
きたしていた。
板の温度を、500℃以上に保とうとすると、そのガラス
基板が軟化し、そのためこの500℃の高温まで耐えられ
る特殊なガラス基板を必要とし、EL素子の製造に困難を
きたしていた。
そこで、基板温度を低下させて強誘電薄膜の形成を試
み、以下のような結晶を得た。即ち本発明者等は低基板
温度で従来の方法を用いてスパッタ法で形成した強誘電
薄膜を調査した処、形成されたPbTiO3膜におけるPb/Ti
の原子比は1である比学量論的な組成比より大きく逸脱
していることを確かめた。
み、以下のような結晶を得た。即ち本発明者等は低基板
温度で従来の方法を用いてスパッタ法で形成した強誘電
薄膜を調査した処、形成されたPbTiO3膜におけるPb/Ti
の原子比は1である比学量論的な組成比より大きく逸脱
していることを確かめた。
従って低基板温度でスパッタ法により強誘電薄膜を形成
する際、その強誘電薄膜がペロブスカイト型構造を呈す
るようにするためには、Pb/Tiの原子比が、化学量論的
組成比1となるように、制御できるような方法が必要と
なる。
する際、その強誘電薄膜がペロブスカイト型構造を呈す
るようにするためには、Pb/Tiの原子比が、化学量論的
組成比1となるように、制御できるような方法が必要と
なる。
本発明の強誘電薄膜の形成方法は、第1図の原理図に示
すように、AおよびBを単一元素、或いは複数の元素を
示す記号とし、組成がABO3で表されるペロブスカイト型
強誘電薄膜を基板上にスパッタ法で形成する場合に於い
て、 スパッタ用ガスが満たされた容器内に前記AおよびBを
構成する元素、或いはAおよびBを構成する元素と酸素
を含んだ化合物で構成された二つのターゲット(11A,11
B)を別個に配置し、これ等ターゲット上に前記基板(1
2)を所定の繰り返し周期で交互に移動させ、成膜組成
が、0.5<A/B<2.0の範囲の原子比となるようにスパ
ッタリングを行う。
すように、AおよびBを単一元素、或いは複数の元素を
示す記号とし、組成がABO3で表されるペロブスカイト型
強誘電薄膜を基板上にスパッタ法で形成する場合に於い
て、 スパッタ用ガスが満たされた容器内に前記AおよびBを
構成する元素、或いはAおよびBを構成する元素と酸素
を含んだ化合物で構成された二つのターゲット(11A,11
B)を別個に配置し、これ等ターゲット上に前記基板(1
2)を所定の繰り返し周期で交互に移動させ、成膜組成
が、0.5<A/B<2.0の範囲の原子比となるようにスパ
ッタリングを行う。
本発明の方法は、形成すべき強誘電薄膜の構成元素、或
いは該構成元素のターゲットをそれぞれ別個に容器内に
設け、この各ターゲット上を基板を順次移動させ、この
各々のターゲットに印加する電力を、構成元素比が1対
1の化学量論比を満足するように印加し、かつこの基板
の移動速度を(格子定数/膜成長速度≧基板がターゲッ
トを通過する周期)とすることで、基板を400℃以下の
低温に保った場合においても、ペロブスカイト型の結晶
構造の強誘電薄膜が容易に得られるようにする。
いは該構成元素のターゲットをそれぞれ別個に容器内に
設け、この各ターゲット上を基板を順次移動させ、この
各々のターゲットに印加する電力を、構成元素比が1対
1の化学量論比を満足するように印加し、かつこの基板
の移動速度を(格子定数/膜成長速度≧基板がターゲッ
トを通過する周期)とすることで、基板を400℃以下の
低温に保った場合においても、ペロブスカイト型の結晶
構造の強誘電薄膜が容易に得られるようにする。
以下、図面を用いながら本発明の一実施例につき詳細に
説明する。
説明する。
第2図に示すように、スパッタ容器13内に円板状のPbO
ターゲット11Aと、TiO2ターゲット11Bとを、それぞれカ
ソードとなるターゲット設置台14Aおよび14B上に設置す
る。
ターゲット11Aと、TiO2ターゲット11Bとを、それぞれカ
ソードとなるターゲット設置台14Aおよび14B上に設置す
る。
一方、このターゲット11A,11Bに対向するように、ガラ
ス基板12を、加熱ヒータ15を有する基板設置台16に設置
する。
ス基板12を、加熱ヒータ15を有する基板設置台16に設置
する。
これ等のターゲット11A,11Bを載置したターゲット設置
台14Aと14Bは同一円周上に別個に設置され、これらの上
を基板12を載置した基板設置台16がモータ等の移動装置
(図示せず)を用いて回転移動するようにしても良い
し、また直線上にこれらのターゲット設置台14Aと14Bを
別個に設置し、その上を基板12がモータ等を用いて往復
移動するようにしても良い。
台14Aと14Bは同一円周上に別個に設置され、これらの上
を基板12を載置した基板設置台16がモータ等の移動装置
(図示せず)を用いて回転移動するようにしても良い
し、また直線上にこれらのターゲット設置台14Aと14Bを
別個に設置し、その上を基板12がモータ等を用いて往復
移動するようにしても良い。
このような装置構成に於いて、排気バルブ17を開放にし
て排気管18に連なる真空ポンプ(図示せず)を用いて、
スパッタ容器13内を10-6torrの真空度に成るまで迄排気
した後、バルブ17を閉じてガス導入管19より、酸素ガス
を20容量%含んだArガスを、スパッタガスとして容器13
内の圧力が10-2torrの圧力となるように導入する。
て排気管18に連なる真空ポンプ(図示せず)を用いて、
スパッタ容器13内を10-6torrの真空度に成るまで迄排気
した後、バルブ17を閉じてガス導入管19より、酸素ガス
を20容量%含んだArガスを、スパッタガスとして容器13
内の圧力が10-2torrの圧力となるように導入する。
この状態で周波数を13.56MHzとし、PbOターゲット11Aに
印加される電力を30Wとし、TiO2ターゲット11Bに印加さ
れる電力を300Wとし、基板設置台16とターゲット設置台
14A,14B間に高周波電圧を印加する。
印加される電力を30Wとし、TiO2ターゲット11Bに印加さ
れる電力を300Wとし、基板設置台16とターゲット設置台
14A,14B間に高周波電圧を印加する。
そしてヒータ15を用いてガラス基板12を200℃の温度に
加熱する。
加熱する。
この条件で、形成されるPbTiO3のスパッタ膜の成膜速度
は0.16Å/sec、この被膜の格子定数は4Å程度である
ので、4/0.16=25sec以下の周期で基板12が、各ター
ゲット11A,11Bを通過するようにすると、膜厚が格子定
数の厚さに到達する以前に、基板12が各ターゲット11A,
11B上を通過することになるので、PbとTiの原子比Pb/T
iが1の強誘電性を示すペロブスカイト型結晶構造のPbT
iO3のスパッタ膜が得られる。
は0.16Å/sec、この被膜の格子定数は4Å程度である
ので、4/0.16=25sec以下の周期で基板12が、各ター
ゲット11A,11Bを通過するようにすると、膜厚が格子定
数の厚さに到達する以前に、基板12が各ターゲット11A,
11B上を通過することになるので、PbとTiの原子比Pb/T
iが1の強誘電性を示すペロブスカイト型結晶構造のPbT
iO3のスパッタ膜が得られる。
ここで第3図にPbOターゲット11Aに印加される電力と、
TiO2ターゲット11Bに印加される電力と、スパッタによ
って形成されるPbTiO3の強誘電薄膜のPbとTiの原子比Pb
/Tiとの関係を示す。
TiO2ターゲット11Bに印加される電力と、スパッタによ
って形成されるPbTiO3の強誘電薄膜のPbとTiの原子比Pb
/Tiとの関係を示す。
図の横軸はPbOターゲット11Aに印加される電力を示し、
図の縦軸はTiO2ターゲット11Bに印加される電力を示
し、図の曲線21は形成されるPbTiO3の強誘電薄膜のPbと
Tiの原子比、即ちPb/Ti=1となる曲線を示す。
図の縦軸はTiO2ターゲット11Bに印加される電力を示
し、図の曲線21は形成されるPbTiO3の強誘電薄膜のPbと
Tiの原子比、即ちPb/Ti=1となる曲線を示す。
図示するように曲線21の上側の領域はPbとTiの原子比が
Pb<Ti<1となり、曲線21の下側の領域はPbとTiの原子
比がPb/Ti<1となる。
Pb<Ti<1となり、曲線21の下側の領域はPbとTiの原子
比がPb/Ti<1となる。
従ってPbOターゲット11Aに印加される電力と、TiO2ター
ゲット11Bに印加される電力を適宜選んで、PbとTiの原
子比Pb/Ti=1となるようにすると良い。
ゲット11Bに印加される電力を適宜選んで、PbとTiの原
子比Pb/Ti=1となるようにすると良い。
ここで第4図にPbOターゲット11Aに印加される電力と、
TiO2ターゲット11Bに印加される電力を適宜選んで、Pb
とTiの原子比のPb/Tiを変化させた時に形成されるスパ
ッタ膜の膜質を調べた結果を示す。
TiO2ターゲット11Bに印加される電力を適宜選んで、Pb
とTiの原子比のPb/Tiを変化させた時に形成されるスパ
ッタ膜の膜質を調べた結果を示す。
図の横軸はPbとTiの原子比Pb/Tiを示し、図の縦軸は形
成されたスパッタ膜をX線回折装置で検査して、ペロブ
スカイト型構造を示すピーク波形の面積とパイクロア型
構造を示すピーク波形の面積との比をとった値を示し、
この値が大きい程、そのスパッタ膜にペロブスカイト型
構造の結晶が多く含有されて、強誘電特性が大の被膜が
得られたことになる。
成されたスパッタ膜をX線回折装置で検査して、ペロブ
スカイト型構造を示すピーク波形の面積とパイクロア型
構造を示すピーク波形の面積との比をとった値を示し、
この値が大きい程、そのスパッタ膜にペロブスカイト型
構造の結晶が多く含有されて、強誘電特性が大の被膜が
得られたことになる。
図の曲線31に示すようにPbとTiの原子比Pb/Tiが0.5〜
2.0の範囲で、ペロブスカイト型構造の強誘電膜が得ら
れやすいことが判明した。
2.0の範囲で、ペロブスカイト型構造の強誘電膜が得ら
れやすいことが判明した。
また第5図に基板を加熱しない状態で、上記したような
条件でスパッタした場合に形成されたスパッタ膜のX線
回折の状態を示す。
条件でスパッタした場合に形成されたスパッタ膜のX線
回折の状態を示す。
図の横軸はX線の回折角度を示し、縦軸はスパッタ膜に
X線が照射されて回折されたX線の強度をX線検知器で
検知した値を示す。
X線が照射されて回折されたX線の強度をX線検知器で
検知した値を示す。
図の曲線41に示すように、41A,41B,41C,41Dの各々の箇
所に於いて、ペロブスカイト構造のPbTiO3の(100)
面、(101)面、(110)面、(111)面に対応するX線
の回折ピークが現れており、ペロブスカイト型の結晶構
造を有するPbTiO3の強誘電膜が形成されていることが実
験的に確かめられた。
所に於いて、ペロブスカイト構造のPbTiO3の(100)
面、(101)面、(110)面、(111)面に対応するX線
の回折ピークが現れており、ペロブスカイト型の結晶構
造を有するPbTiO3の強誘電膜が形成されていることが実
験的に確かめられた。
尚、本実施例ではPbTiO3のスパッタ膜の形成方法に例を
用いて説明したが、本発明はAおよびBを単一の元素、
或いは複数の元素を組み合わせた記号としABO3の形で表
されるチタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3)、ジルコニウムチタン酸ストロンチウ
ム〔Sr(Zr0.2Ti0.8)O3、PLZT〔(Pb・La)(Zr・Ti)
O2〕等のペロブスカイト構造の形成にも適用できる。
用いて説明したが、本発明はAおよびBを単一の元素、
或いは複数の元素を組み合わせた記号としABO3の形で表
されるチタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3)、ジルコニウムチタン酸ストロンチウ
ム〔Sr(Zr0.2Ti0.8)O3、PLZT〔(Pb・La)(Zr・Ti)
O2〕等のペロブスカイト構造の形成にも適用できる。
また本実施例のように各ターゲットに印加する電力を制
御する代わりに、各ターゲット上にスリットを設けた遮
蔽板を設置し、このスリットの開口部の面積を調整する
ことで、各ターゲットより基板上にスパッタされるター
ゲットの成分を調整し、これによって形成されるスパッ
タ膜の構成原子比を制御する方法を採っても良い。
御する代わりに、各ターゲット上にスリットを設けた遮
蔽板を設置し、このスリットの開口部の面積を調整する
ことで、各ターゲットより基板上にスパッタされるター
ゲットの成分を調整し、これによって形成されるスパッ
タ膜の構成原子比を制御する方法を採っても良い。
以上述べたように、本発明の方法によれば、形成される
スパッタ膜の組成の制御が容易となり、基板が低温の状
態でスパッタ膜を形成しても、ペロブスカイト型構造の
強誘電薄膜が容易に形成でき、本発明の方法で形成した
強誘電薄膜を用いてEL素子を形成すれば、低駆動電圧の
高性能のEL素子が得られる効果がある。
スパッタ膜の組成の制御が容易となり、基板が低温の状
態でスパッタ膜を形成しても、ペロブスカイト型構造の
強誘電薄膜が容易に形成でき、本発明の方法で形成した
強誘電薄膜を用いてEL素子を形成すれば、低駆動電圧の
高性能のEL素子が得られる効果がある。
第1図は本発明の方法を示す原理図、 第2図は本発明の一実施例を示す模式図、 第3図は本発明に於ける各ターゲットの印加電力と形成
されるスパッタ膜の構成原子の原子比との関係図、 第4図は本発明に於けるスパッタ膜の構成原子の原子比
と膜質との関係図、 第5図は本発明の方法で形成したスパッタ膜のX線回折
図、 第6図は従来の方法を示す模式図、 第7図は従来の方法で形成したスパッタ膜の結晶構造と
基板温度の関係図である。 図に於いて、 11AはPbOターゲット、11BはTiO3ターゲット、12は基
板、13は容器、14A,14Bはターゲット設置台、15はヒー
タ、16は基板設置台、17は排気バルブ、18は排気管、19
はガス導入管、21はターゲットの印加電力と形成される
強誘電薄膜の原子比との関係曲線、31は強誘電薄膜の原
子比と膜質との関係曲線、41,41A,41B,41C,41Dは強誘電
薄膜のX線回折ピークを示す。
されるスパッタ膜の構成原子の原子比との関係図、 第4図は本発明に於けるスパッタ膜の構成原子の原子比
と膜質との関係図、 第5図は本発明の方法で形成したスパッタ膜のX線回折
図、 第6図は従来の方法を示す模式図、 第7図は従来の方法で形成したスパッタ膜の結晶構造と
基板温度の関係図である。 図に於いて、 11AはPbOターゲット、11BはTiO3ターゲット、12は基
板、13は容器、14A,14Bはターゲット設置台、15はヒー
タ、16は基板設置台、17は排気バルブ、18は排気管、19
はガス導入管、21はターゲットの印加電力と形成される
強誘電薄膜の原子比との関係曲線、31は強誘電薄膜の原
子比と膜質との関係曲線、41,41A,41B,41C,41Dは強誘電
薄膜のX線回折ピークを示す。
フロントページの続き (72)発明者 三浦 照信 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−38995(JP,A) 特開 昭64−38996(JP,A) 特開 昭61−165994(JP,A) 特開 昭59−147634(JP,A) 特開 昭57−123684(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】AおよびBを単一元素、或いは複数の元素
を示す記号とし、組成がABO3で表されるペロブスカイト
型強誘電薄膜を基板(12)上にスパッタ法で形成する場
合に於いて、 スパッタ用ガスが満たされた容器内に前記AおよびBを
構成する元素、或いはAおよびBを構成する元素と酸素
を含んだ化合物で構成された二つのターゲット(11A,11
B)を別個に配置し、これ等ターゲット上に前記基板(1
2)を所定の繰り返し周期で交互に移動させ、成膜組成
が、0.5<A/B<2.0の範囲の原子比となるようにスパ
ッタリングを行うことを特徴とする強誘電薄膜の形成方
法。 - 【請求項2】前記基板(12)が、各ターゲット(11A,11
B)を(格子定数/膜の成長速度≧基板がターゲットを
通過する周期)となる条件で移動させることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項に記載の強誘電薄膜の形成方
法。 - 【請求項3】前記スパッタ容器内の雰囲気が酸化性雰囲
気であることを特徴とする特許請求の範囲第1項および
第2項のいずれかに記載の強誘電薄膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61315038A JPH0670920B2 (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 強誘電薄膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61315038A JPH0670920B2 (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 強誘電薄膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63166198A JPS63166198A (ja) | 1988-07-09 |
JPH0670920B2 true JPH0670920B2 (ja) | 1994-09-07 |
Family
ID=18060674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61315038A Expired - Lifetime JPH0670920B2 (ja) | 1986-12-26 | 1986-12-26 | 強誘電薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0670920B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0294507A (ja) * | 1988-09-30 | 1990-04-05 | Toshiba Corp | 強誘電体薄膜及びその製造方法 |
JPH04147964A (ja) * | 1990-10-11 | 1992-05-21 | Sharp Corp | 強誘電体薄膜の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07109029B2 (ja) * | 1986-05-20 | 1995-11-22 | 松下電器産業株式会社 | ペロブスカイト薄膜の製造方法 |
-
1986
- 1986-12-26 JP JP61315038A patent/JPH0670920B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63166198A (ja) | 1988-07-09 |
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