JPH06299330A - 誘電体薄膜の堆積方法及び装置 - Google Patents
誘電体薄膜の堆積方法及び装置Info
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- JPH06299330A JPH06299330A JP5088518A JP8851893A JPH06299330A JP H06299330 A JPH06299330 A JP H06299330A JP 5088518 A JP5088518 A JP 5088518A JP 8851893 A JP8851893 A JP 8851893A JP H06299330 A JPH06299330 A JP H06299330A
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Landscapes
- Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ペロブスカイト型酸化物誘電体薄膜を形成す
る方法において、誘電体化合物を堆積する反応室の外側
から赤外光を照射して基板加熱を行なうことにより、基
板温度の昇降時間の大きく短縮し、さらに、基板設置位
置間での組成等の膜特性のばらつきが低減する。 【構成】 スパッタチャンバー1 内には、焼結した酸化
物強誘電体材料たとえばPb0.79La0.21Ti0.95O3
(さらにPbOを0 〜40mol%過剰にして焼結した)をタ
ーゲット2 として用いて装着してある。基板3 はMgO
単結晶基板である。反応室外で発した赤外光はチャンバ
ーの蓋に取り付けた3mm厚,直径5インチの石英ガラ
ス板4 を透過し、真空槽内に入射する。そして、この赤
外光はMgO基板3 を取り付けてある基板ホルダ−5 の
裏側を輻射によって加熱し、結果として基板ホルダー5
から伝導した熱が基板3 の加熱を行う。
る方法において、誘電体化合物を堆積する反応室の外側
から赤外光を照射して基板加熱を行なうことにより、基
板温度の昇降時間の大きく短縮し、さらに、基板設置位
置間での組成等の膜特性のばらつきが低減する。 【構成】 スパッタチャンバー1 内には、焼結した酸化
物強誘電体材料たとえばPb0.79La0.21Ti0.95O3
(さらにPbOを0 〜40mol%過剰にして焼結した)をタ
ーゲット2 として用いて装着してある。基板3 はMgO
単結晶基板である。反応室外で発した赤外光はチャンバ
ーの蓋に取り付けた3mm厚,直径5インチの石英ガラ
ス板4 を透過し、真空槽内に入射する。そして、この赤
外光はMgO基板3 を取り付けてある基板ホルダ−5 の
裏側を輻射によって加熱し、結果として基板ホルダー5
から伝導した熱が基板3 の加熱を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体薄膜の堆積方法
とその装置に関するものである。さらに詳しくは、スパ
ッタリング方法などを用いて誘電体薄膜を堆積する方法
とその装置に関するものである。
とその装置に関するものである。さらに詳しくは、スパ
ッタリング方法などを用いて誘電体薄膜を堆積する方法
とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜化技術は、エレクトロニクス分野、
特に、半導体製造プロセスを中心に発展し、新材料の開
発と共に進歩してきた。これらの薄膜は、単体元素の場
合はごくまれで、一般に合金あるいは化合物である場合
が多く、形成方法により著しく特性が変化する。これら
新材料の創成およびそのデバイス化は、人工格子材料な
どに代表されるように、薄膜化技術の向上によるところ
が多い。
特に、半導体製造プロセスを中心に発展し、新材料の開
発と共に進歩してきた。これらの薄膜は、単体元素の場
合はごくまれで、一般に合金あるいは化合物である場合
が多く、形成方法により著しく特性が変化する。これら
新材料の創成およびそのデバイス化は、人工格子材料な
どに代表されるように、薄膜化技術の向上によるところ
が多い。
【0003】近年注目されている薄膜材料に、ABO3
で構成されるペロブスカイト型構造を有する誘電体材料
がある。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、Srまたは
Laの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrの
うち少なくとも1種の元素を含む。(Pb1-x Lax )
(Zry Ti1-y )(1-x)/4 O3 系、BaTiO3 系に
代表される強誘電体は、優れた強誘電性、圧電性、焦電
性、電気光学特性等を示し、これを利用した種々の機能
デバイスが検討されている。特に、半導体ICの分野に
おいては、新しいデバイス、不揮発性メモリーへの応用
が期待されている。また、SrTiO3 系は強誘電性こ
そ示さないものの、高誘電率材料として超高密度DRA
Mのキャパシタ絶縁膜への応用が期待されている。
で構成されるペロブスカイト型構造を有する誘電体材料
がある。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、Srまたは
Laの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrの
うち少なくとも1種の元素を含む。(Pb1-x Lax )
(Zry Ti1-y )(1-x)/4 O3 系、BaTiO3 系に
代表される強誘電体は、優れた強誘電性、圧電性、焦電
性、電気光学特性等を示し、これを利用した種々の機能
デバイスが検討されている。特に、半導体ICの分野に
おいては、新しいデバイス、不揮発性メモリーへの応用
が期待されている。また、SrTiO3 系は強誘電性こ
そ示さないものの、高誘電率材料として超高密度DRA
Mのキャパシタ絶縁膜への応用が期待されている。
【0004】これらの材料の特性の向上あるいは量産化
のためには、その薄膜堆積プロセスの簡略化が非常に重
要である。しかし、ここで用いられるスパッタやCVD
法(化学気相成長法)などの堆積方法が、一般には高温
でのプロセスであるために、基板温度の昇降温に時間を
要し、全体的なプロセス時間を短縮することは一般には
容易ではなかった。また、従来の基板加熱方式では、基
板を固定する基板ホルダーの裏側にヒーターを接触さ
せ、そのヒーターにより基板を加熱し、熱伝導で堆積膜
の加熱を行っていた。そのため基板ホルダー上での基板
加熱温度に分布が生じ、大面積において安定して基板を
均一に加熱する事は容易ではなかった。
のためには、その薄膜堆積プロセスの簡略化が非常に重
要である。しかし、ここで用いられるスパッタやCVD
法(化学気相成長法)などの堆積方法が、一般には高温
でのプロセスであるために、基板温度の昇降温に時間を
要し、全体的なプロセス時間を短縮することは一般には
容易ではなかった。また、従来の基板加熱方式では、基
板を固定する基板ホルダーの裏側にヒーターを接触さ
せ、そのヒーターにより基板を加熱し、熱伝導で堆積膜
の加熱を行っていた。そのため基板ホルダー上での基板
加熱温度に分布が生じ、大面積において安定して基板を
均一に加熱する事は容易ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化物
誘電体の薄膜化において、従来最も一般的に用いられて
いたスパッタリング法では、低温成長の方向でいくつも
の研究がなされているが、良好な結晶性の被膜を得るに
は、依然、 600℃前後の高い基板温度が必要である。こ
のため昇温あるいは降温過程でかなりの時間を要し、量
産の大きな障害となっている。また、従来のシースヒー
ターを用いた基板加熱では大面積の基板ホルダーを用い
た際、この基板ホルダー内に温度分布が生じるため、大
型の薄膜形成装置を用いた場合などにおいても、被膜の
組成や膜構造のばらつきが避けられない。このような被
膜の量産を考えた際、同時に多くの被膜が得られるとい
うことがかなり重要な条件となる。したがって、薄膜堆
積プロセスの短縮と、さらには大面積において均一な基
板温度が得られるような基板加熱機構を用いる必要があ
る。
誘電体の薄膜化において、従来最も一般的に用いられて
いたスパッタリング法では、低温成長の方向でいくつも
の研究がなされているが、良好な結晶性の被膜を得るに
は、依然、 600℃前後の高い基板温度が必要である。こ
のため昇温あるいは降温過程でかなりの時間を要し、量
産の大きな障害となっている。また、従来のシースヒー
ターを用いた基板加熱では大面積の基板ホルダーを用い
た際、この基板ホルダー内に温度分布が生じるため、大
型の薄膜形成装置を用いた場合などにおいても、被膜の
組成や膜構造のばらつきが避けられない。このような被
膜の量産を考えた際、同時に多くの被膜が得られるとい
うことがかなり重要な条件となる。したがって、薄膜堆
積プロセスの短縮と、さらには大面積において均一な基
板温度が得られるような基板加熱機構を用いる必要があ
る。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、昇温・降温時間を短縮して誘電体薄膜を形成する
方法を提供することを目的とする。
ため、昇温・降温時間を短縮して誘電体薄膜を形成する
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の誘電体薄膜の製造方法は、基板に対してA
BO3 (ただし、Aサイトは、Pb、Ba、Srまたは
Laの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrの
うち少なくとも1種の元素を含む。)で構成されるペロ
ブスカイト型複合化合物からなる誘電体化合物を堆積し
て薄膜を形成する方法であって、前記誘電体化合物を堆
積する反応室の外側から真空槽内に赤外光を導入し、こ
の赤外光を基板に照射することにより基板加熱を行なう
ことを特徴とする。
め、本発明の誘電体薄膜の製造方法は、基板に対してA
BO3 (ただし、Aサイトは、Pb、Ba、Srまたは
Laの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrの
うち少なくとも1種の元素を含む。)で構成されるペロ
ブスカイト型複合化合物からなる誘電体化合物を堆積し
て薄膜を形成する方法であって、前記誘電体化合物を堆
積する反応室の外側から真空槽内に赤外光を導入し、こ
の赤外光を基板に照射することにより基板加熱を行なう
ことを特徴とする。
【0008】次に本発明の誘電体薄膜の堆積装置は、基
板に対してABO3 (ただし、Aサイトは、Pb、B
a、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、T
iおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。)で
構成されるペロブスカイト型複合化合物からなる誘電体
化合物を堆積して薄膜を形成する装置であって、前記誘
電体化合物を堆積する反応室の外側から真空槽内に赤外
光を導入し、この赤外光を基板に照射する手段を備えた
ことを特徴とする。
板に対してABO3 (ただし、Aサイトは、Pb、B
a、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、T
iおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。)で
構成されるペロブスカイト型複合化合物からなる誘電体
化合物を堆積して薄膜を形成する装置であって、前記誘
電体化合物を堆積する反応室の外側から真空槽内に赤外
光を導入し、この赤外光を基板に照射する手段を備えた
ことを特徴とする。
【0009】
【作用】前記した本発明の構成によれば、誘電体化合物
を堆積する反応室の外側から赤外光を照射することによ
り、プロセスの昇温・降温時間を短縮して誘電体化合物
薄膜を形成できる。さらに、従来のシースヒーターを用
いて大型の薄膜形成装置で成膜した場合に生じる基板ホ
ルダー上での基板温度分布が低減できる。これは赤外光
を薄膜の表面側から輻射によって、大面積の基板ホルダ
ー全体を均等に加熱できるからである。
を堆積する反応室の外側から赤外光を照射することによ
り、プロセスの昇温・降温時間を短縮して誘電体化合物
薄膜を形成できる。さらに、従来のシースヒーターを用
いて大型の薄膜形成装置で成膜した場合に生じる基板ホ
ルダー上での基板温度分布が低減できる。これは赤外光
を薄膜の表面側から輻射によって、大面積の基板ホルダ
ー全体を均等に加熱できるからである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の理解を容易にするため、実施
例を用いて具体的に説明する。 (実施例1)本発明の実施例を図面と共に説明する。ま
ず最初に、本発明の一実施例の薄膜製造装置の概略図を
図1に示す。本装置は、ペロブスカイト型酸化物誘電体
薄膜を作製する際、最も一般的に用いられるマグネトロ
ンスパッタ装置の一部を改造したものである。スパッタ
チャンバー1内には、焼結した酸化物強誘電体材料Pb
0.79La0.21Ti0.95O3 (さらにPbOを1〜40mo
l%過剰にして焼結した)をターゲット2として用いて装
着してある。基板3にはここではMgO単結晶基板を用
いている。ここで、本発明では、基板の加熱方式として
赤外線ランプ加熱方式を用いている。赤外線光源はラン
プユニットとして組み込まれているが、ここでの出力は
P=1KWとした。
例を用いて具体的に説明する。 (実施例1)本発明の実施例を図面と共に説明する。ま
ず最初に、本発明の一実施例の薄膜製造装置の概略図を
図1に示す。本装置は、ペロブスカイト型酸化物誘電体
薄膜を作製する際、最も一般的に用いられるマグネトロ
ンスパッタ装置の一部を改造したものである。スパッタ
チャンバー1内には、焼結した酸化物強誘電体材料Pb
0.79La0.21Ti0.95O3 (さらにPbOを1〜40mo
l%過剰にして焼結した)をターゲット2として用いて装
着してある。基板3にはここではMgO単結晶基板を用
いている。ここで、本発明では、基板の加熱方式として
赤外線ランプ加熱方式を用いている。赤外線光源はラン
プユニットとして組み込まれているが、ここでの出力は
P=1KWとした。
【0011】反応室外で発した赤外光はチャンバーの蓋
に取り付けた3mm厚,直径5インチの石英ガラス板4
を透過し、真空槽内に入射する。そして、この赤外光は
MgO基板3を取り付けてある基板ホルダー5の裏側を
輻射によって加熱し、結果として基板ホルダー5から伝
導した熱が基板3の加熱を行う。さらに基板3とターゲ
ット2の距離は10cmである。
に取り付けた3mm厚,直径5インチの石英ガラス板4
を透過し、真空槽内に入射する。そして、この赤外光は
MgO基板3を取り付けてある基板ホルダー5の裏側を
輻射によって加熱し、結果として基板ホルダー5から伝
導した熱が基板3の加熱を行う。さらに基板3とターゲ
ット2の距離は10cmである。
【0012】そこでまず基板加熱温度の基板ホルダー内
での分布について調べた結果を次に示す。基板ホルダー
には、ホルダー中心から同一半径上に温度測定用として
2つの熱電対を設置した。ここで熱電対の設置位置はr=
25mmである。熱電対を取り付けたまま基板を加熱してい
くと、各位置に設置した熱電対の温度表示には10℃程
度のばらつきが見られた。この温度のばらつきが形成し
た被膜の組成のばらつきの原因となる。特に大型のスパ
ッタ装置を用いて量産を行なう際、基板設置位置間で
の、これらの組成のばらつきは大きな問題となり均質な
被膜を安定して得るためには、この様な組成のばらつき
を避ける必要がある。
での分布について調べた結果を次に示す。基板ホルダー
には、ホルダー中心から同一半径上に温度測定用として
2つの熱電対を設置した。ここで熱電対の設置位置はr=
25mmである。熱電対を取り付けたまま基板を加熱してい
くと、各位置に設置した熱電対の温度表示には10℃程
度のばらつきが見られた。この温度のばらつきが形成し
た被膜の組成のばらつきの原因となる。特に大型のスパ
ッタ装置を用いて量産を行なう際、基板設置位置間で
の、これらの組成のばらつきは大きな問題となり均質な
被膜を安定して得るためには、この様な組成のばらつき
を避ける必要がある。
【0013】本発明者らは、前記した従来の基板加熱機
構に比べて、大面積で均質に加熱できるような基板加熱
機構を導入した。本実施例による基板加熱温度の均一性
については同様の位置に熱電対を取り付けて温度測定を
行なった。同様にA,Bのそれぞれ2点の位置に設置し
た熱電対の温度表示のばらつきは、先のシースヒーター
を用いて基板加熱を行なった結果よりも小さく2℃程度
とかなり改善された。
構に比べて、大面積で均質に加熱できるような基板加熱
機構を導入した。本実施例による基板加熱温度の均一性
については同様の位置に熱電対を取り付けて温度測定を
行なった。同様にA,Bのそれぞれ2点の位置に設置し
た熱電対の温度表示のばらつきは、先のシースヒーター
を用いて基板加熱を行なった結果よりも小さく2℃程度
とかなり改善された。
【0014】ここで本発明の強誘電体薄膜の一実施例で
あるPb0.9 La0.1 Ti00.975O3 膜(PLT 薄膜)
を、RF電力=800W,基板温度=590℃, ガス圧=0.1Pa, A
r/O2 ガス流量比=25/1sccm/sccmという成膜条件で60
分間堆積した。この際の基板設置位置間での組成の差を
次に示すが、基板の設置位置は同様にA,B点である。
この場合の、電子線マイクロアナライザ(EPMA )によっ
て測定したPLT 薄膜のPb/Ti 比は、それぞれ1.10,1.12
であり、基板設置位置によるPb/Ti のばらつきはほとん
ど見られなかった。この結果は基板加熱ヒーター及び加
熱機構を改善したことが反映された結果だと思われる。
あるPb0.9 La0.1 Ti00.975O3 膜(PLT 薄膜)
を、RF電力=800W,基板温度=590℃, ガス圧=0.1Pa, A
r/O2 ガス流量比=25/1sccm/sccmという成膜条件で60
分間堆積した。この際の基板設置位置間での組成の差を
次に示すが、基板の設置位置は同様にA,B点である。
この場合の、電子線マイクロアナライザ(EPMA )によっ
て測定したPLT 薄膜のPb/Ti 比は、それぞれ1.10,1.12
であり、基板設置位置によるPb/Ti のばらつきはほとん
ど見られなかった。この結果は基板加熱ヒーター及び加
熱機構を改善したことが反映された結果だと思われる。
【0015】さらに、高温プロセスは、薄膜堆積プロセ
スの所要時間が長いという欠点がある。特に、基板が取
り出せる様な充分に低い温度になるまで降温するという
時間を長くとる必要がある。真空槽内にランプを設置し
た赤外線ランプ加熱方式の場合、特に酸素雰囲気中で降
温するとランプ源が著しく劣化するため、ランプの寿命
を考えて、80℃以下にまで冷却してから基板を取り出
す必要がある。そのため、一例では、基板が取り出せる
までに降温する時間が3時間30分以上と、温度の降下
だけでかなりの時間を要することになる。また、基板加
熱の際にも600℃の基板温度にまで十分に基板が加熱
されて安定するまでには1時間30分程度の時間を要す
るため、基板加熱及び基板冷却のプロセス時間だけで5
時間もの時間を要することになる。これに対して、本実
施例で採用した反応室外から赤外光を導入する方式を用
いると、好ましい例においては、反応室と加熱源は完全
に別室となり、ランプを酸素雰囲気にさらさないため、
冷却時間に相当する3時間30分が短縮されることにな
る。基板加熱温度を600℃とした本実施例では、基板
自体の冷却時間である1時間を差し引いて、1プロセス
に対して約2時間30分の時間短縮が可能となった。
スの所要時間が長いという欠点がある。特に、基板が取
り出せる様な充分に低い温度になるまで降温するという
時間を長くとる必要がある。真空槽内にランプを設置し
た赤外線ランプ加熱方式の場合、特に酸素雰囲気中で降
温するとランプ源が著しく劣化するため、ランプの寿命
を考えて、80℃以下にまで冷却してから基板を取り出
す必要がある。そのため、一例では、基板が取り出せる
までに降温する時間が3時間30分以上と、温度の降下
だけでかなりの時間を要することになる。また、基板加
熱の際にも600℃の基板温度にまで十分に基板が加熱
されて安定するまでには1時間30分程度の時間を要す
るため、基板加熱及び基板冷却のプロセス時間だけで5
時間もの時間を要することになる。これに対して、本実
施例で採用した反応室外から赤外光を導入する方式を用
いると、好ましい例においては、反応室と加熱源は完全
に別室となり、ランプを酸素雰囲気にさらさないため、
冷却時間に相当する3時間30分が短縮されることにな
る。基板加熱温度を600℃とした本実施例では、基板
自体の冷却時間である1時間を差し引いて、1プロセス
に対して約2時間30分の時間短縮が可能となった。
【0016】以上説明した通り、本実施例によれば、酸
化物誘電体を薄膜化する製造装置及びプロセスを提供
し、工業上極めて大きな価値を有するものである。これ
までの酸化物誘電体薄膜のプロセスは高温であったた
め、温度の昇降にかなりの時間を要した。しかし、本実
施例によりプロセス時間の大きな短縮が実現できる。さ
らに、大型装置を用いて薄膜を量産する場合の問題点と
なる基板設置位置間での組成等の膜特性のばらつきが低
減できるところに大きな特色がある。
化物誘電体を薄膜化する製造装置及びプロセスを提供
し、工業上極めて大きな価値を有するものである。これ
までの酸化物誘電体薄膜のプロセスは高温であったた
め、温度の昇降にかなりの時間を要した。しかし、本実
施例によりプロセス時間の大きな短縮が実現できる。さ
らに、大型装置を用いて薄膜を量産する場合の問題点と
なる基板設置位置間での組成等の膜特性のばらつきが低
減できるところに大きな特色がある。
【0017】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、誘
電体化合物を堆積する反応室の外側から赤外光を照射し
て基板を加熱することにより、基板温度の昇降時間の大
きな短縮が実現できる。さらに、大型装置を用いて薄膜
を量産する場合の問題点となる基板設置位置間での組成
等の膜特性のばらつきが低減できる。
電体化合物を堆積する反応室の外側から赤外光を照射し
て基板を加熱することにより、基板温度の昇降時間の大
きな短縮が実現できる。さらに、大型装置を用いて薄膜
を量産する場合の問題点となる基板設置位置間での組成
等の膜特性のばらつきが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄膜製造装置の基本構成断
面図である。
面図である。
1 チャンバー 2 原料ターゲット 3 MgO基板 4 石英板 5 基板ホルダー 6 赤外線光源 7 ランプユニット A 赤外光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平尾 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 基板に対してABO3 (ただし、Aサイ
トは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、
Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元
素を含む。)で構成されるペロブスカイト型複合化合物
からなる誘電体化合物を堆積して薄膜を形成する方法で
あって、前記誘電体化合物を堆積する反応室の外側から
真空槽内に赤外光を導入し、この赤外光を基板に照射す
ることにより基板加熱を行なうことを特徴とする誘電体
薄膜の堆積方法。 - 【請求項2】 基板に対してABO3 (ただし、Aサイ
トは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、
Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元
素を含む。)で構成されるペロブスカイト型複合化合物
からなる誘電体化合物を堆積して薄膜を形成する装置で
あって、前記誘電体化合物を堆積する反応室の外側から
真空槽内に赤外光を導入し、この赤外光を基板に照射す
る手段を備えたことを特徴とする誘電体薄膜の堆積装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088518A JPH06299330A (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 誘電体薄膜の堆積方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5088518A JPH06299330A (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 誘電体薄膜の堆積方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299330A true JPH06299330A (ja) | 1994-10-25 |
Family
ID=13945057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5088518A Pending JPH06299330A (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 誘電体薄膜の堆積方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06299330A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8058259B2 (en) | 2007-12-20 | 2011-11-15 | University Of Virginia Patent Foundation | Substituted 4-{3-[6-amino-9-(3,4-dihydroxy-tetrahydro-furan-2-yl)-9H-purin-2-yl]-prop-2-ynyl}-piperidine-1-carboxylic acid esters as A2AR agonists |
US8158604B2 (en) | 2001-10-01 | 2012-04-17 | University Of Virginia Patent Foundation | 2-propynyl adenosine analogs having A2A agonist activity and compositions thereof |
US8178509B2 (en) | 2006-02-10 | 2012-05-15 | University Of Virginia Patent Foundation | Method to treat sickle cell disease |
US8188063B2 (en) | 2006-06-19 | 2012-05-29 | University Of Virginia Patent Foundation | Use of adenosine A2A modulators to treat spinal cord injury |
-
1993
- 1993-04-15 JP JP5088518A patent/JPH06299330A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8158604B2 (en) | 2001-10-01 | 2012-04-17 | University Of Virginia Patent Foundation | 2-propynyl adenosine analogs having A2A agonist activity and compositions thereof |
US8178509B2 (en) | 2006-02-10 | 2012-05-15 | University Of Virginia Patent Foundation | Method to treat sickle cell disease |
US8188063B2 (en) | 2006-06-19 | 2012-05-29 | University Of Virginia Patent Foundation | Use of adenosine A2A modulators to treat spinal cord injury |
US8058259B2 (en) | 2007-12-20 | 2011-11-15 | University Of Virginia Patent Foundation | Substituted 4-{3-[6-amino-9-(3,4-dihydroxy-tetrahydro-furan-2-yl)-9H-purin-2-yl]-prop-2-ynyl}-piperidine-1-carboxylic acid esters as A2AR agonists |
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