JPH07109029B2 - ペロブスカイト薄膜の製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト薄膜の製造方法

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JPH07109029B2
JPH07109029B2 JP61115263A JP11526386A JPH07109029B2 JP H07109029 B2 JPH07109029 B2 JP H07109029B2 JP 61115263 A JP61115263 A JP 61115263A JP 11526386 A JP11526386 A JP 11526386A JP H07109029 B2 JPH07109029 B2 JP H07109029B2
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JP
Japan
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thin film
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perovskite thin
film
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秀明 足立
常男 三露
攻 山崎
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、種々の電気的特性に優れることで知られるペ
ロブスカイト構造を有する物質の薄膜の製造方法に関す
るものである。
従来の技術 ペロブスカイト構造は、化学式ABO3で表わされる化合物
のうち、Bイオンのイオン半径がAイオンの半径に比べ
てかなり小さい場合に構成される結晶構造である。この
構造において、Bイオンと6個の酸素イオンがBO6の八
面体を構成し、このBO6が自発分極を持ち易いため、種
々の電気的特性が優れたものとなる。従ってこの構造を
有する物質の薄膜は、種々のデバイスへの応用が期待さ
れる。
従来この種の物質の薄膜作製には、ABO3化合物ターゲッ
トを用いた高周波スパッタ法が主に用いられている。
〔例えば早川茂・和佐清孝「薄膜化技術」,(昭57.12
月),共立出版,P.168〕基板温度を600℃程度以上にし
てスパッタリングを行うことにより、ペロブスカイト構
造の結晶質薄膜が得られる。上記方法を用いると通常多
結晶薄膜が作製されるが、特に良好な特性が要求される
場合には単結晶薄膜が望まれる。単結晶薄膜を作製する
には結晶構造のよく似た単結晶材料を基板として用い、
適当な生製条件を設定することにより基板と同じ結晶配
列の膜を得ることが出来る。ペロブスカイト構造の単結
晶薄膜を作製するためには、基板としてMgO,SrTiO3,サ
ファイア(α−Al2O3),スピネル(MgAl2O4),GaP,GaA
s等の単結晶材料が基板として用いられる。
発明が解決しようとする問題点 しかし前記基板は単結晶であるため高価であり、従って
単結晶薄膜を用いたデバイスも高価になるのを避けられ
ず、また用途も限定される。
またペロブスカイト構造の物質は2元以上の複合酸化物
であり、各元素の蒸気圧,酸化度,相互親和力等が異な
るために一般に単結晶薄膜を作製するのは非常に難しい
ものとなっている。すなわち、ペロブスカイト構造の単
結晶薄膜作製における再現性はあまり良くないという問
題点を有していた。
問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するため、ペロブスカイト構
造(ABO3)の薄膜作製の際に、A材料とB材料を含む蒸
発源を分離しそれぞれの一原子層相当の量を交互に基板
に付着させて成膜を行うものである。
作 用 本発明は上記方法により、ペロブスカイト構造の単結晶
薄膜あるいはこれに準ずる結晶性の薄膜を非結晶質基板
にさえ再現性良く作製することに成功したものである。
ペロブスカイト構造は模式的に第2図に示されるように
A原子21,B原子22および酸素原子23が配置されたもので
ある。酸素原子以外の金属原子を考慮すると、例えば<
100>方向にはA原子とB原子の層がl1の間隔で交互
に、また<111>方向にはl2の間隔で層が交互に配列し
ている。本発明者等はA原子とB原子の酸化物層を、結
晶構造に応じた一原子層相当の厚みで交互に成膜させれ
ば、前記構造を反映した任意の配向を有する単結晶薄膜
を非結晶質基板にも作製できたという驚くべき実験結果
に基づき本発明を行った。また単結晶基板を使った場合
には再現性は格段に向上した。
交互に付着させて成膜する方法として、A,Bを含む蒸発
源を分離し、個々の蒸発量を制御する、あるいは基板と
蒸発源との間にシャッターを設けて制御する、また基板
を周期運動させて各蒸気源との相対位置を周期的に変化
させれることにより、容易に行うことができる。また薄
膜作製中の雰囲気ガスの組成を交互に変化させて、A材
料とB材料を成膜することも可能である。
実 施 例 本発明の内容のより深い理解のために、以下具体的な実
施例により本発明を説明する。
4元系複合酸化物PLZT〔一般式(Pb,La)(Zr,Ti)O3
は、A原子としてPbとLa,B原子としてZrとTiの入ったペ
ロブスカイト構造を有する物質であり、前記4元の組成
を選ぶことにより種々の特性を示すことが知られてい
る。特に組成Pb0.9La0.1Zr0.65Ti0.35O3付近のものは電
気光学効果に優れるため、この薄膜は良好な電気光学デ
バイスへの応用が期待される。この際薄膜に要求される
特性は高透明度と電気光学特性であるが、それには単結
晶薄膜が最適である。
前記薄膜に本発明による製造方法を適応した際の薄膜作
製概観図を第1図に示す。個別蒸発源としてPb11,La12,
Zr13,Ti14のスパッタリングターゲットが、一点に焦点
を合わすように配置されている。基板15には安価な石英
ガラスを用いた。基板ホルダー16はヒーター線17により
約700℃に加勢される。ホルダー16と回転軸18の接点19
は回転自在であり、軸18の回転によりホルダー16が首振
り運動する機構となっている。このような首振り運動の
ため、ヒーター線17がねじれることはない。基板15はP
b,La,Zr,Tiの順番で各々のターゲットと対向をくり返
し、対向したときのみそのターゲットの材料を付着して
いく。スパッタリングを行うためまずターゲットと基板
の入ったチャンバーを1×10-4Paの真空度になるまで排
気し、Ar/O2=2/1の混合ガスを導入して3Paの真空度の
もとでターゲットに負の電圧を加えた。各々のターゲッ
トは放電(1a,1b,1c,1d)を起こし、イオン衝撃により
ターゲット材料が蒸発していく。各ターゲットの入力パ
ワーを、Pb:20W,La:10W,Zr:50W,Ti:70Wに設定し、基板
の首振り周期を6秒とした。この条件のもので付着速度
は Pb/La=9/1,Zr/Ti=65/35 であり、またPbとLaの酸化物の成膜量とZrとTiの酸化物
の成膜量は、両者とも一周期あたり一原子層に相当する
約1.2Aとした。すなわちペロブスカイト構造のA材料と
B材料の酸化物層が1.2Aで交互に積層されることになる
が、この長さは<111>方向におけるA材料とB材料の
層間隔とほぼ一致する。前記条件のもとで1時間スパッ
タ蒸着を行うと約1500Aの薄膜が作製された。X線回折
により膜の結晶性を評価したところ、ガラス基板にもか
かわらず(111)面のPLZT単結晶膜が得られていること
がわかった。
次に本発明の他の実施例について説明する。
前記スパッタ装置において基板の首振り周期のみを10秒
に変えて、石英ガラスおよびサファイアc面基板上にス
パッタ蒸着を行った。この条件では、1周期あたりのPb
とLaの酸化物の成膜量とZrとTiの酸化物の成膜量はそれ
ぞれ一原子層に相当する2A程度となる。これは<100>
方向におけるA材料とB材料の層間隔とほぼ同じであ
る。やはり1時間のスパッタで約1500Aの薄膜ができ
た。石英ガラス基板上には(100)面の単結晶薄膜が得
られた。サファイアc面基板上には通常その結晶構造か
らPLZTの(111)面が成長するにもかかわらず、作製さ
れた膜はほぼ(100)面であった。
以上のように積層周期を変えることにより任意の配向の
単結晶薄膜を任意の基板上に作製することができた。
発明の効果 以上のように本発明の薄膜製造方法は、従来単結晶基板
上にしか作製されなかったペロブスカイト型単結晶薄膜
を任意基板上に任意の配向性で再現性良く作製する方法
を提供するものであり、本発明の工業的価値は極めて大
なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における薄膜作製の概観図、
第2図はペロブスカイト構造の原子配置図である。 11……Pbターゲット、12……Laターゲット、13……Zrタ
ーゲット、14……Tiターゲット、15……石英ガラス基
板、16……基板ホルダー、17……ヒーター線、18……回
転軸、19……回転自在接点、1a,1b,1c,1d……ターゲッ
ト放電、21……A原子、22……B原子、23……酸素原
子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/00 F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペロブスカイト構造(ABO3)を有する物質
    の薄膜を作製するにあたり、前記A材料およびB材料を
    含む蒸発源を分離し、それぞれ前記材料の酸化物層を、
    ペロブスカイト構造の任意方向における一原子層に相当
    する厚みで交互に基板に付着させて成膜を行うことを特
    徴とするペロブスカイト薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】分離されたA材料とB材料を含む蒸発源の
    蒸発量を制御して、それぞれの酸化物層を交互に基板に
    付着させて成膜を行うことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のペロブスカイト薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】蒸発源と基板との間に設けたシャッターを
    制御して、A材料とB材料の酸化物層を交互に基板に付
    着させて成膜を行うことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のペロブスカイト薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】基板を周期運動させて、基板と各蒸発源と
    の相対位置を変化させることにより、A材料とB材料の
    酸化物層を交互に基板に付着させて成膜を行うことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のペロブスカイト薄
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】薄膜作製時における雰囲気ガスの組成を変
    化させて、A材料とB材料の酸化物層を交互に基板に付
    着させて成膜を行うことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のペロブスカイト薄膜の製造方法。
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JPS6082663A (ja) * 1983-10-08 1985-05-10 Fujitsu Ltd 混合物薄膜製造の方法および装置
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