JP3589354B2 - 誘電体薄膜の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薄膜の製造方法に関する。特に、A−B−Oで構成されるペロブスカイト型化合物薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜化技術は、エレクトロニクス分野、特に、半導体製造プロセスを中心に発展し、新材料の開発と共に進歩してきた。これらの薄膜は、単体元素の場合はごくまれで、一般に合金または化合物である場合が多く、形成方法により著しく特性が変化する。これら新材料の創成およびそのデバイス化は、人工格子材料などに代表されるように、薄膜化技術の向上によるところが多い。
【0003】
近年注目されている薄膜材料に、ABOで構成されるペロブスカイト型構造を有する誘電体材料がある。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。(Pb1−x La)(ZrTi1−y 1−x/4 系、BaTiO系に代表される強誘電体は、優れた強誘電性、圧電性、焦電性、電気光学特性等を示し、これを利用した種々の機能デバイスが検討されている。特に、半導体ICの分野においては、新しいデバイス”不揮発性メモリー”への応用が期待されている。また、SrTiO系は強誘電性こそ示さないものの、高誘電率材料として超高密度DRAMのキャパシタ絶縁膜への応用が期待されている。
【0004】
これらの材料の特性の向上または集積化のためには、その薄膜化が非常に重要である。その高性能化を考えた場合、単結晶薄膜または配向膜であることが望ましく、ヘテロエピタキシャル成長技術の開発が重要である。これらに関する研究は、様々な薄膜堆積法に基づいて、多くの研究機関で行われ、特定の系については、すでに実験室段階では達成されたといってよいものもあるが、実用化・量産化段階において、組成・結晶構造等を制御して所望の特性を有する薄膜を再現性良く得ることは、一般には容易ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
薄膜の結晶性は、基本的に基板材料・化学組成・形成温度で制御される。一般に、基板との格子不整合を少なくし、活性度の高い堆積方法を用いて、化学組成を合致させれば、結晶化温度で結晶性の薄膜が得られる。
【0006】
酸化物誘電体の薄膜化において従来最も一般的に用いられていたスパッタリング法では、結晶性の薄膜を得るには600 ℃前後の高い基板温度と酸化性雰囲気が必要である。しかしながら、構成元素の蒸気圧やスパッタ率の違いによって、ターゲット材料である酸化物焼結体と形成された薄膜とのあいだに化学組成のずれが生じ易く、さらに、微妙なスパッタリング条件の違いによって、組成・結晶性・モフォロジー等が著しく影響を受ける。これらは、均一性・再現性が要求される量産段階において、大きな障害であった。特に、堆積速度の向上は、量産段階ではスループットを上げる上で好ましいが、非熱平衡状態において高速で形成された薄膜は、結晶粒の大きさが小さく柱状成長が著しいなどのモフォロジーが悪くなる、安定性を欠くなどの問題が生じやすい。また、(Pb1−x La)(ZrTi1−y 1−x/4 系、(Sr1−x Ba)TiO系に見られるようにこれらの材料は、固溶体でありその固溶度によって諸性質が著しく変化する。それ故、蒸着用原材料の調整や用途に応じた所望の固溶比を実現しなければならないといった問題が存在する。さらには、誘電特性の向上や光学材料への応用をはかる上においては、多層構造または超格子構造の誘電体を実現して行く必要もある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、種々のペロブスカイト型酸化物誘電体を安定性・均一性・再現性良く実現できる誘電体薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第1番目の誘電体薄膜の製造方法は、A−B−Oで構成されるペロブスカイト型化合物薄膜を製造する方法であって、薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストロームと、蒸着源上での薄膜の堆積速度dオングストローム/秒との間に、c/d≧2なる関係を満足することを特徴とする。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
【0009】
次に本発明の第2番目の誘電体薄膜の製造方法は、A−B−Oで構成されるペロブスカイト型化合物薄膜を製造する方法であって、薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストロームと、蒸着源上での薄膜の堆積速度dオングストローム/秒との間に、c/d<2なる関係を保ち、基板温度を結晶性薄膜が得られる温度に保ったまま、基板上に薄膜を堆積させる堆積工程a秒と堆積させない非堆積工程b秒とを交互に繰り返し、これによる薄膜の平均形成速度D=ad/(a+b)オングストローム/秒が、c/D≧2なる関係を満足することを特徴とする。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
【0010】
前記第2番目の誘電体薄膜の製造方法においては、薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストローム、蒸着源上での薄膜の堆積速度dオングストローム/秒と堆積工程a秒との間に、c/d≦a<2c/dなる関係が成立する条件が好ましい。
【0011】
また前記第2番目の誘電体薄膜の製造方法においては、薄膜の堆積方法としてスパッタ法を用い、主成分としてA−B−Oで構成されるペロブスカイト型複合化合物を含むターゲットを用い、基板を周期的にターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを周期的に繰り返すことが好ましい。
【0012】
次に本発明の第3番目の誘電体薄膜の製造方法は、各々A−B−O及びA−B−Oで構成される化合物を主成分原料とする2つの蒸着源T及びTを用いて、各蒸着源上での堆積速度d,dおよび堆積する薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストローム,cオングストロームとの間に、a<c/d、a<c/dなる関係を満足するところの蒸着源T上での堆積工程a秒に続く非堆積工程b秒、および蒸着源T上での堆積工程a秒に続く非堆積工程b秒を1周期としてこれらを繰り返し、かつ、これによる薄膜の単位格子の膜の成長方向の長さcオングストロームと平均形成速度Dオングストローム/秒とが、c/D≧2なる関係を満足するという構成を備えたものである。ここで、A、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、B、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
【0013】
前記構成においては、薄膜の堆積方法としてスパッタ法を用い、主成分として各々A−B−OおよびA−B−Oで構成されるペロブスカイト型複合化合物を含む2つのターゲットを用い、基板を周期的にターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを周期的に繰り返すことが好ましい。
【0014】
次に本発明の第4番目の誘電体薄膜の製造方法は、各々A−B−OおよびA−B−Oで構成される化合物を主成分原料とするの2つの蒸着源TおよびTを用いて、各蒸着源上での堆積速度d,dおよび堆積する薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストローム,cオングストロームとの間に、a=c/d、a=c/d、c(a+b)/a≧2、c(a+b)/a≧2なる関係を満足する、蒸着源T上での堆積工程a秒に続く非堆積工程b秒、および蒸着源T上での堆積工程a秒に続く非堆積工程b秒を連続または交互に組合せることからなる。ここで、A、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、B、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
【0015】
前記構成においては、薄膜の堆積方法としてスパッタ法を用い、主成分として各々A−B−OおよびA−B−Oで構成されるペロブスカイト型複合化合物を含む2種類のターゲットを用い、基板を各ターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを交互に繰り返すことが好ましい。
【0016】
このような誘電体薄膜製造する装置は、A−B−Oで構成されるペロブスカイト型化合物薄膜を形成する装置であって、A−B−Oで構成される化合物を主成分原料とする少なくとも1つの蒸着源を有し、基板の蒸着源に対する相対的な位置、もしくは蒸着源入力パワー、または基板と蒸着源との間のシャッター位置の制御によって、基板温度をペロブスカイト型の結晶性薄膜が得られる温度に保ったまま、基板上に薄膜を堆積させる堆積手段と堆積させない非堆積手段とを備え、各蒸着源上での堆積時間a秒、非堆積時間b秒、堆積する薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストローム、および堆積速度dとの間を一定の関係に制御する手段を備えたことを特徴とする。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
【0017】
前記構成においては、薄膜の堆積手段としてスパッタ法を用い、A−B−Oで構成される化合物を主成分原料とする少なくとも1種のターゲットを有し、基板をターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを導入する機構を有することが好ましい。
【0018】
【作用】
本発明にかかる薄膜の製造方法によれば、まず、組成・結晶性・モフォロジー・安定性等が確保されうる堆積速度の上限を見い出し、これを越える高い堆積速度の条件下では、基板温度を形成温度付近に保ったまま堆積しない工程を間欠的に導入すことにより、堆積した薄膜を逐次安定化させ、誘電体薄膜の高品質化を図ろうとするものである。特にその方法として、複数の基板を用意し蒸着源上を周期的に通過させ、堆積−非堆積(安定化)−堆積−非堆積(安定化)・・・・と周期的に繰り返す工程を実現すれば、スループットの点でも優れたものとなる。また、この堆積−非堆積の工程を、異種および複数の蒸着源に対して、周期的または連続的に行い制御する工程を実現すれば、組成制御された固溶体の誘電体薄膜や、多層構造または超格子構造の誘電体を実現することができる。これにより、従来、形成温度が高く組成制御・結晶性制御が困難で、量産化技術の開発が全くなされていなかった種々のペロブスカイト型酸化物誘電体を安定性・均一性・再現性良く実現できる。
【0019】
本発明にかかる薄膜製造方法においては、複数の基板を用意し、蒸着源上を周期的に通過させ、堆積−安定化−堆積−安定化・・・・と周期的に繰り返すことにより、堆積した薄膜を逐次安定化させ、スループットの点でも優れた工程を実現している点に大きな特色がある。
【0020】
【実施例】
本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1に本発明にかかる薄膜形成装置の一実施例を示す。本形成装置は、ペロブスカイト型酸化物誘電体薄膜を作製する際最も一般的に用いられるマグネトロンスパッタ法を用いている。スパッタチャンバー1内には、焼結した酸化物強誘電体材料をスパッタターゲット2、3、4として同一円周上の対象な位置に設置してあり、最大3元の同時スパッタ蒸着が可能である。基板5は、基板ホルダ−6の回転によって、ターゲット2、3、4の直上を通過するように、基板ホルダ−6の上に放射状に配置されている。基板加熱の機構としては、光源7によるランプ加熱方式を用いている。本構成により、ArとOの混合ガス雰囲気で各ターゲットをスパッタリングしながら、基板ホルダ−を回転させれば、基板温度が一定の状態で、基板とターゲットとの位置関係によって薄膜の堆積速度が周期的に変化することになる。その周期は、基板ホルダ−6の回転速度および使用ターゲット数によって変えることができ、薄膜の堆積速度の最大値は、スパッタリング電力等のスパッタリング条件の調整によって最適な値にすることができる。また、スリット板8には、組成の均一性等薄膜の基本的特性が確保できる適切な形状の穴が開いており、基板ホルダ−6は、プラズマからの電子およびイオンの衝撃を抑制するために電位的には浮かせてある。
【0021】
次に、本発明の一実施例として、Pb0.9 La0.1 Ti0.975 膜を形成する場合について説明する。ターゲット2、3、4に、焼結した酸化物強誘電体[Pb0.9 La0.1 TiO+0.2PbO](直径6インチ)を、基板5としては、酸化マグネシウムMgOの(100) 面を用い、2〜3μm の膜厚の薄膜を形成した。
【0022】
本発明者らは、結晶性の高いペロブスカイト構造の薄膜を形成させるためには、基板の温度範囲として550 〜650 ℃が適当であることを確認した。また、ArとOの混合比としては、Ar/O=20〜5 、圧力としては、0.1 〜0.5Pa が適当であった。また、堆積速度は、ターゲット−基板間距離80〜90mmにおいて、ターゲット1個当り、200 〜400 Wの入力パワーで0.5 〜2.5 オングストローム/sが得られた。薄膜の結晶性・モフォロジー等は、これらスパッタリング条件と共に変化し、誘電率、焦電係数等の電気特性が変化する。これらの様相は、材料組成によって異なり、個別に最適化する必要がある。
【0023】
上記スパッタリング条件を設定することにより各ターゲット直上での薄膜の堆積速度は決まるが、薄膜の堆積速度dの時間変化および平均形成速度Dは、使用ターゲット数と基板ホルダ−の回転速度により異なる。
【0024】
まず、基板ホルダーを回転させずにターゲット直上に設置した基板に対し、堆積速度と形成される薄膜の特性を調べた。この場合、勿論、平均形成速度=堆積速度である。堆積速度は、主にターゲットへの入力パワーによって制御し、ターゲットを損傷しない安定した状態で、最大2.5 オングストローム/sまで変化させることができた。
【0025】
プラズマ発光分光法で分析した結果、形成された薄膜の金属元素組成比は、化学量論比Pb:La:Ti=0.9 :0.1 :0.975 に対し、Pbが10%程度変化する程度でほぼ一致することが確認された。また、薄膜の結晶性は、X線回折法で分析した結果、図2に示す様に、ペロブスカイト構造を有し、回折ピーク(001),(100),(002) および(200) より見積られる格子定数はa=3.94オングストローム、c=4.09オングストロームと文献値とよく一致していることが確認できた。また、回折ピーク(001) および(002) が際だって強く、分極軸であるc軸方向に強く配向していることがわかる。電気的特性は、結晶性に優れc軸配向性の高いものほど、大きな焦電係数γと適度に小さい誘電率εを有し、赤外線センサとして高い感度(γ/εに略比例)が期待でき、また、不揮発性メモリ媒体としても優れた特性が期待できる。X線回折デ−タから読み取れる結晶性に関する指標として、回折ピーク(001) の半値幅FWHMとc軸配向率α=I(001)/[I(001) +I(100)] 、(I(001)およびI(100)はピーク(001) および(100) の回折強度)がある。堆積速度0.5 〜2.5 オングストローム/sの範囲で作製した薄膜について評価した結果、FWHM=0.2 ゜、α=96〜100 %が得られ、これらのデータから見る限りは、堆積速度にかかわらず優れた結晶性の薄膜ができていると考えられる。
【0026】
次に、MgO 基板をエッチングして薄膜を遊離させ、その表裏に電極をつけて膜厚方向の電気的性質、おもに焦電特性を評価した。誘電率εおよび焦電係数γを評価した結果、ε〜200、γ〜5×10−8C/cm・K程度の高いセンサ感度が期待できる堆積速度には上限があり、2.0 オングストローム/s以下の場合に限られた。2.0 オングストローム/s以上の堆積速度で形成した薄膜については、例えば、2.5 オングストローム/sでε〜400、γ〜4×10−8C/cm・Kのようにセンサ感度が低くなる傾向が見られた。これらは、結晶粒の成長状態などのモフォロジーや安定性に起因する問題と考えられる。実際、2.0 オングストローム/s以上の堆積速度で形成した薄膜のモフォロジーは、2.0 オングストローム/s以下の堆積速度で形成したものに比べて膜厚方向への柱状成長が顕著で、膜面内のつながりが乏しく結晶粒の成長が十分でないように見受けられる。このような堆積速度の上限値は、化合物薄膜の組成および成膜条件によって異なるが、本発明にかかるペロブスカイト型化合物薄膜については、単位格子の成長方向の長さcオングストロームに対し、蒸着源上での薄膜の堆積速度dオングストローム/秒がc/d≧2なる関係を満足する程度の低い値であれば、モフォロジーや安定性に優れ高いセンサ感度を有する薄膜が得られることを本発明者らは確認した。
【0027】
本発明者らは、特に、堆積速度が大きい状態(c/d<2)でも結晶粒の十分な成長と安定性を確保するために、非堆積、すなわち薄膜を堆積しない、安定化工程を間欠的・周期的に導入することを検討した。第1図において、基板ホルダ−6を回転させると、図3に示すように、ターゲット上での堆積工程と堆積速度0 オングストローム/sの非堆積工程を周期的に繰り返すことになる。この場合、平均形成速度Dは、堆積工程時間(a秒)と非堆積工程時間(b秒)に対し、D=ad/(a+b)オングストローム/秒となり、本構成の場合a=bゆえ、回転速度によらずターゲット上での堆積速度dの1/2となる。ターゲット上での堆積速度dを、先ほどの基板ホルダ−を回転せず低いセンサ感度しか得られなかった、d=2.5 オングストローム/sにした状態で、非堆積工程を周期的に取り入れ、平均形成速度D=d/2=1.25オングストロームとすることの効果を検討した。ただしこの場合、同程度の膜厚を得るために3倍の形成時間が必要であった。基板ホルダ−の回転速度を毎分4回転とした場合、即ち、a=b=2.5 秒となり、形成された薄膜のX線回折からみた結晶性は、FWHM=0.2 ゜、α=98%と良好で、焦電特性もε〜200、γ〜5×10−8C/cm・K程度と、堆積速度が低い(本実施例の場合、2.0 オングストローム/s以下)場合と同等の高いセンサ感度が期待できる結果が得られた。
【0028】
この結果は、堆積−非堆積(安定化)−堆積−非堆積(安定化)・・・・と周期的に繰り返すことにより、高速で堆積した薄膜に対し、十分な結晶粒の成長と安定化を確保する工程が逐次与えられたことによるとおもわれる。また、本発明により形成された薄膜は十分な安定化が施されており、長期安定性、信頼性の面でも優れていると考えられる。
【0029】
さらに、この際、複数の基板を用意しターゲット上を連続的・周期的に通過させれば、同一のターゲット上で堆積を繰り返す場合にくらべて、基板の取り付け・昇温・降温等に要する時間を削減できるので、スループットの点でも優れている。また、すべての基板に同時に堆積できるような、大きなターゲットを1つ使用する構成を用いても、均一性が確保できる基板設置範囲はむしろ少なく、本発明にかかる方法は、量産性の点においても優れている。
【0030】
本発明の様に、非堆積工程を間欠的に取り入れて薄膜の高品質化をはかる試みは実験室レベルでは検討されていたが、主にシャッターや蒸着源の制御による場合が多く、スループット点で劣り、また、いずれも蒸着源の擾乱が懸念される。
【0031】
上記実施例では、堆積速度0 オングストローム/sの非堆積工程を安定化工程としているが、原理的には、低堆積速度(上記実施例の場合、2.0 オングストローム/s以下)であれば、高速堆積時に安定させながらその上に堆積しても問題ない。また、堆積工程時間(a秒)と非堆積工程時間(b秒)は、基板ホルダ−の回転速度に依存し、毎分4回転の本実施例の場合、a=b=2.5 秒で、堆積速度d=2.5 オングストローム/sでは、高堆積速度で1.5単位格子程度連続形成されることになるが、本発明者らは、高堆積速度で連続形成される堆積工程の時間としては、1単位格子以上2単位格子未満、すなわち、c/d≦a<2c/dを満たす程度が適当で、これ以外では、それに続く非堆積の安定化工程の効果が十分発揮されないことを見いだした。
【0032】
上述の実施例では、堆積すべき薄膜の化合物を主成分とする1種類の蒸着源を複数用いているが、本発明にかかる同様の薄膜形成装置を用いれば、(Pb1−x La)(ZrTi1−y 1−x/4 系、(Sr1−x Ba)TiO系といった固溶体に対しても、固溶比を制御した薄膜を形成することができる。
【0033】
本発明の一実施例として、Pb(Zr,Ti)O3 膜を形成する場合について説明する。第1図の構成において、ターゲット2および3に、それぞれ焼結した酸化物強誘電体[PbTiO+0.2PbO]および[PbZrO+0.2PbO(直径6インチ)を用い(ターゲット4は用いない)、基板ホルダ−6を回転させると、図4に示すように、ターゲット2上でのPbTiO薄膜の堆積工程(a秒)と非堆積工程(b秒)に続き、ターゲット3上でのPbZrO薄膜の堆積工程(a秒)と非堆積工程(b秒)を周期的に繰り返すことになる。ただし、この場合、PbTiO薄膜の堆積速度dオングストローム/秒と単位格子の成長方向の長さcオングストローム、およびPbZrO薄膜の堆積速度dオングストローム/秒と単位格子の成長方向の長さcオングストロームに対し、a<c/d、a<c/dなる関係を満足する、すなわち各堆積工程において堆積される薄膜が1単位格子長未満であることが、十分に固溶させる上で必要であること、ならびに成長する固溶体薄膜のの成長方向の単位格子の長さcオングストロームと平均形成速度Dオングストローム/秒との間にc/D≧2なる関係を満足させることが上述の実施例の場合と同様に結晶性・モフォロジー・安定性を向上させる上で必要であることを、本発明者らは見いだした。固溶度の制御は、各蒸着源(ターゲット)のへの投入パワー、遮閉板の形状、または蒸着源の配置を制御することによって行うことができる。1実施例としてPbZr0.5 Ti0.5 膜を形成した場合のX線回折法パターンを図5に示すが、ペロブスカイト構造を有し、回折ピーク(001) および(002) が際だって強く、c軸方向に強く配向していることがわかる。また、電気的特性も、図6に示すように良好な強誘電性を示した。しかしながら、a<c/d、a<c/d、c/D≧2なる関係が保持されない場合には、X線回折ピークがスプリットしたり、ブロードになったりして十分固溶していない様子がうかがわれた。
【0034】
上述の実施例では、堆積すべき薄膜の化合物を構成する2種類の蒸着源を用いて固溶体を形成しているが、本発明にかかる同様の薄膜形成装置を用いれば、多層構造または超格子構造の誘電体からなる薄膜を形成することもできる。本発明の一実施例として、(Pb,La)TiO/Pb(Zr,Ti)O膜を形成する場合について説明する。図1の構成において、ターゲット2および3に、それぞれ焼結した酸化物強誘電体[Pb0.9 La0.1 TiO+0.2 PbO]および[PbZr0.5 Ti0.5 +0.2 PbO](直径6インチ)を用い(ターゲット4は用いない)を用い、基板ホルダー6を回転させると、図4に示すように、ターゲット2上でのPb0.9 La0.1 TiO薄膜の堆積工程(a秒)と非堆積工程(b秒)に続き、ターゲット3上でのPbZr0.5 Ti0.5 薄膜の堆積工程(a秒)と非堆積工程(b秒)を周期的に繰り返すことになる。これらの場合、上述の場合とは逆に各堆積工程において堆積される薄膜が1単位格子長づつ完全に安定化することが、多層構造または超格子構造を実現する上で必要である。すなわち、各蒸着源上での堆積速度d,dおよび堆積する薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストローム,cオングストロームとの間に、a=c/d、a=c/d、c(a+b)/a≧2、c(a+b)/a≧2なる関係を満足させる必要があることを本発明者らは見いだした。一実施例として10単位格子分の(Pb,La)TiOに10単位格子分のPb(Zr,Ti)Oを形成したものを1周期としこれらをさらに10周期繰り返し形成した場合のX線回折法パターンを図7に示すが、ペロブスカイト構造を有し、回折ピーク(001) に*で示すサテライトピークが見られ所望の超格子構造が実現されていることがわかる。
【0035】
本発明にかかる薄膜製造装置は、ペロブスカイト型酸化物誘電体の他、高温超電導体等類似の多元系の酸化物の薄膜化に有効である。これらの材料の実用化にあたっては、量産性・安定性・均一性・再現性を確立する必要がある。その点で、複数の基板を用意し蒸着源上を周期的に通過させ、高速堆積−安定化−高速堆積−安定化・・・・と周期的に繰り返すことにより、安定性と量産性を両立させた優れた工程を実現している本製造装置はきわめて有効である。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、酸化物誘電体を薄膜化するプロセスが提供され、工業上極めて大きな価値を有するものである。用いられる誘電体は、多元系の酸化物でその化学組成や結晶性のみならずモフォロジーによってもその特性が大きく影響されるが、本発明により非常に高精度の薄膜が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄膜製造装置の基本構成断面図である。
【図2】本発明の一実施例の誘電体薄膜の結晶性をあらわすX線回折パターンを示す図である。
【図3】本発明の一実施例の誘電体薄膜の堆積工程を示す図である。
【図4】本発明の一実施例の誘電体薄膜の堆積工程を示す図である。
【図5】本発明の一実施例の誘電体薄膜の結晶性をあらわすX線回折パターンを示す図である。
【図6】本発明の一実施例の誘電体薄膜の強誘電性を示す図である。
【図7】本発明の一実施例の誘電体薄膜の結晶性をあらわすX線回折パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 スパッタチャンバー
2 ターゲット
3 ターゲット
4 ターゲット
5 基板
6 基板ホルダー
7 光源
8 スリット板

Claims (7)

  1. A−B−Oで構成されるペロブスカイト型化合物薄膜を製造する方法であって、薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストロームと、蒸着源上での薄膜の堆積速度dオングストローム/秒との間に、c/d<2なる関係を保ち、基板温度を結晶性薄膜が得られる温度に保ったまま、基板上に薄膜を堆積させる堆積工程a秒と堆積させない非堆積工程b秒とを交互に繰り返し、これによる薄膜の平均形成速度D=ad/(a+b)オングストローム/秒が、c/D≧2なる関係を満足することを特徴とする誘電体薄膜の製造方法。ここで、Aサイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、Bサイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
  2. 薄膜の単位格子の成長方向の長さcオングストローム、蒸着源上での薄膜の堆積速度dオングストローム/秒と堆積工程a秒との間に、c/d≦a<2c/dなる関係が成立することからなる請求項1に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  3. 薄膜の堆積方法としてスパッタ法を用い、主成分としてA−B−Oで構成されるペロブスカイト型複合化合物を含むターゲットを用い、基板を周期的にターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを周期的に繰り返すことからなる請求項1または2に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  4. 各々A1−B1−O及びA2−B2−Oで構成される化合物を主成分原料とする2つの蒸着源T1及びT2を用いて、各蒸着源上での堆積速度d1,d2および堆積する薄膜の単位格子の成長方向の長さc1オングストローム,c2オングストロームとの間に、a1<c1/d1、a2<c2/d2なる関係を満足するところの蒸着源T1上での堆積工程a1秒に続く非堆積工程b1秒、および蒸着源T2上での堆積工程a2秒に続く非堆積工程b2秒を1周期としてこれらを繰り返し、かつ、これによる薄膜の単位格子の膜の成長方向の長さcオングストロームと平均形成速度Dオングストローム/秒とが、c/D≧2なる関係を満足することからなる誘電体薄膜の製造方法。ここで、A1、A2サイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、B1、B2サイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
  5. 薄膜の堆積方法としてスパッタ法を用い、主成分として各々A1−B1−OおよびA2−B2−Oで構成されるペロブスカイト型複合化合物を含む2つのターゲットを用い、基板を周期的にターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを周期的に繰り返すことからなる請求項4に記載の誘電体薄膜の製造方法。
  6. 各々A1−B1−OおよびA2−B2−Oで構成される化合物を主成分原料とするの2つの蒸着源T1およびT2を用いて、各蒸着源上での堆積速度d1,d2および堆積する薄膜の単位格子の成長方向の長さc1オングストローム,c2オングストロームとの間に、a1=c1/d1、a2=c1/d2、c1(a1+b1)/a11≧2、c2(a2+b2)/a22≧2なる関係を満足する、蒸着源T1上での堆積工程a1秒に続く非堆積工程b1秒、および蒸着源T2上での堆積工程a2秒に続く非堆積工程b2秒を連続または交互に組合せることからなる誘電体薄膜の製造方法。ここで、A1、A2サイトは、Pb、Ba、SrまたはLaの少なくとも1種、B1、B2サイトは、TiおよびZrのうち少なくとも1種の元素を含む。
  7. 薄膜の堆積方法としてスパッタ法を用い、主成分として各々A1−B1−OおよびA2−B2−Oで構成されるペロブスカイト型複合化合物を含む2種類のターゲットを用い、基板を各ターゲット上を通過させ、ターゲット上の堆積工程と非堆積工程とを交互に繰り返すことからなる請求項6に記載の誘電体薄膜の製造方法。
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