JPH0670614A - 乗用野菜移植機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 牽引車両に牽引される作業台車の後方に伝動
ケース、苗載台、植付杆等を有する植付部を設け、かつ
作業台車の上に苗載台に苗を補給するための作業者が乗
る作業ステップを取り付けた乗用野菜移植において、作
業ステップ上の作業者から植付杆がよく見えるようにす
る。 【構成】 伝動ケース６０の上方に苗載台６４を設ける
とともに、伝動ケース６０から後部上方に伸びる植付杆
支持フレーム６２に植付杆７５を設ける。 【効果】 作業ステップ上の作業者から見て、植付杆が
苗載台の上方に見える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トラクタ等の牽引車両
で牽引して使用する乗用野菜移植機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】トラクタで牽引される作業台車の後方に
苗を載せる苗載台と該苗載台上の苗を圃場に植え付ける
植付杆を備えた植付部を設けるとともに、前記作業台車
の上に各植付部の苗載台に苗を補給するための作業者が
乗る作業ステップを取り付け、トラクタのＰＴＯ軸から
植付部に動力を伝動するようにした乗用野菜移植機が開
発されている。この種の乗用野菜移植機の植付部は次の
ように構成されている。すなわち、苗載台は、前部が上
位となるよう若干傾斜して設けられており、台上の苗を
後端部に形成した苗取出口に順次供給し、また、植付杆
は、所定の軌跡を描いて上下動しつつ、前記苗取出口に
供給された苗を圃場に植え付けるのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、苗載台の
後方に植付杆が位置しているため、苗載台の苗や該苗載
台の後端部に設けた苗受け止め保持用のポットホルダが
邪魔になって、作業ステップ上の作業者が植付杆を確認
しづらいという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に
かかる乗用野菜移植機は、牽引車両に牽引される作業台
車の後方に伝動ケース、苗載台植付杆等を有する植付部
を設け、かつ作業台車の上に苗載台に苗を補給するため
の作業者が乗る作業ステップを取り付けた乗用野菜移植
機であって、前記植付部は、伝動ケースの上方に苗載台
を設けるとともに、伝動ケースから後部上方に伸びる植
付杆支持フレームに植付杆を設けたことを特徴とする乗
用野菜移植機。

【０００５】

【作用】植付杆が伝動ケースから後部上方に伸びる植付
杆支持フレームに設けられているので、軌跡の最上部で
停止した植付杆が作業台車上の作業者から見て苗載台の
苗やポットホルダよりも上方に位置する。

【０００６】

【実施例】以下、図面にあらわされた実施例について説
明する。この乗用野菜移植機１は、牽引車両２に牽引さ
れる作業台車３と、該作業台車の後部に設けた平行リン
ク装置４に装着される複数条（図示例では５条）植えの
植付部５を備えてなる。

【０００７】牽引車両２は通常のトラクタであり、図１
における７は前輪、８は後輪、９は操縦席、１０はＰＴ
Ｏ軸である。また、１２はトラクタ２が具備する３Ｐリ
ンク装置で、左右一対のロワリンク１３，１３と長さ調
節可能な１本のトップリンク１４を有し、油圧シリンダ
１５で駆動される駆動アーム１６の先端部と前記ロアリ
ンク１３，１３の中間部とがリフトロッド１７，１７で
連結されている。

【０００８】作業台車３は、水平枠２０と該水平枠の前
後端部に立設した前枠２１および後枠２２とで台車フレ
ームを構成し、水平枠２０の左右両側部に一対の台車支
持輪２３，２３が軸支されている。台車支持輪２３，２
３はトラクタ２の後輪８，８の直後に設けられ、作業時
に台車支持輪２３，２３が後輪８，８の通過跡を通るよ
うになっている。水平枠２０の上に鉄板等でできた作業
ステップ２５が水平に載置され、前枠２１に後ろ向きの
座席２６が取り付けられている。また、前枠２１の左右
両端部に斜め上向きに突出する予備苗載台支柱２８，２
８が水平面内で回動自在に取り付けられており、該支柱
に苗箱を載せる複数段の棚２９，…を有する予備苗載台
３０，３０が支持されている。作業台車３は、前枠２１
に設けたリンク連結部３１ａ，３１ａ，３１ｂにロワリ
ンク１３，１３とトップリンク１４の後端部を連結させ
て、トラクタ２に牽引連結される。

【０００９】前記ＰＴＯ軸１０よりユニバーサルジョイ
ト３２を介して伝達される回転動力は、前枠２１の上部
に設けた入力ケース３３に入力される。この入力ケース
３３には複数のギヤ３４，…が内蔵されており、入力さ
れた回転動力が所定の変速比で変速して取り出される。
取り出された出力は、伝動ベルト３６で下方に伝えられ
るとともに、伝動ベルト３７，３８で入力ケース３３の
両側に設けた油圧ポンプ３９とオルタネータ４０に伝え
られる。下方に伝えられた植付部駆動出力は、無段変速
装置（ＨＳＴ）４２とクラッチケース４３を経由して、
作業ステップ２５の下方に配設した植付部駆動軸４４を
介して作業台車３の後部に伝えられる。なお、クラッチ
ケース４３内には、常に植付部５を一定の位置で停止さ
せるための植付クラッチと、植付部５に一定以上の負荷
がかかると伝動を停止させる安全クラッチが内蔵されて
いる。

【００１０】平行リンク装置４は、前記後枠２２と、該
後枠に回動自在に取り付けた各一対の上リンク５０，５
０および下リンク５１，５１と、これら上下リンクの後
端部に連結された連結枠５２とからなり、連結枠５２か
ら後方に突出するローリング軸５３に植付部５が装着さ
れる。水平枠２０に基部側を枢着したピッチングシリン
ダ５４のピストンロッドが一対の上リンク５０，５０か
ら垂設したスイングアーム５５の先端部に連結されてお
り、このピッチングシリンダ５４を伸縮させることによ
り植付部５が昇降する。ピッチングシリンダ５４は植付
部５に設けた油圧バルブ５６で制御される。

【００１１】植付部５は、前記植付部駆動軸４４から伝
動軸５８を介して伝動される伝動ケース６０と、該伝動
ケースの両側面部に突設した伝動パイプ６１，６１と、
伝動ケース６０の背面部および伝動パイプ６１，６１の
両端部から後方に延設した３本の植付杆支持フレーム６
２，…とで植付部フレームが構成され、該植付部フレー
ムに苗載台６４、５組の植付装置６５，…および５対の
鎮圧輪６６，…苗補給補助台６７等が取り付けられてい
る。

【００１２】苗載台６４は、植付部フレームの上方に前
部が上位となるよう若干傾斜させて設けられており、後
部が苗載台支持枠６８の上に左右に滑動自在に支持さ
れ、かつ前部が苗載台支持フレーム６９に設けたローラ
７０に支持されている。苗載台６４の上面は植付条数分
の苗載部６４ａ，…に仕切られ、各苗載部ごとに苗送り
ベルト７１が取り付けられている。また、苗載台６４の
後方には、植付装置６５，…に対応する苗取出口７２，
…が形成された受板７３が苗載台支持枠６８に固定して
設けられている。苗載台６４が左右に往復動することに
より、台上の苗が苗取出口７２に順次供給される。苗載
台６４が左右行程の端部に到達して横１列分の苗を供給
し終えると、苗送りベルト７１が作動して台上の苗を１
列分だけ後方に移送する。受板７３上の最後列の苗はポ
ットホルダ７４に受け止め支持される。

【００１３】植付装置６５は、所定の軌動に沿って上下
運動を行なう植付杆７５を有し、この植付杆７５が軌道
の上部で前記苗取出口７２に供給された苗を挟持し、軌
道の下部で該苗を作溝体７６によって圃場に形成された
移植溝に植え付けるようになっている。作業を停止した
時は、図示を省略した定位置クラッチの働きにより、図
１および図５に示す如く、軌道の最上部で植付杆７５が
停止する。植付装置６５を取り付けた植付杆支持フレー
ム６２，…は、後上りの状態で設けられている。このた
め、停止時に植付杆７５が苗載台上の苗やポットホルダ
７４よりも上方に位置し、作業ステップ２５上の作業者
から植付杆７５がよく見える。

【００１４】前記作溝体７６は、図６および図７に示す
ように上下および後部が開口した船首状をした部材で、
機体の進行にともなって表土部を移動することにより所
定幅かつ所定深さの溝が圃場面に形成される。植付杆支
持フレーム６２の基部に固着した横棒７７，７７に幅広
の板材を７８を取り付け、該板材の下部に作溝体７６の
前端部が取り付けられている。板材７８は、作溝体７６
と同程度の幅に形成され、図６において鎖線で示す如
く、作溝体７６によって押しのけられた土が作溝体７６
の縁よりも高くなったとき、この土が溝内に侵入するの
を防止する土除けガードとしての役割を有する。

【００１５】鎮圧輪６６は植付条を挟んで設けた左右一
対で１組となっている。各条の鎮圧輪６６，…が互いに
干渉するのを避けるために、奇数条の鎮圧輪偶数条の鎮
圧輪とが前後にずらせて配置されている。一対の鎮圧輪
６６，６６は、上部ほど互いの間隔が広くなるように傾
斜して支持され、スプリング７９で下向きに押圧されて
おり、植え付けた苗の両側の土壌を鎮圧する。

【００１６】苗補給補助台６７は、苗補給の際に補助苗
載台３０から取り出した苗箱を一旦載せるためのもの
で、植付杆支持フレーム６２，６２から立設した苗補給
補助台フレーム１００の上に設けられ、作業ステップ２
５の上に立った作業者の腰の位置程度の高さで、該作業
者の手が届く範囲にある。また、この苗補給補助台フレ
ーム１００は作業ステップ２５上の作業者の手摺りにも
なる。なお、図１に示す如く、作業者が作業ステップ２
５の上に立った場合でも、停止位置にある植付杆７５の
視界を遮らないように設けておくのが好ましい。

【００１７】植付部フレームの下側には、機体幅分の整
地ローラ８０と、これの後方に位置する３個のそり状整
地体８１，８２，８２と、左右一対の植付部支持輪８
３，８３とが設けられている。整地ローラ８０は、伝動
パイプ６１，６１から延長した支持棒８４，８４に取り
付けた支持アーム８５，８５に転動自在に支持されてい
る。整地体８１，８２は、後部が植付深さ感度調節杆８
７の後端部に枢着され、かつ前部が拡縮リンク８８に吊
られており、圃場面の凹凸に追随して前部が上下に揺動
するようになっている。中央の整地体８１は圃場面の高
さを検出するためのピッチング感知センサでもあり、該
整地体８１の上下動によって前記油圧バルブ５６が切り
替わる。例えば、圃場面が高くなって整地体８１が上動
すると、ピッチングシリンダ５４が伸びる方向に油圧バ
ルブ５６が駆動され、また圃場面が低くなって整地体８
１が下動すると、ピッチングシリンダ５４が縮む方向に
油圧バルブ５６が駆動される。このように、圃場面の凹
凸に基づいて植付部５を適宜昇降させて苗の植付深さを
一定に維持するのである。植付深さ感度調節杆８７，…
は回動可能に横設した植付深さ調節軸８８に取り付けら
れており、該植付深さ感度調節軸を回動させて整地体８
１，８２，８２の取付高さを変えることにより、制御の
感度を調節することができる。植付部支持輪８３は、前
記植付深さ感度調節棒８８の両端部に取り付けたブラケ
ット９６に軸支され、植付部５の重量で土中に沈み込む
分だけ整地体８１，８２，８２よりも若干低位となるよ
う設定されている。作業時はこの植付部支持輪８３，８
３が植付部支持の役割の一部を担い、ピッチングシリン
ダ５４の負担を軽減させるとともに、整地体８１，８２
に必要以上の圧力が加わらないようにしている。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる乗用野菜移植機は、植付杆が伝動ケースから後
部上方に伸びる植付杆支持フレームに設けられているの
で、軌跡の最上部で停止した植付杆が作業台車上の作業
者から見て苗載台の苗やポットホルダよりも上方に位置
し、植付杆の状態をよく把握できるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例である乗用野菜移植機の全体
側面図である。

【図２】図１に示した乗用野菜移植機の平面図である。

【図２】作業台車の正面図である。

【図４】作業台車の側面図である。

【図５】植付部の側面図である。

【図６】作溝体取付部の側面図である。

【図７】図６におけるＡ矢視図である。

【符号の説明】

１ 乗用野菜移植機 ２ トラクタ（牽引車両） ３ 作業台車 ５ 植付部 ２５ 作業ステップ ６０ 伝動ケース ６２ 植付杆支持フレーム ６４ 苗載台 ６５ 植付装置 ７５ 植付杆

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【手続補正書】

【提出日】平成５年７月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例である乗用野菜移植機の全体
側面図である。

【図２】図１に示した乗用野菜移植機の平面図である。

【図３】作業台車の正面図である。

【図４】作業台車の側面図である。

【図５】植付部の側面図である。

【図６】作溝体取付部の側面図である。

【図７】図６におけるＡ矢視図である。

【符号の説明】 １ 乗用野菜移植機 ２ トラクタ（牽引車両） ３ 作業台車 ５ 植付部 ２５ 作業ステップ ６０ 伝動ケース ６２ 植付杆支持フレーム ６４ 苗載台 ６５ 植付装置 ７５ 植付杆

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 義勝 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 渡部 伸 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 鈴木 主幸 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 牽引車両に牽引される作業台車の後方に
   伝動ケース、苗載台、植付杆等を有する植付部を設け、
   かつ作業台車の上に苗載台に苗を補給するための作業者
   が乗る作業ステップを取り付けた乗用野菜移植機であっ
   て、前記植付部は、伝動ケースの上方に苗載台を設ける
   とともに、伝動ケースから後部上方に伸びる植付杆支持
   フレームに植付杆を設けたことを特徴とする乗用野菜移
   植機。