JP2022041402A - 乗用型苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者は、機体前部の予備苗載台から苗を取り出して走行車体後方の苗植付部の苗載台まで持ち運んで供給している。しかしながら、苗を走行車体後方の苗植付部の苗載台まで持ち運んで供給する作業は、重労働であり作業効率も悪い。そこで、容易に苗供給が行なえて作業効率を向上させた乗用型苗移植機を提供する【解決手段】走行車体2の後部に苗植付部3を装着し、苗植付部3に苗Nを載置する苗載置部12aを左右方向に並列配置した苗載台12を前側が後側より高く傾斜して設けた乗用型苗移植機において、走行車体2の後部に苗載台12の傾斜と合致または略合致する傾斜状態の予備苗載置部24を複数前後方向に並列して設けた移動予備苗載台17を装備し、移動予備苗載台17を苗載台12の苗載置部12a上部に対して前後方向に移動自在に構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、走行車体に苗植付部を装着した乗用型苗移植機に関する。
前部に予備苗載台を装備した走行車体の後方に苗植付部を装着した乗用型苗移植機が一般的である。そして、予備苗載台に載置された苗を苗植付部の苗載台に供給するには、走行車体上で作業者が機体前部の予備苗載台から苗を取り出して走行車体後方の苗植付部の苗載台まで持ち運んで供給している(例えば、特許文献1参照)。
走行車体上で作業者が機体前部の予備苗載台から苗を取り出して走行車体後方の苗植付部の苗載台まで持ち運んで供給する作業は、重労働であり作業効率も悪い。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、容易に苗供給が行なえて作業効率を向上させた乗用型苗移植機を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、走行車体2の後部に苗植付部3を装着し、該苗植付部3に苗Nを載置する苗載置部12aを左右方向に並列配置した苗載台12を前側が後側より高く傾斜して設けた乗用型苗移植機において、走行車体2の後部に苗載台12の傾斜と合致または略合致する傾斜状態の予備苗載置部24を複数前後方向に並列して設けた移動予備苗載台17を装備し、該移動予備苗載台17を苗載台12の苗載置部12a上部に対して前後方向に移動自在に構成した乗用型苗移植機である。
請求項1記載の発明によれば、走行車体2の後部に苗載台12の傾斜と合致または略合致する傾斜状態の予備苗載置部24を複数前後方向に並列して設けた移動予備苗載台17を装備し、該移動予備苗載台17を苗載台12の苗載置部12a上部に対して前後方向に移動自在に構成したので、移動予備苗載台17を苗載台12の苗載置部12a上部に対して前後方向に移動させて、複数前後方向に並列して設けた予備苗載置部24の何れかを苗載台12の苗載置部12aの傾斜と合致または略合致させて、予備苗載置部24に載置した苗Nを苗載台12の苗載置部12aに容易に且つ作業効率良く供給することができる。
請求項2記載の発明は、移動予備苗載台17を苗載台12の左右方向に並列配置した苗載置部12aに沿って機体左右方向に移動自在に設けた請求項1に記載の乗用型苗移植機である。
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、移動予備苗載台17を苗載台12の左右方向に並列配置した苗載置部12aに沿って機体左右方向に移動自在に設けたので、苗載台12の各苗載置部12aに容易に且つ作業効率良く供給することができる。
請求項3記載の発明は、移動予備苗載台17を走行車体2の前部から後部まで移動自在に設けた請求項1又は請求項2に記載の乗用型苗移植機である。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用効果に加えて、移動予備苗載台17を走行車体2の前部から後部まで移動自在に設けたので、移動予備苗載台17を走行車体2の前部に移動させた状態で、走行車体2の前部を圃場の畝路や道路に着けて、作業者は苗Nを走行車体2の前方から移動予備苗載台17に載置することができる。そして、苗Nを載置した移動予備苗載台17を走行車体2の後部に移動させて苗載台12の苗載置部12aに容易に且つ作業効率良く供給することができる。
請求項4記載の発明は、移動予備苗載台17は、走行車体2の前部での移動時に各予備苗載置部24は水平または略水平状態であり、走行車体2の後部での移動時に各予備苗載置部24は苗載台12の傾斜と合致または略合致する傾斜状態である請求項3に記載の乗用型苗移植機である。
請求項5記載の発明は、予備苗載置部24の後壁24cを開閉自在に設けた請求項1~4のいずれか1項に記載の乗用型苗移植機である。
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
<全体構成>
図1及び図2は、本発明の乗用型苗移植機の典型例である施肥装置を装着した乗用型田植機の側面図と平面図である。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置を介して苗植付部3が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置4の本体部分が設けられている。そして、走行車体2の上部には、マット状苗Nを苗植付部3に供給する苗供給装置5が車体前部から車体後部に亘って設けられている。なお、乗用型苗移植機の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向と後進方向をそれぞれ前、後という。
図1及び図2は、本発明の乗用型苗移植機の典型例である施肥装置を装着した乗用型田植機の側面図と平面図である。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置を介して苗植付部3が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置4の本体部分が設けられている。そして、走行車体2の上部には、マット状苗Nを苗植付部3に供給する苗供給装置5が車体前部から車体後部に亘って設けられている。なお、乗用型苗移植機の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向と後進方向をそれぞれ前、後という。
<走行車体2>
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪6,6及び左右一対の後輪7,7を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケースが配置され、そのミッションケースの左右側方に前輪ファイナルケースが設けられ、該左右前輪ファイナルケースの操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪6,6が各々取り付けられている。また、ミッションケースの背面部にメインフレームの前端部が固着されており、そのメインフレームの後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケースがローリング自在に支持され、その後輪ギヤケースから外向きに突出する後輪車軸に後輪7,7が取り付けられている。
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪6,6及び左右一対の後輪7,7を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケースが配置され、そのミッションケースの左右側方に前輪ファイナルケースが設けられ、該左右前輪ファイナルケースの操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪6,6が各々取り付けられている。また、ミッションケースの背面部にメインフレームの前端部が固着されており、そのメインフレームの後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケースがローリング自在に支持され、その後輪ギヤケースから外向きに突出する後輪車軸に後輪7,7が取り付けられている。
エンジンはメインフレームの上に搭載されており、該エンジンの回転動力が、ベルト伝動装置及びHSTを介してミッションケースに伝達される。ミッションケースに伝達された回転動力は、該ミッションケース内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケースに伝達されて前輪6,6を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケースに伝達されて後輪7,7を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケースに伝達され、それから植付伝動軸によって苗植付部3へ伝動されるとともに、施肥伝動機構によって施肥装置4へ伝動される。
走行車体2の中央部には、作業者が機体を操縦する為に着座する座席8が設置されている。座席8の前方には各種操作機構を上面に設けたフロントカバー9があり、その上方に前輪6,6を操向操作する操縦ハンドル10が設けられている。フロントカバー9の左右両側及び座席8の前側と左右両側は水平状のフロアステップ11になっている。
<苗植付部3>
苗植付部3は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース、マット状苗Nを載せて左右往復動し苗を一株分ずつ各条の苗取出口に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口に供給する苗送りベルトにより苗を下方に移送する苗載台12、苗取出口に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置等を備えている。
苗植付部3は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース、マット状苗Nを載せて左右往復動し苗を一株分ずつ各条の苗取出口に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口に供給する苗送りベルトにより苗を下方に移送する苗載台12、苗取出口に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置等を備えている。
ここで、苗載台12の構成を詳述すると、苗載台12は、左右方向に6つの苗載置部12aが側壁12bで区切られて一体構成され、その裏面がフレームを兼ねる伝動ケースに設けた案内体に摺動自在に支持されて左右方向にスライド移動し、各苗載置部12aに載置されたマット状苗Nが苗送りベルトで横一列分の苗が一斉に苗取出口に向けて送られる構成である。
苗植付部3の下部には中央とその左右両側に整地フロート13が設けられている。各整地フロート13を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、整地フロート13が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置により苗が植付けられる。各整地フロート13は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時には中央の整地フロート13の前部の上下動が迎角制御センサにより検出され、その検出結果に応じ昇降油圧シリンダを制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部3を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
<施肥装置4>
施肥装置4は、走行車体2の座席8の後方に機体左右方向に長い肥料ホッパ14を設け、該肥料ホッパ14に貯留されている粒状の肥料を繰出部によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホースで各整地フロート13の左右両側に取り付けた施肥ガイドまで導き、施肥ガイドの前側に設けた作溝体によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。ブロア用電動モータで駆動するブロアで発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバを経由して施肥ホースに吹き込まれ、施肥ホース内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。なお、肥料ホッパ14の上部開口部には、肥料ホッパ14の後壁上部に設けた左右枢支軸14aに枢支され前部が上下開閉自在に蓋14bが設けられている。
施肥装置4は、走行車体2の座席8の後方に機体左右方向に長い肥料ホッパ14を設け、該肥料ホッパ14に貯留されている粒状の肥料を繰出部によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホースで各整地フロート13の左右両側に取り付けた施肥ガイドまで導き、施肥ガイドの前側に設けた作溝体によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。ブロア用電動モータで駆動するブロアで発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバを経由して施肥ホースに吹き込まれ、施肥ホース内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。なお、肥料ホッパ14の上部開口部には、肥料ホッパ14の後壁上部に設けた左右枢支軸14aに枢支され前部が上下開閉自在に蓋14bが設けられている。
<苗供給装置5>
苗供給装置5は、走行車体2前部左右両側部の機体に固定した左右レール装置15,15と、走行車体2後部の機体に設けた後部レール装置16と、該左右レール装置15,15及び後部レール装置16上を移動する移動予備苗載台17から構成される。
苗供給装置5は、走行車体2前部左右両側部の機体に固定した左右レール装置15,15と、走行車体2後部の機体に設けた後部レール装置16と、該左右レール装置15,15及び後部レール装置16上を移動する移動予備苗載台17から構成される。
左右レール装置15,15は、走行車体2前部のフロントカバー9及び操縦ハンドル10の左右両側部に配置され、各々、下部が機体に固定された支持フレーム18の上端部に固定した左右に2本並列した前後方向の前部レール体19,19にて構成される。なお、前部レール体19,19は、走行車体2前端から前方に突出した位置から座席8側方に至る前後長さにしている。
後部レール装置16は、機体に固定され前後に2本並列した左右方向の下側レール体20,20と該下側レール体20,20上を転動する遊転輪21を装備したフレーム22の上部に固定した左右に2本並列した前後方向の上側レール体23,23にて構成される。
そして、下側レール体20,20は、肥料ホッパ14の前部と後部に配置されており、肥料ホッパ14の蓋14bを開けて粒状肥料を肥料ホッパ14内に供給することができる。また、下側レール体20,20は、苗載台12の左右側端部よりも外側方にまで至る左右長さにしている。
また、上側レール体23,23は、機体側面視で座席8側方から苗載台12上方に至る前後長さにしている。
移動予備苗載台17は、平行に配置した3つの予備苗載置部24,24,24を杆体で形成されたコ字状の2つの苗枠フレーム25,25で一体に連結して構成し、2つの苗枠フレーム25,25のコ字状屈曲部の左右側に各々第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bをそれぞれ設け、第1遊転輪26a,26aが設けられた苗枠フレーム25のコ字状先端部の左右側に第3遊転輪26c,26cが設けられている。
そして、走行車体2前部左右両側部の機体に固定した左右レール装置15,15の前部レール体19,19に第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bを載せた時には、3つの予備苗載置部24が上程後に偏倚した水平になるように構成されており、後部レール装置16の上側レール体23,23に第1遊転輪26a,26aと第3遊転輪26c,26cを載せた時には、3つの予備苗載置部24が苗載台12の苗載置部12aの傾斜と略合致する傾斜状態になるように構成されている。
予備苗載置部24は、マット状苗Nを載置する底面24aと左右側壁24bと基部が底面24a後端(下端)に枢支軸にて回動自在に枢支された後壁24cにて形成されていて、底面24a前端は解放されている。
そして、底面24a後端(下端)に枢支軸にて回動自在に枢支された後壁24cには、左右把持レバー24d,24dが後壁24cの基部左右側部に設けられており、何れか一方の把持レバー24dを作業者が把持して後壁24cを閉めた状態(マット状苗Nを受け止める状態)と開けた状態(マット状苗Nを解放する状態)に切り替える構成となっている。
また、走行車体2前部左右両側部の機体に固定した左右レール装置15,15の前部レール体19,19と後部レール装置16の上側レール体23,23との高さ関係は、上側レール体23,23を左右移動させて左右レール装置15,15の何れか一方の前部レール体19,19に左右方向で一致させた状態で、前部レール体19,19に第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bを載せて移動予備苗載台17を前部レール体19,19後部まで移動させた時、移動予備苗載台17の第3遊転輪26c,26cが上側レール体23,23上に載るようになっている。
従って、走行車体2の前部を圃場の畝路や道路に着けて、移動予備苗載台17の第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bを左右レール装置15,15の前部レール体19,19に載せて3つの予備苗載置部24が水平の状態で、移動予備苗載台17を前部レール体19,19の前端まで移動させる。
そして、畝路や道路にいる作業者は、畝路や道路に置いているマット状苗Nを走行車体2の前方から移動予備苗載台17の各予備苗載置部24に載置する(この時、左右把持レバー24d,24dの何れかを把持して後壁24cを閉めた状態(マット状苗Nを受け止める状態)に切り替えておく)。次に、移動予備苗載台17の第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bを左右レール装置15,15の前部レール体19,19上を転動させて、移動予備苗載台17を前部レール体19,19後部まで移動させる。
すると、移動予備苗載台17の第3遊転輪26c,26cが上側レール体23,23上に載るので、作業者は移動予備苗載台17の苗枠フレーム25を把持して第3遊転輪26c,26cを支点にして移動予備苗載台17の前部を持ち上げて、第1遊転輪26a,26aを上側レール体23,23上に載せる。
すると、移動予備苗載台17は、第1遊転輪26a,26a及び第3遊転輪26c,26cが上側レール体23,23上に載って3つの予備苗載置部24が苗載台12の苗載置部12aの傾斜と略合致する傾斜状態になる。
そして、下側レール体20,20上を上側レール体23,23の遊転輪21を転動させて、上側レール体23,23を機体左右方向に移動させて、上側レール体23,23上に載っている移動予備苗載台17の予備苗載置部24が苗載台12の何れかの苗載置部12aに機体左右方向で合致する位置にする。次に、上側レール体23,23上に載っている移動予備苗載台17の何れかの予備苗載置部24が苗載置部12aの延長上に位置するように移動予備苗載台17を上側レール体23,23上で前後移動する。そして、作業者は、苗載置部12aの延長上に位置する予備苗載置部24の左右把持レバー24d,24dの何れかを把持して後壁24cを開けた状態(マット状苗Nを解放する状態)に切り替えると、苗載置部12aに載置されたマット状苗Nは苗載台12の苗載置部12aに供給される(該供給時には、後壁24cが予備苗載置部24から苗載置部12aにマット状苗Nがスライド移動するスライド案内板の機能を果たす)。
以下同様にして、上側レール体23,23を機体左右方向に移動させて移動予備苗載台17の予備苗載置部24が次の苗載台12の苗載置部12aに機体左右方向で合致する位置にし、移動予備苗載台17の次の予備苗載置部24が苗載置部12aの延長上に位置するように移動予備苗載台17を上側レール体23,23上で前後移動し、作業者は、苗載置部12aの延長上に位置する予備苗載置部24の左右把持レバー24d,24dの何れかを把持して後壁24cを開けた状態(マット状苗Nを解放する状態)に切り替えて、苗載置部12aに載置されたマット状苗Nを苗載台12の苗載置部12aに供給する。
上側レール体23,23上に載っている移動予備苗載台17の全ての予備苗載置部24のマット状苗Nが無くなると、作業者は、上側レール体23,23を左右移動させて左右レール装置15,15の何れか一方の前部レール体19,19に左右方向で一致させた状態として、移動予備苗載台17をその第3遊転輪26c,26cが上側レール体23,23の前端部に位置するまで移動させて、移動予備苗載台17の苗枠フレーム25を把持して第3遊転輪26c,26cを支点にして移動予備苗載台17の前部を持って第1遊転輪26a,26a及び第2遊転輪26b,26bが前部レール体19,19上に載るまで下降させる。そして、前部レール体19,19上に載った移動予備苗載台17を前部レール体19,19前端まで移動させて、左右把持レバー24d,24dの何れかを把持して後壁24cを閉じて、全ての予備苗載置部24にマット状苗Nを載置する。
このようにして、苗載台12の全ての苗載置部12aにマット状苗Nを供給すると、左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19及び上側レール体23,23にマット状苗Nを載置した移動予備苗載台17が載った状態とする。更に、施肥装置4の肥料ホッパ14内には、粒状肥料を供給しておく。
そして、作業者は、座席8に着座して、圃場内で各部を駆動して乗用型田植機1を進行させて田植作業を行なう。そして、田植作業中に苗載台12の苗載置部12aのマット状苗Nが残り少なくなると、作業者は、機体を停止し、苗載台12を左右中央位置で停止させて、上側レール体23,23を機体左右方向に移動させて移動予備苗載台17の予備苗載置部24が苗載台12のマット状苗Nが残り少なくなった苗載置部12aに機体左右方向で合致する位置にし、移動予備苗載台17の予備苗載置部24が苗載置部12aの延長上に位置するように移動予備苗載台17を上側レール体23,23上で前後移動し、作業者は、苗載置部12aの延長上に位置する予備苗載置部24の左右把持レバー24d,24dの何れかを把持して後壁24cを開けた状態(マット状苗Nを解放する状態)に切り替えて、苗載置部12aに載置されたマット状苗Nを苗載台12の苗載置部12aに供給する。同様にして、マット状苗Nが残り少なくなった全ての苗載置部12aにマット状苗Nを供給する。
また、上側レール体23,23上に載っている移動予備苗載台17の全ての予備苗載置部24のマット状苗Nが無くなった場合は、作業者は、上側レール体23,23を左右移動させて左右レール装置15,15の何れか一方の前部レール体19,19に左右方向で一致させた状態として、移動予備苗載台17をその第3遊転輪26c,26cが上側レール体23,23の前端部に位置するまで移動させて、移動予備苗載台17の苗枠フレーム25を把持して第3遊転輪26c,26cを支点にして移動予備苗載台17の前部を持って第1遊転輪26a,26a及び第2遊転輪26b,26bが前部レール体19,19上に載るまで下降させる。そして、前部レール体19,19上に載せ替えた移動予備苗載台17前部を前部レール体19,19上に載っている他の移動予備苗載台17の後部に接近させ、その他の移動予備苗載台17の全ての予備苗載置部24の後壁24cを左右把持レバー24d,24dの何れかを把持して開けた状態として、他の移動予備苗載台17の全ての予備苗載置部24に載置されているマット状苗Nを載せ替えた移動予備苗載台17の予備苗載置部24にスライド移動させる。その後、載せ替えた移動予備苗載台17を再び前部レール体19,19から上側レール体23,23に移動させて、前述の要領で苗載台12の苗載置部12aにマット状苗Nを供給する。
そして、苗載台12の全ての苗載置部12aにマット状苗Nを供給した後に、再び、各部を駆動して乗用型田植機1を進行させて田植作業を続行する。
以上要するに、苗載台12の苗載置部12a上方に苗載置部12aの傾斜と略合致する傾斜状態の予備苗載置部24を複数装備した移動予備苗載台17を上側レール体23,23上で前後移動可能に設けたので、移動予備苗載台17を上側レール体23,23上で前後移動させて移動予備苗載台17の何れかの予備苗載置部24が苗載置部12aの延長上に位置するようにして、予備苗載置部24に載置したマット状苗Nを容易に苗載台12の苗載置部12aに供給することができる。
また、苗載台12に沿って左右方向に設けた下側レール体20,20上を上側レール体23,23が苗載台12に沿って左右方向に移動自在に設けたので、移動予備苗載台17の予備苗載置部24を左右方向に配置した各苗載置部12aに対応するように移動でき、苗載台12の各苗載置部12aにマット状苗Nを容易に供給することができる。
更に、走行車体2前部左右両側に設けた左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19を走行車体2前端から前方に突出する位置から座席8の左右両側方位置まで前後方向に設け、該左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19と上側レール体23,23の間を移動予備苗載台17が移動自在に構成したので、走行車体2の前部を圃場の畝路や道路に着けて、畝路や道路から作業者は、畝路や道路に置いているマット状苗Nを走行車体2の前方から前部レール体19,19前端に位置させた移動予備苗載台17の各予備苗載置部24に載置することができる。
そして、移動予備苗載台17を前部レール体19,19後部から上側レール体23,23に移動させて、苗載台12の苗載置部12aにマット状苗Nを容易に供給することができる。
なお、左右レール装置15,15の前部レール体19,19に移動予備苗載台17を載せた状態で、該移動予備苗載台17に作業者がマット状苗Nを載置する作業例を示したが、畝路や道路上で移動予備苗載台17にマット状苗Nを載置し(マット状苗Nを載置した移動予備苗載台17を複数用意し)、マット状苗Nを載置した移動予備苗載台17をクレーン等の移載装置で走行車体2前部左右両側に設けた左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19上に積み込んでも良い。この場合、空の移動予備苗載台17は、クレーン等の移載装置で走行車体2前部左右両側に設けた左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19上から降ろす。
<他の実施態様>
(1)上記の実施例では、後部レール装置16の左右移動する上側レール体23,23を1つ設けた例を示したが、2つの左右上側レール体23,23を設けて、該左右上側レール体23,23の各々に移動予備苗載台17を載せる構成にしても良い。2つの移動予備苗載台17を左右移動及び前後移動させて苗載台12の苗載置部12aにマット状苗Nを供給することができるので、作業性が良くなると共に、機体に搭載できるマット状苗Nが増加し作業効率が向上する。
(2)上記の実施例では、走行車体2前部左右両側に設けた左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19に1つの移動予備苗載台17を載せて植付け作業を開始する例を示したが、前部レール体19,19に2つ以上の移動予備苗載台17を載せても良いことは謂うまでもない。
(3)図4は第2実施形態を示し、走行車体2前部左右両側に設けた左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19を後側程高い位置になるように傾斜させて設けている。そして、移動予備苗載台17の第2遊転輪26b,26bを第1遊転輪26a,26aよりも下方に設けて、第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bを傾斜した前部レール体19,19上に載せた時、各予備苗載置部24が水平になるように構成している。
(4)図5は第3実施形態を示し、走行車体2前部左右両側に設けた左右レール装置15,15の各々の前部レール体19,19を後側程高い位置になるように円弧形状にして、前部レール体19,19後端が上側レール体23,23前端と連続するように設けている。そして、一方の苗枠フレーム25のコ字状屈曲部の左右側に第1遊転輪26a,26aを設け、一方の苗枠フレーム25の先端部の左右側に第2遊転輪26b,26bを設けて、第1遊転輪26a,26aと第2遊転輪26b,26bを円弧形状の前部レール体19,19上に載せた状態のまま、上側レール体23,23上に移動する構成としている。
(5)図6と図7は第4実施形態を示し、移動予備苗載台17の下側に肥料袋27を立てた状態で載置収納できる肥料載せ枠28を設けたものである。
即ち、移動予備苗載台17の苗枠フレーム25,25を下方に向けて延設し、横杆29にて連結して枠体にして肥料載せ枠28を構成している。そして、肥料載せ枠28の前部側を肥料袋27を入れる開口部28aとし、肥料載せ枠28の下面側に肥料袋27を受ける平板30を固設している。
従って、前部レール体19,19前端部に移動予備苗載台17が位置した状態で、畝路や道路にいる作業者が畝路や道路に置いているマット状苗Nを走行車体2の前方から移動予備苗載台17の各予備苗載置部24に載置する時に、畝路や道路に置いている肥料袋27を横に立てた状態で開口部28aから肥料載せ枠28内に入れると、肥料袋27は下側が平板30で受けられて後端側が横杆29後部で受け止められて肥料載せ枠28内に載置される。
そして、移動予備苗載台17を前部レール体19,19後端部まで移動させて、肥料載せ枠28の前部下側に設けた把持部28bを把持して第1実施形態と同様にして上側レール体23,23上に載せ替えると、肥料載せ枠28は後部が低く傾斜した状態になる。
そこで、図6に示すように、施肥装置4の肥料ホッパ14の蓋14bを開けて、移動予備苗載台17を肥料載せ枠28内に載置した肥料袋27の下端が肥料ホッパ14に臨む位置に移動させ、肥料袋27の下端をハサミやナイフ等で切れば、肥料袋27内の粒状肥料が肥料ホッパ14内に供給される。よって、作業者は、移動予備苗載台17の肥料載せ枠28内に載置することにより、重い肥料袋27を作業者が持ち運んで供給するような重労働から解放され、作業性良く且つ容易に肥料供給作業が行なえる。
2 走行車体
3 苗植付部
12 苗載台
12a 苗載置部
17 移動予備苗載台
24 予備苗載置部
24c 後壁
N 苗(マット状苗)
3 苗植付部
12 苗載台
12a 苗載置部
17 移動予備苗載台
24 予備苗載置部
24c 後壁
N 苗(マット状苗)
Claims (5)
- 走行車体(2)の後部に苗植付部(3)を装着し、該苗植付部(3)に苗(N)を載置する苗載置部(12a)を左右方向に並列配置した苗載台(12)を前側が後側より高く傾斜して設けた乗用型苗移植機において、走行車体(2)の後部に苗載台(12)の傾斜と合致または略合致する傾斜状態の予備苗載置部(24)を複数前後方向に並列して設けた移動予備苗載台(17)を装備し、該移動予備苗載台(17)を苗載台(12)の苗載置部(12a)上部に対して前後方向に移動自在に構成したことを特徴とする乗用型苗移植機。
- 移動予備苗載台(17)を苗載台(12)の左右方向に並列配置した苗載置部(12a)に沿って機体左右方向に移動自在に設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用型苗移植機。
- 移動予備苗載台(17)を走行車体(2)の前部から後部まで移動自在に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗用型苗移植機。
- 移動予備苗載台(17)は、走行車体(2)の前部での移動時に各予備苗載置部(24)は水平または略水平状態であり、走行車体(2)の後部での移動時に各予備苗載置部(24)は苗載台(12)の傾斜と合致または略合致する傾斜状態であることを特徴とする請求項3に記載の乗用型苗移植機。
- 予備苗載置部(24)の後壁(24c)を開閉自在に設けたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の乗用型苗移植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020146569A JP2022041402A (ja) | 2020-09-01 | 2020-09-01 | 乗用型苗移植機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020146569A JP2022041402A (ja) | 2020-09-01 | 2020-09-01 | 乗用型苗移植機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022041402A true JP2022041402A (ja) | 2022-03-11 |
Family
ID=80500119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020146569A Pending JP2022041402A (ja) | 2020-09-01 | 2020-09-01 | 乗用型苗移植機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022041402A (ja) |
-
2020
- 2020-09-01 JP JP2020146569A patent/JP2022041402A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
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