JPH0670080B2 - マクロファージ活性化作用をもつムラミルペプチド親油性誘導体およびこれを含む薬剤組成物 - Google Patents

マクロファージ活性化作用をもつムラミルペプチド親油性誘導体およびこれを含む薬剤組成物

Info

Publication number
JPH0670080B2
JPH0670080B2 JP60099454A JP9945485A JPH0670080B2 JP H0670080 B2 JPH0670080 B2 JP H0670080B2 JP 60099454 A JP60099454 A JP 60099454A JP 9945485 A JP9945485 A JP 9945485A JP H0670080 B2 JPH0670080 B2 JP H0670080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liposome
lipophilic
liposomes
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60099454A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60252497A (ja
Inventor
ニジエル・フイリツプス
フランソワーズ・オーデイベール
ジヤン‐マリ・ベルナール
ルイ・シエデイド
ピエール・ルフランシエ
ミシエル・ルヴエル
モニツク・パラン
Original Assignee
アジヤンス・ナシオナル・ドウ・ヴアロリザシオン・ドウ・ラ・ルシエルシユ(アー・エヌ・ヴエー・アー・エール)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アジヤンス・ナシオナル・ドウ・ヴアロリザシオン・ドウ・ラ・ルシエルシユ(アー・エヌ・ヴエー・アー・エール) filed Critical アジヤンス・ナシオナル・ドウ・ヴアロリザシオン・ドウ・ラ・ルシエルシユ(アー・エヌ・ヴエー・アー・エール)
Publication of JPS60252497A publication Critical patent/JPS60252497A/ja
Publication of JPH0670080B2 publication Critical patent/JPH0670080B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y5/00Nanobiotechnology or nanomedicine, e.g. protein engineering or drug delivery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K9/00Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K9/001Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence having less than 12 amino acids and not being part of a ring structure
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K9/00Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K9/001Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence having less than 12 amino acids and not being part of a ring structure
    • C07K9/005Peptides having up to 20 amino acids, containing saccharide radicals and having a fully defined sequence; Derivatives thereof the peptide sequence having less than 12 amino acids and not being part of a ring structure containing within the molecule the substructure with m, n > 0 and m+n > 0, A, B, D, E being heteroatoms; X being a bond or a chain, e.g. muramylpeptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマクロフアージ活性化作用、特に腫瘍破壊性を
有するムラミルペプチド親油性誘導体に係る。本発明は
より特定的にはこれらムラミルペプチド親油性誘導体を
含む組成物、特にこの種の誘導体を含むリポソームをベ
ースとするか又はこれらリポソームを形成し得る組成を
もつ組成物に係る。
マクロフアージの活性化はイムノモジユレータの抗腫瘍
活性の主要メカニズムの1つである。即ち活性化された
マクロフアージは同系腫瘍細胞をin vitroだけでなくin
vivoでも破壊できる。
一方、ムラミルペプチドはマクロフアージのin vitroで
の抗腫瘍活性を増大させ得ることが判明した。但しこれ
らの物質を食塩溶液の形で用いるin vivoの場合には事
情が異なる。恐らく、この不活性の原因は、多分、流体
の飲作用のためにムラミルペプチドのマクロフアージ内
への浸入が緩慢になることと、これらムラミルペプチド
が腎臓によつて生体から急速に排出されることとにあ
る。これら2つの現象が重なるために食塩溶液の形で注
入されたムラミルペプチドはマクロフアージ内でそれら
を活性化する程十分な濃度には達し得ないと推察され
る。
これらの欠点を解消する方法はこれまでにも多数提案さ
れてきた。特に、ムラミルペプチドをリポソーム内の封
入するとそれだけでin vitroでもin vivoでもかなりの
細胞毒活性がマクロフアージに与えられることが判明し
た。フイドラー(FIDLER)等はこの方法を更に発展さ
せ、7対3の割合でホスフアチジルコリン(PC)とホス
フアチジルセリン(PS)とを含み且つMDPをも含有する
多重ラメラリポソームを使用した。その結果このイムノ
モジユレータの標的を循環単球に向けることに成功し
た。これら単球は細胞内に取込んだMDPの作用により活
性化マクロフアージに分化する(キヤンサーリサーチ
(Canc.Res.)42,161-167(1982年))。
前記リポソームの組成及び性質(多重ラメラ)はこれら
リポソームを特に肺循環毛細血管に向けるのに適してい
る。これらリポソームを取入れた単球は次いで肺内を移
動し、そこで活性化マクロフアージに分化する。これら
の活性化されたマクロフアージはマウスのメラノーマB
16の如き肺向性腫瘍の転移部を破壊する能力がある。
しかし乍ら可溶性ムラミルペプチドの使用には多くの問
題が伴う。例えば或る種のリポソーム(特に標的を肺循
環単球に向けるのに適した組成物をもつもの)では「洩
れ」が生じる、即ち封入溶質が失われる。この洩れはPC
/PSリポソームを血清の存在下におくと特に顕著にな
る。このような現象は勿論リポソームの保存に有害であ
る。
この欠点は多重ラメラリポソームを使用すると多少解消
される。即ち、リポソームが食作用で取入れられる前に
は最も内側のインタラメラ種が前記洩れを抑止又は制限
し得ると考えられる。この場合はしかし乍ら標的設定の
特異性が失われる。実際、単ラメラリポソーム即ち僅か
の薄膜からなるリポソームを使用する方が標的を肺以外
の臓器に設定する上で有利である(ジー・ポスト(G.PO
STE)他、キヤンサーリサーチ,42,1412-1422(1982
年))。
この問題を解消すべくフイドラー等は既にN−アセチル
−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(MD
P)又はN−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−
イソグルタミル−L−アラニン(MTP)の親油性誘導
体、例えばMTP−ホスフアチジルエタノールアミンを使
用することを提唱していた。
また、マクロフアージの細胞毒活性を刺激すべくMDP又
はMTPをホスフアチジルエタノールアミン又はステアリ
ン酸分子に結合することも提案された。しかし乍らこの
種の誘導体を含むリポソームの調製は容易ではない。特
に、これらムラミルペプチド誘導体を含む薄い脂質薄膜
の形成と、従来技術によるこれら薄い脂質薄膜のリポソ
ームへの変換は必ずしも再現可能な結果をもたらすとは
限らず、得られたリポソームも長期保存は殆んど不可能
である。
更に、或る種の親油基を既に含んでいる或る種のムラミ
ルペプチド誘導体はマクロフアージに対して毒性及び/
又は不安定化作用を示し得ることが判明した。
本発明の目的は前述の諸問題をより効果的に解決するこ
と、特定的には新規のMDP誘導体を提供することにあ
る。これら新規誘導体はマクロフアージ活性化能力、特
にマクロフアージのin vivoでの腫瘍破壊活性を促進さ
せる能力が大きい。これは特にこれら誘導体をリポソー
ムの形状で投与した時に顕著である。
本発明はまた、それを含有するリポソームの製造に主と
して使用し得るムラミルペプチド親油性誘導体にも係
る。この種のリポソームはマクロフアージを刺激する性
質が極めて強く、且つこれらリポソーム(又はリポソー
ムへの変換が容易な組成物)の保存の可能性からも、マ
クロフアージに対する不安定化活性もしくは毒性の欠如
という点からも、極めて安定しているという特徴を有す
る。
本発明のムラミルペプチド誘導体は基本的に、各原子か
ら8〜100個好ましくは14〜24個の炭素原子を含む親油
鎖が分枝されている2つの隣接し合う原子を有する基
を、必要であれば結合手を介して、ムラミルペプチドと
結合(conjugaison)又はカツプリング(couplage)さ
せることにより得られる。
前記の隣接し合う2原子は主として次の構造 の1つに属する。
本発明の好ましい化合物は次式 で示されることを特徴とする。
前記式中置換基R1,R2,X,Y,A及びBは下記の意味を表わ
す。
−R1はH又はCH3である。
−R2は−NH2基,−OH基又は−OW基であり、Wは1〜10
個の炭素原子を含む炭化水素基を表わす。
−Xはアラニル,バリル,イソロイシル,ノルロイシ
ル,ロイシル,セリル,トレオニル,プロリル,グルタ
ミニル,アスパラギニル,メチオニル,トリプトフアニ
ル,フエニルアラニル,チロシル,グリシルを含む基の
アミノアシル残基である。
−YはR2と同じ意味を表わすか又は親油基−OCH2−CHO
(R3)CH2O(R4)を表わし、R3及びR4は互に等しいか又は異
なり8〜100個の炭素原子を含むアシル基を表わす。
−ZはR2と同じ意味を表わすか又は親油基−CO−CHO
(R3)CH2O(R4)を表わし、R3及びR4は互に等しいか又は異
なり8〜100個の炭素原子を含むアシル基を表わす。但
し2つの基Y及びZの少なくとも一方は常に対応親油基
であると理解されたい。
−A及びBは直接結合又は互に等しいもしくは異なる1
〜3個のアミノアシル残基を夫々含む互に等しいもしく
は異なる基を表わし、又は−NH−(CH2)p−CO−基を表わ
す。pの値は2〜10である。
本発明の好ましい化合物では基Xが左旋性アミノ酸残基
である(勿論アミノアシル残基がグリシル以外の場
合)。特に好ましい基XはL−アラニル,L−セリル,L−
バリル,L−ロイシル,L−イソロイシル,L−トレオニル又
はグリシルである。またR2はアルキル−オキシ基である
のが好ましい。
基A及びBは直接結合を表わすと有利である。基Yがグ
ルタミル基のガンマ−カルボキシルに直接結合している
場合、及び基Zが糖基の6位の酸素原子に直接結合して
いる場合はこれに当たる。A及びBは前述のXの意味を
表わす1つ以上のアミノアシル残基、好ましくはL−ア
ラニル及び/又はL−リシルであつてもよい。
勿論、前述の好ましい基は1つ以上を任意に組合わせて
使用し得る。これらの基は2つの親油鎖を担持する基に
よつて修飾されたムラミルペプチドの基本構造と個々に
組合わせることもできる。
但し特に好ましい化合物類は、 −基Zが前述の如き対応親油基からなり、R2が炭素原子
を1〜10個、より特定的には4個含むアルキル−オキシ
基、特にn−ブチル−オキシであり、 −Aが直接結合を表わし、且つ −YがNH2基である 化合物である。
この種の化合物は発熱性を殆んど有さないという点で特
に優れている。
特に好ましい親油基R3及びR4はパルミトイル基である。
本発明はより特定的には本発明の化合物を1種以上含む
リポソーム組成物又は容易にリポソームに変換し得る組
成物に係る。実際、本発明の化合物をリポソームに合体
(incorporation)するとマクロフアージに対するリポ
ソームの刺激作用がかなり増大する。
グリセリル基の2つの隣接炭素原子上に2つの親油基を
存在させるとムラミルペプチドがリポソームの脂質膜の
上又は中に固定され、且つリポソーム自体を安定させる
と共にこれらと接触するマクロフアージに対する毒性又
は不安化作用を存在させないという効果が基本的に得ら
れる。少なくともin vitro及びin vivoでの実験ではこ
のような現象を観察できる。
必要不可欠ではないがリポソームの形成には転移温度
(la temprature de transition)Tmが37℃を越える
ような脂質を使用することができる。この転移温度は
「固体結晶」状態と「液体結晶」状態との間の転移が生
じる時の平均温度に係り、この場合、前記脂質が特にリ
ポソーム膜内でそれより低い温度及び高い温度で存在し
得る。Tmが37℃を越えるようなリポソームを使用すれば
マクロフアージのみへの標的設定が促進される。このよ
うな理由からリン脂質は鎖内に14〜30、特に16〜24個の
炭素原子を含む脂肪酸で形成するのが好ましい。
リポソーム(又はリポソームの形成に適した組成物)の
形成に使用される脂質に関してはこの分野で豊富に提供
されている技術文献を参照し得る。好ましい脂質組成物
はホスフアチジルコリン(12〜20個好ましくは16〜20個
の炭素原子を含む脂肪酸誘導体),ホスフアチジルセリ
ン,ホスフアチジルイノシトール,ホスフアチジルエタ
ノールアミン,ホスフアチジルグリセロール及びホスフ
アチジン酸の如きリン脂質を用いる組成物である。これ
らリン脂質は単独で又は混合して使用し得る。ジステア
リルホスフアチジルコリン(DSPC)又は合成もしくは天
然のホスフアチジルコリンと、ホスフアチジルセリン
(PS)又はホスフアチジルグリセロール(PG)との混合
物を用いると特に有利である。有利にはこれらリン脂質
をDSPC又はホスフアチジルコリン(PC)7容に対し1〜
10好ましくは3容のPSの割合で含む混合物によりリポソ
ームを形成する。本発明の誘導体を含むリポソームは単
ラメラ又は多重ラメラの形状でかなりの生物学的活性を
示す。リポソーム粒子の粒径は0.1ミクロン以上、例え
ば1〜10ミクロンが好ましい。
本発明の化合物はリポソーム中で使用するか、又はこれ
ら組成物を非経口投与する場合には、これらリポソーム
を生理学的に許容し得る水溶液、好ましくは無菌且つ等
張の水溶液に懸濁させたものとして用いるのが好まし
い。
リポソーム懸濁液は媒質1ml当り4〜400μMの脂質と20
〜200μgの本発明ムラミルペプチド親油性誘導体とを
含むと有利である。
より特定的には本発明は凍結乾燥状態の、従つて完全に
無水状態のムラミルペプチド親油性誘導体と合体するリ
ポソーム組成物にも係る。このようなリポソーム製剤を
凍結乾燥するとリポソーム懸濁液の即時的形成後にマク
ロフアージ刺激活性が大幅に向上することが判明した。
これら凍結乾燥無水組成物は活性損失を伴うことなく数
ケ月間保存できる。
本発明の生成物は「ムラミン構造」と称する次の構造を
共通して有するムラミン酸、その類似物質又は誘導体か
ら製造し得る。
式中R1は前述の意味を表わす。
本発明の化合物の好ましい製法はペプチド合成分野で従
来より使用されている方法により式X-D-Glu-(A-Y)‐R
2〔式中X,A及びYは前述の意味を表わす〕のペプチド鎖
をムラミン構造に固定させ、必要であれば基−B−Zを
ムラミン構造の位置6−0−に固定させることからな
る。この場合反応し合う物質によつて担持され且つこの
反応に介入しない官能基は必要に応じ予め保護してお
く。保護された官能基は本発明の化合物の製法の最終段
階で最後には脱保護される。先行技術の文献、特に後述
の仏国特許出願に記載の方法も本発明の化合物の製造に
使用し得る。
置換R2は前記鎖の合成の前にグルタミル基上で実施する
と有利である。基Yもペプチド鎖の中へ組入れる前に先
ずC末端アミノアシルに固定するのが好ましい。
ペプチドの合成は従来の方法によつて行なう。一例とし
て、活性化エステル法、混合無水物法又はカルボジイミ
ドタイプの化合物、例えばN,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミドもしくは他の等価カルボジイミドを使用す
る方法の如きカルボキシル活性化方法を選択し得る。従
来のペプチド合成法の一例はジエー・エツチ・ジヨーン
ズ(J.H.JONES)によりケミストリーアンドインダスト
リー(Chemistry and Industry),723(1974年)に開示
されている。その他例えば仏国特許出願第7529624号,
第7606819号,第7606820号,第7606821号,第7621889
号,第7702646号と、レフランシエ(LEFRANCIER)他の
論文(インターナシヨナル ジヤーナル ペプチド プ
ロテイン リサーチ(Int.J.Peptide Protein Res.),1
977年,9,249及び1978年,11,289;並びにJ.Med.Chem.2
5,1982年,87)とをも参照し得る。
基R2に対応するエステル化誘導体又はアミド誘導体は公
知の方法で得られる。これに関しては前出の仏国特許出
願、特に第7606820号,第7606821号,第7621889号及び
第7702646号を参照されたい。
基Yを2つの親油鎖を担持するグリセロール基で構成す
べき場合は、グルタミン基又は(Aが直接結合を表わさ
ない時は)C末端アミノアシルのガンマ−カルボキシル
基を必要に応じ活性化させたものを、親油酸特に脂肪酸
によりベータ,ガンマ−ジエステル化したグリセロール
によつてエステル化する。但し前記グリセロールは遊離
末端ヒドロキシル基を有する。ペプチド鎖のN末端基は
通常前記エステル化反応に先立ち例えばt−ブチル−オ
キシ−カルボニル(BOC)基によつて保護しておく。こ
れに関しては仏国特許出願第7808049号を参照し得る。
この特許出願には別の基を担持するグリセロール基によ
り修飾されたペプチド鎖の製法が開示されている。これ
らの製法は本発明の化合物の製造に使用し得る修飾され
たペプチド鎖の形成にも使用できる。このようにすれば
ジ置換した親油基を担持するペプチド配列の合成が可能
になる。
このように、対応ムラミルペプチド誘導体の合成はN末
端アミン基を予め遊離した後にペプチド鎖(ジ置換した
グリセロール基で修飾したもの又は未修飾のもの)をム
ラミン構造とカツプリングさせることにより全うされ
る。このムラミン構造自体は予め保護しておいてよい。
この構造は例えばアルフア−0−ベンジル−4,6−0−
ベンジリデン−N−アセチルムラミン酸で構成し得る。
最終的には保護基除去(例えば加水素分解による)後に
グリコペプチド誘導体が遊離状態で得られる。
その他、N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D−
グルタミン酸のα−置換した(一般式に従いアミドもし
くはエステルで)誘導体を、非限定的一例として混合無
水物法により予め形成した基H−A−Yと直接結合させ
る方法もある。
基B−Z−が親油酸特に脂肪酸によりベータ,ガンマ−
ジエステル化されたグリセロール基を含むような本発明
の誘導体は従つて、糖基の1,4及び6位の保護基を除去
する前に、前記グリコペプチド誘導体とベータ,ガンマ
−ジエステル化した対応グリセリン酸とを反応させるこ
とにより製造し得る。
本発明の他の特徴は本発明の好ましい非限定的実施例に
関する以下の説明から明らかにされよう。
実施例1 次式 で示されるアルフア−(N−アセチル−ムラミル−L−
アラニル−D−イソグルタミン),ベータ,ガンマ−ジ
パルミトイル−sn−グリセロール(MDP−GDP)の合成: アルフア−(BOC−L−Ala−D−イソGln),ベータ、
ガンマ−ジパルミトイル−sn−グリセロール(I): 119mg(0.375mM)のBOC−L−Ala−D−イソGlnと142mg
(0.25mM)のベータ,ガンマ−ジパルミトイル−sn−グ
リセロールと180mg(0.406mM)のBOPとを10mlのTHF−DM
F(1/1)中に溶解した溶液にN−メチルモルホリン0.00
5ml(0.406mM)及びイミダゾール31mg(0.45mM)を加え
る。室温で週末の間放置した後、生成物をクロロホルム
中に抽出し、次いでシリカ60G20gのカラムで精製する。
このシリカカラムはクロロホルムで安定させ、次いでク
ロロホルム(100ml)とクロロホルム−メタノールの50/
1混合液(100ml)と25/1混合液とで順次溶離したもので
ある。(I)のクロロホルム溶液を限外過にかけた
後、(I)をジオキサン溶液から凍結乾燥により回収す
る:73mg(33.6%)。
▲〔アルフア〕25 D▼:0°(c:0.5,氷酢酸)。
C48H89N3O10の分析計算値%:C:66.4;H:10.3;N:4.8。
測定値:C:66.2;H:10.2;N:4.3。
アルフア−(L−Ala−イソGln),ベータ,ガンマ−ジ
パルミトイル−sn−グリセロール,HCl(II): 521mg(0.6mM)の(I)を規定塩酸氷酢酸溶液1.6mlに
より室温で45分間処理する。溶媒濃縮後(II)をその酢
酸溶液の凍結乾燥処理によつて得、即刻使用する:480m
g。
アルフア−MurNAc−(アルフア−OBzl−4,6−O−Bzi)
−L−Ala−D−イソGln,ベータ,ガンマ−ジパルミト
イル−sn−グリセロール(III): 378mg(0.47mM)の(II)と、260mg(0.55mM)のMurNAc
(アルフア−O−Bzl−4,6−O−Bzi)と、265mg(0.60
5mM)のBOPと、0.2ml(1.75mM)のN−メチルモルホリ
ンとを8mlのクロロホルム−DMF(5/2)に溶解する。36
時間後生成物をクロロホルムで抽出し、シリカカラムで
精製する。このシリカカラムはクロロホルム−メタノー
ル(15/1)混合物で安定させ、次いで、これら溶媒の
(12/1)混合物で溶離したものである。(III)はその
クロロホルム溶液を限外過にかけた後その酢酸溶液を
凍結乾燥処理することにより得られる:545mg(95%)。
▲〔アルフア〕25 D▼:+40°(c:0.5;氷酢酸)。
C66H108N4O15,0.5CH3COOHの分析計算値%:C:66.2;H:8.
8;N:4.5。
測定値:C:66.4;H:8.7;N:4.3。
アルフア(MurNAc−L−Ala−D−イソGln),ベータ,
ガンマ−ジパルミトイル−sn−グリセロール(IV): 535mg(0.44mM)の(III)を氷酢酸30ml中に溶解し、パ
ラジウム5%担持木炭550mgの存在下で40時間水素添加
処理する。触媒を過した後、酢酸溶液の凍結乾燥処理
によつて(IV)を得、クロロホルム−メタノール(5/
1)混合物により溶離したシリカのカラムで精製する。
(IV)のクロロホルム溶液を限外過し、次いで氷酢酸
溶液を凍結乾燥処理して(IV)を回収する:348mg(72.2
%)。
▲〔アルフア〕25 D▼:+23.4°(c:0.7;氷酢酸)。
C54H98N4O151.6CH3COOHの分析計算値%:C:60.29;H:9.2
3;N:4.92。
測定値%:C:60.3,H:9.2;N:5.0。
実施例II 次式で示される6−0−(ベータ,ガンマ−ジパルミト
イル−L−グリセリル)−N−アセチル−ムラミル−L
−アラニル−D−グルタミン−n−ブチル−エステル
(6−0−GDP−MDPG−OnBu)の合成 L−グリセリン酸ベンジル−エステル(I): グリセリン酸222mg(0.2mM)にジイソプロピルベンジル
イソウレア463mg(2mM)を加える。室温で3時間攪拌し
た後、脱ペルオキシド処理した無水THFを5ml加える。室
温で24時間放置した後、該溶液を−15℃に冷却し、過
によつてジイソプロピルウレアを除去する。(I)はシ
リカカラムでの精製後クロロホルム−メタノール−酢酸
(120/10/1)混合物中に回収される:316mg(80%)。
▲〔アルフア〕25 D▼:−16.6°(c:0.55;ジオキサ
ン)。
赤外スペクトル:3410−3510cm-1(OH);1735cm-1(エス
テル)。
紫外スペクトル:252nm,257nm,262nm(ベンジル)。
ベータ,ガンマ−ジパルミトイル−L−グリセリン酸ベ
ンジルエステル(II): 316mg(1.6mM)の(I)を3mlの乾燥ピリジン中に溶解
する。0℃で且つアルゴン流を導入しながら、乾燥ジク
ロロメタン6mlに塩化パルミトイル1.382g(4.83mM)を
加えた溶液を15分で添加する。室温で4時間反応させた
後80mlの乾燥エーテルと60mlの凍つた0.5N H2SO4とを順
次加える。20分攪拌した後有機相を中性pHになるまで洗
浄し、Na2SO4で乾燥し、過して濃縮する。(II)はシ
リカカラムで精製した後ヘキサン−酢酸エチル(8/2)
混合物中に回収する:835mg(77.5%)。
融点(Fc)39−40℃ ▲〔アルフア〕25 D▼:−11.5°(c:1;クロロホル
ム)。
C42H72O6の分析計算値%:C:74.95;H:10.78。
測定値%:C:75.2;H:10.6。
ベータ,ガンマ−ジパルミトイル−L−グリセリン酸
(III): 750mg(1.11mM)の(II)を20mlのTHF中でPd5%担持木
炭300mgの存在下で水素添加処理する。3時間後該溶液
を限外過し、次いで粉末が得られるまで濃縮する:520
mg(80%)。
▲〔アルフア〕25 D▼:−6.35°(c:0.4;クロロホル
ム)。
C35H66O6の分析計算値%:C:72.12;H:11.41。
測定値%:C:72.0;H:11.5。
6−0−(ベータ,ガンマ−ジパルミトイル−L−グリ
セリル)−1−アルフア−ベンジル−N−アセチル−ム
ラミル−L−アラニル−D−グルタミン−Onブチルエス
テル(IV): DMF3mlにMurNAc(アルフア−Bzl)−L−Ala−D−Gln
−OnBu658mg(1.2mM)を溶解した溶液に233mg(0.4mM)
の(III)、50mg(0.4mM)の4−ジメチル−アミノピリ
ジン、64mg(0.4mM)のN−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール及び95mg(0.46mM)のDCCを加える。乾燥ジクロロ
メタンを1.5ml加えた後、得られた反応混合物を室温で2
4時間攪拌しながら放置し、次いでクロロホルム150mlを
加える。有機相をHCl0.5M,NaHCO3M及び水で順次洗浄
し、Na2SO4で乾燥し濃縮する。(IV)を先ず無水エタノ
ール中に沈殿させ、次いでシリカカラムで精製する。こ
のシリカカラムはクロロホルム−メタノール−酢酸(18
/1/0.1)混合物,クロロホルム−酢酸(5/1)混合物及
びメタノールで順次溶離したものである。(IV)のクロ
ロホルム溶液を限外過にかけ、濃縮して(IV)を回収
する:330mg(69%)。
融点:157−162℃。
▲〔アルフア〕25 D▼:+46°(c:0.5;酢酸)。
C65H110N4O160.5H2Oの分析計算値%:C:64.38;H:9.23;N:
4.62。
測定値%:C:64.3;H:9.1;N:4.4。
6−0−(ベータ,ガンマ−ジパルミトイル−L−グリ
セリル)−N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−D
−グルタミン−Onブチルエステル(V): 氷酢酸15mlとメタノール1mlとに溶解した120mg(0.1m
M)の(IV)をPd5%担持木炭120mgの存在下で20時間水
素添加処理する。触媒を過した後(V)の氷酢酸溶液
を凍結乾燥して(V)を回収する:107mg(96%)。
▲〔アルフア〕25 D▼:+15.4°(c:0.4;氷酢酸)。
C53H104N4O161CH3COOHの分析計算値%:C:61.41;H:9.2
8;N:4.77。
測定値%:C:61.5;H:9.0;N:4.8。
実施例III アルフア−(N−アセチルムラミル−D−アラニル−D
−イソグルタミン),ベータ,ガンマ−ジパルミトイル
−sn−グリセロール(MDP(D−D)−GDP)の合成 MDP−snGDPの製造に使用したと同様の方法で合成する。
得られた生成物は次の分析特性を示す: ▲〔α〕25 D▼:+31.5°(c=0.5,氷酢酸) C54H98N4O13・1CH3COOH(1103 546)の元素分析 計算値%:C,60.95:H,9.31:N,5.07 測定値%:C,60.68:H,9.22:N,5.17 実施例IV アルフア−(N−アセチル−ムラミル−L−アラニル−
D−イソグルタミニル−L−アラニン),ベータ,ガン
マ−ジパルミトイル−sn−グリセロール(MDP-L Ala-GD
P)の合成 合成法は下記に詳述する。得られた生成物は次の分析特
性を示す: ▲〔α〕25 D▼:+15.6℃(c=0.3,氷酢酸) C57H103N5O16・2CH3COOH(1234 59)の元素分析 計算値%:C,59.34:H,9.06:N,5.67 測定値%:C,59.46:H,9.04:N,5.99 実施例V アルフア−(N−アセチル−ムラミル−D−アラニル−
D−イソグルタミニル−L−アラニン),ベータ,ガン
マ−ジパルミトイル−sn−グリセロール(MDP(D−
D)L Ala−GDP)の合成 ▲〔α〕25 D▼:+25.7℃(c=0.35、氷酢酸) C57H103N5O16・1.5CH3COOH(1204 56)の元素分析 計算値%:C,59.82:H,9.12:N,5.81 測定値%:C,59.75:H,9.05:N,6.06 実施例VI及びVの誘導体は次のようにして合成する: アルフア−BOC−L−Ala−D−イソGln−ガンマ−ジパ
ルミトイル−sn−グリセロールの製造について前述した
条件下で、カツプリング・試薬の対(BOP−イミダゾー
ル)を用いてエステル化することによりBOC−L−Ala−
ガンマ−ジパルミトイル−sn−グリセロールを製造す
る。
次いで、従来の方法で基BOCを除去し、カツプリング・
試薬BOPを用いMDP又はMDP(D−D)とを得られた生成
物を結合させる。このようにして、クロロホルム−メタ
ノール(5/1)で溶離したシリカカラムで精製し、クロ
ロホルム−メタノール(1/1)で溶離したLH20カラムで
再度精製した後、MDP-L-Ala-GDP又はMDP(DD)‐L-Ala-
GDPが得られる。
実施例VI 6−0−(ベータ,ガンマ−ジパルミトイル−L−グリ
セリル)−カプロイル−N−アセチル−ムラミル−L−
アラニル−D−グルタミン−n−ブチルエステル(6-0-
GDP−アミノカプロイル−MDPG−OnBu)の合成リポソー
ムの製造: a)多重ラメラリポソームの製造 DSPC又はPC及びPS(夫々7:3,7:0.3又は7:0のモル比)を
無水クロロホルム溶液中でMDP−GDPと混合する。この溶
液を底の丸いガラスフラスコ内に入れて、回転攪拌しな
がら蒸発させる。フラスコの内側表面に形成された無水
脂質膜をリン酸で緩衝した塩化ナトリウム溶液PBSと共
に10分間20℃に冷却する。この懸濁液をボルテクス(VO
RTEX)と称する装置に入れ60℃で激しく攪拌してリポソ
ームを形成する。リン脂質に対するMDP-GDPの相対比と
脂質に対するPBS緩衝液の相対比とは、最終リポソーム
において使用懸濁液の量に対するリン脂質及びMDP-GDP
の相対比が添付の結果表に示されている如き値になるよ
うその都度選択した。比較を行なうべくMDPを含むリポ
ソームを同一条件下で製造した。
また、対照リポソームも同様の方法で、但しMDP-GDPを
存在させずに製造した。
b)凍結乾燥状リポソームの製造 DSPC,PS及びMDP-GDPを適切な割合で28-30℃の無水2−
メチル−2−プロパノールに溶解することにより凍結乾
燥状リポソームを製造した。添付の結果表に示されてい
る相対量の成分(合計量1ml中)を含むアルコートを凍
結乾燥に適した複数のフラスコに導入した。この2−メ
チル−2−プロパノール溶液を+4℃で凝固させた後、
これらフラスコを−20℃で6時間凍結乾燥処理した。凍
結乾燥した脂質組成物は使用時まで−20℃又は+4℃で
密封フラスコ内に保存した。これら凍結乾燥組成物から
のリポソーム製造は、必要量のPBS緩衝液を60℃で加
え、得られた懸濁液をボルテクス装置で2分間激しく攪
拌し、次いでテスト開始前の30分間氷浴中に保存するこ
とによつていつでも実施できる。
MDP-GDPを含むリポソームはMDPを用いて製造したリポソ
ームに比べて著しく安定している。同一条件下で、但し
トリチウムにより標識したムラミルペプチドを用いて形
成したリポソームに関しては下記の如き現象が観察され
た。MEM−FCS媒質(サール(Searle)塩を含む最小必須
培地と子牛胎児血清との混合物)に懸濁させたリポソー
ム中でのムラミルペプチドの保持テストの結果、37℃で
4時間インキユベートした後では合体したMDPの50%以
上が失われ、18時間インキユベートした後では該MDPの8
0%以上が失われることが判明した。逆に、対応リポソ
ームのMDP-GDPは殆んど完全に保持されていた。MDP-GDP
の合体及び安定性は抗MDPモノクローン抗体との反応テ
ストでも確認された。これらリポソームを同一媒質中37
℃で72時間インキユベートするとリポソームと抗体との
間に一定の凝着現象が観察される(95%のリポソームが
凝着)。これはMDP-GDPの損失が殆んどないことを意味
する。実際、ムラミルペプチドのMDP部分はリポソーム
膜の外側表面に存在することが判明した。このような漏
洩は仮に生じたとしても凝着の強さが時間と共に低下す
るという事実によつて知見されたであろう。又、モルガ
ン−エルソン法によるN−アセチルムラミル糖分析によ
り、リポソームを37℃で72時間インキユベートした後に
も漏洩は認められないことが示された。
6-0-GDP-MDPG-OnBu又は実施例III、IV、V及びVIの生成
物を用いて製造したリポソームにも全く同様の現象が観
察された。
従つて本発明は特に、極めて短時間例えば2分間ボルテ
クス装置内で攪拌することによりいつでも適切な緩衝溶
液に懸濁させることのできる粉末状凍結乾燥リポソーム
に係る。以下のテストでは「凍結乾燥リポソーム」がし
ばしば使用されるが、言うまでもなくこれは前述の条件
下で特にPBS緩衝液に予め懸濁したものである。
本発明はより特定的には4〜400μMの脂質に対し本発
明の親油性ムラミルペプチドを20〜2,000μg保持する
この種の凍結乾燥リポソームに係る。脂質自体はDSPC及
びPSを7:1〜7:10特に約7:3のDSPC/PS比で混合したもの
で構成するのが好ましい。
生物学的テスト 1)マクロフアージの媒介によるin vitroの細胞毒性テ
スト これらのテストで使用した標的細胞はマウスC57B1/6と
同系の単層状に維持したマウスメラノーマ細胞B16−BL6
の培養株である。
使用したマクロフアージは200gのオスラツトF344の肺胞
マクロフアージである。これらマクロフアージは、0.5m
lの5%ネムブタールip(ラボラトワールアボツト社(L
aboratoires Abbott S.A.)で麻酔し且つ腎臓動脈内に
配置したカニユーレを介して放血したラツトの肺をカル
シウム又はマグネシウムを含まないダルベツコ(DULBEC
CO)のPBS媒質9×5mlで洗浄することにより得られる。
遠心分離後、アール(Earle)塩(「フローラボラトリ
ーズ社(Flow Laboratories S.A.)により市販の「アー
ルズソルト(Earls Salts)」)を含み且つ不活性化
子牛胎児血清5%と、グルタミンと、ピルビン酸ナトリ
ウムと、非必須アミノ酸と、ビタミン類と、抗生物質
(ペニシリン及びストレプトマイシン)とを加えたMEM
(最小必須培地)にマクロフアージを懸濁させる。
次いでこの懸濁液を1ml当り5×105個のマクロフアージ
を含むよう調整し、タイターテツク(Titertek)76−00
2−05プラスチツク箱内の各容器毎に100μlの割合で配
分する。CO2を5%含む雰囲気下37℃で4時間インキユ
ベートするとマクロフアージが容器の壁に付着する。ME
M−FCS媒質で十分に洗浄して未付着細胞を除去する。次
いでマクロフアージ単層をリポソーム製剤、非リポソー
ムMDP及び対照リポソームと共に24時間インキユベート
する。これらリポソーム等は最終量が200μlになるよ
うに導入する。マクロフアージ単層を各洗浄毎に容器当
り200μlのMEM−FCS媒質を用いて3回洗浄する。
一方、指数増殖期の標的細胞B16-BL6を0.2μCr/mlの
125I‐IdUrd(比放射能2200Cr/mM)の存在下で24時間
インキユベートした。未固定125I‐IdUrdを完全に除去
すべく単層を血清を含まないMEMで入念に洗浄した。次
いでこれら細胞をトリプシン(0.25%)/EDTA(0.02
%)PBS溶液で1分間処理して剥離する。剥離細胞をMEM
-FCS媒質に懸濁させる。800gの遠心分離により4℃で10
分間洗浄した後、1ml当り5×104個の生細胞を含むよう
にMEM-FCS媒質に細胞を再び懸濁させた。
複数のアリコート(該懸濁液100μl)を容器に導入し
て予処理したマクロフアージ単層と接触させ、夫々72及
び/又は96時間に亘つて共培養を行なう。細胞B16-BL6
の回復効率(efficacit de recouvrement)は約90−9
5%であつた。
インキユベーシヨン終了後各容器を再加熱したPBS200μ
lで3回洗浄し、残留付着細胞を200μlの0.5M NaOHの
添加により溶解した。各容器の溶解物と洗浄後の液体と
を混合して液体シンチレーシヨンカウンタの槽に導入し
た。測定は全て3回行なつた。%で表わされる比細胞毒
性は次の式を用いて計算した。
このテストは前記細胞がマクロフアージによつて殺され
た時にこれら細胞の溶解によつて媒質中に遊離される細
胞B16-BL6のDNAの割合(又は、生存B16-BL6細胞に関し
て言えば非遊離DNAの割合)に基づく。
これらテストの結果を表Iに示した。この表は前述の条
件下で処理した細胞の残留放射活性(CPM±標準偏差(S
D))と細胞毒性のパーセンテージ(表Iの括弧内に値
が示されている)とを示す。
この表の左側にはリポソーム懸濁液1ml当り又は遊離MDP
の場合には食塩溶液1ml当りのMDP又はMDP-GDP濃度も示
されている。
「凍結乾燥リポソーム」製剤から再形成したMDP-GDP保
持リポソームに関しても同じテストを行なつた。結果は
表II及びIIIに示す。以下はこれら3つの表に基づく考
察である。
表IはMDPリポソームが遊離MDPの700倍の感作活性をマ
クロフアージに及ぼすことを示している。しかしながら
MDP-GDPリポソームは(MDP当量で評価して)遊離MDPの
7,000倍、従つてMDPリポソームの10倍の活性を有する
(表I)。凍結乾燥MDP-GDPリポソーム(表II及びIII)
は同一用量で更に強い活性を示す。即ち遊離MDPの500,0
00倍の刺激活性を有する(リポソームに保持されたMDP-
GDPのMDP等価用量と比較した値)。マクロフアージ刺激
効果は共培養(coculture)を96時間行なうと特に大き
くなる。
この細胞毒性はこれらリポソームの極めて大きな安定性
と重さなると著しい重要性を帯びることになる。これは
粉末状凍結乾燥リポソームが活性損失を伴わずに数ケ月
保存できることを考えると特に重要である。
2)in vivoテスト a)MDP-GDPを含む凍結乾燥リポソームを投与したマウ
スから得た肺胞マクロフアージのその場での活性化及び
MDP-GDP又は6-0-GDP-MDPG-OnBuを含むリポソームのin v
ivo分布 10μgのMDP-GDP又は6-0-GDP-MDPG-OnBuを含む凍結乾燥
リポソームを200μlのPBSに懸濁させてマウスC57B1/6J
の尾の静脈に注射した。24時間後に前述の条件下で前記
マウスの肺を洗浄することにより肺胞マクロフアージを
採取した。MEM−FCS緩衝液で洗浄した後マイクロプレー
トのくぼみの中にマクロフアージを一定量ずつ導入し
(くぼみ当り5×104個)、〔125I〕‐Id-Urdで標識し
たメラノーマ細胞B16-BL6を加えた。
前述の条件で細胞毒性を測定した。
同様のテストを対照リポソームとMDP含有リポソームと
に関しても行なつた。結果は表IVに示されている。この
表から明らかなように、MDP-GDPリポソーム又は6-0-GDP
-MDPG-OnBuリポソームを投与した前記動物から得たマク
ロフアージは細胞B16-BL6に対して大きな細胞毒性を示
すが、対照リポソーム又はMDPを含むリポソームを投与
した動物から得たマクロフアージは未処理動物から得ら
れるマクロフアージに比べてほんの少し高い細胞毒性を
示すにすぎない。
b)凍結乾燥リポソームの臓器内分布 このテストはMDP-GDPを含むがDSPCは炭素14で標識した
リポソームを前述と同様の条件で動物に注射することに
より実施した。
注射の4時間後にこれら動物を殺して肺、肝臓及び脾臓
を取出した。これら器官と血液とにおける放射活性のパ
ーセンテージを測定した。この測定はDSPC及びPSの割合
を様々に変えて行なつた。結果は表Vに示す。この表で
は、実質的量のPSの存在によりDSPCに対するPSの割合が
相対的に増大すると、in vivoで吸着したリポソームの
肺への分布が促進されることを示している。DSPC/PSの
モル比を7:3にすると特に好ましい結果が得られる。次
のテストではこのモル比を使用した。
c)細胞B16-BL6によつてマウス体内に実験的に誘発し
た転移に対するMDP-GDP含有凍結乾燥リポソームのその
場での効果 指数増殖期の腫瘍細胞B16-BL6をトリプシン処理によつ
て採取し、遠心分離によつて洗浄し、且つ1ml当り5×1
05個の生細胞を含む懸濁液を得るべくPBSに懸濁させ
る。この懸濁液0.2mlをマウスC57B1/6Jの尾の外側静脈
に注射した。前記腫瘍細胞を注射した日の3日,5日,7
日,9日及び12日後にMDP-GDP10μgを含む前記凍結乾燥
リポソームの0.5μM溶液200μlを各マウスに静脈内注
射した。
21日目にこれらマウスを頸管部切断によつて殺し、肺転
移の数を解剖顕微鏡で記録した。
マウスをMDP-GDPを含まない対照リポソームで処理し
た。
マン−ウイトニー(Mann-Witney)の「u」検定を用い
て転移数に関する処理効果を分析した。
結果は表VIに示されている。この表は特に、細胞B16−B
L6の注射後21日目に処理した種種のグループのマウスに
おいて観察された肺転移数の平均値を示す。
この結果から明らかなように、MDP−GDPをベースとする
凍結乾燥リポソームは転移を実質的に減少せしめるが、
対照リポソーム又は等量の遊離MDPはその対照動物に観
察される転移の発生に対して効果がない。
処理後の残留転移の大きさを調べると、直径2mm未満の
転移部は完全に根絶されていた。残存していたのは2.5m
m以上のより大きい転移部のみである。
従つて本発明のリポソームが転移に対して特に有効な活
性を有することは明らかである。これは大きさが1mmを
越える転移部はMDP含有リポソームで処理しても効果が
ないというキー エム・イー(KEY M.E.)等の観察(ジ
エー・ナシヨナル・キヤンサー・インスチチユート(J.
Natl.Canc.Inst.)69,1189-1198,1982年)を考慮すれば
より明白である。
本発明の化合物類に属する数種の化合物を用いた場合に
in vivoで得られる結果は、同様の条件下でMTP−ホスフ
アチジル−モノ−エタノールアミンのリポソームを用い
て得られる結果に比べてもかなり優れている。実際、後
者のリポソームが同一テストで示す活性はMDPをベース
とするリポソームと同程度である。
また、本発明の生成物は96時間後に最大の活性を示し、
従つて代謝レベルでの作用持続時間も遥かに早い作用を
示す比較分子の持続時間と比べて有利である。
本発明の化合物には用量が比較的多いと或る程度の発熱
性を示すものがあるが、これら化合物に有利と思われる
治療指数(index therapeutique)が極めて高い場合
にはその影響は少ない。従つて、2つの親油類による修
飾基が糖基の6位に固定されており且つペプチド鎖の末
端基がグルタミル−アルフア−エステル−ガンマ−アミ
ド基であるようなムラミルペプチドは発熱性がより低い
という理由から特に有利である。これは、欧州薬局方
(Pharmacope Europenne)第2巻,1971年,58−60ペ
ージに記載のプロトコールに従い、より特定的に研究し
た2種の化合物で3匹1組のウサギを処理して行なつた
発熱性測定比較テストからも明らかである。得られた結
果は、前記化合物を1mg/Kg投与した実験動物において観
察された温度上昇で表わすと次の通りである。MDP-GDP
の場合1°,0.9°及び1℃ 6−0−GDP−MDPG−OnBuの場合0.2°,0.3°及び0.5℃ 本発明の化合物類に属する数種の化合物を用いて得た結
果によれば、ムラミルペプチドに結合された基に担持さ
れている2つの隣接原子から夫々分枝される2つの親油
鎖を導入すると、このムラミルペプチドが、特にリポソ
ームの形状を有している場合には、マクロフアージを活
性化し且つ大きな抗腫瘍活性をマクロフアージに付与す
るのに特に適した性質をもつようになる。また、本発明
のムラミルペプチド親油性誘導体はMDPの特性、即ちア
ジユバント性及び抗感染性(特にクレブシエラ(Klebsi
ella)に対して)を保持していたことにも留意された
い。
特に、MDP(GDP)及び6-0-GDP-MDPG-On-Buのアジユバン
ト活性をメススイスマウスを用いて調べた。0日目、10
0μgのC474を500μgの子牛血清アルブミンと共に注射
した。30日目、抗原のみ100μgの2次注射を行なつ
た。結果は次の通りである。
力価は受身血球凝集力価のLog2で示されている。21日目
には血清をグループで滴定した。36日目は血清を別個に
滴定した。
抗感染活性(下記の結果から明らかなように高い)は10
4個の肺炎杆菌(Klebsiella pneumoniae)細胞の懸濁液
を生後6〜8週間のスイスマウスに静脈内注射すること
によつて確認した。
表VIIからIXは試験化合物の投与条件を示し、10日後又
は15日後の生存マウス数と対照に対する比として観察さ
れる予防(protection)率を検討している。
観察されたことは次のように要約できる。: (1)3つの生成物すなわちMDP-GDP,MDP(D,D)−GDP
及びGDP-MDPG-OnBuはマウスへの致死量の肺炎桿菌(Kle
bsiella pneumonias)感染に対し似通つた予防活性を有
している。
(2)MDP-L-Ala-GDP及び6-0-GDP−アミノカプロイル−
MDPG-OnBuでも同様の結果が観察される。
(3)リポソーム中で注射するとMDP-GDPは最も活性が
高く(0.1μg)、他の2つでは水性懸濁液として注射
される時よりも有効である(10μg)。
(4)MDPと同様に、抗生物質(ゲンタマイシン)との
相乗作用を認めうる。
(5)カンジダ(Candida)を用いた実験は、MDP-GDPが
活性を有しており、その効果はリポソーム中に合体する
ことにより増強され、フアンギゾン(Fungizone)(ア
ンホテリシンB)の効果に付加されることを示す。
カンジダに対して得られた結果は表中に示す。
本発明は従つて本発明の化合物を用いて形成し得る生物
学的試薬にも係る。これらの試薬は、より特定的には主
として肺での腫瘍破壊性に関して研究中の化合物のマク
ロフアージ活性化作用を調べる場合に基準化合物又は比
較化合物として有効に使用される。
本発明は本発明の化合物の少なくとも1種類を有効成分
として含む薬剤にも係る。これら薬剤はこれを投与され
た被験者におけるマクロフアージ活性化の刺激剤として
使用し得る。特に好ましい用途は腫瘍疾患の治療並びに
腫瘍の増殖及び転移の予防である。但し本発明の薬剤は
全ての感染性疾患の治療にも使用し得、特に抗生物質に
対する抵抗性をもつようになつた病原菌に対して使用し
得る。更に、本発明の親油性ムラミルペプチドは免疫原
剤により宿主体内に誘発される免疫のアジユバント、特
にワクチンの有効成分として主に免疫原剤が微力な場合
に使用し得る。これらアジユバントを使用し得る特定条
件については前出の先行特許を参照されたい。
本発明の薬剤は所望の効果を得るのに適した任意の方法
で宿主‐動物又はヒト‐に投与し得る。
勿論本発明は種々の製剤組成物、より特定的には生理学
的に許容し得る脂質を用い本発明の化合物を必要であれ
ば他の活性物質と共に含み得るリポソームをベースとす
る組成物にも係る。
有利な薬剤組成物は本発明の化合物の少なくとも1種を
有効量含む注射可能なリポソーム懸濁液からなる。この
種の懸濁液は好ましくは食塩の又はグルコースの等張滅
菌水相を用いて製造するのが好ましい。
本発明はより特定的には真皮内注射,筋内注射,皮下注
射,静脈内注射又は乱切法による投与に適した懸濁液に
係る。
本発明は他の方法、例えば経口又は直腸投与により好ま
しくはリポソーム形状で投与し得、又は粘膜特に眼,
鼻,肺又は膣の粘膜と接触させるのに適した形状で投与
し得る薬剤組成物にも係る。
従つて本発明は本発明の少なくとも1種の化合物を口,
眼もしくは鼻からの投与に適した形態を与えるための製
薬上許容し得る固体もしくは液体賦形剤か、直腸投与に
適した形態を与える賦形剤か、又は膣投与に適した形
態、例えばゼラチン様形態を与える賦形剤と共に含む製
剤組成物に係る。本発明はまた肺投与に適した組成物、
特に従来のエーロゾル装置によつて投与すべく調製され
る溶液にも係る。
宿主の抗腫瘍防衛を強化するための投与量は例えば10〜
10,000μg/体重Kgであり、非経口投与の場合は例えば50
〜500μg/Kgとし得、又は経口投与の場合には1〜10mg/
Kgとし得る。これら投与量はリポソームに含まれるMDP-
GDP当量で表わされる。
これらの化合物は乳腫瘍,メラノーマ及び他の固体腫瘍
の如き腫瘍への病巣内注射を行なう場合にも使用し得
る。
本発明は勿論これまで説明してきた特定実施例には限定
されず、当業者は特許請求の範囲内で種種の変形を実現
し得る。
特に、特許請求の範囲には特定例として説明した前述の
諸生成物と等価の生成物も全て包含される。各から前述
の如き親油鎖が分枝された前記2つの隣接原子を含む基
とムラミルペプチドとの間の結合が前述の特定実施例と
は異なる方法で行なわれるような化合物は全て前記等価
生成物と見なされる。例えば前記結合はムラミルペプチ
ドのサツカリール基の1位で生起し得る。また、前記結
合が他の結合手、例えばアミノアルコール残基(‐NH-C
H-CH2‐O)もしくはその類似物を介して行なわれる
か、又はグルタミル残基のガンマ−カルボキシルとエス
テル結合を形成し且つ他端が任意の結合法によつて親油
鎖担持グリセリル基に接続される架橋基を介して被修飾
ペプチド鎖のレベルで行なわれるような化合物も特許請
求の範囲の化合物の等価物を構成する。本発明の範囲内
で実現し得る結合を生起するために使用できる他の結合
手及び方法に関しては例えば仏国特許第7808049号を参
照し得る。逆に、例えばムラミルペプチドの糖基の炭素
6に直接接続される−NH−基に2つの親油鎖を担持する
グリセリル基が直接又は間接的に接続されるようなムラ
ミルペプチド化合物も等価生成物と見なされる。
また、先に考察したものと同じ特性要素を有するが、前
述の説明では特に考察しなかつた基の局部的置換という
点でのみ異なるような修飾されたムラミルペプチドも全
て本発明の範囲内に含まれる。例えば、糖基の1位の置
換基例えばフエニルアミノ基、又は糖基の4位の置換基
例えば炭素原子を1〜4個有するアシル基を含むような
生成物も本発明の修飾ムラミルペプチドの等価物であ
る。更に、修飾されたペプチド鎖の第1アミノアシル残
基及び/又は第2アミノアシル残基が例えば低級アルキ
ル基、より特定的にはメチル基でN−置換されたような
生成物、又はグルタミル基及び/又は必要であればグリ
セリル基に存在するメチレン基の1つに属する1つの水
素原子がメチルの如き低級アルキルで置換されたような
生成物も本発明の化合物の等価物である。基R2又はR4
アシル基ではなくアルキル基であるような本発明のムラ
ミルペプチド等々についても同様である。
要約すれば、これら種々の変形例は前述の如く得られる
ムラミルペプチドの基本的性質、特にマクロフアージを
活性化させ且つこれらマクロフアージのin vivoでの腫
瘍破壊活性を刺激する力を変化させない限り本発明の化
合物の等価物の範疇に含まれる。
マウスには104の肺炎桿菌を感染させた。
マウスには104の肺炎桿菌を感染させた マウスには5×104の肺炎桿菌を経静脈で感染させた。
感染の2時間後にゲンタマイシン10μgを皮下投与し、
感染の24時間前にMDP又はMDP-GDP30μgを経静脈投与し
た。
注:この実験では、MDPがわずかな作用しか持つていな
い状態を得るために通常より多い量の細菌で感染させ
る。
マウスには104の肺炎桿菌を経静脈で感染させた。
マウスには2×106のカンジダ アルビカンス(Candida
albicans)を経静脈で感染させた。MDP-GDPは100μg/
日を4日間(−4,−3,−2及び−1)静注し、アンホテ
リシンB3μgは感染の日に皮下注射する。
マウスには106のカンジダ アルビカンスを経静脈で感
染させた。
本発明化合物、特にMDP-GDPの抗菌活性 この分子の抗菌活性はインフルエンザ菌によるマウスの
実験感染系で評価した。実験のプロトコールは種々の経
路により、特に経口及び皮下で0.1mg/匹のMDP-GDPを投
与することからなつた。インフルエンザ菌APR/8の1/100
00懸濁液50μlを鼻腔内に感染させることによりマウス
(10週令のスイスマウス)を感染させた。MDP-GDPは感
染の24時間前(−1日目)又は24時間後(+1日目)に
投与した。感染後21日目の処理群での生存動物数と非処
理対照群での生存動物数とを比較して抗菌活性を判定し
た。
使用用量においては、MDP-GDPの抗菌活性は経口投与後
(56%の生存)及び皮下投与後(44%の生存)で同様に
予防の意味で示された。
この結果、人間の臨床で使用しうる本発明化合物のこれ
らの投与量は0.01mg/kg〜0.5mg/kgとすることができよ
う。この分子の形状については、特に水性又は油性懸濁
液、油性エマルジヨン又はリポソームと組合せた形とし
ての使用が考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヤン‐マリ・ベルナール フランス国、78330・フオントネイ・ル・ フルーリ、レジダンス・ドユ・パルク・サ ン・シール、スクワール・クプラン・7 (72)発明者 ルイ・シエデイド フランス国、75015・パリ、リユ・ガスト ン・カイヤヴエ・18 (72)発明者 ピエール・ルフランシエ フランス国、91190・ジフ・シユル・イヴ エツト、ロワゾー・シユヴリイ・2、ア レ・ドウ・ラ・マール・46 (72)発明者 ミシエル・ルヴエル フランス国、75012・パリ、リユ・シビユ エ・24 (72)発明者 モニツク・パラン フランス国、75013・パリ、リユ・クール バルブ・33 (56)参考文献 特開 昭56−49397(JP,A) 特開 昭57−142996(JP,A) 特開 昭56−128794(JP,A)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式 [式中、置換基R2,X及びYは −R2が基−NH2,−OH又は基−OWであり、Wは1〜10個
    の炭素原子を含む炭化水素基を表わし、 −Xがアラニル,バリル,イソロイシル,ノルロイシ
    ル,ロイシル,セリル,トレオニル,プロリル,グルタ
    ミニル,アスパラギニル,メチオニル,トリプトファニ
    ル,フェニルアラニル,チロシル,グリシルを包含する
    基のアミノアシル残基であり、 −YがR2と同じ意味を表わすか又は親油基−OCH2−CHO
    (R3)CH2O(R4)を表わし、R3及びR4は−CO(CH2)14CH3基を
    表わし、 −ZがR2と同じ意味を表わすか又は親油基−CO−CHO
    (R3)CH2O(R4)を表わし、R3及びR4は−CO(CH2)14CH3基を
    表わし、但し2つの基Y及びZの少なくとも一方は常に
    対応親油基であるとする。] で示されることを特徴とするムラミルペプチド誘導体。
  2. 【請求項2】基Xがグリシルではなくかつ左旋性アミノ
    酸残基であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の誘導体。
  3. 【請求項3】R2がアルキル−オキシ基からなることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の誘導
    体。
  4. 【請求項4】XがL−アラニルであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の誘
    導体。
  5. 【請求項5】基Zが前記対応親油基であり、R2が炭素原
    子を1〜4個含むアルキル−オキシ基、YがNH2基であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項から第4項の
    いずれかに記載の誘導体。
  6. 【請求項6】マクロファージを刺激する作用を及ぼす薬
    剤組成物であり、有効成分として次式 [式中、置換基R2,X及びYは −R2が基−NH2,−OH又は基−OWであり、Wは1〜10個
    の炭素原子を含む炭化水素基を表わし、 −Xがアラニル,バリル,イソロイシル,ノルロイシ
    ル,ロイシル,セリル,トレオニル,プロリル,グルタ
    ミニル,アスパラギニル,メチオニル,トリプトファニ
    ル,フェニルアラニル,チロシル,グリシルを包含する
    基のアミノアシル残基であり、 −YがR2と同じ意味を表わすか又は親油基−OCH2−CHO
    (R3)CH2O(R4)を表わし、R3及びR4は−CO(CH2)14CH3基を
    表わし、 −ZがR2と同じ意味を表わすか又は親油基−CO−CHO
    (R3)CH2O(R4)を表わし、R3及びR4は−CO(CH2)14CH3基を
    表わし、但し2つの基Y及びZの少なくとも一方は常に
    対応親油基であるとする。] で示されるムラミルペプチド誘導体の1つ以上を生理学
    的に許容し得る製剤ベヒクルと共に含むことを特徴とす
    る組成物。
  7. 【請求項7】前記ムラミルペプチド誘導体がリポソーム
    形態又はリポソームに変換し得る形態で存在することを
    特徴とする特許請求の範囲第6項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】転移温度Tmが37℃より高いことを特徴とす
    る脂質を用いて形成されるリポソームである特許請求の
    範囲第7項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】脂質がホスファチジルコリン,ホスファチ
    ジルセリン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチ
    ジルエタノールアミン及びホスファチジン酸の中より選
    択され、単独で又は混合して用いられることを特徴とす
    る特許請求の範囲第8項に記載のリポソーム組成物。
  10. 【請求項10】リポソームがジステアリルホスファチジ
    ルコリン(DSPC)又はジホスファチジルコリン(PC)と
    ホスファチジルセリン(PS)とを7容のDSPC又はPC対1
    〜10容のPSの割合で混合したものから形成されることを
    特徴とする特許請求の範囲第9項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】リポソームが単ラメラ又は多重ラメラの
    形状を有し且つリポソーム粒子の大きさが0.1μ以上で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第7項から第10項
    のいずれかに記載の組成物。
  12. 【請求項12】生理学的に許容し得る水溶液に前記リポ
    ソームを懸濁させることによって形成され、このリポソ
    ーム懸濁液が1ml当り脂質4〜400μMと、ムラミルペプ
    チド親油性誘導体20〜2,000μgとを含むことを特徴と
    する特許請求の範囲第7項から第11項のいずれかに記載
    の組成物。
  13. 【請求項13】リポソームが凍結乾燥状態であることを
    特徴とする特許請求の範囲第7項から第11項のいずれか
    に記載の組成物。
  14. 【請求項14】凍結乾燥リポソームが4〜400μMの脂
    質に対し親油性ムラミルペプチドを20〜2,000μg保持
    することを特徴とする特許請求の範囲第13項に記載の組
    成物。
  15. 【請求項15】脂質自体がDSPC及びPSを7:1〜7:10のDSP
    C/PS比で混合したものからなることを特徴とする特許請
    求の範囲第13項又は第14項に記載の組成物。
JP60099454A 1984-05-11 1985-05-10 マクロファージ活性化作用をもつムラミルペプチド親油性誘導体およびこれを含む薬剤組成物 Expired - Lifetime JPH0670080B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR8407340 1984-05-11
FR8407340A FR2564096B1 (fr) 1984-05-11 1984-05-11 Derives lipophiles de muramylpeptides ayant des proprietes d'activation des macrophages, compositions les contenant et procede pour les obtenir

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60252497A JPS60252497A (ja) 1985-12-13
JPH0670080B2 true JPH0670080B2 (ja) 1994-09-07

Family

ID=9303899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60099454A Expired - Lifetime JPH0670080B2 (ja) 1984-05-11 1985-05-10 マクロファージ活性化作用をもつムラミルペプチド親油性誘導体およびこれを含む薬剤組成物

Country Status (8)

Country Link
US (2) US4939122A (ja)
EP (1) EP0165123B1 (ja)
JP (1) JPH0670080B2 (ja)
AT (1) ATE55394T1 (ja)
CA (1) CA1259750A (ja)
DE (1) DE3579051D1 (ja)
DK (1) DK164918C (ja)
FR (1) FR2564096B1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0256989A1 (en) * 1986-08-18 1988-02-24 Board Of Regents, The University Of Texas System Pharmaceutical administration systems containing chemotactic peptides
FR2609393A1 (fr) * 1988-02-23 1988-07-15 Serobiologiques Lab Sa Composition notamment utile comme matiere de base pour la preparation de compositions pharmaceutiques, notamment dermatologiques et/ou cosmetiques comprenant une substance azotee, notamment aminoacides, oligo- ou polypeptides, proteines, et leurs derives, et composition pharmaceutique ou cosmetique ainsi preparee.
CA2017507C (en) * 1989-05-25 1996-11-12 Gary Van Nest Adjuvant formulation comprising a submicron oil droplet emulsion
HU205147B (en) * 1989-06-29 1992-03-30 Sandoz Ag Process for producing muramyl dipeptide derivative and pharmaceutical compostions comprising same
FR2672496B3 (fr) * 1990-07-18 1993-05-28 Vacsyn France Sa Compositions a base de substances hydrophobes, solubilisables dans un solvant aqueux, leur procede d'obtention, et leurs utilisations notamment dans le domaine pharmaceutique.
FR2664813B1 (fr) * 1990-07-18 1995-01-13 Vacsyn France Sa Compositions a base de substances hydrophobes, solubilisables dans un solvant aqueux, leur procede d'obtention, et leurs utilisations notamment dans le domaine pharmaceutique.
FR2692149B1 (fr) * 1992-06-12 1995-06-09 Vacsyn France Sa Composition adjuvante de l'immunite humorale et a mediation cellulaire n'induisant pas de reponse vis-a-vis de determinants auto-antigeniques.
US5462735A (en) * 1993-06-10 1995-10-31 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture Pasteurella haemolytica subunit vaccine containing capsular polysaccharide and muramyl dipeptide
AU3006697A (en) * 1996-05-10 1997-12-05 Endorex Corporation Lipophile derivatives of muramylpeptides for treatment of retroviral infection and induction of chemokines
EP1909758A1 (en) * 2005-08-02 2008-04-16 I.D.M. Immuno-Designed Molecules Process for the preparation of liposomal formulations
WO2016153938A1 (en) * 2015-03-25 2016-09-29 Biosynthetic Technologies, Llc Ester compounds including triesters having terminal vicinal acyl groups

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2343035C2 (de) * 1973-08-25 1982-04-01 Hoechst Ag, 6000 Frankfurt Pyroglutamyl-histidyl-prolinamide, Verfahren zu deren Herstellung und diese Verbindungen enthaltende Arzneimittel
GB1563561A (en) * 1976-06-23 1980-03-26 Daiichi Seiyaku Co Muramyldipeptide derivatives and process for the preparation thereof
JPS55111499A (en) * 1979-02-21 1980-08-28 Takeda Chem Ind Ltd Glucosamine derivative and its preparation
FI75578C (fi) * 1979-07-25 1988-07-11 Ciba Geigy Ag Analogifoerfarande foer framstaellning av farmakologiskt verkande lipofila fosfatidylmuramylpeptider.
US4406889A (en) * 1980-02-15 1983-09-27 Ciba-Geigy Corporation Derivatives of aldohexoses, intermediates, processes for their manufacture, preparations containing such compounds, and their use
US4310514A (en) * 1980-05-05 1982-01-12 Merck & Co., Inc. Immunologically active dipeptidyl 5-0,6-0-acyl-2-amino-2-deoxy-D-glucofuranose derivatives and methods of preparation
US4315913A (en) * 1980-06-09 1982-02-16 Merck & Co. Inc. Immunologically active dipeptidyl 2-amino-1,2-dideoxy-D-glucose derivatives and methods of preparation
GR78246B (ja) * 1981-01-23 1984-09-26 Ciba Geigy Ag
EP0102319B1 (de) * 1982-07-23 1987-08-19 Ciba-Geigy Ag Verwendung von Muramylpeptiden oder deren Analogen zur Prophylaxe und Therapie von Virusinfektionen
US4579840A (en) * 1983-08-12 1986-04-01 Immunetech Pharmaceuticals Method of blocking immune complex binding to immunoglobulin Fc receptors
US4683292A (en) * 1983-08-12 1987-07-28 Immunetech, Inc. Immunotherapeutic polypeptide agents which bind to lymphocyte immunoglobulin FC receptors
JPS6042398A (ja) * 1983-08-18 1985-03-06 Toshiyuki Hamaoka ムラミルジペプチド活性エステル誘導体
ZA846192B (en) * 1984-08-09 1986-03-26 Merck Patent Gmbh Immunotherapeutic polypeptide agents
JPS6157597A (ja) * 1984-08-29 1986-03-24 Toshiyuki Hamaoka ムラミルペプチド活性エステル誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
CA1259750A (fr) 1989-09-19
US4939122A (en) 1990-07-03
EP0165123A3 (en) 1986-03-05
EP0165123A2 (fr) 1985-12-18
USRE35706E (en) 1997-12-30
DK164918C (da) 1993-01-25
ATE55394T1 (de) 1990-08-15
FR2564096A1 (fr) 1985-11-15
DE3579051D1 (de) 1990-09-13
DK209985D0 (da) 1985-05-10
EP0165123B1 (fr) 1990-08-08
DK164918B (da) 1992-09-07
FR2564096B1 (fr) 1988-02-19
JPS60252497A (ja) 1985-12-13
DK209985A (da) 1985-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005097320A (ja) 増強循環エフェクター組成物および方法
JP2002500165A (ja) 新規の重合性の脂肪酸、リン脂質、及びそれから得られた重合リポソーム
PT86090B (pt) Lipossoma de aerossol em particulas pequenas e preparacoes lipossoma-medicamento para utilizacao em medicina
EP0004512B1 (fr) Composés esters de muramyl-peptide et leurs applications dans les compositions pharmaceutiques et réactifs de laboratoire
WO1998016201A1 (en) Therapeutic liposome composition and method
US4639512A (en) Conjugates of haptenes and muramyl-peptides, endowed with immunogenic activity and compositions containing them
JPH0670080B2 (ja) マクロファージ活性化作用をもつムラミルペプチド親油性誘導体およびこれを含む薬剤組成物
EP0003833B2 (de) Antigenderivate, Verfahren zu deren Herstellung, diese enthaltende pharmazeutische Präparate
WO2009115782A2 (en) Compound
JPS62294432A (ja) リン脂質を基材としたリポソ−ムと医薬組成物
BR112012022059B1 (pt) Vacina de mucosa produtora de uma iga de mucosa antígenoespecífica e igg do sangue e método para produzir uma vacina de mucosa
JP2724338B2 (ja) マクロファージ活性化用組成物
JP4651213B2 (ja) インフルエンザウイルス・ヘマグルチニン結合性ペプチド
GB1564500A (en) Biological preparations
US4663311A (en) Derivatives of muramyl-peptides and of steroids having macrophage-activating properties
JPH05506657A (ja) マクロファージ活性化用組成物
JP2641472B2 (ja) 感染症治療剤
Phillips et al. Activation of macrophage cytostatic and cytotoxic activity in vitro by liposomes containing a new lipophilic muramyl peptide derivative, MDP-L-alanyl-cholesterol (MTP-CHOL)
JPH0278699A (ja) ベンゾイルウレア系化合物・アルブミン複合体
EP0006068B1 (fr) Composés du type muramyl-peptide et médicaments les contenant
JPH05508653A (ja) 水性溶媒に可溶化し得る疎水性医薬の有効成分をベースとする組成物、その製法、及び特に医薬分野におけるその使用
KR880002223B1 (ko) 정제해독된 내독소
JP5004464B2 (ja) 糖鎖修飾リポソーム
CN113332305B (zh) 胞苷类化合物的脂质组合物
WO1979000802A1 (fr) Nouveaux composes esters de muramyl-peptide et leurs applications dans les compositions pharmaceutiques et reactifs de laboratoire