JP5004464B2 - 糖鎖修飾リポソーム - Google Patents

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Description

本発明は、糖鎖修飾リポソーム、より詳細には、N−結合型複合型糖鎖で修飾されたリポソーム、及びその製造方法、並びにインフルエンザウィルス感染阻害剤に関する。
リポソームは、医薬品の治療効果を向上させるドラッグデリバリーシステム(DDS)の手段として利用されている。薬物のキャリアーとなるリポソームには、例えば、薬物が不必要な部位に到達することにより引き起こされる副作用を回避し、必要な量の薬物を標的部位に到達しうる標的指向機能を有することが求められる。このような要請に応じて、例えば、リポソームを構成する脂質の種類の選択、リポソーム表面の糖鎖による修飾、該糖鎖の種類の選択などの手段を用いて改変された種々のリポソームが検討されている(例えば、特開2003−226638号公報、特開2003−226647号公報など)。しかし、従来のリポソームは標的指向性が低く、さらなる改良が求められていた。
また、抗原や免疫原を封入したリポソームは、細胞性免疫の誘導に有効なアジュバント活性を有するワクチンとして利用できることが知られている。例えば、特開平7−126185号公報には、表面にオリゴ糖を有するリポソームが開示されており、このオリゴ糖が、抗原提示細胞の表面に存在するマンノース・レセプター等に認識されるため、細胞性免疫を誘導しうるアジュバントとして利用できることが記載されている。しかし、このようなリポソームは、抗原提示細胞が多く存在する肝臓組織へ蓄積しにくいため、アジュバント活性を十分に発揮できないという問題があった。
特開2003−226638号公報 特開2003−226647号公報 特開平7−126185号公報
本発明の目的は、標的部位へ効率よく到達することができる糖鎖修飾リポソーム、該糖鎖修飾リポソームを構成する糖脂質誘導体、及びこれらの製造方法、並びに薬物を封入したリポソーム製剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、血中での安定性に優れ、臓器への指向性が向上した糖鎖修飾リポソーム、該糖鎖修飾リポソームを構成する糖脂質誘導体、及びこれらの製造方法、並びに薬物を封入したリポソーム製剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記効果に加えて、インフルエンザウィルスの感染予防の効果に優れるインフルエンザウィルス感染阻害剤を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討を行ったところ、リポソームに特定の糖鎖で修飾を施すことにより、臓器への指向性を向上させることができるため、リポソーム単独で優れたアジュバント活性を発揮することができ、当該リポソームに薬剤や抗原を封入した場合には、これらの薬剤等をそれぞれの臓器へ効率よく蓄積できるため、優れた治療効果や高い予防効果を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
[式中、R1及びR2は、同一又は異なって、H、若しくは下記式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)又は(Q5)
で表される基を示し、R3は、下記式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)
(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
で表される基を示す]
で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とで構成されている糖鎖修飾リポソームを提供する。
本発明の糖鎖修飾リポソームは、前記式(1)におけるR1及びR2の少なくとも一方が(Q1)である糖脂質誘導体で構成されていてもよい。また、前記リポソーム構成脂質は、少なくともジアシルホスファチジルグリセロール及び/又はポリエチレングリコール脂質類ることが好ましい。
本発明は、また、前記式(1)で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とで構成されている糖鎖修飾リポソームであって、親水基部の長さが式(1)の糖脂質誘導体の糖鎖部の長さの0.1〜0.8であるリポソーム構成脂質で構成された糖鎖修飾リポソームを提供する。
また、本発明は、前記式(1)で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とを水溶液中で混合することにより上記本発明の糖鎖修飾リポソームを生成することを特徴とする糖鎖修飾リポソームの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記本発明の糖鎖修飾リポソームに薬剤を封入したリポソーム製剤を提供する。
本発明は、また、上記本発明の糖鎖修飾リポソームからなるインフルエンザウィルス感染阻害剤であって、前記糖鎖修飾リポソームが、式(1)におけるR1及びR2が、同一又は異なって式(Q1)又は(Q2)である糖脂質誘導体で構成されているインフルエンザウィルス感染阻害剤を提供する。
本発明は、さらにまた、前記式(1)で表される糖脂質誘導体を提供する。
さらに、本発明は、下記式(2)
[式中、R1及びR2は前記に同じ。R6は、アミノ基又は−NH−(CO)−CH2−CH(NH2)(COOH)を示す]
で表される糖鎖誘導体と、下記式(3)又は(4)
(式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
で表されるカルボン酸化合物とを、反応活性化剤の存在下で反応させることにより、前記式(1)で表される糖脂質誘導体を生成することを特徴とする糖脂質誘導体の製造方法を提供する。前記反応活性化剤は、N−ヒドロキシスクシンイミド及び/又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールであってもよい。
本願明細書中、糖鎖を構成する糖残基について、マンノース残基をMan、グルコース残基をGlc、N−アシルグルコサミン残基をGlcNAc、ガラクトース残基をGal、シアル酸残基をNeuAcと表記する場合がある。
本発明によれば、リポソームの表面が特定の糖鎖で修飾されているため、標的指向性、特に臓器への指向性に優れている。このような糖鎖修飾リポソームは、体内に単独で投与することにより細胞性免疫を効率よく誘導することができるアジュバント活性を発揮できる。さらに、薬剤や抗原等を封入したリポソームによれば、臓器へ優位に蓄積することができるため、副作用を低減して高い治療効果を得ることができる。特に、特定の構成を有する糖鎖修飾リポソームは、血中での安定性に優れ、所望の治療効果を簡易に得ることができる。また、特定の糖鎖で修飾されたリポソームは、インフルエンザウィルスの感染予防効果に優れたワクチンとして極めて有用である。
本発明の糖鎖修飾リポソームは、前記式(1)で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質で構成されている。
式(1)におけるR1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)及び(Q5)からなる群から用途に応じて適宜選択される。本発明の糖鎖修飾リポソームは、式(1)におけるR1及びR2が上記構成を有する糖脂質誘導体からなるため、体内に投与した場合に特に目的とする臓器へ優位に蓄積することができる。前記R1及びR2は、少なくとも一方が水素原子以外の基であることが好ましい。
特に、式(1)におけるR1及びR2が式(Q1)又は(Q2)、特に(Q1)である糖脂質誘導体で構成された糖鎖修飾リポソームは、インフルエンザウィルスを認識(結合)する部位となるシアル酸末端を表面に有するため、インフルエンザウィルス感染阻害剤として好適である。より詳細には、シアル酸の2位の炭素とガラクトースの6位の炭素がα結合した構成を有する式(Q1)の糖鎖は、ヒトインフルエンザウィルスに特異的に認識されるのに対し、シアル酸の2位の炭素とガラクトースの3位の炭素がα結合した構成を有する式(Q2)の糖鎖は、トリインフルエンザウィルスに特異的に認識されることが知られている。このように糖鎖の結合様式がウィルスの宿主域に影響するという点でも、リポソーム表面に修飾される糖鎖の具体的な構成が極めて重要であると考えられる。
式(1)におけるR4及びR5は、直鎖若しくは分岐のペンチル、ヘキシル、オクチル、デカニル、イソオクチル、ドデカニル、テトラデシル、2−メチルテトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルなどの炭素数5〜20のアルキル基であり、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数10〜20のアルキル基である。炭素数が5未満ではリポソーム構造を形成しにくくなり、炭素数20を超える場合には取扱性に劣りやすい傾向にある。
本発明の糖脂質誘導体の代表的な例として、N−結合部位がアスパラギンである化合物を図1〜図3の(i)〜(xi)に示す。以下、これらの糖脂質誘導体を簡易に表記する場合があり、例えば、式(i)を「Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体」、式(ii)を「Asn結合型2,3-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体」、式(iii)を「Asn結合型2,6-モノシアロ糖鎖C18脂質誘導体」、式(iv)を「Asn結合型2,3-モノシアロ糖鎖C18脂質誘導体」、式(v)を「Asn結合型アシアロ糖鎖C18脂質誘導体」、式(vi)を「Asn結合型ジMan-GlcNAcC18脂質誘導体」、式(vii)を「Asn結合型ジMan糖鎖C18脂質誘導体」、式(viii)を「Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C14脂質誘導体」、式(xi)を「Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C14脂質誘導体」と示す。
本発明の糖脂質誘導体は、分子内に少なくともアミノ基を有する糖鎖誘導体と2分岐型のカルボン酸化合物とを、反応活性化剤の存在下で反応させる方法により製造できる。具体的には、式(2)で表される糖鎖誘導体と式(3)又は(4)で表されるカルボン酸化合物とを、反応活性剤の存在下で反応させることにより、式(1)で表される糖脂質誘導体を製造することができる。
式(2)で表される糖鎖誘導体には、R6がアミノ基である化合物(以下、「糖鎖アミン」と称する場合がある)、とR6がアスパラギン残基である化合物(以下、「糖鎖アスパラギン」と称する場合がある)が含まれる。これらの糖鎖誘導体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。式(2)で表される化合物の代表的な例として、糖鎖アスパラギンを図4〜図6の(i-a)〜(vii-a)に示す。以下、これらの糖鎖誘導体を簡易に表記する場合があり、例えば、式(i-a)を「2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギン」等と示す。
前記糖鎖アスパラギンは、例えば、国際公開公報WO 03/008431号パンフレットに開示された方法に従って調製することができる。この方法は、糖鎖アスパラギンに脂溶性の保護基を導入して誘導体化することにより、天然物由来の糖鎖アスパラギン混合物から、個々の糖鎖アスパラギン誘導体の分離を可能とした点を特徴としている。前記脂溶性保護基としては、例えばFmoc基、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジル基などが挙げられ、なかでも脂溶性の高い官能基が好ましく用いられる。特にFmoc基は、ODSカラム等の逆相系カラムを用いて効率よく分離することができ、シアル酸等の比較的酸性条件に不安定な糖が糖鎖に存在する場合であっても好適に利用できる。保護基が導入された糖鎖アスパラギンは、ゲル濾過カラムやHPLCカラムなどを用いて分離回収でき、さらにガラクトース加水分解酵素、マンノース加水分解酵素、N−アセチルグルコサミン加水分解酵素などの糖加水分解酵素を用いて糖鎖構造を調整し、慣用の方法で保護基を脱保護することにより、目的の糖鎖アスパラギンを得ることができる。
前記糖鎖アミンは、例えば、前記糖鎖アスパラギンを出発原料として、国際公開公報WO 03/008431号パンフレット及び国際公開公報WO 05/010053号パンフレットに開示された方法に従って調製することができる。
前記カルボン酸化合物は、式(3)及び式(4)のいずれの化合物であってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。式中、R4及びR5における炭素数5〜20のアルキル基は上記と同様である。本発明では、糖脂質誘導体がリポソームの構成成分であるという点で、前記R4及びR5における炭素数は12〜20のアルキル基が好ましい。カルボン酸化合物の使用量は、糖鎖誘導体1モルに対して例えば0.1〜10モル程度である。
反応活性化剤としては、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド及び/又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)等が挙げられる。反応活性剤の使用量は、糖鎖誘導体1モルに対して例えば0.1〜10モル程度である。
反応は、例えば0〜80℃、好ましくは10〜60℃程度の温度下、10分〜5時間程度行われる。反応により生成した糖脂質誘導体は、例えば、濾過、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの公知の方法で分離精製することができる。化合物の同定は、NMR、HPLC(ODSカラム)でUVにおける検出時間により行うことができる。
本発明の糖鎖修飾リポソームは、上記構成の糖脂質誘導体と共にリポソーム構成脂質とで構成されていてもよい。前記リポソーム構成脂質としては、例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)等のジアシルホスファチジルコリン類;ジステロイルホスファチジルエタンールアミン等のホスファチジルエタンールアミン類;ジミリストイルホスファチジン酸等のホスファチジン類;ガングリオシドGM1等のガングリオシド類;グルコシルセラミド等の糖脂質類;ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)等のジアシルホスファチジルグリセロール類;ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレングリコールミリスチレート等のポリエチレングリコール(PEG)脂質類;及びコレステロール等が挙げられる。なかでも、DSPC、DPPC、DPPG、コレステロール等が好ましく、より好ましくはDPPGなどが用いられる。これらのリポソーム構成脂質は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明におけるリポソーム構成脂質は、好ましくは2種以上組み合わせて用いられる。このようなリポソーム構成脂質の組み合わせには、例えば、ジアシルホスファチジルコリン類とコレステロール;ジアシルホスファチジルグリセロール類及び/又はPEG脂質類とコレステロール;ホスファチジルコリン類とコレステロールとホスファチジルグリセロール類及び/又はPEG脂質類などの組み合わせが含まれる。好ましいリポソーム構成脂質の具体例としては、例えば、DSPCとコレステロール;DSPCとコレステロールとDPPG;DSPCとコレステロールとPEGの分子量が500以下のPEG脂質類などの組み合わせが挙げられる。
また、リポソーム構成脂質を構成する分子の比率は、高い順に、ジアシルホスファチジルコリン類、コレステロール、ジアシルホスファチジルグリセロール類及び/又はPEG脂質類である。特に、ジアシルホスファチジルグリセロール類及び/又はPEG脂質類を少量(リポソーム構成脂質の総量に対して例えば0.1〜30モル%、好ましくは1〜20モル%程度)併用することにより、糖鎖末端の糖構造特異的臓器移行性が得られる点で好ましい。
従来の糖鎖修飾リポソームは標的指向性が十分でないという問題点を有している。その要因の一つとして、リポソーム表面の糖鎖がリポソーム表面に沿って倒れこむような状態となり、糖鎖の構造が立体的に認識される効果(糖鎖の立体的な効果)が得られないものと思われる。そのためリポソーム表面からリポソーム構成脂質の親水基部が突出するようなリポソーム構成脂質を用いることによって、まるで糖鎖に添え木をするような状態となり、リポソーム表面から立ち上がった状態を形成することが可能となると予測され、結果的に標的指向性の向上が期待できる。このような糖鎖修飾リポソームとしては、前記式(1)で表される糖脂質誘導体の糖鎖部の長さの0.1〜0.8、好ましくは0.2〜0.6となるような親水基部を有するリポソーム構成脂質で構成されていることが好ましい。前記「式(1)で表される糖脂質誘導体の糖鎖部の長さ」とは、式(1)における置換基R3を除く構造部位の長さを意味している。上記の観点から、糖鎖修飾リポソームを構成するリポソーム構成脂質としては、具体例には、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)等のジアシルホスファチジルグリセロール類;ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレングリコールミリスチレート等のPEG脂質類(PEGの分子量が例えば500以下のもの)などが好適である。
糖鎖修飾リポソームが糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とで構成される場合には、リポソーム構成脂質(総量)が、糖脂質誘導体1molに対して、例えば0.1〜100mol、好ましくは1〜80mol、より好ましくは2〜50mol程度用いられる。
本発明の糖鎖修飾リポソームは、本発明の効果を損なわない範囲で、式(1)で表される糖脂質誘導体及びリポソーム構成脂質以外の他の構成成分を含んでいてもよい。また、本発明の糖鎖修飾リポソームは、リポソーム表面に親水性化などの公知の処理が施されたものであってもよい。リポソーム表面を親水性化する方法として、例えば、ポリエチレングリコール(例えば分子量500以下のもの)、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体等を用いる方法(特開2001−302686号公報等)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを用いる方法(特開2003−226638号公報等)などの公知の方法を利用できる。
本発明の糖鎖修飾リポソームの製造方法は、糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とを水溶液中で混合することを特徴としている。リポソームの形成には、薄膜法、逆層蒸発法、脱水−再水和等の公知の方法を用いることができ、必要に応じて、超音波照射法、エクストルージョン法、凍結融解法、フレンチプレス法、ホモジナイゼーション法等を用いてリポソームの粒子径を調整する方法を用いてもよく、さらに、フィルター等を用いた分級手段を施してもよい。
糖鎖修飾リポソームの投与方法は、経口投与、非経口投与の何れであっても良い。本発明の糖鎖修飾リポソームの投与には、特に筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、鼻腔等への粘膜投与、または吸引投与などの非経口投与が好ましく、特に静脈内投与や皮下投与などの血中へ投与する方法が好ましく用いられる。血中へ投与された糖鎖修飾リポソームは、臓器へ速やかに到達するため、副作用を低減し、優れた医薬効果を向上することができ好ましい。
本発明の糖鎖修飾リポソームは、臓器への指向性に優れるため各種のワクチンとして特に好ましく用いることができる。このような糖鎖修飾リポソームは、それ単独で又は他の成分と組み合わせることにより、特に体内に投与して用いる医薬用途として有用である。例えば、インフルエンザウィルスなどの病原体が有するレセプターに認識される糖鎖を表面に有する糖鎖修飾リポソームは、肝臓内で細胞性免疫を強力に誘導することができるため、インフルエンザ感染阻害剤として好適できる。
本発明の糖鎖修飾リポソームは、式(1)におけるR1及びR2が、同一又は異なって式(Q1)又は(Q2)である糖脂質誘導体で構成される場合には、インフルエンザウィルス感染阻害剤として利用することができる。インフルエンザウィルスの感染段階は、生体内に侵入したウィルス表面に存在するヘマグルチニン(HA:3量体蛋白質)が、宿主細胞上のレセプターであるシアリル糖鎖(HAとの結合に主に関与するシアル酸を末端に含む)と結合する初期、ウィルスと宿主細胞の膜融合が起こり、宿主細胞内に流れ込んだウィルス遺伝子が複製される中期、ウィルスが出芽する終期とに分けられる。感染終期において、ウィルスが出芽する際に、ウィルス表面のHAが宿主のシアリル糖鎖と結合するが、同じウィルス表面にあるシアリダーゼという酵素がシアリル糖鎖からシアル酸を切り離すため、結果としてウィルスは出芽することができるようになる。このようなウィルス感染メカニズムにおいて、上記構成の糖鎖修飾リポソームを体内に投与することにより、感染初期には、ウィルスをトラップして宿主細胞への結合を阻害し、感染終期には、シアリダーゼ活性を阻害するなどの作用により、インフルエンザウィルスの感染阻害剤として効果を奏するものと推察される。インフルエンザウィルスの感染阻害活性は、国際公開公報2005/0000906号パンフレットに従って評価することが可能である。
本発明のリポソーム製剤は、上記本発明の糖鎖修飾リポソームに薬剤が封入された構成を有している。リポソームに封入される薬剤には、例えば直接又は間接的に薬理効果を生じるものであれば特に限定されず、核酸類、アミノ酸、ペプチド、蛋白質、その他の有機化合物、無機化合物、及びこれらの組み合わせなどで構成された医薬、抗原、免疫源などが含まれる。リポソーム製剤は、薬剤が封入されたリポソーム以外に、賦形剤などの製剤用添加物として公知のものを用いることができる。リポソーム製剤の投与は、経口投与、非経口投与の何れであってもよく、上記糖鎖修飾リポソームの投与方法として例示の方法を用いることができる。剤形は、投与方法に応じて公知のものから適宜選択でき、なかでも、注射剤、点滴剤、経皮吸収剤などの非経口投与のための製剤が好ましく用いられる。
本発明のリポソーム製剤によれば、薬剤を目的とする臓器へ高濃度に蓄積することができ、薬剤が目的外の組織に蓄積することに起因する副作用を極めて低減し、高い治療効果を得ることができる。なかでも、糖鎖アミンで形成された糖鎖修飾リポソームによれば、血中安定性に優れるため、薬剤の運搬体(DDS)としてより好適である。特に、薬剤として抗原を封入したリポソーム製剤によれば、優れたアジュバント活性を発揮するワクチンとして、病原体の感染を効果的に阻害することができる。また、本発明の糖鎖修飾リポソーム及びリポソーム製剤は、医薬開発用途として利用することもできる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されない。以下、Fmoc体とは、アスパラギンがFmoc基で保護された化合物を意味している。なお、リポソームの平均粒子径はZETA SIZER(Malvern Instruments社製)を用いて測定した。
製造例1(C18アミドカルボン酸化合物の製造)
下記の反応式に従いC18アミドカルボン酸化合物を製造した。
式(10)で表されるイソオクタデシルコハク酸無水物(東京化成製)1gを塩化メチレン10mlに溶かし、この溶液にステアリルアミン0.85gとトリエチルアミン0.4mlを室温で加え、12時間反応させた。反応液をエバポレーターを用いて濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、式(11)で表されるC18アミドカルボン酸化合物を収率58%で得た。
[C18アミドカルボン酸化合物のスペクトルデータ]
1H NMR (300MHz, CDCl3)δ5.75(brt, 1H, 5.7Hz), 3.23(dd, 2H, 7.2Hz, 6.3Hz), 3.0(brd, 1H, 10.2Hz), 2.47(dd, 1H, 15.3Hz, 10.2Hz), 2.24(dd, 1H, 15.3Hz, 3.0Hz), 1.81(brs, 2H), 1.50(brs, 2H), 1.25(brs, 62H), 0.87(brt, 6H, 6.6Hz)
MALDI-TOF Mass Found:m/z645.1;calcd for [M+Na]:644.6
製造例2(2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギン(i-a)の合成)
国際公開公報WO 2005/010053号パンフレットの参考例1に従い、図4の式(i-a)で表される2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンを得た。
製造例3(アシアロ糖鎖アスパラギン(v-a)の合成)
製造例2で得た2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンを用いて、国際公開公報WO 2004/058984号パンフレットの参考例2に従い、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギン、2種の2,6-モノシアロ糖鎖アスパラギン、及びアシアロ糖鎖アスパラギンからなる混合物を得た。この混合物について、同公報の参考例2記載の方法に従い、アスパラギンをFmoc基で保護し、HPLCを用いて精製することにより、アシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体と、2種の2,6-モノシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体混合物と、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体とを分離回収した。
同公報の実施例50に記載の方法に従い、アシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体からFmoc基を脱離することにより、図5の式(v-a)に表されるアシアロ糖鎖アスパラギンを得た。
製造例4[2,3-ジシアロ糖鎖アスパラギン(ii-a)、2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギン(iii-a)、2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギン(iv-a)]
製造例3で得た2種の2,6-モノシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体混合物を用いて、国際公開公報WO 2004/058984号パンフレットの実施例1に従い、2,3-ジシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体、2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体、及び2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体をそれぞれ分離して回収した。
同公報の実施例50に記載の方法に従い、上記の各糖鎖アスパラギンFmoc体からFmoc基を脱離することにより、図4の式(ii-a)で表される2,3-ジシアロ糖鎖アスパラギン、図4の式(iii-a)で表される2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギン、及び図5の式(iv-a)で表される2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギンを得た。
製造例5[ジMan-GlcNAc糖鎖アスパラギン(vi-a)]
製造例3で得たアシアロ糖鎖アスパラギンFmoc体を用いて、国際公開公報WO 2003/008431号パンフレットの実施例20に従い、ジMan-GlcNAc糖鎖アスパラギンFmoc体を生成した。
同公報の55頁(糖鎖アスパラギン誘導体のFmoc基の脱保護)に記載の方法に従い、上記ジMan-GlcNAc糖鎖アスパラギンFmoc体からFmoc基を脱離することにより、図5の式(vi-a)で表されるジMan-GlcNAc糖鎖アスパラギンを得た。
製造例6[ジMan糖鎖アスパラギン(vii-a)]
製造例5で得たジMan-GlcNAc糖鎖アスパラギンFmoc体を用いて、国際公開公報WO 2003/008431号パンフレットの実施例21に従い、ジMan糖鎖アスパラギンFmoc体を生成した。
同公報の55頁(糖鎖アスパラギン誘導体のFmoc基の脱保護)に記載の方法に従い、上記ジMan糖鎖アスパラギンFmoc体からFmoc基を脱離することにより、図6の式(vii-a)で表されるジMan糖鎖アスパラギンを得た。
実施例1(Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体の製造)
製造例1で得られたC18アミドカルボン酸化合物33mgと、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物8mgとを塩化メチレン0.3mlに懸濁させ、この懸濁液に1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩9.6mgを加え、2時間室温で反応させた。得られた反応液に、製造例2で得た図4の式(i-a)に示す2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギン39.3mgをDMSO1.4mlに溶解したDMSO溶液と、ジイソプロピルエチルアミン29.3μlを混合させ、12時間室温で反応させた。反応終了後の混合液をエバポレーターを用いて濃縮し、Sephadex G−25ゲルカラムを用いて精製することにより、図1の式(i)に示すAsn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体40.0mgを収率81%で得た。
[Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体(i)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z2963.5;calcd for [M+Na]:2963.4
実施例2
実施例1において、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに、製造例3で得た図4の式(ii-a)に示す2,3-ジシアロ糖鎖アスパラギン11.2mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図1の式(ii)に示すAsn結合型2,3-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体
12.0mgを収率85%で得た。
[Asn結合型2,3-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体(ii)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z2939.1;calcd for [M-H]:2939.4
実施例3
実施例1において、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに、製造例4で得た図4の式(iii-a)に示す2,6-モノシアロ糖鎖アスパラギン19.2mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図1の式(iii)に示すAsn結合型2,6-モノシアロ糖鎖C18脂質誘導体23.0mgを収率92%で得た。
[Asn結合型2,3-モノシアロ糖鎖C18脂質誘導体(iii)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z2648.3;calcd for [M-H]:2648.1
実施例4
実施例1において、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに、製造例5で得た図5の式(iv-a)に示す2,3-モノシアロ糖鎖アスパラギン3.9mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図5の式(iv)に示すAsn結合型2,3-モノシアロ糖鎖C18脂質誘導体4.2mgを収率83%で得た。
[Asn結合型2,3-モノシアロ糖鎖C18脂質誘導体(iv)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z2648.3;calcd for [M-H]:2648.1
実施例5
実施例1において、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに、製造例6で得た図5の式(v-a)に示すアシアロ糖鎖アスパラギン13.5mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図2の式(v)に示すAsn結合型アシアロ糖鎖C18脂質誘導体17.6mgを収率97%で得た。
[Asn結合型アシアロ糖鎖C18脂質誘導体(v)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z 2380.7;calcd for [M+Na]:2381.2
実施例6
実施例1において、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに、製造例7で得た図5の式(vi-a)に示すジMan-GlcNAc糖鎖アスパラギン20.1mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図2の式(vi)に示すAsn結合型ジMan-GlcNAc糖鎖C18脂質誘導体26.8mgを収率91%で得た。
[Asn結合型ジMan-GlcNAc糖鎖C18脂質誘導体(vi)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z 2057.0;calcd for [M +Na]:2357.1
実施例7
実施例1において、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに、製造例8で得た図6の式(vii-a)に示すジMan糖鎖アスパラギンを8.8mg用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図3の式(vii)に示すAsn結合型ジMan糖鎖C18脂質誘導体13.0mgを収率93%で得た。
[Asn結合型ジMan糖鎖C18脂質誘導体(vii)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z 1651.0;calcd for [M +Na]:1651.0
実施例8(Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C14修飾C14脂質誘導体の製造)
実施例1において、アミドカルボン酸化合物として2−テトラデシルヘキサデカン酸 30.5mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図3の式(viii)に示すAsn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C14脂質誘導体24.6mgを収率83%で得た。
[Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C14脂質誘導体(viii)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z2793.7;calcd for [M+Na]:2794.3
実施例9(Asn結合型アシアロ糖鎖C14脂質誘導体の製造)
実施例1において、アミドカルボン酸化合物として2−テトラデシルヘキサデカン酸 50.8mgを用い、2,6-ジシアロ糖鎖アスパラギンの代わりに図5の式(v-a)に示すアシアロ糖鎖アスパラギン31.3mgを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、図3の式(ix)に示すAsn結合型アシアロ糖鎖C14脂質誘導体28.8mgを収率74%で得た。
[Asn結合型アシアロ糖鎖C14脂質誘導体(ix)のスペクトルデータ]
MALDI-TOF Mass Found:m/z2211.7;calcd for [M+Na]:2212.1
実施例10(Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18リポソームの製造)
ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)及びコレステロールは、それぞれクロロホルムに溶解して、100mMDSPC溶液と100mMコレステロール溶液とを調製した。実施例1で得たAsn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18脂質誘導体を、クロロホルム/メタノール/水=5/5/1(体積比)の組成の混合溶媒に溶解して、5mM糖脂質溶液を調製した。
DSPC溶液100μl、コレステロール溶液50μl及び糖脂質溶液200μlをナスフラスコに添加し、さらに[3H]コレステリルヘキサデシエーテル(37MBq/ml:製品コード「NET859」、Perkin Elmer社製)トルエン溶液を20μl添加して、エバポレーターで溶媒を蒸発させた。さらに、デシケータで真空乾燥を1時間以上行うことにより溶媒を完全に蒸発させ、多層構造の脂質薄膜を作成した。
上記方法で得られた脂質薄膜は薄膜が複数積層された構成を有するため、これらの薄膜を以下の方法で剥離してサイズ調整を行うことにより、脂質二重膜構造体(リポソーム)を形成した。すなわち、脂質薄膜が入ったナスフラスコに、リン酸緩衝液(PBS:pH7.4)2mlを加えてボルテックスにより撹拌した後、液体窒素を用いて凍結融解を3回行い、次いでバス型の超音波洗浄機を用いて超音波処理を10分間行う方法により層を剥離し、最後に孔径100nmのポリカーボネートフィルターに3回通すことにより、目的のAsn結合型糖鎖修飾リポソームを得た。得られた糖鎖修飾リポソームを0.3Mグルコースで再懸濁することによりリポソーム溶液を調製した。
実施例11(Asn結合型アシアロ糖鎖C18リポソームの製造)
実施例10において、Asn結合型糖脂質誘導体として実施例5で得たAsn結合型アシアロ糖鎖C18脂質誘導体を用いた点以外は実施例10と同様の操作を行うことにより、平均粒子径138.4nmのDPPG含有アシアロ糖鎖C18修飾リポソームを得、リポソーム溶液を調製した。
実施例12(Asn結合型ジMan-GlcNAc糖鎖C18リポソームの製造)
実施例10において、Asn結合型糖脂質誘導体として実施例5で得たAsn結合型ジMan-GlcNAc糖鎖C18脂質誘導体を用いた点以外は実施例10と同様の操作を行うことにより、平均粒子径138.4nmのDPPG含有アシアロ糖鎖C18修飾リポソームを得、リポソーム溶液を調製した。
実施例13(Asn結合型ジMan糖鎖C18リポソームの製造)
実施例10において、Asn結合型糖脂質誘導体として実施例5で得たAsn結合型ジMan糖鎖C18脂質誘導体を用いた点以外は実施例10と同様の操作を行うことにより、平均粒子径138.4nmのDPPG含有アシアロ糖鎖C18修飾リポソームを得、リポソーム溶液を調製した。
比較例1(リポソーム)
実施例10において、Asn結合型糖脂質誘導体を用いなかった点以外は実施例10と同様の操作を行って糖鎖修飾されていないリポソーム(平均粒子径165.6nm)を得、リポソーム溶液を調製した。
実施例14(DPPG/Asn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18リポソームの製造)
ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)及びコレステロールは、それぞれクロロホルムに溶解して、100mMDSPC溶液と100mMコレステロール溶液とを調製した。ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)を、クロロホルム/メタノール/水=6/3/0.5(体積比)の組成の混合溶媒に溶解して100mMDPPG溶液を調製した。実施例1で得たAsn結合型2,6-ジシアロ糖鎖C18糖脂質誘導体を、クロロホルム/メタノール/水=5/5/1(体積比)の組成の混合溶媒に溶解して、5mM糖脂質溶液を調製した。
DSPC溶液90μl、DPPG溶液10μl、コレステロール溶液50μl及び糖脂質溶液200μlをナスフラスコに添加し、さらに[3H]コレステリルヘキサデシエーテル(37MBq/ml:製品コード「NET859」、Perkin Elmer社製)トルエン溶液を20μl添加して、エバポレーターで溶媒を蒸発させた。さらに、デシケータで真空乾燥を1時間以上行うことにより溶媒を完全に蒸発させ、多層構造の脂質薄膜を作成した。
得られた多層構造の脂質膜膜に実施例10と同様の方法でサイズ調整を行うことにより、平均粒子径152.9nmのDPPG含有糖鎖修飾リポソームを得た。得られたDPPG含有糖鎖修飾リポソームを0.3Mグルコースで再懸濁することによりリポソーム溶液を調製した。
実施例15(DPPG/Asn結合型アシアロ糖鎖C18リポソームの製造)
実施例14において、Asn結合型糖脂質誘導体として実施例5で得たAsn結合型アシアロ糖鎖C18脂質誘導体を用いた点以外は実施例14と同様の操作を行うことにより、平均粒子径143.4nmのDPPG含有糖鎖修飾リポソームを得、リポソーム溶液を調製した。
実施例16(DPPG/Asn結合型ジMan-GlcNAc糖鎖C18リポソームの製造)
実施例14において、Asn結合型糖脂質誘導体として実施例6で得たAsn結合型ジMan-GlcNAc糖鎖C18脂質誘導体を用いた点以外は実施例14と同様の操作を行うことにより、平均粒子径146.6nmのDPPG含有糖鎖修飾リポソームを得、リポソーム溶液を調製した。
実施例17(DPPG/Asn結合型ジMan糖鎖C18リポソームの製造)
実施例14において、Asn結合型ジMan糖鎖C18糖脂質誘導体として実施例7で得たAsn結合型ジMan糖鎖C18脂質誘導体を用いた点以外は実施例14と同様の操作を行うことにより、平均粒子径138.4nmのDPPG含有糖鎖修飾リポソームを得、リポソーム溶液を調製した。
比較例2(DPPG/リポソーム)
実施例14において、Asn結合型糖脂質誘導体を用いなかった点以外は実施例14と同様の操作を行って糖鎖修飾されていないリポソーム(平均粒子径151.0nm)を得、リポソーム溶液を調製した。
評価試験
(標的指向性)
実施例14〜17で及び比較例1及び2より得られた各リポソーム溶液0.2ml(74kBq/mouse)を、それぞれ5週齢のBalb/c雄性マウスに尾静脈内投与を行った。リポソーム溶液を投与して3時間経過後、マウスを解剖して、血液、脳、心臓、肺、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓を摘出した。血液は、3000rpmで5分間遠心して得られた血清50μlをサンプルとした。摘出した臓器はミンチ状にした後、各サンプルにSOLVABLE(可溶化剤:製品コード「6NE9100」、Perkin Elmer社製)1mlを添加し、50℃に設定したインキュベーター内で一晩インキュベートして臓器を溶解させた。得られた臓器溶解液に、消泡剤としてイソプロパノール0.5mlを添加した後、脱色剤として過酸化水素を0.5ml添加し、室温で数時間から一晩インキュベートした。各臓器溶解液に、液体シンチレーター(Hionic Fluor:製品コード「6013319」、Perkin Elmer社製)を10mlずつ添加し、室温暗所で静置して、サンプルの放射活性を液体シンチレーションカウンターで計測した。これらの結果を、実施例14、15、比較例1及び2については図7に、実施例16、17及び比較例2については図8にそれぞれ示す。
なお、図中、「*」は「p<0.05」、「**」は「p<0.01」、「***」は「p<0.001」を示しており、これらは比較例2に対するp値を示している。
(体内動態解析)
5週齢のBalb/c雄性マウスの尾静脈内にカニュレーションし、ウレタンで麻酔を行い、マウスを固定した。実施例14及び比較例1で得たリポソーム溶液を(2.5MBq/mouse)をマウスの尾静脈内に投与し、プラナーポジトロンイメージング装置(PPIS、浜松ホトニクス社製)を用いて、投与後20分ごとにプラナーイメージングスキャンを行った。その結果、比較例1のリポソーム溶液は、脾臓と肝臓に集積するのに対し、実施例14のリポソームは、肝臓へ高い集積性を示した。この相違はポリマー溶液投与後20分以降に顕著に見られた。
本発明の糖脂質誘導体の一例を示す化学式である。 本発明の糖脂質誘導体の他の例を示す化学式である。 本発明の糖脂質誘導体のさらに他の例を示す化学式である。 製造例2、4で得た糖鎖アスパラギンの化学式である。 製造例3、4、5で得た糖鎖アスパラギンの化学式である。 製造例6で得た糖鎖アスパラギンの化学式である。 実施例14、15、比較例1及び2の標的指向性の評価結果である。 実施例16、17、比較例2の標的指向性の評価結果である。 実施例14及び比較例1の体内動態解析の評価結果である。

Claims (10)

  1. 下記式(1)


    [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、H、若しくは下記式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)又は(Q5)


    で表される基を示し、R3は、下記式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)


    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
    で表される基を示す]
    で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とで構成されている糖鎖修飾リポソーム。
  2. 式(1)におけるR1及びR2の少なくとも一方が(Q1)である糖脂質誘導体で構成されている請求項1記載の糖鎖修飾リポソーム。
  3. リポソーム構成脂質が少なくともジアシルホスファチジルグリセロール類又はポリエチレングリコール脂質類のいずれかを含む請求項1又は2記載の糖鎖修飾リポソーム。
  4. 下記式(1)


    [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、H、若しくは下記式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)又は(Q5)


    で表される基を示し、R3は、下記式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)


    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
    で表される基を示す]
    で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とで構成されている糖鎖修飾リポソームであって、親水基部の長さが式(1)の糖脂質誘導体の糖鎖部の長さの0.1〜0.8であるリポソーム構成脂質で構成された糖鎖修飾リポソーム。
  5. 下記式(1)


    [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、H、若しくは下記式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)又は(Q5)


    で表される基を示し、R3は、下記式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)


    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
    で表される基を示す]
    で表される糖脂質誘導体とリポソーム構成脂質とを水溶液中で混合することにより請求項1〜4の何れかの項に記載の糖鎖修飾リポソームを生成することを特徴とする糖鎖修飾リポソームの製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れかの項に記載の糖鎖修飾リポソームに薬剤を封入したリポソーム製剤。
  7. 請求項2記載の糖鎖修飾リポソームからなるインフルエンザウィルス感染阻害剤であって、前記糖鎖修飾リポソームが、式(1)におけるR1及びR2が、同一又は異なって式(Q1)又は(Q2)である糖脂質誘導体で構成されているインフルエンザウィルス感染阻害剤。
  8. 下記式(1)


    [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、H、若しくは下記式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)又は(Q5)


    で表される基を示し、R3は、下記式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)


    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
    で表される基を示す]
    で表される糖脂質誘導体。
  9. 下記式(2)


    [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、H、若しくは下記式(Q1)、(Q2)、(Q3)、(Q4)又は(Q5)


    で表される基を示し、R6は、アミノ基又は−NH−(CO)−CH2−CH(NH2)(COOH)を示す)
    で表される糖鎖誘導体と、下記式(3)又は(4)


    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
    で表されるカルボン酸化合物とを、反応活性化剤の存在下で反応させることにより、下記式(1)


    [式中、R1及びR2は前記に同じ。R3は、下記式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)


    (式中、R4及びR5は、同一又は異なって、炭素数5〜20のアルキル基を示す)
    で表される糖脂質誘導体を生成することを特徴とする糖脂質誘導体の製造方法。
  10. 反応活性化剤が、N−ヒドロキシスクシンイミド及び/又はN−ヒドロキシベンゾトリアゾールである請求項9記載の糖脂質誘導体の製造方法。
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