JPH066852U - ソレノイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品の製作容易化を図る。 【構成】 固定部材をねじ部５と吸引部３とに別けたこ
とを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえばソレノイドバルブ等に用いられるソレノイドに関し、特に 可動部材のストロークを調整するねじ部を備えた構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のソレノイドとしては、たとえば図４に示すようなものがある。 すなわち、このソレノイドはコイル１００を備えた両端が開口する筒状のソレノ イド本体１０１に、一方の開口部内周には磁性体の固定部材１０２が設けられ、 他方の開口部内周には磁性体の可動部材１０３が往復動自在に挿入されている。 また、可動部材１０３と固定部材１０２間にはスプリング１０４が設けられてお り、そのスプリング１０４のスプリング力によって、可動部材１０３を固定部材 １０２から離間している。そして、コイル１００に通電することにより、スプリ ング１０４のスプリング力により固定部材１０２から離間している可動部材１０ ３が、スプリング１０４のスプリング力に抗して固定部材１０２に磁気吸引する 構成となっている。

【０００３】 また、固定部材１０２の外周部には、図４（ｂ）に示すようにねじ部１０５が 設けられており、そのねじ部１０５をソレノイド本体１０１内に螺合することに よって固定部材１０２と可動部材１０３間のスペース、すなわち可動部材１０３ のストロークＳを調整している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来技術の場合には、可動部材１０３のストロークＳ を調整するねじ部１０５と可動部材１０３の吸引部である固定部材１０２が一体 であるため、可動部材１０３の吸引面と固定部材１０２の吸引面が構成部品の同 軸度のずれ等により、ずれてしまうという問題、またねじ部１０５の傾きにより 固定部材１０２も傾き組立たない等の問題がある。

【０００５】 以上の問題の対策として従来では、それぞれの部品の寸法精度にたよるところ が大であり、寸法精度の高い部品を製作する必要があった。

【０００６】 本考案は、上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目 的とするところは、部品の製作容易化を図り得るソレノイドを提供することにあ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案にあっては、磁性体の固定部材と、該固定 部材と同軸的に配置される磁性体の可動部材と、固定部材を取り囲むように配置 されるコイルとを備え、前記コイルに通電することにより、前記固定部材に可動 部材がストロークして磁気吸引されるもので、前記固定部材に可動部材のストロ ークを調整するねじ部を備えたソレノイドにおいて、 前記固定部材をねじ部と吸引部とに別けたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成のソレノイドにあっては、固定部材をねじ部と吸引部とに別けたため 、ねじ部と吸引部との同軸度及びねじ部の傾きが、吸引部に影響しなくなる。し たがって、寸法交差の許容を拡大できるため、部品の製作容易化を図ることがで きる。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明する。本考案の一実施例に係るソ レノイドを示す図１乃至図３において、このソレノイド１はソレノイドバルブと なっており、概略、両端が開口する筒状のソレノイド本体２と、このソレノイド 本体２の一方の開口部内周に設けられる磁性体の固定部材の吸引部としてのセン タポスト３と、ソレノイド本体２の他方の開口部内周に往復動自在に挿入される 可動部材としてのプランジャ４と、ソレノイド本体２の一方の開口部内周に設け られ、センタポスト３と磁性体の固定部材を成しプランジャ４のストロークＳを 調整するためのねじ部としてのアジャストスクリュー５と、弁本体１３とから構 成されている。

【００１０】 ソレノイド本体２は、円筒状のケース６内に設けられるセンタポスト３とアジ ャストスクリュー５を取り囲むように樹脂製で略四角形状のボビン７と、そのボ ビン７に巻きつかれるコイル８と、ケース６の一方の開口端部を閉塞してアジャ ストスクリュー５を螺合するための螺合部９を有したワッシャ状のアッパープレ ート１０と、ボビン７の他方の端面と開口部内周に埋設される断面Ｌ字状で、ボ ビン７の他方の開口部内周にスリーブ１１を介して往復動に挿入されるプランジ ャ４にケース６からの磁路を案内するサイドリング１２と、ボビン７と一体的に 設けられケース６の他方の開口端部を閉塞する弁本体１３とから成っている。

【００１１】 弁本体１３は、プランジャ４が接離する弁座１４と、弁座１４に開口されボビ ン７の内部に連通する入力ポート１５と、サイドリング１２の端面に沿ってボビ ン７の内部に貫通する出力ポート１６と、から構成されている。

【００１２】 プランジャ４は、弁座１４に向かって段々に小径となる段付き円柱状で、大径 部４Ａ，中径部４Ｂ，小径部４Ｃとから成っており、小径部４Ｃの端面が弁座１ ４に当接するようになっている。

【００１３】 そして、固定部材を成すセンタポスト３とアジャストスクリュー５は、図２に 示すようにそれぞれ別体となっている。センタポスト３は、円柱状で、径方向ほ ぼ中央には貫通孔１７が設けられている。貫通孔１７は、プランジャ４側は段部 １７Ａを有して大径部１７Ｂと成っており、アジャストスクリュー５側は小径部 １７Ｃと成っている。

【００１４】 また、アジャストスクリュー５も円柱状で、径方向ほぼ中央には、上記センタ ポスト３と同軸的にアジャストスクリュー貫通孔５Ａが設けられている。さらに 、センタポスト３との接触部の反対側端面には、アジャストスクリュー貫通孔５ Ａと連通して径方向に貫通する凹溝５Ｂが設けられている。そして、外周部には 、アッパープレート１０の螺合部９に螺合されるねじ５Ｃが設けられている。

【００１５】 そして、センタポスト３とアジャストスクリュー５との接触部は、センタポス ト３が凹球面３Ａで、アジャストスクリュー５は凸球面５Ｄとなっている。

【００１６】 以上のように構成されたセンタポスト３とアジャストスクリュー５をボビン７ を介してコイル８内周へ固定する場合は、図１に示すようにセンタポスト３を、 センタポスト３の貫通孔１７の大径部１７Ｂ内と、プランジャ４のセンタポスト ３側端面に設けられるセンタポスト３の貫通孔１７の大径部１７Ｂと同軸上で同 径の円形状の溝４Ｄ内との間に、センタポスト３側に付勢するスプリング１８を 介装してボビン７内周に挿入する。そして、アジャストスクリュー５を、凹溝５ Ｂに治具を係合させ、その治具によって外周部に設けられるねじ５Ｃをアッパー プレート１０の螺合部９に螺合して固定する。この時センタポスト３は、センタ ポスト３の貫通孔１７の大径部１７Ｂ内とプランジャ４の溝４Ｄ内に介装される スプリング１８のスプリング力によって、アジャストスクリュー５に押しつけら れセンタポスト３の凹球面３Ａとアジャストスクリュー５の凸球面５Ｄが接触し てセンタポスト３が固定される。

【００１７】 そして、上記治具でアジャストスクリュウ５をアッパープレート１０に螺合す ることによってセンタポスト３とプランジャ４間のスペース、すなわちプランジ ャ４のストロークＳを調整している。

【００１８】 尚、センタポスト３をアジャストスクリュー５に押しつける手段としてはスプ リング１８に限るものでなく、ベローズ等の弾性部品であっても良い。

【００１９】 また、図３にはアジャストスクリュー５とセンタポスト３をボビン７を介して コイル８内周に固定する他の手段を示しており、センタポスト３の凹球面３Ａの 外周縁に軸方向アジャストスクリュー５側に突出する係合突起３Ｂを設け、そし てアジャストスクリュー５のねじ５Ｃが設けられていないセンタポスト３寄りの 外周部にセンタポスト３の係合突起３Ｂが係合する係合溝５Ｅを設けたもので、 センタポスト３の係合突起３Ｂがアジャストスクリュー５の係合溝５Ｅに係合す ることにより、アジャストスクリュー５とセンタポスト３が結合される。この結 合された状態でボビン７の内周に挿入し、アジャストスクリュー５に設けられる ねじ５Ｃをアッパープレート１０の螺合部９に螺合することにより、アジャスト スクリュー５とセンタポスト３がボビン７内周に固定される。

【００２０】 そして、コイル８に通電することによって、ケース６、アッパープレート１０ 、アジャストスクリュー５、センタポスト３、プランジャ４、サイドリング１２ 、とから磁路が形成され、センタポスト３に、プランジャ４とセンタポスト３間 に介装されるスプリング１８のスプリング力に抗してプランジャ４がストローク Ｓして磁気吸引される。そのため、プランジャ４の小径部４Ｃの端面が弁座１４ から離間し、入力ポート１５が開口するため入力ポート１５からの流体がボビン ７内部を介して出力ポート１６へ流出される。

【００２１】 一方、コイル８に通電していないときは、上記スプリング１８のスプリング力 によってプランジャ４の小径部４Ｃの端面が弁座１４に当接して入力ポート１５ が閉ざされる。

【００２２】 上記構成のソレノイドにあっては、磁性体の固定部材をアジャストスクリュー ５とセンタポスト３とに別けているため、アジャストスクリュー５とセンタポス ト３との同軸度及びアジャストスクリュー５の螺合時の傾きが、センタポスト３ に影響しない。したがって、寸法交差の許容を拡大することができるため、部品 の製作容易化が図れる。

【００２３】 また、アジャストスクリュー５とセンタポスト３との接触部を凸球面５Ｄと凹 球面３Ａの組合せとしたため、アジャストスクリュー５からセンタポスト３への 磁束の流れ易さ（パーミアンス）が変化しないため、特性の変化がない。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成および作用を有するもので、磁性体の固定部材をねじ部 と吸引部とに別けたので、ねじ部と吸引部との同軸度及びねじ部の傾きが、吸引 部に影響しなくなる。したがって、寸法交差の許容を拡大することができるため 、部品の製作容易化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例のソレノイドの半縦断
面図である。

【図２】図２（ａ）は図１のセンタポストとアジャスト
スクリューの縦断面図であり、同図（ｂ）は同図（ａ）
のアジャストスクリューの右側面図である。

【図３】図３は他の、センタポストとアジャストスクリ
ューをコイル内周に固定する手段の縦断面図である。

【図４】図４（ａ）は従来のソレノイドの半縦断面図で
あり、同図（ｂ）は同図（ａ）のセンタポストの縦断面
図であり、同図（ｃ）は同図（ｂ）の右側面図である。

【符号の説明】

１ ソレノイド ２ ソレノイド本体 ３ センタポスト（吸引部） ３Ａ 凹球面 ３Ｂ 係合突起 ４ プランジャ（可動部材） ４Ａ 大径部 ４Ｂ 中径部 ４Ｃ 小径部 ４Ｄ 溝 ５ アジャストスクリュー（ねじ部） ５Ａ アジャストスクリュー貫通孔 ５Ｂ 凹溝 ５Ｃ ねじ ５Ｄ 凸球面 ５Ｅ 係合溝 ６ ケース ７ ボビン ８ コイル ９ 螺合部 １０ アッパープレート １１ スリーブ １２ サイドリング １３ 弁本体 １４ 弁座 １５ 入力ポート １６ 出力ポート １７ 貫通孔 １７Ａ 段部 １７Ｂ 大径部 １７Ｃ 小径部 １８ スプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性体の固定部材と、該固定部材と同軸
   的に配置される磁性体の可動部材と、固定部材を取り囲
   むように配置されるコイルとを備え、前記コイルに通電
   することにより、前記固定部材に可動部材がストローク
   して磁気吸引されるもので、前記固定部材に前記可動部
   材のストロークを調整するねじ部を備えたソレノイドに
   おいて、 前記固定部材をねじ部と吸引部とに別けたことを特徴と
   するソレノイド。