JPH0665451A - 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート - Google Patents

酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート

Info

Publication number
JPH0665451A
JPH0665451A JP4253010A JP25301092A JPH0665451A JP H0665451 A JPH0665451 A JP H0665451A JP 4253010 A JP4253010 A JP 4253010A JP 25301092 A JP25301092 A JP 25301092A JP H0665451 A JPH0665451 A JP H0665451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
modified polyolefin
polyolefin resin
resin composition
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4253010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3229945B2 (ja
Inventor
Toshio Fujii
敏雄 藤井
Kazuhiro Kato
和広 加藤
Toyomitsu Kondo
豊光 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP25301092A priority Critical patent/JP3229945B2/ja
Publication of JPH0665451A publication Critical patent/JPH0665451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3229945B2 publication Critical patent/JP3229945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリオレフィン樹脂やポリアミド樹脂との接
着性が良好な、不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリ
オレフィン樹脂組成物を提供する。 【構成】 酸変性したポリオレフィン樹脂とポリアミド
樹脂を比エネルギーが0.7kw・hr/kg以上とな
る条件下で溶融混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種基材、特に、ポリ
オレフィンやポリアミド等との接着性が良好な酸変性ポ
リオレフィン樹脂組成物および該組成物を成形して得ら
れる透明性に優れた接着性フィルムまたはシートに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリオレフィンは機械的性質、
透明性、成形性、衛生性等に優れているため広い分野に
わたって使用されている。しかし、積層体としての利用
を考えた場合、ポリオレフィンは無極性のため極性物質
との接着性が悪く、これを改良するため種々の改質が行
われている。例えば、極性物質をブレンドしたり、極性
モノマーをグラフト反応させることが試みられている
が、まだ接着性は充分とは言えない。そのため、接着性
を更に改良するために、例えば、不飽和カルボン酸或い
はその誘導体をグラフトした変性ポリオレフィン樹脂
(以下単に「酸変性ポリオレフィン樹脂」ともいう)に
エチレン−プロピレン共重合体等のゴム物質や低密度ポ
リエチレン等を混合した酸変性ポリオレフィン樹脂組成
物を用いる方法が提案されている(特公昭54−401
12号、同54−40113号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様にして製造された酸変性ポリオレフィン樹脂組成物
は、ある程度の接着性の改良効果はあるが、その効果は
まだ十分でなく、改良が望まれていた。本発明者らは、
酸変性ポリオレフィン樹脂の接着性を向上させ、しか
も、フィルムまたはシートに成形したときの透明性が良
好な組成物を提供すべく、種々の添加剤を検討した中か
らポリアミド樹脂を配合することに着目した。
【0004】従来、酸変性ポリオレフィン樹脂にポリア
ミド樹脂を添加して、その接着性を改良しようとの試み
がなされている。例えば、特公昭58−24271号公
報には、ポリオレフィン層、接着層およびポリアミド層
から成る積層物でガソリン容器等の中空容器を成形する
ことが記載されており、その接着層として酸変性ポリオ
レフィン樹脂に接着性改良のためにポリアミド樹脂を配
合した組成物を使用することが提案されている。また、
特公昭58−43426号公報には、酸変性ポリオレフ
ィンを含有するポリオレフィン樹脂にポリアミド樹脂を
配合して接着性を改良したホットメルト型接着剤組成物
が記載されている。
【0005】しかしながら、本発明者らの検討によれ
ば、酸変性ポリオレフィン樹脂にポリアミド樹脂を溶融
混合して得られる組成物の接着性は向上するものの、未
だ十分とはいえず、特に、フィルムまたはシートに成形
したときの透明性が不十分であることが分った。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に、ポリオレフィン
等の樹脂の溶融混合は、比エネルギーが0.3〜0.6
kw・hr/kg程度の条件下に行われている。本発明
者らは、特に、透明性を改善すべく、溶融混合条件を種
々検討したところ、比エネルギーが0.7kw・hr/
kg以上の条件下で酸変性ポリオレフィン樹脂とポリア
ミド樹脂を溶融混合すると、ポリアミド樹脂がミクロサ
イズでしかも均一に酸変性ポリオレフィン樹脂中に分散
され、透明性が著しく向上すると共に、接着性も更に向
上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明の要旨は、酸変性ポリオレフィン樹
脂およびポリアミド樹脂を、比エネルギーが0.7kw
・hr/kg以上となる条件下で溶融混合して得られる
ことを特徴とする酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およ
び該組成物を成形して得られることを特徴とする接着性
フィルムまたはシートに存する。以下本発明を説明す
る。
【0008】本発明の組成物における酸変性ポリオレフ
ィン樹脂は、任意の方法により、ポリプロピレン及び/
またはポリエチレン等に不飽和カルボン酸またはその誘
導体をグラフト反応させることにより得られる。例え
ば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸類とを、溶融状
態で反応させる方法(例えば特公昭43−27421
号)、溶液状態で反応させる方法(例えば特公昭44−
15422号)、スラリー状態で反応させる方法(例え
ば特公昭43−18144号)、気相状態で反応させる
方法(例えば特開昭50−77493号)などがある。
これらの方法の中で押出機を用いる溶融混練法が操作上
簡便であるため好ましく用いられる。
【0009】酸変性ポリオレフィン樹脂の原料として
は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンのホモポリ
マーおよびコポリマーが使用される。コポリマーとして
は、プロピレンと1〜5重量%のエチレンとのランダム
またはブロック共重合体、エチレンと1〜10重量%の
プロピレンとのランダムまたはブロック共重合体、プロ
ピレンまたはエチレンと1〜10重量%のC4 以上のα
−オレフィンとの共重合体、およびこれらの混合物等が
用いられる。これらのうち特にメルトフローインデック
ス(以下単にMFIと略記する)が0.5乃至30g/
10分、特に、5乃至15g/10分のホモポリプロピ
レンおよびプロピレン−エチレンランダム共重合体及び
MFIが0.3乃至30g/10分のポリエチレン及び
エチレン−αオレフィン共重合体が好ましく用いられ
る。
【0010】ここでいうMFIとは、ASTM−D12
38の規格に基づきポリプロピレンの場合230℃、ポ
リエチレンの場合190℃で測定した値である。また、
不飽和カルボン酸類としては、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、またそれら酸無水物、エステル、アミド、イミ
ド、金属塩等であり、これらのうち、無水マレイン酸を
用いるのが最も好ましい。
【0011】またポリオレフィンと不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物が用いられる。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス
(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒ
ドロパーオキサイドなどが挙げられる。有機過酸化物の
添加量は特に制限されないが、ポリオレフィン100重
量部に対して通常0.005乃至5重量部、好ましくは
0.01乃至1重量部である。
【0012】不飽和カルボン酸類をグラフトした酸変性
ポリオレフィン樹脂は、上記に示したポリオレフィン、
不飽和カルボン酸類、有機過酸化物をタンブラー、ヘン
シェルミキサー等で充分に混合し、ポリオレフィンの融
点以上、一般には融点以上280℃以下の温度で溶融混
練してグラフト化反応を行なわせる。溶融混練する方法
は特に制限されず、例えばスクリュー押出機、バンバリ
ーミキサー、ミキシングロールなどを用いて行うことが
できるが、操作の簡便さのためスクリュー押出機が好ま
しく使用される。溶融混練の温度および時間は用いる有
機過酸化物の分解温度により変化するが、一般に160
乃至280℃で0.3乃至30分間、好ましくは170
乃至250℃で1乃至10分間が適当である。
【0013】本発明においては、上記酸変性ポリオレフ
ィン樹脂は少なくとも2重量%、好ましくは、5〜50
重量%、特に好ましくは、10〜25重量%の酸変性ポ
リオレフィンエラストマーを含有するのが好ましい。酸
変性ポリオレフィンエラストマーの原料としては、例え
ば、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重
合エラストマーが使用される。中でも、密度が0.91
g/cm3 未満、好ましくは0.85〜0.90g/c
3 で、MFIが0.1〜50g/10分(ASTM−
D1238、190℃)、好ましくは、1〜20g/1
0分のものが好適である。
【0014】エチレンと共重合させる炭素数3以上のα
−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が
挙げられ、これらと共に1,4−ヘキサジエン、ジシク
ロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジ
エンを使用することもできる。上記エチレン−α−オレ
フィン共重合エラストマーは、チーグラー型触媒、中で
もオキシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウム等のバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合させる
ことにより製造することができ、エラストマー中のエチ
レン含有量が40〜90モル%の範囲であり、α−オレ
フィンの含有量が10〜60モル%の範囲であるのが望
ましい。上記エチレン−α−オレフィン共重合エラスト
マーの市販品としては、例えば、CdF Chimie
E.P.社のNORSOFLEX(FW1600,F
W1900,MW1920,SMW2440,LW22
20,LW2500,LW2550);日本ユニカー社
のフレックスレジン(DFDA1137,DFDA11
38,DEFD1210,DEFD9042)、三井石
油化学社のタフマー(A4085,A4090,P01
80,P0480)、日本合成ゴム社のJSR−EP
(EP02P,EP07P,EP57P)などが挙げら
れる。
【0015】これらエラストマーの酸変性は、上述のポ
リオレフィン樹脂の酸変性と同様に行うことができる。
本発明においては、未変性のポリオレフィン樹脂とエラ
ストマーを混練しながら同時に酸変性処理を施してもよ
い。酸変性ポリオレフィン樹脂(酸変性ポリオレフィン
エラストマーを用いる場合はこれを含む)中の不飽和カ
ルボン酸類のグラフト量は、0.01〜3重量%、好ま
しくは0.03〜1重量%である。不飽和カルボン酸類
のグラフト量が0.01重量%以下では接着性が低下
し、3重量%以上ではゲル化物が増大し易くなるため好
ましくない。
【0016】本発明においては、酸変性ポリオレフィン
樹脂は、酸変性ポリオレフィン樹脂100重量部に対し
て、最大2000重量部程度までの未変性ポリオレフィ
ン樹脂で希釈して用いてもよい。その際、希釈した混合
物中の不飽和カルボン酸類のグラフト量が上記範囲内に
なるように希釈混合するのがよい。かかる未変性ポリオ
レフィン樹脂としては、上述した酸変性ポリオレフィン
樹脂の原料であるポリプロピレンやポリエチレンが好適
に用いられる。
【0017】上記酸変性ポリオレフィン樹脂に混合する
ポリアミド樹脂としては、通常、相対粘度が1〜6程度
のものが使用される。例えば、ヘキサメチレンジアミ
ン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−または
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス
(p−アミノシクロヘキシルメタン)、m−またはp−
キシリレンジアミン等の脂肪族、脂環族、芳香族のジア
ミンとアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の
脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボン酸との重縮合によっ
て得られるポリアミド、ε−アミノカプロン酸、11−
アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の縮合によっ
て得られるポリアミド、ε−カプロラクタム、ε−ラウ
ロラクタム等のラクタムから得られるポリアミドまたは
これらの共重合ポリアミドが挙げられる。具体的には、
ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナ
イロン−9、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロ
ン−6/66、ナイロン−66/610、ナイロン−6
/11等が挙げられる。
【0018】成形性の観点からは、融点が170〜28
0℃、好ましくは、200〜240℃のものが好適であ
る。本発明においては、特に、ナイロン−6、ナイロン
−66が好適である。酸変性ポリオレフィン樹脂とポリ
アミド樹脂との混合は、樹脂に対する比エネルギー0.
7kw・hr/kg以上、好ましくは、1.0〜2.0
kw・hr/kg、特に好ましくは、1.0〜1.5k
w・hr/kgの条件下に溶融混合する。
【0019】ここで比エネルギーとは、樹脂を溶融混練
する際に、単位重量当り(1kg)の樹脂に混練設備か
ら混練の効果の為に与えられるエネルギーをいい、数値
が大きい場合が練りの効果が高い事になる。例えば、押
出機の場合、1kgの樹脂を押し出すのに必要なスクリ
ュー駆動用モーターの消費電力で近似的に表わされる。
【0020】またバンバリーミキサー等のロール式混練
機の場合は、樹脂1kg処理するのに必要なロールの駆
動用モーターの消費電力で近似的に表わされる。具体的
には、押出機のモーターに電流計、電圧計等を取り付
け、これからモーターの電力消費量を得、これにモータ
ーの力率(通常0.85程度)を掛け、1kgの樹脂に
加えられる混練力(kw・hr/kg)を得る。
【0021】実際上は、酸変性ポリオレフィン樹脂とポ
リアミド樹脂とを、200〜350℃でスクリュー押出
機、バンバリーミキサー、ミキシングロール等で溶融混
合する。ポリアミド樹脂は、得られる樹脂組成物中、2
〜30重量%、好ましくは、10〜25重量%となるよ
うに混合する。これらの範囲外だと接着性、透明性の改
良効果が低下するのであまり好ましくない。
【0022】本発明の酸変性ポリオレフィン組成物に
は、通常使用する程度の耐熱安定剤、耐候安定剤、滑
剤、帯電防止剤、核剤、充填剤、顔料、染料、難燃剤、
ブロッキング防止剤等の添加物を0.0005〜30重
量%程度含有させてもよい。かくして得られる本発明の
酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を、常法に従い成形す
ることによって、接着性が良好で、しかも、透明性の優
れたフィルム或いはシートを得ることができる。例え
ば、Tダイ、インフレ等の成形機を使用し、押出温度2
00〜350℃、ダイス温度200〜350℃の条件下
で押出成形することによって、所望の厚さのフィルムや
シートを得ることができる。
【0023】この様にして得られたフィルムの透明性は
透明度が50%以上、接着強度が400g/15ミリ幅
以上(フィルム厚みが30〜100μの場合)のものが
得られる。また、上記で得られたフィルム、シートを延
伸することによって透明性や機械的強度を向上させるこ
ともできる。
【0024】本発明の酸変性ポリオレフィン樹脂組成物
は、例えば、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化合物、ポリアミド、ポリエステル、ガラ
ス、金属等を基材層として形成される各種積層体の接着
層として好適に使用できる。基材層を形成するポリオレ
フィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1、またはこれらの共重合体や組成物
が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
としてはガスバリアー性、耐油性、水透過性等から考え
てエチレン含量が20〜60モル%、好ましくは25〜
50モル%、ケン化度93%以上好ましくは96%以上
のものが挙げられる。
【0025】また、ポリアミドとしては、(a)ジアミ
ンとジカルボン酸の縮合、(b)アミノ酸の縮合および
(c)ラクタムの開環により得られる酸アミド結合を有
する線状高分子で、例えばナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン6・10、ナイロン11、ナイロン12等
の前述のようなものが使用できる。更に、ポリエステル
としては、飽和二塩基酸とグリコール類の縮合により得
られるものであり、具体的にはエチングリコールとテレ
フタル酸より得られるポリエチレンテレフタレートや、
フタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸などの
飽和二塩基酸を共重合成分としたポリエチレンテレフタ
レート共重合体や、ジオール成分として1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコールなどを共重合体成分としたポリエチレン
テレフタレート共重合体、またはこれらの混合組成物等
が使用される。
【0026】具体的に、好ましい積層体の例としては、
例えば、ポリプロピレン層とポリアミド層の接着層とし
て、本発明の酸変性ポリプロピレン樹脂組成物を使用し
て形成される積層フィルムが挙げられる。このような積
層フィルムは、多層インフレーション法、多層Tダイ
法、多層ブロー成形法、押出しラミネート成形法等の通
常の積層体の成形法によって製造することができる。
【0027】そして、得られる積層フィルムは、良好な
接着性を有するとともに、透明性に優れており、食品用
等の包装材料等に好適に使用できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はその要旨を超えない限り実施例に限定され
るものではない。 実施例1 メルトフローインデックス(MFI)が0.7g/10
分、エチレン含量2.5重量%のプロピレン−エチレン
ランダム共重合体を100重量部、無水マレイン酸を1
重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3を0.15重量部用い、50m
mφの押出機にて210℃で溶融混練してペレット化を
行ない酸変性ポリプロピレン樹脂を得た。この酸変性ポ
リプロピレン樹脂の無水マレイン酸グラフト量は0.3
5重量%であった。
【0029】この酸変性ポリプロピレン樹脂を80重量
部とナイロン−6/6・6共重合体(三菱化成株式会社
製、商品名ノバミッド2030;ノバミッドは登録商
標)を20重量部用い、単軸の押出機にて樹脂に対する
比エネルギーが1.0kw・hr/kg、溶融温度23
0℃となるような条件下に溶融混練し、ペレット化して
酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
【0030】得られた酸変性ポリオレフィン樹脂組成物
を接着層として積層フィルムを製造した。即ち、3層T
ダイ成形機にて、前述のナイロン−6/6・6共重合体
を押出温度230℃で押し出し、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体(三菱化成(株)製、三菱ポリプロ6
500J MFI:9g/10分、密度0.90g/c
3 )を押出温度210℃で押し出し、酸変性ポリオレ
フィン樹脂組成物を押出温度210℃で押し出し、3層
ダイス温度を230℃として成形して、ナイロン層/接
着層/ポリプロピレン層(30μ/10μ/30μ)の
積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの接着強度
(15ミリ幅における180°剥離強度)及び透明性
(透明度)を表−1に示した。透明度については(株)
村上色彩技術研究所製の「透明度測定器」を用いて測定
し、MAX値で表示した。
【0031】実施例2 実施例1において、ナイロン−6/6・6共重合体の配
合量を変えるほかは同様にして、酸変性ポリオレフィン
樹脂組成物を製造し、次いで、実施例1と同様にして積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムのフィルム物
性を測定し、表−1に示した。
【0032】実施例3 実施例1で用いたナイロン−6/6・6共重合体の代り
にナイロン−6重合体(三菱化成株式会社製、商品名ノ
バミッド1020)を用い、比エネルギーを1.2kw
・hr/kgとして酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を
製造し、次いで、実施例1と同様にして積層フィルムを
得た。積層フィルムの物性を測定し、表−1に示した。
【0033】実施例4 実施例3において、ナイロン−6重合体の使用量を変え
たほかは同様にして、酸変性ポリオレフィン樹脂組成物
を製造し、次いで、実施例3と同様にして積層フィルム
を得た。積層フィルムの物性を測定し、表−1に示し
た。
【0034】比較例1 実施例1で酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を製造する
際の比エネルギーを0.3kw・hr/kgに変えた以
外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。積層フ
ィルムの物性を測定し、結果を表−1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例5 三菱ポリプロ6500J(三菱化成(株)製、MFI=
9g/10分(230℃測定)、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体)を80重量部とタフマーA2009
0(三井石油化学工業(株)製、MFI=18g/10
分(190℃測定)、エチレン−ブテンランダム共重合
エラストマー)を20重量部と無水マレイン酸を1.5
重量部と、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3を0.15重量部用い50m
mφ押出機にて210℃で溶融混練してペレット化を行
ない、エラストマー含有酸変性ポリオレフィン樹脂を得
た。このエラストマー含有酸変性ポリプロピレン樹脂中
の無水マレイン酸のグラフト量は1.2重量%であっ
た。
【0037】以上のようにして得られたエラストマー含
有酸変性ポリオレフィン樹脂20重量部と三菱ポリプロ
6500Jを60重量部とナイロン−6重合体(三菱化
成(株)製、商品ノバミッド1020;ノバミッドは登
録商標)20重量部を単軸の押出機にて樹脂に対する比
エネルギーが1.0kw・hr/kg、溶融温度250
℃となるような条件下に溶融混合し、ペレット化して酸
変性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。
【0038】上記酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を接
着層として積層フィルムを製造した。即ち、3層Tダイ
成形機にてノバミッド1020を押出温度250℃、三
菱ポリプロ6500Jを230℃、酸変性ポリオレフィ
ン樹脂組成物を240℃、ダイス温度250℃の条件で
成形して、ナイロン層/接着層/ポリプロピレン層(3
0μ/10μ/30μ)の積層フィルムを得た。得られ
た積層フィルムの接着強度及び透明性(透明度)を表−
2に示した。
【0039】実施例6 実施例5において、ナイロン−6重合体の配合量を変え
るほかは同様にして、酸変性ポリオレフィン樹脂組成物
を製造し、次いで、実施例5と同様にして積層フィルム
を得た。結果を表−2に示した。
【0040】実施例7 実施例5のナイロン−6重合体の代わりにナイロン−6
/66共重合体(三菱化成株式会社製、商品名ノバミッ
ド2030)を同量用い、比エネルギーを1.2kw・
hr/kgとして酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を製
造し、次いで、実施例5と同様にして積層フィルムを得
た。結果を表−2に示した。
【0041】実施例8,9 実施例5において、エラストマーとして、エチレン−プ
ロピレン共重合エラストマー(日本合成ゴム(株)
製)、EP02P、MFI=3.2g/10分)を表−
2に示す量使用したほかは同様にして酸変性ポリオレフ
ィン樹脂組成物を製造し、次いで、実施例5と同様にし
て積層フィルムを得た。結果を表−2に示した。
【0042】比較例2 実施例5で酸変性ポリオレフィン樹脂組成物を製造する
際の比エネルギーを0.3kw・hr/kgに変えた以
外は実施例5と同様にして積層フィルムを得た。結果を
表−2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明に従い、特定条件下に酸変性ポリ
オレフィン樹脂とポリアミド樹脂とを溶融混合すること
により、ポリアミド樹脂が酸変性ポリオレフィン樹脂中
にミクロサイズでしかも均一に分散された接着性の良好
な組成物を得ることができる。更に、該組成物を成形し
て得られるフィルムまたはシートは、透明性に優れてお
り、包装材料などの各種積層体の接着層等として有利に
使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸変性ポリオレフィン樹脂およびポリア
    ミド樹脂を、比エネルギーが0.7kw・hr/kg以
    上となる条件下で溶融混合して得られることを特徴とす
    る酸変性ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸変性ポリオレフィン樹脂およびポリア
    ミド樹脂を、比エネルギーが0.7kw・hr/kg以
    上となるような条件下で溶融混合し、成形して得られる
    ことを特徴とする接着性フィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】 酸変性ポリオレフィン樹脂はその2〜5
    0重量%が酸変性ポリオレフィンエラストマーである請
    求項1に記載の酸変性ポリオレフィン樹脂組成物。
JP25301092A 1992-06-15 1992-09-22 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート Expired - Fee Related JP3229945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25301092A JP3229945B2 (ja) 1992-06-15 1992-09-22 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15529992 1992-06-15
JP4-155299 1992-06-15
JP25301092A JP3229945B2 (ja) 1992-06-15 1992-09-22 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0665451A true JPH0665451A (ja) 1994-03-08
JP3229945B2 JP3229945B2 (ja) 2001-11-19

Family

ID=26483338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25301092A Expired - Fee Related JP3229945B2 (ja) 1992-06-15 1992-09-22 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3229945B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297360A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Toyo Kasei Kogyo Co Ltd 発泡防止機構を備えた高速減圧濃縮装置
WO2015029571A1 (ja) * 2013-08-29 2015-03-05 三菱瓦斯化学株式会社 多層構造体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297360A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Toyo Kasei Kogyo Co Ltd 発泡防止機構を備えた高速減圧濃縮装置
JP4631538B2 (ja) * 2005-04-20 2011-02-16 東洋紡績株式会社 発泡防止機構を備えた高速減圧濃縮装置
WO2015029571A1 (ja) * 2013-08-29 2015-03-05 三菱瓦斯化学株式会社 多層構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3229945B2 (ja) 2001-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5147931A (en) Thermoplastic resin composition
EP1034200B1 (en) Non-massing tougheners for polyamides
JP2605832B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JPS6333783B2 (ja)
US5656374A (en) Polyolefin compositions suitable for sheets and films which are sealable by radio-frequency
US7026391B2 (en) Polymer compositions comprising polyolefins and reaction products of a polyolefin and an unsaturated carboxylic reagent and articles made therefrom
JPH0258543A (ja) 耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物の製造法
JPH10330505A (ja) 無極性熱可塑性エラストマーの高周波溶接方法
JPH11335553A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形品
JPH0725943A (ja) 変性ポリオレフィンおよび該変性ポリオレフィン含有熱可塑性樹脂組成物
JP3232317B2 (ja) 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物及びそれを使用して得られる接着性フィルム又はシート
JP3229945B2 (ja) 酸変性ポリオレフィン樹脂組成物およびそれを使用して得られる接着性フィルムまたはシート
JPH0554863B2 (ja)
JPS61296079A (ja) ポリアミド系接着剤組成物および積層物
JP3193964B2 (ja) 粘着性積層フィルム
JPH01104636A (ja) 樹脂組成物
JPH06122182A (ja) 包装用粘着フィルム
JPH10120864A (ja) 変性樹脂組成物及びそれを用いた積層体
JP3229946B2 (ja) 包装用フィルム
JPS6326701B2 (ja)
JPS58222134A (ja) 接着性樹脂組成物
JPS6212808B2 (ja)
JPH06107871A (ja) 接着性樹脂組成物及び該組成物を用いてなる積層体
JPH06279649A (ja) 樹脂組成物
JPH04269541A (ja) 積層体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees