JPH0665337A - 含フッ素ポリマー水性分散液 - Google Patents

含フッ素ポリマー水性分散液

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JPH0665337A
JPH0665337A JP23896392A JP23896392A JPH0665337A JP H0665337 A JPH0665337 A JP H0665337A JP 23896392 A JP23896392 A JP 23896392A JP 23896392 A JP23896392 A JP 23896392A JP H0665337 A JPH0665337 A JP H0665337A
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Shunichi Kodama
俊一 児玉
Masaru Yamauchi
優 山内
Takao Hirono
高生 廣野
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フルオロオレフィン、及び親水性部位を有する
マクロモノマーを必須構成成分とする共重合可能な単量
体を、HLB12〜18のノニオン性乳化剤の存在下で
乳化重合して得られる含フッ素ポリマー水性分散液。 【効果】極めて優れた機械的安定性、化学的安定性を有
すると同時に、良好な造膜性を有し、また得られた塗膜
は耐候性、耐水性が高く、水を透過しにくいものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素ポリマー水性分
散液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フルオロオレフィンとシクロヘキシルビ
ニルエーテル及びその他各種の単量体からなる共重合体
は、室温で有機溶媒に可溶であり、塗料として用いた場
合に透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水撥油
性、耐汚染性、非粘着性などフッ素樹脂の有する優れた
特性を備えた塗膜を与えることが知られており(例えば
特開昭55−44083号公報)、建築などの分野で使
用が増大しつつある。
【0003】この一方で、近年大気汚染の観点から有機
溶剤の使用に対して規制が行われつつあるため、有機溶
剤を用いない水性塗料や粉体塗料に対する需要が高まっ
ており、フッ素樹脂についても、そのための検討がなさ
れており、官能基をもたないものについては乳化重合で
製造できることが報告されている(特開昭55−254
11号公報)。
【0004】また、乳化重合によりヒドロキシル基を有
する含フッ素共重合体を得る方法が、特開昭57−34
107号公報、特開昭61−231044号公報に記載
されている。しかし、これらの方法では、乳化剤及び親
水性有機溶剤を併用することを必須としており、乳化剤
及び親水性有機溶剤のいずれか一方あるいは両方を使用
しない場合には、水性分散液が得られなかったり、水性
分散液が得られても、極めて機械的・化学的安定性が悪
く、保存中に凝集、沈降を起こすという問題があった。
【0005】さらに、これらの方法により得られる水性
分散液は造膜性が悪い、また得られる塗膜の耐汚染性が
劣る場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術の有する問題点を解決しようとするものである。す
なわち、造膜性に優れかつ塗膜の耐水性、耐汚染性の向
上された含フッ素ポリマー水性分散液を新規に提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、フルオロオレフィ
ン、及び親水性部位を有するマクロモノマーを必須構成
成分とする共重合可能な単量体を、HLB12〜18の
ノニオン性乳化剤の存在下で乳化重合して得られる含フ
ッ素ポリマー水性分散液を提供しようとするものであ
る。
【0008】本発明において、フルオロオレフィンとし
ては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペ
ンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンな
どの炭素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく
採用される。特にパーハロオレフィンが好ましい。
【0009】本発明の含フッ素ポリマー水性分散液で
は、乳化重合によって得られる含フッ素共重合体が、親
水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単位
を有することが重要である。この単位が含フッ素共重合
体の必須構成成分として含まれているため、水性分散液
の機械的・化学的安定性が改善されるばかりでなく、造
膜性、塗膜の耐水性なども向上することができるのであ
る。
【0010】本発明における親水性部位を有するマクロ
モノマーの、親水性部位とは、親水性基を有する部位、
または親水性の結合を有する部位、及びこれらの組み合
わせからなる部位を表している。
【0011】この親水性基は、イオン性、ノニオン性、
両性及びこれらの組み合わせのいずれであってもよい
が、上記親水性部位がイオン性の親水性基を有する単位
のみからなる場合としては、該含フッ素ポリマー水性分
散液の化学的安定性に問題があるため好ましくなく、ノ
ニオン性または両性の親水性基を有する部位と組み合わ
せるか、親水性の結合を有する部位と組み合わせること
が望ましい。
【0012】また、マクロモノマーとは片末端にラジカ
ル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオ
リゴマーのことをいう。すなわち、片末端にラジカル重
合性不飽和基を有し、繰り返し単位を少なくとも2個有
する化合物である。繰り返し単位の種類によって異なる
が、通常は繰り返し単位が100個以下のものが重合
性、耐水性などの面から好ましく採用される。
【0013】親水性部位を有するマクロモノマーとし
て、例えば、 (1) CH2=CHO(CH2)k[O(CH2)m]nOX (kは1〜10の整数。mは1〜4の整数。nは2〜2
0の整数。XはHまたは低級アルキル基。) (2) CH2=CHCH2O(CH2)k[O(CH2)m]nOX (kは1〜10の整数。mは1〜4の整数。nは2〜2
0の整数。XはHまたは低級アルキル基。) (3) CH2=CHO(CH2)k(OCH2CH2)m(OCH2CH(CH3))nOX (kは1〜10の整数。mは2〜20の整数。nは0〜
20の整数。XはHまたは低級アルキル基。オキシエチ
レン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ランダム
のいずれの型で配列されていてもよい。) (4) CH2=CHCH2O(CH2)k(OCH2CH2)m(OCH2CH(CH3))nOX (kは1〜10の整数。mは2〜20の整数。nは0〜
20の整数。XはHまたは低級アルキル基。オキシエチ
レン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ランダム
のいずれの型で配列されていてもよい。) (5) CH2=CHO(CH2)nO(CO(CH2)mO)kH (nは1〜10の整数。mは1〜10の整数。kは1〜
30の整数。) などの片末端にラジカル重合性不飽和基を有するポリエ
ーテルポリエステル類などが例示される。
【0014】なかでも、片末端がビニルエーテル型の構
造を有するものがフルオロオレフィンとの共重合性に優
れているため好ましく採用される。特にポリエーテル鎖
部分が、オキシエチレン単位または、オキシエチレン単
位とオキシプロピレン単位からなるものが親水性などに
優れているため好ましい。
【0015】また、オキシエチレン単位を少なくとも2
個有するものでないと、安定性などの諸性質が達成され
ない。また、オキシアルキレン単位の半分以上がオキシ
エチレン単位であるものが、特に親水性に優れ、安定性
に優れるため好ましい。また、オキシアルキレン単位の
数があまりに大きいものは、塗膜の耐水性や耐候性など
が悪くなり、好ましくない。
【0016】かかる親水性部位を有するマクロモノマー
は、ヒドロキシル基を有するビニルエーテルあるいはア
リルエーテルに、ホルムアルデヒド、ジオールを重合さ
せるまたはアルキレンオキシドあるいはラクトン環を有
する化合物を開環重合させるなどの方法により製造する
ことが可能である。
【0017】また、親水性部位を有するマクロモノマー
として、親水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル
重合した鎖を有し、末端にビニルエーテルまたはアリル
エーテルのごときラジカル重合性不飽和基を有するマク
ロモノマーであってもよい。このようなマクロモノマー
は、山下らがPolym.Bull.,5. 335(1981)に述べている方
法などにより製造することができる。すなわち、縮合可
能な官能基を有する開始剤及び連鎖移動剤の存在下に親
水性基を有するエチレン性不飽和モノマーをラジカル重
合させることにより、縮合可能な官能基を有する重合体
を製造し、ついでこの重合体の官能基にグリシジルビニ
ルエーテル、グリシジルアリルエーテルのごとき化合物
を反応させ、末端にラジカル重合性不飽和基を導入する
方法などが例示される。
【0018】このマクロモノマーの製造に用いられるエ
チレン性不飽和モノマーとしては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、2−メトキシエチルアク
リレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ジアセ
トンアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルア
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタク
リレート、多価アルコールのアクリル酸エステル及び多
価アルコールのメタクリル酸エステル及びビニルピロリ
ドンなどがある。
【0019】この他に、共重合可能なモノマーとして、
アクリルアミドとその誘導体、メタクリルアミドとその
誘導体、N−メチロールアクリルアミド誘導体、アクリ
ル酸エチルカルビトール、アクリル酸メチルトリグリコ
ール、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェー
ト、ブトキシエチルアクリレートなどがある。
【0020】また、このマクロモノマーの製造に用いら
れる開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレ
リアン酸、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン
塩酸塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾビ
スイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどがある。
【0021】本発明における含フッ素共重合体は、上記
2種の単位の他にヒドロキシル基、エポキシ基、カルボ
ン酸基、カルボニル基及びヒドラジン残基から選ばれる
反応性基を含有する重合した単位を含んでいてもよい。
【0022】本発明の水性分散液は、含フッ素共重合体
が反応性基を有していても安定性は損なわれない。ま
た、含フッ素共重合体が反応性基を有している場合は、
塗料ベースとしたときに硬化剤の併用により極めて優れ
た耐水、耐溶剤性を有する塗膜を得ることができるとい
う利点がある。
【0023】また、ヒドロキシル基を含有する重合した
単位の導入方法には、ヒドロキシル基含有単量体を共重
合する方法、または、重合体を高分子反応させてヒドロ
キシル基を含有する単位を形成させる方法などがある。
ここで、ヒドロキシル基含有単量体としては、ヒドロキ
シブチルビニルエーテルのごときヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル類、ヒドロキシエチルアリルエーテルのご
ときヒドロキシアルキルアリルエーテル類、ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート
のごときアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシア
ルキルエステルやヒドロキシアルキルビニルエステル、
ヒドロキシアルキルアリルエステルなどが例示される。
【0024】また、重合体を高分子反応させてヒドロキ
シル基を含有する単位を形成させる方法としては、重合
後加水分解可能なビニルエステル類を共重合させた後、
加水分解せしめてヒドロキシル基を形成せしめるという
方法などが例示される。
【0025】また、カルボン酸基を含有する重合した単
位の導入方法には、カルボン酸基含有単量体を共重合す
る方法、ヒドロキシル基を有する重合体に二塩基酸無水
物を反応せしめてカルボン酸基を形成する方法がある。
【0026】ここで、カルボン酸基含有単量体として
は、 CH2=CHOR1OCOR2COOM CH2=CHCH2R3OCOR4COOM (R1 、R3 は、炭素数2〜15のアルキル基。R2 、
R4 は、飽和あるいは不飽和の直鎖状または環状の炭化
水素基。Mは、水素、アルカリ金属または窒素を含む
基。)などが例示される。
【0027】エポキシ基を含有する重合した単位は、エ
ポキシ基を含有する単量体を共重合することにより導入
できる。
【0028】エポキシ基を含有する単量体としては、グ
リシジルビニルエーテルなどのエポキシ基含有アルキル
ビニルエーテル類、グリシジルアリルエーテルなどのエ
ポキシ基含有アルキルアリルエーテル類、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ
基含有アルキルアクリレートまたはメタクリレート類、
などが例示される。
【0029】また、カルボニル基は、カルボニル基含有
単量体を共重合することにより導入することができ、ヒ
ドラジン残基はカルボニル基含有重合体にジカルボン酸
ジヒドラジド(例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、ア
ジピン酸ジヒドラジド)やヒドラジン水和物をカルボニ
ル基1モルあたり、0.02〜1モル量配合し、加熱し
て反応せしめることにより得られる。
【0030】本発明における含フッ素共重合体は、上記
単位の他に、これらと共重合可能な単量体に基づく単位
が含まれていてもよい。かかる単量体としては、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン類、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類や、ブタン酸ビニルエステル、オクタン酸ビニルエ
ステルなどのビニルエステル類、スチレン、ビニルトル
エンなどの芳香族ビニル化合物などのビニル系化合物、
エチルアリルエーテルなどのアリル化合物、アクリル酸
ブチルなどのアクリロイル化合物、メタクリル酸エチル
などのメタクリロイル化合物などが例示される。特に、
オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、
アリルエーテル類、アリルエステル類が好ましく採用さ
れる。
【0031】ここでオレフィン類としては炭素数2〜1
0程度のものが好ましく、ビニルエーテル類、ビニルエ
ステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類として
は、炭素数2〜15程度の直鎖状、分岐状あるいは脂環
状のアルキル基を有するものが好ましく採用される。
【0032】かかる単量体は炭素に結合した水素の少な
くとも一部がフッ素に置換されていてもよい。
【0033】本発明における含フッ素共重合体は、フル
オロオレフィンに基づく重合した単位が20〜80モル
%、親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
た部位が0.1〜25モル%の割合であることが好まし
い。
【0034】フルオロオレフィンに基づく重合した単位
があまりに少ないと耐候性が十分に発揮されず、また多
すぎると水分散性が極めて悪くなるため好ましくない。
特に30〜70モル%であることが好ましい。
【0035】また、親水性部位を有するマクロモノマー
に基づく重合した単位が少なすぎると水分散性が極めて
悪くなり、また多すぎると塗膜の耐候性、耐水性が悪く
なるため好ましくない。特に造膜性に極めて優れた効果
を達成させるために、この単位が0.3〜20モル%の
割合で含まれることが好ましい。
【0036】また、反応性基を含有する重合した単位が
含まれる場合は、25モル%以下であることが好まし
い。この単位の割合があまりに大きいと水分散性が低下
し、また塗膜を硬化せしめたときに硬く脆いものになっ
たり、残存ヒドロキシル基の影響で耐水性が低下したり
することがあるので好ましくない。
【0037】また、この単位は、親水性部位を有するマ
クロモノマーに基づく重合した単位がヒドロキシル基を
有するものを含んでいる場合、その単位は、親水性部位
を有するマクロモノマーに基づく重合した単位及びヒド
ロキシル基を含有する重合した単位の両方の計算に含め
られる。上記フルオロオレフィンに基づく重合した単位
及び親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
た単位以外の単位は、0〜70モル%であることが好ま
しい。この単位が多すぎると耐候性が悪くなり、好まし
くない。
【0038】本発明においては、乳化重合をHLBが1
2〜18のノニオン性乳化剤の存在下に行うことが重要
である。HLBがこの範囲からはずれる場合は、乳化重
合時の安定性が低くなったり、あるいは得られた分散液
の安定性が低下してしまう。またアニオン性乳化剤で
は、乳化重合時の安定性は高いものの、得られた分散液
は無機物質が加えられたとき凝集しやすく、さらに塗膜
としたときその高い親水性により耐水性が低下しやす
い。とくに好ましいHLBは14〜16である。
【0039】またノニオン性乳化剤の親油性基として
は、ポリフルオロアルキル基を含まないものが緻密な塗
膜の形成という観点から好ましい。具体的には、アルキ
ルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコール
エチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドとのブロックコポリマーなどを例示しうる。
乳化剤の使用量は条件に応じて適宜変更可能であるが、
通常は乳化重合させるべき単量体100重量部あたり
0.1〜5重量部程度が好ましく採用される。
【0040】本発明での乳化重合の開始は、通常の乳化
重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行われる。
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を用
いることができるが、水溶性開始剤が好ましく採用さ
れ、具体的には過硫酸アンモニウム塩などの過硫酸塩、
過酸化水素あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チ
オ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせからなる
レドックス開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第一鉄
塩、硫酸銀などを共存させた系の無機系開始剤、または
ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシドな
どの二塩基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジンの
塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリルなどの有機系開始
剤が例示される。
【0041】重合開始剤の使用量は、種類、乳化重合条
件などに応じて適宜変更可能であるが、通常は乳化重合
させるべき単量体100重量部あたり0.005〜0.
5重量部程度が好ましく採用される。また、これらの重
合開始剤は一括添加してもよいが、必要に応じて分割添
加してもよい。
【0042】また乳化物のpHを上昇させる目的で、p
H調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤としては、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナト
リウム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウム
などの無機塩基及びトリエチルアミン、トリエタノール
アミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノー
ルアミンなどの有機塩基類などが例示される。
【0043】pH調整剤の添加量は、通常乳化重合媒体
100重量部あたり0.05〜2重量部程度、好ましく
は0.1〜2重量部程度である。pHの高い方が重合速
度が速くなる傾向である。
【0044】また、乳化重合開始温度は重合開始剤の種
類に応じて適宜最適温度が選定されるが、通常は0〜1
00℃、とくに10〜90℃程度が好ましく採用され
る。また反応圧力は適宜選定可能であるが、通常は1〜
100kg/cm2 、とくに2〜50kg/cm2 程度
を採用するのが望ましい。
【0045】かかる製造方法において、単量体、水、乳
化剤、開始剤などの添加物をそのまま一括仕込みして重
合してもよいが、分散粒子の粒子径を小さくして分散液
の安定性及び塗膜の光沢などの諸物性を向上させる目的
で、重合開始剤を添加する以前にホモジナイザーなどの
撹拌機を用いて前乳化させ、その後に開始剤を添加して
重合してもよい。また、単量体を分割してあるいは連続
して添加してもよく、その際単量体組成は異なってもよ
い。
【0046】本発明の水性分散液は、そのままでも水性
塗料として使用可能であるが、必要に応じて着色剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮
バリ防止剤、硬化剤などを混合してもよい。
【0047】着色剤としては染料、有機顔料、無機顔料
などが例示される。可塑剤としては公知のもの、例えば
ジオクチルフタレートなどの低分子量可塑剤、ビニル重
合体可塑剤、ポリエステル系可塑剤などの高分子量可塑
剤などが挙げられる。
【0048】硬化剤としては例えばヘキサメチレンイソ
シアネート三量体などのブロックイソシアネートあるい
はその乳化分散体、メチル化メラミン、メチロール化メ
ラミン、ブチロール化メラミンなどのメラミン樹脂、メ
チル化尿素、ブチル化尿素などの尿素樹脂を挙げること
ができる。また、水性分散液の安定性を向上させるため
にpH調整剤を添加してもよい。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、かかる実施例などにより本発明は何ら限定され
るものではない。なお、以下の実施例中の部数はとくに
断りのない限り重量部を示すものである。
【0050】実施例1〜4、比較例1〜4 内容積200mlのステンレス製撹拌機付きオートクレ
ーブ中に表1に示す組成のエチルビニルエーテル(EV
E)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、親水性部
位を有するマクロモノマー(EOVE)、イオン交換
水、乳化剤、炭酸カリウム(K2 CO3 )、亜硫酸水素
ナトリウム(NaHSO3 )、過硫酸アンモニウム(A
PS)を仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを3.5kg
/cm2 になるよう加圧し脱気する。この加圧脱気を2
回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存空気を除
去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)ま
たはテトラフルオロエチレン(TFE)を仕込み、30
℃で12時間反応を行った。
【0051】なおEOVEは次の式で示される化合物で
あり、数平均分子量は約500である。 CH2=CHOCH2CH2CH2CH2O(CH2CH2O)nH
【0052】
【表1】
【0053】上記により得られた水性分散液71部、造
膜助剤3.6部、増粘剤0.3部、顔料15.4部、分
散剤0.8部、消泡剤0.6部及び純水10.3部を用
いて塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−12
(チッソ製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト合成
製)、顔料は酸化チタン(石原産業製CR−97)、分
散剤はノプコスパース44−C(サンノプコ製)、消泡
剤はFSアンチフォーム90(ダウコーニング製)であ
る。
【0054】これらの塗料をスレート板上に、乾燥膜厚
40μmとなるようにエアスプレーで塗布し、20℃で
1週間乾燥して試験片を得た。この試験片について耐候
性、耐水性、及び透水性の試験を行った結果を表2に示
した。耐候性評価はQUV試験1000時間後に著しく
光沢が低下したものを×、光沢の低下があまり認められ
ないものを○とした。また耐水性評価は60℃の温水に
1週間浸漬した後、塗膜のふくれや剥離の有無で判定を
行った。透水性評価はJIS A6910に準じて行
い、0.5ml以下の場合を○とした。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明の水性分散液は、極めて優れた機
械的安定性、化学的安定性を有すると同時に、良好な造
膜性を有し、また得られた塗膜は耐候性、耐水性が高
く、水を透過しにくいものである。
【0057】これらの優れた性質を有する本発明の水性
分散液は、耐候性水性塗料原料として極めて有用であ
る。また本発明の水性分散液を用いた水性塗料は、溶剤
規制などの問題にまったく心配がなく、幅広い用途に適
用が可能である。例えば、ガラス、金属、セメントなど
外装用無機建材の塗装などに有用である。
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】親水性部位を有するマクロモノマーとし
て、例えば、 (1) CH2=CHO(CH2)k[O(CH2)m]nOX (kは1〜10の整数。mは1〜4の整数。nは2〜2
0の整数。XはHまたは低級アルキル基。) (2) CH2=CHCH2O(CH2)k[O(CH2)m]nOX (kは1〜10の整数。mは1〜4の整数。nは2〜2
0の整数。XはHまたは低級アルキル基。) (3) CH2=CHO(CH2)k(OCH2CH2)m(OCH2CH(CH3))nOX (kは1〜10の整数。mは2〜20の整数。nは0〜
20の整数。XはHまたは低級アルキル基。オキシエチ
レン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ランダム
のいずれの型で配列されていてもよい。) (4) CH2=CHCH2O(CH2)k(OCH2CH2)m(OCH2CH(CH3))nOX (kは1〜10の整数。mは2〜20の整数。nは0〜
20の整数。XはHまたは低級アルキル基。オキシエチ
レン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ランダム
のいずれの型で配列されていてもよい。) (5) CH2=CHO(CH2)nO(CO(CH2)mO)kH (nは1〜10の整数。mは1〜10の整数。kは1〜
30の整数。) などの片末端にラジカル重合性不飽和基を有するポリエ
ーテルポリエステル類などが例示される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】ここで、カルボン酸基含有単量体として
は、 CH2=CHOR1OCOR2COOM CH2=CHCH2R3OCOR4COOM (R1 、R3 は、炭素数2〜15のアルキル基。R2
4 は、飽和あるいは不飽和の直鎖状または環状の炭化
水素基。Mは、水素、アルカリ金属または窒素を含む
基。)などが例示される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】また、乳化重合開始温度は重合開始剤の種
類に応じて適宜最適温度が選定されるが、通常は0〜1
00℃、とくに10〜90℃程度が好ましく採用され
る。また反応圧力は適宜選定可能であるが、通常は1〜
100kg/cm2 、とくに2〜50kg/cm2 程度
を採用するのが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】実施例1〜4、比較例1〜4 内容積200mlのステンレス製撹拌機付きオートクレ
ーブ中に表1に示す組成のエチルビニルエーテル(EV
E)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、親水性部
位を有するマクロモノマー(EOVE)、イオン交換
水、乳化剤、炭酸カリウム(K2 CO3 )、亜硫酸水素
ナトリウム(NaHSO3 )、過硫酸アンモニウム(A
PS)を仕込み、氷で冷却して、窒素ガスを3.5kg
/cm2 になるよう加圧し脱気する。この加圧脱気を2
回繰り返した後10mmHgまで脱気して溶存空気を除
去した後、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)ま
たはテトラフルオロエチレン(TFE)を仕込み、30
℃で12時間反応を行った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】なおEOVEは次の式で示される化合物で
あり、数平均分子量は約500である。 CH=CHOCHCHCHCHO(CH
O)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィン、及び親水性部位を有
    するマクロモノマーを必須構成成分とする共重合可能な
    単量体を、HLB12〜18のノニオン性乳化剤の存在
    下で乳化重合して得られる含フッ素ポリマー水性分散
    液。
  2. 【請求項2】HLB12〜18のノニオン性乳化剤がポ
    リフルオロアルキル基を含まないことを特徴とする請求
    項1の含フッ素ポリマー水性分散液。
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WO2005056614A1 (ja) * 2003-12-09 2005-06-23 Daikin Industries, Ltd. 含フッ素重合体水性分散体及びその製造方法
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