JPH0665305A - キトサン誘導体の製造方法 - Google Patents
キトサン誘導体の製造方法Info
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Abstract
にも長時間高い透明性を保持することが出来るキトサン
誘導体を提供すること。 【構成】 キトサンをアルカリの存在下に水を媒体とし
て少なくとも1種のアルキレンオキサイドを反応させる
ことを特徴とするキトサン誘導体の製造方法。
Description
法に関し、更に詳しくは溶液とした場合に該溶液の長期
透明性に優れ、化粧品等の原料として有用であるキトサ
ン誘導体の製造方法に関する。
キチンの一種であるヒドロキシプロピル化キトサンは、
例えば、特公昭64−005601号公報に記載されて
おり、又、該公報にはヒドロキシプロピル化キトサンが
水溶性高分子として各種用途に有用であることが記載さ
れている。しかしながら、上記ヒドロキシプロピル化キ
トサンの出発原料であるキトサンは、その脱アセチル化
度が通常平均で約70〜80%程度のものである為、ヒ
ドロキシプロピル化反応自体に有機溶剤の使用やpHの
調整等の煩雑な条件設定が要求され、均一なヒドロキシ
プロピル化キトサンが得られず、多くの不純物を含むと
いう問題がある。
ンは製造直後には透明性によい溶液であるが、原料キト
サンの脱アセチル化度が不均一である為、時間の経過と
共に透明性が低下し、化粧品原料や食品添加剤として使
用するには問題がある。これらの不純物の問題はヒドロ
キシプロピル化キトサンが水溶性である為、水中でキト
サンをヒドロキシプロピル化する際に多くの副生物が生
成され、これらの副生物も同様に水溶性であることか
ら、これらの水溶性副生物をヒドロキシプロピル化キト
サンから水洗によって除去することが困難であることに
よる。
プロピル化キトサンの純度の問題は、適当な溶解性を有
する有機溶剤を使用して多数回の分別沈澱で精製した
り、透析等の特別の装置を使用して精製すればある程度
は解決されるが、これらの精製方法はいずれにしてもコ
スト高であり、工業的には使用困難である。従って本発
明の目的は、不純物の含有量が少なく、水溶液とした場
合にも長時間高い透明性を保持することが出来るキトサ
ン誘導体を提供することである。
によって達成される。即ち、本発明は、キトサンをアル
カリの存在下に水を媒体として少なくとも1種のアルキ
レンオキサイドを反応させることを特徴とするキトサン
誘導体の製造方法である。
が90%以上のキトサンを用いることによって、アルキ
レンオキサイドとの反応は有機溶剤を使用せず水中で可
能であり、且つアルキレンオキサイドの付加率が高いの
で、水溶液にした場合、白濁が生じることなく、長期間
透明性を保持することが出来るキトサン誘導体が提供さ
れる。
発明を更に詳しく説明する。本発明において使用する脱
アセチルキチンとは、カニ、エビ、昆虫等の甲殻或いは
キノコ等に含まれている天然高分子物の1種であるキチ
ンの脱アセチル化物であり、2−アミノ−2−デオキシ
−D−グルコースを1構成単位とする塩基性多糖類であ
る。この様な脱アセチルキチンそれ自体は既に工業的に
生産されており、種々のグレードのものが市場から入手
することが出来るが、工業的に入手されるキトサンの脱
アセチル化度は平均で約70〜80%程度であり、その
ままでは本発明の目的には使用することが出来ない。
るには、特公昭56−34201号公報及び同58−0
0441号公報に詳述されている様に、濃アルカリ溶液
でキチンを脱アセチル化処理し、アルカリ溶液を除いた
後水洗いし、更に濃アルカリ溶液で処理する操作を繰り
返すことによって得られる。特に好ましいキトサンは脱
アセチル化度が95〜100%の完全脱アセチル化キト
サンである。
例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドが挙げられるが、特に好ましい
ものはプロピレンオキサイドである。これらのアルキレ
ンオキサイドは、キトサンのアミノ基1個当たり約5〜
20モルの割合で使用することが好ましい。アルキレン
オキサイドの使用量が少なすぎると、生成物の水に対す
る溶解安定性が不十分となり、多すぎても何らの利益も
ない。
イソプロピルアルコール等のアルコール系有機溶剤を含
有する水性媒体中で行ってもよいが、有機溶剤を含まな
い水中でも容易に行うことが出来る。最も好ましい反応
方法は、水中に前記キトサンを懸濁させ、50〜100
℃の温度で3〜24時間程度反応させることによって、
分散していたキトサン原料はヒドロキシアルキル化の進
行に従って膨潤状態となってくるが、そのまま反応を継
続して目的物を得ることが出来る。又、好ましい実施態
様では、上記の反応途中の膨潤分散しているキトサンを
含む反応系に適当な鉱酸や有機酸、例えば、塩酸、硫
酸、燐酸、スルファミン酸等の無機酸又は酢酸、乳酸、
クエン酸、アジピン酸、ピロリドンカルボン酸等の有機
酸或はそれらの混合物を添加してpHを2〜5程度に調
整して、反応生成物を完全に水中に溶解させ、この状態
で反応系をそのままで或いは微酸性からアルカリ性に戻
して反応を継続することによって、キトサンを高度にヒ
ドロキシアルキル化することが出来る。
誘導体の分子量は40万以下が好ましく、更に好ましい
範囲は1万〜10万である。分子量を上記範囲に調整す
る方法は、特開昭61−40303号公報に述べられて
いる様に、キトサン原料又は生成物を過硼酸ナトリウム
等の酸化剤水溶液中で加温処理すること等によって行わ
れる。分子量が40万を越えると水溶液にした場合に水
溶液の粘度が高く、高濃度キトサン溶液が得られにく
く、又、化粧品等の原料としては使用しにくくなる。
具体的に説明する。尚、文中部とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。 実施例1 圧力反応容器にキトサン(95%脱アセチル化、平均分
子量10万)50部、水300部、20%水酸化ナトリ
ウム水溶液6部及びプロピレンオキサイド300部を仕
込、撹拌下70℃で20時間反応させる。冷却して、反
応混合物のpHを8〜9に調節する。この反応混合物を
90℃の熱水5リットル中に撹拌下滴下して目的のヒド
ロキシプロピルキトサンを折出させる。更に熱水5リッ
トルで洗浄した後、50℃で乾燥し、その後粉砕し、ヒ
ドロキシプロピルキトサン粉末81部を得た。更に溶液
の透明性を見る為に、得られたヒドロキシプロピルキト
サン粉末を95%エタノールに5%の濃度に溶解し、そ
の透明性を確認したところ長期間良好であった。
子量4万)50部、水150部及びプロピレンオキサイ
ド100部を仕込、撹拌下100℃に徐々に昇温する。
そのまま8時間反応させると、圧力は当初5Kg/cm
2 から、反応終了時には0.5Kg/cm2 まで下が
る。一旦冷却し、室温にてピロリドンカルボン酸(PC
A)20部を添加し、4時間撹拌して反応混合物を溶解
する。20%水酸化ナトリウム水溶液37部を滴下して
中和する。プロピレンオキサイド200部を添加し、7
0℃で8時間反応させる。冷却して反応混合物のpHを
8〜9に調節する。この反応混合物を90℃の熱水5リ
ットル中に撹拌下滴下して目的のヒドロキシプロピルキ
トサンを折出させる。更に熱水5リットルで洗浄した
後、50℃で乾燥し、その後粉砕し、ヒドロキシプロピ
ルキトサン粉末80部を得た。溶液の透明性を見る為
に、得られたヒドロキシプロピルキトサン粉末を95%
エタノールに5%の濃度に溶解し、その透明性を確認し
たところ長期間極めて良好であった。
又は2と同様にしてヒドロキシアルキルキトサン粉末を
得た。いずれも透明性は長期間良好であった。 比較例1〜3 表3に示す如く原料及び反応条件を種々変えて実施例1
又は2と同様にしてヒドロキシプロピルキトサン粉末を
得た。比較例1と2は、それぞれ実施例1及び3におい
て、原料キトサンを75%又は80%脱アセチル化物に
代えて行ったものであるが、得量が悪く、得られたヒド
ロキシプロピルキトサンの溶液の透明性は不十分であっ
た。比較例3は、実施例1において原料キトサンの分子
量を50万のものに代えて行った結果である。反応が進
むにつれて高粘度となり、撹拌が難しい状態であった。
又、、熱水での精製において可溶成分が存在する為得量
が極端に悪く、ヒドロキシプロピルキトサンの溶液にお
いても一部ゲルが存在し、透明性も悪かった。
性が得られた。
り良く、コンディショニング効果に優れていた。
サンとして、脱アセチル化度が90%以上のキトサンを
用いることによって、アルキレンオキサイドとの反応は
有機溶剤を使用せず水中で可能であり、且つアルキレン
オキサイドの付加率が高いので、水溶液にした場合、白
濁が生じることなく、長期間透明性を保持することが出
来るキトサン誘導体が提供される。
Claims (8)
- 【請求項1】 キトサンをアルカリの存在下に水を媒体
として少なくとも1種のアルキレンオキサイドを反応さ
せることを特徴とするキトサン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 キトサンが、脱アセチル化度90%以上
のキトサンである請求項1に記載の誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 キトサンが、脱アセチル化度95〜10
0%のキトサンである請求項1に記載の誘導体の製造方
法。 - 【請求項4】 キトサンが、脱アセチル化度95〜10
0%であり且つ分子量が40万以下である請求項1に記
載のキトサン誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 キトサンが、脱アセチル化度が95〜1
00%であり且つ分子量が1万〜10万である請求項1
に記載のキトサン誘導体の製造方法。 - 【請求項6】 アルキレンオキサイドが、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又
はそれらの混合物である請求項1に記載のキトサン誘導
体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1の方法において反応終了以前
に、反応系に酸を加えて、生成しているキトサン誘導体
を一旦溶解後、アルカリの存在下又は不存在下に反応を
継続することを特徴とするキトサン誘導体の製造方法。 - 【請求項8】 酸が、塩酸、硫酸、燐酸、スルファミン
酸等の無機酸又は酢酸、乳酸、クエン酸、アジピン酸、
ピロリドンカルボン酸等の有機酸或はそれらの混合物で
ある請求項7に記載のキトサン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23882892A JP2756060B2 (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | キトサン誘導体の製造方法 |
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JP23882892A JP2756060B2 (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | キトサン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665305A true JPH0665305A (ja) | 1994-03-08 |
JP2756060B2 JP2756060B2 (ja) | 1998-05-25 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2756060B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114044834A (zh) * | 2021-11-02 | 2022-02-15 | 千芝雅(湖北)卫生用品有限公司 | 一种聚乳酸纤维及其在成人失禁护理垫中的应用 |
-
1992
- 1992-08-17 JP JP23882892A patent/JP2756060B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN114044834A (zh) * | 2021-11-02 | 2022-02-15 | 千芝雅(湖北)卫生用品有限公司 | 一种聚乳酸纤维及其在成人失禁护理垫中的应用 |
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JP2756060B2 (ja) | 1998-05-25 |
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