JPH05255401A - 油溶性多糖類 - Google Patents

油溶性多糖類

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JPH05255401A
JPH05255401A JP5011823A JP1182393A JPH05255401A JP H05255401 A JPH05255401 A JP H05255401A JP 5011823 A JP5011823 A JP 5011823A JP 1182393 A JP1182393 A JP 1182393A JP H05255401 A JPH05255401 A JP H05255401A
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JP
Japan
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polysaccharide
ester
palmitate
hydroxypropyl cellulose
stearate
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JP5011823A
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English (en)
Inventor
Thomas G Majewicz
トーマス・ジョージ・マジェウィクツ
Makram H Meshreki
マクラム・エイチ・メシュレキ
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Aqualon Co
Original Assignee
Aqualon Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、油溶性の多糖類パルミテートエス
テルおよび多糖類ステアレートエステルを提供する。 【構成】 多糖類(例えば、セルロースエーテル類やグ
アー類)のパルミテートエステルおよびステアレートエ
ステルは鉱油溶媒や脂肪酸エステル溶媒に溶解し、した
がって化粧品や油状物の滑剤用として有用である。好ま
しいプロセスは、有機溶媒中で多糖類をミキシングする
工程;およびトリエチルアミン等の触媒の存在下にて酸
塩化物でエステル化する工程;を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉱油や脂肪酸エステル
等の比較的高粘度の有機溶媒に溶解するポリマーに関す
る。さらに詳細には本発明は、多糖類のパルミテートエ
ステルおよびステアレートエステルに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】多糖
類のエステル化は、本発明の前にすでに米国特許第2,
055,892号と第2,055,893号において公
知となっており、これらの特許は、セルロースや他の炭
水化物のヒドロキシアルキル誘導体を製造する方法を開
示している。米国特許第2,816,887号は、セル
ロースやセルロースエーテルに対して酸触媒による脂肪
酸アシル化を施して、ヒドロキシエチルセルロースアセ
テートおよびヒドロキシエチルセルロースプロピオネー
トを得ることを開示している。米国特許第3,435,
027号は、水溶性セルロースエーテルをアシル化する
ことによる、セルロースの水溶性エーテルエステルの製
造法を開示している。該特許はさらに、ヒドロキシエチ
ルセルロースとステアリン酸との水ベース混合物を開示
している。ドイツ公開公報DE3126593Al“潤
滑剤と新規なセルロースエーテルエステル”は、潤滑剤
用粘性付与剤(lubricant viscosif
iers)としての、ヒドロキシエチルセルロースのス
テアリン酸エステルとパルミチン酸エステル、およびメ
チルセルロースのステアリン酸エステルとパルミチン酸
エステルを開示している。米国特許第4,963,49
2号は、エステル交換反応プロセスについて開示してい
る。米国特許第3,629,277号は、ヒドロキシプ
ロピルセルロースと他のセルロースエーテルのフタル酸
エステルを開示している。米国特許第3,824,08
5号は、ヒドロキシプロピルセルロースとヒドロキシプ
ロピルスターチのアセテートエステルおよびラウレート
エステルを開示している。米国特許第3,870,70
1号は、ベンジルヒドロキシプロピルセルロースのアセ
テートエステル、およびそれを有機溶媒に対するゲル化
剤として使用することを開示している。米国特許第3,
940,384号は、メチルヒドロキシプロピルセルロ
ースのアセテートエステル、およびそれを有機溶媒に対
するゲル化剤として使用することを開示している。米国
特許第4,226,981号は、コハク酸無水物と脂肪
族モノカルボン酸無水物との混合物と、セルロースエー
テルとのエステル化によって得られる薬物に対する腸溶
性被膜として有用な混合エステルを開示している。
【0003】このように種々の物質が開示されているに
もかかわらず、化粧品用の増粘剤として有用な油溶性多
糖類の開発がなおも求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、多糖類
(特にセルロースエーテル)のパルミテートエステルお
よびステアレートエステルを提供することにある。
【0005】好ましいヒドロキシプロピルセルロースス
テアレートエステルおよびヒドロキシプロピルセルロー
スパルミテートエステルは、当該ヒドロキシプロピルセ
ルロースが50,000以上の分子量を有していて、且
つエステル置換度が、鉱油および/または脂肪酸に対す
る溶解性を付与するに充分な置換度であるようなもので
ある。
【0006】本発明の他の目的は、 (1) 有機溶媒中にて多糖類をミキシングする工程; (2) 触媒の存在下にて、前記多糖類をパルミテート
部分および/またはステアレート部分を含む化合物でエ
ステル化する工程;および (3) 多糖類パルミテートエステル、多糖類ステアレ
ートエステル、または多糖類パルミテートエステルと多
糖類ステアレートエステルとの混合物を回収する工程;
を含む、多糖類パルミテートエステルまたは多糖類ステ
アレートエステルの製造法を提供することにある。
【0007】好ましい製造法においては、前記触媒はト
リエチルアミンであり、前記多糖類はヒドロキシプロピ
ルセルロースであり、そして前記有機溶媒は塩化メチレ
ンである。
【0008】化粧品業界では、種々のグレードの鉱油、
脂肪族エステル(例えば、イソプロピルミリステートや
イソプロピルパルミテート)、および芳香族エステル
(例えばアルキルベンゾエートエステル)が広く使用さ
れている。さらに、シリコーン油、ホホバ油、および精
油も、使用されている。化粧品の配合を行いやすくする
ために、これらの油やエステル中に溶解し、且つこれら
の油やエステルを濃厚にするのに適した組成物が求めら
れている。本発明による発見は、このような技術の現状
における進歩を可能にする。
【0009】本発明の実施に適した多糖類は現在、種々
の供給源から工業的規模または開発検討用の規模の量に
て入手することができる。これらの多糖類は、(1)セ
ルロースエーテル類;(2)ポリガラクトマンナン類;
および(3)スターチ類;にグループ分けすることがで
きる。グループ(1)では、ヒドロキシプロピルセルロ
ースが好ましいセルロースエーテルであるが、この他の
適切なセルロースエーテルとしては、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキ
シプロピルヒドロキシエチルセルロースなどがある。こ
れらの物質は、アクアロン社(ハーキュレス・インコー
ポレーテッド・カンパニー)、ダウケミカル社、および
シンエツケミカル社から市販されている。グループ
(2)では、ヒドロキシプロピルグアーが好ましいポリ
ガラクトマンナンであるが、グアーやカルボキシメチル
ヒドロキシプロピルグアーも適している。グループ
(3)では、ヒドロキシプロピルスターチが好ましい。
【0010】好ましい多糖類は、M.S.が3.0〜
4.5のヒドロキシプロピルセルロース〔アクアロン社
からクルセル(Klucel)の商品名で市販されてい
る)である。
【0011】ヒドロキシプロピル基で置換した多糖類
は、化粧品用として特に有用な利点を有する。この点に
ついては、3.0〜4.5のヒドロキシプロピルによる
モル置換と、50,000以上の分子量を有するヒドロ
キシプロピルセルロースパルミテートエステルが、化粧
品用として最も有用であることが見いだされた。
【0012】有機溶媒または混合有機溶媒中での多糖類
のエステル化は、反応してパルミテートエステルおよび
/またはステアレートエステルを形成することのできる
化学種(例えば、ステアリン酸塩化物もしくはパルミチ
ン酸塩化物、またはステアリン酸無水物もしくはパルミ
チン酸無水物)を使用して行われる。エステル化反応が
起こるためには、セルロースエーテル、ポリガラクトマ
ンナン、またはスターチが反応性のヒドロキシル基を含
んでいなければならない。このヒドロキシル反応性は、
多糖類が部分的に他の基で変性されていても阻害される
ことはない。したがって、好ましいヒドロキシプロピル
セルロースは、他の変性基(例えば、メチル、エチル、
カルボキシメチル等)を含んでいてもよいし、さらには
長鎖の疎水性アルキル基もしくはアリールアルキル基
(例えば、ブチル、セチル、ノニルフェニル等)を含ん
でいてもよい。
【0013】ケン化法によって求められる置換度の値
は、セルロース系誘導体に対しては正確さと精度に欠け
る、ということは当業者には周知のことである。この結
果、赤外線(IR)分析における約1734cm-1と約
3470cm-1でのカルボキシエステルの伸縮バンドと
ヒドロキシルの伸縮バンドとの比を求めることが、エス
テル化度を評価するのに有用であることが見いだされ
た。0.5より大きい比の値は、油溶性を高める置換度
にほぼ相当する。この比の好ましい範囲は約0.5〜5
0.0である。
【0014】本発明の実施に際して有用なエステル化装
置とエステル化方法は、当業界ではよく知られており、
前述の特許文献中に記載されている。多糖類のエステル
化に対する好ましい触媒はトリエチルアミンである。さ
らに、硫酸水素テトラブチルアンモニウムも相間移動触
媒として有用であり、またナトリウムメトキシド/ホウ
水素化ナトリウムはエステル交換反応に対する好ましい
触媒である。
【0015】本発明のプロセスは以下のような工程を含
む。
【0016】ミキシング: 多糖類の溶液またはスラリ
ー懸濁液を、少なくとも1種の有機溶媒中で作製する。
この溶液またはスラリー懸濁液は通常、0.5〜1.5
モルの有機溶媒中に0.05〜0.15モルの多糖類を
含む。塩化メチレン、ピリジン、トルエン、1,4−ジ
オキサン、およびこれらの組み合わせ物を使用すると、
良好な結果が得られる。相間移動反応がなされる場合に
は、水性相も必要とされる。
【0017】エステル化: 溶液またはスラリー懸濁液
中に多糖類が懸濁されると、エステル化反応が起こる。
混合エステルを作製したい場合には、エステル化は、例
えば、ステアリン酸塩化物とパルミチン酸塩化物との混
合物を使用して一段で行うこともできるし、あるいは先
ずステアリン酸塩化物と反応させ、次いでパルミチン酸
塩化物と反応させることによって行うこともできる。適
切な触媒としては、行おうとするエステル化反応のタイ
プに応じて、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド
/ホウ水素化ナトリウム、硫酸水素テトラブチルアンモ
ニウム、濃硫酸、p−トルエンスルホン酸、または水素
型(hydrogen form)もしくは酸型(ac
id form)の陽イオン交換樹脂などがある。
【0018】回収: エステル化反応が完了したら、従
来の中和・洗浄工程によって、混合エステルまたは単一
エステルを回収することができる。反応混合物を冷却し
た後、有機溶媒(例えば、アセトン、トルエン、または
少量の水を含有したメタノール)を加えて過剰の酸塩化
物を分解し、そしてエステルを沈殿させる。次いで、さ
らに洗浄を行ってもよい。
【0019】化粧品の配合: 本発明にしたがって精製
されたエステルは、軽質エステル(l ight e
ster)(例えば、ホホバ油、イソプロピルミリステ
ート、 またはイソプロピルパルミテート)と芳香族
エステル(例えば安息香酸アル キルエステル)の両
方に対して溶解しうるという性質を有しているので、化
粧品中に配合することができる。
【0020】多糖類パルミテートを導入するのに適した
油状物ベースの清浄化用もしくは保護用配合物は以下の
ような成分を含む。
【0021】 以下に実施例を挙げて本発明の態様を説明するが、これ
らは化粧品用として、そしてまた油状物やガスの回収用
として工業的に適用することができる。実施例1が本発
明に対する最良の態様を示している。
【0022】実施例1 クルセル(登録商標)ヒドロキシプロピルセルロース
〔アクアロン社から、EF(分子量80,000)、J
F(分子量140,000)、MF(分子量850,0
00)、およびHF(分子量1,150,000)のグ
レード品として市販〕の0.1モルを、750mlの塩
化メチレンと250mlのトリエチルアミン中に混合し
て得られるスラリー懸濁液を5つ作製した。パルミチン
酸塩化物またはステアリン酸塩化物の0.6モルを15
0mlの1,4−ジオキサンに溶解して得られる溶液
を、各懸濁液に加えた。撹拌状態を一定に保持して、エ
ステル化反応を室温で24時間行った。エステル化が進
行するにつれて、懸濁液は粘稠となり、撹拌しにくくな
った。いずれも同じように反応して、ヒドロキシプロピ
ルセルロースのパルミテートエステルまたはステアレー
トエステルが得られた。撹拌しながら、反応混合物を2
リットルの85%水性メタノール中に注ぎ込み、そして
沈殿生成物(ゴム状の固体)を濾過することによって、
精製と回収を行った。次いでこのゴム状固体を2リット
ルの85%メタノール中に懸濁させ、希塩酸でpHを4
に調節した。エステルを濾過し、水性メタノールで再度
洗浄し、そして減圧下にて50℃で乾燥した。
【0023】皮膚清浄化用/皮膚保護用生成物を得るた
めの油状物ベース: 一般に、パルミテートエステルは、ステアレートエステ
ルより優れた溶解性を有しており、特に凍解安定性や熱
安定性に関してはステアレートエステルよりかなり優れ
ている。
【0024】表1は、Stepanから市販のイソプロ
ピルパルミテート(IPP)、Witcoから市販のド
ラケオール(Drakeol)鉱油、および油状物ベー
スの化粧品配合物について、2号スピンドルを20rp
mで使用したときのブルックフィールド粘度の比較デー
タ(RTV)を示している。測定値はいずれもcps
(=mPa.s.)で表示している。
【0025】 表2は、鉱油における比較データを示している。
【0026】 重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーによ
って求めた。
【0027】上記のデータからわかるように、ヒドロキ
シプロピルセルロースステアレートおよびヒドロキシプ
ロピルセルロースパルミテートは、化粧品配合物に有用
なエステル、油状物、および滑剤に溶解するだけでな
く、極めて効率的な増粘剤である。
【0028】ヒドロキシプロピルセルロースパルミテー
トを配合したハンドクリームの実験用サンプルを作製し
た。2重量%の添加にて満足できる増粘が得られた。増
粘剤を含まないハンドクリーム用配合物の粘度が100
cpsであるのに比べて、2%のヒドロキシプロピルセ
ルロースパルミテートを添加した場合の粘度は135c
psであった。対照標準ハンドクリームも実験用ハンド
クリームも透明且つ安定であり、3回の凍結/融解サイ
クルに耐えることができた。
【0029】実施例2 エステル化に使用する多糖類がヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルグアー、またはヒドロキシプ
ロピルスターチであること以外は、実施例1の手順を繰
り返した。いずれの場合も、多糖類のステアレートエス
テルまたはパルミテートエステルが得られた。これらの
生成物は、鉱油に対して膨潤性を示したが不溶性であっ
た。
【0030】実施例3 発明の背景に記載の方法によって、酢酸、オクタン酸、
およびラウリン酸のヒドロキシプロピルセルロースエス
テルを作製した。ヒドロキシプロピルセルロースステア
レートおよびヒドロキシプロピルセルロースパルミテー
トを、実施例1に記載の手順にしたがって作製した。表
3は、アルドリッチ社から市販のイソプロピルミリステ
ート(IPM)、およびウィトコ社から市販のライトカ
ーネーション鉱油(light carnation
mineral oil)に対する溶解性の比較データ
を示している。
【0031】 表3からわかるように、IPMと鉱油の両方に溶解する
のは本発明の新規エステルだけであり、従来技術のエス
テルは、たかだか膨潤性を有するにすぎない。このこと
は、本発明のエステルが化粧品配合物に使用するのに適
しており、そして従来技術のエステルは不適であること
を示している。
【0032】実施例4 アクアロン社から市販のクルセルJFヒドロキシプロピ
ルセルロースのサンプルを、トルエン中、p−トルエン
スルホン酸の存在下でやや過剰のパルミチン酸と共に加
熱し、これを共沸蒸留して有色ポリマーを得た。本ポリ
マーはドラケオール鉱油に対して不溶性であった。
【0033】実施例5 硫酸水素テトラブチルアンモニウムを相間移動触媒とし
て含有した水/水酸化ナトリウム系中に、クルセルMF
ヒドロキシプロピルセルロースのサンプルを懸濁させ
た。塩化パルミトイルを塩化メチレンに混合したものを
懸濁液に加え、この懸濁液を室温で数時間撹拌した。反
応混合物をメタノールで希釈した後、反応生成物を濾過
・洗浄し、そして乾燥した。鉱油に対して不溶性の白色
粉末が得られた。
【0034】実施例6 次のようなエステル交換反応にしたがって、ヒドロキシ
プロピルセルロースパルミテートを作製した。
【0035】 RCOOMe + R’OH → RCOOR’ + MeOH メチルパルミテート HPC HPCパルミテート ナトリウムメトキシド/ホウ水素化ナトリウムを触媒と
して使用して、メチルパルミテートとヒドロキシプロピ
ルセルロースとをトルエン中100℃で7時間反応させ
た。得られた生成物は鉱油に対して溶解性であった。
【0036】実施例7 撹拌機、ディーンシュタルクトラップ、温度計、凝縮
器、および窒素入口を備えた三つ口丸底フラスコ中にヒ
ドロキシプロピルセルロース(0.12モル)を入れ、
0.1モルの脂肪酸、250mlのトルエン、および
0.005モルのp−トルエンスルホン酸を加えた。窒
素雰囲気下にて反応混合物を還流し、水を110℃で7
時間共沸除去した。溶媒をデカントした後の残留物をメ
タノール中ですりつぶし、そしてこれを濾過・乾燥し
た。得られたエステルは、鉱油に対して不溶性であっ
た。
【0037】実施例8 脂肪酸の代わりに脂肪酸メチルエステルを使用したこと
以外は、実施例7に記載の手順を繰り返した。実施例7
の場合と同様の結果が得られた。このことは、酸触媒に
よるエステル交換反応を利用していることを示してい
る。
【0038】実施例9 機械的撹拌機、滴下ロート、温度計、および凝縮器を備
えた三つ口丸底フラスコ中に、実施例1にて使用のクル
セルヒドロキシプロピルセルロース(0.1モル)を仕
込んだ。ピリジン(0.42モル)を加えた。次いで、
酸塩化物を加えた後のトータルの液体対固体比が16:
1となるよう、充分な量の1,4−ジオキサンを加え
た。ヒドロキシプロピルセルロース懸濁液を撹拌し、
0.36モルの酸塩化物を等重量の1,4−ジオキサン
で希釈したものを、15分間にわたって加えた。反応混
合物の温度を100℃に上げ、継続的に撹拌しながらこ
の温度で4〜8時間保持した。冷却後、少量の水を含有
したメタノールで反応混合物を希釈して、過剰の酸塩化
物を分解させた。エステルを回収し、塩化メチレン中に
溶解することによって精製し、メタノールを使用して再
沈殿させ、メタノールで洗浄し、そして乾燥した。
【0039】ヒドロキシプロピルセルロースステアレー
トおよびヒドロキシプロピルセルロースパルミテート
は、80,000〜350,000の平均分子量で得ら
れた。
【0040】実施例10 ヒドロキシプロピルセルロースパルミテートのサンプル
(実施例1に記載の如く、クルセルMFヒドロキシプロ
ピルセルロースから作製)に関し、モノ−,ジ−,およ
びポリ−ペンタエリスリトールの種々のC5〜C10脂肪
酸エステルに対する溶解性と増粘状態について試験し
た。ヒドロキシプロピルセルロースパルミテートは、ア
クアロン社から市販のハーコルーブ(Hercolub
e)(登録商標)202ペンタエリスリトールとハーコ
ルーブJペンタエリスリトールに溶解し、またこれらを
増粘した。1重量%濃度のエステルを使用して調べたと
ころ、ハーコルーブ202の粘度は188mPa.sか
ら300mPa.sまで増大し、そしてハーコルーブJ
の粘度は40mPa.sから140mPa.sまで増大
した。
【0041】類似の方法により、実施例1からの種々の
ヒドロキシプロピルセルロースパルミテートがホホバ油
に対して溶解し、そしてホホバ油を増粘することが見い
だされた。ホホバ油は、シャンプーやスキンケア用品等
の化粧品配合物中に使用される高価な油状物である。1
〜3%の濃度において、熱安定性の高粘度溶液が得られ
た。
【0042】本実施例はさらに、本発明のエステルが増
粘の用途に利用できることを示している。
【0043】実施例11 ヒドロキシプロピルセルロースの代わりにカルボキシメ
チルヒドロキシプロピルセルロース(カルボキシメチル
置換度が0.04〜0.14)を使用したこと以外は、
実施例1に記載の手順を繰り返した。類似の溶解性が得
られた。
【0044】実施例12 ヒドロキシプロピルセルロースの代わりに、ヒドロキシ
エチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルグアー、およびグ
アーを使用したこと以外は、実施例1に記載の手順を繰
り返した。いずれの場合も、ステアリン酸とパルミチン
酸のエステルが形成された。
【0045】実施例13 パルミチン酸塩化物とHPCとのモル比を2〜10の範
囲で変えたこと以外は、実施例1と類似の手順にていく
つかのクルセルHPCパルミテート(分子量約1.15
MM)を作製した。室温で72時間エステル化を行っ
た。赤外線分光分析により、エステル置換度を求めた。
【0046】下記の表は、1734cm-1でのエステル
バンドと3470cm-1での−OHバンドとの算出比を
示している。
【0047】HPC/塩化パルミトイル C=O(1734cm-1)/−OH(3470 のモル比 cm-1)の比率 HPC(対照標準) 0.04 1:2 0.43 1:3 1.64 1:4 3.35 1:5 3.50 1:6 11.15 1:8 18.50 1:10 50.50 表4と5は、種々の溶媒中にて2号スピンドルを30r
pmで使用したときの、ブルックフィールド(LVT)
粘度の比較データを示している。測定値はいずれもcp
s=mPa.sで表示している。
【0048】 クルセル(登録商標)HPCパルミテートは高純度シリ
コーン油〔例えば、ダウコーニング社の556(フェニ
ルトリメチコーン)または345(シクロメチコー
ン)〕に対しては溶解しないけれども、表5に示すよう
に、フィンソルブTN/シリコーンの溶媒混合物に対し
ては溶解し、また該溶媒混合物を増粘させる。
【0049】 表5からわかるように、ヒドロキシプロピルセルロース
パルミテートは、化粧品配合物に有用なエステルや油状
物に溶解するだけでなく、極めて効率的な増粘剤であ
る。
【0050】本実施例は、種々の溶媒に対する溶解性や
増粘特性に関してはエステル置換度が重要であることを
示している。
フロントページの続き (72)発明者 マクラム・エイチ・メシュレキ アメリカ合衆国デラウェア州19810,ウイ ルミントン,チャニン・ドライブ 2524

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖類が、ヒドロキシプロピルセルロー
    ス、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシ
    メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
    ピルグアー、およびヒドロキシプロピルスターチからな
    る群から選ばれるものである、多糖類ステアレートエス
    テルまたは多糖類パルミテートエステル。
  2. 【請求項2】 イソプロピルパルミテート、イソプロピ
    ルミリステート、鉱油、ホホバ油、およびアルキルベン
    ゾエートエステルの溶媒群の少なくとも1つに溶解す
    る、請求項1記載の多糖類ステアレートエステルまたは
    多糖類パルミテートエステル。
  3. 【請求項3】 前記多糖類がヒドロキシプロピルセルロ
    ースである、請求項2記載の多糖類ステアレートエステ
    ルまたは多糖類パルミテートエステル。
  4. 【請求項4】 前記多糖類の分子量が50,000以上
    である、請求項2記載の多糖類ステアレートエステルま
    たは多糖類パルミテートエステル。
  5. 【請求項5】 エステル置換度が、IR分析における1
    734cm-1でのカルボキシエステル伸縮バンドと34
    70cm-1でのヒドロキシル伸縮バンドとの比であると
    定義され、そしてエステル置換度が約0.5以上であ
    る、請求項4記載のヒドロキシプロピルセルロースステ
    アレートエステルまたはヒドロキシプロピルセルロース
    パルミテートエステル。
  6. 【請求項6】 3〜4.5のヒドロキシプロピルモル置
    換度を有する、請求項5記載のヒドロキシプロピルセル
    ロースステアレートエステルまたはヒドロキシプロピル
    セルロースパルミテートエステル。
  7. 【請求項7】 (1) 有機溶媒中にて多糖類をミキシ
    ングする工程; (2) 触媒の存在下にて、前記多糖類をパルミテート
    部分および/またはステアレート部分を含む化合物でエ
    ステル化する工程;および (3) 多糖類パルミテートエステル、多糖類ステアレ
    ートエステル、または多糖類パルミテートエステルと多
    糖類ステアレートエステルとの混合物を回収する工程;
    を含む、多糖類パルミテートエステルまたは多糖類ステ
    アレートエステルの製造法。
  8. 【請求項8】 前記多糖類が、ヒドロキシプロピルセル
    ロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
    キシプロピルグアー、ヒドロキシプロピルスターチ、お
    よびカルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロースの
    うちの1種類以上である、請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】 前記化合物が酸塩化物であり、前記触媒
    がトリエチルアミンである、請求項8記載の製造法。
  10. 【請求項10】 前記エステルが、工程(3)におい
    て、アセトン、メタノール、または水の1種類以上を使
    用して回収される、請求項9記載の製造法。
  11. 【請求項11】 前記触媒が相間移動触媒であり、苛性
    アルカリ水性相が存在する、請求項7記載の製造法。
  12. 【請求項12】 前記相間移動触媒が硫酸水素テトラブ
    チルアンモニウムである、請求項11記載の製造法。
  13. 【請求項13】 ヒドロキシプロピルセルロースパルミ
    テートを増粘剤として含有した、オイルベースの皮膚清
    浄化用もしくは皮膚保護用物品。
  14. 【請求項14】 前記ヒドロキシプロピルセルロースパ
    ルミテートが3.0〜4.5のヒドロキシプロピルモル
    置換度を有する、請求項13記載の物品。
  15. 【請求項15】 ホホバ油を含有した、請求項13記載
    の物品。
  16. 【請求項16】 鉱油を含有した、請求項13記載の物
    品。
  17. 【請求項17】 アルキルベンゾエートエステルを含有
    した、請求項13記載の物品。
  18. 【請求項18】 シクロメチコーンシリコーン油もしく
    はフェニルトリメチコーンシリコーン油と、鉱油、ホホ
    バ油、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリス
    テート、およびアルキルベンゾエートエステルからなる
    群からの有機油とを含有した、請求項13記載の物品。
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